特許第6321180号(P6321180)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6321180導波路における、および、導波路に関連した改良
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6321180
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】導波路における、および、導波路に関連した改良
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20180423BHJP
   G02B 6/124 20060101ALI20180423BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20180423BHJP
【FI】
   G02B27/02 Z
   G02B6/124
   G02B5/18
【請求項の数】14
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-541648(P2016-541648)
(86)(22)【出願日】2014年12月12日
(65)【公表番号】特表2017-504063(P2017-504063A)
(43)【公表日】2017年2月2日
(86)【国際出願番号】EP2014077597
(87)【国際公開番号】WO2015091277
(87)【国際公開日】20150625
【審査請求日】2016年8月5日
(31)【優先権主張番号】13275323.7
(32)【優先日】2013年12月19日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】1322488.6
(32)【優先日】2013年12月19日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】390038014
【氏名又は名称】ビ−エイイ− システムズ パブリック リミテッド カンパニ−
【氏名又は名称原語表記】BAE SYSTEMS plc
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】シモンズ、マイケル・デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ファーンズ、アンソニー・ロバート
【審査官】 堀部 修平
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第02241926(EP,A1)
【文献】 英国特許出願公開第02500631(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/02
G02B 6/00 − 6/54
G02B 5/18
G02B 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ装置のための導波路であって、
表示されるべき光を導波するための平板の光導波路部と、
光を受け取り、前記光導波路部によって導波するために、前記光導波路部に沿って前記受け取られた光を回折するよう構成された入力回折格子と、
前記光導波路部を介して前記入力回折格子に光学的に結合され、前記入力回折格子から回折された光を受け取り、前記受け取られた光を、回折によって、第1の次元において、拡張するよう構成された中間回折格子と、
前記光導波路部を介して前記中間回折格子に光学的に結合され、前記拡張された光を受け取り、前記受け取られた拡張された光を、表示のために、回折によって、出力するよう構成された出力回折格子と、
を備え、
前記入力回折格子は、前記中間回折格子の地理的領域の中に全体が位置付けられるように位置決めされ、
前記入力回折格子と前記中間回折格子との格子ベクトルは異なるそれぞれの方向に配向される、
導波路。
【請求項2】
前記入力回折格子は、前記入力回折格子の物理的な位置が前記中間回折格子の前記地理的領域の中に全体がはいるように、前記中間回折格子とほぼ同一面に位置付けられる、請求項1に記載の導波路。
【請求項3】
前記入力回折格子は、前記入力回折格子の見かけ上の位置が前記中間回折格子の前記地理的領域の中に全体がはいるように、前記中間回折格子に隣接して位置付けられる、請求項1に記載の導波路。
【請求項4】
前記中間回折格子の材料は、前記導波路を介して前記受け取られた光が前記入力回折格子から前記中間回折格子に全内部反射によって導波される、その前記光導波路部に沿った前記中間回折格子の前記地理的領域と前記入力回折格子の地理的領域との全てを覆う、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の導波路。
【請求項5】
前記中間回折格子の材料は、少なくとも前記入力回折格子の材料と連続している、請求項1ないし4のいずれか一項記載の導波路。
【請求項6】
前記中間回折格子の材料は、前記出力回折格子の材料と連続している、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の導波路。
【請求項7】
前記中間回折格子は、前記導波路の面に形成された表面レリーフ格子である、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の導波路。
【請求項8】
前記入力回折格子と前記出力回折格子は、各々、前記導波路の面に形成されたレリーフ格子である、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の導波路。
【請求項9】
前記中間回折格子は、矩形波格子構造を備える、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の導波路。
【請求項10】
前記入力回折格子、または/および、前記出力回折格子は、ブレーズド格子構造を備える、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の導波路。
【請求項11】
前記中間回折格子の上に、前記中間回折格子の材料の屈折率とは異なる屈折率を有したコーティングを含む、請求項1ないし10のいずれか一項に記載の導波路。
【請求項12】
前記入力回折格子または/および前記出力回折格子の上に、前記入力回折格子または/および前記出力回折格子の材料の屈折率とは異なる屈折率を有したコーティングを含む、請求項1ないし11のいずれか一項に記載の導波路。
【請求項13】
前記出力回折格子は、前記中間回折格子から前記拡張された光を受け取り、前記第1の次元を横切る第2の次元において前記受け取られた拡張された光を拡張するよう構成される、請求項1ないし12のいずれか一項に記載の導波路。
【請求項14】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の導波路を備えたディスプレイデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、限定ではないが、ディスプレイのための光導波路等の導波路に、および、ディスプレイ装置に関係する。特に、本発明は、イメージ保持光が導波路に注入され、可視イメージを形成するために拡張され、見るために導波路から放出されるディスプレイ装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
このタイプの先行技術のディスプレイ装置は、3つの連続する機能のそれぞれの1つを実行するよう構成された3つの個別の回折格子を含むスラブ導波路を備え得る。第1の格子は、スラブ導波路に沿った方向に、受け取られた光を回折するための光入力領域としての役割をする。第2の格子は、第1の次元(dimension)において第1の格子からの光を拡張するための役割をし、第3の格子は、拡張された光を受け、第1の次元に直交する第2の次元において光を更に拡張するため、および、導波路からの結果を出力するための役割を持つ。第2の回折格子が要求された方向に受け取られた光を回折することができ、その回折された光が第3の回折格子に到達し得るようにするために、第2の格子の格子線の配向に対して好適な方向で、第1の格子から第2の格子によって光が受け取られる必要もある。第1の(入力)格子と第2の格子における格子線の配向の間の不整列は、第3の(出力)格子の格子線の配向に対する第2の格子からの出力光の不整列の結果となる。
【0003】
これは、第3の(出力)格子によるイメージ保持光出力から再生可能なイメージの品質を劣化させる総体的な影響を有する。
【0004】
第1と第2の回折格子の間の格子線の不整列の可能性を減らす試みのために、幾つかの先行技術の方法は、第1と第2の格子の両方を、格子線の全体にわたって1つの共通な配向を有する1つの全体的な格子構造の異なる部分として押し付けること、または、刻印することを含む。これは、共通の単一の格子刻印器から刻印された2つの別個の格子領域の形態(図1A)、または、1つの刻印器から刻印された1つの格子パターンの2つの別個の領域の形態(図1B)であり得る。
【0005】
しかし、両方の場合において、第2の格子または格子領域が、第3の(出力)格子への前方への回折のための第2の格子の格子線への入射方向の好適な角度で、第1の格子または格子領域から入力光を受け取ることができるためには、第1の格子または格子領域から発する光は、第2の格子または格子領域に向かって逆に反射されることによって向け直されなければならない。これを達成するために、高い反射面が、スラブ導波路のエッジの部分に沿って与えられなければならない。
【0006】
反射面は、それが有用であるべきならば、非常に高度な光学的基準に製造されなければならない。反射スラブエッジの非常に平らな面への研磨が必要とされる。これは達成するのが困難であり、そのような導波路は製造のために高価になる。
【0007】
本発明は、これらの問題に対処することを目的としている。
【発明の概要】
【0008】
第1の形態において、本発明は、表示されるべき光を導波するための平板光導波路部と、光を受け取り、それによって導波するための光導波路部に沿って、受け取られた光を回折するよう構成された入力回折格子と、光導波路部を介して入力回折格子に光学的に結合され、入力回折格子から回折された光を受け取り、回折によって、第1の次元において、受け取られた光を拡張するよう構成された中間回折格子と、光導波路部を介して中間回折格子に光学的に結合され、拡張された光を受け取り、表示のために、回折によって、光導波路部から、受け取られた拡張された光を出力するように構成された出力回折格子と、を備え、入力回折格子は、中間格子の地理的領域、または、底面(footprint)の中に全体が位置付けられるように位置決めされ、入力回折格子と中間回折格子の格子ベクトルは、異なるそれぞれの方向に配向される、ディスプレイ装置のための導波路を提供する。例えば、それぞれの格子ベクトルが導波路部の面に実質的に位置していない場合、光導波路部の面上への入力回折格子と中間回折格子の格子ベクトルの投影が、異なるそれぞれの方向に配向され得る。
【0009】
入力回折格子は、入力回折格子の物理的な位置が中間回折格子の地理的領域または底面の中に全体がはいるように、中間回折格子とほぼ面内または共平面に位置付けられ得る。
【0010】
入力回折格子は、入力回折格子の外見上の位置が中間回折格子の地理的領域または底面の中に全体がはいるように、中間回折格子に隣接して(例えば、平行であるが、面外である)位置付けられ得る。中間回折格子の地理的領域または底面の中に全体が入るような入力回折格子の位置は、物理的/実体的な位置であってよく、または、外見上の位置であってもよい。その上に中間格子が形成され、中間回折格子の外側境界/周囲によって囲われる面が、別個の表面上にそれ自身が形成される入力格子上全体に延びるように、当該地理的領域または底面の中にはいる入力格子の外見上の位置は、入力格子を、中間回折格子に好適に近くに位置決めすることによって達成され得る。一例は、中間回折格子を光導波路部の1つの平面上に形成すること、および、入力回折格子を、中間格子の底面の中の導波路部の反対の平面上に、後者の平面上に投影される(例えば、導波路部を介して見ることができる)ように形成することである。
【0011】
好適には、中間回折格子の材料は、それらを介して入力回折格子から中間回折格子に、受け取られた光が全内部反射によって導波される、光導波路部の一方側における光導波路部の表面のそれらの部分の全てを覆う。
【0012】
中間回折格子の材料は、好適には、少なくとも入力回折格子の材料と連続している。
【0013】
中間回折格子の材料は、出力回折格子の材料と連続していてもよい。
【0014】
中間回折格子は、導波路の面に形成された表面レリーフ格子であってよい。入力回折格子と出力回折格子は、各々、導波路の表面に形成されるレリーフ格子であってよい。
【0015】
中間回折格子は、矩形波格子構造を備え得る。入力格子または/および出力格子は、ブレーズド格子構造であってよい。
【0016】
導波路は、中間回折格子上のコーティングを含み得る。コーティングは、中間回折格子の材料の屈折率とは異なる屈折率を有し得る。
【0017】
導波路は、入力または/および出力回折格子上のコーティングを含むことができ、コーティングは、入力または/および出力回折格子の材料の屈折率とは異なる屈折率を有し得る。
【0018】
出力回折格子は、好適には、中間回折格子から、拡張された光を受け取り、第1の次元を横切る第2の次元において、受け取られた光を拡張するように構成される。
【0019】
本発明は、上述の導波路を備えたディスプレイ装置を提供し得る。
【0020】
第2の態様において、ディスプレイ装置のための導波路を製造するための方法を提供し、導波路は、光を受け取り、導波路に沿って、受け取られた光を回折するための入力回折格子と、入力回折格子から回折された光を受け取り、回折によって、第1の次元において、受け取られた光を拡張するための中間回折格子と、回折によって光導波路から拡張された光を受け取り、出力するための出力回折格子と、を含み、方法は、平板光導波路部を提供することと、光学的に透明な固体を形成するために硬化可能な流動性の材料を光導波路部上に積層することと、入力回折格子領域、中間回折格子領域、および、出力回折格子領域を規定する刻印を、流動性の材料上に刻印すること、ここにおいて、中間回折格子の流動性の材料は、少なくとも入力回折格子領域の流動性の材料と連続している、と、刻印を固形化するために刻印された流動性の材料を硬化することと、を備え、入力回折格子は、中間格子の地理的領域または底面の中に全体が位置付けられ、入力回折格子と中間回折格子の格子ベクトルは、異なるそれぞれの方向に配向される。例えば、それぞれの格子ベクトルが導波路部の面に実質的に位置していない場合、入力回折格子と中間回折格子の格子ベクトルの光導波路部の面への投影は、好適には、異なるそれぞれの方向に配向される。
【0021】
入力回折格子は、入力回折格子の物理的位置が中間回折格子の地理的領域または底面の中に全体がはいるように、中間回折格子とほぼ面内または共平面に位置付けられ得る。
【0022】
好適には、硬化された材料は、それらを介して入力回折格子から中間回折格子に、受け取られた光が全内部反射によって導かれる、光導波路部の一方の側における光導波路部の表面のそれらの部分の全てを覆う。
【0023】
刻印することは、入力格子と中間回折格子との両方を、平板導波路の同じ1つの側において、流動性の材料上に刻印することを含み得る。
【0024】
刻印することは、入力格子を囲む回折領域として、入力格子と中間回折格子との両方を、平板導波路の同じ1つの側において、流動性の材料上に刻印することを含み得る。
【0025】
中間回折格子領域の流動性の材料は、出力回折格子領域の流動性の材料と連続していてもよい。
【0026】
刻印することは、入力格子、中間回折および出力回折格子の各々を、平板導波路の同じ1つの側において、流動性の材料上に刻印することを含み得る。
【0027】
刻印することは、入力格子、中間回折および出力回折格子の各々を、同時に、流動性の材料上に刻印することを含み得る。
【0028】
硬化することは、入力格子、および、中間回折、または、追加的に出力回折格子の各々のために、同時に、流動性の材料を硬化することを含み得る。
【0029】
刻印することは、矩形波回折構造をもった中間回折格子を刻印することを含み得る。
【0030】
刻印することは、ブレーズド格子構造をもった入力格子または/および出力格子を刻印することを含み得る。
【0031】
方法は、中間回折格子の材料の屈折率とは異なる屈折率を有した中間回折格子上のコーティングを与えることを含み得る。
【0032】
方法は、入力または/および出力回折格子の材料の屈折率とは異なる屈折率を有する入力または/および出力回折格子上のコーティングを与えることを含み得る。
【0033】
出力回折格子は、好ましくは、中間回折格子から拡張された光を受け取り、第1の次元を横切る第2の次元において受け取られた光を拡張するように構成される。
【0034】
第3の態様において、本発明は、ディスプレイ装置のための導波路を製造するための方法を提供し得、導波路は、光を受け取り、導波路に沿って、受け取られた光を回折するための入力回折格子と、入力回折格子から回折された光を受け取り、回折によって、第1の次元において、受け取られた光を拡張するための中間回折格子と、光導波路からの拡張された光を受け取り、回折によって光を拡張するための出力回折格子と、を含み、方法は、平板光導波路部を提供することと、光学的に透明な固体を形成するために硬化可能な流動性の材料を、光導波路部の対向する平板面上に積層することと、流動性の材料上に、入力回折格子、中間回折格子、および、出力回折格子を規定する刻印を刻印することと、刻印を固形化するために刻印された流動性の材料を硬化することと、を備え、入力回折格子は、中間回折格子の地理的領域または底面の中に全部が位置付けられるように、中間回折格子に隣接して位置付けられ、入力回折格子と中間回折格子の格子ベクトルは、異なるそれぞれの方向に配向される。例えば、それぞれの格子ベクトルが導波路部の面に実質的に位置しない場合、入力回折格子と中間回折格子の格子ベクトルの光導波路部上への投影は、好ましくは、異なるそれぞれの方向に配向される。
【0035】
入力回折格子の外見上の位置が中間回折格子の地理的領域または底面の中に全体がはいるように、入力回折格子は、中間回折格子に隣接して、それに平行だがそれの面外ではなく、位置付けられ得る。入力回折格子の位置は、中間回折格子の地理的領域または底面の中に全体がはいるように、外見上の位置であり得る。中間格子が形成され、中間回折格子の外側の境界/周囲によって囲まれる面が、それ自身が別個の面上に形成される入力格子上を全体的に延びるように、当該地理的領域または底面の中にはいる入力格子の外見上の位置は、中間回折格子の近くに好適に入力格子を位置付けることによって達成され得る。一例では、光導波路部の1つの平面上に中間回折格子を形成すること、および、中間格子の底面内の導波路部の反対側の平面上に、後者の平面上に投影される(例えば、導波路部を介して見ることができる)ように、入力回折格子を形成することである。
【0036】
流動性の材料は、好ましくは、平板導波路部の2つの対向する面の各々上に積層され、刻印することは、好ましくは、実質的な非回折入力窓領域を囲む回折領域として、平板導波路の一方の側における流動性の材料上に中間回折格子を刻印することと、入力格子が入力窓領域を介して見ることができるように、平板導波路の反対側における流動性の材料上に入力格子を刻印することと、を含む。
【0037】
好ましくは、硬化された材料は、それらを介して入力回折格子から中間回折格子に、受け取られた光が全内部反射によって導かれる、光導波路部の一方の側において、光導波路部の面のそれらの部分の全てを覆う。
【0038】
中間回折格子領域の流動性の材料は、出力回折格子領域の流動性の材料と連続し得る。
【0039】
刻印することは、中間回折格子と出力回折格子の各々を、平板導波路の同じ一方の側において流動性の材料上に刻印することを含み得る。
【0040】
硬化することは、平板導波路の一方の側において中間回折格子と出力回折格子の各々の流動性の材料を同時に硬化することと、続いて、平板導波路の反対側に流動性の材料を与えることと、を含み得る。
【0041】
刻印することは、続いて、平板導波路の反対側において、流動性の材料上に入力格子を刻印することを含み得る。
【0042】
方法は、流動性の材料の中に刻印された入力回折格子の固形化された中間回折格子に対する配向を調節することと、続けて、選択された配向において、刻印された入力回折格子を硬化することと、を含み得る。
【0043】
刻印することは、矩形波格子構造をもった中間回折格子を刻印することを含み得る。
【0044】
刻印することは、ブレーズド格子構造をもった入力格子または/および出力格子を刻印することを含み得る。
【0045】
方法は、中間回折格子上に、中間回折格子の材料の屈折率とは異なる屈折率を有するコーティングを与えることを含み得る。
【0046】
方法は、入力または/および出力回折格子上に、入力または/および出力回折格子の材料の屈折率とは異なる屈折率を有するコーティングを与えることを含み得る。
【0047】
出力回折格子は、好ましくは、中間回折格子から拡張された光を受け取り、第1の次元を横切る第2の次元において受け取られた光を拡張するよう構成される。
【0048】
導波路部またはその上の表面のひだの屈折率の周期的な摂動または変動は回折格子を規定し得、これは、格子面に沿った入射光波
【0049】
【数1】
【0050】
のインパルジョン(impulsion)(波動ベクトル表面成分
【0051】
【数2】
【0052】
)を、整数(m)個の格子インパルス(格子ベクトル
【0053】
【数3】
【0054】
)を加える、または、引くことによって変化させる効果を有する:
【0055】
【数4】
【0056】
ここで、
【0057】
【数5】
【0058】
および、dは、格子の平面にあり、格子の周期性の方向(例えば、直線状の格子線/溝の方向に垂直)にある単位ベクトル方向
【0059】
【数6】
【0060】
における格子間隔である。
【0061】
格子がxy平面にあり、周期性がx軸に沿っており、入射光線が溝に垂直な平面に位置する場合、反射における式は、所謂「回折格子方程式」の形をとる:
【0062】
【数7】
【0063】
ここで、λは光の波長である。
【0064】
ここで、本発明の例示の実施形態が、添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図1A図1Aは、先行技術に従ったスラブ導波路を示す。
図1B図1Bは、先行技術に従ったスラブ導波路を示す。
図2A図2Aは、図1に従ったスラブ導波路を製造するためのプロセスを概略的に示す。
図2B図2Bは、図1に従ったスラブ導波路を製造するためのプロセスを概略的に示す。
図2C図2Cは、図1に従ったスラブ導波路を製造するためのプロセスを概略的に示す。
図2D図2Dは、図1に従ったスラブ導波路を製造するためのプロセスを概略的に示す。
図2E図2Eは、図1に従ったスラブ導波路を製造するためのプロセスを概略的に示す。
図2F図2Fは、図1に従ったスラブ導波路を製造するためのプロセスを概略的に示す。
図3図3は、本発明の実施形態に従ったスラブ導波路を示す。
図4図4は、本発明の他の実施形態に従ったスラブ導波路の2つの対向する面側の両方を示す。
図5図5は、本発明の実施形態に従ったスラブ導波路に入力される光の相互作用を概略的に示す。
図6図6は、図1の先行技術のスラブ導波路と図4図5に示される本発明の実施形態に従ったスラブ導波路とにおける入力光の導波の間の比較を概略的に示す。
図7図7は、図1の先行技術のスラブ導波路と図4図5に示される本発明の実施形態に従ったスラブ導波路とにおける入力光の導波の間の更なる比較を概略的に示す。
図8図8は、図1の先行技術のスラブ導波路と図4に示される本発明の実施形態に従ったスラブ導波路とにおける入力光の導波の間の比較を概略的に示す。
図9図9は、図1の先行技術のスラブ導波路と図4に示される本発明の実施形態に従ったスラブ導波路とにおける入力光の導波の間の比較を概略的に示す。
図10A図10Aは、図4に従った本発明のスラブ導波路を製造するためのプロセスを概略的に示す。
図10B図10Bは、図4に従った本発明のスラブ導波路を製造するためのプロセスを概略的に示す。
図10C図10Cは、図4に従った本発明のスラブ導波路を製造するためのプロセスを概略的に示す。
図10D図10Dは、図4に従った本発明のスラブ導波路を製造するためのプロセスを概略的に示す。
図11A図11Aは、図5に従った本発明のスラブ導波路を製造するためのプロセスを概略的に示す。
図11B図11Bは、図5に従った本発明のスラブ導波路を製造するためのプロセスを概略的に示す。
図11C図11Cは、図5に従った本発明のスラブ導波路を製造するためのプロセスを概略的に示す。
図11D図11Dは、図5に従った本発明のスラブ導波路を製造するためのプロセスを概略的に示す。
図11E図11Eは、図5に従った本発明のスラブ導波路を製造するためのプロセスを概略的に示す。
図11F図11Fは、図5に従った本発明のスラブ導波路を製造するためのプロセスを概略的に示す。
図11G図11Gは、図5に従った本発明のスラブ導波路を製造するためのプロセスを概略的に示す。
図11H図11Hは、図5に従った本発明のスラブ導波路を製造するためのプロセスを概略的に示す。
図11I図11Iは、図5に従った本発明のスラブ導波路を製造するためのプロセスを概略的に示す。
【詳細な説明】
【0066】
図面において、同様な参照符号は同様な項目を指す。
【0067】
図1Aは、ディスプレイ装置のための先行技術の導波路を示す。導波路は、スラブの2つの対向する平行で平板の表面の間の全内部反射によって、内部で光を導波するためのスラブ光導波路1を備える。
【0068】
表示されるべきイメージ保持光は、イメージ保持光6を受け取るように、および、入力回折格子に光学的に結合された中間回折格子4を横切って導波するために、スラブ光導波路に沿って、受け取られた光7を回折するように構成される入力回折格子2を介してスラブに入力される。中間格子4は、回折によって、第1の次元7において、受け取られた光を拡張するように、および、スラブ光導波路を介して、中間回折格子に光学的に結合された出力回折格子5の方向に拡張された光8を向けるように構成される。
【0069】
出力格子は、中間格子から拡張された光8を受け取り、ユーザ10への表示のために、回折によって、受け取られた拡張された光をスラブ光導波路から出力する9ように構成される。
【0070】
入力回折格子2は、反射コーティング3によってコーティングされるスラブ導波路の反射エッジ部を介して、中間回折格子に光学的に結合される。従って、入力光6は、反射エッジに向かって回折され、スラブ導波路の中での全内部反射によって当該反射コーティング/エッジ3に導波される。反射エッジにおける反射に応じて、導波された入力光は、その後、中間回折格子4に向かって導波される。
【0071】
反射エッジの存在は、導波路の製造を複雑にしており、導波路を、製造するのに比較的高価にし、製造を難しくし、一旦生成された製造誤差に脆弱にする。図1Bは、入力回折格子2が、中間格子領域と一体で作成され、連結されることによって、中間回折格子に接続された連続格子領域として構成される、図1Aの先行技術のデバイスの先行技術の変形例を概略的に示す。図1Bの装置の形態と動作は、図1Aの装置のものとその他の点で同じであり、光線(6、7、8、および、9)は、これを図示するために図1Bにおいて示される。
【0072】
入力回折格子(図1A)または入力回折格子領域(図1B)の格子線は、中間回折格子、または、格子領域の格子線にほぼ平行である(それらの格子ベクトルは同一である)ことが注記されるべきであり、そうして、中間格子の格子線に対して好適な方向に入力光7を向け直すために反射エッジ3の使用を必要とする。
【0073】
先行技術のデバイスの両方の例(図1Aと1B)の入力と中間格子(または、格子領域)の共通に配向された格子線(格子ベクトル)は、ここで図1Aの装置に関して説明されるように、レリーフの中にそのように共通に配向された格子線/溝を帯びる単一の格子刻印器の使用によって作成される。この作成方法は、図1Bのデバイスの製造にも等しく適応することが注記されるべきである。両方の場合において、導波路基板の平板面上への入力と中間の格子部の格子ベクトルの投影は、それらのベクトルが同じであるから、単に、ほぼ平行である。
【0074】
図2Aから2Fは、議論されている製造プロセスを概略的に示す。プロセスは、光学的に透明な固体を形成するために硬化可能である、流動性の硬化性接着剤(fluid curing glue)11のスラブ光導波路基板1上への積層で始まる(図2A)。硬化性接着剤の3つの別々の(separate)、個別の(discrete)、分離された(isolated)積層が、導波路基板によってお互いに光学的に結合される3つの別々の回折格子領域を形成することを意図された位置において、基板上に積層される。次に(図2B)、格子刻印器(grating stamper)12がプロセスに投入される。格子刻印器は、1つの面上に、3つの表面レリーフパターン(13、14、15)を帯びており、それらの各1つは、3つの別々の表面レリーフ回折格子のそれぞれの1つを表す。格子刻印器の各表面レリーフパターンは、それが刻印するように設計された格子に対して陰画の、または、相対応する形態である。入力格子のための格子線のレリーフ13は、中間格子のための格子線のレリーフパターン14にほぼ平行である。
【0075】
格子刻印器は、3つの別々で個別の回折格子のそれぞれ1つに対応するそれら3つの積層上に刻印を形成するために、同時に、流動性の硬化性接着剤の3つの個別の積層上に押し付けられる。3つの回折格子は、格子刻印器の第1の表面レリーフパターン13によって規定される入力回折格子領域、格子刻印器の第2の表面レリーフパターン14によって規定される中間回折格子領域、および、格子刻印器の第3の表面レリーフパターン15によって規定される出力回折格子領域を規定する。
【0076】
勿論、上述したように、一方のパターンが組み合わされた入力と中間との格子構造に対応し、他方が出力格子構造に対応する2つの別々の表面レリーフパターンを格子刻印器が備えるという変更でもって、図1Bの装置を製造することにおいて、同じ基本プロセスが適用される。また、流動性の硬化性接着剤の2つの個別の積層−一方が組み合わされた格子用で、一方が出力格子用−のみが必要とされる。
【0077】
次の製造ステップ(図2C)において、まだ流動性の形態にある硬化性接着剤11と、そこに3つの格子を定義するためにその上に押し付けられた格子刻印器とをもって、複数の異なる色の光が、第1の表面レリーフ(入力)回折格子パターンで刻印される硬化性接着剤積層の中に入力される。この入力光は、入力格子パターンによって、導波路基板1の中にはいり、導波路基板の反射エッジ3(図1参照)部分に向かって回折され、そこから、第2の表面レリーフパターン14によって流動性の硬化性接着剤の第2の積層に形成された中間回折格子パターンに、そこから、格子刻印器12の第3の表面レリーフパターン15によって流動性の硬化性接着剤の第3の積層上に刻印された第3の(出力)回折格子パターンに回折される。第3の(出力)格子パターンにおいて、多色光が導波路基板1から出力される。異なる色の光の出力の方向の間の角度上の不整列が観察される。そのような不整列は、導波路基板の反射エッジ3と、格子刻印器の第1の表面レリーフ格子パターン13によって刻印された入力回折格子パターンと、入力回折格子パターンと中間回折格子パターンとの2つのパターンの格子溝がほぼ平行なので、格子刻印器によって刻印された中間回折格子パターン14と、の間での不整列に因る。実際において、前者からの入力光の入射の角度は、光が光学的に後続の回折格子に結合されるように、正確に整列されなければならない。
【0078】
そのような不整列のための調節のために、次の製造ステップ(図2D)は、硬化性接着剤の中の流動性の回折格子刻印を整列し直すために、導波路基板(および、その反射エッジ3)に対して格子刻印器の慎重な回転を必要とする。出力光ビームの異なる色の角度上の整列が観察される場合、好適な整列が検出される。
【0079】
好適な整列が観察された場合、続いて、流動性の硬化性接着剤が、紫外線(ultraviolet:UV)放射でそれを照射することによって硬化される。これは、入力、中間、および、出力回折格子の刻印を固形化するために、刻印された流動性の硬化性接着剤を固形化する。
【0080】
結果としての導波路1は、導波路刻印器12から引き離され(図2F)、表面レリーフにおいて、光を受け取り、反射エッジ3に向かって導波路に沿って、受け取られた光を回折するための入力回折格子2と、反射エッジ3からの回折された光を受け取って、回折によって、第1の次元において、受け取られた光を拡張するための中間回折格子4と、拡張された光を受け、回折によって光導波路から出力するための出力回折格子5と、を含む。
【0081】
この先行技術の製造プロセスは、時間を浪費し、難しく、誤りをしがちである。
【0082】
本発明の2つの実施形態の各々は、これらの製造や製品の問題に対処するディスプレイ装置の導波路を提供する。
【0083】
図3図4を参照すると、実施形態の各々は、表示されるべき光を導波するためのスラブ光導波路基板(20、24)を備える。基板は、イメージ保持光を受け取り、中間格子25に向けて直接に、光導波路に沿って、受け取られた光を回折するために表面上に構成される入力回折格子(21、28)を帯び、光が導波路の中で導波される。
【0084】
中間回折格子(22、25)は、導波路の表面に形成され、光導波路を介して入力回折格子(20、24)に光学的に結合される。中間回折格子は、入力回折格子からの回折された光を直接受け取るように、および、回折によって、第1の次元において、受け取られた光を拡張するように構成される。入力格子の格子線/溝は中間格子のものとは平行でなく、従って、2つの格子の格子ベクトルが、導波路基板の平板面へのそれらのそれぞれの投影をするときに、異なる配向を有する。この例において、格子ベクトルは導波路構造の面に平行に位置し、従って、導波路構造の面上のそれらのそれぞれの投影はベクトルそれら自身に等しい。入力格子は、中間格子の地理的領域または底面の中に位置付けられる。中間格子の地理的領域/底面の中に位置付けられることによって、入力格子の実際の位置が中間格子の境界の中にあるとして定義され得ること(例えば、図3)、または、入力格子の見かけ上の位置が中間格子の境界の中にあるとして定義され得ること(例えば、図4)、が意味される。
【0085】
出力回折格子(23、27)は、光導波路部を介して中間回折格子に光学的に結合され、拡張された光を受けるように、および、表示のために、回折によって、光導波路から、受け取られた拡張された光を出力するように構成される。
【0086】
特に、先行技術のデバイスにおけるような特別な反射エッジの使用はなく、また、中間回折格子(22、25)の材料は、それらを介して入力回折格子(21、28)から中間回折格子(22、25)に、入力されたイメージ保持光が全内部反射によって導波される、導波路スラブの一方の側において、光導波路部の表面のそれらの部分の全てを覆う。
【0087】
図3の実施形態において、中間回折格子22の材料は、入力回折格子21の材料と連続している。しかし、図4の実施形態では、入力回折格子28の材料は、中間回折格子25の材料と連続してはいない。実際、この代替の実施形態の中間格子25と出力格子27は、各々、スラブ導波基板の第1の平板側24A上に形成され、入力格子28が形成されたスラブ導波路基板の第2の平板側24Bとは反対側である。図4は、これら3つの回折格子を帯びる第1と第2のスラブ側の両方を示す(破線の矢印が導波スラブを「介して」見られる格子を指している)。
【0088】
図4を詳細に参照すると、導波路基板の一方の側24A上の中間回折格子は、円形でほぼ非回折性の入力窓領域26を囲む回折領域25として備えている。平板導波基板の反対側24Bは、入力格子が入力窓領域を介して見えるように、入力窓領域26と位置合わせされて位置付けられた入力格子28を帯びる。入力窓領域は、中間回折格子を形成する、囲んでいる回折領域25の材料と同じ材料を備え、連続している。代替の実施形態において、入力窓領域は、むき出で、スラブ導波基板の領域が露出され、覆われない/コーティングされないままにされ、材料の存在しないことによって規定されてもよい。いずれの場合でも、入力窓26を介して見える、入力回折格子28の見かけ上の位置は、中間格子の境界内にあり、従って、中間格子の地理的領域または底面の中に設けられる。勿論、図3の例において、入力回折格子21の実際の位置は中間格子の境界内にある。前者の場合には、入力格子は、中間格子の平面からずれており、後者では、入力格子は、中間格子面と同一面である。
【0089】
中間回折格子(22、25)の材料は、また、これらの実施形態の一方または各々において、出力格子(23、27)の材料と連続であり得る。出力回折格子は、中間回折格子および/または入力格子と同一面に形成され得、または、いずれか/両方と平面外であり得る。これは、導波路基板の2つの対向する面の好適な一方上に出力格子を形成することによって達成され得る。
【0090】
中間回折格子(22、25)は、スラブ導波路基板(20、24)の表面上に積層された、硬化された硬化性接着剤の表面に形成される矩形波表面レリーフ格子である。同様に、入力回折格子(21、28)と出力回折格子(23、27)の両方は、各々、スラブ導波路基板の面上に積層された硬化された硬化性接着剤の表面に形成されたブレーズド表面レリーフ格子である。
【0091】
誘電性のまたは金属のコーティングが、所望された場合に、入力、中間、および/または、出力の回折格子上に積層され得る。コーティングは、好ましくは、問題のコーティングされた回折格子を形成する硬化された硬化性接着剤の材料の反射係数とは異なる(例えば、それより大きい)反射係数を有する。
【0092】
これらの導波路の実施形態は、上述の導波路を備えるディスプレイ装置における使用のためにある。例は、ヘルメットに搭載されるヘッドアップディスプレイ(head-up display:HUD)、または、車両(例えば、戦術車両または他の車両のコックピット、キャビン、等)における搭載のためのHUDを含む。
【0093】
図5は、図3または図4の実施形態のいずれかの導波路の使用時を概略的に示す。表示されるべきイメージ保持光6は、入力回折格子(21、28)においてスラブ導波路(20、24A)に入力され、それに応じて、光は回折され、中間格子の格子線/溝(または、格子ベクトル)に対して非平行に選択されたその格子線/溝(または、格子ベクトル)のせいで、中間回折格子(22、25)に直接向かって、横切って、スラブ光導波路に沿って導波7される。中間格子は、回折によって、第1の次元7において、受け取られた光を拡張し、出力9、および、ユーザによってみられるために、スラブ導波路を介して、出力回折格子(23、27)に向けたその格子線/溝(または、格子ベクトル)の配向によって、拡張された光8を方向付けする。
【0094】
特に、出力格子は、中間格子(22、25)から拡張された光8を受け取るように、および、表示のために、回折によって、受け取られた拡張された光をスラブ光導波路から出力する9ように構成される。出力格子の格子線/溝(即ち、格子ベクトル)の配向は、中間格子の格子線/溝(格子ベクトル)の配向とは異なる。
【0095】
図5は、関係した実施形態に好適なものとして、中間回折格子の中に位置し、異なって配向された格子線/溝/ベクトルと共通に形成された入力回折格子(図3におけるように)、または、別個に形成されるが、導波路の入力窓領域を介して見ることができる入力回折格子(図4におけるように)を示す。
【0096】
図6、7、8、および、9は、図1Aまたは1Bに示されたような先行技術の導波路と比較された、発明の利点のある態様を示す。
【0097】
図6を参照して、導波路の基板における反射エッジ3の必要性の、本発明の実施形態における使用の回避は、入力格子から中間格子に渡る光路長を短くすることが理解され得る。結果として、入力回折格子によってサポートされる全視野角(total angular field of view:TFOV)は、本発明の実施形態において相対的により小さい幅を有する中間回折格子によって適応される。これは、中間回折格子が領域においてより小さくできるので、導波路が、全体としてより短くなることを可能にする。
【0098】
更に、図7を参照すると、中間格子の幅/領域におけるこの減少は、出力格子に向かう方向に中間回折格子によって回折されている(出力格子に向けて「向きを変えられる(turned)」)光が、出力格子に向かうその経路において中間回折格子のより少ない領域に沿って渡ることが必要とされることを意味する。向きを変えられた光がスラブ導波路基板の対向する平面の間の全内部反射(total internal reflection:TIR)によって導波される場合、中間格子構造を帯びる基板表面からの各TIRが、そこでの回折による光の幾分かの損失の結果となることが注記されなければならない。損失の光は、「向きを変えられた」光が進んでいく方向の横方向−即ち、出力格子から離れる方向−に向けられる。この光は出力格子に届かない。中間格子でもって、そこでのそのような損失の相互作用がより少なければ少ないほど、最終的な表示出力からのより少ない光の損失となる。従って、より大きな損失の先行技術の導波路1との比較において図7において概略的に示されているように、本発明の中間格子の減少された領域はそのような損失を減少させる。
【0099】
図8と9は、中間回折格子の材料が、それらを介して入力回折格子から中間回折格子に、受け取られたイメージ保持光が全内部反射によって導波される、光学導波路部の一方側において光学導波路部の面のそれらの部分の全てを覆う、本発明の好ましい実施形態の更なる利点を示す。これは、入力格子と中間格子が導波路基板の同じ一方の側上で連続する(同一面)、図3に示された実施形態において起こる。これは、また、入力格子が、中間格子の材料と同じ材料を備える中間格子と連続する入力窓26に置き換えられた場合、図4における実施形態においても起こる。その場合の入力格子は、入力窓を介してスラブ導波路基板の裏側面に見ることができる。
【0100】
図8は、仮想の比較対象の導波路(左手のイメージ)の入力格子と中間格子を通じた断面と本発明の実施形態に従った導波路(右手のイメージ)の断面とを並べた比較を示す。導波路基板面上に分離された個別の入力と出力回折格子をつくる影響は、導波路基板の中で導波される光の経路に構造的なエッジを与えることであり、そこでは、光の散乱が生じ得る。これは、イメージの輝度を低下させる光の損失の結果となり、また、出力イメージのコントラストと解像度を劣化させるランダムな散乱光をもったイメージ保持光の汚染の結果となる。図9は、図8の仮想の導波路の断面図の部分の分解図におけるこの影響を示す。
【0101】
一態様における本発明の好適な実施形態に従って、中間回折格子の材料が、光導波路部の一方の側において、光導波路部の上側表面のそれらの部分の全てを覆う(中間格子と、材料の連続において、入力格子の材料、または、入力窓の材料を帯びる)から、全内部反射により中間格子に渡る導波された光には、そのような散乱エッジが与えられない。この技術的利点は図8の左手側に示された仮想のデバイスを参照して示されているけれども、仮想のデバイスの構造の不利な点は、図1Aと1Bに示された先行技術のデバイスによって共有される。
【0102】
図10Aから10Dは、それによって図3の導波路が製造され得る製造プロセスを概略的に示す。プロセスは、スラブ光導波路基板20上に、光学的に透明な固体を形成するために硬化可能である流動性の硬化性接着剤を積層することで始まる(10図A)。2つの別個で、個別で、分離された硬化性接着剤の積層が、お互いに光学的に導波路基板によって結合される2つの別個の回折格子領域を形成することが意図された位置において、基板上に積層される。次に(図10B)、格子刻印器30がプロセスに投入される。格子刻印器は1つの面上に3つの表面レリーフパターン(31、32、33)を帯び、それらの各1つは、3つの表面回折格子のそれぞれ1つを与える。格子刻印器の各表面レリーフパターンは、それが刻印するよう設計された格子に対して陰画の、または、相対応する形態である。
【0103】
格子刻印器は、3つの回折格子のそれぞれ1つに対応するそれら2つの積層上に刻印を形成するために、同時に、流動性の硬化性接着剤の2つの個別の積層上に押し付けられる。3つの回折格子は、格子刻印器の第2の表面レリーフパターン32によって規定される中間回折格子領域の地理的領域または底面の中に全体が形成される、格子刻印器の第1の表面レリーフパターン31によって規定される入力回折格子領域と、格子刻印器の第3の表面レリーフパターン33によって規定された別個の出力回折格子領域を規定する。入力格子の格子線/溝は、光を中間格子の主体に直接向けて横切るよう回折するように、中間格子の格子線/溝に非平行に、格子刻印器によって規定される。
【0104】
次に(図10C)、流動性の硬化性接着剤は、格子刻印器が所定の場所にあるままで、紫外線(ultraviolet:UV)放射45でそれを照射することによって硬化される。これは、入力、中間、および、出力回折刻印を固形化するために、刻印された流動性の硬化性接着剤を固形化する。
【0105】
最後に(図10D)、刻印器は、図3に示された、導波路スラブ基板の同じ1つの面上に形成された、固形化された入力、中間、および、出力格子を備える構造の導波路をあらわにするために、導波路基板から引き離される。
【0106】
このプロセスは、反射エッジを用いる必要性を回避し、従って、硬化性接着剤を硬化する前にそのようなエッジに回折格子を整列させる必要性を回避する。
【0107】
図11Aから11Iは、それによって図4の導波路が製造され得る製造プロセスを概略的に示す。プロセスは、光学的に透明な固体を形成するために硬化可能である流動性の硬化性接着剤11をスラブ光学導波路基板24上に積層することで開始する(図11A)。お互いに導波路基板によって光学的に結合される2つの別個の回折格子領域を形成することが意図される位置において、硬化性接着剤の2つの別個の、個別の、分離された積層が基板上に積層される。
【0108】
次に(図11B)、格子刻印器40がプロセスに投入される。格子刻印器は、1つの面上に、2つの表面レリーフパターン(41、42)を帯び、それらの各1つは、2つの表面レリーフ回折格子のそれぞれ1つを示す。格子刻印器の各表面レリーフパターンは、それが刻印するように設計された格子に対して陰画の、または、相対応する形態である。
【0109】
格子刻印器は、2つの回折格子のそれぞれ1つに対応するそれら2つの積層上に刻印を形成するために、同時に、流動性の硬化性接着剤の2つの個別の積層上に押し付けられる。2つの回折格子は、格子刻印器の第1の表面レリーフパターン42によって規定される中間回折格子領域と、格子刻印器の第2の表面レリーフパターン41によって規定される別個の出力回折格子領域とを規定する。非回折性の入力窓領域43も、中間格子のための第1の表面レリーフパターンの境界の中で、全体が囲まれて位置付けられて、格子刻印器によって規定される。
【0110】
次に(図11C)、流動性の硬化性接着剤が、格子刻印器24が所定の場所にあるままで、紫外線(ultraviolet:UV)放射45でそれを照射することによって硬化される。これは、入力窓、中間格子、および、出力回折格子刻印を固形化するために、刻印された、流動性の硬化性接着剤を固形化する。
【0111】
次の製造ステップ(図11D)において、導波路スラブ基板の同じ1つの面上に形成された、固形化された入力窓26、中間格子27、および、出力格子をあらわにするために、格子刻印器は導波路基板から切り離される。
【0112】
次に(図11E)、流動性の硬化性接着剤の更なる積層が、中間と出力格子が形成されている側24Aに対する裏側のスラブ光導波路基板24Bの側上に積層される。入力窓26と位置合わせされ、入力窓26を介して見えるように、入力回折格子を形成することが意図された位置において、流動性の硬化性接着剤が積層される。入力格子刻印器44が投入され、それは、刻印されるよう設計された格子に対して陰画の、または、相対応する形態である表面レリーフ回折格子を示す表面レリーフパターン45を1つの面上に帯びる。入力格子刻印器は、流動性の硬化性接着剤の個別の積層上に押し付けられる。
【0113】
次に(図11F)、依然、硬化性接着剤が流動性の形態で、入力格子刻印器44が入力格子を規定するためにその上に押し付けられたままで、複数の異なる色の光が入力窓26を介して導波路に入力される。この入力光は、硬化されていない格子パターンによって導波路基板24の中に回折され、中間回折格子に向かい、続いて出力回折格子に至る。出力格子27において、多色の光が導波路基板から出力される。異なる色の光の出力の方向間に角度上の不整列が観察される。そのような不整列は、導波路の入力格子44の回折格子線/溝と中間回折格子の回折格子線/溝との間の不整列に因る。実際において、続いていく回折格子に光が好適に結合されるように、光が前者から出力される角度は、正確に整列されなければならない。
【0114】
そのような不整列を調整するために、次の製造ステップ(図11G)は、流動性の硬化性接着剤の積層の中の流動性の入力回折格子刻印の格子線/溝の配向を整列し直すために、導波路基板(および、その他の格子25、27)に対して入力格子刻印器44の慎重な回転を必要とする。出力光ビームの異なる色の角度上の整列が観察された場合、好適な整列が検出される。入力格子線は好適な整列において中間格子の格子線/溝に平行ではないことが注記される。従って、それぞれの格子ベクトルは異なる配向を有する。
【0115】
好適な整列が観察された場合、続いて、流動性の硬化性接着剤が、紫外線(ultraviolet:UV)放射45でそれを照射することによって硬化される(図11H)。これは、入力回折格子刻印を固形化するために、刻印された流動性の硬化接着剤を固形化する。
【0116】
最後に(図11I)、第2の格子刻印器45は、固形化された導波路スラブ基板の同じ一方の側に形成された入力窓、中間格子と出力格子、および、スラブ基板の他方の側に形成され、入力窓から見ることのできる入力格子を備える、図4に示された構造の導波路をあらわにするために、第2の格子刻印器45が導波路基板から引き離される。
【0117】
このプロセスは、反射エッジを使用する必要性を回避することが注記される。
【0118】
また、更なる実施形態において、スラブ光導波路基板24上に流動性の硬化性接着剤11を積層するステップ(図11A)は、代替として、中間格子25の入力窓26の意図された位置において硬化性接着剤が積層されないように、流動性の硬化性接着剤を積層することを含んでもよい。結果として、入力窓は、硬化性接着剤を全く備えない−即ち、上述の硬化性接着剤の溝/線なしのコーティングではなく、中間回折格子部により囲まれたクリアで何も覆われない光基板表面である。
【0119】
上述の実施形態は例示の目的のためであり、当業者に容易に明らかになるような、修正、変形、および、その全ての均等物が、例示のために特許請求の範囲によって規定されるような、発明の範囲の中に包含される。
以下に、本願出願当初の特許請求の範囲に記載の発明を付記する。
[C1]
ディスプレイ装置のための導波路であって、
表示されるべき光を導波するための平板の光導波路部と、
光を受け取り、前記光導波路部によって導波するために、前記光導波路部に沿って前記受け取られた光を回折するよう構成された入力回折格子と、
前記光導波路部を介して前記入力回折格子に光学的に結合され、前記入力回折格子から回折された光を受け取り、前記受け取られた光を、回折によって、第1の次元において、拡張するよう構成された中間回折格子と、
前記光導波路部を介して前記中間回折格子に光学的に結合され、前記拡張された光を受け取り、前記受け取られた拡張された光を、表示のために、回折によって、出力するよう構成された出力回折格子と、
を備え、
前記入力回折格子は、前記中間回折格子の地理的領域の中に全体が位置付けられるように位置決めされ、
前記入力回折格子と前記中間回折格子との格子ベクトルは異なるそれぞれの方向に配向される、
導波路。
[C2]
前記入力回折格子は、前記入力回折格子が前記中間回折格子の前記地理的領域の中に全体がはいるように、前記中間回折格子とほぼ同一面に位置付けられる、[C1]に記載の導波路。
[C3]
前記入力回折格子は、前記入力回折格子の見かけ上の位置が前記中間回折格子の前記地理的領域の中に全体がはいるように、前記中間回折格子に隣接して位置付けられる、[C1]に記載の導波路。
[C4]
前記中間回折格子の材料は、それらを介して前記受け取られた光が前記入力回折格子から前記中間回折格子に全内部反射によって導波される、前記光導波路部の面のそれら部分の全てを覆う、[C1]ないし[C3]のいずれか一項に記載の導波路。
[C5]
前記中間回折格子の材料は、少なくとも前記入力回折格子の材料と連続している、[C1]ないし[C4]のいずれか一項記載の導波路。
[C6]
前記中間回折格子の材料は、前記出力回折格子の材料と連続している、[C1]ないし[C5]のいずれか一項に記載の導波路。
[C7]
前記中間回折格子は、前記導波路の面に形成された表面レリーフ格子である、[C1]ないし[C6]のいずれか一項に記載の導波路。
[C8]
前記入力回折格子と前記出力回折格子は、各々、前記導波路の面に形成されたレリーフ格子である、[C1]ないし[C7]のいずれか一項に記載の導波路。
[C9]
前記中間回折格子は、矩形波格子構造を備える、[C1]ないし[C8]のいずれか一項に記載の導波路。
[C10]
前記入力回折格子、または/および、前記出力回折格子は、ブレーズド格子構造を備える、[C1]ないし[C9]のいずれか一項に記載の導波路。
[C11]
前記中間回折格子の上に、前記中間回折格子の材料の屈折率とは異なる屈折率を有したコーティングを含む、[C1]ないし[C10]のいずれか一項に記載の導波路。
[C12]
前記入力回折格子または/および前記出力回折格子の上に、前記入力回折格子または/および前記出力回折格子の材料の屈折率とは異なる屈折率を有したコーティングを含む、[C1]ないし[C11]のいずれか一項に記載の導波路。
[C13]
前記出力回折格子は、前記中間回折格子から前記拡張された光を受け取り、前記第1の次元を横切る第2の次元において前記受け取られた拡張された光を拡張するよう構成される、[C1]ないし[C12]のいずれか一項に記載の導波路。
[C14]
[C1]ないし[C5]のいずれか一項に記載の導波路を備えたディスプレイデバイス。
[C15]
実質的に、添付の図面を参照して前述され、添付の図面に示された導波路。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図11F
図11G
図11H
図11I