(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
集合住宅等の建物のエントランス等には自動ドアが設置されている。この自動ドアを建物の外側から開くためには鍵が必要であるが、ドアの内側からは出入口に近づくだけで開けることが可能であることが一般的である。
【0005】
ここで、例えば、建物の下見に訪れた不動産業者などが、予め鍵を確保しておくことなく、建物の外側から自動ドアを開けることができれば利便性が向上すると考えられる。
【0006】
そこで、本発明は、建物の外側から自動ドアを開放することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るドア制御装置は、物体を検出した場合にドアの開放を行うセンサが建物の内側に設置されている自動ドアを制御するドア制御装置であって、センサの近傍に位置する通信装置から、自動ドアの開放を指示するコマンドを受信する受信部と、受信部でコマンドが受信された場合に、所定の形状を有する部材を、センサにおいて物体を検出したと判定されない第1位置から、センサにおいて物体を検出したと判定される第2位置に移動させる制御部と、を有する。この態様によれば、自動ドアを外側から開放することが可能な技術を提供することが可能になる。また、自動ドアが備えるセンサから発信される赤外線又はマイクロ波を遮ることができ、ドアセンサ500に対して物体の存在を検出させることで自動ドアを開放することが可能になる。
【0008】
上記態様において、部材は、端部が当該ドア制御装置の筐体に取り付けられており該端部を中心に回転する板であり、所定の動作は、板を、第1位置から第2位置まで回転させる動作であるようにしてもよい。この態様によれば、ドア制御装置に端部を中心に回転する板を備えることで、自動ドアが備えるセンサから発信される赤外線又はマイクロ波を遮ることができ、ドア制御装置を簡易な構造で実現することが可能になる。
【0009】
上記態様において、制御部は、受信部で自動ドアを開放した状態にすることを指示するコマンドを受信した場合に、部材を第1位置から第2位置まで移動させ、自動ドアを閉じた状態にすることを指示するコマンドを受信した場合に、部材を第2位置から第1位置まで移動させるようにしてもよい。この態様によれば、ユーザは、例えば、搬入作業を行う場合など、必要に応じて自動ドアを開放したままにすることができ、ユーザの利便性を向上させることが可能になる。
【0010】
本発明の他の態様に係るドア制御方法は、物体を検出した場合にドアの開放を行うセンサが建物の内側に設置されている自動ドアを制御するドア制御装置が実行するドア制御方法であって、センサの近傍に位置する通信装置から、自動ドアの開放を指示するコマンドを受信するステップと、コマンドが受信された場合に、所定の形状を有する部材を、センサにおいて物体を検出したと判定されない第1位置から、センサにおいて物体を検出したと判定される第2位置に移動させるステップと、を含む。この態様によれば、自動ドアを外側から開放することが可能な技術を提供することが可能になる。
【0011】
本発明の他の態様に係るドア制御システムは、物体を検出した場合にドアの開放を行うセンサが建物の内側に設置されている自動ドアを制御するドア制御装置と、センサの近傍に位置し、ドア制御装置に対し自動ドアの開放を指示するコマンドを送信する通信装置と、自動ドアを開放する権限を有するユーザからの要求を受けた場合に、コマンドに対応する権限情報を通信装置へ送信するサーバと、を有し、ドア制御装置は、通信装置から、コマンドと権限情報を受信した場合に、所定の形状を有する部材を、センサにおいて物体を検出したと判定されない第1位置から、センサにおいて物体を検出したと判定される第2位置に移動させる。この態様によれば、自動ドアを外側から開放することが可能な技術を提供することが可能になる。また、自動ドアの開閉を遠隔で制御する機能を有していない建物であっても、ドア制御装置を自動ドアが備えるドアセンサの近傍に設置することで、建物の外側から自動ドアを開放する機能を付加することが可能になる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、建物の外側から自動ドアを開放することが可能な技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。(なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。)
<システム構成>
図1は、本実施形態に係るドア制御システムの構成例を示す図である。
図1に示すドア制御システムは、建物のエントランス等に設置された自動ドアを、物理的な鍵を用いることなく建物の外側から開けることを可能にするシステムである。このドア制御システムは、自動ドアの内側に取り付けられているドアセンサ500に対して物体を検出したと判定させるための所定の動作を行うドア制御装置100と、ドア制御装置100に対して、所定の動作を実行させる指示を行う中継端末200と、自動ドアを開放する権限を管理する等の処理を行うサーバ300と、サーバ300に接続された情報処理装置310と、自動ドアの開放(解錠)を行うユーザが所持する携帯端末400とを有する。
【0015】
ドア制御装置100は、例えば
図2に示すように、エントランスの内側に取り付けられているドアセンサ500の近傍に設置される。ドアセンサ500は、赤外線又はマイクロ波等の反射を用いて物体を検出する機能を備えており、ドアセンサ500が物体の存在を検出した場合に、人が近づいたと認識して自動ドアが開くことになる。本実施形態において、ドア制御装置100は、ドアセンサ500から発信される赤外線又はマイクロ波を遮ることで、ドアセンサ500に対して物体の存在を検出させ、自動ドアを開放する。なお、ドア制御装置100は、必ずしもドアセンサ500の近傍に設置されている必要はなく、ドアセンサ500に対して物体を検出させることが可能な位置であれば、どのような位置にも設置可能である。
【0016】
中継端末200は、ドア制御装置100と直接通信可能な位置(例えばエントランス付近のロビーなど)に設置され、ブルートゥース(登録商標)等の近距離無線通信を用いて、自動ドアの開放を指示するコマンド(命令)をドア制御装置100に送信する機能を有する。
【0017】
サーバ300は、中継端末200へ各種情報を提供し、あるいは自動ドアを開放する権限を管理する等の処理を行うためのものである。このサーバ300は、例えば演算処理能力の高いコンピュータによって構成され、そのコンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムを実行することによって構成される。
【0018】
情報処理装置310は、各種情報を受信してその内容を表示することや、操作部を用いて入力される情報を外部へ送信することが可能なものである。このような情報処理装置310としては、例えば、一般的なパーソナルコンピュータ、あるいはスマートフォンやタブレット型コンピュータなどの携帯型端末などを用いることができる。情報処理装置310は、サーバ300における動作に必要な各種情報を設定するために用いられる。情報処理装置310とサーバ300との間は、直接的に接続されてもよいし、ローカルエリアネットワーク等を介して接続されてもよいし、インターネット等の外部通信ネットワークを介して接続されてもよい。
【0019】
携帯端末400は、通信ネットワークNを介して、中継端末200及びサーバ300と通信する機能を有している。また、携帯端末400は、ブルートゥース(登録商標)等の近距離無線通信を有している。本実施形態では、携帯端末400としてスマートフォンを想定するが、携帯電話機、PHS、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、携帯情報端末(PDA)、家庭用ゲーム機器など、通信機能を備えたあらゆる端末に適用可能である。本実施形態においては、携帯端末400が備える近距離無線通信機能を利用することで、ドア制御装置100に対して、携帯端末400から直接自動ドアの開放を指示するコマンド(命令)を送信することも可能である。そのため、中継端末200及び携帯端末400をまとめて「通信装置」と称してもよい。
【0020】
通信ネットワークNは、中継端末200と携帯端末400とサーバ300の間で相互に情報通信を行うことが可能な通信網を含んで構成されている。通信ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0021】
<機能ブロック構成>
(ドア制御装置)
図3は、本実施形態に係るドア制御装置100の機能ブロック構成の一例を示す図である。ドア制御装置100は、通信部11と、認証処理部12と、開閉制御部13とを有する。これらの各機能部は、ドア制御装置100のメモリに記憶されたプログラムが、CPUに実行させる処理により実現され得る。また、当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。
【0022】
通信部11は、近距離無線通信を行う機能を有し、中継端末200又は携帯端末400から送信されるコマンドを受信する処理を行う。
【0023】
認証処理部12は、中継端末200又は携帯端末400からコマンドを受信した場合に、コマンドを送信した中継端末200又は携帯端末400が自動ドアを開放する権限を有するものであるかどうかを確認する処理(認証処理)を行う。
【0024】
開閉制御部13は、通信部11でコマンドが受信された場合に、ドアセンサ500に対して物体を検出したと判定させるための所定の動作を行う機能を有する。
【0025】
(中継端末)
図4は、本実施形態に係る中継端末200の機能ブロック構成の一例を示す図である。中継端末200は、通信部21と、認証処理部22と、コマンド処理部23とを有する。これらの各機能部は、中継端末200のメモリに記憶されたプログラムが、CPUに実行させる処理により実現され得る。また、当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。
【0026】
通信部21は、近距離無線通信により各種の信号を送受信する機能を有する。また、通信部21は、通信ネットワークNを介して、サーバ300及び携帯端末400の間で相互に通信する機能を有する。
【0027】
認証処理部22は、ドア制御装置100に対してコマンドを送信することに関してサーバ300から認証を得るための処理を行う。具体的には、認証処理部22は、通信部21を介して、サーバ300から送信される権限情報を受信し、この権限情報をメモリへ格納する。
【0028】
コマンド処理部23は、認証処理部22によってサーバ300から取得されてメモリに格納された権限情報を用いて、ドア制御装置100に対して自動ドアの開放を指示するコマンドを送信する処理を行う。
【0029】
(サーバ)
図5は、本実施形態に係るサーバ300の機能ブロック構成の一例を示す図である。サーバ300は、通信部31と、ユーザ認証処理部32と、権限情報処理部33とを有する。これらの各機能部は、サーバ300のメモリに記憶されたプログラムが、CPUに実行させる処理により実現され得る。また、当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。
【0030】
通信部31は、通信ネットワークNを介して、中継端末200及び携帯端末400の間で相互に通信する機能を有する。
【0031】
ユーザ認証処理部32は、携帯端末400から送信される要求に応じて、その携帯端末400のユーザが登録されたユーザであるかを確認する処理である認証処理を行う。例えば、ユーザ認証処理部32は、携帯端末400から送信されるユーザIDとパスワードが予め登録されてメモリに記憶されているものと一致する場合に、その携帯端末400のユーザが予め登録されたユーザのものであると認証する。
【0032】
権限情報処理部33は、ユーザ認証処理部32によって認証されたユーザの携帯端末400によってドア開放が要求されているドア制御装置100に対応付けられている中継端末200に対して、又は、ユーザ認証処理部32によって認証されたユーザの携帯端末400に対して、ドア制御装置100の作動を行うことに関する権限情報を付与する。具体的には、権限情報処理部33は、通信部41を介して権限情報を中継端末200又は携帯端末400へ送信する。
【0033】
(携帯端末)
図6は、本実施形態に係る携帯端末400の機能ブロック構成の一例を示す図である。携帯端末400は、通信部41と、UI(User Interface)部42と、電波強度検出部43と、コマンド処理部44とを有する。これらの各機能部は、携帯端末400のメモリに記憶されたプログラムが、CPUに実行させる処理により実現され得る。また、当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。
【0034】
通信部41は、近距離無線通信により各種の信号を送受信する機能を有する。また、通信部41は、通信ネットワークNを介して、中継端末200又はサーバ300の間で相互に通信する機能を有する。
【0035】
UI部42は、例えばブラウザであり、ユーザからの操作を受け付ける処理、及びユーザに対し各種情報を表示する処理を行う。
【0036】
電波強度検出部43は、ドア制御装置100から発信され、通信部41によって受信される電波信号(ビーコン信号)の電波強度を検出する。電波強度検出部43は、検出した電波強度が予め設定した所定の閾値よりも大きい場合には、ドア制御装置100と通信可能であると判定し、所定の閾値よりも小さい場合は、ドア制御装置100と通信可能ではないと判定する。
【0037】
コマンド処理部44は、電波強度検出部43においてドア制御装置100と通信可能であると判定された場合、通信部41を介して、ドア制御装置100にコマンドを直接送信する処理を行う。なお、コマンド処理部44は、コマンド送信の際に併せて、あるいはコマンド送信に先立って、サーバ300から予め取得されてメモリに格納されている権限情報をドア制御装置100へ送信する。
【0038】
<ドア制御システムの具体例及び動作例>
続いて、本実施形態に係るドア制御システムの具体例及び動作例について、
図7、
図8及び
図9を用いて説明する。ドア制御装置100は、所定の形状を有する部材101を有しており、自動ドアの開放を行わない場合(通常時)は、ドアセンサ500において物体を検出したと判定されない位置(第1位置)に部材101を移動させておく。この状態において、中継端末200から自動ドアの開放を指示するコマンドを受信した場合、ドア制御装置100は、ドアセンサ500において物体を検出したと判定される位置(第2位置)に部材101を移動させることで、ドアセンサ500から発信される赤外線又はマイクロ波を遮り、ドアセンサ500に対し物体を検出したと判定させるようにする。
【0039】
図7は、ドア制御装置100の構造の一例を示す図である。所定の形状を有する部材101とは、例えば
図7に示すように、端部がドア制御装置100の筐体に取り付けられており端部を中心に回転する楕円形状の板であってもよい。
図7(a)は、部材101である板が、ドアセンサ500において物体を検出したと判定されない位置(第1位置)に格納されている状態の一例を示しており、
図7(b)は、部材101である板が約90度回転し、ドアセンサ500に対し物体を検出したと判定させる位置(第2位置)に移動した状態の一例を示している。
【0040】
図8は、自動ドアを開放する際の動作例を示す図である。
図8(a)におけるドア制御装置100の状態は、
図7(a)に示す状態に対応し、
図8(b)におけるドア制御装置100の状態は
図7(b)に示す状態に対応している。すなわち、ドア制御装置100は、中継端末200から自動ドアの開放を指示するコマンドを受信した場合、部材101である板を、ドア制御装置100の筐体に格納された状態(
図8(a))から、約90度回転させた状態(
図8(b))まで回転させることで、ドアセンサ500に対し物体を検出したと判定させ、自動ドアを開放させる。
【0041】
なお、ドア制御装置100の構造及び部材101の形状は
図7の例に限定されない。例えば、部材101は長方形の板であってもよいし、棒状であってもよい。また、部材101を回転させる角度は約90度に限定されず、例えば約180度であってもよい。ドアセンサ500に対し物体を検出したと判定させることができれば、回転させる角度について特に限定されない。また、部材101を回転させるのではなく、ドア制御装置100の内部に格納された部材101がドア制御装置100から伸張する(飛び出す)構造としてもよい。
【0042】
図9は、中継端末200からドア制御装置100に対して自動ドアの開放を指示する際の処理手順を示すシーケンス図である。
【0043】
ステップS11において、サーバ300のユーザ認証処理部32は、携帯端末400から送信されるアクセス要求に応じて、その携帯端末400のユーザが登録されたユーザであるかを確認する処理である認証処理を行う。登録されたユーザである場合、権限情報処理部33は、ユーザ認証処理部32によって認証されたユーザに、そのユーザが自動ドアを開放する権限を有する1以上の自動ドアを抽出し、その内容を示す操作画像を表示するためのデータを携帯端末400へ送信する。また、携帯端末400のUI部42は、ユーザが開放を所望する自動ドアの選択をユーザから受け付け、ユーザにより選択された自動ドアを示す情報をサーバ300に送信する。
【0044】
なお、ユーザにより選択された自動ドアを示す情報は、携帯端末400からサーバ300に送信されるのではなく、例えばユーザからの電話連絡等による操作指示に応じて管理者側のオペレータが情報処理装置310を用いてサーバ300に送信することとしてもよい。また、サーバ300へのユーザ登録は、例えば管理者側のオペレータが情報処理装置310を用いて、サーバ300の所定のデータベース(以下、「認証DB」という。)に対象ユーザの電話番号、若しくはユーザID及びパスワード等を設定することで実現できる。サーバ300は、携帯端末400のからアクセス要求があった場合、アクセス要求に含まれる電話番号、若しくはユーザID及びパスワード等が、認証DBに登録されているいずれかの電話番号、若しくはユーザID及びパスワード等と一致するか確認することで認証処理を行う。
【0045】
ステップS12において、サーバ300の権限情報処理部33は、ユーザにより選択された自動ドアに送信するコマンドに対応する権限情報と、自動ドアの開放を指示するコマンドとを、中継端末200に送信する。
【0046】
ステップS13において、中継端末200のコマンド処理部23は、ステップS12で受信したコマンドをドア制御装置100に送信する。続いて、ドア制御装置100の認証処理部12は、中継端末200が自動ドアを開放する権限を有するものであるかどうかを確認する処理(認証処理)を行う。
【0047】
具体的には、認証処理部12は、中継端末200に対し、中継端末200が保持する権限情報を送信することを要求し、中継端末200から返信された特定の情報がメモリに格納されている権限情報と一致する場合に、中継端末200はドアを開放する権限を有するものと判断するようにしてもよい。また、中継端末200は、ドア制御装置100に送信するコマンドに予め権限情報を含めて送信してもよい。この場合、ドア制御装置100の認証処理部12は、中継端末200から受信したコマンドに含まれる特定の情報がメモリに格納されている権限情報と一致する場合に、この中継端末200はドアを開放する権限を有するものと判断するようにしてもよい。権限情報は、ドア制御装置100毎に異なる情報が対応づけられて規定されていてもよいし、後述するようにドアの開放を指示するコマンドが複数含まれる場合、ドア制御装置100毎かつコマンド毎に異なる情報が対応づけられて規定されていてもよい。
【0048】
ステップS14において、ドア制御装置100の開閉制御部13は、コマンドを受信した場合に、ドアセンサ500において物体を検出したと判定される位置(第2位置)に部材101を移動させることで、赤外線又はマイクロ波を遮り、自動ドアを開放する。また、開閉制御部13は、所定の時間が経過した後に、部材101を、ドアセンサ500において物体を検出したと判定されない位置(第1位置)に戻すことで、自動ドアを閉めるようにする。
【0049】
なお、当該所定の時間は任意に変更可能としてもよい。当該所定の時間は、ドア制御装置100が備えるメモリ等に予め設定されていてもよいし、中継端末200から送信されるコマンドに含まれていてもよい。自動ドアに使用されているドアセンサ500によって、赤外線又はマイクロ波が遮られてから物体が存在すると判定されるまでに要する時間が異なることが想定される。当該所定の時間を任意に変更可能とすることで、ドア制御装置100を設置する際に、自動ドアが確実に開くようにチューニングを行うことが可能になる。
【0050】
また、ドア制御装置100が受け付けるコマンドには、より詳細には、ドアの開放を1回行うコマンド、ドアを開放状態にすることを指示するコマンド、及びドアを閉めることを指示するコマンドが含まれていてもよい。従って、本実施形態においてこれまでに説明した「自動ドアの開放を指示するコマンド」は、「自動ドアの開閉を指示するコマンド」と称されてもよい。
【0051】
ドア制御装置100の開閉制御部13は、ドアの開放を1回行うコマンドを受信した場合、上述の通り、ドアセンサ500において物体を検出したと判定される位置(第2位置)に部材101を移動させ、所定の時間経過後に、部材101を、ドアセンサ500において物体を検出したと判定されない位置(第1位置)に戻すように制御する。一般的に、自動ドアは、ドアセンサ500で物体が検出されなくなってから一定時間後に自動的に閉まるように設計されている。そのため、部材101がドアセンサ500において物体を検出したと判定されない位置(第1位置)に戻った後、自動ドアは一定時間後に自動的に閉まることになる。
【0052】
また、ドア制御装置100の開閉制御部13は、ドアを開放状態にすることを指示するコマンドを受信した場合、部材101を、ドアセンサ500において物体を検出したと判定される位置(第2位置)に移動させた状態に留めておき、ドアを閉めることを指示するコマンドを受信した場合、部材101を、ドアセンサ500において物体を検出したと判定されない位置(第1位置)に戻すように制御してもよい。これにより、例えば、物品搬入や施設のメンテナンス等で、エントランスの自動ドアを開放状態にしておくことが可能になる。また、自動ドアの閉め忘れを防止するため、ドアを開放状態にすることを指示するコマンドを受信してから一定時間以内にドアを閉めることを指示するコマンドを受信しない場合、開閉制御部13は、部材101を、ドアセンサ500において物体を検出したと判定されない位置(第1位置)に戻すように制御してもよい。
【0053】
また、ドアの開放を1回行うコマンド、ドアを開放状態にすることを指示するコマンド、及びドアを閉めることを指示するコマンドは、それぞれ、ユーザの権限に対応づけられて使用可否が定められてサーバ300で管理されていてもよい。例えば、ドアを開放状態にすることを指示するコマンド、及びドアを閉めることを指示するコマンドは、物品搬入やメンテナンス等を行うユーザに限定して使用可能とすることが考えられる。
【0054】
以上説明した処理手順において、携帯端末400がドア制御装置100と通信可能か否かに応じて、自動ドアの開放を指示するコマンドを中継端末200から送信するのか、携帯端末400から直接送信するのかを切り替え可能としてもよい。
【0055】
例えば、ステップS11において、携帯端末400の電波強度検出部43は、ドア制御装置100との間で近距離通信を可能な状況であるか否かを判定し、判定結果を、ユーザにより選択された自動ドアを示す情報と共にサーバ300に通知することとしてもよい。
【0056】
もし、携帯端末400から、ドア制御装置100との間で近距離通信を可能な状況であると通知された場合、サーバ300の権限情報処理部33は、ステップS12において、ユーザにより選択された自動ドアに対応する権限情報と、自動ドアの開放を指示するコマンドとを、携帯端末400に送信することとしてもよい。この場合、ステップS13及びステップS14の処理手順において「中継端末200」を「携帯端末400」に置き換えることで実現可能である。
【0057】
もし、携帯端末400から、ドア制御装置100との間で近距離通信を可能な状況でないと通知された場合、サーバ300の権限情報処理部33は、ステップS12において、ユーザにより選択された自動ドアに対応する権限情報と、自動ドアの開放を指示するコマンドとを、これまで説明した通り中継端末200に送信することとしてもよい。
【0058】
なお、ドア制御装置100は、単にコマンドを受信するだけでなく、ドア制御装置100が制御する自動ドアに対応する権限情報を受信した場合にはじめて、当該コマンドに従って自動ドアの開閉制御を行う。よって、例えば悪意あるユーザがコマンドを不正に取得し、自身の携帯端末400から等から当該コマンドをドア制御装置100に送信したとしても、ドア制御装置100は、権限がなきユーザからの指示と判断し、当該コマンドは実行されない。このように、権限なきユーザによる自動ドアの開閉操作を未然に防ぐことが可能となる。
【0059】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【解決手段】物体を検出した場合にドアの開放を行うセンサ(500)が建物の内側に設置されている自動ドアを制御するドア制御装置(100)であって、センサ(500)の近傍に位置する通信装置(200、400)から、自動ドアの開放を指示するコマンドを受信する受信部(11、41)と、受信部(11、41)でコマンドが受信された場合に、所定の形状を有する部材(101)を、センサ(500)において物体を検出したと判定されない第1位置から、センサ(500)において物体を検出したと判定される第2位置に移動させる制御部(13)と、を有する。