(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6321341
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】音声処理プログラム及び携帯装置
(51)【国際特許分類】
G10L 19/00 20130101AFI20180423BHJP
【FI】
G10L19/00 312E
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-178012(P2013-178012)
(22)【出願日】2013年8月29日
(65)【公開番号】特開2015-45810(P2015-45810A)
(43)【公開日】2015年3月12日
【審査請求日】2016年8月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】595061705
【氏名又は名称】株式会社アニモ
(73)【特許権者】
【識別番号】504136993
【氏名又は名称】独立行政法人国立病院機構
(74)【代理人】
【識別番号】100103528
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 一男
(72)【発明者】
【氏名】木村 晋太
(72)【発明者】
【氏名】平井 愼二
【審査官】
上田 雄
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−078744(JP,A)
【文献】
特開2013−016038(JP,A)
【文献】
特開2010−279737(JP,A)
【文献】
特開平11−318659(JP,A)
【文献】
特開2005−039501(JP,A)
【文献】
特開2007−000592(JP,A)
【文献】
特開2006−127443(JP,A)
【文献】
国際公開第1998/031006(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10L 19/00−19/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回避すべき行動又は物を表す第1の文言と不可能を表す第2の文言とを語るユーザの、前記第1及び第2の文言についての音声を録音し、第1のデータ格納部に格納する手段と、
予め第2のデータ格納部に格納されている効果音のうち、前記回避すべき行動を行わないこと又は前記回避すべき物を使わないことを条件付けるための効果音を、録音された前記第1及び第2の文言についての音声の前に挿入することで、呪い音声データを生成し、第3のデータ格納部に格納する手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記呪い音声データを、一定時間以上の不規則な時間間隔で再生する再生手段
をさらに有する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記再生手段が、
前記呪い音声データのうち、前記第1の文言の音声データをマスクする
請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
回避すべき行動を行った日の行動を語るユーザの、当該行動についての音声を録音し、第1のデータ格納部に格納する手段と、
録音された前記音声に含まれ且つ前記行動に関する複数の文のうち少なくとも一部の文の各々の音声のデータの前又は後に、当該文に関連し且つ予め第2のデータ格納部に格納されている効果音のデータを挿入することで、生理的報酬獲得行動制御音声データを生成し、第3のデータ格納部に格納する手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項5】
前記第3のデータ格納部に格納された前記生理的報酬獲得行動制御音声データを、指示に応じて又は間隔をおいて繰り返し再生する手段
をさらに有する請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
回避すべき行動又は物を表す第1の文言と不可能を表す第2の文言とを語るユーザの、前記第1及び第2の文言についての音声を録音し、第1のデータ格納部に格納するステップと、
予め第2のデータ格納部に格納されている効果音のうち、前記回避すべき行動を行わないこと又は前記回避すべき物を使わないことを条件付けるための効果音を、録音された前記第1及び第2の文言についての音声の前に挿入することで、呪い音声データを生成し、第3のデータ格納部に格納するステップと、
を含み、コンピュータにより実行される音声処理方法。
【請求項7】
回避すべき行動を行った日の行動を語るユーザの、当該行動についての音声を録音し、第1のデータ格納部に格納するステップと、
録音された前記音声に含まれ且つ前記行動に関する複数の文のうち少なくとも一部の文の各々の音声のデータの前又は後に、当該文に関連し且つ予め第2のデータ格納部に格納されている効果音のデータを挿入することで、生理的報酬獲得行動制御音声データを生成し、第3のデータ格納部に格納するステップと、
を含み、コンピュータにより実行される音声処理方法。
【請求項8】
請求項6又は7記載の音声処理方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理的報酬獲得行動に対する条件反射制御法のための音声処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2013−16038号公報及び「平井愼二、「覚せい剤反復摂取に対する条件反射抑制療法」、精神科、2008年、13(1)、p.1−12」等の文献には、生理的報酬獲得行動に対する条件反射制御法についての原理及び方法が述べられている。
【0003】
これらの文献によれば、物質反復摂取や病的賭博などの嗜癖や過食、PTSD、パニック、性的逸脱行動等といった反復して生じる望ましくない神経活動の治療には2つのメニューを基本とするプログラムがある。
【0004】
第1のメニューは、負の刺激の設定と利用に関するものである。具体的には、任意の信号(拳を握り開いて額を触るなどの意識的に行う特殊で簡単な動作でよい)を準備し、生理的報酬獲得行動ができない状況下で、この信号に自らを曝露しながら、例えば「私は、今、覚せい剤は、やれない」のように思い、事実を確認するとともに、多様な状況でこれを反復するものである。
【0005】
第2のメニューは、無意識的な反射の作動性自体の制御に関するものである。具体的には、生理的報酬を獲得する行動を反復したことにより成立した定型的な行動、例えば覚せい剤を摂取するまでの連続した動作を最終のものまでを真似してその動作をつかさどる反射の連鎖をすべて作動させ、しかし、生理的報酬は与えないことを反復するものである。
【0006】
上記特許公報では、上記メニューを職場や家庭等の一般社会環境でも手軽に行うことができるようにするため、画像データを再生することによって行うものである。
【0007】
しかしながら、これまでの文献には音声による上記メニューの実施について検討されてはいない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2013−16038号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】平井愼二、「覚せい剤反復摂取に対する条件反射抑制療法」、精神科、2008年、13(1)、p.1−12
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、一側面によれば、生理的報酬獲得行動に対する条件反射制御法のためのメニューを音声によって実施できるようにするための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、(A)回避すべき行動又は物を表す第1の文言と不可能を表す第2の文言とを語るユーザの、第1及び第2の文言についての音声を録音し、第1のデータ格納部に格納する手段と、(B)予め第2のデータ格納部に格納されている効果音のうち、回避すべき行動を行わないこと又は回避すべき物を使わないことを条件付けるための効果音を、録音された第1及び第2の文言についての音声の前に挿入することで、呪い(まじない)音声データを生成し、第3のデータ格納部に格納する手段とを含む。
【0012】
このようにすれば容易に上記第1のメニューのための音声データを生成できるようになる。
【0013】
さらに、上記第1の態様に係る情報処理装置は、(C)呪い音声データを、一定時間以上の不規則な時間間隔で再生する再生手段をさらに含むようにしても良い。このようにすれば条件反射制御法において効果的である。
【0014】
さらに、上記第1の態様に係る情報処理装置における再生手段は、(D)呪い音声データのうち、第1の文言の音声データをマスクするようにしても良い。周囲の人を考慮したものである。
【0015】
また、本発明の第2の態様に係る情報処理装置は、(A)回避すべき行動を行った日の行動を語るユーザの、当該行動についての音声を録音し第1のデータ格納部に格納する手段と、(B)録音された音声に含まれ且つ行動に関する複数の文のうち少なくとも一部の文の各々の音声のデータの前又は後に、当該文に関連し且つ予め第2のデータ格納部に格納されている効果音のデータを挿入することで、生理的報酬獲得行動制御音声データを生成し、第3のデータ格納部に格納する手段とを含む。
【0016】
このようにすれば容易に上記第2のメニューのための音声データを生成できるようになる。
【0017】
上記情報処理装置は、第3のデータ格納部に格納された生理的報酬獲得行動制御音声データを、指示に応じて又は間隔をおいて繰り返し再生する手段をさらに有するようにしても良い。生理的報酬獲得行動制御音声データを生成する装置と、再生する装置は一体であっても良いし、分離される場合もある。
【0018】
なお、上記方法をコンピュータに行わせるためのプログラムを作成することができ、当該プログラムは、例えばフレキシブルディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体又は記憶装置に格納される。尚、中間的な処理結果はメインメモリ等の記憶装置に一時保管される。
【発明の効果】
【0019】
一側面によれば、生理的報酬獲得行動に対する条件反射制御法のためのメニューを音声によって実施できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る情報処理装置の機能ブロック図である。
【
図2】
図2は、第1のメニューのための音声データを生成及び再生するための処理フローを示す図である。
【
図3】
図3は、再生のバリエーションを示す図である。
【
図4】
図4は、第2のメニューのための音声データを生成及び再生するための処理フローを示す図である。
【
図5】
図5は、生理的報酬獲得行動制御音声データの一例を模式的に示す図である。
【
図6】
図6は、コンピュータの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本実施の形態に係る情報処理装置100の機能ブロック図を示す。
【0022】
情報処理装置100は、表示部101と、音声入力処理部102と、第1データ格納部103と、生成部104と、第2データ格納部105と、第3データ格納部106と、出力制御部107と、スピーカ108と、マイク109とを有する。
【0023】
音声入力処理部102は、表示部101が存在する場合には表示部101に対して音声入力を促す表示を行うか、スピーカ108から音声入力を促す音声出力を行わせると共に、マイク109及び関連するハードウエアから音声入力データを取得し、第1データ格納部103に格納する。
【0024】
第2データ格納部105は、各種効果音データを格納している。具体的には、以下で述べるように1日の行動を入力する場合に用いるように、その時の情景が浮かぶような背景音などを、例えばキーワードなどと共に格納する。
【0025】
生成部104は、第1データ格納部103に格納されている音声入力データと、第2データ格納部105に格納されている効果音データとを用いて、生理的報酬獲得行動に対する条件反射制御法のためのメニューに用いる音声データを生成し、第3データ格納部106に格納する。
【0026】
出力制御部107は、第3データ格納部106に格納されている音声データを、ユーザの指示に従って又は以下で述べるようなタイミングで自動的にスピーカ108から出力する。
【0027】
次に、
図2を用いて、生理的報酬獲得行動に対する条件反射制御法のための第1のメニューで用いられる音声データを生成及び再生する際の処理フローについて説明する。
【0028】
まず、ユーザが嗜癖行動等ができない環境においてその事実を確認の上、処理開始がユーザから指示されると、音声入力処理部102は、嗜癖行動等ができないことを表す呪い文「喫煙(嗜癖行動等の例)はできない」を複数回発声するように促す(
図2:ステップS21)。例えば、表示部101を有する場合には、音声入力を促す表示を行うようにしても良いし、スピーカ108から音声入力を促す音声出力を行うようにしても良い。
【0029】
これに対してユーザは、「喫煙はできない」といった文を、複数回発声する。そうすると、音声入力処理部101は、マイク109を介して入力される音声をディジタル録音して、その音声データを第1データ格納部103に格納する(ステップS23)。
【0030】
次に、生成部104は、条件反射の対象となる効果音(すなわち嗜癖行動等を行わないことを条件付けるための効果音)の選択をユーザに対して促し、当該効果音の選択を受け付ける(ステップS25)。例えば、表示部101を有する場合には、上で述べたように効果音の候補を表示部101に表示してユーザに選択させても良いし、スピーカ108から選択を促すようにしても良い。なお、効果音は1種類であってもよいし、複数種類であっても良い。
【0031】
そうすると、生成部104は、第1データ格納部103に格納されている入力音声データにおけるポーズに基づき、呪い文を複数回発声した入力音声データを一文毎に分割する(ステップS27)。そして、生成部104は、選択された効果音を、上記文の入力データの前に挿入して連結することで、呪い音声データを生成し、第3データ格納部106に格納する(ステップS29)。
【0032】
例えば、(効果音)「喫煙はできない」(効果音)「喫煙はできない」・・・といったような呪い音声データを生成する。但し、(効果音1)「喫煙はできない」(効果音2)「喫煙はできない」・・・といったように、複数種類の効果音を用いるようにしても良い。
【0033】
その後、出力制御部107は、20分以上の不規則な時間間隔で、第3データ格納部106に格納されている呪い音声データを、スピーカ108から出力する(ステップS31)。
【0034】
このように不規則な時間間隔で効果音と「○○○はできない」という音声データで、嗜癖行動等ができないことを確認すると共に、当該嗜癖行動を行わない状態を維持する。また、社会において、嗜癖行動等に関連する刺激に曝露されて嗜癖行動等に対する欲求が生じた場合にも、「○○○はできない」とつぶやいたり、或いは念じることで、嗜癖行動等を回避する。また、社会においても呪い音声データを再生することで、「○○○はできない」ということを確認する。
【0035】
なお、病院その他の機関において設定される時間間隔と、社会において設定される時間間隔とは異なる場合もある。また、社会において上記のような再生を行う場合には、○○○という嗜癖行動等を表す文言部分についてはマスクするように出力制御部107が動作する場合もある。これによって周辺にいる人に対して配慮するものである。
【0036】
なお、生理的報酬獲得行動制御音声データの再生時には、以下に述べるような再生態様が採用される場合もある。
【0037】
具体的には、
図3に示すように、出力制御部107は、第3データ格納部106に格納されている生理的報酬獲得行動制御音声データを再生するが(ステップS41)、再生を途中で不規則に中断する(ステップS43)。
【0038】
その後、出力制御部107は、第3データ格納部106に格納されている呪い音声データを再生する(ステップS45)。
【0039】
そして、少なくとも20分は嗜癖行動等に対する欲求が生じるような精神活動を生じさせない状態を保つ。このようにすれば、治療の効果を上げることができる。
【0040】
次に、
図4及び
図5を用いて、生理的報酬獲得行動に対する条件反射制御法のための第2のメニューで用いられる音声データを生成及び再生する際の処理フローについて説明する。
【0041】
まず、処理開始がユーザから指示されると、音声入力処理部102は、物質反復摂取や病的賭博などの嗜癖や過食、PTSD、パニック、性的逸脱行動等といった回避すべき行動(以下、嗜癖行動等と呼ぶ)をとった日の行動を一文ずつ発声するように促す(
図4:ステップS1)。例えば、表示部101を有する場合には、音声入力を促す表示を行うようにしても良いし、スピーカ108から音声入力を促す音声出力を行うようにしても良い。
【0042】
これに対してユーザは、嗜癖行動等をとった日の行動を、例えば朝起きるところから順番に、一文ずつ語る。これに対して、音声入力処理部102は、マイク109を介して入力される音声をディジタル録音して、その音声データを第1データ格納部103に格納する(ステップS3)。
【0043】
次に、生成部104は、第1データ格納部103に格納されている入力音声データにおけるポーズに基づき、入力音声データを一文毎に分割する(ステップS5)。そして、生成部104は、各文について音声認識を行って、第2データ格納部105に格納されている効果音のうち当該文に関連する効果音を選択する(ステップS7)。例えば、「朝起きた」という入力音声データの場合には、例えば「朝」及び「起きる」といったようなキーワードが対応付けられており且つ目覚まし時計が鳴る時の音である効果音を選択する。なお、関連する効果音については必ずしも第2データ格納部105から抽出できるわけではない。従って、関連する効果音なしという選択の場合もある。また、本ステップについては、ユーザによる補助入力を受け付けるようにしても良い。すなわち、候補が複数ある場合や候補がない場合に、ユーザに適切な効果音の選択を要求して、選択を受け付けることで効果音を選択するようにしても良い。
【0044】
そして、生成部104は、効果音を、対応する文の入力音声データの前又は後に挿入して連結することで、生理的報酬獲得行動制御音声データを生成し、第3データ格納部106に格納する(ステップS9)。
【0045】
例えば、
図5に模式的に示すように、「朝6時に起きました」「テレビをつけるとニュースをやっていました」「トイレに行きました」「カメレオンにえさをあげました」・・・といったような入力音声データが得られた場合を考える。この場合、「朝6時に起きました」については、その前に効果音(目覚まし時計の音)が挿入される。また、「テレビをつけるとニュースをやっていました」については、その前に効果音(ニュースの音)が挿入される。しかし、「トイレに行きました」については、その後に効果音(水が流れる音)が挿入される。例えば、原則的に入力音声データの前に効果音を挿入して、ランダムに「後」に効果音を入れたり、特定の効果音については後に入れるなどの設定を行っても良い。また、「カメレオンにえさをあげました」については、関連する効果音が選択されず、効果音はない。このように効果音が選択できない場合には、効果音がない場合もある。
【0046】
その後、例えばユーザからの指示に応じて又は間隔(一定間隔だけではなく間隔が不定である場合を含む)をおいて繰り返し、出力制御部107は、第3データ格納部106から生理的報酬獲得行動制御音声データを読み出して、スピーカ108から出力させる(ステップS11)。
【0047】
このように生成した生理的報酬獲得行動制御音声データを、生理的報酬獲得行動に対する条件反射制御法のための第2のメニューにおいて用いる。このような構成を採用すれば、容易に生理的報酬獲得行動制御音声データを生成できる。さらに一度生成してしまえば、他の情報処理装置、音楽再生プレーヤやスマートフォンを含む携帯電話機、その他の携帯端末装置においても、再生できるようになる。よって、病院その他の機関内で治療を行う時だけではなく、社会における様々な場所や様々な時間で上記第2のメニューを実施できるようになる。
【0048】
さらに、携帯端末装置(携帯電話機を含む)が上記のような情報処理装置100の機能を有していれば、携帯端末装置によって生理的報酬獲得行動制御音声データを生成するようにしても良い。
【0049】
以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、処理フローは一例であって、処理結果が変わらない限り、ステップの順番を入れ替えたり、複数のステップを並列に実行するようにしても良い。
【0050】
また、上で述べた情報処理装置100の機能ブロック図は一例であって、プログラムモジュール構成とは一致しない場合もある。
【0051】
さらに、1台のコンピュータによって上記の機能を実施するだけではなく、複数台のコンピュータにより上記機能を実現するようにしても良い。例えば、録音及び再生を行うような情報処理装置と、呪い音声データや生理的報酬獲得行動制御音声データを生成する処理については、有線又は無線を介してネットワークに接続されている他の情報処理装置で行うようにしても良い。特に第2データ格納部105については、ネットワークに接続される他の情報処理装置に保持される場合もある。
【0052】
なお、上で述べた情報処理装置100は、コンピュータ装置であって、
図6に示すように、メモリ2501とCPU(Central Processing Unit)2503とハードディスク・ドライブ(HDD:Hard Disk Drive)2505と表示装置2509に接続される表示制御部2507とリムーバブル・ディスク2511用のドライブ装置2513と入力装置2515とネットワークに接続するための通信制御部2517とがバス2519で接続されている。オペレーティング・システム(OS:Operating System)及び本実施例における処理を実施するためのアプリケーション・プログラムは、HDD2505に格納されており、CPU2503により実行される際にはHDD2505からメモリ2501に読み出される。CPU2503は、アプリケーション・プログラムの処理内容に応じて表示制御部2507、通信制御部2517、ドライブ装置2513を制御して、所定の動作を行わせる。また、処理途中のデータについては、主としてメモリ2501に格納されるが、HDD2505に格納されるようにしてもよい。本技術の実施例では、上で述べた処理を実施するためのアプリケーション・プログラムはコンピュータ読み取り可能なリムーバブル・ディスク2511に格納されて頒布され、ドライブ装置2513からHDD2505にインストールされる。インターネットなどのネットワーク及び通信制御部2517を経由して、HDD2505にインストールされる場合もある。このようなコンピュータ装置は、上で述べたCPU2503、メモリ2501などのハードウエアとOS及びアプリケーション・プログラムなどのプログラムとが有機的に協働することにより、上で述べたような各種機能を実現する。
【0053】
なお、スピーカ108及びマイク109については、各種インタフェースを介してコンピュータ装置に接続され、制御される。また、HDD2505は、フラッシュメモリなどの他の記憶装置に置換される場合もある。また、ドライブ装置2513は設けられない場合もある。さらに、情報処理装置100が音楽プレーヤである場合には、表示制御部2507及び表示装置2509は設けられていないこともある。さらに、入力装置2515と表示装置2509とが一体化されたタッチパネルが採用されることもある。
【符号の説明】
【0054】
100 情報処理装置
101 表示部
102 音声入力処理部
103 第1データ格納部
104 生成部
105 第2データ格納部
106 第3データ格納部
107 出力制御部
108 スピーカ
109 マイク