(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
近年、様々な分野においてバーコードやQRコード(登録商標)、ColorCode(登録商標)、カラービット(登録商標)といった識別コードが広く利用されている。例えば、小売業などにおいては商品管理を行うために、商品にバーコードを印刷しPOS(PointOfSales)システムでバーコードを読み取ることによって販売時点での売上管理、在庫管理を行う仕組みが実現されている。
【0003】
また、商品券などの金券に一意なコードを割り当て、識別コードとしてQRコードなどを印刷することで商品券の流通を管理する仕組みや、コンサートのチケットに購入者情報やチケット情報等と関連付けられた一意なコードとしてカラーの二次元コードを識別コードとして印刷して、コンサート会場への入場時にチケットに印字された識別コードを読み取ることによって、コンサート会場への入場管理を行うといった利用もされている。
【0004】
このように二次元コードを初めとする識別コードが広く様々な分野において利用されている背景としては、二次元コードの様な識別コードは容易に様々な物品に印刷することが可能であることや、印刷された識別コードからコード情報を読み取る際に、高価な読取装置が不要である事がある。
【0005】
例えば、QRコードやColorCodeは、物品上に二次元コードとして印刷された識別コードからコード情報を読み取るために、専用の装置を必要とせず、印刷された二次元コードを画像として撮影することが出来れば撮影された画像から識別コードが表示された領域を抽出して、コードを読み取る事が可能である。
【0006】
しかし、二次元コードの様な識別コードは容易に様々な物品に印刷することが可能であることから、その複製も容易に行えるという問題がある。そのため、例えば商品券やコンサートチケットなど、その物品自体に商品価値があり、複製も容易な物品については、読み取った識別コードの情報だけで、その物品の真贋を判断する事ができず、識別コードの印刷以外に、物品の真贋を判断するための付加情報を加える必要がある。
【0007】
例えば、商品券やコンサートチケットなどでは、複製が困難なホログラムシールを貼付するといった加工や、用紙にエンボス加工を施すなどといった工夫により模倣を防止することが行われている。また、例えば、特許文献1においては偏光板の微小片や複屈折材を利用して複製が困難な固有模様を有するシールを作成し当該シールの固有模様を読み取ることで札の本物証明を行う方法が開示されている。
【0008】
さらには、特許文献2においては、物品に微小細粒を付与し、撮影画像に含まれる微小細粒が印刷により付与されたものでないことを判定することにより物品の真贋を判定する装置が開示されている。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本願の開示する識別コードの真贋判定装置、真贋判定方法および真贋判定プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に示す実施例では紙媒体に印刷された識別コードとしてカラーの二次元コードが印刷された場合の真贋を判定する場合について説明する。しかし、本願の開示する識別コードの真贋判定装置、真贋判定方法および真贋判定プログラムの実施例は、以下で説明するものに限られるわけではなく、紙媒体以外の物品に印刷された識別コードの真贋を判定する場合にも同様に適用することが可能であるし、カラービットのように二次元でない識別コードの真贋の判定にも同様に適用することが可能である。
【0022】
本実施例では
図1に示されるようなカラーの二次元コードが印刷された紙媒体の真贋を判定する実施例について説明する。識別コードとして用いられる二次元コードとしては、バーコードやQRコード、ColorCode、ChameleonCode(登録商標)などが広く知られているが、このような二次元コードに限られず、いずれの識別コードであっても本願発明で開示する方法により、真贋の判定を行う事が可能である。
【0023】
図1で示す二次元コードの例では、コード領域にマトリックス状に色領域が配置されている。配置されている色領域の組み合わせによって、対応する文字列が異なり、一意な文字列を取得することが可能である。
図1においては、Bが記載された領域は青色の領域であり、Rが記載された領域は赤色の領域であり、Yが記載された領域が黄色の領域である。以後、本明細書の図面において二次元コードを図示する場合、それぞれと同じ濃度で表示される色領域にも同様に青色、赤色、黄色の何れかの色が施された領域となる。
【0024】
識別コードの真贋の判定とは、識別コードの認識装置で正しく読み取る事が出来る識別コードであったとしても、当該識別コードが複製されたものでないかどうかを判定することである。例えば、入場券になんらかの識別コードを印刷し、会場への入場時に識別コードの読み取りを行って、入場を管理するような場合を考える。印刷された識別コードは容易に作成や複製を行うことが可能であるため、複製された識別コードであっても正当な識別コードが印刷されていれば入場することができる。この場合、読み取った識別コードが正当に発行された識別コードであることを判定しなければならない。
【0025】
このような真贋の判定を行う為に、本願の開示する識別コードの真贋判定装置を用いて識別コードの真贋を判定する場合、
図1に示されるような二次元コードを識別コードとして用いる。
図1に示されるような識別コードとして用いられる二次元コードを紙媒体に印刷した後に当該紙媒体に一意性を有するランダムな模様を物理的に付加する。例えば、紙媒体を折り曲げたり丸めたりした後に再び紙媒体を引き伸ばして紙媒体に折り目や皺模様を付加する。
【0026】
図2は実際に
図1の二次元コードが印刷された紙媒体に一意性のあるランダムな模様を物理的に付加した場合を図示したものである。このように付加された模様は完全にランダムに付加されるものであり、同様の方法で別の紙媒体に模様を付加しようとしても、同一の模様を物理的に付加することは不可能である。
【0027】
識別コード真贋判定装置では、識別コードが印字された紙媒体に付された折り目や皺模様の物理的な模様により生ずる筋目をエッジ画像として抽出し、予め記憶しておく。そして、識別コードを読み取る際に、読み取る識別コードが印刷された紙媒体に付された折り目や皺模様の物理的な模様により生ずる筋目をエッジ画像として抽出し、予め記憶しているエッジ画像との一致度を測ることによって、識別コードの真贋を判定する。エッジ画像は予め記憶しておいてもよいし、エッジ画像を比較する際に、予め記憶している識別コードの画像から筋目のエッジ画像を抽出して比較するようにしてもよい。
【0028】
以下、識別コード真贋判定装置の具体的な構成および処理手順について詳述する。
図3は識別コード真贋判定装置300の構成を示す図である。
図3に示すように、識別コード真贋判定装置300は、識別コード画像取得部301と、エッジ画像取得部302と、エッジ画像検証部303と、識別コード情報記憶部310と、エッジ画像記憶部311とを有する。さらに、エッジ画像取得部302は、色領域画像取得部304と、色領域エッジ画像取得部305と、エッジ画像合成部306とを有する。
【0029】
それぞれの構成要素について説明する。まず、識別コード情報記憶部310について説明する。
図8は識別コード情報記憶部に記録されているデータ構造の一例を示したものである。識別コード情報記憶部310には
図8に示されるとおり、識別コードの「一意文字列」「画像データ」「エッジ画像データ」がそれぞれ記憶される。
【0030】
「一意文字列」には識別コード画像に対応付けられている一意なコード文字列が記憶され、「画像データ」には「識別コード」に対応する識別コード画像データが記録される。ここで記録されている識別コード画像データは、紙媒体等に印刷された識別コードに一意性を有する折り目などのランダムな模様が付されたものを画像データとして記録したものである。「エッジ画像データ」には「画像データ」から抽出したエッジ画像のデータが記録される。事前にエッジ画像の抽出処理が行われた場合は、エッジ画像データは予め記憶されている。真贋の判定処理を行う際にエッジ画像の取得処理を行う場合は、エッジ画像は記憶されていない場合もある。
【0031】
次に、識別コード画像取得部301について説明する。識別コード画像取得部301は、画像データに表示される識別コード領域を抽出し識別コード画像のみの取得処理を行う。画像データはカメラ装置400で撮影された映像や画像から画像データを抽出して、その画像データから識別コード画像の取得処理を行う場合もあるし、記録されている画像データ500を読み込んで、読み込んだ画像データから識別コード画像の取得処理を行う場合もある。
【0032】
画像データからの識別コード画像の取得処理は、画像データに表示されている識別コードの種類によって異なる。例えば識別コード画像としてChameleonCodeが二次元コード画像として表示されている場合は、画像データの中にChameleonCodeの特徴的なパターンが含まれているかを判定し、画像データから識別対象領域としてChameleonCodeの二次元コード画像の領域を検出する。ChameleonCode以外の識別コードが表示されている場合も、それぞれの識別コードの抽出方法によって、画像データから識別コード画像の取得を行う。
【0033】
次に、エッジ画像取得部302について説明する。エッジ画像取得部302は識別コード画像取得部301で取得された識別コード画像または識別コード記憶部310に記録されている識別コードの画像データからエッジの抽出を行い、エッジ画像の取得を行う。エッジの抽出は識別コードの画像データにエッジ検出の画像処理を施す事によって行われる。例えば、画像の輝度の勾配を見積もり、勾配の大きさでエッジの強さを計算することによりエッジ画像を取得する方法などが知られている。
図4は
図2の二次元コード画像からエッジを抽出し、取得したエッジ画像の例である。
【0034】
エッジ画像取得部302は、さらに色領域画像取得部304、色領域エッジ画像取得部305、エッジ画像合成部306によって識別コード画像からエッジ画像を抽出する処理を行う事も出来る。
【0035】
色領域画像取得部304は、識別コード画像から識別コードに利用されている色ごとにそれぞれの色領域画像のみを取得する。例えば、
図5は
図2の二次元コード画像からそれぞれの色領域画像のみを取得した画像の例である。
図2の二次元コード画像のBが記載された領域の色は青色であり、Rが記載された領域の色は赤色であり、Yが記載された領域の色は黄色であるとする。そうした場合に、それぞれの色コードに対応して一定の幅のコードを持つ画像領域を抽出すると、
図5に示すようなそれぞれの色部分のみの色領域画像を取得することができる。
【0036】
例えば、識別コード画像から赤色の色領域の画像のみを取得する場合を例に説明する。識別コードの画像の各ドットの表示色がRGBコードによって表現される場合、赤色はRGBコードがR=255,G=0,B=0と表される。ここで、赤色の色画像領域を抽出するために、一定の幅の赤色のコードを赤色領域のドットのみを抽出する。例えば、RGBコードが230<Rかつ0<G<25かつ0<B<25の範囲内にあるドットのみを抽出すると赤色の色領域のみの色領域画像を取得することができる。同様に、他の色領域についても、色ごとに一定のコードの幅のドットを抽出することによって、それぞれの色領域画像を取得することができる。
【0037】
色領域エッジ画像取得部305は、色領域画像取得部304で取得したそれぞれの色領域画像ごとにエッジの抽出処理を行う。ここでのエッジの抽出処理は、単純に色領域画像からエッジの抽出するのではなく、それぞれの色領域画像の色の濃度や深度などを調整した上で行われる。例えば、色領域画像をモノクロ画像に変換し、それぞれのモノクロの色領域画像の明るさやコントラストを近似させた上でエッジを抽出することにより、色合いの違いによるエッジの抽出にむらがでることを防止することが出来る。
図6は、
図5の色領域画像のそれぞれについて、エッジの取得を行い取得したエッジ画像の例を表したものである。
【0038】
エッジ画像合成部306は、色領域エッジ画像取得部305で取得されたそれぞれの色領域画像のエッジ画像を重ね合わせて合成し一つのエッジ画像とする処理を行う。
図7は
図6に示されるそれぞれの色領域のエッジ画像を重ね合わせて合成したエッジ画像を表したものである。
図7の合成したエッジ画像に表されているエッジ部分と
図4のエッジ画像に表されているエッジ部分とを白黒反転して比較してみると、色領域ごとに色の濃度や深度などを調整して抽出したエッジ画像を合成して作成した
図7の合成したエッジ画像に表されているエッジ部分が、二次元コード画像全体から抽出した
図4のエッジ画像に表されているエッジ部分よりも、より明瞭にエッジ画像として抽出が行えていることが判る。
【0039】
これは、二次元コード画像全体からエッジ画像を抽出すると、色の濃い部分、例えば黒色部分などと隣接する色部分との輝度の勾配が大きくなってしまい、この部分のエッジが強調されてしまうため、それ以外の部分のエッジが薄くしか抽出できないからである。色領域エッジ画像取得部305で行う処理のように色領域ごとにエッジ画像の抽出処理を行うと、このような問題を回避することができるため、より明瞭なエッジ画像が抽出できる。
【0040】
次に、エッジ画像記憶部311について説明する。エッジ画像記憶部311には、エッジ画像取得部302で取得されたエッジ画像が記憶される。エッジ画像はカメラ装置400で撮影された画像データや画像データ500の画像データから取得した識別コード画像に基づいてエッジ画像取得部302で取得されたエッジ画像が記憶される。また、識別コード情報記憶部310に識別コード画像のみが記憶されていた場合は、識別コード情報記憶部310に記憶されている識別コード画像に基づいてエッジ画像取得部302で取得されたエッジ画像も記憶される。
【0041】
次に、エッジ画像検証部303について説明する。エッジ画像検証部303は、カメラ装置400で撮影された画像データや画像データ500の画像データに基づいて取得されたエッジ画像と、識別コード情報記憶部310に記憶されている識別コード画像に基づいて取得されたエッジ画像が類似する画像であるかどうかを判断することによって、カメラ装置400で撮影された画像データや画像データ500の画像データに表示される識別コードの真贋を判断する。
【0042】
例えば、エッジ画像記憶部311に記憶されているエッジ画像および識別コード情報記憶部に記憶されている識別コード画像に基づいて取得されたエッジ画像が類似する画像であるかを、形状マッチングによって比較し類似度を算出する。具体的には、Huモーメントや画像モーメントを用いて画像同士の形状を比較し、類似度を算出する。
図9はHuモーメントを用いて2つの画像の類似度を算出した場合の例である。
図9の例では類似度が0.00942と算出されている。類似度の数値が低いほど、2つの画像の形状が近いことを表している。
【0043】
したがって、類似度の数値が一定の閾値よりも低い場合は、2つのエッジ画像は同じものであるとして、カメラ装置400で撮影された画像データや画像データ500の画像データに表示されている識別コードは真正なものであると判断する。形状マッチングは既知の手法であればどのような方法で行っても良い。形状マッチングの手法によって類似と判断する閾値の数値は適時調整される。
【0044】
以上が識別コード真贋判定装置300の各構成要素の説明となる。次の処理フローチャートを用いて、識別コード真贋判定装置300で行われる各処理について説明する。
【0045】
まず始めに、識別コード画像の登録処理について説明する。
【0046】
図10は事前処理として一意性の真贋を判定する識別コードとして識別コードの画像データを保存する処理フローである。事前処理では、まず、一意な折り目や皺等のエッジが施された紙媒体等の画像を取得する(S101)。紙媒体の画像を取得したら、取得した画像から識別コードを検出し、対応する一意文字列を取得する(S102)。
【0047】
識別コードに対応する一意文字列は、識別コード管理装置で管理されるものであり、利用する識別コードによって異なる。例えば、識別コードとしてカラー二次元コードであるChameleonCodeを利用している場合は、ChameleonCodeの管理装置において、色のパターンと一対一に一意な文字列コードが割り当てられており、ChameleonCodeの画像データをカメレオンコードの管理装置に送信すると、対応する一意な文字列コードを一意文字列として取得することができる。
【0048】
識別コードに対応する一意文字列が取得できたら、次に、識別コード画像のエッジ検出処理を行う(S103)。エッジ検出処理はエッジ画像取得部302で行われる。エッジ画像の取得処理の処理フローについては後述する。識別コード画像のエッジ検出処理を行い、エッジ画像を取得することができたら、S101で取得した識別コードの「画像データ」、S102で取得した「一意文字列」、S103で取得した「エッジ画像」を一組のデータとして識別コード情報記憶部310に記録する(S104)。
【0049】
識別コード情報記憶部310に真贋判定を行う識別コード画像の情報がそれぞれ記録されたら事前処理は完了である。識別コード情報記憶部310には、少なくとも、識別コードに対応する一意文字列と、一意な模様が付けられた識別コードの画像データが記録されていればよい。
【0050】
次に、エッジ検出処理はエッジ画像取得部302で行われる。エッジ画像の取得処理の処理フローについて説明する。エッジ検出処理は、識別コード画像の全体からエッジを検出しエッジ画像を取得する処理を行う場合と、識別コード画像を色画像ごとに分解して、色画像ごとにエッジ画像の取得を行う場合とがある。
【0051】
まず、識別コード画像の全体からエッジ画像を取得する場合の処理フローについて説明する。
図11は、識別コード画像の全体からエッジ画像を取得して記録する場合の処理フローである。この処理はエッジ画像取得部302で行われる。
【0052】
エッジ画像の取得を行うために、まず、最初に識別コード画像の取得を行う(S111)。ここで取得される識別コード画像は、識別コード画像取得部301でカメラ装置400によって撮影された画像データから取得された識別コード画像データや、識別コード情報記憶部310に記憶されている識別コード画像データなどである。
【0053】
識別コード画像が取得できたら、次に取得された識別コード画像のエッジ検出処理を行う(S112)。ここでのエッジ検出処理は、先述の通り識別コードの画像データにエッジ検出の画像処理を施す事によって行われる。エッジの検出ができたら、検出されたエッジをエッジ画像として記録する(S113)。
【0054】
以上が、識別コード画像の全体からエッジ画像を取得する場合の処理となる。次に、識別コード画像を色画像ごとに分解してエッジ画像を取得する場合の処理フローについて説明する。
図12は、識別コード画像を色画像ごとに分解してエッジ画像を取得する場合の処理フロー図である。この処理は、エッジ画像取得部302に含まれる色領域画像取得部304、色領域エッジ画像取得部305、エッジ画像合成部306がそれぞれ連携して行われる。
【0055】
識別コード画像を色画像ごとに分解してエッジ画像を取得する場合、まず初めに、識別コードで利用される色の一覧を取得する(S1201)。識別コードで利用される色は、識別コードの種類によって決まる。例えば、識別コードとしてカラー二次元コードであるChameleonCodeが利用される場合は、識別コードには「赤」「青」「黄」の三色が利用される。このように識別コードの種類によって予め決まっている色の一覧を識別コード真贋判定装置内に記憶しておき取得できるようにしておく。
【0056】
識別コードで利用する色の一覧が取得できたら、利用される色ごとに繰り返し処理を行う(S1202)。例えば、識別コードで利用される色として「赤」「青」「黄」の三色が取得されたら、それぞれの色ごとに処理を行う。色ごとの処理では、まず、識別コードの画像データから利用する色の画像成分のみの抽出を行う(S1203)。画像成分の抽出は、利用する色の色コードに一定の色幅を設定し、画像データの画素ドットの色コードが、処理を行う色コードの一定の色幅の範囲内に含まれる画素ドットのみを抽出する事で行う。利用する色ごとに画像データを抽出した例の画像データが
図5である。
【0057】
利用する色のみの色の画像データが抽出できたら、次に抽出した色の画像成分をモノクロ画像データに変換する(S1204)、そして、モノクロ画像データの明るさやコントラストなどの濃淡が所定の値になるように変更を行う(S1205)。ここでの濃淡の調整は、他の色の画像データと明るさやコントラストの濃淡が同じ程度の値になるように調整をする。
【0058】
モノクロ画像データの濃淡を調整したら、次に、モノクロ画像データからエッジの抽出を行う(S1206)。エッジの抽出は、先述の通り識別コードのモノクロ画像データにエッジ検出の画像処理を施す事によって行われる。エッジの検出ができたら、検出されたエッジをエッジ画像データとして記録する(S1207)。
図6は検出された色ごとのエッジ画像データの例を示したものである。
【0059】
エッジ画像の記録を行ったら、S1201で取得したすべての利用する色について処理を行ったかを判定する(S1208)。全ての色について処理が終わっていない場合(S1208:NO)、S1202に戻り、次の利用する色について同様の処理を行う。全ての利用する色について処理が行われた場合(S1208:YES)、S1208で記録した全ての色のエッジ画像を重ね合わせて合成して一つのエッジ画像として作成する(S1209)。
図7は全ての色のエッジ画像を重ね合わせて合成して一つのエッジ画像として作成されたエッジ画像の例を示したものである。
【0060】
エッジ画像の作成が行われたら、作成されたエッジ画像を記録して(S1210)、エッジ画像の取得処理を終了する。以上が識別コード画像からエッジ画像を取得する場合の処理フローの説明となる。取得されたエッジ画像は識別コード情報記憶部310またはエッジ画像記憶部311の何れかに記憶される。エッジ画像の作成は、識別コード画像の全体からエッジ画像を取得する方法または識別コード画像を色画像ごとに分解してエッジ画像を取得する方法のいずれの方法でエッジ画像の取得処理を行っても良いが、真贋判定処理を行う場合は、いずれか一方のエッジ画像取得処理に統一して処理を行わなければならない。
【0061】
次に、エッジ画像の検証処理について説明する。識別コード真贋判定装置では、カメラ装置400で撮影された画像に含まれる識別コードや画像データ500に含まれる識別コードが真正なものであるかを判定するために、予め識別コード情報記憶部310に記憶されている識別コードの画像データのエッジ画像と、判定対象の識別コードのエッジ画像が類似する画像であるかどうかを判定する。識別コード情報記憶部310に記憶されている識別コードの画像データのみを記録しておいてもよいし、識別コードの画像データとエッジ画像とを併せて記録しておいてもよい。
【0062】
具体的にエッジ画像検証処理について処理フローに基づいて説明する。
図13は、識別コード画像の真贋判定の処理フローである。識別コード画像の真贋判定を行う前提として、少なくとも真正の識別コードの画像データが予め二次元コード情報記憶部310に記録されている事が必要である。
【0063】
識別コード画像の真贋判定処理では、まず初めにカメラ装置400などで撮影された識別コードを含む画像データの取得が行われる(S1301)。識別コードを含む画像データの取得が行われたら、画像データから識別コード画像のみを抽出して取得する(S1302)。ここで抽出した識別コード画像が真贋判定を行う識別コードとなる。ここでは、この画像を識別コード画像Aとする。
【0064】
次に、取得した識別コード画像Aからエッジ画像Aを取得する(S1303)。エッジ画像Aの取得は、前述した識別コード画像の全体からエッジ画像を取得する方法(
図11の処理フロー)または識別コード画像を色画像ごとに分解してエッジ画像を取得する方法(
図12の処理フロー)のいずれかの方法で行われる。ここで、取得されたエッジ画像Aはエッジ画像記憶部311に記憶される。
【0065】
エッジ画像Aの取得が行えたら、次に、識別コード画像Aに対応する一意文字列を取得する(S1304)。識別コードに対応する一意文字列は、識別コード管理装置で管理されるものであり、利用する識別コードによって異なる。例えば、識別コードにカラー二次元コードであるChameleonCodeを利用している場合は、ChameleonCodeの管理装置において、色のパターンと一対一に一意文字列が割り当てられており、ChameleonCodeの画像データをChameleonCodeの管理装置に送信すると、対応する一意文字列を取得することができる。
【0066】
識別コード画像Aに対応する識別コードが取得できたら、識別コードに対応するエッジ画像Bを二次元コード情報記憶部310から取得する(S1305)。一意文字列に対応するエッジ画像Bが識別コード情報記憶部310から取得できた場合(S1306:YES)、取得したエッジ画像Bをエッジ画像記憶部311に記憶する。
【0067】
これに対して、一意文字列に対応するエッジ画像Bが識別コード情報記憶部310から取得できなかった場合(S1306:NO)、一意文字列に対応する識別コード画像Bを識別コード情報記憶部310から取得し、取得した識別コード画像Bに対応するエッジ画像Bの取得処理を行う(S1307)。
【0068】
エッジ画像Bの取得は、前述した識別コード画像の全体からエッジ画像を取得する方法(
図11の処理フロー)または識別コード画像を色画像ごとに分解してエッジ画像を取得する方法(
図12の処理フロー)のいずれかの方法で行われるが、S1303で行うエッジ画像の取得と同じ方法で行わなければならない。エッジ画像Bを識別コード画像Bから取得できたら、取得したエッジ画像Bをエッジ画像記憶部311に記憶する。
【0069】
エッジ画像Aおよびエッジ画像Bがエッジ画像記憶部311に記憶されたら、記憶されているエッジ画像Aとエッジ画像Bの類似度の算出処理を行う(S1308)。画像の類似度の算出は、形状マッチングによって比較し類似度を算出する。例えば、Huモーメントや画像モーメントを用いて画像同士の形状を比較し、類似度の算出が行われる。
【0070】
類似度の算出が行えたら、算出した類似度が一定値以下であるかどうかを判定する(S1309)。例えば、Huモーメントや画像モーメントを用いて画像同士の形状を比較し算出した類似度では値が小さいほど画像が一致している事になる。類似度の算出方法によって2つの画像が類似しているといえる適切な閾値を予め規定しておき、規定していた閾値以下であれば2つの画像は類似していると考えられる。
【0071】
算出した類似度が閾値以下であった場合(S1309:YES)、エッジ画像Aはエッジ画像Bに類似するため、エッジ画像Aの取得元の画像である識別コード画像Aは、二次元コード画像Bと類似すると考えられる。そのため、識別コード画像Aは真正なものであると判断できる(S1311)。
【0072】
逆に、算出した類似度が閾値以上であった場合(S1309:NO)、エッジ画像Aはエッジ画像Bに類似しないため、エッジ画像Aの取得元の画像である識別コード画像Aは、識別コード画像Bと類似しないと考えられる。そのため、識別コード画像Bは真正なものではないと判断できる(S1310)。
【0073】
ここで、S1308での類似度の算出方法によっては、類似度が大きいほど、2つの画像が類似していると判断される類似度の算出方法もある。その場合、S1309での類似度と閾値との比較は、類似度が閾値以上であるかどうかの判断となる。
【0074】
以上が、本発明における識別コード真贋判定装置のシステム構成および処理についての説明となる。なお、本文書中において説明した各処理については、実施例において記載した方法に限られるものではなく、説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0075】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、本願発明において開示する装置の各構成要素の具体的形態は図示のものに限られない。例えば、構成要素の全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各構成要素の処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0076】
例えば、上記実施例で説明した識別コード真贋判定装置で行われる真贋判定の方法は、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータで実行することで実現することもできる。