(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、マフラ100では、セパレータ104によって、シェル101内が複数の部屋が形成される。
そして、インレットパイプ102の先端が位置する部屋内では、上流側から送られてくる排気ガスがインレットパイプ102から排出されると膨張し、かつ、冷やされることによって凝縮水が発生して、シェル101内に溜まる。
【0007】
しかし、従来のマフラ100は、セパレータ104に、貫通孔104bを形成し、これにアウトレットパイプ103を嵌挿していたため、シェル101の底面からアウトレットパイプ103が浮いてしまっていた。
【0008】
そのため、アウトレットパイプ103を介して凝縮水を排水するには、凝縮水の排水専用の構造を設けるなどせねばならなかった。
また、マフラ100では、セパレータ104の外縁部と各貫通孔104a、104bの周囲に溶接のためフランジ106、107を設ける必要がある。
【0009】
そのため、1のセパレータ104を備える場合は、セパレータ104に3つのフランジ106、107を設ける必要があり、また、2つのセパレータ104を備える場合は、各セパレータ104でも、各セパレータごとに2つのフランジ106、107を設ける必要があり、それだけ工数が多くなっていた。
【0010】
そこで本発明は、凝縮水を排水するための専用の構造を設けることなく凝縮水を排水可能なマフラであって、工数も少ないマフラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため
、本発明は、シェル(2)と、パイプ(4)と、前記シェル内の空間を仕切るセパレータ(5)と、を備え、前記セパレータは、前記シェル内に設置したときに、前記パイプを通す挿通空間(61)を前記シェルとの間に形成する凹部(6)を有し、前記凹部を含む前記セパレータの外縁部にフランジ(51)が形成され、前記パイプは、少なくとも前記挿通空間に通される部分が、前記シェルの内壁面と前記凹部に形成されたフランジとに当接して配置されることを特徴とする。
【0012】
これによると、パイプが、シェルの内壁面に当接して配置されるので、凝縮水がパイプを介して排出される。
したがって、本発明のマフラは、凝縮水を排水するための専用の構造を設けることなく凝縮水を排水することができる。
【0013】
また、これによると、パイプがセパレータとシェルとの間に挟まれて配置されるので、パイプを通す貫通孔が不要であり、しかも、その貫通孔にフランジを設ける必要もない。
したがって、本発明のマフラは、貫通孔にフランジを設ける製造工程を少なくとも一つ減らすことができるので、従来のマフラに比べ工数を少なくすることもできる。
【0014】
ところで、セパレータでシェル内を複数の部屋に分け、インレットパイプの出口が一方の部屋に位置し、アウトレットパイプの入口が他方の部屋に位置するように組み立てられた場合、各部屋間で排気を通す通孔を設ける必要があり、また、凝縮水をアウトレットパイプの入口に導く必要がある。
【0015】
そこで
、本発明のマフラでは、凹部を、パイプの断面積よりも大きな面積を有する挿通空間を形成可能な大きさのものとした。
このようにすると、凹部によって形成された挿通空間に、排気を通す通気孔(62)が形成されることとなるからである。
【0016】
一方、凝縮水は、通常、インレットパイプの出口が位置する部屋で発生する。
しかし、このようにすると、通孔を介して、インレットパイプの出口が位置する部屋から、アウトレットパイプの入口が位置する部屋に排気が流れることとなる。
【0017】
すると、排気の流れに導かれて、凝縮水がインレットパイプの出口が位置する部屋から、アウトレットパイプの入口が位置する部屋に流れるようになり、凝縮水がアウトレットパイプの入口に導かれる。
【0018】
したがって
、本発明のマフラでは、凝縮水をアウトレットパイプを介して効率よく排水することもできる。
次に、マフラは、通常、パイプとしてインレットパイプとアウトレットパイプとを備えているが、具体的には、下記のような構成のものが例として挙げられる。ただし、これらに限られるものではない。
【0019】
本発明のマフラのように、挿通空間にアウトレットパイプを通し、セパレータに形成された貫通孔にインレットパイプを通すようにしてもよい。
この場合、貫通孔の縁部にはフランジを形成するとよい。
【0020】
このように構成しても、各パイプを通す貫通孔にフランジを設け、セパレータの外縁にフランジを設ける場合に比べて、1の貫通孔、具体的にはアウトレットパイプを通す貫通孔にフランジを設ける必要がなくなるので、工数を少なくすることができる。
【0021】
本発明のマフラのように、2つのセパレータを備え、一方のセパレータに貫通孔を形成して、この貫通孔にインレットパイプを通し、他方のセパレータに凹部を形成して、この凹部が形成する挿通空間にアウトレットパイプを通し構造としてもよい。
【0022】
この場合、貫通孔の縁部にはフランジを形成するとよい。
本発明のマフラのように、セパレータに2つの凹部を設け、一方の凹部が形成する挿通空間にはインレットパイプを通し、他方の凹部が形成する挿通空間にはアウトレットパイプを通す構造としてもよい。
【0023】
次に、パイプは端部とその近傍が少なくともシェルの内壁面に当接するように配置すればよいが、
本発明のマフラのように、パイプのうちシェル内に位置する部分の全体を、シェルの内壁面に当接して配置するようにしてもよい。
【0024】
次に、凝縮水を排水するには、
本発明のマフラのように、シェルの最下部の内壁面に接するようにパイプを配置するとよいが、これに限られるものではない。
ところで、アウトレットパイプの中には、その端部が、パイプ内からパイプの端部の開口に向かってラッパ状に漸次拡径する構造となっているものがあるが、これはアウトレットパイプのガスの吸い込み性能を良くするためである。
【0025】
この点、セパレータの本体部分とフランジを形成する部分の境界部分は、曲線状に折り曲げられているので
、本発明のマフラのように、パイプの端部が、挿通空間内に位置するように配置し、パイプの開口からその折り曲げられた部分をみると、その構造が、アウトレットパイプの端部をラッパ状に形成した構造に似た構造となる。
【0026】
そのため、こ
のマフラのように構成すると、アウトレットパイプの端部をラッパ状に形成しなくても、ガスの吸い込み性能をよくすることができる。
次に
、本発明のマフラのように、パイプがシェルと接する部分を、シェルの内壁面に沿った形状に形成してもよい。
【0027】
このようにすると、パイプとシェルとを接触させただけの場合に比べ、シェルに近い部分の開口面積を広くすることができるので、凝縮水をアウトレットパイプ内に効率よく排出することが可能となる。
【0028】
尚
、本発明のマフラのように、パイプは、少なくとも挿通空間に通される部分が、シェルの内壁面にパッチ(40)を介して間接的に当接して配置されていてもよい。もちろん、パイプをシェルの内壁面とフランジとに直接当接させてもよい。
【0029】
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段等に限定されるものではない。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。
尚、以下の第1実施形態の説明では、第1実施形態を本実施形態とよんで説明する。
【0032】
本実施形態のマフラ1は、
図1に示すように、シェル2と、インレットパイプ3と、アウトレットパイプ4と、セパレータ5とを備えている。
シェル2は円筒形状に形成された本体20と、本体部の軸方向両端の開口を閉じる1組の蓋体21、22とを備えている。
【0033】
このうち、蓋体21には、インレットパイプ3を貫通させることができる大きさの孔部21aが形成されている。
この孔部21aは、蓋体21の中心よりも上方側であって、蓋体21の中心と蓋体21の縁部との間に設けられている。
【0034】
この孔部21aは、バーリング加工によって形成され、この加工の際、蓋体21を本体20に取り付けたときに外側を向くフランジ21bが、孔部21aの縁部から立設されるようにして形成される。
【0035】
インレットパイプ3は、この蓋体21の孔部21aに通されると、その外部表面にフランジ21bが当接するので、このフランジ21bを介して蓋体21、ひいては、シェル2に溶接される。
【0036】
また、この蓋体21の縁部には、フランジ21bとは反対方向に向かって立設されたフランジ21cが形成されている。
蓋体21は、このフランジ21cの内側に本体20を挿入することによって、本体20に取り付けられ、蓋体21は、このフランジ21cを介して本体20に溶接される。
【0037】
一方、蓋体22には、アウトレットパイプ4を貫通させることができる大きさの孔部22aが形成されている。
この孔部22aは、蓋体22の中心よりも下方側であって、蓋体22の縁部に接する位置に設けられている。
【0038】
この孔部22aは、バーリング加工によって形成され、この加工の際、蓋体22を本体20に取り付けたときに外側を向くフランジ22bが、孔部22aの縁部から立設されるようにして形成される。
【0039】
アウトレットパイプ4は、この蓋体22の孔部22aに通されると、その外部表面にフランジ22bが当接するので、このフランジ22bを介して蓋体22、ひいては、シェル2に溶接される。
【0040】
また、この蓋体22の縁部には、フランジ22bとは反対方向に向かって立設されたフランジ22cが形成されている。
蓋体22は、このフランジ22cの内側に本体20を挿入することによって、本体20に取り付けられ、蓋体22は、このフランジ22cを介して本体20に溶接される。
【0041】
次に、インレットパイプ3は、燃料機関から排出される排気ガスを燃料機関側からマフラ1内に導くためのパイプであり、円筒形状に形成され、その下流側端部がシェル2内に位置するようにシェル2に取り付けられる。
【0042】
このインレットパイプ3は、下流側端部の出口が、シェル2内をセパレータで複数の部屋に分けたときに下流側(蓋体22側)の部屋Bで開口するように、シェル2に取り付けられる。
【0043】
一方、アウトレットパイプ4は、排気ガスをマフラ1から外部に導くためのパイプであり、円筒形状に形成され、その上流側端部がシェル2内に位置するようにシェル2に取り付けられる。
【0044】
このアウトレットパイプ4は、上流側端部入口が、シェル2内をセパレータで複数の部屋に分けたときに上流側の部屋A(蓋体21側)で開口するように、シェル2に取り付けられる。
【0045】
また、このアウトレットパイプ4は、シェル2内に位置する部分が、シェル2の最下部(本体20の最下部)の内壁面に当接するようにして配置される。
次に、セパレータ5は、
図2に示すように、略円板状に形成された本体50と、本体50の外縁部に形成されたフランジ51とを備えている。このうち、フランジ51は、本体50の板面に対して円板の外縁部を垂直に折った形状に形成されている。
【0046】
また、本体50は、その円板中心αの上方に形成された貫通孔50aと、円板中心αの下方に形成された凹部6とを有している。
貫通孔50aは、円板中心と本体50の外縁部との中間に位置し、凹部6は、本体50の外縁部を円板中心に向かって凹ませたような形状をしている。
【0047】
また、この貫通孔50aは、バーリング加工によって形成されるため、貫通孔50aの端部には、その端部から立設されたフランジ52が形成されている。
このフランジ52は、本体50の板面に対してフランジ51と同一方向に折り曲げられている。
【0048】
このセパレータ5を
シェル2内に設置すると、
図1に示すように、蓋体21側の上流の部屋Aと、蓋体22側の下流側の部屋Bとが
シェル2内に形成される。
また、このセパレータ5を
シェル2内に設置するとき、
図2(a)に示すように、凹部6が下方に位置するように設置する。すると、凹部6が、シェル2の本体20の最下部の内壁面との間に、アウトレットパイプ4を通すための挿通空間61を形成する。
【0049】
また、凹部6は、このようにセパレータ5をシェル2内に設置したとき、アウトレットパイプ4の断面積よりも大きな面積を有する挿通空間61を形成する大きさに形成されている。
【0050】
そのため、このセパレータ5を
シェル2内に設置し、挿通空間61にアウトレットパイプ4を通すと、
図2(b)に示すように、アウトレットパイプ4の両側に通気孔62が形成される。
【0051】
次に、マフラ1の製造及び組立工程について説明する。
シェル2の本体20、インレットパイプ3、アウトレットパイプ4は、板材を丸めることによって製造され、円筒状に形成される。ただし、これらの製造は、板材を丸める方法に限られるものではない。
【0052】
蓋体21、22は、
図1に示すように、円盤状に形成された部材の縁部を折ってフランジ21c、22cとし、その部材にバーリング加工を施すことにより、孔部21a、22aを形成するとともにフランジ21b、22bを形成する。
【0053】
セパレータ5は、
図2に示すように、外周部分が1カ所窪んだ略円盤状の部材の縁部を折ってフランジ51とし、その部材にバーリング加工を施すことにより、貫通孔50aを形成するとともにフランジ52を形成する。
【0054】
セパレータ5はシェル2の本体20内に設置される。設置位置は、シェル2の軸方向中央付近である。ただし、設置位置は、中央付近に限るものではない。
また、蓋体21及び蓋体22は、シェル2の本体20の各開口を閉じるように、各開口に被せられる。
【0055】
そして、蓋体21、22及びセパレータ5は、フランジ21c、22c、51を介してシェル2の本体20に対して溶接して固定される。尚、この固定は溶接に限るものではない。
【0056】
次に、インレットパイプ3は、蓋体21の孔部21aと、セパレータ5の貫通孔50aに通され、フランジ21b、52を介して蓋体21及びセパレータ5に溶接によって固定される。尚、この固定は溶接に限るものではない。
【0057】
アウトレットパイプ4も、蓋体22の孔部22aと、セパレータ5の凹部6によって形成された挿通空間61に通されて、フランジ22b、51を介して蓋体22及びセパレータ5に溶接によって固定される。尚、この固定は溶接に限るものではない。
【0058】
このようにマフラ1が組み立てられると、セパレータ5によって蓋体21側に部屋Aが形成され、アウトレットパイプ4の入口が部屋Aで開口し、蓋体22側に部屋Bが形成され、インレットパイプ3の出口が部屋Bで開口する。
【0059】
そして、このように組み立てられたマフラ1では、排気ガスが、インレットパイプ3によってシェル2内に導入されて、部屋Bに排出される。このとき、部屋Bでは、排気ガスが膨張し、かつ、排気ガスが冷やされて、凝縮水が発生し、部屋B内の下部にたまる。
【0060】
そして、排気ガスは、通気孔62を介して、部屋Bから部屋Aに導かれる。このとき排気ガスの流れに導かれて、凝縮水も部屋Bから部屋Aに流れる。
次に、排気ガスは、部屋Bからアウトレットパイプ4を介して外部に排出される。このとき、アウトレットパイプ4がシェル2の最下部の内壁面に接しているので、凝縮水も排気ガスに導かれてアウトレットパイプ4から外部に排出される。
【0061】
以上説明した本実施形のマフラ1を用いると、以下のような効果がある。
本実施形態のマフラ1では、アウトレットパイプ4が、シェル2の最下部の内壁面に当接して配置されるので、凝縮水がパイプを介して排出される。
【0062】
したがって、本実施形態のマフラ1は、凝縮水を排水するための専用の構造を設けることなく凝縮水を排水することができる。
また、本実施形態のマフラ1は、アウトレットパイプ4がセパレータ5の縁部とシェルの間に挟まれて配置されるので、アウトレットパイプ4を通す貫通孔が不要であり、しかも、その貫通孔にフランジを設ける必要もない。
【0063】
したがって、本実施形態のマフラは、フランジを設ける製造工程を少なくとも一つ減らすことができるので、従来のマフラに比べ工数を少なくすることもできる。
次に、本実施形態では、凹部6を、アウトレットパイプ4が挿通空間61に通されても、排気を通す通気孔62が形成される大きさとした。
【0064】
そして、この通気孔62を介して排気ガスを部屋間に流し、この排気ガスの流れによって凝縮水も部屋Bから部屋Aに流れるようにしている。
そのため、本実施形態のマフラ1は、凝縮水をアウトレットパイプ4を介して効率よく排水することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。
【0065】
尚、以下の説明では、第2実施形態を本実施形態とよんで工数説明する。
また、第1実施形態と異なる点についてのみ説明し、第1実施形態の構成と同一構成については同一符号をつけて説明する。
【0066】
本実施形態のマフラ1は、
図3に示すように、セパレータ5を二つ備える点が第1実施形態とは異なる。
これらセパレータ5のうち、蓋体21側のものをセパレータ5a、蓋体22側のものをセパレータ5bと以下よぶ。
【0067】
セパレータ5a、5bをシェル2内に設置すると、シェル内は3つの部屋に分けられる。このうち、蓋体21側の部屋を部屋A、中間の部屋を部屋B、蓋体22側の部屋を部屋Cとよぶ。
【0068】
セパレータ5aには、第1実施形態のセパレータ5に形成されたインレットパイプ3を挿通可能な貫通孔50aが形成されるが、凹部6は形成されない。
セパレータ5bには、
図4に示すように、セパレータ5aとは逆に、凹部6は形成されるものの、貫通孔50aは形成されない。
【0069】
本実施形態のマフラ1を組み立てる場合、
図3に示すように、インレットパイプ3及びアウトレットパイプ4の端部は部屋Bで開口するように組み立てられる。
そして、インレットパイプ3はセパレータ5aに溶接され、アウトレットパイプ4はセパレータ5bに溶接される。
【0070】
また、セパレータ5a、5bは、それぞれシェル2の内部で、シェル2の内壁面に溶接される。
本実施形態では、セパレータ5bにおいて、アウトレットパイプ用の貫通孔を設ける必要がなく、また、その貫通孔に対するフランジを設ける必要がないので、工数を減らすことができる。
【0071】
尚、本実施形態の効果については、第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。
【0072】
尚、以下の説明では、第3実施形態を本実施形態とよんで説明する。
また、第1実施形態と異なる点についてのみ説明し、第1実施形態の構成と同一構成については同一符号をつけて説明する。
【0073】
本実施形態のマフラ1は、
図5に示すように、インレットパイプ3もシェル2の内壁に接するように配置されているが、この点で第1実施形態とは異なる。
このため本実施形態で用いられるセパレータ5は、インレットパイプ3を挿通する貫通孔50aを備えておらず、これに代えて、凹部6を二つ備えている。
【0074】
本実施形態では、インレットパイプ3がシェル2の上方側の内壁面に当接して配置されており、セパレータ5に設けられた凹部6も、
図6に示すように、上下に2つ設けられている。
【0075】
また、蓋体21にも蓋体22と同様、アウトレットパイプ4を挿通する孔部21aがその縁部に接する位置に設けられている。
第1実施形態ではセパレータ5に貫通孔50aを設け、その貫通孔50aにフランジ52を設けていたが、本実施形態では、これらを設ける必要がない。
【0076】
そのため、本実施形態のマフラ1は、第1実施形態に比べてもさらに工数を減らすことができる。
また、第1実施形態では、貫通孔50aのフランジ52を介してアウトレットパイプ4とセパレータ5とを溶接したが、本実施形態のマフラ1は、アウトレットパイプ4をセパレータ5の外縁部に設けられたフランジ51と溶接する点が異なる。
[他の実施形態]
以上、実施形態について説明したが、特許請求の範囲に記載された発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0077】
(1)上記実施形態で説明したマフラ1はあくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
(2)上記実施形態では、アウトレットパイプ4として、軸方向にまっすぐなパイプを用いたが、
図7に示すように、段差を有する形状に曲げられたパイプを用い、端部側の段部分をシェル2の内壁面に当接するようにしてもよい。
【0078】
この場合、蓋体22に設けられた孔部22aは、蓋体22の縁部と蓋体の中心部との中間に設けられる。
(3)上記実施形態では、アウトレットパイプ4を凹部6とシェル2との間に設けられた挿通空間61を貫通した状態で配置したが、
図8に示すように、アウトレットパイプ4の端部が、挿通空間61内に位置するように配置してもよい。
【0079】
一般にアウトレットパイプの端部は、ガスの吸い込み性能を良くするため、パイプ内からパイプの端部の開口に向かってラッパ状に漸次拡径する構造とすることが多い。
ところが、上記実施形態では、フランジ51が本体50に対して折られた部分は曲線状に形成されており、そのため挿通空間61は、部屋A側に向かって漸次拡径する形状に形成されている。
【0080】
したがって、アウトレットパイプ4の端部が挿通空間61内に位置するように配置すると、挿通空間61の漸次拡径する部分が、上述のラッパ状に漸次拡径する構造と同じ働きをする。
【0081】
そのため、アウトレットパイプ4の端部をラッパ状に形成しなくても、ガスの吸い込み性能をよくすることができるからである。
(4)上記実施形態では、アウトレットパイプ4として、円筒形状に形成されたパイプを用いたが、
図9に示すように、アウトレットパイプ4のシェル2と接する部分を、シェル2の内壁面に沿った形状に形成してもよい。
【0082】
このようにすると、アウトレットパイプ4をシェル2に接触させただけの場合に比べ、シェルに近い部分の開口面積を広くすることができるので、凝縮水をアウトレットパイプ内に効率よく排出することが可能となる。
【0083】
(5)上記実施形態では、セパレータ5に設けられたフランジ51、52が同一方向を向くように加工した例について説明したが、
図10に示すように、貫通孔50aをバーリング加工する方向を変えて、フランジ51、52が逆方向を向くようにしてもよい。
【0084】
(6)上記実施形態では、断面円筒形状に形成されたシェル2について記載したが、これに限るものではなく、例えば、断面楕円形状に形成されていてもよい。
(7)上記実施形態では、アウトレットパイプ4は、シェル2の内壁面に直接当接した例を示したが、
図11に示すように、パッチ40を介して間接的にシェル2の内壁面に当接して配置してもよい。
【0085】
(8)本発明の各構成要素は概念的なものであり、上記実施形態に限定されない。例えば、1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。