特許第6321393号(P6321393)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6321393マスタスレーブ相互間中継装置およびその中継方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6321393
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】マスタスレーブ相互間中継装置およびその中継方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/46 20060101AFI20180423BHJP
【FI】
   H04L12/46 Z
【請求項の数】7
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-26561(P2014-26561)
(22)【出願日】2014年2月14日
(65)【公開番号】特開2015-154261(P2015-154261A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2016年11月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000180025
【氏名又は名称】山洋電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100105463
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100102576
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 敏章
(74)【代理人】
【識別番号】100108394
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100101063
【弁理士】
【氏名又は名称】松丸 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100114546
【弁理士】
【氏名又は名称】頭師 教文
(74)【代理人】
【識別番号】100153903
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100162330
【弁理士】
【氏名又は名称】広瀬 幹規
(72)【発明者】
【氏名】北澤 誠
【審査官】 上田 翔太
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−197656(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/063224(WO,A1)
【文献】 特開2001−268120(JP,A)
【文献】 特開2004−295333(JP,A)
【文献】 特開2007−251947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスタスレーブ型プロトコルを用いて通信する第1及び第2のマスタおよび第1及び第2のスレーブと、
前記第1及び第2のマスタと前記第1及び第2のスレーブとの間に設けられマスタおよびスレーブ相互間の間接的な通信を可能にする中継装置と、
前記第1及び第2のマスタおよび前記中継装置相互間と前記中継装置および前記第1及び第2のスレーブ相互間をそれぞれ接続する通信バスと、を有するシステムにおけるマスタスレーブ相互間中継装置であって、
前記中継装置は
記第1及び第2のマスタのそれぞれが前記第1及び第2のスレーブに書き込むべき情報および前記第1及び第2のスレーブから読み込んだ情報を記憶する第1及び第2のスレーブ部と、
前記第1及び第2のマスタのそれぞれが前記中継装置に対して前記第1及び第2のスレーブへの書き込み及び前記第1及び第2のスレーブからの読み込みの要求をしたときに、前記第1及び第2のスレーブ部に記憶されている情報を、それぞれ、前記第1及び第2のスレーブに通知し、または、前記第1及び第2のマスタのそれぞれに通知する1つのマスタ部と、
を有し、
ここで、前記第1のスレーブ部は、前記第1のマスタと第1の通信バスを介して情報の授受が可能であり、前記第2のスレーブ部は、前記第2のマスタと第2の通信バスを介して情報の授受が可能であり、前記中継装置内の前記マスタ部と前記第1及び第2のスレーブ部との間で、相互に情報の授受が可能であり、
前記中継装置の前記マスタ部は、前記第1及び第2のスレーブと第3の通信バスを介して情報の授受が可能であり、
前記第1のスレーブに対して定期的に読み込みの要求をし、
前記マスタ部から前記第1のスレーブへ読み込み要求をした時は、前記中継装置のスレーブ部は、前記スレーブ部に記憶されている情報を、前記第1のマスタに送信し、
前記第2のスレーブに対して定期的に読み込みの要求をし、
前記マスタ部から前記第2のスレーブへ読み込み要求をした時は、前記中継装置のスレーブ部は、前記スレーブ部に記憶されている情報を、前記第2のマスタに送信することを特徴とするマスタスレーブ相互間中継装置。
【請求項2】
前記第1及び第2のマスタの内の少なくとも1つは前記中継装置と一体となっていることを特徴とする請求項1に記載のマスタスレーブ相互間中継装置。
【請求項3】
前記第1及び第2のマスタの内の少なくとも1つは、前記第1及び第2のスレーブに対して行う書き込みおよび読み込みの要求を、前記中継装置に対して行い、前記第1及び第2のスレーブに対して行なった書き込みおよび読み込みの要求に対する応答を、前記中継装置から受けることを特徴とする請求項1又は2に記載のマスタスレーブ相互間中継装置。
【請求項4】
前記第1及び第2のマスタは、太陽電池発電システムを統括的に制御する制御装置及び太陽電池の発電状況を監視する監視装置を含むことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載のマスタスレーブ相互間中継装置。
【請求項5】
前記第1及び第2のスレーブは、太陽電池発電システムにおける発電を管理するパワーコンディショナーであることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載のマスタスレーブ相互間中継装置。
【請求項6】
前記マスタスレーブ型プロトコルは、JBUS(ModBUS)プロトコルであることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載のマスタスレーブ相互間中継装置。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1項に記載されたマスタスレーブ相互間中継装置に適用されるマスタスレーブ相互間通信方法であって、
前記第1及び第2のマスタのそれぞれが前記第1及び第2のスレーブに書き込むべき情報および前記第1及び第2のスレーブから読み込んだ情報を記憶する第1及び第2のスレーブ部に記憶させる段階と、
前記第1及び第2のマスタのそれぞれが前記中継装置に対して前記第1及び第2のスレーブへの書き込み及び前記第1及び第2のスレーブからの読み込みの要求をすることによって、前記スレーブ部に記憶されている情報を、前記第1及び第2のスレーブに通知し、前記第1及び第2のマスタのそれぞれに通知する段階と、
を含むことを特徴とするマスタスレーブ相互間中継方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスタスレーブ型プロトコルを用いていたとしても、2台以上のマスタから1台以上のスレーブ、1台以上のスレーブから2台以上のマスタへの情報のリードおよびライトを可能にする、マスタスレーブ相互間通信装置およびその通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、急速に設置数を伸ばしている太陽電池発電システムは、発電状況などの計測情報を監視する監視装置(PVモニター)、計測情報を表示したり太陽電池発電システムの操作信号を出力したりする制御装置(LCDパネル)、太陽電池発電システムを総合的に制御する機能を有するパワーコンディショナーを備える。
【0003】
太陽電池発電システムは、監視装置、制御装置、パワーコンディショナーの相互間通信を、マスタスレーブ型プロトコルによって行う。太陽電池発電システムで用いられているマスタスレーブ型プロトコルは、具体的には、JBUS(ModBUS)プロトコルである。
【0004】
JBUS(ModBUS)プロトコルは、マスタスレーブ型プロトコルであるため、1台のマスタのみが通信のためのフローコントロールをすることができる。このため、マスタからスレーブに対してのみ情報のリードおよびライトをすることができ、スレーブからマスタに対する情報のリードおよびライトをすることはできない。
【0005】
図21はマスタスレーブ型プロトコルを用いた通信のフローコントロールを示す図である。
【0006】
マスタとして登録されている制御装置(LCDパネル)(以下、マスタと言う)は、スレーブ1として登録されているパワーコンディショナー(以下、スレーブ1と言う)及びスレーブ2として登録されているパワーコンディショナー(以下、スレーブ2と言う)と、JBUS(modbus)プロトコル通信網を介して接続されている。
【0007】
マスタスレーブ型プロトコルを用いた場合、図示するように、マスタが通信の主導権を有するため、マスタは、スレーブ1及びスレーブ2のそれぞれに対して情報のリードおよびライトをすることができる(図示矢印線参照)。しかし、スレーブ1及びスレーブ2のそれぞれは、マスタに対して情報のリードおよびライトをすることはできない(図示矢印×線参照)。
【0008】
図22は、1つのシステムに2台のマスタが存在する場合の、マスタスレーブ型プロトコルを用いた通信のフローコントロールを示す図である。
【0009】
マスタとして登録されている制御装置(LCDパネル)(以下、マスタ1と言う)は、スレーブ1として登録されているパワーコンディショナー(以下、スレーブ1と言う)及びスレーブ2として登録されているパワーコンディショナー(以下、スレーブ2と言う)と、JBUS(modbus)プロトコル通信網1を介して接続されている。また、マスタとして登録されている監視装置(PVモニタ)(以下、マスタ2と言う)は、スレーブ1及びスレーブ2と、JBUS(modbus)プロトコル通信網2を介して接続されている。
【0010】
図22の場合、図21と同様に、マスタ1は、スレーブ1及びスレーブ2のそれぞれに対し、JBUS(modbus)プロトコル通信網1を介して、情報のリードおよびライトをすることができる。また、マスタ2も、スレーブ1及びスレーブ2のそれぞれに対し、JBUS(modbus)プロトコル通信網2を介して、情報のリードおよびライトをすることができる。しかし、スレーブ1及びスレーブ2のそれぞれは、マスタ1及び2に対して情報のリードおよびライトをすることはできない。
【0011】
図22に示すように、1つのシステムに2台のマスタが存在する場合に、この2台のマスタとスレーブ1及びスレーブ2とを、図21に示したような1つのJBUS(modbus)プロトコル通信網で接続することもできる。
【0012】
しかし、1つのJBUS(modbus)プロトコル通信網で、2台のマスタのそれぞれとスレーブ1及びスレーブ2相互間で情報のリード及びライトをさせようとすると、2台のマスタのうちの一台を選択してスレーブ1及びスレーブ2相互間で情報のリード及びライトをしなければならない。
【0013】
このようにマスタの選択が必要になるのでは、情報のリードおよびライトがスムースに行えなくなる。このため、1つのシステムに2台のマスタが存在する場合には、図22に示すように、マスタ1とマスタ2を専用のJBUS(modbus)プロトコル通信網を介してスレーブ1及び2に接続する。
【0014】
しかし、図22に示すように、2つのJBUS(modbus)プロトコル通信網を用いる場合には、スレーブ1及びスレーブ2のそれぞれがJBUS(modbus)プロトコル通信網1及び2に対する専用のJBUS(modbus)プロトコル通信回路を備える必要がある。
【0015】
つまり、マスタ1がスレーブ1と情報のリードおよびライトをするために、スレーブ1は、JBUS(modbus)プロトコル通信網1に接続するJBUS(modbus)プロトコル通信回路を備える必要がある。また、マスタ2がスレーブ1と情報のリードおよびライトをするために、スレーブ1は、JBUS(modbus)プロトコル通信網2に接続するJBUS(modbus)プロトコル通信回路を備える必要がある。このように、マスタが2台あるときには、スレーブ1は2系統のJBUS(modbus)プロトコル通信回路を備える必要がある。このことは、スレーブ2についても同様である。
【0016】
図22の場合、マスタが2台であるので、全てのスレーブは2系統のJBUS(ModBUS)プロトコル通信回路を備えれば良い。しかし、マスタがN台になると、全てのスレーブはN系統のJBUS(ModBUS)プロトコル通信回路が必要になる。
【0017】
このような従来のマスタスレーブ型プロトコルを用いる通信システムとしては、たとえば、下記特許文献1に示すような技術がある。この技術は、個々の制御機器にマスタ/クライアント機能とスレーブ/サーバ機能とを設けることによって、制御機器同士間の制御データのやり取りを可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2011−234171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
上述のように、マスタスレーブ型プロトコルを用いる従来の通信システムにおいて、1つのJBUS(modbus)プロトコル通信網で、複数のマスタが複数のスレーブに対して情報のリード及びライトができるようにするためには、全てのスレーブがマスタの台数分のプロトコル通信回路を備えていなければならない。
【0020】
しかし、これでは、マスタの台数の異なるさまざまな構成のシステムに対して、スレーブを柔軟に適用させることは困難になる。
【0021】
本発明は、上記のような従来の不具合を解消するために成されたものであり、マスタスレーブ型プロトコルを用いていたとしても、2台以上のマスタから1台以上のスレーブ、1台以上のスレーブから2台以上のマスタへの情報のリードおよびライトを可能にする、マスタスレーブ相互間通信装置およびその通信方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記目的を達成するための本発明に係るマスタスレーブ相互間通信装置は、マスタスレーブ型プロトコルを用いて通信する2以上のマスタおよび1以上のスレーブと、2以上のマスタと1以上のスレーブとの間に設けられマスタおよびスレーブ相互間の間接的な通信を可能にする中継装置と、2以上のマスタおよび中継装置相互間と中継装置および1以上のスレーブ相互間をそれぞれ接続する通信バスと、を有し、中継装置は、2以上のマスタのそれぞれが1以上のスレーブに書き込むべき情報および1以上のスレーブから読み込んだ情報を記憶するスレーブ部を有し、2以上のマスタのそれぞれが中継装置に対して1以上のスレーブへの書き込み及び1以上のスレーブからの読み込みの要求をしたときに、スレーブ部に記憶されている情報を、1以上のスレーブに通知し、または、2以上のマスタのそれぞれに通知するマスタ部と、を有する。
【0023】
上記目的を達成するための本発明に係るマスタスレーブ相互間通信方法は、2以上のマスタのそれぞれが1以上のスレーブに書き込むべき情報および1以上のスレーブから読み込んだ情報を中継装置のスレーブ部に記憶させる段階と、2以上のマスタのそれぞれが中継装置に対して1以上のスレーブへの書き込み及び1以上のスレーブからの読み込みの要求をすることによって、スレーブ部に記憶されている情報を、1以上のスレーブに通知し、2以上のマスタのそれぞれに通知する段階と、を含む。
【発明の効果】
【0024】
上述した本発明に係るマスタスレーブ相互間通信装置およびその通信方法によれば、2以上のマスタと1以上のスレーブとの間に設けられマスタおよびスレーブ相互間の間接的な通信を可能にする中継装置を設けたので、マスタスレーブ型プロトコルを用いていたとしても、2台以上のマスタから1台以上のスレーブ、1台以上のスレーブから2台以上のマスタへの情報のリードおよびライトが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】実施形態1に係るマスタスレーブ相互間通信装置の概略構成図である。
図2】中継装置からスレーブAに定周期リード要求をするときの動作説明に供する図である。
図3】中継装置からスレーブAに定周期ライト要求をするときの動作説明に供する図である。
図4】中継装置からスレーブBに定周期リード要求をするときの動作説明に供する図である。
図5】中継装置からスレーブBに定周期ライト要求をするときの動作説明に供する図である。
図6】制御装置からスレーブAにライト要求をするときの動作説明に供する図である。
図7】制御装置からスレーブBにライト要求をするときの動作説明に供する図である。
図8】監視装置からスレーブAに定周期リード要求をするときの動作説明に供する図である。
図9】監視装置からスレーブBに定周期リード要求をするときの動作説明に供する図である。
図10】実施形態1に係るマスタスレーブ相互間通信装置の動作を示す図である。
図11】実施形態2に係るマスタスレーブ相互間通信装置の概略構成図である。
図12】中継機能を有する制御装置からスレーブAに定周期リード要求をするときの動作説明に供する図である。
図13】中継機能を有する制御装置からスレーブAに定周期ライト要求をするときの動作説明に供する図である。
図14】中継機能を有する制御装置からスレーブBに定周期リード要求をするときの動作説明に供する図である。
図15】中継機能を有する制御装置からスレーブBに定周期ライト要求をするときの動作説明に供する図である。
図16】制御機能を有する制御装置からスレーブAにライト要求をするときの動作説明に供する図である。
図17】制御機能を有する制御装置からスレーブBにライト要求をするときの動作説明に供する図である。
図18】監視装置からスレーブAに定周期リード要求をするときの動作説明に供する図である。
図19】監視装置からスレーブBに定周期リード要求をするときの動作説明に供する図である。
図20】実施形態2に係るマスタスレーブ相互間通信装置の動作を示す図である。
図21】マスタスレーブ型プロトコルを用いた通信のフローコントロールを示す図である。
図22】1つのシステムに2台のマスタが存在する場合の、マスタスレーブ型プロトコルを用いた通信のフローコントロールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、添付図面を参照しながら、本発明に係るマスタスレーブ相互間通信装置およびマスタスレーブ相互間通信方法について、[実施形態1]および[実施形態2]に分けて説明する。
【0027】
[実施形態1]
<マスタスレーブ相互間通信装置の構成および動作の概要>
図1は、実施形態1に係るマスタスレーブ相互間通信装置の概略構成図である。
【0028】
実施形態1に係るマスタスレーブ相互間通信装置100は、マスタ110、マスタ120、中継装置130、スレーブA140、スレーブB150を有している。マスタ110と中継装置130とは通信バス160で接続され、マスタ120と中継装置130とは通信バス170で接続され、スレーブA140及びスレーブB150と中継装置130とは通信バス180で接続される。
【0029】
マスタ110は、計測情報を表示したり太陽電池発電システムの操作信号を出力したりする制御装置(LCDパネル)であり、マスタ120は、太陽電池の発電状況などの計測情報を監視する監視装置(PVモニター)である。スレーブA140及びスレーブB150は、太陽電池発電システムを総合的に制御する機能を有するパワーコンディショナーである。
【0030】
中継装置130は、マスタ110と通信バス160を介して情報の授受ができるスレーブ部132と、マスタ120と通信バス170を介して情報の授受ができるスレーブ部134と、スレーブA140及びスレーブB150と通信バス180を介して情報の授受ができるマスタ部136とを有する。中継装置130内のマスタ部136とスレーブ部132、134との間では、相互に情報の授受ができる。したがって、中継装置130は、独立した3つのJBUS(modbus)プロトコル通信網を有している。中継装置130は通信バス180のマスタとなる。
【0031】
マスタ110がスレーブA140に情報を送信するときには、マスタ110からの情報が一旦スレーブ部132に記憶され、スレーブ部132に記憶されている情報をマスタ部136がスレーブA140に送信する。この処理によって、マスタ110からの情報がスレーブA140に送信される。マスタ110は通信バス160のマスタとなる。
【0032】
マスタ120がスレーブB150に情報を送信するときには、マスタ120からの情報が一旦スレーブ部134に記憶され、スレーブ部134に記憶されている情報をマスタ部136がスレーブB150に送信する。この処理によって、マスタ120からの情報がスレーブB150に送信される。マスタ120は通信バス170のマスタとなる。
【0033】
スレーブB150がマスタ110に情報を送信するときには、スレーブB150からの情報が一旦スレーブ部132に記憶され、スレーブ部132に記憶されている情報をマスタ部136がマスタ110に送信する。この処理によって、スレーブB150からの情報がマスタ110に送信される。
【0034】
スレーブA140がマスタ120に情報を送信するときには、スレーブA140からの情報が一旦スレーブ部134に記憶され、スレーブ部134に記憶されている情報をマスタ部136がマスタ120に送信する。この処理によって、スレーブA140からの情報がマスタ120に送信される。
【0035】
<マスタスレーブ相互間通信装置の構成>
図2は、中継装置からスレーブAに定周期リード要求をするときの動作説明に供する図である。
【0036】
図2に示すように、マスタ110は内部メモリまたはレジスタ112を備え、スレーブA140およびスレーブB150に送信する情報、スレーブA140およびスレーブB150から受信する情報が記憶される。
【0037】
マスタ120は内部メモリまたはレジスタ122を備え、スレーブA140およびスレーブB150に送信する情報、スレーブA140およびスレーブB150から受信する情報が記憶される。
【0038】
中継装置130はスレーブAのレジスタ135AおよびスレーブBのレジスタ135Bを備える。
【0039】
スレーブAのレジスタ135Aは、マスタ110の内部メモリまたはレジスタ112に記憶されている情報、マスタ120の内部メモリまたはレジスタ122に記憶されている情報およびスレーブA140のレジスタ142に記憶されている情報を複製して記憶する。
【0040】
スレーブBのレジスタ135Bは、マスタ110の内部メモリまたはレジスタ112に記憶されている情報、マスタ120の内部メモリまたはレジスタ122に記憶されている情報およびスレーブB150のレジスタ152に記憶されている情報を複製して記憶する。
【0041】
スレーブA140はレジスタ142を備え、マスタ110およびマスタ120に送信する情報、マスタ110およびマスタ120から受信する情報が記憶される。
【0042】
スレーブB150はレジスタ152を備え、マスタ110およびマスタ120に送信する情報、マスタ110およびマスタ120から受信する情報が記憶される。
【0043】
<マスタスレーブ相互間通信装置の各部の動作>
図2に示すように、中継装置130からはスレーブA140に対して定周期リード要求が出される。定周期リード要求とは、レジスタ142に記憶されている情報をスレーブAのレジスタ135Aに送信しなさいという要求が所定時間間隔で出力されるものである。定周期リード要求が出されると、スレーブA140は、レジスタ142に記憶されている情報を、中継装置130のスレーブAのレジスタ135Aに送信する。中継装置130は受信した情報を、スレーブAのレジスタ135Aに記憶されている情報に上書きする。したがって、スレーブAのレジスタ135Aに記憶されている情報は定周期リード要求に応じて最新の情報に書き換えられる。
【0044】
図3は、中継装置からスレーブAに定周期ライト要求をするときの動作説明に供する図である。
【0045】
図3に示すように、中継装置130からはスレーブA140に対して定周期ライト要求が出される。定周期ライト要求とは、スレーブA140のレジスタ135Aに記憶されている情報をレジスタ142に送信しなさいという要求が所定時間間隔で出力されるものである。定周期ライト要求が出されると、スレーブA140は、中継装置130のスレーブAのレジスタ135Aに記憶されている情報を取り出して、レジスタ142に記憶させる。スレーブA140は受信した情報を、レジスタ142に記憶されている情報に上書きする。したがって、レジスタ142に記憶されている情報は定周期リード要求に応じて最新の情報に書き換えられる。
【0046】
図4は、中継装置からスレーブBに定周期リード要求をするときの動作説明に供する図である。
【0047】
図4に示すように、中継装置130からはスレーブB150に対して定周期リード要求が出される。定周期リード要求が出されると、スレーブB150は、レジスタ152に記憶されている情報を、中継装置130のスレーブBのレジスタ135Bに送信する。中継装置130は受信した情報を、スレーブBのレジスタ135Bに記憶されている情報に上書きする。したがって、スレーブBのレジスタ135Bに記憶されている情報は定周期リード要求に応じて最新の情報に書き換えられる。
【0048】
図5は、中継装置からスレーブBに定周期ライト要求をするときの動作説明に供する図である。
【0049】
図5に示すように、中継装置130からはスレーブB150に対して定周期ライト要求が出される。定周期ライト要求が出されると、スレーブB150は、中継装置130のスレーブBのレジスタ135Bに記憶されている情報を取り出して、レジスタ152に記憶させる。スレーブB150は受信した情報を、レジスタ152に記憶されている情報に上書きする。したがって、レジスタ152に記憶されている情報は定周期リード要求に応じて最新の情報に書き換えられる。
【0050】
図6は、制御装置からスレーブAにライト要求をするときの動作説明に供する図である。
【0051】
マスタ110からはスレーブA140に対してライト要求が出される。ライト要求が出されると、図6に示すように、マスタ110は内部メモリまたはレジスタ112に記憶されている情報を、中継装置130のスレーブAのレジスタ135Aに送信する。中継装置130は、受信した情報をスレーブAのレジスタ135Aに記憶されている情報に上書きする。したがって、スレーブAのレジスタ135Aに記憶されている情報はライト要求に応じて最新の情報に書き換えられる。
【0052】
図7は、制御装置からスレーブBにライト要求をするときの動作説明に供する図である。
【0053】
マスタ110からはスレーブB150に対してライト要求が出される。ライト要求が出されると、図7に示すように、マスタ110は内部メモリまたはレジスタ112に記憶されている情報を、中継装置130のスレーブBのレジスタ135Bに送信する。中継装置130は、受信した情報をスレーブBのレジスタ135Bに記憶されている情報に上書きする。したがって、スレーブBのレジスタ135Bに記憶されている情報はライト要求に応じて最新の情報に書き換えられる。
【0054】
図8は、監視装置からスレーブAに定周期リード要求をするときの動作説明に供する図である。
【0055】
マスタ120からはスレーブA140に対して定周期リード要求が出される。定周期リード要求が出されると、図8に示すように、中継装置130のスレーブAのレジスタ135Aは、スレーブAのレジスタ135Aに記憶されている情報を、マスタ120の内部メモリまたはレジスタ122に送信する。マスタ120は、受信した情報を、内部メモリまたはレジスタ122に記憶されている情報に上書きする。したがって、内部メモリまたはレジスタ122に記憶されている情報は、定周期リード要求に応じて最新の情報に書き換えられる。
【0056】
図9は、監視装置からスレーブBに定周期リード要求をするときの動作説明に供する図である。
【0057】
マスタ120からはスレーブB150に対して定周期リード要求が出される。定周期リード要求が出されると、図9に示すように、中継装置130のスレーブBのレジスタ135Bは、スレーブBのレジスタ135Bに記憶されている情報を、マスタ120の内部メモリまたはレジスタ122に送信する。マスタ120は、受信した情報を、内部メモリまたはレジスタ122に記憶されている情報に上書きする。したがって、内部メモリまたはレジスタ122に記憶されている情報は、定周期リード要求に応じて最新の情報に書き換えられる。
【0058】
<マスタスレーブ相互間通信装置の全体的な動作>
図10は、実施形態1に係るマスタスレーブ相互間通信装置の動作を示す図である。この図は、実施形態1に係るマスタスレーブ相互間通信方法の手順を示す図でもある。図10に示す動作を、図1を参照しながら説明する。
【0059】
中継装置130は、スレーブA140に定周期リード要求を送信し、スレーブA140から定周期リード応答を受信する。次に、スレーブA140に定周期ライト要求を送信し、スレーブA140から定周期ライト応答を受信する。
【0060】
中継装置130は、スレーブB150に定周期リード要求を送信し、スレーブB150から定周期リード応答を受信する。次に、スレーブB150に定周期ライト要求を送信し、スレーブB150から定周期ライト応答を受信する。
【0061】
マスタ110は、スレーブA140に情報を送信したいときにスレーブA140にライト要求を送信する。スレーブA140に送信したライト要求は、図6に示したように、実際には中継装置130に送信される。中継装置130は、マスタ110にライト応答を送信する。
【0062】
マスタ110は、スレーブB150に情報を送信したいときにスレーブB150にライト要求を送信する。スレーブB150に送信したライト要求は、図7に示したように、実際には中継装置130に送信される。中継装置130は、マスタ110にライト応答を送信する。
【0063】
マスタ120は、スレーブA140に定周期リード要求を送信し、スレーブA140から定周期リード応答を受信する。次に、マスタ120は、スレーブB150に定周期リード要求を送信し、スレーブB150から定周期リード応答を受信する。
【0064】
マスタ120は、スレーブA140とスレーブB150に交互にリード要求を送信する。マスタ120がリード要求だけを送信するのは、マスタ120が監視装置だからであり、太陽電池の発電量などの情報を取得できれば良いからである。
【0065】
ここで、マスタ110がスレーブA140に「A」という情報を送信するときには、マスタ110は中継装置130にスレーブA140へのライト要求を送信する。このときにマスタ110が送信した「A」という情報は、中継装置130のスレーブ部132が備えるスレーブAのレジスタ135A(図6参照)に更新記憶される。
【0066】
次に、中継装置130からスレーブAにスレーブAへの定周期ライト要求が送信されると、スレーブ部132が備えるスレーブAのレジスタ135Aが記憶していた「A」という情報がスレーブA140のレジスタ142に更新記憶される。
【0067】
このようにして、マスタ110がスレーブA140に送信したい「A」という情報が、中継装置130を介してスレーブA140に送信される。
【0068】
同様に、マスタ110がスレーブB150に「B」という情報を送信するときには、マスタ110は中継装置130にスレーブB150へのライト要求を送信する。このときにマスタ110が送信した「B」という情報は、中継装置130のスレーブ部132が備えるスレーブBのレジスタ135B(図7参照)に更新記憶される。
【0069】
次に、中継装置130からスレーブBにスレーブBへの定周期ライト要求が送信されると、スレーブ部132が備えるスレーブBのレジスタ135Bが記憶していた「B」という情報がスレーブB140のレジスタ152に更新記憶される。
【0070】
このようにして、マスタ110がスレーブB150に送信したい「B」という情報が、中継装置130を介してスレーブB150に送信される。
【0071】
次に、マスタ120がスレーブA140から情報を取得したいときには、マスタ120は中継装置130にスレーブA140への定周期リード要求を送信する(図8参照)。
【0072】
ここで、中継装置130は、スレーブA140に定周期リード要求をしているので、一定時間間隔で、スレーブ部132が備えるスレーブAのレジスタ135Aの情報は更新記憶されている。したがって、スレーブAのレジスタ135Aは最新の情報を記憶している。
【0073】
マスタ120がスレーブA140への定周期リード要求を送信すると、スレーブAのレジスタ135Aに更新記憶された最新の情報がマスタ120に送信される。
【0074】
このようにして、マスタ120がスレーブA140から取得したい情報が中継装置130を介して取得することができる。
【0075】
次に、マスタ120がスレーブB150から情報を取得したいときには、マスタ120は中継装置130にスレーブB150への定周期リード要求を送信する(図9参照)。
【0076】
マスタ120がスレーブB150への定周期リード要求を送信すると、スレーブBのレジスタ135Bに更新記憶された最新の情報がマスタ120に送信される。
【0077】
このようにして、マスタ120がスレーブB150から取得したい情報が中継装置130を介して取得することができる。
【0078】
以上のように、実施形態1に係るマスタスレーブ相互間通信装置およびマスタスレーブ相互間通信方法によれば、2台のマスタ110、120と2台のスレーブ140、150との間に、マスタおよびスレーブ相互間の間接的な通信を可能にする中継装置130を設けたので、マスタスレーブ型プロトコルを用いていたとしても、各スレーブ140、150は、それぞれ1つのプロトコル通信網により、情報のリードおよびライトが可能になる。
【0079】
また、各スレーブ140、150は、1つのプロトコル通信網により、複数のマスタおよびスレーブとの通信が可能であるので、それぞれのスレーブは1つのプロトコル通信回路を備えればよく、汎用性を備えることができる。
【0080】
[実施形態2]
<マスタスレーブ相互間通信装置の構成および動作の概要>
図11は、実施形態2に係るマスタスレーブ相互間通信装置の概略構成図である。
【0081】
実施形態2に係るマスタスレーブ相互間通信装置200は、実施形態1に係るマスタスレーブ相互間通信装置100のマスタ110と中継装置130とを一体として中継機能を有する制御装置としている点が異なり、その他の点は同一である。
【0082】
マスタスレーブ相互間通信装置200は、中継機能を有する制御装置210、マスタ220、スレーブA240、スレーブB250を有している。マスタ220と中継機能を有する制御装置210とは通信バス270で接続され、スレーブA240、スレーブB250と中継機能を有する制御装置210とは通信バス280で接続される。
【0083】
中継機能を有する制御装置210は、計測情報を表示したり太陽電池発電システムの操作信号を出力したりする制御装置(LCDパネル)と中継装置であり、マスタ220は、太陽電池の発電状況などの計測情報を監視する監視装置(PVモニター)である。スレーブA240及びスレーブB250は、太陽電池発電システムを総合的に制御する機能を有するパワーコンディショナーである。
【0084】
中継機能を有する制御装置210は、マスタ220と通信バス270を介して情報の授受ができるスレーブ部212と、スレーブA240及びスレーブB250と通信バス280を介して情報の授受ができるマスタ部216とを有する。中継機能を有する制御装置210内のマスタ部216とスレーブ部212との間では、相互に情報の授受ができる。
【0085】
中継機能を有する制御装置210がスレーブA240に情報を送信するときには、その情報が一旦スレーブ部212に記憶され、スレーブ部212に記憶されている情報をマスタ部216がスレーブA240に送信する。この処理によって、中継機能を有する制御装置210からの情報がスレーブA240に送信される。
【0086】
マスタ220がスレーブB250に情報を送信するときには、マスタ220からの情報が一旦スレーブ部212に記憶され、スレーブ部212に記憶されている情報をマスタ部216がスレーブB250に送信する。この処理によって、マスタ220からの情報がスレーブB250に送信される。
【0087】
スレーブB250が中継機能を有する制御装置210に情報を送信するときには、スレーブB250からの情報が一旦スレーブ部212に記憶され、スレーブ部212に記憶されている情報をマスタ部216が自己の中継機能を有する制御装置210に送信する。この処理によって、スレーブB250からの情報が中継機能を有する制御装置210に送信される。
【0088】
スレーブA240がマスタ220に情報を送信するときには、スレーブA240からの情報が一旦スレーブ部212に記憶され、スレーブ部212に記憶されている情報をマスタ部216がマスタ220に送信する。この処理によって、スレーブA240からの情報がマスタ220に送信される。
【0089】
<マスタスレーブ相互間通信装置の構成>
図12は、中継機能を有する制御装置からスレーブAに定周期リード要求をするときの動作説明に供する図である。
【0090】
図12に示すように、中継機能を有する制御装置210は内部メモリまたはレジスタ212を備え、スレーブA240およびスレーブB250に送信する情報、スレーブA240およびスレーブB250から受信する情報が記憶される。
【0091】
また、中継機能を有する制御装置210はスレーブAのレジスタ235AおよびスレーブBのレジスタ235Bを備える。
【0092】
スレーブAのレジスタ235Aは、中継機能を有する制御装置210の内部メモリまたはレジスタ212に記憶されている情報およびスレーブA240のレジスタ242に記憶されている情報を複製して記憶する。
【0093】
スレーブBのレジスタ235Bは、マスタ220の内部メモリまたはレジスタ222に記憶されている情報およびスレーブB250のレジスタ252に記憶されている情報を複製して記憶する。
【0094】
マスタ220は内部メモリまたはレジスタ222を備え、スレーブA240およびスレーブB250に送信する情報、スレーブA240およびスレーブB250から受信する情報が記憶される。
【0095】
スレーブA240はレジスタ242を備え、中継機能を有する制御装置210およびマスタ220に送信する情報、中継機能を有する制御装置210およびマスタ220から受信する情報が記憶される。
【0096】
スレーブB250はレジスタ252を備え、中継機能を有する制御装置210およびマスタ220に送信する情報、中継機能を有する制御装置210およびマスタ220から受信する情報が記憶される。
【0097】
<マスタスレーブ相互間通信装置の各部の動作>
図12は、中継機能を有する制御装置からスレーブAに定周期リード要求をするときの動作説明に供する図である。
【0098】
図12に示すように、中継機能を有する制御装置210からはスレーブA240に対して定周期リード要求が出される。定周期リード要求が出されると、スレーブA240は、レジスタ242に記憶されている情報を、中継機能を有する制御装置210のスレーブAのレジスタ235Aに送信する。中継機能を有する制御装置210は受信した情報を、スレーブAのレジスタ235Aに記憶されている情報に上書きする。したがって、スレーブAのレジスタ235Aに記憶されている情報は定周期リード要求に応じて最新の情報に書き換えられる。
【0099】
図13は、中継機能を有する制御装置からスレーブAに定周期ライト要求をするときの動作説明に供する図である。
【0100】
図13に示すように、中継機能を有する制御装置210からはスレーブA240に対して定周期ライト要求が出される。定周期ライト要求が出されると、スレーブA240は、中継機能を有する制御装置210のスレーブAのレジスタ235Aに記憶されている情報を取り出して、レジスタ242に記憶させる。スレーブA240は受信した情報を、レジスタ242に記憶されている情報に上書きする。したがって、レジスタ242に記憶されている情報は定周期リード要求に応じて最新の情報に書き換えられる。
【0101】
図14は、中継機能を有する制御装置からスレーブBに定周期リード要求をするときの動作説明に供する図である。
【0102】
図14に示すように、中継機能を有する制御装置210からはスレーブB250に対して定周期リード要求が出される。定周期リード要求が出されると、スレーブB250は、レジスタ252に記憶されている情報を、中継機能を有する制御装置210のスレーブBのレジスタ235Bに送信する。中継機能を有する制御装置210は受信した情報を、スレーブBのレジスタ235Bに記憶されている情報に上書きする。したがって、スレーブBのレジスタ235Bに記憶されている情報は定周期リード要求に応じて最新の情報に書き換えられる。
【0103】
図15は、中継機能を有する制御装置からスレーブBに定周期ライト要求をするときの動作説明に供する図である。
【0104】
図15に示すように、中継機能を有する制御装置210からはスレーブB250に対して定周期ライト要求が出される。定周期ライト要求が出されると、スレーブB250は、中継機能を有する制御装置210のスレーブBのレジスタ235Bに記憶されている情報を取り出して、レジスタ252に記憶させる。スレーブB250は受信した情報を、レジスタ252に記憶されている情報に上書きする。したがって、レジスタ252に記憶されている情報は定周期リード要求に応じて最新の情報に書き換えられる。
【0105】
図16は、中継機能を有する制御装置からスレーブAにライト要求をするときの動作説明に供する図である。
【0106】
中継機能を有する制御装置210からはスレーブA240に対してライト要求が出される。ライト要求が出されると、図16に示すように、中継機能を有する制御装置210は内部メモリまたはレジスタ212に記憶されている情報を、スレーブAのレジスタ235Aに送信する。中継機能を有する制御装置210は、受信した情報をスレーブAのレジスタ235Aに記憶されている情報に上書きする。したがって、スレーブAのレジスタ235Aに記憶されている情報はライト要求に応じて最新の情報に書き換えられる。
【0107】
図17は、中継機能を有する制御装置からスレーブBにライト要求をするときの動作説明に供する図である。
【0108】
中継機能を有する制御装置210からはスレーブB250に対してライト要求が出される。ライト要求が出されると、図17に示すように、内部メモリまたはレジスタ212に記憶されている情報を、スレーブBのレジスタ235Bに送信する。受信した情報をスレーブBのレジスタ235Bに記憶されている情報に上書きする。したがって、スレーブBのレジスタ235Bに記憶されている情報はライト要求に応じて最新の情報に書き換えられる。
【0109】
図18は、監視装置からスレーブAに定周期リード要求をするときの動作説明に供する図である。
【0110】
マスタ220からはスレーブA240に対して定周期リード要求が出される。定周期リード要求が出されると、図18に示すように、中継機能を有する制御装置210のスレーブAのレジスタ235Aは、スレーブAのレジスタ235Aに記憶されている情報を、マスタ220の内部メモリまたはレジスタ222に送信する。マスタ220は、受信した情報を、内部メモリまたはレジスタ222に記憶されている情報に上書きする。したがって、内部メモリまたはレジスタ222に記憶されている情報は、定周期リード要求に応じて最新の情報に書き換えられる。
【0111】
図19は、監視装置からスレーブBに定周期リード要求をするときの動作説明に供する図である。
【0112】
マスタ220からはスレーブB250に対して定周期リード要求が出される。定周期リード要求が出されると、図19に示すように、中継機能を有する制御装置210のスレーブBのレジスタ235Bは、スレーブBのレジスタ235Bに記憶されている情報を、マスタ220の内部メモリまたはレジスタ222に送信する。マスタ220は、受信した情報を、内部メモリまたはレジスタ222に記憶されている情報に上書きする。したがって、内部メモリまたはレジスタ222に記憶されている情報は、定周期リード要求に応じて最新の情報に書き換えられる。
【0113】
<マスタスレーブ相互間通信装置の全体的な動作>
図20は、実施形態2に係るマスタスレーブ相互間通信装置の動作を示す図である。この図は、実施形態2に係るマスタスレーブ相互間通信方法の手順を示す図でもある。図20に示す動作を、図11を参照しながら説明する。
【0114】
中継機能を有する制御装置210は、スレーブA240に定周期リード要求を送信し、スレーブA240から定周期リード応答を受信する。次に、スレーブA240に定周期ライト要求を送信し、スレーブA240から定周期ライト応答を受信する。
【0115】
中継機能を有する制御装置210は、スレーブB250に定周期リード要求を送信し、スレーブB250から定周期リード応答を受信する。次に、スレーブB250に定周期ライト要求を送信し、スレーブB250から定周期ライト応答を受信する。
【0116】
マスタ220は、スレーブA240に定周期リード要求を送信し、スレーブA240から定周期リード応答を受信する。次に、マスタ220は、スレーブB250に定周期リード要求を送信し、スレーブB250から定周期リード応答を受信する。
【0117】
マスタ220は、スレーブA240とスレーブB250に交互にリード要求を送信する。マスタ220がリード要求だけを送信するのは、マスタ220が監視装置だからであり、太陽電池の発電量などの情報を取得できれば良いからである。
【0118】
ここで、中継機能を有する制御装置210がスレーブA240に「A」という情報を送信するときには、中継機能を有する制御装置210はスレーブA240へのライト要求を送信する。このときに中継機能を有する制御装置210が送信した「A」という情報は、スレーブAのレジスタ235A(図16参照)に更新記憶される。
【0119】
次に、中継機能を有する制御装置210からスレーブAにスレーブAへの定周期ライト要求が送信されると、スレーブAのレジスタ235Aが記憶していた「A」という情報がスレーブA240のレジスタ242に更新記憶される。
【0120】
このようにして、中継機能を有する制御装置210がスレーブA240に送信したい「A」という情報が、スレーブA240に送信される。
【0121】
同様に、中継機能を有する制御装置210がスレーブB250に「B」という情報を送信するときには、中継機能を有する制御装置210はスレーブB250へのライト要求を送信する。このときに中継機能を有する制御装置210が送信した「B」という情報は、スレーブBのレジスタ235B(図17参照)に更新記憶される。
【0122】
次に、中継機能を有する制御装置210からスレーブB250にスレーブBへの定周期ライト要求が送信されると、スレーブBのレジスタ235Bが記憶していた「B」という情報がスレーブB250のレジスタ252に更新記憶される。
【0123】
このようにして、中継機能を有する制御装置210がスレーブB250に送信したい「B」という情報が、スレーブB240に送信される。
【0124】
次に、マスタ220がスレーブA240から情報を取得したいときには、マスタ220は中継機能を有する制御装置210にスレーブA240への定周期リード要求を送信する(図18参照)。
【0125】
ここで、中継機能を有する制御装置210は、スレーブA240に定周期リード要求をしているので、一定時間間隔で、スレーブAのレジスタ235Aの情報は更新記憶されている。したがって、レジスタ235Aは最新の情報を記憶している。
【0126】
マスタ220がスレーブA240への定周期リード要求を送信すると、レジスタ135Aに更新記憶された最新の情報がマスタ220に送信される。
【0127】
このようにして、マスタ220はスレーブA240から取得したい情報を取得することができる。
【0128】
次に、マスタ220がスレーブB250から情報を取得したいときには、マスタ220は中継機能を有する制御装置210にスレーブB250への定周期リード要求を送信する(図19参照)。
【0129】
マスタ220がスレーブB250への定周期リード要求を送信すると、スレーブBのレジスタ235Bに更新記憶された最新の情報がマスタ220に送信される。
【0130】
このようにして、マスタ220はスレーブB250から取得したい情報を取得することができる。
【0131】
以上のように、実施形態2に係るマスタスレーブ相互間通信装置およびマスタスレーブ相互間通信方法によれば、マスタ220と2台のスレーブ240、250との間に、マスタおよびスレーブ相互間の間接的な通信を可能にする中継機能を有する制御装置210を設けたので、マスタスレーブ型プロトコルを用いていたとしても、各スレーブ140、150は、それぞれ1つのプロトコル通信網280により、情報のリードおよびライトが可能になる。
【0132】
また、各スレーブ140、150は、1つのプロトコル通信網180により、複数のマスタおよびスレーブとの通信が可能であるので、それぞれのスレーブは1つのプロトコル通信回路を備えればよく、汎用性を備えることができる。
【0133】
なお、以上の実施形態においては、本発明に係るマスタスレーブ相互間通信装置およびその方法を、太陽電池発電システムで使用する場合を想定して説明したが、太陽電池発電システム以外のシステムに対しても適用可能である。
【0134】
また、以上の実施形態においては、マスタスレーブ型プロトコルとして、JBUS(ModBUS)プロトコルを例示したが、このプロトコルには限られない。
【符号の説明】
【0135】
100、200 マスタスレーブ相互間通信装置、
110、120、220 マスタ、
112、122、212、222 内部メモリまたはレジスタ、
130 中継装置、
132、134、212 スレーブ部、
135A、235A スレーブAのレジスタ、
135B、235B スレーブBのレジスタ、
136、216 マスタ部、
140、240 スレーブA、
142、152、242、252 レジスタ、
150、250 スレーブB、
160、170、180、270、280 通信バス、
210 中継機能を有する制御装置、
212 スレーブ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22