(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記仮特典付与手段は、推定されたサービスに所定の重み付けを行って仮特典を算出し、前記契約解除時から推定時までの期間が長い程、当該期間が短い場合に比べて、前記重み付けを小さくする
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の特典付与システム。
サービス提供者との加入契約を条件に利用が可能なサービスの、利用者に対して特典又は仮特典を付与し、前記利用者の識別情報と対応付けて、付与された前記特典又は前記仮特典を記憶する特典記憶手段を備える特典付与システムで用いられる特典付与方法であって、
前記利用者に対して、利用した前記サービスに応じた特典を付与する特典付与ステップと、
前記サービス提供者との契約解除により前記サービスを利用しなくなった元の利用者に対して、前記加入契約を続けた場合に前記特典付与ステップで付与されたと推定される特典を、仮特典として付与する仮特典付与ステップと、
前記元の利用者が、前記サービス提供者との再加入契約により前記サービスの利用を再開した場合には、当該元の利用者の識別情報と対応付けて前記特典記憶手段に記憶されている前記仮特典に基づいて、当該元の利用者に特典を付与する再開特典付与ステップと
を備えることを特徴とする特典付与方法。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<実施形態>
実施形態では、ポイントシステムの一例として、電力会社(電力供給事業者)が、自社が供給する電力(サービス)の利用者に対して、利用(使用)した電力量に応じて特典としてポイントを付与する特典付与システムについて説明する。
【0027】
電力会社と加入契約を結ぶことで、契約者(利用者)は電力の供給を受けることができ、契約を解除した後は、電力の供給を受けることはできない。また、電力会社は複数あり、利用者が会社を選択できるものとする。尚、実施形態では、電力会社がポイントを付与する特典付与システムについて説明するが、電力会社に限らず、ガス会社、水道事業者等であってもよく、加入契約を条件にサービスを提供する事業者であればよい。また、特典はポイントに限られず、物品、他のサービスの利用券など、有形無形を問わず利用者の利益となるものであればよい。
【0028】
電力会社は、利用者が使用した電力量(使用電力量)を、利用者ごとに収集できるものとする。
図1は、電力会社が、利用者ごとの使用電力量を収集する無線ネットワークシステムの例を示す図である。尚、実施形態では、無線ネットワークシステムによって使用電力量を収集することとしているが、他の方法で収集することとしてもよく、例えば、電力量計の計量値(使用電力量)を目視によって確認し、確認した使用電力量を、後述するセンターサーバ装置1に入力することとしてもよい。
【0029】
図1の無線ネットワークシステムは、電力需要家(利用者)H1、H2、・・・、H12(総称するときは、電力需要家Hという。)、各電力需要家Hに設置されている電力計量器である端局T1、T2、・・・、T12(総称するときは、端局Tという。)、ローカルサーバ装置3a、3b、3c(総称するときは、ローカルサーバ装置3という。)、ネットワーク2、センターサーバ装置1を備える。尚、電力需要家H、端局T、ローカルサーバ装置3、及び、センターサーバ装置1の個数は、これらの数に限られない。
【0030】
ネットワーク2は、電力会社等のネットワーク運営会社によって管理されているネットワークであり、有線、無線を問わない。また、ローカルサーバ装置3は、例えば、主な電柱に設けられ、ネットワーク2を介して、電力会社等によって管理されているセンターサーバ装置1と接続される。
【0031】
端局Tは、積算電力量計としての機能を有し、それぞれの検針データは、順次、隣の端局Tに無線によって転送され、ローカルサーバ装置3及びネットワーク2を介してセンターサーバ装置1に集められる。
【0032】
図2は、端局Tの正面図の例である。この端局Tは、電力需要家の宅内の各配電線が接続される端子台6、負荷開閉器3000、電力量計2000、及び、通信装置1000が配列されて構成される。電力量計2000は、積算電力量を、予め定める周期、例えば、5分毎に検針する。その検針データは、所定時間毎に、例えば、30分毎に、通信装置1000によって、ローカルサーバ装置3に向けて無線送信される。負荷開閉器3000は、センターサーバ装置1から送信されてくる制御データに応じて、開閉動作を行う。例えば、利用者と電力会社との間で加入契約が結ばれると、開動作を指示する制御データが送信され、契約が解除されると閉動作を指示する制御データが送信される等である。
【0033】
本実施形態の特典付与システム100は、本システムを運用する電力会社と加入契約を結んで、この電力会社から電力の供給を受けている利用者(以下、「契約中の利用者」という場合がある。)には、使用電力量に応じてポイントを付与する。利用者は、保有するポイントの点数を物品やサービスと交換できる。また、特典付与システム100は、この電力会社と加入契約を結んでいたが契約を解除し、この電力会社から電力の供給を受けていない利用者(以下、「元の利用者」という。)には、仮に契約が継続中であったとした場合の使用電力量を推定し、推定した使用電力量に応じて仮ポイントを付与する。この仮ポイントは、物品やサービスとの交換はできない。
【0034】
そして、元の利用者が、再度、この電力会社と加入契約を結んだ際には、特典付与システム100は、契約を解除していた期間に付与された仮ポイントに応じたポイントを、再契約を結んだ利用者、つまり、元の利用者から契約中の利用者となった利用者に付与する。
【0035】
電力の供給元を複数の電力会社のうちから選択できる場合、利用者は、自己が享受できる利益を考慮して、契約する電力会社を決定し、また、変更することが多い。従って、再契約すれば、契約解除期間中に付与されたポイントを取得できることは、以前に契約していた電力会社への乗り換えることへの動機づけを与えることになり得る。
【0036】
また、特典付与システム100は、契約解除期間中に仮ポイントを付与するために、元の利用者から了解を得る等して元の利用者に関する情報を保有し続けることになるので、元の利用者に対して仮ポイントの点数を含む様々な情報を提供することが可能となる。つまり、再契約を促進するためのアプローチが可能となる。
【0037】
以下、特典付与システム100について、図を用いて説明する。説明の便宜上、物品等と交換できるポイントを、仮ポイントと区別するために「本ポイント」と言うものとする。
【0038】
<構成>
図3は、特典付与システム100の構成例を示す図である。特典付与システム100は、センターサーバ装置1、ネットワーク2、ローカルサーバ装置3、端局T、及び、天候情報提供装置3000を備える。
【0039】
センターサーバ装置1は、制御部1100、本ポイント付与部1200、仮ポイント付与部1300、再開ポイント付与部1400、使用電力量推定部1500、利用者属性推定部1600、通信部1700、天候情報取得部1800、利用者情報更新部1900、電力量履歴情報記憶部2000、ポイント情報記憶部2100、利用者情報記憶部2200、ライフサイクル情報記憶部2300、タイマー1110、及び、インターフェース部1120を備える。
【0040】
制御部1100は、各機能部を制御し、各利用者に対して、使用電力量に応じたポイントを付与する機能を実現する。制御部1100は、ポイントの付与を予め定められたタイミングで行うように制御し、そのタイミングは、タイマー1110からの割り込みにより検知する。
【0041】
タイマー1110は、時間を計測し、所定の時刻になると制御部1100等に割り込みをかける機能を有する。タイマー1110には、例えば、各月の1日の24時00分に、先月分のポイント付与を指示する割り込みを制御部1100にかけるよう設定されているものとする。
【0042】
インターフェース部1120は、ローカルサーバ装置3以外の装置と通信を行う機能を有し、センターサーバ装置1の管理者用端末(不図示)が接続されているものとする。この端末を用いて、管理者がセンターサーバ装置1に対して命令やデータの入力等を行う。例えば、利用者宅に設置された端局Tから目視により取得した検針データを入力するなどである。また、インターフェース部1120は、インターネット等のネットワークに接続され、ネットワークを介して利用者の端末と接続することが可能となっているものとする。利用者は、インターフェース部1120を介して、自分の端末から自分が保有するポイントの確認等を行う。
【0043】
本ポイント付与部1200は、使用電力量に応じて、契約中の利用者に本ポイントを付与する機能を有する。具体的には、本ポイント付与部1200は、制御部1100から指示を受けると、契約中の各利用者の先月分の使用電力量を電力量履歴情報記憶部2000から読み出し、所定の計算式により本ポイントを算出する。そして、本ポイント付与部1200は、算出した本ポイントを利用者と対応付けてポイント情報記憶部2100に記憶させる。本ポイントの算出については、<契約中の本ポイント付与方法>の項で説明する。
【0044】
また、本ポイント付与部1200は、利用者が、加入契約を解除した元の利用者である場合には、仮ポイント付与部1300に仮ポイントの付与を依頼する。
【0045】
仮ポイント付与部1300は、元の利用者に対して、仮ポイントを付与する機能を有する。具体的には、仮ポイント付与部1300は、使用電力量推定部1500に、元の利用者が契約していたとするならば使用したであろう電力量を推定させ、推定された使用電力量に応じて仮ポイントを算出する。そして、仮ポイント付与部1300は、算出した仮ポイントを元の利用者と対応付けてポイント情報記憶部2100に記憶させる。仮ポイントの算出については、<契約解除中の仮ポイント付与方法>の項で説明する。
【0046】
再開ポイント付与部1400は、元の利用者が再加入契約を行った場合に、契約解除期間中に付与された仮ポイントに応じた本ポイント(以下、「再開ポイント」という。)を付与する機能を有する。具体的には、再開ポイント付与部1400は、再契約を行った元の利用者の契約解除期間中に付与された仮ポイントをポイント情報記憶部2100から読み出し、所定の計算式により再開ポイントを算出する。そして、再開ポイント付与部1400は、算出した再開ポイントを利用者と対応付けてポイント情報記憶部2100に記憶させる。再開ポイントの算出については、<再契約時の再開ポイント付与方法>の項で説明する。
【0047】
使用電力量推定部1500は、元の利用者の契約中の使用電力量等に基づいて、契約していたとするならば使用したであろう電力量を推定する機能を有する。この電力量の推定については、<契約解除中の使用電力量の推定>の項で説明する。
【0048】
利用者属性推定部1600は、使用電力量推定部1500から依頼され、依頼された時点の利用者の属性を推定する機能を有する。この利用者属性の推定については、<利用者属性の推定>の項で説明する。
【0049】
通信部1700は、ネットワーク2を介して、ローカルサーバ装置3と通信する機能を有する。通信部1700は、ローカルサーバ装置3から各端局Tの検針データ(使用電力量)を受信すると、端局Tの利用者ごとに電力量履歴情報記憶部2000に記憶させる。
【0050】
天候情報取得部1800は、使用電力量推定部1500の依頼に応じて、天候情報提供装置3000から所定の地域の気温等の天候情報を取得する機能を有する。
【0051】
利用者情報更新部1900は、利用者情報記憶部2200に記憶されている利用者情報を更新する機能を有する。更新する情報は大きく2つある。1つ目は、利用者の住所等のいわゆる個人情報であり、インターネット等に接続されるインターフェース部1120を介して、利用者の端末から更新される。また、2つ目は、電力会社と契約の状態情報である。つまり、契約中の利用者であるか、契約を解除した利用者であるかを示す情報が、管理者端末から更新される。尚、利用者が契約を解除した場合、その利用者が削除を要望すれば、その利用者情報等は削除されるものとする。この場合、その元の利用者は、仮ポイントを付与されることはない。
【0052】
天候情報提供装置3000は、所定の地域の天気や風力などの天候情報を、センターサーバ装置1に提供する装置であり、例えば、所定の地域の気象情報を提供している会社が管理しているサーバ装置である。尚、実施形態では、天候情報提供装置3000から天候情報を取得することとしているが、インターネット等に公開される情報から、天候情報を取得してもよい。
【0053】
電力量履歴情報記憶部2000は、利用者ごとの使用電力量を記憶しておく機能を有する。
【0054】
ポイント情報記憶部2100は、利用者ごとの本ポイント、仮ポイント、再開ポイントを記憶しておく機能を有する。
【0055】
利用者情報記憶部2200は、各利用者に関する情報、例えば、契約中であるか否か、住所、家族構成等を記憶しておく機能を有する。この利用者情報記憶部2200に記憶されている利用者情報は、契約中の利用者が、例えば、インターネット等のネットワークに接続されたインターフェース部1120を介して、利用者の端末等から適時更新できる。
【0056】
ライフサイクル情報記憶部2300は、人間の一生を複数の段階に分け、各段階での電力使用量の傾向を示したデータを記憶しておく機能を有する。
【0057】
<データ>
以下、特典付与システム100で用いる主なデータについて、
図4〜
図10を用いて説明する。
【0058】
図4は、使用電力量情報テーブル2010の構成及び内容の例を示す図である。
【0059】
使用電力量情報テーブル2010は、利用者ごとの各月の使用電力量を記憶しておくテーブルであり、電力量履歴情報記憶部2000に記憶されている。使用電力量情報テーブル2010は、利用者ID2011、及び、使用電力量2012を有し、1利用者につき1レコードが登録されている。通信部1700が、例えば各月の1日に、戸別履歴情報テーブル2020等を参照して、先月の使用電力量を各利用者のレコードに追加するものとする。
【0060】
利用者ID2011は、利用者を特定する識別子である。
【0061】
使用電力量2012は、利用者ID2011が示す利用者の各月の使用電力量を示す。単位は、kWh(キロワットアワー)である。尚、「−」が記載されている欄は、使用電力量が検出されないこと、つまり、加入契約が解除されている期間であることを示す。使用電力量2012は、直近の月までの所定ヵ月分の使用電力量、例えば、15か月分の使用電力量を履歴として記憶している。従って、例えば、契約期間中の利用者ID2011が「U001」の利用者については、現在が2014年の1月であるとすると、直近の月である2013年12月までの15か月分の使用電力量が記憶されていることになる。但し、利用者ID2011が「U002」の利用者の使用電力量は、契約を解除した時点に記憶されている2013年10月までの15か月分の使用電力量が記憶されているものとする。
【0062】
図5は、戸別履歴情報テーブル2020の構成及び内容の例を示す図である。
【0063】
戸別履歴情報テーブル2020は、所定日数分の30分単位での使用電力量を記憶しておくテーブルであり、電力量履歴情報記憶部2000に記憶されている。この戸別履歴情報テーブル2020は、利用者ごとに1つ記憶されている。通信部1700が、端局Tから使用電力量を受信すると、該当する利用者のテーブルに追加する。尚、実施形態では、30分単位での使用電力量を記憶することとしているが、30分単位に限られず、例えば、1時間であってもよい。つまり、1日における使用電力量の推移が把握できるような時間単位であればよい。
【0064】
戸別履歴情報テーブル2020は、利用者ID2021、年月日2022、及び、単位時間電力量2023を有する。
【0065】
利用者ID2021は、利用者を特定する識別子である。
【0066】
年月日2022は、使用電力量を測定した年月日を示す。
【0067】
単位時間電力量2023は、年月日2022が示す日の、30分単位での使用電力量を示す。単位は、kWh(キロワットアワー)である。単位時間電力量2023で示される使用電力量により、1日における使用電力量の推移を知ることができる。
【0068】
次に、
図6は、ポイント情報テーブル2110の構成及び内容の例を示す図である。
【0069】
ポイント情報テーブル2110は、利用者ごとの各月の使用電力量に応じて付与されたポイントを記憶しておくテーブルであり、ポイント情報記憶部2100に記憶されている。ポイント情報テーブル2110は、利用者ID2111、ポイント合計2112、及び、付与ポイント2113を有し、1利用者につき1レコードが登録されている。
【0070】
利用者ID2111は、利用者を特定する識別子である。
【0071】
ポイント合計2112は、利用者ID2111が示す利用者が現在保有しているポイントを示す。括弧で囲まれた数値は、仮ポイントの値を示し、括弧で囲まれていない数値は、本ポイントの値を示す。
【0072】
付与ポイント2113は、毎月の使用電力量に応じて付与された本ポイントを示し、括弧内の数値は仮ポイントの値を示す。また、括弧で囲まれていない数値であって、括弧で囲まれた数値の次の月の数値は、再開ポイントの値を示すことになる。例えば、利用者ID2111が「U003」の利用者は、2013年12月に再契約を行い、40ポイントの再開ポイントが付与されている。
【0073】
図7は、利用者情報テーブル2210の構成及び内容の例を示す図である。
【0074】
利用者情報テーブル2210は、利用者に関する情報を、利用者ごとに記憶しておくテーブルであり、利用者情報記憶部2200に記憶されている。この利用者情報テーブル2210は、適時、利用者情報更新部1900によって更新される。利用者情報テーブル2210は、利用者ID2211、脱退フラグ2212、住所2213、世帯人数2214、子供数2215、及び、家族属性2216を有し、1利用者につき1レコードが登録されている。
【0075】
利用者ID2211は、利用者を特定する識別子である。
【0076】
脱退フラグ2212は、利用者ID2211が示す利用者が、加入契約中であるか、契約を解除したかを示す。「0」は、契約中であることを示し、「1」は、契約を解除したことを示す。
【0077】
住所2213は、利用者ID2211が示す利用者の住所を示す。詳細には、利用者が電力を使用している住居の住所を示す。
【0078】
世帯人数2214は、利用者ID2211が示す利用者の同居人(家族)の人数を示す。詳細には、住所2213が示す住所で電力を使用している人数を示す。
【0079】
子供数2215は、世帯人数2214が示す人数のうちの、子供(例えば、未成年)の数を示す。
【0080】
家族属性2216は、利用者ID2211が示す利用者の家族構成を示す。
【0081】
尚、実施形態では、住所2213〜家族属性2216の個人情報は、加入契約を行った際に設定され、適時更新がなされるものとするが、契約が解除された後の更新は成されないものとする。つまり、契約を解除した時点の情報である。
【0082】
次に、
図8は、天候情報テーブル1810の構成及び内容の例を示す図である。
【0083】
天候情報テーブル1810は、天候情報取得部1800が使用電力量推定部1500に渡すデータである。天候情報取得部1800は、天候情報提供装置3000から取得した天候情報から、天候情報テーブル1810を作成する。
【0084】
天候情報テーブル1810は、地域ID1811、年月1812、平均気温1813、及び、日照時間合計1814を有する。
【0085】
地域ID1811は、地域を特定する識別子を示す。
【0086】
年月1812は、天候情報テーブル1810に設定されている天候情報の年月を示す。
【0087】
平均気温1813は、地域ID1811が示す地域における、年月1812が示す月の平均気温を示す。単位は、℃(セ氏度)である。
【0088】
日照時間合計1814は、地域ID1811が示す地域における、年月1812が示す月の日照時間の合計時間を示す。単位は、h(時間)である。
【0089】
図9は、ライフサイクル情報記憶部2300に記憶されているライフサイクル情報を示す。
図9では、ライフサイクル情報をグラフで記載している。横軸に典型的なライフステージ(人生における段階)を示し、縦軸に単位期間、例えば1月あたりの使用電力量を示す。このグラフが示すように、消費電力量は、「結婚」、「子供の誕生」、「住宅の購入」、「子供の受験」の時期を経て、徐々に増加していき、ピークを迎える。そして、「子供の独立」を機に、使用電力量が一旦下がり、「セカンドライフ」において若干の増加傾向となる。
【0090】
次に、
図10に、ポイント画面1121の例を示す。ポイント画面1121は、利用者が、自分が保有しているポイントを確認するために、例えば、自分の携帯端末装置の表示画面に表示させる画面である。ポイント画面1121は、利用者からインターフェース部1120を介して受信した画面表示の要求に応じて、制御部1100が作成して送信する。具体的には、制御部1100は、ポイント情報テーブル2110を参照し、要求してきた利用者が保有するポイントを読み出して、保有するポイントを埋め込んだポイント画面1121を作成して利用者に送信する。
【0091】
<ポイント付与について>
ここで、特典付与システム100のポイントの付与方法について説明する。
【0092】
<契約中の本ポイント付与方法>
加入契約中の利用者に対して、本ポイント付与部1200が本ポイント付与する。本ポイント付与部1200は、契約中の各利用者の先月分の使用電力量を電力量履歴情報記憶部2000の使用電力量情報テーブル2010(
図4参照)から読み出し、例えば、以下のような所定の計算式(1)により本ポイントPtを算出する。wは、使用電力量(単位:キロワットアワー)を示す。k1は係数であり、例えば、0.1とする。Ptは整数であり、右辺の除算結果の小数点以下は切り捨てられるものとする。
Pt=w×k1 ・・・(1)
そして、本ポイント付与部1200は、算出した本ポイントPtをポイント情報テーブル2110(
図6参照)の該当する利用者の欄に設定する。これで、ポイント付与部1200が本ポイントを付与したこととなる。
【0093】
例えば、2013年12月の使用量に応じて、利用者ID2011が「U001」の利用者に本ポイントを付与する場合を考える。本ポイント付与部1200は、使用電力量情報テーブル2010の利用者ID2011として「U001」が設定されているレコードに、使用電力量2012の「2013年12月」として設定されている電力量「587」を読み出す。そして、本ポイント付与部1200は、wを「587」として、式(1)を用いて本ポイントPt「58」を算出する。本ポイントPtを算出した本ポイント付与部1200は、ポイント情報テーブル2110の利用者ID2111として「U001」が設定されているレコードの、付与ポイント2113の「2013年12月」として「58」を設定する。本ポイント付与部1200は、ポイント合計2112に設定されている値に「58」を加算して、合計をポイント合計2112として設定する。
【0094】
<契約解除中の仮ポイント付与方法>
契約解除中の元の利用者に対しては、仮ポイント付与部1300が仮ポイントを付与する。仮ポイント付与部1300は、元の利用者の使用電力量は使用電力量情報テーブル2010には記憶されていないので、使用電力量推定部1500に使用電力量の推定を依頼する(<契約解除中の使用電力量の推定>の項参照)。そして、推定された使用電力量に応じた仮ポイントを算出し、算出した仮ポイントをポイント情報テーブル2110(
図6参照)の該当する利用者の欄に設定する。仮ポイントは、括弧書きで記載されている。これで、仮ポイント付与部1300が仮ポイントを付与したこととなる。
【0095】
実施形態では、仮ポイント付与部1300は、契約中の利用者に付与する本ポイントと同様に、上記式(1)を用いて仮ポイントを算出するものとする。算出した仮ポイントは、ポイント合計2112に設定されている仮ポイントの合計に加算される。
【0096】
尚、仮ポイントの算出は、係数k1を変えてもよく、また、式(1)に限らず、他の式を用いてもよい。また、式(1)における係数k1を、契約解除期間が長くなる程、つまり、契約を解除してから時間経過に応じて変化させてもよい。例えば、契約を解除してから時間が経つほど、係数k1を小さくする等である。係数k1を、契約を解除してから時間が経つ程小さくする場合、係数k1は時間(月日)が経つごとに小さくなるが、使用電力量wは月ごとに変動するため、月によっては仮ポイントPtが前月に比べて増えることはあるものの、時間(月日)が経つほど、付与される月ごとの仮ポイントPtが少なくなる可能性が高くなる。つまり、この場合、時間が経つほど、付与される仮ポイントが少なくなる可能性が高くなり、再加入契約をした時に付与される再開ポイントが少なくなる可能性が高くなることになるので、利用者に再契約を早期に行おうと考えさせることが可能となる。
【0097】
<契約解除中の使用電力量の推定>
使用電力量の推定は、使用電力量推定部1500が行う。使用電力量推定部1500は、元の利用者の過去の使用電力量を基準として、3つの情報を考慮して、今回(先月分)の使用電力量を推定する。2つの情報とは、天候情報、利用者属性である。
【0098】
例えば、以下の式(2)を用いて、使用電力量推定部1500は、使用電力量(推定電力量We)を算出する。Wbは、基準となる使用電力量を示す。k2は、天候情報に基づく係数を示し、k3は、利用者属性及に基づく係数を示す。
We=Wb×k2×k3 ・・・(2)
【0099】
基準となる使用電力量Wbとして、今回の使用電力量を推定する月と同じ月の使用実績、つまり、昨年の同じ月の使用電力量を用いる。例えば、今回、2013年12月の使用電力量を推定する場合は、利用者が契約中であった2012年12月の使用電力量を基準とする。使用電力量推定部1500は、使用電力量情報テーブル2010(
図4参照)から該当する使用電力量を読み出す。
【0100】
天候情報とは、大気温等の天候に関する情報をいう。天候情報を考慮するのは、例えば、使用電力量を推定する月である2013年12月の気温が、基準とする月である2012年12月の気温よりも高かった場合は、暖房に用いる電力量が少なかったのではないかと推定することができるからである。この場合、例えば、係数k2の値を「0.9」とする。また、夏の期間であれば、気温が高い方が冷房に用いる電力量が多かったと推定できるので、例えば、係数k2の値を「1.1」にする。
【0101】
また、雨の日数や、日照時間等は、衣類乾燥機を用いる機会が増えて使用電力量が増えると推定することもできるので、これらの情報を考慮して係数k2の値を決定することとしてもよい。
【0102】
天候情報として、使用電力量推定部1500は、天候情報取得部1800を介して、利用者の住所がある地域の天候情報テーブル1810(
図8参照)を取得する。利用者の住所は、利用者情報記憶部2200に記憶されている利用者情報テーブル2210(
図7参照)から、該当する利用者の住所2213を読み出す。
【0103】
利用者属性とは、利用者の特徴をいい、実施形態では、家族構成を用いる。利用者属性を考慮するのは、家族構成(家族属性)の変化に応じて、使用電力量も変化すると考えられるからである。
【0104】
<利用者属性の推定>
利用者の家族属性は、利用者属性推定部1600が推定する。利用者属性推定部1600は、現在の、つまり、使用電力量を推定するときの、利用者の家族属性を推定する。
【0105】
利用者の契約解除時の家族属性が「共働き夫婦」であった場合は、数年後の家族属性は「夫婦と子供」と変化し、使用電力量も多くなると考えられる。また、利用者の契約解除時の家族属性が「高齢者夫婦」であった場合は、数年後の家族属性は変化せず、使用電力量も変化しないと考えられる。
【0106】
利用者属性推定部1600は、家族属性を推定する際に、ライフサイクル情報を考慮することで、契約解除時からの経過時間に応じて、家族属性(家族構成)がどのように変化するのかを知ることが可能となる。
図9を用いて説明したように、ライフステージ(人生における段階)、つまり、「結婚」から「セカンドライフ」まで順に経るに従って、使用電力量は増加し、再び減少する。
【0107】
従って、例えば、契約解除時の家族属性が「共働き夫婦」であり、契約解除時から、例えば3年経過している場合は、ライフステージが「結婚」から「子供の誕生」に移り、家族属性が「夫婦と子供」となった可能性が高いと推定でき、契約解除時から1年経過している場合は、家族属性は「共働き夫婦」の可能性が高いと推定できる。
【0108】
従って、例えば、契約解除時の家族属性が「共働き夫婦」であり、契約解除時から3年経過している場合は、式(2)の係数k3の値を「1.1」とし、1年又は2年である場合は、係数k3の値を「1.0」とする。契約解除時の家族属性が「高齢者夫婦」であった場合は、経過年数にかかわらず、係数k3の値を「1.0」とする等である。
【0109】
使用電力量推定部1500は、家族属性を利用者属性推定部1600に推定させ、ライフサイクル情報は、ライフサイクル情報記憶部2300に記憶されているライフサイクル情報を参照して用いる。
【0110】
尚、実施形態では、上記3つの情報を考慮する事としているが、他の情報を考慮してもよく、これら複数の情報のうちの1つの情報を用いても、いくつかの情報を組み合わせて用いてもよい。
【0111】
実施形態では、利用者情報テーブル2210の家族属性2216は、加入契約時に設定するものとしているが、使用電力量の履歴から、契約解除時の家族属性を推測することとしてもよい。
【0112】
図11は、1時間当たりの使用電力量の推移を示すグラフである。縦軸に電力量を示し、横軸に0時から24時までの1日の時刻経過(朝、昼、夜)を示す。破線のグラフは、家族属性が「単身者」である利用者の使用電力量のグラフであり、一点鎖線のグラフは、「共働き夫婦」のグラフであり、実線のグラフは、「夫婦と子供」のグラフである。尚、このグラフは、各家族属性の利用者の使用電力量の推移に現れる特徴を模したものである。
【0113】
このグラフから、家族を構成する人数が多い程、使用電力量のピークが高くなることが推測できる。また、家族属性によって、昼から夜にかけての、使用電力量の立上りの時間が異なる。つまり、「夫婦と子供」のグラフ(実線)では、子供が学校から帰宅する時刻辺りから使用電力量が増え始める(矢印10参照)。「単身」のグラフ(破線)及び「共働き夫婦」のグラフ(一点鎖線)では、立上りの時刻が比較的遅くなる(矢印11、矢印12参照)。この
図11のグラフは、家族属性が分かっている所定数の利用者の戸別履歴情報テーブル2020(
図5参照)に基づいて作成することができる。
【0114】
利用者属性推定部1600は、利用者の戸別履歴情報テーブル2020を基に、
図11のような使用電力量の推移を示すグラフを作成する。そして、作成したグラフが、
図11のグラフのうち、その特徴がほぼ一致するグラフの家族属性を、その利用者の家族属性と判断する。
【0115】
次に、
図12は、家族属性が「高齢者夫婦」以外の利用者の、1時間当たりの使用電力量の推移を示すグラフであり、
図13は、家族属性が「高齢者夫婦」のグラフである。実線のグラフは、平日の使用電力量のグラフであり、破線のグラフは、休日の使用電力量のグラフである。
【0116】
図12の、家族属性が「高齢者夫婦」以外の利用者のグラフでは、休日の方が、朝のグラフの立上り時刻が平日の立上り時刻に比べて遅くなり(矢印20参照)、また、昼間の使用電力量が平日の昼間に比べて多い(矢印21参照)という特徴が表れる。一方、
図13の、家族属性が「高齢者夫婦」の利用者のグラフでは、平日のグラフと休日のグラフとが、ほとんど重なるという特徴が表れる。
【0117】
利用者属性推定部1600は、利用者の戸別履歴情報テーブル2020を基に、
図12、13のような、平日と休日の使用電力量の推移を示すグラフを作成する。そして、作成したグラフが、
図12と
図13のグラフのうち、その特徴がほぼ一致するグラフの家族属性を、その利用者の家族属性と判断する。
【0118】
利用者属性推定部1600は、最終的に、
図11から推測した家族属性と、
図12、13から推測した家族属性とを総合的に判断して、利用者の家族属性を推測する。例えば、
図11において、使用電力量のピークから2人家族と判断できるが、他の特徴が一致しない場合、
図13のグラフに特徴が一致すれば「高齢者夫婦」と推定する等である。
【0119】
<再契約時の再開ポイント付与方法>
再契約を結んだ元の利用者に対しては、再開ポイント付与部1400が再開ポイントを付与する。再開ポイント付与部1400は、ポイント情報テーブル2110(
図6参照)のポイント合計2112として設定されている仮ポイントを読み出し、例えば、以下の式(3)を用いて、再開ポイントPt1を算出する。Pt2は、仮ポイントを示し、k4は係数であり、0.7とする。Pt1は整数であり、右辺の除算結果の小数点以下は切り捨てられるものとする。
Pt1=Pt2×k4 ・・・(3)
【0120】
そして、再開ポイント付与部1400は、算出した再開ポイントPt1を、ポイント情報テーブル2110(
図6参照)の該当する利用者の欄、例えば、再契約した月の本ポイントとして設定する。これで、再開ポイント付与部1400が再開ポイントを付与したこととなる。この場合、本ポイント付与部1200は、再契約した月の本ポイントを算出する際に、この再開ポイントを加算した本ポイントを算出する。
【0121】
尚、再開ポイントの算出は、係数k4を変えてもよく、また、式(3)に限らず、他の式を用いてもよい。また、式(3)における係数k4を、契約解除期間が長くなる程、つまり、契約を解除してから時間の経過に応じて変化させてもよい。例えば、契約を解除してから時間が経つほど、係数k4を小さくする等である。係数k4を、契約を解除してから時間が経つ程小さくする場合、係数k4は時間が経つごとに小さくなるが、仮ポイントPt2は時間が経つに従い一般的に増加する。そのため、時間が経つほど、付与される再開ポイントPt1が増えることにはなるが、再契約を遅らせれば遅らせるほど、付与される再開ポイントの仮ポイントに対する比率が少なくなるので、お得感が低くなる。つまり、この場合、時間が経つほど、再加入契約をした時に付与される再開ポイントのお得感が少なくなるので、利用者に再契約を早期に行おうと考えさせることが可能となる。
【0122】
<動作>
以下、特典付与システム100の動作について、
図14〜16を用いて説明する。
【0123】
図14は、契約の解除登録処理のフローチャートであり、
図15は、加入登録処理のフローチャートである。また、
図16は、ポイント付与処理のフローチャートである。
【0124】
まず、
図14を用いて、契約の解除登録処理を説明する。
【0125】
特典付与システム100の管理者が、インターフェース部1120に接続されている管理者端末に、契約を解除する利用者の識別子を入力する。
【0126】
制御部1100は、インターフェース部1120を介して、契約を解除する利用者の識別子を取得すると(ステップS10)、取得した識別子を利用者情報更新部1900に渡して、利用者情報の更新を依頼する。
【0127】
依頼を受けた利用者情報更新部1900は、渡された識別子が示す利用者が、現在、契約に加入中であるかを判断する(ステップS11)。具体的には、利用者情報更新部1900は、利用者情報記憶部2200に記憶されている利用者情報テーブル2210(
図7参照)から、制御部1100から渡された識別子が利用者ID2211として設定されているレコードを読み出す。そして、利用者情報更新部1900は、そのレコードに脱退フラグ2212として「0」が設定されているか否かを判断する。「0」が設定されている場合、利用者情報更新部1900は、制御部1100から渡された識別子が示す利用者は、加入中であると判断する。それ以外の場合、つまり、識別子が利用者ID2211として設定されたレコードがない場合、又は、レコードに脱退フラグ2212として「1」が設定されている場合には、その利用者は加入中ではないと判断する。
【0128】
利用者情報更新部1900は、制御部1100から渡された識別子が示す利用者が加入中であると判断した場合(ステップS11:Yes)、契約解除の登録を行う(ステップS12)。具体的には、利用者情報更新部1900は、利用者情報テーブル2210において、制御部1100から渡された識別子が利用者ID2211として設定されているレコードの脱退フラグ2212として「1」を設定する。
【0129】
次に、利用者情報更新部1900は、本ポイントの消去を行う(ステップS13)。具体的には、利用者情報更新部1900は、ポイント情報記憶部2100に記憶されているポイント情報テーブル2110(
図6参照)において、制御部1100から渡された識別子が利用者ID2111として設定されているレコードのポイント合計2112として「0」を設定する。
【0130】
本ポイントの消去を行った利用者情報更新部1900は、解除登録処理を終了する。また、利用者情報更新部1900は、制御部1100から渡された識別子が示す利用者が加入中でないと判断した場合(ステップS11:No)、その旨のメッセージを管理者端末に表示する等して、処理を終了する。
【0131】
次に、
図15を用いて、加入登録処理を説明する。
【0132】
特典付与システム100の管理者が、インターフェース部1120に接続されている端末に、加入契約を行う利用者の識別子及び個人情報を入力する。
【0133】
制御部1100は、インターフェース部1120を介して、加入契約を行う利用者の識別子及び個人情報を取得すると(ステップS30)、取得した識別子及び個人情報を利用者情報更新部1900に渡して、利用者情報の更新を依頼する。
【0134】
依頼を受けた利用者情報更新部1900は、渡された識別子が示す利用者が、新たな加入者であるかを判断する(ステップS31)。具体的には、利用者情報更新部1900は、利用者情報記憶部2200に記憶されている利用者情報テーブル2210(
図7参照)から、制御部1100から渡された識別子が利用者ID2211として設定されているレコードを検索する。該当するレコードが無ければ、利用者情報更新部1900は、新たな加入者であると判断して(ステップS31:No)、加入者の登録を行う(ステップS32)。具体的には、新たな加入者の識別子を利用者ID2211として設定し、脱退フラグ2212に「0」を設定し、住所2213等に個人情報を設定したレコードを、利用者情報テーブル2210に追加し、処理を終了する。
【0135】
一方、利用者情報テーブル2210に、制御部1100から渡された識別子が利用者ID2211として設定されているレコードが在った場合は(ステップS31:Yes)、利用者情報更新部1900は、元の利用者、つまり、契約解除中の利用者(元の利用者)であるか、又は、現在加入中の利用者であるか判断する(ステップS33)。具体的には、利用者情報更新部1900は、そのレコードに脱退フラグ2212として「1」が設定されている場合、利用者情報更新部1900は、制御部1100から渡された識別子が示す利用者は、元の利用者であると判断し、「0」が設定されている場合、加入中であると判断する。加入中であると判断した場合(ステップS33:No)、利用者情報更新部1900は、その旨のメッセージを管理者端末に表示する等して、処理を終了する。
【0136】
利用者情報更新部1900は、制御部1100から渡された識別子が示す利用者が元の利用者であると判断した場合(ステップS33:Yes)、契約加入の登録を行う(ステップS34)。具体的には、利用者情報更新部1900は、利用者情報テーブル2210において、制御部1100から渡された識別子が利用者ID2211として設定されているレコードの脱退フラグ2212として「0」を設定する。また、利用者情報更新部1900は、必要に応じて、制御部1100から渡された個人情報に基づいて、利用者情報テーブル2210に登録されている利用者のレコードに住所2213、世帯人数2214等として設定されている情報を更新する。
【0137】
次に、利用者情報更新部1900は、上述の<再契約時の再開ポイント付与方法>の項で説明したように、式(3)を用いて仮ポイントから再開ポイント(本ポイント)を算出し(ステップS33)、算出した再開ポイントを再加入した元の利用者に付与する(ステップS34)。例えば、利用者IDが「U030」の利用者が、2013年12月に再契約をした場合、利用者情報更新部1900は、算出した再開ポイントを、ポイント情報テーブル2110の利用者ID2111として「U030」が設定されているレコードの付与ポイント2113の「2013年12月」として設定し、また、算出した再開ポイントを、ポイント合計2112として設定し、処理を終了する。
【0138】
次に、
図16を用いて、ポイント付与処理を説明する。
【0139】
制御部1100は、タイマー1110から、先月分のポイント付与を指示する割り込みを受けると(ステップS20:Yes)、本ポイント付与部1200に各利用者にポイントを付与するよう依頼する。
【0140】
依頼を受けた本ポイント付与部1200は、利用者情報記憶部2200に記憶されている利用者情報テーブル2210(
図7参照)に登録されている全ての利用者に対して、ポイントを付与する(ステップS21:Yes)。
【0141】
まず、本ポイント付与部1200は、利用者情報テーブル2210から1レコードを読み出し、脱退フラグ2212として「1」が設定されている場合、つまり、現在、契約解除中である場合は(ステップS22:Yes)、利用者ID2211として設定されている識別子(以下、「処理ID」という。)が示す利用者は元の利用者であると判断して、仮ポイント付与部1300に仮ポイントの付与を依頼する。
【0142】
依頼を受けた仮ポイント付与部1300は、上述の<契約解除中の仮ポイント付与方法>の項で説明したように、仮ポイントを算出する。詳細には、仮ポイント付与部1300は、使用電力量推定部1500に処理IDが示す利用者の使用電力量の推定を依頼し、依頼を受けた使用電力量推定部1500は、上述の<契約解除中の使用電力量の推定>の項で説明したように、処理IDが示す利用者の使用電力量を推定する(ステップS23)。仮ポイント付与部1300は、推定された使用電力量から、上記式(1)を用いて、仮ポイントを算出し(ステップS24)、ポイント情報テーブル2110の利用者ID2111として処理IDが設定されているレコードに、付与ポイント2113の先月分として、算出した仮ポイントを設定し、ポイント合計2112として設定されている合計を更新する(ステップS25)。
【0143】
ステップS22において、利用者情報テーブル2210から読み出したレコードの脱退フラグ2212として「0」が設定されている場合、つまり、現在、加入中である場合(ステップS22:No)、本ポイント付与部1200は、上記<契約中の本ポイント付与方法>の項で説明したように、処理IDが示す利用者の利用者の使用電力量から、上記式(1)を用いて本ポイントを算出する(ステップS26)。
【0144】
そして、本ポイント付与部1200は、ポイント情報テーブル2110の利用者ID2111として処理IDが設定されているレコードに、付与ポイント2113の先月分として再開ポイントが設定されている場合には(ステップS27:Yes)、算出した仮ポイントを再開ポイントに加算し(ステップS28)、また、ポイント合計2112として設定されている合計を更新する(ステップS25)。
【0145】
実施形態では、使用電力量を推定する際に、利用者の属性を利用者属性推定部1600によって推定することとしているが、利用者によって更新された場合は、更新結果を用いることとしてもよい。この場合は、契約解除中であっても、利用者による個人情報の更新は可能とする。また、使用電力量を推定することとしているが、利用者が実際に他の電力会社から供給を受けて使用している電力量を基に仮ポイントを算出して付与することとしてもよい。この場合、利用者から、他の電力会社から供給を受けて使用した電力量を取得する手段が必要となる。
【0146】
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。