(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2の設定手段は、前記所定の第1の再構成面と、該所定の第1の再構成面に近接する他の1以上の第1の再構成面とを含む所定範囲において、1以上の第2の再構成面を設定し、
前記処理手段は、前記所定範囲に含まれる複数の再構成面に対応する複数の画像を用いて前記アーチファクト低減処理を行う、請求項1に記載の画像生成装置。
前記第2の設定手段は、互いに隣接する2つの第1の再構成面の中間位置ごとに1つずつ第2の再構成面を設定する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の画像生成装置。
前記第1の設定手段は、前記操作者により指定された撮影範囲及びスライス厚の条件に基づいて前記複数の第1の再構成面を設定する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の画像生成装置。
前記処理手段は、前記所定の第1の再構成面に対応する画像を構成する画素を単位に前記アーチファクト低減処理を行う、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の画像生成装置。
前記第1の再構成面に対応する画像は表示するが、前記第2の再構成面に対応する画像は表示しないように表示手段を制御する表示制御手段をさらに備えた、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の画像生成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような体軸方向にフィルタリング処理等の画像処理を行う手法をもってしても、アーチファクトを充分に低減できない場合がある。特に、ヘリカルスキャン(helical scan)によって得られた投影データに基づいて再構成される画像では、そのヘリカルスキャンに起因する風車状のアーチファクトが現れやすいが、これを当該手法によって低減しようとする場合、効果が限定的である。
【0006】
このような事情により、放射線断層撮影装置によって得られる投影データに基づいて再構成される画像のアーチファクトをより低減できる技術が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の観点の発明は、
放射線源及び検出器を用いた撮影対象のスキャンにより収集された投影データを特定する特定手段と、
前記撮影対象の体軸方向において、複数の第1の再構成面を設定する第1の設定手段と、
前記撮影対象の体軸方向において、前記複数の第1の再構成面とは異なる1以上の第2の再構成面を設定する第2の設定手段と、
前記投影データに基づいて、前記複数の第1の再構成面に対応する複数の画像であって、操作者に提供されるべき複数の画像と、前記1以上の第2の再構成面に対応する1以上の画像であって、前記操作者に提供されることがない1以上の画像とを再構成する再構成手段と、
前記複数の第1の再構成面及び前記1以上の第2の再構成面のうち少なくとも1つの第2の再構成面を含む複数の再構成面に対応する複数の画像を用いて、所定の第1の再構成面に対応する画像に対してアーチファクト低減処理を行う処理手段と、を備えた画像生成装置を提供する。
【0008】
第2の観点の発明は、
前記第2の設定手段が、前記所定の第1の再構成面と、該所定の第1の再構成面に近接する他の1以上の第1の再構成面とを含む所定範囲において、1以上の第2の再構成面を設定し、
前記処理手段が、前記所定範囲に含まれる複数の再構成面に対応する複数の画像を用いて前記アーチファクト低減処理を行う、上記第1の観点の画像生成装置を提供する。
【0009】
第3の観点の発明は、
前記所定範囲が、前記所定の第1の再構成面とその両側に隣接する2つの第1の再構成面とを含む範囲であり、
前記第2の設定手段が、前記所定の第1の再構成面とその両側に隣接する2つの第1の再構成面との各間にそれぞれ1以上の第2の再構成面を設定する、上記第2の観点の画像生成装置を提供する。
【0010】
第4の観点の発明は、
前記第2の設定手段が、互いに隣接する2つの第1の再構成面の中間位置ごとに1つずつ第2の再構成面を設定する、上記第1の観点から第3の観点のいずれか一つの観点の画像生成装置を提供する。
【0011】
第5の観点の発明は、
前記第1の設定手段が、前記操作者により指定された撮影範囲及びスライス厚(slice thickness)の条件に基づいて前記複数の第1の再構成面を設定する、上記第1の観点から第4の観点のいずれか一つの観点の画像生成装置を提供する。
【0012】
第6の観点の発明は、
前記所定の第1の再構成面と該所定の第1の再構成面に最も近い第2の再構成面との距離は、前記操作者が設定可能な最小のスライス厚よりも小さい、上記第1の観点から第5の観点のいずれか一つの観点の画像生成装置を提供する。
【0013】
第7の観点の発明は、
前記処理手段が、前記所定の第1の再構成面に対応する画像を構成する画素を単位に前記アーチファクト低減処理を行う、上記第1の観点から第6の観点のいずれか一つの観点の画像生成装置を提供する。
【0014】
第8の観点の発明は、
前記処理手段が、前記所定範囲に含まれる第1及び第2の再構成面に対応する画像を用いて、前記所定の第1の再構成面に対応する画像における所定の画素がアーチファクトを表している蓋然性を求め、該蓋然性に応じて該画素に対する前記アーチファクト低減処理のパラメータを制御する、上記第7の観点の画像生成装置を提供する。
【0015】
第9の観点の発明は、
前記再構成手段が、前記投影データの3次元逆投影処理により前記画像を再構成する、上記第1の観点から第8の観点のいずれか一つの観点の画像生成装置を提供する。
【0016】
第10の観点の発明は、
前記アーチファクト低減処理が、フィルタリング処理を含む、上記第1の観点から第9の観点のいずれか一つの観点の画像生成装置を提供する。
【0017】
第11の観点の発明は、
前記フィルタリング処理が、前記複数の画像の加重加算処理を含む、上記第10の観点の画像生成装置を提供する。
【0018】
第12の観点の発明は、
前記スキャンが、ヘリカルスキャンである、上記第1の観点から第11の観点のいずれか一つの観点の画像生成装置を提供する。
【0019】
第13の観点の発明は、
前記第1の再構成面に対応する画像は表示するが、前記第2の再構成面に対応する画像は表示しないように表示手段を制御する表示制御手段をさらに備えた、上記第1の観点から第12の観点のいずれか一つの観点の画像生成装置を提供する。
【0020】
第14の観点の発明は、
放射線源及び検出器を用いた撮影対象のスキャンを行って投影データを収集するスキャン手段と、
前記撮影対象の体軸方向において、複数の第1の再構成面を設定する第1の設定手段と、
前記撮影対象の体軸方向において、前記複数の第1の再構成面とは異なる1以上の第2の再構成面を設定する第2の設定手段と、
前記投影データに基づいて、前記複数の第1の再構成面に対応する複数の画像であって、操作者に提供されるべき複数の画像と、前記1以上の第2の再構成面に対応する1以上の画像であって、前記操作者に提供されることがない1以上の画像とを再構成する再構成手段と、
前記複数の第1の再構成面に対応する画像のうち少なくとも一部と、前記1以上の第2の再構成面に対応する画像のうち少なくとも一部とを用いて、所定の第1の再構成面に対応する画像に対してアーチファクト低減処理を行う処理手段と、を備えた放射線断層撮影装置を提供する。
【0021】
第15の観点の発明は、
放射線源及び検出器を用いた撮影対象のスキャンにより収集された投影データを特定する特定ステップ(step)と、
前記撮影対象の体軸方向において、複数の第1の再構成面を設定する第1の設定ステップと、
前記撮影対象の体軸方向において、前記複数の第1の再構成面とは異なる1以上の第2の再構成面を設定する第2の設定ステップと、
前記投影データに基づいて、前記複数の第1の再構成面に対応する複数の画像であって、操作者に提供されるべき複数の画像と、前記1以上の第2の再構成面に対応する1以上の画像であって、前記操作者に提供されることがない1以上の画像とを再構成する再構成ステップと、
前記複数の第1の再構成面に対応する画像のうち少なくとも一部と、前記1以上の第2の再構成面に対応する画像のうち少なくとも一部とを用いて、所定の第1の再構成面に対応する画像に対してアーチファクト低減処理を行う処理ステップと、を備えた画像生成方法を提供する。
【0022】
第16の観点の発明は、
コンピュータ(computer)を、上記第1の観点から第13の観点のいずれか一つの観点の画像生成装置として機能させるためのプログラム(program)を提供する。
【発明の効果】
【0023】
上記観点の発明によれば、撮影対象の体軸方向において、操作者への画像の提供が計画されている第1の再構成面とは異なる位置に第2の再構成面を設定し、少なくともその第2の再構成面の画像を用いてアーチファクト低減処理を行うので、アーチファクト低減処理に用いる複数の画像について、それらの画像が含まれる上記体軸方向の範囲を広げずに、それらの画像の枚数を増大させることができる。つまり、アーチファクト低減処理に用いる体軸方向の連続性データを増補することができる。その結果、より精度の良い補正を行うことができ、操作者に提供される再構成画像上のアーチファクトをより低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、発明の実施形態について説明する。なお、これにより発明が限定されるものではない。
【0026】
図1は、本実施形態に係るX線CT装置の構成を概略的に示す図である。
【0027】
図1に示すように、X線CT装置100は、操作コンソール(console)1と、撮影テーブル(table)10と、走査ガントリ(gantry)20とを備えている。
【0028】
操作コンソール1は、操作者41からの入力を受け付ける入力装置2と、被検体(撮影対象)40の撮影を行うための各部の制御や画像を生成するためのデータ処理などを行うデータ処理装置3と、走査ガントリ20で取得したデータを収集するデータ収集バッファ(buffer)5と、画像を表示するモニタ(monitor)6と、プログラムやデータなどを記憶する記憶装置7とを備えている。
【0029】
撮影テーブル10は、被検体40を載せて走査ガントリ20の空洞部Bに搬送するクレードル(cradle)12を備えている。クレードル12は、撮影テーブル10に内蔵するモータ(motor)で昇降および水平直線移動される。なお、ここでは、被検体40の体軸方向すなわちクレードル12の水平直線移動方向をz軸方向、鉛直方向をy軸方向、z軸方向およびy軸方向に垂直な水平方向をx軸方向とする。
【0030】
走査ガントリ20は、回転可能に支持された回転部15を備えている。回転部15には、X線管21と、X線管21を制御するX線コントローラ(controller)22と、X線管21から発生したX線81をファンビーム或いはコーンビーム(cone beam)に整形するアパーチャ(aperture)23と、被検体40を透過したX線81を検出するX線検出器24と、X線検出器24の出力信号をデータとして収集するDAS25と、X線コントローラ22,アパーチャ23の制御を行う回転部コントローラ26とが搭載されている。走査ガントリ20の本体は、制御信号などを操作コンソール1や撮影テーブル10と通信する制御コントローラ29を備えている。回転部15と走査ガントリ20の本体とは、スリップリング(slip ring)30を介して電気的に接続されている。
【0031】
X線管21およびX線検出器24は、被検体40が載置される撮影空間、すなわち走査ガントリ20の空洞部Bを挟んで互いに対向して配置されている。回転部15が回転すると、X線管21およびX線検出器24は、その位置関係を維持したまま、被検体40の周りを回転する。X線管21から放射されアパーチャ23で整形されたファンビーム或いはコーンビームのX線81は、被検体40を透過し、X線検出器24の検出面に照射される。
【0032】
なおここでは、このファンビーム或いはコーンビームのX線81のxy平面における広がり方向をチャネル方向(CH方向)、z軸方向における広がり方向もしくはz軸方向そのものをスライス(slice)方向(SL方向)、xy平面において回転部15の回転中心に向かう方向をアイソセンタ方向(I方向)で表すことにする。
【0033】
X線検出器24は、チャネル方向およびスライス方向に配設された複数の検出素子24iにより構成されている。なお、検出素子24iのチャネル方向の数は、例えば60°の角度範囲において1000個程度、その配列間隔は、例えば1mm程度である。
【0034】
図2は、X線CT装置における画像生成処理に係る部分の構成を示す機能ブロック図である。
図2に示すように、X線CT装置100は、撮影条件設定部31と、投影データ収集部32と、第1の再構成面設定部33と、第2の再構成面設定部34と、画像再構成部35と、アーチファクト低減処理部36と、表示制御部37とを有している。なお、これら各部は、データ処理装置3が記憶装置7に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより機能的に実現される。
【0035】
以下、これら各部の機能についてより詳しく説明する。
【0036】
撮影条件設定部31は、操作者41による操作に応じて撮影条件を設定する。撮影条件設定部31は、例えば、撮影条件として、X線管電圧、X線管電流、z軸方向(被検体40の体軸方向)における撮影範囲、スライス厚、ヘリカルピッチ(helical pitch)、自動露出機構を用いる際の目標画像ノイズレベル(noise level)などを設定する。
【0037】
投影データ収集部32は、設定された撮影条件に基づいて、被検体40のスキャンが行われるように撮影テーブル10および走査ガントリ20を制御する。このスキャンの実行により、被検体40の複数ビュー(view)の投影データが収集される。
【0038】
第1の再構成面設定部33は、撮影空間のz軸方向において、操作者41に提供すべき複数の画像に対応する複数の第1の再構成面を設定する。第1の再構成面設定部33は、例えば、設定された撮影条件、特に撮影範囲及びスライス厚に基づいて、複数の第1の再構成面を設定する。
【0039】
第2の再構成面設定部34は、撮影空間のz軸方向において、第1の再構成面とは異なる位置に、1以上の第2の再構成面を設定する。第2の再構成面の画像は、操作者41への提供を目的としておらず、アーチファクト低減処理に用いることを目的とする。第2の再構成面設定部34は、例えば、互いに隣接する2つの第1の再構成面の間ごとに、1つ以上の第2の再構成面を設定する。
【0040】
画像再構成部35は、収集された投影データに基づいて第1の再構成面及び第2の再構成面に対応する画像をそれぞれ再構成する。画像再構成には、例えば、3次元逆投影処理を用いる。
【0041】
アーチファクト低減処理部36は、少なくとも第2の再構成面の画像を用いて、第1の再構成面の画像に対するアーチファクト低減処理を行う。アーチファクト低減処理は、例えば、z軸方向に並ぶ第1及び第2の再構成面の画像を用いたz軸方向におけるフィルタリング処理を含む。
【0042】
表示制御部37は、アーチファクト低減処理が行われた第1の再構成面の画像を表示するようモニタ6を制御する。
【0043】
これより、本実施形態に係るX線CT装置における画像生成処理の流れを説明する。
【0044】
図3は、本実施形態に係るX線CT装置における画像生成処理の流れを示すフローチャート(flowchart)である。
【0045】
ステップ(step)S1では、撮影条件設定部31が、操作者41による操作に応じて、撮影条件を設定する。本例では、撮影条件として、X線管電圧、X線管電流、z軸方向(被検体40の体軸方向)における撮影範囲RS、スライス厚Δzなどを設定する。
【0046】
ステップS2では、投影データ収集部32が、設定された撮影条件、特に、X線管電圧、X線管電流、撮影範囲RSなどに基づいて、撮影テーブル10および走査ガントリ20を制御して被検体40のスキャンを実行する。本例では、スキャンとして、ヘリカルスキャンを行うものとする。投影データ収集部32は、このスキャンにより複数ビューの投影データを収集する。収集された投影データは、記憶装置7に送られ、記憶される。
【0047】
ステップS3では、第1の再構成面設定部33が、撮影空間のz軸方向において、操作者41に提供されるよう計画された複数の断層像に対応する複数の第1の再構成面s1を設定する。
【0048】
図4は、第1の再構成面の設定例を示す図である。本例では、
図4に示すように、撮影範囲RSの空間をスライス厚Δzでスライスし、各スライスSLのz軸方向における中心位置に第1の再構成面s1を設定する。この場合、第1の再構成面s1は、z軸方向にスライス厚Δzと同じ間隔を置いて設定される。スライス厚Δzは、例えば、0.625mmである。
【0049】
ステップS4では、第2の再構成面設定部34が、撮影空間のz軸方向において、第1の再構成面s1とは異なる位置に、1以上の第2の再構成面s2を設定する。
【0050】
図5は、第2の再構成面の設定例を示す図である。本例では、
図5に示すように、互いに隣接する2つの第1の再構成面s1の間の中間位置ごとに1つずつ第2の再構成面s2を設定する。つまり、z軸方向において、第1の再構成面s1と第2の再構成面s2とが等間隔で交互に並ぶように、第2の再構成面s2を設定する。この場合、第2の再構成面s2は、z軸方向にスライス厚Δzと同じ間隔を置いて設定される。したがって、互いに隣接する第1の再構成面s1と第2の再構成面s2との間の距離は、スライス厚Δzの1/2となる。つまり、第1の再構成面s1及び第2の再構成面s2の両方を合わせた全再構成面の密度は、操作者41への提供が計画されている第1の再構成面s1のみによる再構成面の密度に対して2倍に増大している。
【0051】
ステップS5では、画像再構成部35が、収集された投影データに基づいて第1の再構成面s1及び第2の再構成面s2に対応する画像をそれぞれ再構成する。
【0052】
本例では、前処理、ビームハードニング補正(beam hardening correction)、zフィルタ重畳処理、再構成関数重畳処理、3次元逆投影処理を行うことにより画像を再構成する。3次元逆投影処理は、投影データの補間処理が不要である。そのため、本例による再構成画像は、投影データの補間処理により生じる誤差がなく、精度が高くなる。なお、本例では、各再構成画像がその再構成面を中心にz軸方向にスライス厚Δzの幅を持つ空間の情報を有するように再構成する。また、再構成画像のサイズ(size)は、例えば、512画素(x軸方向)×512画素(y軸方向)のサイズを想定する。
【0053】
ステップS6では、アーチファクト低減処理部36が、第1の再構成面s1の画像に対するアーチファクト低減処理を行う。本例では、第1の再構成面s1の画像及び第2の再構成面s2の画像を用いてアーチファクト低減処理を行う。本例におけるアーチファクト低減処理については後ほど詳細に説明する。
【0054】
ステップS7では、表示制御部37が、アーチファクト低減処理が行われた第1の再構成面s1の画像を画面に表示するようモニタ6を制御する。なお、表示制御部37は、第1の再構成面s1の画像については、操作者41への提供が事前に計画されているため、画面に表示させて操作者41に提供するが、第2の再構成面s2の画像については、操作者41への提供を目的としていないため、画面に表示させない。
【0055】
ここで、ステップS6におけるアーチファクト低減処理について詳しく説明する。本例では、アーチファクト低減処理は、処理対象画像Gaを構成する画素単位で行う。また、アーチファクト低減処理は、処理対象画像Gaの近傍における複数の画像を基に処理対象画素paと同じxy座標の画素におけるz軸方向の画素値の変化を解析する。そして、その解析結果を基に処理対象画素paがアーチファクトである蓋然性を求め、その蓋然性に応じたパラメータ(parameter)を用いて処理対象画素paにz軸方向のフィルタリング処理を行う。このフィルタリング処理は、処理対象画像Gaの近傍にてz軸方向に連続的に並ぶ複数の再構成画像の加重加算処理とし、その重み係数をパラメータとする。
【0056】
以下、本例によるアーチファクト低減処理の流れについて説明する。
【0057】
図6は、本例によるアーチファクト低減処理の流れを示すフロー図である。
【0058】
ステップS601では、操作者41に提供される複数の第1の再構成面s1の画像の中から処理対象画像Gaを選択する。
【0059】
ステップS602では、処理対象画像Gaを含みz軸方向に所定の幅を有する所定範囲を解析範囲Rcとして設定する。そして、その解析範囲に含まれる第1の再構成面s1及び第2の再構成面s2に対応する画像を、処理用画像Gcとする。
【0060】
図7は、解析範囲及び処理用画像の設定例を示す図である。本例では、
図7に示すように、処理対象画像Gaの再構成面を中心に、z軸方向に±スライス厚Δzの幅を有する範囲を解析範囲Rcとする。これにより、処理対象画像Gaを含めて処理対象画像Gaに最近傍の5枚の画像、すなわち、処理対象画像Gaである第1の再構成面s1の画像と、その両隣りに位置する2枚の第2の再構成面s2の画像と、さらにその外側に位置する2枚の第1の再構成面s1の画像とを、処理用画像Gcとする。
【0061】
ステップS603では、処理対象画像Gaの中で処理対象画素paを選択する。
【0062】
ステップS604では、処理用画像Gcにおける処理対象画素paと同じxy座標の画素について、画素値のz軸方向に対する変化を特定し、その画素値の最大変化量(最大振幅)Δpを特定する。
【0063】
図8は、処理対象画素に対応する画素値のz軸方向に対する最大変化量を特定する処理を説明するための図である。
【0064】
本例では、
図8に示すように、処理対象画像Gaを中心としたz軸方向に並ぶ5枚の処理用画像Gcにおける、処理対象画素paと同じxy座標の画素について、画素値pのz軸方向での変化を特定する。そして、その画素値pのz軸方向に対する最大変化量Δp、すなわちその画素値pの最大値から最小値を減算して成る値を特定する。
【0065】
ステップS605では、画素値の最大変化量Δpの大きさに基づいて、所定の指標関数fを用いて、処理対象画素paがアーチファクトである蓋然性を表す指標値indexを特定する。
【0066】
図9は、指標関数の一例を示す図であり、画素値の最大変化量Δpと指標値indexとの対応関係を表している。本例において、画素値は、いわゆるCT値(HU)である。また、指標値indexは、処理対象画素paがアーチファクトである蓋然性を0〜1の値で示すように定義されている。ここでは、指標値index=0のときにその蓋然性が最も低くなり、指標値index=1のときにその蓋然性が最も高くなる。
【0067】
ここで、
図9に示す指数関数が有する意味について説明する。一般的に、画素値の最大変化量Δpが所定の下限値未満であるときには、その画素は、骨部や軟部がz軸方向に連続的に続いている部位を表していると推定できる。そこで、このような場合には、その画素がアーチファクトである蓋然性を有しないと考え、指標値を0にする。逆に、画素値の最大変化量Δpが所定の上限値を超えるときには、その画素は、z軸方向において骨部から軟部または軟部から骨部に変化していく部位を表していると推定できる。そこで、このような場合にも、その画素がアーチファクトである蓋然性を有しないと考え、指標値を0にする。一方、画素値の最大変化量Δpが、所定の上限値から所定の下限値の間にあるときには、その画素は、アーチファクトの一部、例えば、風車状のヘリカルアーチファクト(helical artifact)またはコーンビームアーチファクト(cone-beam artifact)の一部であると推定できる。そこで、このような場合には、その画素がアーチファクトである蓋然性を有すると考え、指標値を0〜1の範囲で設定する。
【0068】
図9(a)〜(d)の指標関数において、X1〜X2の範囲は、例えば、3〜200、撮影条件によっては、10〜200程度で調整する。
【0069】
本例では、
図9に示す指標関数のいずれかを用いて、得られた画素値の最大変化量Δpに対応付けされた指標値indexを処理対象画素paの指標値indexとして特定する。
【0070】
ステップS606では、処理対象画素paにフィルタリング処理を行う。この際、処理対象画素paの指標値indexに応じて、フィルタリング処理のパラメータを決定する。本例では、フィルタリング処理を、解析画像Gcの加重加算処理とし、パラメータは、その加重加算処理における重み係数とする。処理対象画素paにおける画素値p(x,y,z)のフィルタリング処理後の画素値p′(x,y,z)は、例えば、次式により表すことができる。
【数1】
【0071】
ここで、g(i,index)は、指標値indexに基づくi番目の再構成面の画像の重み係数である。例えば、処理対象画素paのフィルタリング処理では、重み係数は次のように設定することができる。
【0072】
指標値index=1の場合、例えば、p(x,y,z−2)からp(x,y,z+2)までの各画素値に掛ける重み係数g(−2,1)からg(+2,1)は、それぞれ、0.2,0.2,0.2,0.2,0.2とする。
【0073】
指標値index=0.5の場合、例えば、p(x,y,z−2)からp(x,y,z+2)までの各画素値に掛ける重み係数g(−2,0.5)からg(+2,0.5)は、それぞれ、0.1,0.2,0.4,0.2,0.1とする。
【0074】
指標値index=0の場合、例えば、p(x,y,z−2)からp(x,y,z+2)までの各画素値に掛ける重み係数g(−2,0)からg(+2,0)は、それぞれ、0,0,1.0,0,0とする。
【0075】
つまり、処理対象画素paがアーチファクトである蓋然性が高いほど、その画素の画素値をz軸方向に平滑化し、当該蓋然性が低いほど、その画素の画素値をオリジナルの画素値として残すようにする。
【0076】
ステップS607では、次の処理対象画素paとして設定すべき画素があるか否かを判定する。あれば、ステップS603に戻り、新たに処理対象画素paを選択する。なければ、ステップS608に進む。
【0077】
ステップS608では、次の処理対象画像Gaとして設定すべき画像があるか否かを判定する。次の処理対象画像Gaとして設定すべき画像がある場合には、ステップS601に戻り、新たに処理対象画像Gaを選択する。なければ、アーチファクト低減処理を終了する。
【0078】
ここで、一般的なフィルタリング処理と本提案法によるフィルタリング処理との比較・考察を行う。
【0079】
通常、フィルタリング処理では、処理対象画像Gaを含みz軸方向に一定の幅を有する所定範囲内の再構成画像を用いる。
【0080】
このとき、一般的なフィルタリング処理では、操作者41への提供が計画されている再構成画像、すなわち、本例における第1の再構成面s1に対応する画像のみを用いる。
【0081】
図10は、一般的なフィルタリング処理を説明するための図である。例えば、
図10に示すように、処理対象画像Gaに対応する再構成面を中心に、±スライス厚Δzの幅(スライス厚Δzの2倍の幅)を有する範囲内の第1の再構成面s1の画像を用いて、フィルタリング処理を行う。つまり、フィルタリング処理に用いる画像を、処理対象画像Gaとなる1枚の第1の再構成面s1の画像と、この処理対象画像Gaに最近傍となる他の2枚の第1の再構成面s1の画像とから成る計3枚の画像とする。
【0082】
この方法は、操作者41への提供が計画され再構成される画像をそのまま利用する方法であり、考え方としてはとても自然であるとともに、非常に効率的である。しかし、この方法では、フィルタリング処理に用いる画像が、操作者41への提供が事前に計画された画像のみとなるので、フィルタリング処理に用いる画像のz軸方向の密度は、スライス厚などの撮影条件によって決定され、固定されることになる。また、フィルタリング処理に用いる画像のz軸方向の範囲を広く取ると、この範囲内の画像間における撮影対象の構造物のz軸方向における変化が過大となり、処理対象画像Gaにおいてその構造物を表す画素のフィルタリング処理後の画素値の精度が悪くなる。そのため、フィルタリング処理に用いる画像のz軸方向の範囲は、その範囲内における構造物のz軸方向の変化が一定レベル以下となるように制限する必要がある。その結果、フィルタリング処理に用いる画像の枚数は、設定されるスライス厚などによってほぼ決定されることになる。すなわち、フィルタリング処理によるアーチファクト低減効果は、設定されるスライス厚に大きく依存し、仕様として認めた最小のスライス厚が設定された場合に、その効果が最大となる。
【0083】
一方、本提案法では、操作者41に提供される画像をそのまま用いてアーチファクト低減処理を行うという自然な発想を超えて、操作者41への提供を目的としない第2の再構成面s2の画像を意図的に生成し、これらの画像を用いてフィルタリング処理を行う。
【0084】
図11は、本提案法によるフィルタリング処理を説明するための図である。例えば、
図11に示すように、互いに隣接する2つの第1の再構成面s1の間ごとに第2の再構成面s2を設定する。そして、処理対象画像Gaに対応する再構成面を中心に、±スライス厚Δzの幅を有する範囲内の再構成面の画像を用いて、フィルタリング処理を行う。すなわち、フィルタリング処理に用いる画像を、処理対象画像Gaとなる1枚の第1の再構成面s1の画像と、この処理対象画像Gaに最近傍となる2枚の他の第1の再構成面s1の画像とに加え、それぞれがこれら第1の再構成面s1同士の間に位置する2枚の第2の再構成面s2の画像とから成る計5枚の画像とする。
【0085】
この方法では、z軸方向における画像の密度を高めることにより、フィルタリング処理に用いる画像のz軸方向における範囲は維持したまま、その範囲内の画像の枚数を増大させることができ、一般的な方法よりもアーチファクト低減効果を向上させることができる。特に、z軸方向に連続的な複数の画像における画素値のz軸方向の変化を基に処理対象画像の画素領域がアーチファクトである蓋然性を求め、その蓋然性に応じてフィルタリング処理のパラメータを変えるような場合には、以下に説明するように、アーチファクト低減効果は更なる向上が期待できる。
【0086】
ここで、再構成画像のz軸方向における位置の僅かな変化に対して、同じ座標の画素の画素値がどのように変化するかを考えてみる。撮影対象の構造物を表す画素では、再構成画像のz軸方向における位置の僅かな変化に対して、画素値がほぼ維持される傾向にある。一方、アーチファクトを表す画素では、再構成画像のz軸方向における位置の僅かな変化に対して、画素値が大きく変動する傾向にある。そのアーチファクトが、ヘリカルスキャンに起因するヘリカルアーチファクトや、コーンビーム投影データに起因するコーンビームアーチファクトである場合には、その傾向は顕著である。したがって、本提案法では、撮影対象の構造物とアーチファクトとの差別化をより高い精度で行うことができ、フィルタリング処理の更なる最適化を図ることができる。そして、z軸方向における画像の密度を高めて、フィルタリング処理に用いる画像を増大させるほど、アーチファクトの低減効果をより高めることができる。ただし、z軸方向における画像の密度を高めることは、再構成する画像の枚数を増大させることを意味し、画像再構成に掛かる時間も増大することになる。そのため、実装では、フィルタリング処理後の画像の精度とその処理に要する時間とのバランスを十分考慮して、第2の再構成面の数や間隔を設定する必要がある。
【0087】
なお、第2の再構成面の設定の好適な例としては、スライス厚Δzの最小の設定を0.625mmとした場合、
図11に示すように、互いに隣接する2つの第1の再構成面の間ごとに第2の再構成面を設定する例が考えられる。また、フィルタリング処理に用いる画像の好適な例としては、
図11に示すように、処理対象画像に対応する再構成面を中心に、±スライス厚Δzの幅を有する範囲内の再構成面の画像とする例が考えられる。
【0088】
ここで、実際に得られた画像の比較例を示す。
【0089】
図12は、実際に得られた画像の比較例を示す図である。この図の画像は、いずれも人の頭部をヘリカルスキャンして得られた同一の投影データに基づく断層像である。スライス厚は0.625mmである。
図12(a)は、アーチファクト低減処理を行う前のオリジナル画像である。この画像からは、耳骨周辺にアーチファクトが確認できる。
図12(b)は、従来法によるアーチファクト低減処理を行った後の画像であり、指標値の特定及びフィルタリング処理に、処理対象画像とその最近傍の2枚の第1の再構成面の画像とから成る計3枚の画像を用いている。この画像からは、アーチファクトの改善は見て取れるが、それでもアーチファクトが残っている。
図12(c)は、従来法によるアーチファクト低減処理を行った後の画像であり、フィルタリング処理のパラメータを強めに調整したものである。この図からは、一部アーチファクトが改善されているものの、矢印で示すようにまだ残余がある。
図12(d)は、本提案法によるアーチファクト低減処理を行った後の画像であり、指標値indexの特定及びフィルタリング処理に、処理対象画像Gaとその最近傍の2枚の第1の再構成面s1の画像とこれらの間の2枚の第2の再構成面s2の画像とを用いている。この図からは、従来法によるものと比較して、アーチファクト低減効果が高いことが見て取れる。
【0090】
このような本実施形態によれば、撮影対象のz軸方向において、操作者41への画像の提供が計画されている第1の再構成面s1とは異なる位置に第2の再構成面s2を設定し、少なくともその第2の再構成面s2の画像を用いてアーチファクト低減処理を行うので、アーチファクト低減処理に用いる複数の画像について、それらの画像が含まれるz軸方向の範囲を広げずに、それらの画像の枚数を増大させることができる。つまり、アーチファクト低減処理に用いるz軸方向の連続性データを増補することができる。その結果、より精度の良い補正を行うことができ、操作者41に提供される再構成画像上のアーチファクトをより低減することができる。
【0091】
また、本実施形態によれば、第2の再構成面s1を処理対象画像Gaに近接して設定しているので、z軸方向の位置が僅かに異なる複数の再構成面の画像をより多く用いてアーチファクト低減処理を行うことが可能である。このようにすれば、z軸方向の位置の僅かな変化に対して、画素値がほとんど変化しない撮影対象の構造物と画素値が大きく変動しやすいアーチファクトとの弁別性を高めることができ、より大きなアーチファクト低減効果を得ることができる。特に、ヘリカルスキャンにより得られた投影データに基づいて再構成された画像に現れる風車状のヘリカルアーチファクトは、z軸方向の位置の変化に対して非常に敏感に反応し、画素値が大きく変動する性質を持つ。そのため、本実施形態では、ヘリカルアーチファクトに対して非常に大きなアーチファクト低減効果を得ることができる。
【0092】
また、本実施形態によれば、処理対象画像Gaを含むz軸方向の所定範囲内の複数の画像において、処理対象画素paと同じxy座標の画素の画素値pの変化を特定し、その変化から処理対象画素paがアーチファクトである蓋然性を求め、その蓋然性に応じたパラメータによりz軸方向のフィルタリング処理を行っており、また、その処理対象画像Gaを含む所定範囲内の複数の画像として、第2の再構成面s2の画像を用いているので、撮影対象の構造物とアーチファクトとの弁別性をより高めてアーチファクトをより低減することができる。
【0093】
また、本実施形態によれば、処理対象画像Gaに対応する第1の再構成面s1とこの再構成面に最も近い第2の再構成面s2との距離が、操作者41が設定可能な最小のスライス厚よりも小さいので、操作者41が設定可能な最小のスライス厚を設定した場合よりも、画像のz軸方向における密度を高めることができ、アーチファクト低減効果を従前での最大レベルよりさらに引き上げることができる。
【0094】
なお、発明は、本実施形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
【0095】
例えば、処理対象画素paがアーチファクトである蓋然性を更に高い精度で求め、その蓋然性が一定レベルを超えるときにのみ、処理対象画素paに対してアーチファクトを低減するための処理を行うようにしてもよい。例えば、次のような処理を行ってもよい。まず、処理対象画素paの周辺領域、あるいは処理対象画像Gaにおける全領域もしくは被検体の占有領域である所定領域の各画素について、処理対象画素paの場合と同様の指標値を求める。次に、その所定領域を構成する画素のうち指標値indexが閾値0を超える画素の割合を求める。そして、この割合が一定レベルを超える場合に、処理対象画素paはアーチファクトであると考え、この場合にのみ、処理対象画素paに対してアーチファクトを低減するためのフィルタリングなどの処理を行う。
【0096】
また例えば、第2の再構成面s2の設定や解析範囲Rcの設定については、本実施形態に限定されず、種々の設定が可能である。例えば、解析範囲Rcを、処理対象画像Gaと処理対象画像Gaに最近傍の2N枚(N≧2)の画像とが含まれる範囲とし、処理対象画像Gaである第1の再構成面s1の画像と、その両隣りに並ぶ第1の再構成面s1及び第2の再構成面s2から成る2N枚の画像とを、処理用画像Gcとすることができる。
【0097】
図13,
図14は、第2の再構成面の他の設定例を示す図である。第2の再構成面s2は、
図13に示すように、互いに隣接する2つの第1の再構成面s1の間ごとにN枚(N≧2)ずつ設定するようにしてもよい。この場合、例えば、
図13で示すように、解析範囲Rcを、処理対象画像Gaと処理対象画像Gaに最近傍の2N枚の画像とが含まれる範囲とし、処理対象画像Gaである第1の再構成面s1の画像と、その両隣りに並ぶ2N枚の第2の再構成面s2の画像とを、処理用画像Gcとすることができる。また例えば、
図14で示すように、解析範囲Rcを、処理対象画像Gaと処理対象画像Gaに最近傍の2N+2枚の画像が含まれる範囲とし、処理対象画像Gaである第1の再構成面s1の画像と、その両隣りに並ぶ2N枚の第2の再構成面s2の画像と2枚の第1の再構成面s1の画像とを、処理用画像Gcとすることができる。
【0098】
また例えば、本実施形態では、処理対象画像Gaの近傍における複数の画像において、処理対象画素paと同じxy座標の画素におけるz軸方向での画素値の最大変化量Δpを求め、この最大変化量Δpに基づいて指標値indexを特定し、その指標値indexに応じたパラメータを用いて処理対象画素paに対するフィルタリング処理を行っている。しかし、この方法とは別に、指標値indexを求めずに、上記の画素値の最大変化量Δpに応じたパラメータを用いて処理対象画素paに対するフィルタリング処理を行うようにしてもよい。
【0099】
また例えば、本実施形態では、操作者41に提供する第1の再構成面s1の画像すべてに対してアーチファクト低減処理を行っているが、その中の特定の画像に対してのみ、アーチファクト低減処理を行ってもよい。この場合、上記特定の画像である処理対象画像の近傍に第2の再構成面s2の画像を少なくとも1つ再構成し、その後、その第2の再構成面s2の画像を用いてアーチファクト低減処理を行えばよい。
【0100】
また例えば、本実施形態は、X線CT装置であるが、上記の画像生成処理を行う画像生成装置も発明の実施形態の一例である。また、コンピュータを、このような画像生成装置として機能させるためのプログラム、このプログラムが記憶された記憶媒体などもまた、発明の実施形態の一例である。
【0101】
また例えば、本実施形態は、X線CT装置であるが、発明は、X線CT装置とPETまたはSPECTとを組み合わせたPET−CT装置やSPECT−CT装置などにも適用可能である。