特許第6321408号(P6321408)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6321408
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】車両用ミラー装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/072 20060101AFI20180423BHJP
【FI】
   B60R1/072
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-49285(P2014-49285)
(22)【出願日】2014年3月12日
(65)【公開番号】特開2015-171877(P2015-171877A)
(43)【公開日】2015年10月1日
【審査請求日】2016年8月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】横山 一幸
(72)【発明者】
【氏名】大橋 正継
(72)【発明者】
【氏名】荒井 誠弘
【審査官】 三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−278537(JP,A)
【文献】 米国特許第04718756(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 1/02 − 1/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられる第1ミラーと、
前記第1ミラーを支持し、前記第1ミラーを傾動させることで前記第1ミラーの鏡面角度が調整される電動式の第1傾動機構と、
車両に設けられる第2ミラーと、
前記第1傾動機構が支持すると共に、前記第2ミラーを支持し、前記第1傾動機構が前記第2ミラーを傾動させることで前記第2ミラーの鏡面角度が調整されると共に、前記第2ミラーを傾動させることで前記第2ミラーの鏡面角度が調整され、かつ、前記第1傾動機構が前記第2ミラーを所定方向側に傾動させると同時に前記第2ミラーを所定方向側に傾動させることで前記第2ミラーの鏡面角度が調整される電動式の第2傾動機構と、
を備えた車両用ミラー装置。
【請求項2】
前記第2ミラーの鏡面中心の一側に前記第2ミラーの傾動中心を配置した請求項1記載の車両用ミラー装置。
【請求項3】
前記第2ミラーを前記第1ミラーの表側に配置した請求項1又は請求項2記載の車両用ミラー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設けられる第1ミラー及び第2ミラーを傾動させる車両用ミラー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載された後方視認ミラーでは、第1駆動機構が第1ミラーを傾動させると共に、第2駆動機構が第2ミラーを傾動させる。
【0003】
ところで、この後方視認ミラーでは、第1駆動機構と第2駆動機構とが別々に鏡殻に支持されている。
【0004】
ここで、このような後方視認ミラーでは、例えば第2ミラーの傾動速度を大きくできるのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国実用新案公告第202163359号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事実を考慮し、第2ミラーの傾動速度を大きくできる車両用ミラー装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の車両用ミラー装置は、車両に設けられる第1ミラーと、前記第1ミラーを支持し、前記第1ミラーを傾動させることで前記第1ミラーの鏡面角度が調整される第1傾動機構と、車両に設けられる第2ミラーと、前記第1傾動機構が支持すると共に、前記第2ミラーを支持し、前記第1傾動機構が前記第2ミラーを傾動させることで前記第2ミラーの鏡面角度が調整されると共に、前記第2ミラーを傾動させることで前記第2ミラーの鏡面角度が調整される第2傾動機構と、を備えている。
【0008】
請求項2に記載の車両用ミラー装置は、請求項1に記載の車両用ミラー装置において、前記第2ミラーの鏡面中心の一側に前記第2ミラーの傾動中心を配置している。
【0009】
請求項3に記載の車両用ミラー装置は、請求項1又は請求項2に記載の車両用ミラー装置において、前記第2ミラーを前記第1ミラーの表側に配置している。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の車両用ミラー装置では、第1傾動機構が第1ミラーを支持しており、第1傾動機構が第1ミラーを傾動させることで、ミラーの鏡面角度が調整される。さらに、第2傾動機構が第2ミラーを支持しており、第2傾動機構が第2ミラーを傾動させることで、第2ミラーの鏡面角度が調整される。
【0012】
ここで、第1傾動機構が第2傾動機構を支持しており、第1傾動機構が第2ミラーを傾動させることで、第2ミラーの鏡面角度が調整される。このため、第1傾動機構が第2ミラーを傾動させると共に、第2傾動機構が第2ミラーを傾動させることで、第2ミラーの傾動速度を大きくできる。
【0013】
請求項2に記載の車両用ミラー装置では、第2ミラーの鏡面中心の一側に第2ミラーの傾動中心が配置されている。このため、第2ミラーの傾動によって第2ミラーによる視認範囲を一側に大きく変更できる。
【0014】
請求項3に記載の車両用ミラー装置では、第2ミラーが第1ミラーの表側に配置されている。このため、第2ミラーによる視認が制限されることを抑制可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1実施形態に係る車両用ドアミラー装置を示す車両後方から見た正面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る車両用ドアミラー装置の主要部を示す上方から見た断面図(図1の2−2線断面図)である。
図3】(A)及び(B)は、本発明の第1実施形態に係る車両用ドアミラー装置におけるサブユニットを示す図であり、(A)は、車両後方から見た正面図であり、(B)は、上方から見た平面図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る車両用ドアミラー装置の主要部を示す上方から見た断面図(図1の2−2線位置断面図)である。
図5】本発明の第3実施形態に係る車両用ドアミラー装置を示す車両後方から見た正面図である。
図6】(A)及び(B)は、本発明の第4実施形態に係る車両用ドアミラー装置におけるサブユニットを示す図であり、(A)は、車両後方から見た正面図であり、(B)は、上方から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
【0018】
図1には、本発明の車両用ミラー装置が適用された第1実施形態に係る車両用ドアミラー装置10が車両後方から見た正面図にて示されており、図2には、車両用ドアミラー装置10の主要部が上方から見た断面図(図1の2−2線断面図)にて示されている。なお、図面では、車両前方を矢印FRで示し、車幅方向外方(車両右方)を矢印OUTで示し、上方を矢印UPで示している。
【0019】
図1に示す如く、本実施形態に係る車両用ドアミラー装置10は、設置部材としてのステー(図示省略)を備えており、ステーが車両のドア(フロントドア、車体側)の上下方向中間部の前端外側に固定されることで、車両用ドアミラー装置10がドアに設置されている。ステーは、上側において、収容部材としての略直方体形容器状のバイザ12を支持しており、バイザ12は、ステーに対し車幅方向外側に突出されている。バイザ12の車両後側壁には、略矩形状の開口14が形成されており、開口14は、バイザ12内を車両後側に開放させている。
【0020】
バイザ12内には、図2に示す第1傾動機構としての電動式のメインユニット16(第1鏡面角度調整装置)が設けられている。
【0021】
メインユニット16の車両前側部分には、支持部としての略半球形容器状のケース18が設けられており、ケース18内は、車両後側に開放されている。ケース18は、バイザ12に支持されており、これにより、メインユニット16がバイザ12に支持されている。
【0022】
メインユニット16の車両後側部分には、第1傾動部としての略有底円筒状の傾動筒20が設けられており、傾動筒20の車両後側端には、略円板状の底壁が設けられている。傾動筒20の底壁は、ケース18に傾動(揺動、回動)可能に保持されており、傾動筒20は、底壁の中心Oを中心としてケース18に対し傾動可能にされている。傾動筒20の周壁は、車両前側へ向かうに従い径が徐々に小さくされており、傾動筒20の周壁は、ケース18の周壁に対し摺動可能にされている。
【0023】
ケース18内には、第1傾動手段(モータ)としての上下モータ及び内外モータ(図示省略)が固定されており、上下モータ及び内外モータには、それぞれ作動部材としての棒状の上下ロッド22及び内外ロッド24(図1参照)がギア機構(図示省略)を介して接続されている。上下ロッド22及び内外ロッド24は、ケース18内に車両前後方向(軸方向)へスライド(移動)可能に保持されており、上下ロッド22の先端(車両後側端)は、傾動筒20の底壁中心Oの上方(下方でもよい)において、傾動筒20の底壁に回動可能に保持されると共に、内外ロッド24の先端(車両後側端)は、傾動筒20の底壁中心Oの車幅方向外方(車幅方向内方でもよい)において、傾動筒20の底壁に回動可能に保持されている。
【0024】
上下モータ及び内外モータは、バイザ12内又は車体側の制御手段としてのECU26(ミラーECU、図3(A)参照)に電気的に接続されており、ECU26には、車両の操作手段としての調整操作装置28(図3(A)参照)が電気的に接続されている。調整操作装置28は、車両の乗員(特に運転手)によりメインユニット16に対する操作(第1操作)を可能にされており、調整操作装置28がメインユニット16に対する操作をされた際には、ECU26の制御により、メインユニット16が作動されて、上下モータ及び内外モータの少なくとも一方が駆動されることで、上下ロッド22及び内外ロッド24の少なくとも一方が車両前後方向へスライドされて、傾動筒20がケース18に対し傾動される。
【0025】
傾動筒20の底壁の車両後側には、支持部材としての略矩形板状のミラーホルダ30が着脱可能に装着されており、ミラーホルダ30は、バイザ12内の開口14近傍に収容されている。
【0026】
ミラーホルダ30の車幅方向外側端部以外の部分は、第1支持部としての略有底矩形枠状のメインホルダ30Aにされており、メインホルダ30A内は、車両後側に開放されている。メインホルダ30A内には、第1ミラーとしての略矩形板状のメインミラー32が保持(固定)されており、メインミラー32の鏡面32A(裏側の反射膜の表面)が車両後側に向けられることで、乗員がメインミラー32(鏡面32A)によって車両後側を視認可能にされている。また、鏡面32Aの面中心(面重心)は、傾動筒20の底壁中心Oに車両前後方向において対向されている。
【0027】
上述の如く、メインユニット16が作動されて、傾動筒20がケース18に対し傾動される際には、ミラーホルダ30及びメインミラー32が傾動筒20と一体に傾動されて、メインミラー32の鏡面32A角度(鏡面32Aが向けられる方向)が調整される。また、メインユニット16が作動されて、上下モータが駆動される際には、上下ロッド22が車両前後方向へスライドされることで、メインミラー32が上下方向において傾動されて、メインミラー32の鏡面32A角度が上下方向において調整される。さらに、メインユニット16が作動されて、内外モータが駆動される際には、内外ロッド24が車両前後方向へスライドされることで、メインミラー32が車幅方向において傾動されて、メインミラー32の鏡面32A角度が車幅方向において調整される。
【0028】
ミラーホルダ30の車幅方向外側端部は、第2支持部としての略有底矩形枠状のサブホルダ30Bにされており、サブホルダ30B内は、車両後側に開放されている。サブホルダ30B内には、図3(A)及び図3(B)に示す第2傾動機構としての電動式のサブユニット34(第2鏡面角度調整装置)が設けられている。
【0029】
サブユニット34には、第2傾動手段(モータ)としてのサブモータ36が設けられており、サブモータ36は、サブホルダ30B内に固定されると共に、出力軸が上下方向に平行に配置されている。サブモータ36の出力軸には、出力ギア38が同軸上に固定されており、出力ギア38は、ウォームにされている。出力ギア38には、入力ギア40が噛合されており、入力ギア40は、ウォームホイールにされている。入力ギア40の中心軸は、サブホルダ30B内に回転可能に支持されており、入力ギア40の中心軸は、車幅方向に平行に配置されている。入力ギア40の中心軸には、伝達ギア42が同軸上に固定されており、伝達ギア42は、かさ歯車にされている。伝達ギア42には、作動ギア44が噛合されており、作動ギア44は、かさ歯車にされている。作動ギア44の第2傾動部としての中心軸44Aは、サブホルダ30B内に回転可能に支持されており、作動ギア44の中心軸44Aは、上下方向に平行に配置されている。
【0030】
サブモータ36は、ECU26に電気的に接続されている。調整操作装置28は、乗員によりサブユニット34に対する操作(第2操作)を可能にされており、調整操作装置28がサブユニット34に対する操作をされた際には、ECU26の制御により、サブユニット34が作動されて、サブモータ36が駆動されることで、出力ギア38、入力ギア40、伝達ギア42及び作動ギア44が回転されて、作動ギア44の中心軸44Aが回転される。
【0031】
図2に示す如く、作動ギア44の中心軸44Aには、車両後側において、第2ミラーとしての略矩形板状のサブミラー46(補助ミラー)が固定されており、サブミラー46の鏡面46A(裏側の反射膜の表面)が車両後側に向けられることで、乗員がサブミラー46(鏡面46A)によって車両後側を視認可能にされている。また、鏡面46Aの面中心(面重心)は、伝達ギア42の中心軸44Aに車両前後方向において対向されている。
【0032】
上述の如く、サブユニット34が作動されて、作動ギア44の中心軸44Aが回転される際には、サブミラー46が作動ギア44の中心軸44Aと一体に車幅方向において傾動されて、サブミラー46の鏡面46A角度(鏡面46Aが向けられる方向)が車幅方向において調整される。
【0033】
図3(A)に示す如く、ECU26には、検知手段としての検知装置48が電気的に接続されており、検知装置48は、車両の車両用ドアミラー装置10側における車幅方向外側の危険物(他の車両等)を検知可能にされている。
【0034】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0035】
以上の構成の車両用ドアミラー装置10では、調整操作装置28がメインユニット16に対する操作をされた際に、ECU26の制御により、メインユニット16が作動されて、上下モータ及び内外モータの少なくとも一方が駆動されることで、上下ロッド22及び内外ロッド24の少なくとも一方が車両前後方向へスライドされる。このため、傾動筒20、ミラーホルダ30及びメインミラー32がケース18に対し上下方向及び車幅方向の少なくとも一方において傾動されて、メインミラー32が通常位置に傾動されることで、メインミラー32の鏡面32A角度が調整されて、乗員のメインミラー32による視認範囲が調整される。
【0036】
また、調整操作装置28がサブユニット34に対する操作をされた際には、ECU26の制御により、サブユニット34が作動されて、サブモータ36が駆動されることで、出力ギア38、入力ギア40、伝達ギア42及び作動ギア44が回転される。このため、サブミラー46が作動ギア44の中心軸44Aと一体に車幅方向において傾動されて、サブミラー46が通常位置に傾動されることで、サブミラー46の鏡面46A角度が調整されて、乗員のサブミラー46による視認範囲が調整される。
【0037】
検知装置48が車両の車両用ドアミラー装置10側における車幅方向外側の危険物を検知した際(所定の機会)には、ECU26の制御により、メインユニット16が作動されて、内外モータが駆動されることで、内外ロッド24が車両前方へスライドされて、傾動筒20、ミラーホルダ30及びメインミラー32がケース18に対し車幅方向外側に傾動される。しかも、この際には、ECU26の制御により、サブユニット34が作動されて、サブモータ36が駆動されることで、作動ギア44が回転されて、サブミラー46が作動ギア44の中心軸44Aと一体に車幅方向外側に傾動される。このため、メインミラー32(ミラーホルダ30を含む)及びサブミラー46が変更位置に傾動されて、メインミラー32の鏡面32Aが車幅方向外側に向けられると共に、サブミラー46の鏡面46Aが車幅方向外側に向けられることで、乗員がサブミラー46によって危険物を視認できる(メインミラー32によっても危険物を視認できてもよい)。
【0038】
その後、検知装置48が危険物を検知しなくなった際には、ECU26の制御により、メインユニット16が作動されて、内外モータが駆動されることで、内外ロッド24が車両後方へスライドされて、傾動筒20、ミラーホルダ30及びメインミラー32がケース18に対し車幅方向内側に傾動される。しかも、この際には、ECU26の制御により、サブユニット34が作動されて、サブモータ36が駆動されることで、作動ギア44が回転されて、サブミラー46が作動ギア44の中心軸44Aと一体に車幅方向内側に傾動される。このため、メインミラー32及びサブミラー46が通常位置に傾動(復帰)される。
【0039】
ここで、メインユニット16がミラーホルダ30を介してサブユニット34を支持すると共に、サブユニット34がサブミラー46を支持している。このため、メインユニット16が作動されてミラーホルダ30及びサブユニット34を介してサブミラー46が傾動されると同時に、サブユニット34が作動されてサブミラー46が傾動されることで、サブミラー46の傾動速度を大きくできて、サブミラー46の鏡面46A角度の調整速度を大きくできる。
【0040】
特に、検知装置48が危険物を検知した際には、メインユニット16が作動されてサブミラー46が車幅方向外側に傾動されると同時に、サブユニット34が作動されてサブミラー46が車幅方向外側に傾動される。これにより、サブミラー46を高速で変更位置に傾動させることができて、乗員がサブミラー46によって早期に危険物を視認できる。
【0041】
しかも、その後、検知装置48が危険物を検知しなくなった際には、メインユニット16が作動されてサブミラー46が車幅方向内側に傾動されると同時に、サブユニット34が作動されてサブミラー46が車幅方向内側に傾動される。これにより、サブミラー46を高速で通常位置に傾動させることができて、サブミラー46を早期に通常位置に復帰させることができる。
【0042】
[第2実施形態]
【0043】
図4には、本発明の車両用ミラー装置が適用された第2実施形態に係る車両用ドアミラー装置60の主要部が上方から見た断面図(図1の2−2線位置断面図)にて示されている。
【0044】
本実施形態に係る車両用ドアミラー装置60は、上記第1実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0045】
図4に示す如く、本実施形態に係る車両用ドアミラー装置60では、ミラーホルダ30のメインホルダ30Aとサブホルダ30Bとが分離されている。メインホルダ30Aは、車幅方向外側に拡大されており、メインミラー32は、メインホルダ30Aと共に車幅方向外側に拡大されている。サブホルダ30Bは、メインミラー32の車幅方向外側端部の車両後側(表側)に固定されており、サブミラー46は、メインミラー32の車両後側に配置されている。
【0046】
ここで、本実施形態でも、上記第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0047】
さらに、サブミラー46がメインミラー32の車両後側に配置されている。このため、サブミラー46がバイザ12内の開口14より車両前側に大きく侵入されることを抑制でき、乗員のサブミラー46による視認がバイザ12の開口14周囲の周壁に制限されることを抑制できる。
【0048】
特に、検知装置48が危険物を検知して、メインミラー32及びサブミラー46が車幅方向外側に変更位置まで傾動された際でも、サブミラー46がバイザ12内の開口14より車両前側に大きく侵入されることを抑制でき、乗員のサブミラー46による危険物の視認がバイザ12の開口14周囲の周壁に制限されることを抑制できる。
【0049】
[第3実施形態]
【0050】
図5には、本発明の車両用ミラー装置が適用された第3実施形態に係る車両用ドアミラー装置70が車両後方から見た正面図にて示されている。
【0051】
本実施形態に係る車両用ドアミラー装置70は、上記第1実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0052】
図5に示す如く、本実施形態に係る車両用ドアミラー装置70では、ミラーホルダ30のメインホルダ30Aの上側部分が、車幅方向外側に拡大されており、メインミラー32の上側部分は、メインホルダ30Aと共に車幅方向外側に拡大されている。ミラーホルダ30のサブホルダ30Bは、ミラーホルダ30の車幅方向外側端部の下側部分に設けられており、サブミラー46は、上下方向寸法を小さくされて、サブホルダ30B内に配置されている。
【0053】
ここで、本実施形態でも、上記第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0054】
なお、本実施形態では、上記第1実施形態において、ミラーホルダ30、メインミラー32及びサブミラー46を変更した。しかしながら、上記第2実施形態において、ミラーホルダ30、メインミラー32及びサブミラー46を本実施形態と同様に変更してもよい。この場合、ミラーホルダ30のサブホルダ30B及びサブミラー46の上下方向寸法が小さくされる。
【0055】
[第4実施形態]
【0056】
図6(A)には、本発明の車両用ミラー装置が適用された第4実施形態に係る車両用ドアミラー装置80の主要部が車両後方から見た正面図にて示されており、図6(B)には、車両用ドアミラー装置80の主要部が上方から見た平面図にて示されている。
【0057】
本実施形態に係る車両用ドアミラー装置80は、上記第1実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0058】
図6(A)及び図6(B)に示す如く、本実施形態に係る車両用ドアミラー装置80では、サブユニット34において、伝達ギア42がウォームにされると共に、作動ギア44がウォームホイールにされている。
【0059】
ここで、本実施形態でも、上記第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0060】
なお、本実施形態では、上記第1実施形態において、伝達ギア42及び作動ギア44を変更した。しかしながら、上記第2実施形態又は第3実施形態において、伝達ギア42及び作動ギア44を本実施形態と同様に変更してもよい。
【0061】
また、上記第1実施形態〜第4実施形態では、メインミラー32(メインホルダ30A)の車幅方向外側にサブミラー46(メインホルダ30A)を配置した。しかしながら、メインミラー32(メインホルダ30A)の車幅方向外側以外の側(例えば、上側、下側又は車幅方向内側)にサブミラー46(メインホルダ30A)を配置してもよい。
【0062】
さらに、上記第1実施形態〜第4実施形態では、サブミラー46を車幅方向において傾動可能にした。しかしながら、サブミラー46を上下方向及び車幅方向の少なくとも一方において傾動可能にすればよい。
【0063】
また、上記第1実施形態〜第4実施形態では、サブミラー46の傾動中心(伝達ギア42の中心軸44A)をサブミラー46の鏡面46Aの面中心に車両前後方向において対向させた。しかしながら、サブミラー46の傾動中心をサブミラー46の鏡面46Aの面中心の一側に配置してもよい。これにより、サブミラー46の傾動によって、乗員のサブミラー46による視認範囲を一側に大きく変更できる。特に、サブミラー46の傾動中心(伝達ギア42の中心軸44A)をサブミラー46の鏡面46Aの面中心の車幅方向外側に配置することで、サブミラー46の車幅方向外側への傾動によって乗員のサブミラー46による視認範囲を車幅方向外側に大きく変更でき、乗員がサブミラー46によって視認できる危険物の配置範囲を広くできる。
【0064】
さらに、上記第1実施形態〜第4実施形態では、検知装置48が危険物を検知した際に、ECU26の制御によりメインミラー32及びサブミラー46を車幅方向外側に傾動させる。しかしながら、所定の機会に、ECU26の制御によりメインミラー32及びサブミラー46を上下方向及び車幅方向の少なくとも一方に傾動させればよい。例えば、車両の方向指示器(操作装置)が操作された際に、ECU26の制御によりメインミラー32及びサブミラー46を車幅方向外側に傾動させてもよい。しかも、車両の自動変速機のシフトレンジがリバースレンジに変更された際に、ECU26の制御によりメインミラー32及びサブミラー46を下側に傾動させてもよい。
【0065】
また、上記第1実施形態〜第4実施形態では、サブミラー46の傾動中心(伝達ギア42の中心軸44A)をメインユニット16によるメインミラー32の作動位置(上下ロッド22及び内外ロッド24の傾動筒20底壁との連結位置)の車幅方向外側に配置した。しかしながら、サブミラー46の傾動中心とメインユニット16によるメインミラー32の作動位置(上下ロッド22及び内外ロッド24の少なくとも一方の傾動筒20底壁との連結位置)との車幅方向(水平方向)における位置を一致させてもよい。これにより、サブミラー46を上下ロッド22及び内外ロッド24の少なくとも一方によっても効果的に支持でき、車両の走行時におけるサブミラー46のびびりを効果的に抑制できる。
【0066】
さらに、本実施形態では、本発明を車両用ドアミラー装置10、60、70、80に適用した。しかしながら、本発明を他の車外や車内のミラー装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0067】
10 車両用ドアミラー装置(車両用ミラー装置)
16 メインユニット(第1傾動機構)
32 メインミラー(第1ミラー)
32A 鏡面
34 サブユニット(第2傾動機構)
46 サブミラー(第2ミラー)
46A 鏡面
図1
図2
図3
図4
図5
図6