(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1つの第2磁石を有する第2調整操作部、及び前記第2磁石に対向し、前記第2調整操作部の調整位置を検出する第2検出部を有し、制動力を調整する第2調整部をさらに備え、
前記第1磁束遮蔽部材は、前記第2検出部と、前記制動磁石との間にも配置される、請求項2から11のいずれか1項に記載の両軸受リールの制動ユニット。
前記第2検出部は、前記回路基板の前記第2面に前記第1検出部と実質的に180度間隔を隔てて配置される、請求項12又は13に記載の両軸受リールの制動ユニット。
前記複数のコイルを覆う第1カバー部、前記回路基板の少なくとも前記第1面を覆い、前記第1カバー部と一体形成された第2カバー部を有する段付き筒状の合成樹脂製のカバー部材をさらに備える、請求項3から14のいずれか1項に記載の両軸受リールの制動ユニット。
前記回路基板の第2面の少なくとも一部に設けられ、前記第1磁石と前記第2検出部との間及び前記第2磁石と前記第1検出部との間の少なくともいずれかに配置された第2磁束遮蔽部材をさらに備える、請求項12から16のいずれか1項に記載の両軸受リールの制動ユニット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光センサで調整操作部の位置を検出する場合、光センサからの光を調整操作部に照射する必要がある。このため、光センサから放射された光及び調整操作部から反射した光を通すための孔をリール本体に設ける必要があり、リールの構成が複雑になる。また、光は直進するとともに減衰するため、調整操作部を光センサの近くに配置する必要があり、調整操作部の配置が制限される。
【0005】
本発明の課題は、両軸受リールの制動ユニットにおいて、調整操作部の配置の制限を緩和して非接触かつ簡素な構成で調整操作部の調整位置を精度よく検出できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る両軸受リールの制動ユニットは、両軸受リールのリール本体に装着可能であり、スプールの回転を制動する。制動ユニットは、制動部と、第1調整部と、第1磁束遮蔽部材と、を備える。制動部は、リール本体及びスプールのいずれか一方に設けられた導電体、及びリール本体及びスプールのいずれか他方に、導電体と所定の隙間をあけて、少なくとも一部が対向するように設けられた制動磁石を有する。第1調整部は、少なくとも1つの第1磁石を有する第1調整操作部、及び第1磁石に対向し、第1調整操作部の調整位置を検出する例えばホール素子等の磁気センサを用いた第1検出部を有し、制動力を調整する。第1磁束遮蔽部材は、第1検出部と制動磁石との間に配置される。
【0007】
この制動ユニットでは、第1調整部の第1検出部が、第1調整操作部が有する第1磁石を検出することによって、第1調整操作部の調整位置を検出する。この第1検出部と制動磁石との間には、制動磁石の磁束を遮蔽する第1磁束遮蔽部材が配置される。これによって、第1磁石を検出して第1調整操作部の調整位置を検出しても、第1検出部が制動磁石の影響を受けにくい。このため、第1調整操作部の位置を精度よく検出できる。また、リール本体に、調整操作部の検出のための構造(例えば孔)を設ける必要がない。さらに、第1磁束遮蔽部材によって制動磁石からの磁束が遮蔽された第1検出部が第1磁石を検出可能な位置であれば第1調整操作部を任意に配置できる。このため、調整操作部の配置の制限を緩和して非接触かつ簡素な構成で調整操作部の調整位置を検出できるようになる。
【0008】
制動ユニットは、リール本体に設けられ、スプールに対向する第1面を有する回路基板をさらに備えてもよい。制動磁石は、スプールに設けられ、導電体は、回路基板の第1面に装着されてもよい。この場合には、導電体にコイルを用いれば、スプールを電気的に制動できる。
【0009】
制動磁石は、スプールに設けられた円筒形磁石であってもよい。導電体は、円筒形磁石の外周側に所定の間隔をあけて、回路基板の第1面に装着された複数のコイルであってもよい。この場合には、スプールを電気的に制動可能な制動ユニットにおいて、第1調整操作部の配置の制限を緩和して非接触かつ簡素な構成で第1調整操作部の調整位置を検出できるようになる。
【0010】
制動磁石は、スプールの回転軸に一体回転可能に装着されてもよい。この場合には、回転軸に装着された制動磁石は回路基板の内周側に対向して配置されるので、第1検出部を回路基板の外周側に配置すれば、第1検出部が制動磁石の磁束の影響をさらに受けにくくなる。
【0011】
第1磁束遮蔽部材は、回路基板の第1面の少なくとも一部に設けられてもよい。この場合には、第2面に配置された第1検出部へ向かう磁束を効率よく遮蔽できる。
【0012】
第1調整部の第1検出部は、第1面と反対側の第2面に配置されもよい。この場合には、第1検出部と制動磁石とが離反して配置される。このため、第1検出部が制動磁石の磁束の影響を受けにくくなる。
【0013】
第1検出部は、第2面の外周側に配置されてもよい。この場合には、回転軸に装着された制動磁石は回路基板の内周側に対向して配置されるので、第1検出部と制動磁石とが径方向に離反して配置される。このため、第1検出部が制動磁石の磁束の影響をさらに受けにくくなる。
【0014】
制動ユニットは、制動磁石の磁束の変化によってスプールの回転を検出する回転検出部をさらに備えてもよい。この場合には、制動磁石によってスプールの回転を検出できるので、スプールに回転検出用の構成が不要になりスプールの構成が簡素になる。
【0015】
回転検出部は、回路基板の第1面に設けられる。この場合には、回転検出部を制動磁石に近接して配置できる。
【0016】
回転検出部は、第1面の内周側に配置される。この場合には、制動磁石と回転検出部との距離が短くなるので、スプールの回転速度などをさらに精度よく検出できる。
【0017】
第1磁束遮蔽部材は、回転検出部の周囲に形成された切欠き部を有する、この場合には、制動磁石の磁束が回転検出部に切欠き部を介して遮蔽されずに到達し、スプールの回転速度などを精度よく検出できる。
【0018】
制動ユニットは、少なくとも1つの第2磁石を有する第2調整操作部、及び第2磁石に対向し、第2調整操作部の調整位置を検出する第2検出部を有し、制動力を調整する第2調整部をさらに備えてもよい。第1磁束遮蔽部材は、第2検出部と、制動磁石との間にも配置されてもよい。この場合には、第2検出部が制動磁石の磁束の影響を受けにくくなる。
【0019】
第2検出部は、回路基板の第1面と反対側の第2面に配置されてもよい。この場合には、第2検出部と制動磁石とが離反して配置される。このため、第2検出部が制動磁石の磁束の影響を受けにくくなる。
【0020】
第2検出部は、回路基板の第2面に第1検出部と実質的に180度間隔を隔てて配置される。この場合には第1磁石と第2検出部及び第1磁石と第2検出部との距離が遠くなる。このため、第1検出部が第2磁石の影響を受けにくくなり、かつ第2検出部が第1磁石の影響を受けにくくなる。
【0021】
制動ユニットは、複数のコイルを覆う第1カバー部と、回路基板の少なくとも第1面、を覆い、第1カバー部と一体形成された第2カバー部と、を有する段付き筒状の合成樹脂製のカバー部材をさらに備えてもよい。この場合には、カバー部材によって、回路基板及び回路基板に搭載された第1検出部、第2検出部、及び回転検出部を含む電気部品を保護できる。
【0022】
第1磁束遮蔽部材は、第2カバー部のスプールと対向する段差面に配置された第1遮蔽部と、回路基板の第1面に配置され、第1遮蔽部よりも内周側を遮蔽する第2遮蔽部と、を有してもよい。この場合には、第1磁束遮蔽部材をカバー部材と回路基板とに分けて配置できるので、第1磁束遮蔽部材で制動磁石の磁束を効率よく遮蔽できる。
【0023】
制動ユニットは、回路基板の第2面の少なくとも一部に設けられ、第1磁石と第2検出部との間及び第2磁石と第1検出部との間の少なくともいずれかに配置された第2磁束遮蔽部材をさらに備えてもよい。この場合には、第1検出部及び第2検出部の少なくともいずれかが、位置検出用の磁石の影響を受けにくくなる。このため、第1検出部及び第2検出部の少なくともいずれかの検出精度がさらに高くなる。
【0024】
本発明の別の発明に係る両軸受リールは、釣り竿に装着可能であり、釣り糸を前方に繰り出し可能である。両軸受リールは、第1側板及び前記第1側板と対向して配置される第2側板とを含むフレームを有するリール本体と、第1側板と第2側板の間に回転自在に配置されたスプールと、上記両軸受リールの制動ユニットと、を備える。
ここでは、上記作用効果を奏するRを得ることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、第1検出部が制動磁石の影響を受けにくいので、調整操作部の位置を精度よく検出できる。また、磁石を検出して調整操作部の位置を検出するので、調整操作部の配置の制限を緩和して非接触かつ簡素な構成で調整操作部の調整位置を検出できる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1及び
図2において、本発明の一実施形態が採用された両軸受リール100は、リール本体1と、ハンドル2と、スプール12と、スプール12を電気的に制動する制動ユニット20(
図2参照)と、を備える。
【0028】
<リール本体>
リール本体1は、一体形成されたフレーム5と、フレーム5のハンドル2側に配置される側カバー7と、を有する。
【0029】
フレーム5は、
図2に示すように、ハンドル2と逆側に配置された第1側板5aと、第2側板5b、第1側板5aと第2側板5bとを連結する複数の連結部5cと、サムレスト9と、を有する。第1側板5aは、スプール12が通過可能な円形の開口5dを有する。開口5dの周囲で、フレーム5の第1側板5aに軸支持部8が着脱可能に設けられる。
【0030】
サムレスト9は、
図1及び
図2に示すように、第1側板5aの上部に外側に張り出して形成される第1張り出し部9aと、第2側板5bの上部に外側に張り出して形成される第2張り出し部9bと、フレーム5の前部で第1側板5aと第2側板5bとを連結し前方に張り出して形成される第3張り出し部9cと、を有する。
【0031】
第2側板5bと側カバー7の間には、ハンドル2の回転をスプール12に伝達する図示しない回転伝達機構、ドラグ機構及びクラッチ制御機構が設けられる、側カバー7は、フレーム5にねじ止め固定される。ハンドル2は、リール本体1に回転自在に支持される。スプール12は、第1側板5aと第2側板5bとの間でリール本体1に回転自在に配置される。
【0032】
スプール12は、釣り糸を巻き付け可能な糸巻き部12aと、糸巻き部12aと一体に形成されスプール軸16に固定される筒状部12bと、を有する。筒状部12bの内周面にスプール軸16が一体回転可能に連結される。スプール軸16は、一端が後述する軸支持部8に軸受18によって回転自在に支持される。スプール軸16の他端は側カバー7に図示しない軸受によって回転自在に支持される。
【0033】
<制動ユニット>
制動ユニット20は、軸支持部8を有するカバー部6と、制動部30と、回路基板31と、制動部30の制動力を第1調整範囲で調整する第1調整部32と、制動部30の制動力を第2調整範囲で調整する第2調整部34と、スプール12の回転を検出する回転検出部36(
図4及び
図5参照)と、カバー部材38と、第1磁束遮蔽部材40と、を備える。
【0034】
<カバー部>
図2に示すように、カバー部6は、フレーム5の第1側板5aに着脱可能に装着される。カバー部6は、カバー本体6aと、カバー本体6aの内側面6bに装着される軸支持部8と、を有する。
【0035】
<カバー本体>
カバー本体6aの内側面6bには、軸支持部8を固定するための複数(例えば3つ)の固定ボス部6cが形成される。また、内側面6bには、制動ユニット20の後述する第1調整操作部50及び第2調整操作部54を回動自在に装着するための第1装着ボス部6d及び第2装着ボス部6eが各別に形成される。第1装着ボス部6dは、第1軸X1を中心に筒状に形成される。第1軸X1は、カバー本体6aが第1側板5aに装着された状態で、後述するスプール軸16と同芯に配置される。第2装着ボス部6eは、第1軸X1と平行な第2軸X2を中心に形成される。第2軸X2は、第1軸X1よりも前方かつ下方に配置される。
【0036】
カバー本体6aは、サムレスト9によって覆われる上側に設けられる第1周縁部6fと、第1周縁部6fとは異なる第2周縁部6gとを有する。カバー本体6aの第1周縁部6fは、サムレスト9の第1張り出し部9aによって覆われる。第1張り出し部9aは、規制部の一例である。第2周縁部6gは第1周縁部6fと反対側(下側に)に配置される。第1周縁部6fには、第1調整操作部50を外部に露出させるための第1開口部6hが概ね矩形に形成される。第2周縁部6gには、第2調整操作部54を外部に露出させるための第2開口部6iが概ね矩形に形成される。
【0037】
<軸支持部>
軸支持部8は、
図2及び
図3に示すように、スプール12のスプール軸16の一端を回転自在に支持する。スプール軸16はスプール12の回転軸の一例である。軸支持部8は、扁平有底円筒状の部材である。軸支持部8の中心には、スプール軸16の一端を回転自在に支持するための軸受18が収納される筒状の軸受収納部8aが内側面から突出して形成される。軸支持部8の外周面8bには、軸支持部8を開口5dの周囲で第1側板5aに対して着脱するための着脱リング22が回動自在に装着される。着脱リング22は公知のバヨネット構造によって、軸支持部8を第1側板5aに着脱可能に装着する。着脱リング22は外周面に径方向外方に突出する複数(例えば3つ)の爪部22aと、着脱操作のための操作把手22bと、を有する。複数の爪部22aは、厚さが徐々に薄くなる傾斜面を有し、開口5dの周囲に形成された図示しない複数の係合溝に係合する。操作把手22bは、後下方に両軸受リール0ル本体から径方向に突出して配置される。操作把手22bを指先で例えば下方に操作して、着脱リング22を一方向(例えば
図2の反時計回り)に回転させると、爪部22aが係合溝から離脱し、軸支持部8及びカバー部6が第1側板5aから外れる。また、操作把手22bを指先で例えば上方に操作して、着脱リング22他方向に回転させると、爪部22aが係合溝に係合し、軸支持部8及びカバー部6が第1側板5aに固定される。軸支持部8は、複数本(例えば3本)のボルト部材24によって、制動ユニット20の一部の構成とともにカバー部6に固定される。軸支持部8がカバー部6に固定された状態では、着脱リング22は、スプール軸方向の移動が規制され、軸支持部8に対して回転自在になる。
【0038】
<制動部>
制動部30は、スプール12と一体回転可能に設けられる制動磁石44、及び制動磁石44の外周側に所定の隙間をあけて筒状に配置され、直列接続された複数のコイル46を有する。コイル46は導電体の一例である。制動磁石44は、スプール軸16に一体回転可能に装着される。この実施形態では、制動磁石44は、接着によってスプール軸16に固定される。制動磁石44は、円筒形磁石である。複数のコイル46は、コイル取付部材48によって回路基板31に装着される。直列接続された複数のコイル46の両端は、回路基板31に電気的に接続される。この実施形態では、コイル46は4つ設けられる。各コイル46はそれぞれ円弧状に湾曲して形成され、複数のコイル4は、全体として概ね筒状に形成される。
【0039】
<回路基板>
回路基板31は、貫通孔31cを有する円板状に形成される。回路基板31は、軸支持部8の軸受収納部8aの外周側でスプール12と対向する面に装着される。回路基板31は、コイル46が装着される第1面31aと、第1面31aと反対側の第2面31bと、を有する。回路基板31は、ボルト部材24によって、軸支持部8、カバー部材38、及び第1磁束遮蔽部材40とともに、カバー部6に固定される。
【0040】
<第1調整部>
第1調整部32は、制動部30の、制動力の時間変化が異なる複数の制動モードのいずれかを選択するために設けられる。この実施形態では、例えば、釣り糸の種類(たとえば、ナイロンライン、フロロカーボンライン(ポリフッ化ビニリデン製の糸)、PEライン(ポリエチレン繊維を縒り合わせた糸))に応じた3つの制動モードに調整可能である。
【0041】
第1調整部32は、少なくとも1つ(例えば2つ)の第1磁石50aを有する第1調整操作部50、及び2つの第1磁石50aに対向し、第1調整操作部50の調整位置を検出する第1検出部52(
図3及び6参照)を有する。
【0042】
第1調整操作部50は、リール本体1に複数段階の第1調整範囲に移動可能に設けられる。この実施形態では、第1調整操作部50は、カバー本体6aの内側面6bに、例えば3段階の第1調整範囲に位置決め可能に回動自在に設けられる。第1調整操作部50は、例えば2つの第1磁石50aが装着されるレバー部材50bを有する。レバー部材50bは、先端に円弧状に湾曲し、表面に周方向に間隔を隔てて形成された複数の凸部50dを有する第1露出部50cを有する。レバー部材50bは、第1装着ボス部6dの外周面に第1軸X1回りに第1調整範囲で回動自在に取り付けられる。第1調整範囲は、例えば60度以下の範囲である。この実施形態では、第1装着ボス部6dがスプール軸16と同芯に配置されるので、第1調整操作部50は、スプール軸16回りに回動する。第1調整操作部50の第1露出部50cは、カバー部6に装着された状態で、第1周縁部6fに形成された第1開口部6hから突出して露出する。しかし、カバー部6が第1側板5aに装着された状態、すなわち制動ユニット20がリール本体1に装着された状態では、第1周縁部6fがサムレスト9によって覆われるため、第1調整操作部50の第1露出部50cは、リール本体1内に隠れる。これによって、釣りをしているときに、使用者の意志に反して、調整された状態が変化しない。
【0043】
第1検出部52は、
図3及び
図6に示すように、制動磁石44から離れた回路基板31の第2面31bの外周側に配置される。第1検出部52は、第2面31bに2つの第1磁石50aに対向可能な位置に配置された2つのホール素子52a、52bを有する。2つのホール素子52a、52bは、第1軸X1回りに間隔を隔てて配置される。
【0044】
<第2調整部>
第2調整部34は、制動部30の、強さが異なる複数の制動力のいずれかを選択するために設けられる。この実施形態では、例えば、制動力の強さを8段階に調整可能である。第2調整部34は、少なくとも1つ(例えば3つ)の第2磁石54aを有する第2調整操作部54、及び3つの第2磁石54aに対向し、第2調整操作部54の調整位置を検出する第2検出部56を有する。
【0045】
第2調整操作部54は、リール本体1に複数段階の第2調整範囲に移動可能に設けられる。この実施形態では、第2調整操作部54は、カバー本体6aの内側面6bに、例えば8段階の第2調整範囲に位置決め可能に回動自在に設けられる。第2調整操作部54は、例えば3つの第2磁石54aが装着される操作部本体54bと、操作部本体54bに、例えば弾性係合によって固定される第2露出部54cと、を有する。第2調整操作部54は、第2装着ボス部6eにねじ込まれるネジ部材55によって、カバー本体6aの内側面6bに第2軸X2回りに回動自在に取り付けられる。第2露出部54cは、カバー部6に装着された状態で、第2周縁部6gに形成された第2開口部6iから露出する。これによって、釣りをしているときに、両軸受リール100をパーミングする指の先端で第2調整操作部54を調整可能である。
【0046】
第2検出部56は、
図6に示すように、制動磁石44から離れた回路基板31の第2面31bの外周側に配置される。第2検出部56は、回路基板31の第2面31bに第1検出部52と実質的に180度間隔を隔てて配置される。第2検出部56は、回路基板31の第2面31bに3つの第2磁石54aに対向可能な位置に配置された3つのホール素子56a、56b、56cを有する。3つのホール素子56a、56b、56cは、第2軸X2回りに間隔を隔てて配置される。
【0047】
<回転検出部>
回転検出部36は、
図4及び
図5に示すように、制動磁石44の磁束の変化によって、スプール12の回転速度及びスプール12の回転方向を検出するために設けられる。また、スプール12の回転速度の時間変化によって釣り糸に作用する張力も検出可能である。回転検出部36は、回路基板31の第1面31aの内周側に、第1軸X1回りに間隔を隔てて配置された2つのホール素子36a、36bを有する。
【0048】
<カバー部材>
カバー部材38は、
図2に示すように、回路基板31、コイル46、及び回路基板31に搭載された電装品を絶縁するために設けられる合成樹脂製の段付き筒状の部材である。カバー部材38は、複数のコイル46の先端、内周部及び外周部を覆う第1カバー部38aと、回路基板31の外周部、内周部、第1面31a、及び第2面31bを覆い、第1カバー部38aと一体形成された第2カバー部38bと、を有する。第1カバー部38aは、制動磁石44の外周側に配置される。すなわち、カバー部材38は、コイル46及び検出部を含む電気部品が装着された回路基板31の全面を覆って、回路基板31を封止する。第2カバー部38bは、スプール12と対向する側で第1カバー部38aとの間に段差面38cを有する。なお、
図3及び
図4では、カバー部材38の図示を省略している。
【0049】
<第1磁束遮蔽部材>
第1磁束遮蔽部材40は、
図4から
図6に示すように、例えば鉄板製の部材である。第1磁束遮蔽部材40の少なくとも一部は回路基板31の第1面31aに設けられる。第1磁束遮蔽部材40は、第1検出部52及び第2検出部56に向かう制動磁石44の磁束を遮蔽するために設けられる。第1磁束遮蔽部材40を設けることによって、第1検出部52及び第2検出部56が制動磁石44の磁束の影響を受けることなく第1磁石50a及び第2磁石54aを精度よく検出できる。第1磁束遮蔽部材40は、第1検出部52と制動磁石44との間に配置される。また、第1磁束遮蔽部材40は、第2検出部56と制動磁石44との間にも配置される。第1磁束遮蔽部材40は、第2カバー部38bのスプール12と対向する段差面38cに固定されたリング状の第1遮蔽部40aと、回路基板31の第1面31aに、例えば接着などの適宜の固定手段によって固定され、第1遮蔽部40aよりも内周側を遮蔽する第2遮蔽部40bと、を有する。第1遮蔽部40aの内周部には、回転検出部36に制動磁石44の磁束が効率よく通るようにするための磁束通過用の切欠き部40cが形成される。切欠き部40cは、第1遮蔽部40aをカバー部材38に固定したときに、回転検出部36に対向する位置に配置される。第1遮蔽部40aは、軸支持部8及びカバー部材38によって封止された回路基板31とともに、ボルト部材24によってカバー部6に固定される。第2遮蔽部40bは、第1遮蔽部40aよりも内周側に配置されるC字状の部材である。第2遮蔽部40bは、回路基板31の貫通孔31cの周囲に、例えば接着などの適宜の固定手段によって固定される。第2遮蔽部40bの切欠き部40cに面する位置にC字の開いた部分40dが配置される。これによって、制動磁石44の磁束がさらに効率よく通るようになる。
【0050】
このように構成された制動ユニット20では、第1磁束遮蔽部材40は、制動磁石44と第1検出部52の間及び、制動磁石44と第2検出部56の間に配置される。このため、制動磁石44の磁束は、第1磁束遮蔽部材40によって遮蔽される。これによって、第1検出部52及び第2検出部56に、制動磁石44の磁束が届きにくくなり、第1検出部52及び第2検出部56が制動磁石44の磁束の影響を受けにくい。この結果、第1調整操作部50又は第2調整操作部54が操作され、第1磁石50a又は第2磁石54aの磁束が変化すると、第1検出部52及び第2検出部56が第1調整操作部50又は第2調整操作部54の調整位置を精度よく検出できる。このため、第1調整操作部50又は第2調整操作部54の配置の制限を緩和して非接触かつ簡素な構成で第1調整操作部50又は第2調整操作部54部の調整位置を検出できるようになる。
【0051】
<第2実施形態>
第1実施形態では、制動磁石44と第1検出部52及び第2検出部56の間に第1磁束遮蔽部材40を設けたが、本発明はこれに限定されない。
【0052】
図7に示す第2実施形態では、回路基板31の第2面31bにおいて、第1検出部52と第2磁石54aの間及び第2検出部56と第1磁石50aの間に第2磁束遮蔽部材140が配置される。第2磁束遮蔽部材140は、例えば、所定幅(例えば5mm程度)を有する鉄板を湾曲させて形成される。第2磁束遮蔽部材140は、第2磁石54aの第1検出部52への磁束を遮蔽する第3遮蔽部140aと、第1磁石50aの第2検出部56への磁束を遮蔽する第4遮蔽部140bと、を有する。
図7では、第3遮蔽部140aは、第1軸X1を中心とする円弧状に形成され、第4遮蔽部140bは、第2軸X2を中心とする円弧状に形成される。なお、第3遮蔽部140a及び第4遮蔽部140bの形状は円弧状に限定されず、第1磁石50aから第2検出部56への磁束及び第2磁石54aから第1検出部52への磁束を遮蔽できるものであればどのような形状でもよく、どのような位置に配置されてもよい。
【0053】
<第3実施形態>
図8に示すように、制動ユニット220は、制動部230と、制動部230の制動力を調整する第1調整部232と、第1磁束遮蔽部材240と、を備える。制動部230は、スプール212に、磁気によって回転方向と逆方向の力を付加して、スプール212を機械的に制動する。制動部230は、軸支持部208を介してリール本体201のフレーム205の第1側板205aに設けられた制動磁石244と、制動磁石244の内周側に配置されスプール212と一体回転可能に設けられた導電体246と、を備える。制動磁石244はスプール軸16方向に延びる環状磁石である。制動磁石244は、導電体246の内周側に向けて移動可能である。これによって、制動磁石244の磁界に導電体246が配置される。この状態において、導電体246がスプール212と共に回転すると、スプール212の回転速度に応じた渦電流が発生する。この渦電流の発生によって、導電体246には、回転方向と逆方向の磁気力が付与される。これにより、制動部230は、キャスティング時にスプール212を回転速度に比例して制動する。制動磁石244は、導電体246に磁力を作用させることにより、スプール212の回転を制動するものである。第2筒部272の外周部には、制動磁石244が固定されている。制動磁石244は、例えば、極異方性着磁された円筒形磁石で構成されている。
【0054】
導電体246は、スプール212に一体回転可能に連結された筒状部材である。制動磁石244は、導電体246と少なくとも一部が対向可能に設けられている。導電体246は、アルミニウム合金製のスプール212の糸巻部212aの内周面に一体回転可能に装着される。導電体246は、例えば、アルミニウム合金などの非磁性の電気的導電体である。なお、導電体はスプール自身で構成してもよい。制動部230は、筒状の第1筒部270と、筒状の第2筒部272と、ばね部材274と、抜け止め部材276と、をさらに備える。
【0055】
第1筒部270は、軸支持部208の軸受収容部208aの外周部に装着される。詳細には、第1筒部270の内周部が、軸支持部208の軸受収容部208aの外周部に回動自在に装着される。
【0056】
第1筒部270は、外周面に被係合部270aを有する。被係合部270aは、周方向の変化に対して軸方向に急変する曲線形状に、凹んで形成されている。例えば、被係合部270aは、上記の曲線状に形成された溝部である。被係合部270aたとえば溝部は、2次曲線に沿うように形成されている。
【0057】
第1筒部370では、スプール312側(
図3右側)の先端内周部に、雌ねじ部370bが形成されている。この雌ねじ部370bには、抜け止め部材376の軸支持部308側(
図3左側)先端外周部に形成された雄ねじ部376aが、螺合する。これにより、第1筒部370に抜け止め部材376が装着される。第1筒部370の軸支持部308側(
図7左側)端部には、大径のフランジ部370cが形成されており、後述する調整操作部350の押圧部350aが一体回動可能に係合している。
【0058】
第2筒部272が軸方向に移動することによって、制動磁石244と導電体246との対向面積が変化し、制動力を調整可能である。
【0059】
第2筒部272は、第1筒部270の外周部に対して、相対回転可能かつ軸方向移動可能に装着されている。第2筒部272は、制動磁石244を保持する。第2筒部272は、係合部272aを有する。係合部272aは、被係合部270aに係合する部分である。第2筒部272が第1筒部270に対して相対回転可能かつ軸方向移動可能なように、係合部272aは、被係合部270aに係合し案内される。係合部272aは、第2筒部272の内周部に、設けられている。たとえば、係合部272aは、第2筒部272のスプール212側(
図8右側)の内周部において内側に突出した突出部である。この第2筒部272の係合部272aは、第2筒部272の回転に応じて、第1筒部270に2次曲線形状に形成された被係合部270aに、係合しながら移動する。これにより、第2筒部272及び制動磁石244が軸方向に移動する。
【0060】
ばね部材274は、第2筒部272を付勢するための部材である。詳細には、ばね部材274は、第2筒部272を軸支持部208側(
図8左側)に付勢する。ばね部材274は、第2筒部272のスプール12側(
図8右側)の先端部に接触するように、配置されている。また、ばね部材374は、抜け止め部材276と第2筒部272との間に配置されている。具体的には、ばね部材274は、円錐コイルばねである。ばね部材274は、制動磁石244によって吸着されないように、例えばSUS303等の非磁性材料を用いて形成されている。
【0061】
抜け止め部材276は、ばね部材274を抜け止めするための部材である。抜け止め部材276は、第1筒部270のスプール12側(
図8右側)の先端部に装着される。ここでは、第1筒部270の雌ねじ部270bに、抜け止め部材276の軸支持部208側(
図8左側)先端を螺合させることによって、抜け止め部材276が第1筒部270に装着されている。
【0062】
第1調整部332は、スプール312の制動力を調整するためのものである。第1調整部332は、第1調整操作部250と、第1調整操作部250の調整位置を検出する第1検出部252とを有する。第1調整操作部250は、軸支持部208に回動自在に装着される。第1調整操作部250は、押圧部250bによって、第1筒部270に一体回動可能に連結される。第1調整操作部250は少なくとも1つの第1磁石250aを有する。第1磁石250aは、第1検出部252に対向可能に設けられる。第1検出部252は、軸支持部208の第1調整操作部250側の面に装着される。第1検出部252は、例えば、少なくとも1つのホール素子を有する。
【0063】
第1磁束遮蔽部材240は、制動磁石244と第1検出部252に間に配置される。第1磁束遮蔽部材240は鉄板製であり、軸支持部208の制動磁石244に対向する面に固定される。
【0064】
制動部230は、制動磁石244と導電体246との対向面積を変化させることによってスプール212の制動力を調整する。具体的には、第1調整操作部250を回すと、第1筒部270が回転し、第2筒部272に装着された制動磁石244が軸方向に移動する。これにより、制動磁石244と導電体246の対向面積が変化し、制動力が変化する。対向面積が大きくなると制動力が増加し、対向面積が小さくなると制動力が小さくなる。
【0065】
このような構成の機械式の制動部330においても、制動磁石244と第1検出部252に間に第1磁束遮蔽部材240が配置されるので、第1磁石250aを検出して第1調整操作部250の調整位置を検出しても、第1検出部252が制動磁石244の影響を受けにくい。このため、第1調整操作部250の位置を精度よく検出できる。
【0066】
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組合せ可能である。
【0067】
(a)上記実施形態では、第1磁束遮蔽部材40が、カバー部材38と回路基板31とに分けて配置されたが、磁束遮蔽部材を回路基板31だけに配置してもよい。
【0068】
(b)上記実施形態では、検出精度を高めるために、第1磁石50a及び第2磁石54aが複数設けられたが、これらは少なくとも一つ設けられればよい。また、ホール素子は、それぞれ少なくとも一つ設けられればよい。さらに磁石とホール素子の数は異なってもよい。
【0069】
(c)上記実施形態では、第1検出部52、第2検出部56及び回転検出部36にそれぞれホール素子を用いたが、本発明はこれに限定されない。これらは、磁束の変化を検出できるものであれば、どのような磁気センサでもよい。
【0070】
(d)上記実施形態では、第1調整部32と第2調整部34との二つの調整部を設けたが、調整部は一つでもよい。
【0071】
<特徴>
上記実施形態は、下記のように表現可能である。
【0072】
(A)両軸受リール100の制動ユニット20は、両軸受リール100のリール本体1に装着可能であり、スプール12の回転を制動する。制動ユニット20は、制動部30と、第1調整部32と、第1磁束遮蔽部材40と、を備える。制動部30は、スプール12と一体回転可能に設けられる制動磁石44、及び制動磁石44の外周側に所定の隙間をあけて筒状に配置された複数のコイル46を有する。第1調整部32は、少なくとも1つの第1磁石50aを有する第1調整操作部50、及び第1磁石50aに対向し、第1調整操作部50の調整位置を検出する例えばホール素子52a、52bを用いた第1検出部52を有し、制動力を調整する。第1磁束遮蔽部材40は、第1検出部52と制動磁石44との間に配置される。
【0073】
この制動ユニット20では、第1調整部32の第1検出部52が、第1調整操作部50が有する第1磁石50aを検出することによって、第1調整操作部50の調整位置を検出する。この第1検出部52と制動磁石44との間には、制動磁石44の磁束を遮蔽する第1磁束遮蔽部材40が配置される。これによって、第1磁石50aを検出して第1調整操作部50の調整位置を検出しても、第1検出部52が制動磁石44の影響を受けにくい。このため、第1調整操作部50の位置を精度よく検出できる。また、リール本体1に、第1調整操作部50の検出のための構造(例えば孔)を設ける必要がない。さらに、第1磁束遮蔽部材40によって制動磁石44からの磁束が遮蔽された第1検出部52が第1磁石50aを検出可能な位置であれば第1調整操作部50を任意に配置できる。このため、第1調整操作部50の配置の制限を緩和して非接触かつ簡素な構成で第1調整操作部50の調整位置を検出できるようになる。
【0074】
(B)制動ユニット20は、リール本体1に設けられ、スプール12に対向する第1面31aを有する回路基板31をさらに備えてもよい。制動磁石44は、スプール12に設けられ、導電体としてのコイル46は、回路基板31の第1面に装着されてもよい。この場合には、導電体にコイル46を用いれば、スプール12を電気的に制動できる。
【0075】
(C)制動磁石44は、スプール12に設けられた円筒形磁石であってもよい。導電体は、円筒形磁石の外周側に所定の間隔をあけて、回路基板の第1面に装着された複数のコイル46であってもよい。この場合には、スプール12を電気的に制動可能な制動ユニット20において、第1調整操作部50の配置の制限を緩和して非接触かつ簡素な構成で第1調整操作部50の調整位置を検出できるようになる。
【0076】
(D)制動磁石44は、スプール軸16に一体回転可能に装着されてもよい。この場合には、スプール軸16に装着された制動磁石44は回路基板31の内周側に対向して配置されるので、第1検出部52を回路基板31の外周側に配置すれば、第1検出部52が制動磁石の磁束の影響をさらに受けにくくなる。
【0077】
(E)第1磁束遮蔽部材40は、回路基板31の第1面31aの少なくとも一部に設けられてもよい。この場合には、第2面31bに配置された第1検出部52へ向かう磁束を効率よく遮蔽できる。
【0078】
(F)第1調整部32の第1検出部52は、第1面31aと反対側の第2面31bに配置されもよい。この場合には、第1検出部52と制動磁石44とが離反して配置される。このため、第1検出部52が制動磁石44の磁束の影響を受けにくくなる。
【0079】
(G)第1検出部52は、第2面31bの外周側に配置されてもよい。この場合には、スプール軸16に装着された制動磁石44は回路基板31の内周側に対向して配置されるので、第1検出部52と制動磁石44とが径方向に離反して配置される。このため、第1検出部52が制動磁石44の磁束の影響をさらに受けにくくなる。
【0080】
(H) 制動ユニット20は、制動磁石44の磁束の変化によってスプール12の回転を検出する回転検出部36をさらに備えてもよい。この場合には、制動磁石44によってスプール12の回転を検出できるので、スプール12に回転検出用の構成が不要になりスプール12の構成が簡素になる。
【0081】
(I)回転検出部36は、回路基板31の第1面31aに配置される。この場合には、回転検出部を制動磁石に近接して配置できる。
【0082】
(J)回転検出部36は、第1面31aの内周側に配置される。この場合には、制動磁石44と回転検出部36との距離が短くなるので、スプール12の回転速度などをさらに精度よく検出できる。
【0083】
(K)第1磁束遮蔽部材40は、回転検出部36の周囲に形成された切欠き部40cを有する、この場合には、制動磁石44の磁束が回転検出部36に切欠き部40cを介して遮蔽されずに到達し、スプール12の回転速度などを精度よく検出できる。
【0084】
(L)制動ユニット20は、少なくとも1つの第2磁石54aを有する第2調整操作部54、及び第2磁石54aに対向し、第2調整操作部54の調整位置を検出する第2検出部56を有し、制動力を調整する第2調整部34をさらに備えてもよい。第1磁束遮蔽部材40は、第2検出部56と、制動磁石44との間にも配置されてもよい。この場合には、第2検出部56が制動磁石44の磁束の影響を受けにくくなる。
【0085】
(M)第2検出部56は、回路基板31の第1面31aと反対側の第2面31bに配置されてもよい。この場合には、第2検出部56と制動磁石44とが離反して配置される。このため、第2検出部56が制動磁石44の磁束の影響を受けにくくなる。
【0086】
(N)第2検出部56は、回路基板31の第2面31bに第1検出部52と実質的に180度間隔を隔てて配置されてもよい。この場合には、第1検出部52が第2磁石54aの影響を受けにくくなり、かつ第2検出部56が第1磁石50aの影響を受けにくくなる。
【0087】
(O)制動ユニット20は、複数のコイル46を覆う第1カバー部38aと、回路基板31の少なくとも第1面31a、を覆い、第1カバー部38aと一体形成された第2カバー部38bと、を有する段付き筒状の合成樹脂製のカバー部材38をさらに備えてもよい。この場合には、カバー部材38によって、回路基板31及び回路基板31に搭載された第1検出部52、第2検出部56、及び回転検出部36を含む電気部品を保護できる。
【0088】
(P)第1磁束遮蔽部材40は、第2カバー部38bのスプール12と対向する段差面38cに配置された第1遮蔽部40aと、回路基板31の第1面31aに配置され、第1遮蔽部40aよりも内周側を遮蔽する第2遮蔽部40bと、を有してもよい。この場合には、第1磁束遮蔽部材40をカバー部材38と回路基板31とに分けて配置できるので、第1磁束遮蔽部材40で制動磁石44の磁束を効率よく遮蔽できる。
【0089】
(Q)制動ユニット20は、回路基板31の第2面31bの少なくとも一部に設けられ、第1磁石50aと第2検出部56との間及び第2磁石54aと第1検出部52との間の少なくともいずれかに配置された第2磁束遮蔽部材140をさらに備えてもよい。この場合には、第1検出部52及び第2検出部56の少なくともいずれかが、位置検出用の第1磁石50a又は第2磁石54aの影響を受けにくくなる。このため、第1検出部52及び第2検出部56の少なくともいずれかの検出精度がさらに高くなる。