【実施例】
【0033】
以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。
【0034】
実施例のレーザマーカ(図3):
【0035】
図3を参照して、実施例のレーザマーカ100は、レーザ励起部200とレーザ出力部300とを含む。レーザ出力部300はレーザ発振部302を有している。レーザ発振部302はレーザ媒質304を含む。レーザマーカ100は、レーザ媒質304で発振されたレーザビームLbを対象物(ワーク)Wの表面上で走査させることで対象物Wの表面にキャラクタを印字する。
【0036】
印字動作を制御する印字信号は、そのHIGH/LOWに応じてレーザビームLbのON/OFFが切り替えられ、その1パルスが発振されるレーザビームLbの1パルスに対応するPWM信号である。PWM信号は、その周波数に応じたデューティ比に基づいてレーザ強度を規定することができる。変形例として、周波数に基づいた走査速度によってレーザ強度を規定してもよい。
【0037】
レーザ励起部200はレーザ励起光源202と集光部204を有している。レーザ励起光源202には電源部206から定圧電源が供給される。レーザ励起光源202は半導体レーザやランプ等で構成される。具体的には、レーザ励起光源202は、複数の半導体レーザダイオード素子を直線状に並べたレーザダイオードアレイで構成されている。各素子からのレーザ発振がライン状に出力され、この出力は集光部204の入射面に入射される。集光部204は典型的にはフォーカシングレンズ等で構成され、そして、集光部204の出射面からレーザ励起光がレーザ出力部300に向けて出力される。
【0038】
レーザ励起部200とレーザ出力部300とは光ファイバーケーブル208によって連結されている。レーザ励起部200が生成したレーザ励起光は上述したレーザ媒質304に入る。ここに、レーザ媒質304はロッド状の固体レーザ媒質(例えばNd:YVO
4)で構成され、その一方の端面からレーザ励起光を入力して励起され、他方の端面からレーザビームLbを出射する、いわゆるエンドポンピングによる励起方式が採用されている。レーザ媒質304は、固体レーザ媒質に波長変換素子を組み合わせて、出力されるレーザビームLbの波長を任意の波長に変換できるようにしてもよい。
【0039】
レーザ媒質304の変形例として、レーザビームを発振させる共振器でレーザ媒質304を構成しないで、固体レーザ媒質の代わりに、波長変換のみを行う波長変換素子でレーザ媒質304を構成してもよい。この場合は、半導体レーザの出力光に対して波長変換を行えばよい。波長変換素子としては、例えばKTP(KTiPO
4)、有機非線形光学材料や他の無機非線形光学材料、例えばKN(KNbO
3)、KAP(KAsPO
4)、BBO、LBOや、バルク型の分極反転素子(LiNbO
3(Periodically Polled Lithium Niobate :PPLN)、LiTaO
3等)が利用できる。また、Ho、Er、Tm、Sm、Nd等の希土類をドープしたフッ化物ファイバーを用いたアップコンバージョンによるレーザの励起光源用半導体レーザを用いることもできる。
【0040】
レーザ出力部300は、レーザビームLbを発生させる上述したレーザ発振部302を備える。レーザ発振部302は、上述したレーザ媒質304が放出する誘導放出光の光路に沿って所定の距離を隔てて対向配置された出力ミラー及び全反射ミラーと、これらの間に配されたアパーチャ、Qスイッチ等を備える。レーザ媒質304が放出する誘導放出光を、出力ミラーと全反射ミラーとの間での多重反射により増幅し、Qスイッチの動作により短周期にて通断しつつアパーチャによりモード選別して、出力ミラーを経てレーザビームLbを出力する。
【0041】
レーザ発振部302の変形例として、CO
2やヘリウム−ネオン、アルゴン、窒素等の気体を媒質として用いる気体レーザ方式を採用してもよい。例えば炭酸ガスレーザを用いた場合、レーザ発振部302は、内蔵電極を含むレーザ発振部302の内部に炭酸ガス(CO
2)が充填され、制御部320から与えられる印字信号に基づいて内蔵電極により炭酸ガスを励起してレーザ発振させる。
【0042】
レーザマーカ100はレーザビーム走査系310を有する。レーザビーム走査系310は、レーザ発振部302と光路を一致させたZ軸スキャナを内蔵するビームエキスパンダ312と、X軸スキャナ314と、このX軸スキャナ314と直交するように配置されたY軸スキャナ316とを備える。このレーザビーム走査系310は、レーザ発振部302より出射されるレーザビームLbをX軸スキャナ314、Y軸スキャナ316で対象物Wの表面上の作業領域を二次元的に走査させる。好ましくは、Z軸スキャナ(図示せず)を設けて、このZ軸スキャナで高さ方向にワーキングディスタンスすなわち焦点距離を調整できるようにするのが良い。これにより三次元状に印字加工が可能となる。なお、集光レンズであるfθレンズは図示を省略している。
【0043】
X軸、Y軸スキャナ314、316は、光を反射するガルバノミラー314a、316aと、このガルバノミラー314a、316aを回動軸に固定して回動するためのガルバノモータ314b、316bと、回動軸の回転位置を検出して位置信号として出力する位置検出部を備える。また各X軸、Y軸スキャナ314、316はスキャナ駆動回路318に接続されている。スキャナ駆動回路318は制御部320に接続されている。そして制御部320から供給される制御信号によってX軸、Y軸スキャナ314、316の動作が制御される。
【0044】
ビームエキスパンダ312は、これに含まれるZ軸スキャナによって、レーザ媒質304から出射するレーザビームLbのスポット径を調整する機能が付加されている。スポット径を調整することで、ワーキングディスタンス(焦点距離)を調整することができる。すなわち、ビームエキスパンダ312で入射レンズと出射レンズとの相対距離を変化させることでレーザビームLbのビーム径を拡大/縮小し、焦点位置も変化させることができる。このビームエキスパンダ312の具体的な構成は特開2007−111763号公報に詳細に記載されていることから、この特開2007−111763号の記載を援用することにより、ビームエキスパンダ312のこれ以上の説明を省略する。
【0045】
ビームエキスパンダ312に含まれるZ軸スキャナ及びX軸、Y軸スキャナ314、316を制御することにより、ワーキングディスタンスを調整しながらレーザビームLbを走査することができる。したがって、曲面状や段差状の対象物(ワーク)Wの三次元印字位置の全エリアに対して焦点距離を合わせた状態で高精度に且つ最小スポットで印字加工できる。
【0046】
レーザマーカ100は、レーザビーム走査系310のレーザビームの行路から分岐した受光軸330を有する撮像素子332を有し、この撮像素子332は実質的にカメラつまり撮像部を構成している。具体的に説明すると、レーザマーカ100は、ビームエキスパンダ312と、X、Y軸ガルバノミラー314a、316aとの間に配置されたハーフミラー334を有している。撮像素子332の受光軸330は、レーザビーム出射軸336が偏向されるハーフミラー334を介してレーザビーム出射軸336から分岐されている。
【0047】
図3を引き続き参照して、参照符号340は距離測定用レーザガイドを示す。距離測定用レーザガイド340は、ワーキングディスタンス、つまり高さ合わせをするためにワークに対して斜めに光を入射する機能を有する。
【0048】
他の実施例のレーザマーカを含む印字システムの一例(図4、図5):
図4は、例示としての印字システムの全体構成を示す。
図5は、そのブロック図である。印字システム400は、マーキングヘッド402と、マーキングヘッド402を制御するコントローラ404と、コントローラ404とデータ通信可能に接続された三次元加工データ設定装置つまりパーソナルコンピュータ(PC)406とを有する。
【0049】
PC406つまり三次元加工データ設定装置を使って、ユーザはワークWの加工条件などを入力することができる。また、三次元加工データ設定装置406のディスプレイ上にパラメータの設定画面などを表示させて、コントローラ404に対して印字パターンを三次元加工データとして設定することができる。三次元加工データ設定装置406は、三次元加工データ設定プログラムをインストールしたパーソナルコンピュータやプログラマブルロジックコントローラ(PLC)で構成される。
【0050】
コントローラ404には、必要に応じて各種外部機器408が接続される。外部機器408としては、例えばワーク搬送ラインで搬送されるワークWの種別、位置等を確認するイメージセンサ等の画像認識装置、ワークWとマーキングヘッド402との距離に関する情報を取得する変位計等の距離測定装置、所定のシーケンスに従って機器の制御を行うPLC、ワークWの通過を検出するPDセンサその他各種のセンサ等を例示的に挙げることができる。
【0051】
印字システム400は、入力された対象物の印字面に加工パターンを仮想的に一致させるように加工パターン情報を平面状から三次元空間座標データに変換して、対象物の印字面が三次元の凹凸面であっても比較的容易に印字パターンを設定してこれを対象物の表面に印字できる。三次元加工データの設定は例えば特開2007−111763号公報に三次元加工データの具体的な手法が記載されていることから、この特開2007−111763号公報の全文を本明細書に援用することにより、その説明を省略する。
【0052】
コントローラ404は、メイン制御回路410、ワーク加工情報記憶部412、電源回路414、励起光源416を有し、また、レーザビーム増幅器418を含むレーザ発振器ユニットを有する。コントローラ404によってレーザ発振の制御やレーザビームの走査制御が実行される。励起光源416は、レーザ媒質を励起するための励起光を生成するLD(レーザダイオード)などの発光素子と集光レンズとを含む。
【0053】
レーザビーム増幅器418は、コアにレーザ媒質が添加された光ファイバーを含み、このファイバー式のレーザビーム増幅器418を用いてレーザビームを増幅することによりエネルギー密度の高い高出力のレーザビームを生成することができる。このレーザビーム増幅器418は、低出力の種光を発生させるマスターオシレータ部、種光を増幅するパワーアンプ部、ポンピング用光源装置、アイソレータなどで構成され、マスターオシレータ部及びパワーアンプ部は、レーザ媒質としてイッテルビウム(Yb)などの希土類元素が添加された希土類ドープ光ファイバーによって構成される。
【0054】
レーザビーム増幅器418は、例えば、レーザ発振を制御するためのQスイッチを設けるのが好ましく、Qスイッチの切り替えにより、連続発振をパルス発振に変換することができ、ピークパワーの大きなパルス波を生成することができる。なお、レーザビーム増幅器418としては、種光を生成するLDを直接にオン又はオフすることによって、パルス発振可能な発振器のように、Qスイッチ無しで構成してもよい。
【0055】
コントローラ404とマーキングヘッド402とは光ファイバーケーブル420によって連結されている。光ファイバーケーブル420には、レーザビーム増幅器418でレーザビームが直接的に入力される。すなわち、光ファイバーケーブル420は、レーザビーム増幅器418によって増幅されたレーザビームをマーキングヘッド402に伝送するデリバリファイバーである。
【0056】
マーキングヘッド402は、光アイソレータ422、ビームエキスパンダ424、ビームサンプラー426、シャッタ428、フォトインタラプタ430、ダイクロイックミラー432、Z軸スキャナ434、X軸・Y軸スキャナ436、パワーモニタ438及びガイド光源440を含む。
【0057】
光アイソレータ422は、光ファイバーケーブル420の端面から出射されたレーザビームを通過させ、戻り光を抑制する戻り光抑制手段を構成し、光ファイバーケーブル420を介して伝送されたレーザビームをビームエキスパンダ424へ入力する順方向の伝送を許容し、逆方向への伝送を禁止する。光アイソレータ422は、例えば、アパーチャ、偏光子、ファラデー回転子によって構成される。アパーチャは、通過光を制限するための遮断板である。偏光子は、複屈折結晶からなるロッド状の光学素子である。ファラデー回転子は、磁界の印加によって偏光面を回転させる磁気光学素子である。
【0058】
ビームエキスパンダ424は、レーザビームのビーム径を可変に制御するビーム径可変手段を構成し、光アイソレータ422と光軸を一致させて配置される。このビームエキスパンダ424は、光路上に配置された複数のレンズによって構成され、レンズ間の距離を調整することにより、ビーム径を所望の値に変換している。ビームサンプラー426は、ビームエキスパンダ424を通過したレーザビームの一部をダイクロイックミラー432に向けて反射させ、他の一部をパワーモニタ438側へ透過させる光学素子である。
【0059】
パワーモニタ438は、ビームサンプラー426を透過したレーザビームを受光し、レーザパワーを検出するレーザパワー検出用センサであり、レーザパワーの検出結果をパワーレベル検出信号としてコントローラ404内のメイン制御回路410へ出力する。この様なパワーモニタ438としては、例えば、サーモパイル(熱電堆)、或いは、フォトダイオードが用いられる。
【0060】
シャッタ428は、レーザビームを必要に応じて遮断するための遮断装置であり、遮断板や遮断板を移動させる駆動機構によって構成される。このシャッタ428は、ビームサンプラー426及びダイクロイックミラー432間に配置されている。
【0061】
フォトインタラプタ430は、シャッタ428が閉じているか否かを光学的に検出する光学センサである。ダイクロイックミラー432は、特定波長の光のみを反射し、他の波長の光を透過させる光学素子であり、シャッタ428を通過したレーザビームをZ軸スキャナ434に向けて反射し、ガイド光源440からのガイド光をそのまま透過させる。
【0062】
Z軸スキャナ434は、光路上に配置された1又は2以上のレンズと、レンズを移動させるレンズ駆動用モーターによって構成されるレーザビームの走査機構であり、レンズを変位させることによって、マーキングヘッド402から出射されるレーザビームの焦点位置を光軸方向に調整することができる。また、Z軸スキャナ434は、レーザビームの集光機能を有している。なお、このZ軸スキャナ434は、ワークWの高さに追随してレーザビームの焦点位置を光軸方向に移動させることが可能な走査機構である。
【0063】
X軸・Y軸スキャナ436は、交差する回転軸にそれぞれ配置された2つのガルバノミラーと、これらのガルバノミラーを回転させるガルバノミラー駆動用モーターによって構成される。X軸・Y軸スキャナ436はレーザビームの走査機構である。X軸・Y軸スキャナ436は、ガルバノミラーを軸回転させることによって、レーザビームを光軸と交差する方向に走査させる。ここでは、加工対象面に照射されるレーザビームの光軸方向をZ軸方向と呼び、光軸と交差する互いに平行でない2つの方向をそれぞれX軸方向及びY軸方向と呼ぶ。
【0064】
Z軸スキャナ434を通過したレーザビームは、X軸・Y軸スキャナ436のガルバノミラーによって反射され、ワークWに照射される。ガイド光源440は、レーザビームLbの照射位置をワークW上で可視化するためのガイド光を生成する光源装置である。ガイド光源440から出射されたガイド光は、ダイクロイックミラー432を透過し、レーザビームの光路に入る。レーザビームの光路に入ったガイド光は、Z軸スキャナ434及びX軸・Y軸スキャナ436を経てワークWに照射される。
【0065】
ワーク加工情報記憶部412は、ワークWのレーザ加工に関する情報をワーク加工情報として保持するメモリである。ワーク加工情報として、文字などのキャラクタをワークW上に加工する際の加工線の描画情報、レーザ発振を制御するためのレーザ出力制御情報などを含む。加工線の描画情報は、レーザビームの照射目標を示す三次元位置情報、例えば、座標データからなる。また、レーザ出力制御情報としては、例えば、レーザビームのピークパワー、パルス幅、繰返し周波数などが保持される。
【0066】
ピークパワーは、パルスエネルギーをパルス幅で除算することによって得られる物理量である。パルス幅は、ピークパワーの半分程度のパワーレベルにおけるパルス波の時間長であり、繰返し周波数は、パルス発振の周波数である。また、中心波長は、レーザビーム増幅器418により生成されるレーザビームの波長である。
【0067】
メイン制御回路410は、ワーク加工情報記憶部412内に保持されているワーク加工情報に基づいて、励起光源416、レーザビーム増幅器418、Z軸スキャナ434、X軸・Y軸スキャナ436及びシャッタ428を制御する制御手段を構成する。具体的には、メイン制御回路410は、レーザ出力制御情報に基づいて、マーキングヘッド402から出射されるレーザビームのピークパワーやパルス幅を調整するための発振器制御信号を生成し、そして、励起光源416及びレーザビーム増幅器418へ制御信号を出力する。
【0068】
メイン制御回路410は、また、レーザ出力制御情報や描画情報に基づいて、Z軸スキャナ434のレンズ駆動用モーター、X軸・Y軸スキャナ436のミラー駆動用モーター、及び、シャッタ428を制御するための駆動信号を生成し、この各種の制御信号をZ軸スキャナ434、X軸・Y軸スキャナ436及びシャッタ428へ出力する。
【0069】
この印字システム400においても、Z軸スキャナ434及びX軸・Y軸スキャナ436を制御することにより、ワーキングディスタンスを調整しながらレーザビームLbを走査することができる。したがって、曲面状や段差状の対象物(ワーク)Wの三次元印字位置の全エリアに対して焦点距離を合わせた状態で高精度に且つ最小スポットで印字加工できる。
【0070】
図5を参照して、印字システム400は、Z軸スキャナ434と、X軸・Y軸スキャナ436つまりガルバノミラーとの間にハーフミラー450を有している。このハーフミラー450は、レーザビームの出射軸452から分岐した受光軸454を生成する。この受光軸454は撮像素子456の受光軸である。撮像素子456は実質的にカメラつまり撮像部を構成する。
【0071】
図5を引き続き参照して、参照符号460は距離測定用レーザガイドを示す。距離測定用レーザガイド460は、ワーキングディスタンス、つまり高さ合わせをするためにワークに対して斜めに光を入射する機能を有する。
【0072】
図6は、印字予定位置の補正と、印字したキャラクタの読取方法を説明するための図である。代表例として
図3を参照して説明したレーザマーカ100で使用した参照符号を使って
図6の(I)ないし(IV)を説明する。図中、参照符号500は、レーザマーカ100が印字することのできる印字可能範囲を示す。
【0073】
図6の(I)はレーザマーカ100に設定されている印字予定位置に関する基準座標を説明するための図である。この例では、印字予定位置つまり基準となる印字位置PP
(0)の所定の点(例えば中心)の(X座標、Y座標)は(30、20)である。印字処理をする前に撮像した実際のワークの印字位置PPの所定の点が座標(40、10)であったとすると、印字位置補正データつまり変位量は(10、−10)となる(
図6の(II))。印字処理は、この印字位置補正データに基づいて実行される。つまり、印字予定位置PP
(0)を実際の印字位置PPに整合させるために、印字予定位置PP
(0)の座標を(40、10)に設定した後に印字が実行される。この印字は、基本的には、X軸スキャナ314、Y軸スキャナ316を高速に動作させてレーザビームLbを偏向させることにより行われる。
【0074】
図6の(III)は、ワークに印字したキャラクタの読取処理に関連した図である。図中、参照符号502は撮像領域を示す。この図から撮像領域502が印字可能範囲500に比べて小さいことが分かるであろう。撮像領域502が印字可能範囲500よりも小さい、その理由は、X軸、Y軸スキャナ314、316に映った画像を撮像素子332が取り込み、X軸、Y軸スキャナ314、316は比較的小さなミラーで構成されているからである。
【0075】
読取処理に先立って、撮像領域502は、その中心座標が(40、10)に設定される。この座標(40、10)をターゲットにX軸、Y軸スキャナ314、316つまりガルバノミラーが駆動される。この速度は比較的低速であってもよい。ここに、座標(40、10)は上述した補正後の印字位置の所定の点の座標である。つまり、読取制御において、その撮像領域の中心の基準位置の(X座標、Y座標)は、印字制御と同じ(30、20)である。したがって、印字制御で生成した印字位置補正データ(10、−10)がそのまま読取制御に反映されている。その結果、撮像領域502の補正後の中心座標は上述した(40、10)に設定される。これにより、キャラクタの中心は、常に、撮像領域502の中心と一致した状態になる。
【0076】
図6の(IV)は、撮像領域502の位置を補正しなかった場合の問題点を説明するための図である。
図6の(IV)読取処理のための撮像領域502の設定において基準位置の中心座標(30、20)を補正しない場合を参照のために図示してある。この撮像領域502の中に、印字したキャラクタが入っているときには問題は生じない。しかし、
図6の(IV)に図示のように、キャラクタの一部が基準位置の撮像領域502からはみ出している場合には、読み取りNGとなる。
【0077】
印字位置の補正の必要性について
図7を参照して説明する。
図7の(I)は、合計6つのワークW(1)〜W(6)が基準位置に位置している状態を示す。この状態が確認できれば、印字位置を補正することなく印字が実行される。図示の例では、ワークWの左下の印字位置PP
(0)にキャラクタ(例えば二次元コード)が印字されることになる。
【0078】
図7の(II)は、ワークWが基準位置から変位した状態の例を示す。印字位置補正データを生成するのに、
図8の(I)に図示のマッチング用パターン510を用いる場合を説明する。基準位置のワークW
0の座標原点はワークW
0の例えば左下の角に設定される(
図8の(II))。そして、この座標原点に基づいて各ワークW(1)〜W(6)の印字位置PPの座標が規定される。
【0079】
図9は、印字位置補正データに含まれるX座標、Y座標、回転角度θを説明するための図である。
図9を参照して、ワークWの撮像画像から印字位置PPを抽出し(
図9の(I))、マッチング用パターン510を使って印字位置PPが基準位置から変位している量を計算する。これが印字位置補正データである。印字位置補正データには、X座標の変位量Δx、Y座標の変位量Δy、回転角度の変位量Δθが含まれる(
図9の(II))。この印字位置補正データは各ワークW(1)〜W(6)毎に作成される。そして、この印字位置補正データに基づいて印字が実行される。
【0080】
印字処理のときのX軸、Y軸のスキャナ314、316つまりガルバノミラー314a、316aの制御を
図10を参照して説明する。ガルバノミラーの制御は、印字モードと、後に説明する撮像モードとがある。印字モードは、ワークWの印字位置PPに印字を行うときの制御モードである。撮像モードは、ワークWに印字したキャラクタを撮像するときの制御モードである。この撮像モードは読取処理のときに使用される。ここに、印字モードと撮像モードに使用される座標系は共通である。
【0081】
印字モード:
図10は、キャラクタとして「A」の文字を印字する例を示す。印字モードでのガルバノミラー314a、316aは、キャラクタ毎の印字設定で決められている線分に沿ってレーザビームLbを走査するように制御される。この制御は従来から知られているので、その概要を説明すると次の通りである。
【0082】
文字列やコードに基づいて線分情報が規定されている。また、予めスキャン速度が設定されており、この設定値はユーザによって変更可能である。印字するキャラクタとスキャン速度の設定値に基づいてガルバノミラー314a、316aの動作つまりレーザビームLbの走査速度が決定される。印字する文字が「A」であれば、この「A」の文字を印字するためのレーザビームLbの移動軌跡は予め設定されている。
図10を参照すれば、「A」の文字を印字するためのレーザビームLbの移動軌跡は一筆書きの道筋であり、レーザビームLbは矢印で示す方向に進む。
図10の実線は、レーザビームLbを出射してワークWに線分を書き込む線分を示す。破線は、レーザビームLbの出射を停止している線分を示す。
【0083】
X軸、Y軸スキャナ314、316つまりガルバノミラーは、移動軌跡上の数多くの座標を順次確認しながら、次の座標、その次の座標というように次々と動作目標座標が設定されて、この動作目標座標を変更しながらガルバノミラーの制御が行われる。
【0084】
図11は、印字処理から読取処理に至る一連の制御を説明するためのフローチャートである。代表例として、
図4、
図5を参照して説明した印字システム400に基づいて印字処理から読取処理に至る制御を説明するが、
図3に図示のレーザマーカ100についても同様に適用されるのは勿論である。
【0085】
図11のフローチャートを参照して、印字処理の制御が開始される、先ず、ワーク加工情報記憶部412つまりコントローラ404に内蔵のメモリから所望の印字データの読み出しが行われる(S30)。次いで、ワークWが印字及び読取ステージ11(
図1)に到着する(S31)と、コントローラ404は、PC406から送信される変位量計測指令を待つ(S32)。PC406から供給される変位量計測指令(S33)をコントローラ404が受け取ると、ステップS35に進んでワークWの変位量の計測が実行される。この変位量の計測は
図9を参照して前述した通りである。変位量の計測が完了すると、この変位量データつまり印字位置補正データがPC406に供給される。
【0086】
PC406は、コントローラ404から変位量データつまり印字位置補正データを受け取ると(S34)、コントローラ404に向けて印字座標補正指令を送信する(S36)。この印字座標補正指令をコントローラ404が受け取ると、印字位置補正データに基づいて、上述したステップ30で取り込んだ印字データを補正し(S37)、そして、この補正した印字データに基づいて印字が実行される(S40)。そして、この印字処理が完了すると自動的に読取処理が開始される(S41)。そして、この読取処理が完了すると、印字処理及びこれに続く読取処理が終了する。
【0087】
図12は、読取処理において、先ず実行される撮像領域502を変更する処理を説明するための図である。
図6の(III)を参照して説明したように、上記印字位置補正データに基づいて撮像領域502の位置を補正する処理が行われる。読取処理で実行されるキャラクタの読み取りは、X軸・Y軸スキャナ436つまりガルバノミラーに映るキャラクタの画像が撮像素子456によって取り込まれることにより行われる。
【0088】
したがって、読取処理で先ず実行されるキャラクタの撮像に先だって、X軸・Y軸スキャナ436つまりガルバノミラーが、これから撮像したい座標に向けられる。このガルバノミラーの制御は前述した撮像モードによる制御である。ガルバノミラーの制御を実行するに先立ってガルバノミラーへの入力項目は、
図12で破線で示す撮像領域502の中心の基準座標から変位させるべき座標情報つまりX座標、Y座標だけで足りる。これは、印字位置補正データのうち補正値のX座標及びY座標を撮像領域502の中心座標に変換した座標情報である。
図12の実線で示す撮像領域502は撮像したい領域を示す。
【0089】
図13は、撮像モードで撮像領域502を変更する際のX軸・Y軸スキャナ436つまりガルバノミラーの制御を説明するためのフローチャートである。ステップS50で、
図12の実線で示す撮像したい撮像領域502の中心座標を入力すると、
図12の実線で示す撮像したい撮像領域502の中心座標が目標座標に設定される。そして、この目標座標に向けてX軸・Y軸スキャナ436つまりガルバノミラーが駆動される(S51)。撮像モードでのガルバノミラーの動作速度は、印字のときの動作速度よりも低速に設定してもよい。
【0090】
X軸・Y軸スキャナ436つまりガルバノミラーが目標値に到達すると、ステップS52からステップS53に進んでガルバノミラーの駆動は停止され、次の撮像モードが到来するまで待機状態になる(S53)。
【0091】
ワークWに付記したキャラクタを読み取る読取処理において、撮像領域502の位置座標に対して印字位置補正データを反映した補正を行うため、印字及び読取ステージ11(
図1)に運び込まれたワークWの位置や向きが基準位置から変位していたとしても、確実にキャラクタを撮像領域502に存在させることができる。ガルバノミラーを経由して撮像した場合に撮像領域502が小さくなる。小さな撮像領域502であっても、読取処理を確実に成功させることができる。
【0092】
図14は、
図11を参照して説明した印字処理から読取処理に至る一連の制御の変形例を説明するためのフローチャートである。この
図14のフローチャートの説明において、前述した
図11のフローチャートのステップと同じステップには、
図11で使用したステップ番号と同じステップ番号を付してある。
【0093】
図11と
図14とを対比すると、
図11に図示の制御において、PC406からコントローラ404へのトリガー信号は、変位量計測指令(S33)、印字座標補正指令(S36)、印字開始指令(S38)である。これに対して、
図14に図示の変形例の制御では、PC406からのトリガー信号は、変位量計測指令に限定されている(S33)。したがって、
図14に図示の制御では、変位量の計測(S35)が完了すると、自動的に次の印字データ補正(S37)が実行される。また、印字データ補正(S37)が完了すると、自動的に次の印字処理(S40)が実行される。
【0094】
図15は、
図11及び
図14を参照して説明した印字処理から読取処理に至る一連の制御の更なる変形例を説明するためのフローチャートである。この
図15のフローチャートの説明において、前述した
図11及び
図14のフローチャートのステップと同じステップには、
図11及び
図14で使用したステップ番号と同じステップ番号を付してある。
【0095】
図14と
図15とを対比すると、
図14に図示の制御では、PC406からのトリガー信号は、変位量計測指令に限定されている(S33)。これに対して、
図15の制御では、PC406からのトリガー信号は、読取指令(S42)に限定され、PC406から読取指令がコントローラ404に供給されるまで読取処理S41は待機される(S43)。
【0096】
したがって、
図15の制御では、PC406からの指示を待つことなく、印字データの読み出し(S30)から印字処理(S40)まで各ステップが完了すると連続的に且つ自動的に次のステップに移行する。
【0097】
図示を省略したが、印字処理から読取処理に至る一連の制御において、コントローラ404がPC406から独立して、印字データの読み出し(S30)から読取処理(S41)まで各ステップが完了すると連続的に且つ自動的に次のステップに移行するようにしてもよい。
【0098】
前述した2つの実施例のレーザマーカ100(
図3)及び印字システム400(
図4、
図5)は、好ましくは、次の2つのうち少なくとも一方の機能を含む。一つの機能が撮影ディレイ機能である。他の一つが画像ホールド機能である。
【0099】
撮影ディレイ機能(図16):
印字ステージ4とその下流の読取ステージ5を備えた従来例(
図20)と違って、本発明では一つの印字及び読取ステージ11(
図1)でワークWに対する印字処理と、これに続く読取処理とを行うことができる。つまり、前述した
図11を参照して、本発明に従う実施例では、ワークWに対する印字処理(S40)が完了すると読取処理(S41)が行われる。印字処理(S40)における印字の完了タイミングから読取処理(S41)における撮影の開始タイミングまでのディレイ時間t
dを設けるのが良い。
【0100】
このディレイ時間t
dの設定方法として、ディレイ時間t
dをユーザが任意に設定できるようにしてもよいし、変形例として、初期値t
0を予め設定しておき、これを増減する付加時間t
aをユーザが任意に設定できるようにしてもよい。
【0101】
ワークWに印字するのにレーザビームを使うと、このレーザ加工によってワークWの表面が局部的に加熱される。また、レーザ加工に伴って煤が発生する。本発明では、一つの印字及び読取ステージ11(
図1)でワークWに対する印字処理と、これに続く読取処理を行うため、印字処理(
図11のS40)における印字の完了タイミングの直後に読取処理(
図11のS41)における撮影を開始することも可能である。
【0102】
上述したディレイ時間t
dを設定することで、ワークWからの熱的影響や煤によって撮像不良が発生するのを抑えることができる。特に、印字処理に伴って発生する煤が収まるのを待って撮影を開始することで、読み取りに適した画像を取り込むことができる。
【0103】
このディレイ制御を
図16のフローチャートに従って説明すると、印字処理(S40)が完了すると、上述したディレイ時間t
dの間、待機状態になる(S60、S61)。そして、ディレイ時間t
dが経過すると、ステップS41に進んで読取処理が実行される。つまり、キャラクタの撮影が実行される。
【0104】
画像ホールド機能(図17):
読取処理(
図11のS41)は、先ず、ワークWに付記されたキャラクタを撮像し、そして、この撮像画像の取り込みが行われる。取り込んだ撮像画像は、PC406(
図4)のディスプレイに表示することができる。ユーザは、PC406に表示されている撮像画像を見ながら、印字つまりキャラクタを目で確認することができる。
【0105】
PC406に表示されている撮像画像は、次々とワークWが印字及び読取ステージ11(
図1)に到達する毎に、今現在、印字及び読取ステージ11に存在しているワークWのキャラクタの撮像画像に切り替わる。撮像画像が切り替わった時点では、印字及び読取ステージ11に存在しているワークWは次のステージに移動している。
【0106】
いま、一の撮像画像がPC406に表示されているものの、ユーザがこの撮像画像を確認する前に、次の撮像画像に切り替わったとき、目で撮像画像を確認できなかったワークW(「キャラクタ未確認ワーク」)は既に印字及び読取ステージ11には存在していない。したがって、キャラクタ未確認ワークWの撮像画像を目で確認するためには、PC406のメモリに保存してある当該ワークWの撮像画像をディスプレイに呼び出す操作が必要となる。
【0107】
この手間を省くのが画像ホールド機能の目的である。このホールド機能を使うことで、所望の時間、PC406のディスプレイに撮像画像を表示し続けることができる。したがって、次のワークWが印字及び読取ステージ11に存在していたとしても、PC406のディスプレイには、その前のワークWの印字処理後の撮像画像をディスプレイに表示させ続けることでユーザは目でキャラクタを確認することができる。
【0108】
この画像ホールドの制御を
図17に図示のフローチャートに従って説明すると、ステップS41で読取処理が実行されると、その撮像画像は、ユーザが設定したホールド時間t
hが経過するまでPC406のディスプレイに表示され続ける(S62、S63)。そして、ホールド時間t
hが経過すると、PC406のディスプレイの更新が行われ、次のワークWの撮像画像がPC406のディスプレイに表示される(S64)。画像ホールド時間t
hは所定値であってもよいが、ユーザが任意に設定可能であるのが好ましい。
【0109】
図18は、PC406に表示可能なGUI(グラフィカルユーザインターフェース)を示す。図示のGUIは、取込処理に関連した設定画面である。図示のGUIの中段にある「撮影ディレイ」という項目のアップ、ダウンボタンを操作することで前述したディレイ時間t
dを設定することができる。すなわち、アップボタンを操作すると、「撮影ディレイ」という項目の右にある窓に表示の数値(図示の数字「2.0」は2秒を意味している)が増加し、ディレイ時間t
dとして2秒よりも長い時間に調整することができる。アップボタンを操作すると、ディレイ時間t
dとして2秒よりも短い時間に調整することができる。
【0110】
図18を引き続き参照して、「撮影ディレイ」の下の「画像ホールド時間」という項目のアップ、ダウンボタンを操作することで前述した画像ホールド時間t
hを設定することができる。すなわち、アップボタンを操作すると、「画像ホールド時間」という項目の右にある窓に表示の数値(図示の数字「5.0」は5秒を意味している)が増加し、画像ホールド時間t
hとして5秒よりも長い時間に調整することができる。アップボタンを操作すると、画像ホールド時間t
hとして5秒よりも短い時間に調整することができる。
【0111】
如上の説明から分かるように、実施例のレーザマーカ100又は印字システム400が含んでいる位置補正手段は、撮像部により第1の領域(ワーク位置を含む領域)を撮像して得られた画像データに基づいて、ワークの変位つまり位置ずれを算出する位置ずれ算出手段と、該位置ずれ算出手段により算出されたワークの位置ずれに基づいて、印字位置を補正する印字位置補正手段とを含んでいる。
【0112】
また、実施例のレーザマーカ100又は印字システム400は次の構成を有している。すなわち、レーザマーカ100又は印字システム400は、補正後の印字位置に基づきワークに対するレーザ印字が行われた後、補正後の印字位置に基づく第2の領域が撮像部により撮像されるようレーザ光走査部(ガルバノスキャナ)を制御する撮像領域制御手段と、撮像部により第2の領域を撮像して得られた画像データに基づいて、レーザ印字が行われた印字パターンの印字品質を評価する印字品質評価手段と、印字パターンの印字品質に関する評価結果を出力する(モニタ出力又はPLC等への外部出力)評価結果出力手段と、を備えている。
【0113】
ここで、印字品質評価手段による評価方法は如何なる方法であってもよく、例えばセル面積を計算する等、必ずしもデコードを伴わなくてもよい。また、評価結果出力手段によりモニタ出力された一例を
図19に示す。
【0114】
図19の左側に上下に並んでいる文字はAIDPM評価値を表示している。ここに、AIDPMとは、国際自動認識工業界(Automatic Identification Manufacturers)がダイレクトパーツマーキング二次元印字品質評価の規格を意味している。
図19の左側の文字を上から順番に説明すると次の通りである。
(1)「DEC」:デコードの成功又は失敗;
(2)「CC」:セルコントラスト;
(3)「CM」:セルモジュレーション;
(4)「RM」:反射率余裕度;
(5)「FPD」:固定パターン損傷;
(6)「FID」:形状情報損傷;
(7)「VID」:型番情報損傷;
(8)「AN」:軸非均一性;
(9)「GN」:グリッド非均一性;
(10)「UEC」:未使用誤り訂正率;
(11)「PGH」:プリント伸縮(水平);
(12)「PGV」:プリント伸縮(垂直)。
【0115】
図19の左側の一番下に見られる「MATCHING」はマッチングレベルを意味している。マッチングレベルとは、コードリーダでの読み取り易さを数値化したものであり、図示の例では「86」の数値が表示されている。
【0116】
図18に戻って、図示のGUIはエラー閾値にスライダバーを有する。このスライダバーによって、ユーザはエラーの閾値を自由に設定することができる。そして、
図18のGUIでは、印字品質の総合グレードC以上であれば、OK判定をするようにしている。要するに、印字されたキャラクタのOK・NG判定を行う良否判定手段を備えている。なお、判定基準は様々考えられ、全てOKの場合に総合判定OKとしてもよいし、一定数OKが出たら総合判定OKとしてもよいし、予め定められた評価項目がOKの場合に総合判定OKとしてもよい。
【0117】
このように、実施例のレーザマーカ100又は印字システム400は、キャラクタを読み取る読取処理(デコードの有無は問わない)を実行した後、キャラクタの品質を評価し、その評価結果をモニタ出力するようにしている。これにより、一台のカメラで取得した印字位置情報を使って印字位置補正情報を生成すると共に、この印字位置補正情報を使ってキャラクタを読み取ることに加えて、読み取られたキャラクタの印字品質まで評価することができる。