特許第6321552号(P6321552)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6321552容器の内容物、所在場所および周囲環境を判定するためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6321552
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】容器の内容物、所在場所および周囲環境を判定するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61J 7/02 20060101AFI20180423BHJP
   A61J 7/00 20060101ALI20180423BHJP
   G16H 10/00 20180101ALI20180423BHJP
   G01F 23/26 20060101ALI20180423BHJP
   G01F 23/20 20060101ALI20180423BHJP
【FI】
   A61J7/02
   A61J7/00 Z
   G06Q50/24
   G01F23/26 A
   G01F23/20
【請求項の数】17
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2014-558929(P2014-558929)
(86)(22)【出願日】2013年2月25日
(65)【公表番号】特表2015-516823(P2015-516823A)
(43)【公表日】2015年6月18日
(86)【国際出願番号】US2013027664
(87)【国際公開番号】WO2013126897
(87)【国際公開日】20130829
【審査請求日】2016年2月24日
(31)【優先権主張番号】61/603,353
(32)【優先日】2012年2月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/752,679
(32)【優先日】2013年1月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514215011
【氏名又は名称】アドヒアテック インコーポレイティド
(73)【特許権者】
【識別番号】514215734
【氏名又は名称】ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ アラバマ,フォー アンド オン ビハーフ オブ ザ ユニバーシティ オブ アラバマ イン ハンツビル
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087871
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 積
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア スタイン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ラングハウザー
(72)【発明者】
【氏名】ミッシェル モレナ
(72)【発明者】
【氏名】エミル ジョバノフ
【審査官】 増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第07928835(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0172712(US,A1)
【文献】 特開2006−230842(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 7/00−02
G01F 23/20
G01F 23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤容器であって、
薬剤のためのハウジングと、
前記ハウジングに着脱可能に接続されたキャップと、
前記キャップの開閉を検知するように構成されたキャップセンサと、
前記ハウジングに接続された、前記ハウジング内における薬剤の量を検知する測定センサと、
前記キャップセンサのステータスに少なくとも部分的に基づいて前記測定センサの読取りをトリガーするように構成された1又は複数のプロセッサと、
前記測定センサの前記読取りに関するデータをリモートコンピュータへワイヤレス送信する送信装置と、
光源、グラフィカルディスプレイ装置、テキスト表示装置およびスピーカの少なくともいずれか1つを備えるアラート部と
前記リモートコンピュータからの前記アラート部を起動するための起動命令を受信するように構成され、または、前記リモートコンピュータによって起動されるように構成された無線受信装置と、
を備え、
前記1又は複数のプロセッサが、前記無線受信装置による前記起動命令の受信に少なくとも部分的に基づいて前記アラート部を起動するように構成されている、薬剤容器。
【請求項2】
前記測定センサが静電容量センサで構成されている、請求項1に記載の薬剤容器。
【請求項3】
前記静電容量センサが、交互配置パターンにしたがって配置された、前記ハウジング内における前記薬剤の量に対応する静電容量を検知する複数の導電性電極を備えている、請求項2に記載の薬剤容器。
【請求項4】
前記測定センサが重量センサで構成されている、請求項1に記載の薬剤容器。
【請求項5】
薬剤容器であって、
薬剤のためのハウジングと、
前記ハウジングに接続された、前記ハウジング内における前記薬剤の量に対応する静電容量を検知する静電容量センサであって、交互配置パターンにしたがって配置された複数の導電性電極を備えている静電容量センサと、
前記ハウジングに着脱可能に接続されたキャップと、
前記キャップの開閉を検知するように構成されたキャップセンサと、
前記キャップセンサのステータスに少なくとも部分的に基づいて前記静電容量センサの読取りをトリガーするように構成された1又は複数のプロセッサと、
前記静電容量センサの前記読取りに関するデータをリモートコンピュータへワイヤレス送信する送信装置と、
光源、グラフィカルディスプレイ装置、テキスト表示装置およびスピーカの少なくともいずれか1つを備えるアラート部と
前記リモートコンピュータからの前記アラート部を起動するための起動命令を受信するように構成され、または、前記リモートコンピュータによって起動されるように構成された無線受信装置と、
を備え、
前記1又は複数のプロセッサが、前記無線受信装置による前記起動命令の受信に少なくとも部分的に基づいて前記アラート部を起動するように構成されている、薬剤容器。
【請求項6】
前記静電容量センサが、
第1の導電端子と電気的に連通された第1の導電性電極と、
第2の導電端子と電気的に連通された第2及び第3の導電性電極と、
を備え、
前記第1の導電性電極が、前記第2の導電性電極と前記第3の導電性電極との間に配置され、かつ、
前記ハウジング内における前記薬剤の量に起因する前記静電容量が、前記第1の導電端子と前記第2の導電端子との間で検知される、請求項5に記載の薬剤容器。
【請求項7】
前記導電性電極の交互配置パターンには、一定間隔で配置された複数の導電性電極が含まれている、請求項5に記載の薬剤容器。
【請求項8】
前記導電性電極の交互配置パターンには、矩形形状とされた導電性電極が含まれている、請求項5に記載の薬剤容器。
【請求項9】
前記薬剤容器が縦置き位置にあるときに、前記複数の導電性電極の少なくとも1つが、前記薬剤容器の垂直軸に対して平行に配置されている、請求項5に記載の薬剤容器。
【請求項10】
前記薬剤容器が縦置き位置にあるときに、前記複数の導電性電極の少なくとも1つが、前記薬剤容器の垂直軸に対して垂直に配置されている、請求項5に記載の薬剤容器。
【請求項11】
前記薬剤容器が縦置き位置にあるときに、前記複数の導電性電極の少なくとも1つが、前記薬剤容器の垂直軸に対して角度をなす角度関係に配置され、かつ、
前記角度関係が、非水平かつ非垂直な関係とされている、請求項5に記載の薬剤容器。
【請求項12】
前記薬剤容器が縦置き位置にあるときに、前記複数の導電性電極の少なくとも1つが、前記薬剤容器の垂直軸に対して35から55度の間の角度をなすように配置されている、請求項5に記載の薬剤容器。
【請求項13】
前記薬剤に対応する前記静電容量が前記ハウジング内に存在する前記薬剤の量に対して線形的に変化するように、前記静電容量センサが構成されている、請求項5に記載の薬剤容器。
【請求項14】
前記薬剤の量に対応する前記静電容量が前記ハウジングに追加されまたは取出される錠剤1個あたり10フェムトファラッド(fF)から100フェムトファラッド(fF)の間で変化するように、前記静電容量センサが構成されている、請求項5に記載の薬剤容器。
【請求項15】
前記薬剤の量に対応する前記静電容量が前記ハウジングに追加されまたは取出される液体薬剤1ミリリットルあたり250フェムトファラッド(fF)から450フェムトファラッド(fF)の間で変化するように、前記静電容量センサが構成されている、請求項5に記載の薬剤容器。
【請求項16】
前記静電容量センサによって検知された前記静電容量をデジタルデータに変換する容量デジタル・コンバータをさらに備えている、請求項5に記載の薬剤容器。
【請求項17】
前記静電容量センサによって検知された前記薬剤の量に対応する前記静電容量に少なくとも部分的に基づいて起動するように構成された少なくとも1つのアラート部をさらに備えている、請求項5に記載の薬剤容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2012年2月26日に出願された米国仮出願第61/603,353号および2013年1月15日に出願された米国仮出願第61/752,679号に基づく米国特許法第119条(e)の規定による優先権を主張し、その内容を参照により本明細書に援用される。
【0002】
[実施形態の分野]
本開示の実施形態は、患者が自分の薬剤を服用しているかどうか、および/またはいつ服用したかを判定し、適切な場合には、患者に対する適切なリマインダーおよび/またはアラートを提供して投薬計画の遵守を向上させるためのシステムおよび方法に関するものである。いくつかの実施形態によれば、薬剤容器の内容物(例えば錠剤の個数または液体薬剤の量)を検知するための静電容量センサを備えた薬剤容器が提供される。特定の実施形態においては、静電容量センサは、容器内容物に起因する静電容量を測定するために薬剤容器の軸に対して垂直向き、水平向きもしくは斜め向きにまたはその他の適切な態様にて配置された、交互配置形または櫛形電極を備えている。いくつかの実施形態においては、ここに記載されたシステムおよび方法は、薬剤容器の内容物、容器のキャップが最後に開閉された時間、薬剤容器の所在場所および/または容器の周囲環境を表すデータに少なくとも部分的に基づいて、患者に対するリマインダーおよび/またはアラートをトリガーする。
【背景技術】
【0003】
米国だけをみても1億3300万人の人々が少なくとも1つの慢性疾患を患っていると推定され、また、慢性疾患は毎年米国においておよそ10人中7人の死亡につながっていると推定されている。これらの疾病を軽減および治療するために薬剤がしばしば処方されるが、薬剤が服用されないままになることがある。投薬計画の遵守に係る現在のレベルは、50%程度またはそれを下回るレベルであって、患者は予防薬や苦痛緩和剤を手に入れることができるにもかかわらず、患者が自分の慢性疾患に対して適切な処置を行っているとはいえない。典型的には、患者が自分の薬剤を服用しない主要な理由は、飲み忘れである。
【0004】
上記に鑑みて必要となるのは、患者による投薬計画の遵守を増大するためのシステムおよび方法である。そして、患者による投薬計画の遵守が増せば患者の治療結果および生活の質を改善することが期待できる。
【発明の概要】
【0005】
すなわち、本開示の一態様によれば、薬剤のためのハウジング(例えばボトル)と、ハウジングに着脱可能に接続されたキャップとを備えた薬剤容器が提供される。いくつかの実施形態においては、薬剤容器は、キャップの開閉を検知するように構成されたキャップセンサを備えている。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態においては、薬剤容器は、ハウジングに接続された、当該ハウジング内における薬剤の量を検知するための測定センサ(例えば静電容量センサまたは重量センサ)を備えている。いくつかの実施形態においては、薬剤容器は、キャップセンサのステータスに少なくとも部分的に基づいて、測定センサの読取りをトリガーする(例えばキャップセンサがキャップが閉じられたことを示した直後や5秒または10秒後に測定センサの読取りをトリガーする)ように構成されたプロセッサを備えている。
【0006】
いくつかの実施形態においては、薬剤容器は、測定センサの読取りに関するデータ(例えば薬剤容器内における錠剤の個数または液体薬剤の量を表すデータ)をリモートコンピュータへワイヤレス送信するための送信装置(例えば送受信装置)を備えている。
【0007】
いくつかの実施形態においては、薬剤容器は、無線受信装置および/またはアラート部(例えば1つ以上の光源、グラフィカルディスプレイ装置、テキスト表示装置および/またはスピーカ)を備えている。例えば、無線受信装置は、リモートコンピュータ(例えばバックエンドシステム、または、薬剤容器と通信を行うための適切な通信アプリケーションを実行している携帯電話などのユーザコンピュータ)から起動命令を受信するように、あるいは、リモートコンピュータによって起動されるように構成されていてもよい。薬剤容器内に設けられたプロセッサは、起動命令の無線受信装置による受信に少なくとも部分的に基づいてアラート部を起動してもよい。
【0008】
本開示のいくつかの実施形態に係る別の態様によれば、薬剤のためのハウジングと、このハウジングに接続されていて、ハウジング内に存在する薬剤の量に対応する静電容量を検知する静電容量センサと、を備えた薬剤容器が提供される。いくつかの実施形態においては、静電容量センサは、交互配置形または櫛形パターンにしたがって配置された複数の導電性電極で構成されている。いくつかの実施形態においては、薬剤容器は、静電容量センサによって検知された静電容量をデジタルデータに変換するための容量デジタル・コンバータをさらに備えている。
【0009】
いくつかの実施形態においては、静電容量センサの導電性電極は、第1の導電端子と電気的に連通された第1の導電性電極と、第2の導電端子と電気的に連通された第2の導電性電極および第3の導電性電極と、を備えている。第1の導電性電極は、第2の導電性電極と第3の導電性電極との間に配置されていてもよい。ハウジング内における薬剤の量に起因する静電容量が、第1の導電端子と第2の導電端子との間で検知されてもよい。
【0010】
静電容量センサの電極は、任意の適切なサイズ、形状および/または構成態様を有することができる。いくつかの実施形態においては、静電容量センサの導電性電極には、導電性電極の交互配置パターンには、一定間隔で配置された複数の導電性電極が含まれている。いくつかの実施形態においては、導電性電極の交互配置パターンは、導電性電極の交互配置パターンには、矩形形状または概ね矩形形状とされた導電性電極が含まれている。いくつかの実施形態においては、薬剤容器が縦置き位置にあるときに、複数の電極の1つ以上が、薬剤容器の垂直軸に対して平行にまたは概ね平行に配置されている。いくつかの実施形態においては、薬剤容器が縦置き位置にあるときに、電極の1つ以上が、薬剤容器の垂直軸に対して斜め方法に、概ね斜め方向に、または別の角度関係(例えば35度から55度の間の角度)で配置されている。
【0011】
いくつかの実施形態においては、静電容量センサは、薬剤に対応する静電容量がハウジング内の薬剤の量に対して線形的にまたは概ね線形的に変化するように、構成されている。
【0012】
いくつかの実施形態においては、薬剤の量に対応する静電容量がハウジングに追加されまたは取出される錠剤1個あたり10フェムトファラッド(fF)から100fFの間で変化する。
【0013】
いくつかの実施形態においては、薬剤の量に対応する静電容量がハウジングに追加されまたは取出される液体薬剤1ミリリットルあたり250フェムトファラッド(fF)から450fFの間で変化する。
【0014】
本開示のいくつかの実施形態に係る他の態様によれば、患者に対して薬剤を服用すべき旨をリマインドするシステムおよび方法が提供される。システムは、患者と関連する投薬計画を表すデータを格納するように構成されたコンピュータメモリを備えていてもよい。また、システムは、患者と関連する薬剤容器からの通信を受信するように構成された1つ以上のコンピュータを備えていてもよい。1つ以上のコンピュータは、1つ以上のコンピュータによって薬剤容器から通信(例えば患者が自分の薬剤を服用したことを表す通信)が最後に受信されたのはいつかを表すデータと、患者と関連する投薬計画を表すデータとの比較を行ってもよい。この比較の結果に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上のコンピュータは、患者に対する薬剤を服用すべき旨のリマインダーをトリガーしてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態においては、このシステムおよび方法は、特定の時間において薬剤容器内に存在する薬剤の量を表す薬剤容器からの通信を受信するように構成された1つ以上のコンピュータを備えていてもよい。1つ以上のコンピュータは、薬剤容器内に存在する薬剤の量を表すデータと、患者と関連する投薬計画を表すデータとの比較を行ってもよい。この比較の結果に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上のコンピュータは、患者に対する薬剤を服用すべき旨のリマインダーをトリガーしてもよい。
【0016】
前述した概要はここに開示した実施形態を説明するためのものにすぎず、システム、方法、装置、コンピュータ読取可能媒体およびここに開示した諸機能を実行するための手段を含む追加的な本開示の実施形態は、詳細な説明に記載されかつ図面に示されている。
【0017】
本開示の実施形態の様々な側面は、以下の図面を参照して説明されるところ、これらの図面は必ずしも原寸に対応するものではなく、実施形態を限定する趣旨のものでもない。複数の図面に記載された要素には、それらが記載されたすべての図面において同一の引用符号・記号を付するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本開示のいくつかの実施形態に係る、薬剤容器の内容物を判定するための、および/または、患者に対して当該患者の薬剤を服用すべき旨のリマインダーおよび/またはアラートを提供するための例示的システムを示したブロックダイヤグラムである。
【0019】
図2A図2Aは、本開示のいくつかの実施形態に係る容器の内容物を測定するための2電極型静電容量センサを備えた薬剤容器を示した図である。
図2B図2Bは、本開示のいくつかの実施形態に係る容器の内容物を測定するための2電極型静電容量センサを備えた薬剤容器を示した図である。
図2C図2Cは、本開示のいくつかの実施形態に係る容器の内容物を測定するための2電極型静電容量センサを備えた薬剤容器を示した図である。
【0020】
図3A図3Aは、本開示のいくつかの実施形態に係る容器の内容物を測定するための縦向きの交互配置形または櫛形電極を備えた静電容量センサを示した図である。
図3B図3Bは、本開示のいくつかの実施形態に係る容器の内容物を測定するための縦向きの交互配置形または櫛形電極を備えた静電容量センサを示した図である。
図4A図4Aは、本開示のいくつかの実施形態に係る容器の内容物を測定するための縦向きの交互配置形または櫛形電極を備えた静電容量センサを示した図である。
図4B図4Bは、本開示のいくつかの実施形態に係る容器の内容物を測定するための縦向きの交互配置形または櫛形電極を備えた静電容量センサを示した図である。
【0021】
図5A図5Aは、本開示のいくつかの実施形態に係る容器の内容物を測定するための縦向きの交互配置形または櫛形電極を備えた静電容量センサを示した図である。
図5B図5Bは、本開示のいくつかの実施形態に係る容器の内容物を測定するための縦向きの交互配置形または櫛形電極を備えた静電容量センサを示した図である。
【0022】
図6A図6Aは、本開示のいくつかの実施形態に係る縦向きの交互配置形または櫛形電極を備えた別の静電容量センサを示した図である。
図6B図6Bは、本開示のいくつかの実施形態に係る縦向きの交互配置形または櫛形電極を備えた別の静電容量センサを示した図である。
【0023】
図7A図7Aは、本開示のいくつかの実施形態に係る斜め向きの交互配置形または櫛形電極を備えた薬剤容器のための静電容量センサを示した図である。
図7B図7Bは、本開示のいくつかの実施形態に係る斜め向きの交互配置形または櫛形電極を備えた薬剤容器のための静電容量センサを示した図である。
【0024】
図8図8は、本開示の一実施形態に係る静電容量センサによって測定された、薬剤容器内の錠剤の個数に対する静電容量測定値を表したグラフである。
【0025】
図9図9は、本開示の一実施形態に係る静電容量センサによって測定された、薬剤容器内の液体薬剤の量に対する静電容量測定値を表したグラフである。
【0026】
図10A図10Aは、本開示のいくつかの実施形態に係る容器内の薬剤の重量を測定するための重量センサを備えた薬剤容器を示した図である。
図10B図10Bは、本開示のいくつかの実施形態に係る容器内の薬剤の重量を測定するための重量センサを備えた薬剤容器を示した図である。
【0027】
図11図11は、本開示のいくつかの実施形態に係る患者に対して薬剤の服用を通知する例示的方法を説明したフローチャートである。
図12図12は、本開示のいくつかの実施形態に係る患者に対して薬剤の服用を通知する例示的方法を説明したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本開示は、概ね、患者による投薬計画の遵守を促進するためのシステムおよび方法に関するものである。図1は、本開示のいくつかの実施形態に係る、薬剤容器102の内容物を判定するための、および/または、患者に対して自分の薬剤を服用すべき旨のリマインダーおよび/またはアラートを提供するための例示的なシステム100を示したブロックダイヤグラムである。薬剤容器102は、入手に処方箋を要する錠剤もしくは液体薬剤または処方箋を要しない錠剤もしくは液体薬剤を収容するためのボトルまたはその他の容器である。いくつかの実施形態においては、システム100は、薬剤容器102とバックエンドシステム104とを備えており、このバックエンドシステム104は1つ以上のサーバを備えている。いくつかの実施形態においては、システム100は、ユーザコンピュータ128(例えば携帯電話、タブレットPC、ラップトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、またはデスクトップコンピュータ)、薬局のコンピュータ130および/または医師のコンピュータ132を備えている。
【0029】
薬剤容器102は、通信機能106を介して、バックエンドシステム104、ユーザコンピュータ128、薬局のコンピュータ130および/または医師のコンピュータ132のいずれか1つ以上(例えばこれらすべて)と通信が可能となるように接続されている。例えば、いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、例えばセルラーモデム(例えばTelit CC864−Dual、Sierra Wireless 6087(または5011)またはJanus CDMA Terminus Plug−in CDMA864C)を含む、通信を送信および/または受信するための無線送信装置または送受信装置108を備えている。通信機能106は、無線リンク(例えば無線周波数(RF)リンク、Bluetoothリンク、2Gリンク、3Gリンク)、その他の通信リンクまたはこれらを組み合わせた通信リンクで構成してもよい。様々な実施形態において、薬剤容器102は、異なるコンピュータと通信を行うための同一または異なる通信リンクを利用してもよい(例えば、バックエンドシステム104との通信およびユーザコンピュータ128との通信を異なる通信リンクを利用して行うなど)。
【0030】
いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、通信機能106の1つ以上の通信リンクを介して直接的にバックエンドシステム104との通信を行ってもよい。他の実施形態においては、通信機能106は、薬剤容器102とバックエンドシステム104との間の通信を実現する1つ以上の中間装置を備えていてもよい。例えば、いくつかの実施形態においては、通信機能106は、バックエンドシステム104(例えば携帯電話、携帯情報端末(PDA)または通信アプリケーションを実行するデスクトップコンピュータなどの汎用コンピュータ)との通信を実現するためにユーザの自宅内に設けられた専用の基地局(例えば壁コンセントに差し込むように構成された基地局)またはその他の中間コンピュータを含んでいてもよい。そして、かかる実施形態においては、薬剤容器102は、有線接続または無線接続(例えばUSB接続、Bluetooth接続またはその他の有線もしくは無線接続)を介して中間装置との通信を行ってもよい。これに対応して、中間装置は、適切な有線および/または無線接続(例えばセルラーネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネットなどのワイドエリアネットワークおよび/または公衆交換電話網(PSTN))を介してバックエンドシステム104との通信を行ってもよい。いくつかの実施形態においては、中間装置は、薬剤容器102によって通信が行われるデータの一部もしくは全部および/またはその他のデータをバックエンドシステム104に向けて通信してもよい。
【0031】
薬剤容器102は、その動作、知能および/またはバックエンドシステム104および/またはその他のコンピュータとの通信を実現するための1つ以上のコンポーネントを備えていてもよい。例えば、薬剤容器102は、容器内に設けられた電気回路に電源を供給するためのローカル電源110(例えばリチウム電池、リチウムポリマー電池、グラフェン電池、スーパーキャパシタおよび/または関連する充電回路)、コンピュータまたはプロセッサ112(例えばATMEL ATmega32U4、ATMELmega328またはPIC16F57などのマイクロコントローラ)、メモリ114(例えばランダムアクセスメモリ(RAM))および/または送受信装置ブロック108の一部として設けられた1つ以上のアンテナ(例えば800/1900MHzアンテナ)を備えている。
【0032】
いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、容器内における薬剤の量(例えば錠剤の個数または液体薬剤の量)を検知するための1つ以上のセンサ116を備えていてもよい。例えば、いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、少なくとも1つの静電容量センサを備えていてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、容器内の薬剤の量を検知するための交互配置形(interleaved)または櫛形(interdigitated)電極を有する静電容量センサを備えている。例えば、静電容量センサは、第1の導電性電気端子(例えば1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、20個、30個、50個または100個あるいはそれ以上の電極、または任意の数値範囲の数の電極)と電気通信を行う1つ以上の導電性電極を備えていてもよい。これらの電極の1つ以上の電極は、第2の導電性電気端子(例えば1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、20個、30個、50個または100個あるいはそれ以上の電極、または任意の数値範囲の数の電極)と関連する導電性電極と(例えば互いに対向する櫛形構成において)交錯されていてもよい。例えば、いくつかの実施形態においては、第1の電気端子と電気通信を行う電極は、第2の電気端子と電気通信を行う2つの電極の間に配置されていてもよい。第1の電気端子と第2の電気端子との間における静電容量を表す測定値は、薬剤容器102内の薬剤の量(例えば錠剤の個数または液体薬剤の量)に対応していてもよい。いくつかの実施形態においては、静電容量は、例えば3ボルト以下および250キロヘルツ(kHz)以下(例えば32kHzまたは1kHz)の励磁信号のような励磁信号をこれら端子の1つ以上で印加することによって端子間において測定されてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態においては、静電容量センサ116の交互配置形または櫛形電極の少なくとも一部分(例えば全部)は、薬剤容器102の通常の縦置き通常の縦置き位置に対して水平に、垂直に、斜めに(45度)、または任意のその他の角度関係(例えば0度から30度の間、30度から60度の間、60度から90度の間、または、任意のその他の値もしくはその間の数値範囲)に向けられていてもよい。いくつかの実施形態においては、静電容量センサ116の電極は、例えばノイズ耐性を改善するために(例えば銅箔で)シールドを施されてもよい。
【0035】
薬剤容器102内の内容物センサ116が静電容量センサである場合には、薬剤容器102内における適切な容量デジタル・コンバータ118(例えばAnalog Devices社製AD7746)によってデジタルデータに変換される静電容量読取り(例えばアナログ読取り)を提供してもよい。いくつかの実施形態においては、デジタルデータは、メモリ112に格納されてもよい。薬剤容器102は、容器102内の薬剤の量に対応するデジタルデータおよび/または関連情報を、通信機能106を介してバックエンドシステム104および/またはその他のコンピュータ(例えば患者の携帯電話128)に送信してもよい。
【0036】
いくつかの実施形態においては、バックエンドシステム104および/またはその他のコンピュータ(例えば患者の携帯電話128)は、薬剤容器102内におけるセンサ116による測定結果に対応するデータを薬剤容器102から受信して、当該データを例えば1つ以上の錠剤の個数または液体薬剤の量などの薬剤の量に変換してもよい。例えば、バックエンドシステム104および/またはその他のコンピュータは、静電容量および/またはその他の読取りを、例えば、錠剤サイズ、形状、密度、組成および/または静電容量線形回帰定数を含む、様々なタイプの薬剤に係る錠剤の個数または液体薬剤の量と関連付けした変換データを格納するためのメモリ120を備えていてもよい。1つ以上のコンピュータ、または、バックエンドシステム104および/またはその他のコンピュータのプロセッサ122は、静電容量の測定値を1つ以上の薬剤の量に変換するために変換データを利用してもよい。他の実施形態において、薬剤容器102内のプロセッサ112は、例えば量に対応するデジタルデータをバックエンドシステム104および/またはその他のコンピュータに送信する前に、静電容量の測定値を1つ以上の薬剤の量に変換してもよい。いくつかの実施形態においては、薬剤容器102、バックエンドシステム104および/またはその他のコンピュータ(例えば患者の携帯電話128)は、センサ116による静電容量測定の結果として受信されたあるいは測定の結果から得られたデータに少なくとも部分的に基づいて、薬剤を服用するように指示する、患者に対する1つ以上のリマインダーおよび/またはアラート部をトリガーしてもよい。例えば、バックエンドシステム104または患者の携帯電話またはタブレットPC128が実行するアプリケーションは、薬剤容器102内の薬剤の内容を表すデータを(例えば薬剤容器102から)受信してもよく、そして、このデータに少なくとも部分的に基づいて、患者に対する1つ以上のリマインダーおよび/またはアラート部を起動してもよい。
【0037】
薬剤容器102用の静電容量センサ116は、任意の適切な態様にて形成および/または利用することができる。例えば、いくつかの実施形態においては、静電容量センサ用の導電性電極(例えばプレート)は、接着性導電体(例えば銅テープ)から形成されてもよい。いくつかの実施形態においては、静電容量センサ用電極は、1つ以上のフレキシブル多層プリント回路基板(PCB)から形成されてもよい。いくつかの実施形態においては、2層フレキシブルPCBを利用して、一方のレイヤで静電容量を測定するとともに他方のレイヤを接地電気シールド(キャパシタンスサブトラクタ)として作用させるようにしてもよい。いくつかの実施形態においては、静電容量を測定するのに用いられる物体の外面を接地してもよい。本開示のいくつかの実施形態に係る接地シールドは、測定機器(例えばデジタルコンバータ118)がすでに2つのセンス電極の間で読み取った電気容量に静的キャパシタンスを加える。システム100は、薬剤検知のためにコンバータ118のダイナミックレンジを最大に利用ことができる状態に維持されるように、静電容量‐デジタル取得の一部をなすものとして静的キャパシタンスをキャンセルしてもよい。接地電極(例えばプレート)は、有利には、ボトル内部の静電容量のすべての電界(E)線はシールド内部で終端するので、シールド外部のいかなるものも電界線を攪乱させることがない(または実質的に攪乱させることがない)ように、近接する物体または人の手によって生じる静電容量の読取りの変動を除去するようにしてもよい。いくつかの実施形態においては、静電容量測定に用いられる電極(例えば銅板またはフレキシブルPCBの一部分)は、プラスチック射出成形プロセスを用いてオーバーモールドされてもよい。いくつかの実施形態においては、導電板(例えば銅板)が、薬剤の量を測定するのに利用するため薬剤容器102の内側に挿入されてもよい。いくつかの実施形態においては、1つ以上のセンサ116用の導体は、薬剤容器102の1つ以上の壁部に埋め込みまたは一体化(例えば2つのプラスチック製壁部の間の小さな通路の中にはめ込みまたは配置)されてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態においては、薬剤容器102のセンサ116は、例えば、薬剤容器102内の薬剤の重量を検出する重量センサ(例えば図10Aおよび図10Bに示すセンサ)、抵抗センサおよび/またはイダクティブセンサを含む他のタイプのセンサを含んでいてもよい。本開示のいくつかの実施形態に係る薬剤容器102およびセンサ116に関するこの他の詳細については、以下、例えば図2ないし図10Bとの関連で説明するものとする。
【0039】
いくつかの実施形態においては、薬剤容器102内の薬剤の量を表すデータを、予想される容器102内の薬剤の量を表すデータと比較するようにしてもよい。この比較の結果に少なくとも部分的に基づいて、システム100(例えばバックエンドシステム104および/または薬剤容器102)は、薬剤を服用すべき旨の1つまたは複数のリマインダーおよび/またはアラートを患者に対して提供してもよい。いくつかの実施形態においては、所定の患者に割当てられた薬剤容器102内に残っている薬剤の予想量を表すデータを、患者が自分の薬剤を充填または取り出した日付および/または時間、患者に与えられた当初の薬剤の量、患者の投薬計画(例えば服用サイズおよび一日当たりの服用回数)を表すデータに少なくとも部分的に基づいて判定するものとしてもよく、ならびに/または、センサ116が薬剤容器102内に残っている薬剤の量を測定した日付および/もしくは時間に基づいて判定するものとしてもよい。いくつかの実施形態においては、この比較は、メモリ120に格納されたデータに基づきバックエンドシステム104によって行ってもよく、および/または、その他のコンピュータ(例えば患者の携帯電話128)によって行ってもよい。いくつかの実施形態においては、この比較は、メモリ112に格納された情報に基づいて、薬剤容器102内のプロセッサ110によって行われてもよい。
【0040】
システム100は、様々な実施形態にしたがって患者に対して異なるタイプのリマインダーおよび/またはアラートを提供してもよい。いくつかの実施形態においては、バックエンドシステム104は、患者が自分の投薬計画を遵守していないとバックエンドシステム104および/または薬剤容器102が判定した場合に、患者に関連する電話番号(例えば患者について記録されたデータと関連する、メモリ120内に格納された電話番号)に対して電話呼び出し(例えば自動メッセージまたは直接オペレータによる呼び出し)の開始をトリガーしてもよい。いくつかの実施形態においては、電話呼び出しは、患者の自宅、携帯電話および/もしくは勤務先電話に対して、ならびに/または、患者の医師(例えば医師のコンピュータ132)、家族および/もしくはその他の被指定人に関連する電話番号に対して、開始されてもよい。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態においては、バックエンドシステム104は、メモリ120に格納された指示が表すところにより患者(例えば患者の携帯電話128)、患者の医師(例えば医師のコンピュータ132)、および/または患者の被指定人に対して、テキストメッセージ、電子メールまたはその他のデジタルメッセージなどの電子メッセージをトリガーしてもよい。いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、薬剤容器102の1つ以上のアラート部124および/またはユーザコンピュータ128との通信(例えばテキストメッセージ)を介して、患者へのリマインダーおよび/またはアラートの発生をトリガーしてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、バックエンドシステム104および/または薬剤容器102が、患者が自分の投薬計画を遵守していないと判定した場合には、1つ以上のアラート124を発生させてもよい。例えば、薬剤容器102は、患者が自分の投薬計画を遵守しないときに点灯する1つ以上の光源124(例えば発光ダイオード(LED))を備えていてもよい。例えば、光源は、特定の色で点灯し、あるいは、点滅パターンで点灯し、および/または、異なる状況に応じて発光色または点灯パターンを変化させてもよい(例えば患者が薬剤を服用するのを忘れたとき、バックエンドサーバ104への接続が切断されているとき、または、患者が薬剤の服用を怠った時間が長くなるにつれて強度または光量が漸次増大するライトなど)。光源124は、本体および/またはキャップの様々な領域を含め、薬剤容器102の上またはその内部における任意の適切な位置に配置されることができる。いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、特定のライトの上方に、例えば、「切断しています」または「服用してください」などの単語またはシンボルを備えていてもよい。
【0042】
代替的にまたは追加的に、薬剤容器102は、例えば、テキストおよび/または図形(例えばバックエンドシステム104から自動受信されるテキストおよび/または図形)を表示するための図形および/またはテキスト表示装置、および/または、音声アラートを発行するためのスピーカを含む、その他のタイプのアラート124を備えていてもよい。音声アラートについては、いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、異なる状況(例えば患者が薬剤を服用するのを忘れたとき、バックエンドサーバ104への接続が切断されているとき、または、患者が薬剤の服用を怠った時間が長くなるにつれて強度が漸次増大する音)に応じて、異なる音、音パターンおよび/または音量を再生してもよい。いくつかの実施形態においては、薬剤ボトル102は、ボイスアラート(例えば患者の声、家族の声および/または医師の声)を再生してもよい。ボイスアラートは、メモリ114に格納されてもよい。ボイスアラートは、任意の適切なアプローチ(例えばユーザが所定の電話番号に電話をかけてボイスアラートを録音し、これをUSB接続または無線接続を介して薬剤容器102にダウンロードするなど)を用いて録音したうえでメモリ114にダウンロードされてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態においては、薬剤容器102のライトおよび/またはその他のアラートを起動させるための薬剤容器102に対する命令は、バックエンドシステム104、その他のコンピュータ(例えばユーザコンピュータ128)および/または薬剤容器102が提供するようにしてもよい。例えば、かかる命令は、前述した患者に対して予想される薬剤の量を表すデータおよび容器102内に残っている薬剤の量を表すデータに少なくとも部分的に基づいて提供されてもよい。いくつかの実施形態においては、バックエンドシステム104、その他のコンピュータおよび/または薬剤容器102は、薬剤遵守のためのリマインダー/アラートのエスカレーションチェーンを実装するために、非一時的なコンピュータで実行可能なプログラム命令をメモリに格納してもよく、これにより薬を服用しないと予想される患者が適切な量の薬剤を薬剤容器102から取り出すまで(例えば異なるおよび/または複数のリマインダー/アラートを用いて)リマインドがなされる。
【0044】
システム100は、患者の過去の遵守統計(例えば、メモリ114および/または120またはユーザコンピュータ128のメモリに格納されている遵守統計)に基づいて、異なるタイプのリマインダーおよび/またはアラート、または、リマインダーまたはアラートのタイミングを提供するように構成されていてもよい。例えば、いくつかの実施形態においては、バックエンドシステム104、ユーザコンピュータ128のようなその他のコンピュータおよび/または薬剤容器102は、1つ以上の機械学習技術を用いて、いつ、どのようなタイプのリマインダーを患者に対して開始させるか、および/または、いつ患者が自分の薬剤を服用する可能性が高いか、を判定するようにしてもよい。例えば、リマインダーのタイミングまたはタイプは、システム100がいつ、患者が自分の薬剤を服用する可能性が最も高いと予測するかにしたがって変化させてもよい(例えば、予測は曜日、服用回数等に少なくとも部分的に基づく)。いくつかの実施形態においては、リマインダーは、格納された過去のデータが当該患者が薬剤容器102を開閉する可能性が最も高いと示している時間(例えば、午前7時から午前8時までの朝の時間、午後の時間、夕方の時間)に患者に対して起動される。
【0045】
いくつかの実施形態においては、システム100(例えば薬剤容器102および/またはバックエンドサーバ104)は、患者のコンピュータまたは電話128から受信したデータに少なくとも部分的に基づいて、患者に対するリマインダーおよび/またはアラートをトリガーしてもよい。例えば、バックエンドシステム104に対するテキストメッセージのような電話入力(例えば例えば服薬遵守または不遵守を表す)によって、患者が薬剤を服用しまたは薬剤の詰替えを受けるといった役割を果たすように、少なくとも部分的に、バックエンドシステム104にリマインダーまたはアラート(例えば薬剤容器102上に表示され、または、薬剤容器102が発生させる)をトリガーさせてもよい。別の例として、ユーザコンピュータ128で実行されているアプリケーションに対する入力(または入力の不存在)によって、患者に対するリマインダーおよび/またはアラートをユーザコンピュータ128に発生させまたはトリガーさせてもよい。
【0046】
薬剤容器102は、容器102内の薬剤の量を測定および記録し、ならびに/または、当該情報を、バックエンドサーバ104および/もしくはその他のコンピュータ(例えばユーザコンピュータ128)へ、任意の適切な時間に、または、任意の適切な頻度(例えば連続的にまたは実質的に連続的に)で報告してもよい。例えば、いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、いつユーザが容器102のキャップを開閉したかを検出するための1つ以上のセンサ126を備えていてもよい。いくつかの実施形態においては、センサ126は、キャップが閉じられると(例えば押下されて)起動されるスイッチを備えていてもよく、これにより、患者が容器から薬剤を取り出した可能性があることを示唆するようにしてもよい。スイッチが起動された後(例えばスイッチの起動直後または別の時間に)、薬剤容器102は、容器内の薬剤の量を表すセンサ116からの測定値を測定および記録し、および/または、当該測定値をバックエンドシステム104へ通信してもよい。
【0047】
いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、容器102内の薬剤の量を表すデータを測定し、記録しおよび/またはバックエンドサーバ104へ報告するためにセンサ126が起動された後で、所定の時間(例えば5秒から10秒の間)だけ待機してもよい。いくつかの実施形態においては、メモリ114に格納された非一時的コンピュータプログラム命令(コンピュータロジック)は、プロセッサ110を利用して、薬剤容器102のこのタイミング機能を制御してもよい。例えば、薬剤容器102は、もしスイッチが前回起動されてから所定の時間間隔の間、スイッチが起動された状態のまま(キャップは閉じた状態のまま)である場合には、測定値を単に測定し、記録しおよび/またはバックエンドサーバ104に対して報告してもよい。この場合、患者がいずれかの薬剤を取り出す前に患者が偶然スイッチを起動させたとき(例えば患者の指でスイッチを押下したとき)には、容器102が測定値を測定し、記録しおよび/または報告を行うことを妨げることがある。いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、当初のデータ通信の試みが失敗した場合には(例えば、通信チャネルにおけるノイズまたはその他の理由により)、測定値をメモリ114に格納し、および、測定データをバックエンドシステム104および/またはその他のコンピュータへの通信を再試行してもよい。
【0048】
いくつかの実施形態においては、薬剤容器102、バックエンドサーバ104および/またはその他のコンピュータ(例えばユーザコンピュータ128)は、薬剤容器102のキャップの開閉を検知するセンサ126に少なくとも部分的に基づいて、患者に対するリマインダーおよび/またはアラートをトリガーしてもよい。例えば、薬剤容器102、バックエンドサーバ104および/またはその他のコンピュータが、キャップが前回開閉されてから所定量の時間が経過したと判定した場合(例えば患者の投薬計画を表す格納データにしたがって、服用間隔にあたる時間を超える時間が経過した場合)には、薬剤容器102、バックエンドサーバ104および/またはその他のコンピュータは、患者に対して当該患者が薬剤を服用すべき旨のリマインダーおよび/またはアラートをトリガーしてもよい(例えば光源の点灯、グラフィカルディスプレイ装置、テキストメッセージ、音声アラート、電話呼び出し等)。
【0049】
いくつかの実施形態においては、センサ116は、薬剤容器102の内容物を、一日のうち特定の時間(例えば毎日午前8時および午後8時)に;設定間隔で(例えば4時間おきに);前回変化から所定時間経過時に(例えば容器が動かされてから5分);短い時間間隔に一括して;ある動作に応じて起動されて;ユーザまたは第三者によってトリガーされて;バックエンドシステム104内でシステムオペレータによって遠隔的にトリガーされて;および/またはユーザコンピュータ128で実行されているアプリケーションによってトリガーされて、測定してもよい。いくつかの実施形態においては、一回に行われる複数回の測定は、装置が動かされたとき、環境の変化に応じておよび/またはその他の仕方で変化しまたは扱われたときに、行われてもよい。いくつかの実施形態においては、複数の機構またはこれらの機構の組み合わせは利用されてもよく、これにより、システムの信頼性および精度を向上することができる。
【0050】
本開示のいくつかの実施形態においては、一時的な読取り結果は、薬剤容器102の定常状態における内容物を表すとはかぎらないこと、および、誤った判断または不正確な測定および結果につながりうること、が理解されるべきである。したがって、いくつかの実施形態においては、このようなことが発生しないように確保すべく、容器内容物の測定は一括して行われる。例えば、複数の感覚的読取りは、短時間で、センサ116によって実行されて、システム100が測定結果が正確であることを検証および確認することができるようにしてもよい。所定時間枠内の複数の読取りが(例えば薬剤容器102内の1つ以上のプロセッサ、バックエンドサーバ104および/またはパーソナルコンピュータ128などのその他のコンピュータによって判定されるところにしたがい)一致しない場合には、患者は、より一層正確な読取りが可能となるように容器の状態を変更するように、(例えば1つ以上のアラート124によって)リマインドされてもよい。患者はそのうえで必要な修正を施したうえで新たな測定を開始することができる(例えば、容器が再度動かされたことを自動的に検知するか、あるいは、複数の通知がされる間の設定時間間隔等のその他のファクターに基づいて)。プロセスは、正確な測定結果が収集されたと判定されるまで繰り返されてもよい。容器が頻繁に動かされまたは通常でない位置におかれていて、かつ、短い時間間隔の間に読取り結果に変化が存在している場合には、システムは、予想される不規則性を検知し、潜在的な問題を察知し、適切な関係者に通知し、および適切と判断した場合には測定を再度実行することができる。
【0051】
いくつかの実施形態においては、システムは、ある物質がその使用期間と比較してどの程度長く容器内に存在しているかを(例えばメモリ114またはメモリ120に格納されたテータに基づいて)把握している(これは、薬剤容器102内の1つ以上のプロセッサ、バックエンドサーバ104および/またはパーソナルコンピュータ128などのその他のコンピュータによって判定される)。したがって、いくつかの実施形態においては、システムは、前述したアラート機構および/またはその他のアラートを用いて、患者(または被指定連絡先)に対してその物質を廃棄または交換すべきことをリマインドすることができる。
【0052】
薬剤容器102は、様々な実施形態において異なるタイプのセンサ126を備えている。例えば、いくつかの実施形態においては、センサ126は、容器キャップとの係合を検出するとともに開閉状態を表す信号またはデータを出力する検出スイッチを備えていてもよい。いくつかの実施形態においては、センサ126は、容器キャップの開閉状態を検知するための超音波センサ機構を備えていてもよい。他の実施形態において、センサ126は、近接プローブセンサ、フォトインタラプタ、オプティカルスイッチおよび/または容器キャップの開閉状態を検出するためのその他のトリガー機構を含んでいてもよい。
【0053】
いくつかの実施形態においては、薬剤容器102、バックエンドサーバ104および/またはその他のコンピュータは、ユーザコンピュータ128(例えば患者の携帯電話)、所在場所(例えば患者の自宅)または中間装置(例えば患者の自宅内における壁面設置可能な専用基地局)に対する薬剤容器102の近接性に少なくとも部分的に基づいて、患者に対してリマインダーおよび/またはアラートをトリガーしてもよい。例えば、薬剤容器102で実行されているアプリケーション(例えばメモリ112に格納されたコンピュータ実行可能な命令を含む)は、容器102に、携帯電話または中間装置(例えば壁コンセントに差し込まれた専用基地局)の存在についてワイヤレスで(例えば定期的にまたは任意のその他の適切な時間で)チェックまたは接続確認をさせてもよく、これはまた、かかる通信を受信および監視するためのアプリケーションを実行することによってもよい。別の例として、薬剤容器102における全地球測位モジュールによって、ボトルの所在場所がメモリに格納された所在場所と一致するかどうかを(例えば定期的にまたは任意のその他の適切な時間で)チェックしてもよい。いくつかの実施形態においては、薬剤容器102の全地球測位モジュールは、薬剤容器102が開閉された場所を登録してもよい。かかる場所データは、メモリ114に格納され、メモリ120への格納のためバックエンドシステム104に通信され、および/または、その他のコンピュータ(例えばユーザコンピュータ128)に通信されてもよい。
【0054】
いくつかの実施形態においては、患者に対するリマインダーおよび/またはアラートは、ユーザコンピュータ128(例えば患者の携帯電話)の薬剤容器102との近接性、所在場所(例えば患者の自宅)、または中間装置(例えば患者の自宅における壁面設置可能な専用基地局)に少なくとも部分的に基づいてトリガーされてもよい。例えば、ユーザコンピュータ128で実行されているアプリケーション(例えばコンピュータ128のメモリに格納されたコンピュータ実行可能な命令を含む)は、ユーザコンピュータ128に、薬剤容器102または中間装置の存在についてワイヤレスで(例えば定期的にまたは任意のその他の適切な時間で)チェックまたは接続確認をさせてもよく、これはまた、かかる通信を受信および監視するためのアプリケーションを実行することであってもよい。別の例として、ユーザコンピュータ128における全地球測位モジュールは、電話の所在場所がメモリに格納された所在場所と一致するかどうかを(例えば定期的にまたは任意のその他の適切な時間で)チェックしてもよい。
【0055】
いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、オープンソースまたはその他のアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を利用してもよい。これにより、他の装置およびシステム(例えばバックエンドシステム104、ユーザコンピュータ128および/または薬局のコンピュータ130)がより一層効率的かつユーザフレンドリな仕方で薬剤容器102との通信を行うことができる。
【0056】
薬剤容器102は、任意の適切なサイズおよび/または形状を有することができる。例えば、いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は錠剤ボトルとされていてもよい。いくつかの実施形態においては、錠剤ボトルは、従来の錠剤ボトルと同様の円筒状または実質的に円筒状の本体を有していてもよい。本体は、円形または実質的に円形の断面を有していてもよい。医療用容器102のキャップは、本体への取付けのためにその断面が円形または実質的に円形であってもよい。その通常の縦置き位置において、本体は、容器の底部から垂直に延びていて、この底部はキャップに至るまで円形または実質的に円形の断面を有していてもよい。他の実施形態において、薬剤容器102の本体は、非円筒状(例えば正方形、楕円形、円錐形、矩形、または装飾的、人間工学的にまたは子供にとり扱いやすい形状または外観)とすることができる。いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、クラムシェル形状を有していてもよい。
【0057】
いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、複数のコンパートメントを有していてもよい。例えば、錠剤ボトルまたは液体薬剤ボトルは、(例えば半分あるいはその他の比例関係にて)分割または分離されてもよく、これは、電気回路(例えばセルラーモデムおよび/またはマイクロプロセッサ等)が実物の薬剤用のコンパートメントからは隔てられつつ同時に接続されている1つ以上の電子部品コンパートメント内に収容されるようにするためである。いくつかの実施形態においては、この分割または分離は、錠剤ボトルの一部分(例えば底部から始まって途中まで)に沿ってのみ存在しており、これにより容器がより一層多くの薬剤を収容することができるようにするためである。いくつかの実施形態においては、薬剤容器102の分割によって、薬剤が容器の電気回路と直接物理的に接触することがないように確保することができる。
【0058】
いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、薬剤が仕様で規定される態様で(例えばセンサ116の近くに)容器の底に集まるように、薬剤コンパートメント内に円錐状の形状を有していてもよい。
【0059】
いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、キャップおよび/または容器の本体に貼付けられるステッカー又はその他の識別標識を備えていてもよい。かかる識別標識は、当該容器が誰に属するかを表すという機能をもつものである。
【0060】
いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、容器を把持しやすくなるように、本体および/またはキャップなど容器の少なくとも一部分に設けられた把持材(例えばゴムまたはリブ付きプラスチック)を備えていてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、少なくとも部分的に薬剤容器102内部に嵌合される、連日用薬剤容器を収容することができる程度に大きな容器であってもよい(例えば通常の既製品、すなわち地域の薬局で購入可能な錠剤ボックスであって、複数コンパートメント、典型的には週の一日につき1つのコンパートメントを含む錠剤ボックス)。いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、連日用薬剤容器の複数のコンパートメントのいずれかからいつ薬剤が取り出されたかを検知するための1つ以上のセンサ116を備えていてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、電力管理を目的とした1つ以上の機能を備えていてもよい。例えば、いくつかの実施形態においては、容器102は、ローカル電源110を充電するためのMini−USB/Micro−USB充電器またはその他の充電機能を備えていてもよい。ローカル電源110(例えばバッテリ)は、任意の適切なタイプおよび/または形状を有していてもよい。いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、容器の一部分(例えば底部)の外周に巻かれているとともに壁コンセントに差し込まれるように構成された格納式充電器を備えていてもよい。いくつかの実施形態においては、薬剤容器102内の電子部品(例えば受信装置)の一部または全部は、定期的にまたは任意のその他の適切なスケジュールまたは要因にしたがって、電源投入されてもよい(例えばX時間ごとに又は外部プロンプトを介して)。これにより、容器102が電力を節減することができ、それにより容器102が選択的に(例えばバックエンドシステム104から、X時間ごとに1回)オンしてリマインダーを受信することができ、ならびに/または、信号および/もしくはデータを受信および/もしくは処理することができる。いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、関連する異なる電力消費レベルを有する2つまたはそれ以上の接続オプションであって、バックエンドサーバ104および/またはその他のコンピュータとの通信(例えばBluetooth、2G、または3Gを経由)のための接続オプションを備えていてもよい。薬剤容器102は、バックエンドサーバ104または患者の携帯電話128などの別のデバイスへ信号を送出するために、最初は電力消費がより少ない接続モード(例えばBluetooth)を利用することを試み、そのようにしても接続を確立することができない場合にかぎり、より消費電力の大きいモード(例えば3G)を利用してもよい。いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、ON−OFFボタンまたはスイッチを備えていてもよい。例えば、ひとたびオンすると、ボトルは、患者がオフにすることができないようにしてもよい。これにより、(例えば使用可能のとき、または充電されてから)薬剤師がボトルをオンするようにすることができ、容器が店舗の商品棚に置かれているまたは患者への引渡を待つため倉庫に保管されている場合にローカル電源に接続したまま電力を消費することがないから、消費電力を節減することができる。
【0063】
いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、容器を、例えば患者、データ記録および/または容器内の送信装置または送受信装置108を特定しまたはそれらと関連付けする1つ以上の機能を備えていてもよい。例えば、いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、バーコードまたはその他の識別標識(例えば容器の外面上に固定または印刷されている)を備えていてもよい。いくつかの実施形態においては、識別標識は、患者のアカウント番号または容器内の特定のモジュール(例えば3Gモジュール)と関連付けされていてもよい。いくつかの実施形態においては、識別標識は、薬剤師により記録され(例えばスキャンされ)て、薬剤容器102およびその固有の識別標識を特定の患者のデータ記録と関連付けするようにしてもよい。薬剤容器102のための識別標識と特定の患者とを関連付けするデータは、例えばバックエンドシステム104のメモリ120、薬剤容器102のメモリ114、ならびに/または、薬局のコンピュータ130、医師のコンピュータ132および/もしくはユーザコンピュータ128のメモリに格納されてもよい。いくつかの実施形態においては、識別標識は、一方において薬剤容器102と、他方においてバックエンドシステム104および/またはその他のコンピュータ(例えば128、130および/または132)との間の通信内容に含まれてもよい。例えば、薬剤容器102は、データパケットをバックエンドサーバ104および/またはその他のコンピュータに通信してもよく、データパケットには識別標識を表すデータおよび/または少なくとも部分的に容器の本体の外周に配置された交互配置形または櫛形電極の間での静電容量測定値を表すデータなどの薬剤の量を表すデータが含まれる。
【0064】
いくつかの実施形態においては、メモリ120および/もしくはメモリ114(ならびに/またはコンピュータ128、130および/もしくは132のその他のメモリ)は、薬剤容器102内のコンピュータまたはプロセッサ、バックエンドサーバ104および/またはその他のコンピュータに、容器のための識別標識と処方薬/服用/詰替えスケジュール、患者連絡先情報(例えば好みのタイプのリマインダーおよび/またはアラート)、医師連絡先情報、薬局連絡先情報および/または前述した情報を含む患者のためのデータ記録と関連する任意のその他の情報(例えば容器102内に残っている薬剤の量を表すデータ、容器102から最後に薬剤の量を測定してからの経過時間を表すデータ等)とを関連付けするために、ならびに/または、この情報に基づいてリマインダー、アラートおよび/またはその他の機能を起動させるための、非一時的コンピュータプログラム命令(コンピュータロジック)を格納してもよい。いくつかの実施形態においては、バックエンドサーバ104および/またはその他のコンピュータは、格納された患者データにアクセスして、いつおよび/またはどのようにして、薬剤を服用すべき旨のリマインダーおよび/またはアラートと患者とを接触させるか、を判定するようにしてもよい。
【0065】
いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、薬剤の詰替えをトリガーするボタンまたはその他のユーザ入力機能またはオプションが(例えばキャップまたは本体の一部分に、または、キャップが本体にねじ込まれている場所においてもしくは当該場所の近くに)設けられていてもよい。例えば、ユーザがユーザ入力機能を起動したときに、薬剤容器102は、バックエンドサーバ104、患者の医師または家族132に関連するコンピュータおよび/または患者が詰替えを要求した薬局のコンピュータシステム130と通信を行ってもよい。
【0066】
いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、誰か(例えば医師または家族)に対してリマインドまたはその人物と会話をすることができるように、ボタンまたはその他のユーザ入力機能またはオプションが(例えばキャップまたは本体の一部分に、または、キャップが本体にねじ込まれている場所もしくはその近くに)設けられていてもよい。例えば、特定の時間間隔でこのオプションを起動することで特定の反応を惹起してもよい(例えば、ボタン等を10秒間保持した場合に、患者を呼び出すように医師に対して通信が行われてもよい)。ユーザがこのユーザ入力機能を起動すると、薬剤容器102は、バックエンドサーバ104、患者の医師または家族132に関連するコンピュータおよび/または患者が支援を要求した薬局のコンピュータシステム130と通信を行ってもよい。
【0067】
いくつかの実施形態においては、薬剤容器102は、1つ以上のセキュリティ機能を備えていてもよい。例えば、薬剤容器102は、指紋スキャナ、コード入力のためのタッチパッドおよび/またはその他のロック機構を備えていてもよい。いくつかの実施形態においては、かかる機構は、薬剤容器102内の薬剤および/またはその他の機能へのアクセスを制限するために用いられてもよい(例えば詰替え機能、支援要求機能等)。
【0068】
いくつかの実施形態においては、バックエンドシステム104は、不遵守の理由を判定するために患者からのフィードバックを(例えば患者に対するテキストメッセージ、電子メールおよび/または電話呼び出しを介して)要求してもよく、および/または、かかるフィードバックに対して任意の適切なアプローチ(例えばテキストまたは電子メール承認)を用いて適宜応答を行ってもよい。いくつかの実施形態においては、かかるフィードバックは、患者の不遵守の確率をより一層正確に予測するためおよび/または適切なリマインダーおよび/またはアラートを選択するために、患者のためのデータ記録に格納されて、前述した機械学習技術によって利用されてもよい。
【0069】
図2Aないし図2Cは、本開示のいくつかの実施形態に係る2セグメント型静電容量センサ116を備えた薬剤容器102を示した図である。図2Aは、従来形状を有する概ね円筒状の薬剤容器102(例えば錠剤ボトル)を示した側面図である。図示した例において、薬剤容器102は、容器がその通常の縦置き位置に置かれている状態で容器の底部から垂直に伸びた中心軸線202を有している。例えば、限定する趣旨ではないが、容器は、約31ミリメートル(mm)のキャップ径(軸202に対して垂直に測定して)、約29.5mmの本体直径および約68mmの高さ(軸202に対して平行な方向に測定して)を有していてもよい。本開示のその他に実施形態においては薬剤容器102のその他のサイズおよび/または形状を用いてもよい。
【0070】
図2Bは、第1の電極と電気的通信する第1の導電端子204と、第2の電極と電気的に連通された第2の導電端子206とを含む、2セグメント型静電容量センサ116のための電極パターンを平らにしたまたは展開した状態を示した図である。図示した例において、電極は、端子204および端子206から伸びた導電性ブロックであるが、その他の実施形態においては電極についてその他の形状を用いてもよい(例えば三角形、長円形、円弧、筒状および/または不定形電極)。いくつかの実施形態においては、例えば容量デジタル・コンバータ118(図1)または別の電気回路への電極の電気的接続は、第1の端子204および第2の端子206の少なくとも一部分を介して(例えば図2Bに示す端子204および206の小突起を介して)なされてもよい。
【0071】
図2Cは、薬剤容器102の上にまたは薬剤容器102の少なくとも一部分の中に配置されるように構成された、図2Aの2セグメント型静電容量センサ116の電極を示した図である。例えば、電極は、容器の本体の外周の少なくとも一部分、外周の大半、あるいは実質的に外周の全体の周りに配置されていてもよい。図示した例において、端子204および端子206とそれらの関連する電極とは、対向しているものの、交互配置形または櫛形とされていない。端子/電極204および端子/電極206の最大でも一方が薬剤容器の外周の周りの任意の所与の点に存在しているだけである。電極によって形成されるキャパシタは、例えば平行板キャパシタに近いものである。
【0072】
図3Aおよび図3Bは、薬剤容器用静電容量センサ116の一実施形態を示した図であるところ、図中において、静電容量センサは、縦向きの交互配置形または櫛形電極を備えている。例えば、図2Aに示すタイプの薬剤容器102に対しては、電極が延びている方向は、中心軸線202と平行であってもよい。図3Aは、1つ以上の電極304(例えば図3Aおよび図3Bに示す実施形態における2つの電極)と電気的に連通した第1の端子302および1つ以上の電極308(例えば図3Aおよび図3Bに示す実施形態における2つの電極)と電気的に連通した第2の端子306を含む、静電容量センサ用電極パターンの平らにした状態または展開状態を示した図である。
【0073】
図3Bは、薬剤容器102の上にまたは少なくとも薬剤容器102の一部の中に配置される(例えば、容器の本体の外周の少なくとも一部分、外周の大半、あるいは実質的に外周の全体の周りに配置される)ように構成された電極を示した図である。図示した例において、電極304と電極308とは、交互パターンにおいて交互配置形/櫛形とされていて、少なくとも1つの電極304が2つの電極308の間に配置されている(逆も同様)。概ね、図2Bないし図2Cの構成における2つの対向した電極に代えて、複数の(例えば4つの)交互配置形電極を設けることで、静電容量の測定により薬剤容器102の内容物を正確にかつ反復して行う能力が向上する。概ね、図3Aに示す電極パターンの左端領域および右端領域を除いて、(i)端子302および/または電極304、および、(ii)端子306および/または電極308の少なくとも一部分は、薬剤容器の外周の周りの任意の所与の点に存在している。他の実施形態においては、端子および/または電極は、異なる形状(例えば三角形、長円形、円弧、筒状および/または不定形等)を有し、異なるサイズ(例えば長さおよび/または厚さ)を有してもよく、および/または、薬剤容器102との関係で異なる構成態様(例えば軸202に対して異なる角度をもつ構成態様)にて配置されてもよい。図3Aおよび図3Bにおける対向する電極の間に設けられたスペースは方形波に似ている。他の実施形態において、電極のその他の数および/または構成態様は、静電容量センサ116内に設けられていてもよい。
【0074】
図4Aおよび図4Bは、静電容量センサ116の別の実施形態を示した図であるところ、図中において、静電容量センサは、縦向きの交互配置形または櫛形電極を備えている。例えば、図2Aに示すタイプの薬剤容器102に対しては、電極が延びている方向は、中心軸線202と平行であってもよい。図4Aは、1つ以上の電極404(例えば図4Aおよび図4Bに示す実施形態における10個の電極)と電気的に連通した第1の端子402および1つ以上の電極308(例えば図4Aおよび図4Bに示す実施形態における10個の電極)と電気的に連通した第2の端子306を含む、静電容量センサ用電極パターンを平らにしたまたは展開した状態を示した図である。図4Bは、薬剤容器102の上にまたは少なくとも薬剤容器102の一部の中に配置される(例えば、容器の本体の外周の少なくとも一部分、外周の主要な部分、外周の大半、あるいは実質的に外周の全体、の周りに配置される)ように構成された電極を示した図である。図示した例において、電極404と電極408とは、交互パターンにしたがい交互配置形/櫛形とされていて、少なくとも1つの電極404が2つの電極408の間に配置されている(逆も同様)。概ね、図4Aに示す電極パターンの左端領域および右端領域を除いて、(i)端子402および/または電極404、および、(ii)端子406および/または電極408の少なくとも一部分は、薬剤容器の外周の周りにおける任意の所与の点に存在している。図示した例において、図4Aおよび図4Bにおける垂直な電極は、図3Aおよび図3Bに示す垂直な電極と比較して薄型とされた厚さを有している。
【0075】
図5Aおよび図5Bは、薬剤容器用静電容量センサ116の一実施形態を示した図であるところ、同図中において、静電容量センサは、横向きの交互配置形または櫛形電極を備えている。例えば、図2Aに示すタイプの薬剤容器102に対しては、電極が延びている方向は、中心軸線202に対して垂直であってもよい。図5Aは、1つ以上の電極504(例えば図5Aおよび図5Bに示す実施形態における10個の電極)と電気的に連通した第1の端子502および1つ以上の電極508(例えば図5Aおよび図5Bに示す実施形態における10個の電極)と電気的に連通した第2の端子506を含む、静電容量センサ用電極パターンを平らにしたまたは展開した状態を示した図である。図5Bは、薬剤容器102の上にまたは少なくとも薬剤容器102の一部の中に配置されるように構成された電極を示した図である(例えば、容器の本体の外周の少なくとも一部分、外周の主要な部分、あるいは実質的に外周の全体の周りに配置される)。図示した例において、電極504および電極508は、交互パターンにしたがい交互配置形/櫛形とされていて、少なくとも1つの電極504が2つの電極508の間に配置されている(逆も同様)。概ね、端子502および端子506がある領域またはこれら端子の近傍領域を除いて、(i)電極504および(ii)電極508の少なくとも一部分は、薬剤容器の外周の周りにおける任意の所与の点に存在している。
【0076】
図6Aおよび図6Bは、薬剤容器のための静電容量センサ116のさらなる別の実施形態を示した図であるところ、図中において、静電容量センサは、縦向きの交互配置形または櫛形電極を備えている。例えば、図2Aに示すタイプの薬剤容器102に対しては、電極が延びている方向は、中心軸線202に対して平行であってもよい。図6Aは、1つ以上の電極604(例えば図6Aおよび図6Bに示す実施形態における6個の電極)と電気的に連通した第1の端子602および1つ以上の電極608(例えば図6Aおよび図6Bに示す実施形態における6個の電極)と電気的に連通した第2の端子606を含む、静電容量センサ用電極パターンを平らにしたまたは展開した状態を示した図である。図6Bは、薬剤容器102の上にまたは少なくとも薬剤容器102の一部の中に配置される(例えば、容器の本体の外周の少なくとも一部分、外周の主要な部分、あるいは実質的に外周の全体の周りに配置される)ように構成された電極を示した図である。図示した例において、電極604および電極608は、交互パターンにしたがい交互配置形/櫛形とされていて、少なくとも1つの電極604が2つの電極608の間に配置されている(逆も同様)。概ね、図6Aに示す電極パターンの左端領域および右端領域を除いて、(i)端子602および/または電極604、および、(ii)端子606および/または電極608の少なくとも一部分は、薬剤容器の外周の周りにおける任意の所与の点に存在している。薬剤容器。図示した例において、図6Aおよび図6Bにおける垂直な電極は、図3A、3B、4Aおよび図4Bに示す電極とは異なる形状を有している。図6Aおよび図6Bにおいて、電極と端子とは、滑らかな端部を有している。図6Aおよび図6Bにおける対向する電極の間に設けられたスペースは正弦波に似ている。
【0077】
図7Aおよび図7Bは、薬剤容器用静電容量センサ116のさらなる別の実施形態を示した図であるところ、図中において、静電容量センサは、斜め向きの交互配置形または櫛形電極を備えている。例えば、図2Aに示すタイプの薬剤容器102に対しては、電極が延びている方向は、中心軸線202に対して45度の角度とされていてもよい。本開示のその他の実施形態においては、1つ以上の(例えば全部)の電極についてその他の角度関係(例えば0度ないし30度の間、30度ないし60度の間および0度ないし90度の間)を用いてもよい。図7Aは、1つ以上の電極704と電気的に連通した第1の端子702および1つ以上の電極708と電気的に連通した第2の端子706を含む、静電容量センサ用電極パターンを平らにしたまたは展開した状態を示した図である。図7Bは、薬剤容器102の上にまたは少なくとも薬剤容器102の一部の中に配置される(例えば、容器の本体の外周の少なくとも一部分、外周の主要な部分、外周の大半、あるいは実質的に外周の全体の周りに配置される)ように構成された電極を示した図である。図示した例において、電極704および電極708は、交互パターンにしたがい交互配置形/櫛形とされていて、少なくとも1つの電極704が2つの電極708の間に配置されている(逆も同様)。
【0078】
静電容量センサ116は、本開示のいくつかの実施形態に係る追加的な電極および/または端子を有していてもよい。例えば、いくつかの実施形態においては、追加的な端子(例えば円形導電端子)は、静電容量を測定するために薬剤容器102の上にまたは薬剤容器102の底面に配置されていてもよい。静電容量は、例えば、前述した実施形態のいずれにおいても、底部端子と第1の端子または第2の端子(例えば図4Aおよび図4Bに示す実施形態における第1の端子402)との間で測定してもよい。これにより、容器底部における薬剤の量(例えば錠剤または液体薬剤)の測定の精度を向上させることができ、あるいは、容器が少ない個数の錠剤のみを有するときに測定の精度を向上させることができる。いくつかの実施形態においては、薬剤容器102のメモリ114に格納されたコンピュータで実行可能な命令は、静電容量を測定する端子ペアを、例えば容器内の薬剤の量に応じて変更する。
【0079】
いくつかの実施形態においては、静電容量センサ116は、薬剤容器102内に(例えば、図2Aにおける中心軸線202の全長または一部分にわたって)、静電容量を測定するための端子および電極を備えていてもよい。静電容量は、例えば、この端子(例えば薬剤容器102の底部表面上または底部表面内に位置している)と、前述した実施形態のいずれかによる第1の端子または第2の端子(例えば図4Aおよび図4Bに示す実施形態における第1の端子402)との間で測定してもよい。かかる追加的な電極を設けることで、容器102内における薬剤のより大きな部分を電極間に位置付けることができ、測定の精度を向上させることができる。
【0080】
図8は、本開示の一実施形態に係る静電容量センサ116によって測定した、錠剤個数(x軸)に対する静電容量(y軸)を表すグラフである。この例においては、静電容量センサ116を図3Aおよび図3Bに示すように構成した。図に示すとおり、静電容量測定は、薬剤容器102の内容物が錠剤0個から錠剤50個まで変化するのに応じて、それぞれ、10.7ピコファラッド(pF)を若干下回るあたりから12ピコファラッド(pF)を若干下回るまでの範囲であった。この例において、錠剤はアスピリン325ミリグラム(mg)錠剤としたが、その他の実施形態においてその他のサイズおよびタイプの錠剤(または液体薬剤)を用いてもよい。図に示すとおり、静電容量は、概ね錠剤の個数に応じて線形的に変化し、各錠剤は、この例では約24フェムトファラッド(fF)の静電容量の変化を生じさせた。これは、利用可能な静電容量コントローラ(例えば容量デジタル・コンバータ118(図1))の範囲内であった。本実験において、測定値は、アナログ・デバイセズ社製コントローラAD7746用の評価キットを用いて取得した。他の実施形態においては、静電容量センサ116の構成態様に応じて、および薬剤容器102内に収容された錠剤のタイプに応じて、各錠剤は、約10fFから100fFまたはそれ以上の間(例えば20fFから40fFの間)の静電容量の変化を生じうる。
【0081】
図9は、本開示の一実施形態に係る静電容量センサ116によって測定された、液体薬剤の堆積(x軸)に対する静電容量(y軸)を示したグラフである。この例において、静電容量センサ116は、図6Aおよび図6Bに示すように構成した。図に示すとおり、静電容量測定は、薬剤容器102の内容物が0ミリリットル(mL)から35ミリリットル(mL)まで変化するのに応じて、それぞれ、7ピコファラッド(pF)を若干上回るあたりから約19.5ピコファラッド(pF)を若干下回るまでの範囲である。この例において、液体薬剤は液体Tussinとしたが、その他の実施形態においてはその他のタイプの液体薬剤を用いてもよい。図に示すとおり、静電容量は、液体薬剤の量とともに概ね線形的に変動した。この例において、静電容量コントローラ(アナログ・デバイセズ社製AD7746)に適用されるところにより、丸で示した測定値は第1のオフセット値で測定し、四角で示した測定値は第2のオフセット値で測定した。これらのオフセット値が異なっていることが、10番目の測定値と11番目の測定値との間において同値または若干下落した静電容量測定値がみられる理由であって、測定の際に追加的な調整を行うことで実用上は解消することができるものである。図に示すとおり、平均では、液体薬剤は1ミリリットル毎に約350fFの静電容量の変化をもたらした。他の実施形態において、静電容量センサ116の構成態様に応じて、および、薬剤容器102内に収容された液体薬剤のタイプに応じて、薬剤1ミリリットルは、約100fFから500fFまたはそれ以上の間(例えば250fFから450fFの間)の静電容量の変化を生じうる。
【0082】
図10Aおよび図10Bは、容器内の薬剤の重量を測定するための重量センサ116を備えた薬剤容器102を示した図である。本開示のいくつかの実施形態においては、センサ116は、容器内容物を判定するために、組み込み型の歪みゲージおよびジャイロスコープ構造を利用してもよい。図10Aは、後退/休止状態におけるセンサを示した図である。図10Bは、前進/動作状態におけるデバイスを示した図である。錠剤または液体薬剤は、可動プラットフォーム(e)上に置かれている。可動プラットフォームは、固定プラットフォーム(f)上に載っている。可動プラットフォームは、安全位置を逸脱して動き出さないように固定されている。いくつかの実施形態においては、これは、可動プラットフォームを固定プラットフォーム(e)の片側に保護させ、かつ、反対側においてボトル本体の小突起(d)に保護させることによって達成される。
【0083】
いくつかの実施形態においては、はかりなどの計量機構が、装置(a、b)に収納されている。計量機構は、後退状態におかれている伸縮機構(c)に取付けられている。その後退状態において、はかりのベースプレート(a)など、物品の質量を判定する計量機構の領域は、いくつかの実施形態においては、可動プラットフォーム(e)より低い位置にあり、かつ、いずれのプラットフォーム、材料または物質とも接触していない。これにより計量機構が、計量機構が適切に調整された状態にとどまるようにするために、一定の重量および圧力が機構の構成部品にかかることによる応力を受けないように確保することができる。計量機構は、精度を確保するために、後退状態においては定期的にベースラインを確立する。
【0084】
薬容器の内容物を測定すべきであると(例えば前述したとりキャップセンサを用いて)判定した場合、計量機構は図10Bに示すようにその前進状態に立ち上げられる。伸縮機構(c)がその前進状態に立ち上げられると、機構は、ベースプレート(a)が可動プラットフォーム(e)と接触するように、ベースプレート(a)とはかり本体(b)とを一緒に上昇させる。計量機構(c)は、その完全な前進状態に至るまで上昇し続け、可動プラットフォーム(e)を、固定プラットフォーム(f)から離れて固定プラットフォーム(f)の上方に上昇させる。
【0085】
計量機構がその完全な前進状態にあるとき、可動プラットフォーム(e)およびボトルの内容物は、図10Bに示すように計量機構の上に完全に載った状態である。計量機構(a、b)は、可動プラットフォーム(e)およびボトルの内容物の全重量を担っている状態である。いくつかの実施形態においては、可動プラットフォーム(e)およびボトルの内容物の重量合計は、計量機構(a、b)によって記録されかつ保存される。かかる情報は、例えばメモリ114および/またはメモリ120(図1)に格納されてもよい。
【0086】
ひとたび装置イスが正確にプラットフォームおよびボトルの内容物の重量を記録すると、伸縮機構(c)は、伸縮機構自体と計量機構(a、b)を再度その後退状態にまで引き下げる。計量機構がその後退状態にまで引き下げられると、可動プラットフォーム(e)は、固定プラットフォーム(f)と接触する。伸縮機構(c)は、ベースプレート(a)が可動プラットフォーム(e)より下方になる点に至るまで、伸縮機構自体と計量機構(a、b)とを引き続き引下げ続ける。
【0087】
装置が図10Aに示すように完全な後退状態になると、可動プラットフォーム(e)およびボトルの内容物は、完全に、固定プラットフォーム(f)の上に載った状態となる。固定プラットフォームは、可動プラットフォームおよびボトルの内容物の全重量を担った状態となる。そして、装置はその後退状態に維持される(e)。はかりのベースプレート(a)のような物品の質量を判定する計量機構の領域は、いずれのプラットフォーム、材料または物質とも接触しない。
【0088】
このように、図10Aおよび図10Bに示す薬剤容器102は、ベースと動作可能に結合されたプラットフォームと、プラットフォームと動作可能に結合された測定センサ116と、を備えていて、この測定センサが第1の位置と第2の位置とを有し、測定センサが、第1の位置においてはプラットフォームと接触しておらず、かつ、測定(例えば重量測定)を行うために第2の位置においてはプラットフォームと接触し、そして、測定センサが第2の位置で測定を行った後第1の位置にリセットされることが理解される。
【0089】
いくつかの実施形態においては、薬剤容器は、送受信装置108および/またはプロセッサ112(図1)を備えた通信機器(g)を介して、重量測定情報をリモートコンピュータ(例えばバックエンドシステム104またはユーザコンピュータ128)へ通信してもよい。
【0090】
図11は、患者に対して薬剤を服用すべき旨をリマインドする方法に関わる例示的な段階を含むフローチャート1100を示した図である。段階1102において、患者に関連する投薬計画を表すデータをメモリに格納する。段階1104において、患者に関連する薬剤容器からの1つ以上の通信を受信する。段階1106において、通信が最後に薬剤容器から受信されたのはいつかを表すデータを、患者に関連する投薬計画を表すデータと比較する。段階1108において、患者に対する薬剤を服用すべき旨のリマインダーを、比較の結果に少なくとも部分的に基づいてトリガーする。
【0091】
図12は、患者に対して薬剤を服用すべき旨をリマインドする方法に関わる例示的段階をからなる含む別のフローチャート1200を示した図である。段階1202において、特定の時間における薬剤容器内にある薬剤の量を表すデータを受信する。段階1204において、薬剤容器内における薬剤の量を表すデータを、患者に関連する投薬計画を表すデータと比較する。段階1206において、患者に対する薬剤を服用すべき旨のリマインダーを、比較の結果に少なくとも部分的に基づいてトリガーする。
【0092】
ここに開示した実施形態との関連で説明するとともに図面に示した様々な例示的な論理ブロック、モジュールおよび回路は、ここに説明した機能を実行するように設計された汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)またはその他のプログラム可能論理回路、個別ゲートロジックまたはトランジスタロジック、個別ハードウェアコンポーネントまたはこれらの任意の組み合わせを用いて実装または実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサとしてもよいが、代替的には、プロセッサは、任意のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンとしてもよい。また、プロセッサは、コンピュータデバイスの組み合わせとして、例えばDSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つ以上のマイクロプロセッサ、または任意のその他のかかる構成態様の組み合わせとして実装することができる。
【0093】
1つ以上の例示的な実施形態において、記載された機能、方法および/またはアプリケーションは、ハードウェア、ソフトウェア、またはプロセッサ上で実行されるファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせとして実装することができる。ソフトウェアとして実装される場合には、諸機能は、コンピュータ読取り可能な媒体またはメモリ内の1つ以上の命令またはコードとして格納または送信されてもよい。コンピュータ読取り可能な媒体には、非一時的コンピュータ記憶媒体と、コンピュータプログラムの転送を支援する任意の媒体を含む、通信媒体と、の双方が含まれる。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスすることができる任意の利用可能な媒体であればよい。一例として、かつ限定する趣旨ではなく、かかるコンピュータ読取り可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたはその他の光学ディスク記憶装置、磁気記憶装置またはその他の磁気記憶デバイスを含む非一時的コンピュータ読取り可能な媒体、または、命令またはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを保持または格納するために用いることができかつコンピュータによってアクセスすることが可能な任意のその他の媒体、を含むことができる。コンピュータ読取り可能な媒体は、通信信号経路を含むことができる。例えば、ソフトウェアが同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペアケーブル、デジタル加入者網(DSL)、または、赤外線、電波およびマイクロ波を含む無線技術を利用してウェブサイト、サーバまたはその他のリモートソースから送信される場合には、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペアケーブル、DSL、または赤外線、電波およびマイクロ波を含む無線技術は、「媒体」の定義に含まれる。
【0094】
本システムは、前述のとおり説明するとともに図面に示した様々なブロックまたはモジュールを備えていてもよい。技術分野における通常の知識を有する者が理解することができるように、各モジュールは、1つ以上の多様なサブルーチン、プロシージャ、定義宣言およびマクロを備えていてもよい。各モジュールは、各別にコンパイルされて単一の実行可能プログラム内にリンクされてもよい。したがって、各モジュールの記述は、開示された実施形態の機能を記述するのに便宜な方法で使用される。このように、各モジュールが経るプロセスは、その他のモジュールのいずれかに再配分され、単一のモジュールに結合され、または、共有可能なダイナミックリンクライブラリにおいて利用可能とすることができる。
【0095】
本システムは、Linux(登録商標)、UNIX(登録商標)またはMicrosoft Windows(登録商標)などの様々なオペレーティングシステムと組み合わせて用いることができる。本システムは、C、C++、BASIC、Pascal、またはJavaなどの任意の従来のプログラミング言語で記述されてもよく、従来のオペレーティングシステムのもとで実行されてもよい。システムは、また、VisualBasic(VB.NET)、Perl、PythonまたはRubyなどのインタープリタ型言語を用いて記述されてもよい。
【0096】
記載された技術の範囲を逸脱することなく様々な改変および変更がなされうることが、技術分野における通常の知識を有する者に理解されるであろう。そして、かかる改変および変更もまた記載された実施形態の範囲内にあることが意図されている。また、一実施形態に含まれる機能は、その他の実施形態と互換的であって、記載された実施形態に由来する1つ以上の機能は、その他の記載された実施形態の任意の組み合わせにもまた含まれることが、技術分野における通常の知識を有する者に理解されるであろう。例えば、ここに記載しおよび/または図面に記載した様々なコンポーネントは、その他の実施形態と組み合わせ、交換しまたは除外してもよい。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12