(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、添付図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。尚、添付図面において、本明細書全体を通して同一又は類似の構成要素には、同様の参照符号を付して表すこととする。
【0012】
図1は、本発明によるシート処理装置を備えた画像形成システムの全体構成を概略的に示している。同図に示すように、画像形成システム100は、画像形成装置Aと、これに併設されるシート処理装置Bとから構成される。画像形成装置Aは、画像形成ユニットA1とスキャナーユニットA2とフィーダーユニットA3とで構成される。画像形成ユニットA1は、装置ハウジング1の内部に給紙部2と画像形成部3と排紙部4とデータ処理部5とを備えている。
【0013】
給紙部2は、それぞれ異なるサイズの画像形成用シートを収納する複数のカセット機構2a,2b,2cで構成され、図示しない本体制御部から指定されたサイズのシートを給紙経路6に繰り出す。各カセット機構2a,2b,2cは給紙部2から着脱可能に設置され、それぞれ内部のシートを1枚ずつ分離する分離機構と、シートを繰り出す給紙機構とが内蔵されている。給紙経路6には、各カセット機構2a,2b,2cから供給されるシートを下流側に給送する搬送ローラーと、経路端部には各シートを先端揃えするレジストローラー対とが設けられている。
【0014】
給紙経路6には、大容量カセット2dと、手差しトレイ2eとが接続されている。大容量カセット2dは、大量に消費するサイズのシートを収納するオプションユニットで構成される。手差しトレイ2eは、分離給送が困難な厚紙シート、コーティングシート、フィルムシートなどの特殊シートを供給可能なように構成される。
【0015】
画像形成部3は、例えば静電印刷機構で構成されており、回転する感光ドラム9と、その周囲に配置された、光学ビームを発光する発光器10、現像器11、クリーナー(図示せず)とを備えている。図示のものはモノクロ印刷機構であり、感光ドラム9に発光器10で光学的に潜像を形成し、この潜像に現像器11でトナーを付着させる。
【0016】
この感光ドラム9に画像形成するタイミングに合わせて、給紙経路6からシートを画像形成部3に送り、転写チャージャー12で該シート上に画像を転写し、排紙経路14に配置されている定着ローラ13で定着させる。排紙経路14には、排紙ローラー15と排紙口16とが配置され、後述するシート処理装置Bに画像形成したシートを搬送する。
【0017】
スキャナーユニットA2は、画像原稿を載置するプラテン17と、プラテン17に沿って往復動するキャリッジ18と、光電変換手段19と、キャリッジ18によるプラテン17上の原稿からの反射光を光電変換手段19に案内する縮小光学系20とを備える。光電変換手段19は、縮小光学系20からの光学出力を画像データに光電変換して、電気信号として画像形成部3へ出力する。
【0018】
また、スキャナーユニットA2は、フィーダーユニットA3から送られてくるシートを読み取るために、走行プラテン21を備えている。フィーダーユニットA3は、給紙トレイ22と、給紙トレイ22から送り出したシートを走行プラテン21に案内する給紙経路23と、走行プラテン21を通過した原稿を収納する排紙トレイ24で構成される。給紙トレイ22からの前記原稿は、走行プラテン21を通過する際に、キャリッジ18と縮小光学系20とで読み取られる。
【0019】
図2は、画像形成装置Aから送られてくる画像を形成されたシートを後処理するシート処理装置Bの構成を示している。シート処理装置Bは、画像形成装置Aからのシートを導入するための搬入口26を設けた装置ハウジング27を備える。装置ハウジング27は、搬入口26を像形成装置Aの排紙口16に連通させるように、画像形成装置Aのハウジング1に位置を合わせて配置される。
【0020】
シート処理装置Bは、搬入口26から導入されるシートを搬送するシート搬入経路28と、シート搬入経路28から分岐される第1排紙パス30、第2排紙パス31及び第3排紙パス32と、第1経路切換手段33と、第2経路切換手段34とを備える。第1及び第2経路切換手段33、34は、それぞれシート搬入経路28を搬送されるシートの搬送方向を変更するフラッパーガイドで構成されている。
【0021】
第1経路切換手段33は、図示しない駆動手段によって、搬入口26からのシートを第1排紙パス30及び第2排紙パス31の方向に案内するモードと、第3排紙パス32に案内するモードとに切り換えられる。第1排紙パス30と第2排紙パス31とは、一旦第1排紙パス30に導入されたシートを、搬送方向を反転させて第2排紙パス31にスイッチバック搬送することが可能なように連通している。
【0022】
第2経路切換手段34は、シート搬入経路28を搬送されるシートの搬送方向に関して、第1経路切換手段33の下流側に配置されている。第2経路切換手段34は、同じく図示しない駆動手段によって、第1経路切換手段33を通過したシートを第1排紙パス30に導入するモードと、一旦第1排紙パス30に導入されたシートを第2排紙パス31にスイッチバック搬送するモードとに切り換えられる。
【0023】
シート処理装置Bは、それぞれ異なる後処理を行う第1〜第3処理部B1〜B3を備える。更にシート搬入経路28には、搬入されたシートにパンチ穴を穿孔するパンチユニット40が配置されている。
【0024】
第1処理部B1は、シート搬入経路28を搬送されるシートの搬送方向に関して、第1排紙パス30の下流端の排紙口35から搬出された複数のシートを集積し、部揃えして綴じ処理し、装置ハウジング27の外側に設けられた積載トレイ36に排出する綴じ処理部である。第1処理部B1は、シート又はシート束を搬送するシート搬送装置37と、シート束を綴じ処理する綴じ処理ユニット38とを備える。第1排紙パス30の下流端には、排紙口35からシートを排出するため、及び第1排紙パス30から第2排紙パス31にスイッチバック搬送するための排出ローラー対39が設けられている。
【0025】
第2処理部B2は、第2排紙パス31からスイッチバック搬送されてくる複数のシートをシート束にし、該シート束を綴じ処理した後、折り処理を行う折り処理部である。後述するように、第2処理部B2は、搬入されたシート又はシート束を折り処理する折り処理装置41と、第2排紙パス31に搬送されるシートのシート搬送方向に沿って該折り処理装置の直ぐ上流側に配置されて、シート束を綴じ処理する綴じ処理ユニット42とを備える。折り処理されたシート束は、排出ローラー43によって、装置ハウジング27の外側に設けられた積載トレイ44に排出される。
【0026】
第3処理部B3は、第3排紙パス32から送られてくるシートを、搬送方向に直交する方向に所定量オフセットさせて集積するグループと、オフセットさせることなく集積するグループとに区分けするジョグ仕分けを行う。ジョグ仕分けしたシートは、装置ハウジング27の外側に設けられた積載トレイ46に排出され、オフセットされたシート束とオフセットされないシート束とが積み上げられる。
【0027】
図3は、第2処理部B2の第1実施形態の全体構成を概略的に示している。上述したように、第2処理部B2は、第2排紙パス31から搬入され、集積して部揃えしたシート束を2つ折りに折り処理する折り処理装置41と、折り処理前のシート束を綴じ処理する綴じ処理ユニット42とを備える。図示される綴じ処理ユニット42は、ステープル針を打ち込んでシート束を綴じるステープラー装置である。綴じ処理ユニット38には、針無しでシート束を綴じ処理する針無し綴じ装置を用いることもできる。
【0028】
折り処理装置41にシートを搬入するために、第2排紙パス31にシート搬送路48が接続されている。第2排紙パス31からシート積載トレイ51に搬送されるシートの搬送方向に関して、シート搬送路48の下流側には、該シート搬送路の一部を構成するシート積載トレイ51が、折り処理するシートを位置決めして積載するために設けられている。シート積載トレイ51の直ぐ上流側には、シート搬送路48を挟んで綴じ処理ユニット42とその針受け部42aとが、対向位置に設けられている。
【0029】
シート積載トレイ51の一方の側には、対の回転部としての折りローラー対52が、前記シート積載トレイに積載されるシート又はシート束の一方の面に対向するように配設されている。折りローラー対52は、互いにローラー面を圧接させた折りローラー53,54からなり、その圧接部55をシート積載トレイ51に向けて配置されている。折りローラー53,54は、シート積載トレイ51に搬入されるシートの搬入方向に沿って上流側と下流側に、それぞれシート積載トレイ51との間隔を略等しくして並置されている。また、本発明において、前記対の回転部は、本実施形態の折りローラー53,54に限定されず、回転ベルトなどで構成することができる。更に、折りローラー対52は、各折りローラー53,54の軸方向に沿ってそれぞれ複数の折りローラー(回転体)を直列に連続配置して構成することができる。
【0030】
シート積載トレイ51を挟んで折りローラー対52の反対側には、突き押し部材としての折りブレード56が配置されている。折りブレード56は、その先端を折りローラー対52の圧接部55に向けて、ブレードキャリア57に担持されている。ブレードキャリア57は、シート積載トレイ51を略直角に横断する向きに、即ち第2排紙パス31からシート積載トレイ51に搬送されるシートの搬送方向と交差する向きに、走行可能に設けられている。
【0031】
図3における前後方向即ち前記折りローラーの軸線方向に、ブレードキャリア57を挟んでその両側には、1対の互いに鏡面対称の偏心カムからなるカム体58(図中には、後側の一方のみを表示)が対向位置に設けられている。カム体58は、その偏心位置に設けられた回転軸59を中心に、図示しない駆動モーター等の駆動手段によって回動する。カム体58には、その外周縁に沿ってカム溝60が形成されている。
【0032】
カム溝60は、回転軸59からの半径が最大となる第1カム面60aと、その周方向両側に半径が第1カム面60aより小さい第2カム面60bとからなるカムプロフィルを有する。ブレードキャリア57には、カムフォロワとして、カム溝60に摺動自在に嵌合するカムピン(図示せず)が設けられている。
【0033】
ブレードキャリア57は、前記駆動モーターによりカム体58を回転させると、前記カムプロフィルに従ってシート積載トレイ51に接近又は離反する向きに走行する。これによって、
図3に示すように、折りブレード56の先端がシート搬送路48に進入していない位置である初期位置と、折りローラー対52の圧接部55に挟まれる最大突き押し位置との間で、前記両位置を結ぶ突き押し経路Pに沿って、折りブレード56を直線状に進退自在に移動させることができる。
【0034】
シート積載トレイ51の下端には、搬入されたシートの先端を当接させて規制するための規制ストッパ64が配置されている。規制ストッパ64は、シート昇降機構65によって、シート積載トレイ51に沿って昇降可能に設けられている。
【0035】
本実施形態のシート昇降機構65は、シート積載トレイ51の裏側に該シート積載トレイに沿ってその上端及び下端付近に配置された1対のプーリー66,67と、前記両プーリーに巻き掛けられた伝動ベルト68とからなるコンベアベルト機構である。規制ストッパ64は、伝動ベルト68上に固定されている。駆動側のプーリー66又は67を駆動モーター等の駆動手段により回転させることによって、規制ストッパ64が、
図3に示す下端位置と所望の高さ位置との間を昇降し、それによりシート積載トレイ51に沿ってシート又はシート束を移動させることができる。
【0036】
折り処理装置41は更に、シート積載トレイ51と折りローラー対52との間に配置された、案内部としてのシート案内部材を備える。
図4に示す第1実施形態の折り処理装置41は、下流側の折りローラー54側に、シート案内部材71が配置されている。シート案内部材71は、前記折りローラーの軸線方向に沿って延在する板状部材で構成することができる。シート案内部材71は、第2排紙パス31からシート積載トレイ51に搬送されるシートの搬送方向に関して、折りローラー54の下流側に配置された基端部72と、基端部72の上流に位置して折りローラー54のローラー面に接触する接触部としての先端部73とを有する。シート案内部材71がローラー54に接触する接触部は、シート案内部材71に一体的に設けられている。
【0037】
シート案内部材71の基端部72は、シート積載トレイ51の外側に固設されたブラケット74内に収容されている。先端部73は、基端部72の回転軸72aを中心に、折りローラー54の回転軸心に接近する方向及び離反する方向に、揺動可能に軸支されている。シート案内部材71は、ブラケット74との間に介装された圧縮コイルばね75によって、折りローラー54側に常時付勢されている。それにより、シート案内部材71の先端部73は、折りローラー54を回転させたとき、そのローラー面に常に摺接するようになっている。これにより、シート案内部材71の基端部72は、後述するように、折りローラー54のローラー面の回転位置に対応して揺動し得るように構成される。更に、シート案内部材71には、先端部73から基端部72側即ち前記シート搬送方向の下流側にかけて、シート積載トレイ51との間隔が徐々に狭まるように緩やかな傾斜面76が形成されている。
【0038】
シート案内部材71の先端部73は、前記シート搬送方向の下流側から上流側を向いて折りローラー54の回転軸心に略対応する位置又はそれを越える位置で、折りローラー54の前記ローラー面に接するように配置される。これにより、シート案内部材71は、先端部73から下流側即ち圧接部55とは反対側で、折りローラー54のローラー面の内、シート積載トレイ51側の端部を覆うように設けられる。言い換えると、シート案内部材71は、折りローラー54のローラー面を、折りローラー対の圧接部55及びその周辺を除いて覆うように設けられている。
【0039】
シート案内部材71によって、その先端部73と基端部72との間には、下流側に向けてシート積載トレイ51との間隔が徐々に狭まるように緩やかな案内面としての傾斜面76が形成されている。この傾斜面76は、ローラー54に接触する接触部と一体的に、回転軸72aを中心に揺動する。シート案内部材71を例えば金属や硬質プラスチックの板材で形成することによって、傾斜面76の摩擦係数は、少なくとも、ゴム材料等の高い摩擦係数の材質で形成される前記折りローラーよりも大幅に小さい。
【0040】
かかる傾斜面76と、先端部73が折りローラー54の前記ローラー面に接していることによって、
図5に示すように、シート積載トレイ51に搬入されるシートSの先端は、たとえカールしていても、該シート積載トレイから途中で折りローラー対52側に逸れて該折りローラー対の周面に引っ掛かったり、シート案内部材71の先端部73との隙間に挟まれることなく、確実にシート積載トレイ51に戻される。従って、折り処理装置41に搬入されるシートのジャムを有効に抑制することができる。
【0041】
更に、シート束がシート積載トレイ51から綴じ処理のためにシート搬送路48を上流側に搬送される際、及び綴じ処理後に折り処理のために下流側に搬送される際に、折りローラー対52に最も近い側のシートが折りローラー54の表面に接触して、それより内側のシートとの間でずれを生じる虞が解消される。それによって、シート束のシート同士のずれによる折れ目がシート面に生じたり、一部のシートが綴じ部から外れることを防止することができる。
【0042】
図6は、後述するように、折りブレード56によりシート積載トレイ51内のシート束Sbを2つ折りに折り曲げて、折りローラー対52の圧接部55に押し込んだ状態を示している。このとき、シート束Sbの最も外側即ち折りローラー対52側のシートS0は、シート案内部材71の傾斜面76に案内されて、圧接部55に送り込まれる。上述したように、傾斜面76の摩擦係数が小さいので、シートS0は傾斜面76に摺接してスムーズに移動する。そのため、シートS0とそれより内側のシートとの間でずれが生じたり、シート同士がずれたまま折り処理される虞が解消される。
【0043】
折りローラー対52の各折りローラー53,54は、
図4に示すように、そのローラー面81,82が、それぞれ回転軸83,84の回転軸心を中心に半径R1が一定である第1ローラー面81a,82aと、前記回転軸の回転軸心からの距離が前記第1ローラー面の半径R1より小さい第2ローラー面81b,82bとを有する。第1ローラー面81a,82aは、通常のローラー面と同様に、摩擦係数が比較的高いゴム材料等で形成されている。これに対し、第2ローラー面81b,82bは、摩擦係数が第1ローラー面81a,82aより小さいプラスチック樹脂材料等で形成されている。
【0044】
折りローラー53,54の回転軸83,84は、共通の駆動モーター等の駆動手段によって回転駆動される。それにより、互いに第1ローラー面81a,82a及び第2ローラー面81b,82bの回転位置を常に同期させることができる。回転軸83,84は、カム体58と共通の駆動モーターによって駆動することもできる。
【0045】
折り処理を開始する前の初期位置では、
図4に示すように、第2ローラー面81b,82bを折りブレート56の突き押し経路Pに関して対称位置に、シート搬送路48側を向くように配置される。シート案内部材71の先端部73は、上述したように圧縮コイルばね75で付勢されているので、折りローラー54の回転位置に拘わらず、第1ローラー面82a及び第2ローラー面82bのいずれにも同様に摺接する。即ち、シートの案内部であるシート案内部材71は、回転部である折りローラー54の回転位置に対応して、その周面である第1ローラー面82a及び第2ローラー面82bと接しつつ移動し得るように構成されている。
【0046】
第1実施形態の折り処理装置41は、シート積載トレイ51に搬入されるシートの側縁を揃えて整合させるためのシート側部整合機構を更に備えている。前記シート側部整合機構は、
図7に示すように、図中矢印で示すシート搬入方向に直交する向きに離隔して対称に配置された1対のシート側部整合部材121,122を有する。前記シート側部整合部材は、シート搬入方向に直交する向きに互いに接近離反し得るように、それぞれ上端121a,122a及び下端121b,122bが、装置ハウジング27側に固定されたガイド部(図示せず)によって移動可能に保持されている。
【0047】
シート側部整合部材121,122は、シート搬入方向に沿って延長する断面コ字形のフレーム部材からなり、前記コ字形の開口部を互いに対向させて平行に配設されている。シート側部整合部材121,122の前記コ字形の内面は、シート積載トレイ51内のシートの側縁をシート搬入方向に直交する向きに、即ちシートの幅方向に整合させるためのシート側縁規制面123,124を画定する。特に、断面コ字形のシート側縁規制面123,124は、シート積載トレイ51内のシートの側縁をシート幅方向だけでなく、シートの厚み方向即ちシート積載トレイ51(シート搬送路48)の厚み方向にも、規制することができる。
【0048】
各シート側部整合部材121,122には、長手方向中央付近の折りブレード56側の外面に、それぞれ他方の前記シート側部整合部材に向けて直線状に延長するガイドレール部材125,126が一体に固定されている。ガイドレール部材125,126は、シート搬入方向に所定の間隔をもって、図中上下に並列に、少なくともそれぞれの先端側が部分的に重なるように配置されている。
【0049】
ガイドレール部材125,126の上下に互いに対向する側辺には、それぞれラック127,128が、シート側部整合部材121,122が互いに接近離反する際に、シート搬入方向に一定の間隔を保持するように形設されている。両ラック127,128には、装置ハウジング27側に回動自在に軸支された共通のピニオン129が同時に噛合している。
【0050】
ピニオン129には、それと同軸にかつ折りブレード56側に、従動側のプーリー130が一体回動可能に装着されている。プーリー130には、装置ハウジング27側に固定されたシート側部整合用のモーター131の出力軸に連結された駆動側のプーリー(図示せず)との間で動力伝達可能に、伝動ベルト132が巻き掛けられている。
【0051】
従って、シート側部整合部材121,122は、モーター131を駆動してピニオン129を回転させることによって、シートの幅方向に互いに接近又は離反するように、同期して等しい距離を移動する。これにより、シート積載トレイ51内のシートの位置がシート幅方向にずれている場合には、該シートをその側辺にシート側縁規制面123又は124を当接させて、所望の整合位置に移動させることができる。
【0052】
本実施形態では、シート幅方向にシート積載トレイ51の中央位置(折りローラー対52及び折りブレード56の中央位置)を、
図8(a)に示すように折り処理の中央基準位置Xに設定している。シート側部整合部材121,122は、初期状態において、それぞれシート幅方向に前記中央基準位置から等距離に設定された、
図8(a)に実線で示す初期位置に配置されている。
【0053】
モーター131を回転させてシート側部整合部材121,122を前記初期位置から、
図8(a)に破線で示すように、シート積載トレイ51内のシートの幅寸法に対応して所定の同じ距離だけ移動させ、該シートをその幅方向中央位置が前記中央基準位置に一致するように整合させる。前記シートの側部を整合させた後、シート側部整合部材121,122は、モーター131を逆向きに回転させて元の初期位置に戻される。
【0054】
シート積載トレイ51に搬入されるシートが複数枚の場合、上述したように最初のシートの幅方向位置を整合させ、シート側部整合部材121,122を前記初期位置に戻した後、次のシートを搬入させる。次のシートにも、上述した前記シート側部整合部材によるシートの幅方向整合動作を繰り返し実行し、最初のシート及び次のシートを側縁を揃えて重ね合わせる。このように新しくシートが搬入される毎にシートの幅方向整合動作を繰り返すことによって、シート積載トレイ51内で複数のシートを所定の幅方向位置に整合させて集積することができる。
【0055】
折り処理しようとするシートの幅寸法が小さい場合には、該幅寸法に対応して、シート側部整合部材121,122を予め
図8(a)に実線で示すシート幅方向の最外位置から中央寄りに、移動させておくことが好ましい。これにより、シート積載トレイ51への搬入時にシートが幅方向に多少ずれても、その両側縁が必ず前記シート側部整合部材の内側に収まるので、同様にシート積載トレイ51内で所定の幅方向位置に整合させることができる。
【0056】
上述した前記シート側部整合部材の移動、その量及び方向は、シート処理装置Bに設けられた処理装置制御部によりモーター131の起動及び回転を制御することによって制御される。また、折り処理されるシートの寸法は、折り処理に関する他の情報と共に、画像形成装置Aからシート処理装置Bの前記処理装置制御部に予め送信される。
【0057】
このように本実施形態では、シート側部整合部材121,122のコ字形シート規制面123,124によって、シート積載トレイ51内のシートの側縁をシートの幅方向及び厚み方向に規制しながら案内する。従って、シート案内部材71は、シート幅方向、即ち第2排紙パス31からシート積載トレイ51に搬送されるシートの搬送方向をシート長さ方向として、それと交差する横方向に沿って、折りローラー53,54の全長に亘って設ける必要が無い。即ち、シート案内部材71は、
図7、
図8(a),(b)に示すように、少なくともシートの幅方向中央付近を案内すればよい。言い換えれば、シート案内部材71は、前記シート幅方向に関して、シート側部整合部材121,122の間に位置するように設ければよい。それによって、シート側部整合部材121,122と協働して、シートをスムーズにジャムを生じることなく搬入することができる。尚、シート案内部材71は、前記折りローラーの軸線方向に沿ってその略全長に亘って延在するように設けることもできる。
【0058】
そのため、シート案内部材71は、シート幅方向に沿って折りローラー53,54の全長に亘って設ける必要が無く、シート幅方向に小さくすることができる。また、シート案内部材71は、折りローラー54と接していることによって、該折りローラーに対して精度良く位置決めすることができる。これにより、折りローラー対52をシート積載トレイ51側に寄せて、それとの間隔を狭めるように配置することができる。その結果、折り処理装置41全体をより小型化して、シート処理装置Bの省スペース化を図ることが可能になる。
【0059】
図9は、第2実施形態の折り処理装置141を示している。尚、上述したように、
図9において、
図1〜
図8と同じ構成要素には同じ参照符号を付して表したので、それらについて詳細な説明は省略する。同図に示すように、折り処理装置141は更に、シート積載トレイ51と折りローラー対52の下流側の折りローラー54との間に配置された、案内部としてのシート案内部材171を備える。シート案内部材171は、前記折りローラーの軸線方向に沿って延在する板状部材で構成することができる。シート案内部材171は、第2排紙パス31からシート積載トレイ51に搬送されるシートの搬送方向に関して、折りローラー54の下流側に配置された基端部172と、折りローラー54のローラー面に近接して、該ローラー面との間に所定の僅かな隙間をもって基端部72の上流に配置された先端部173とを有する。
【0060】
シート案内部材171の基端部172は、シート積載トレイ51の外側に固設されたブラケット174内に収容されている。先端部173は、基端部72の回転軸172aを中心に、折りローラー54の回転軸心に接近する方向及び離反する方向に、揺動可能に軸支されている。シート案内部材171の基端部近傍の部分とブラケット174との間には、圧縮コイルばね175が介装され、シート案内部材171を折りローラー54側に常時付勢している。これにより、シート案内部材171の基端部172は、後述するように、折りローラー54のローラー面の回転位置に対応して揺動し得るように構成される。
【0061】
更にシート案内部材171の基端部近傍の部分とブラケット174との間には、圧縮コイルばね175とは反対側に、カム178が配設されている。カム178は、その外周に形成されたカム面によって、圧縮コイルばね175の付勢力に抗してシート案内部材171をシート積載トレイ51側に押し返すように設けられている。
【0062】
カム178のカム面は、下流側の折りローラー54のローラー面の断面外形形状に相似するカムプロフィルを有し、その回転軸179が該折りローラーの回転軸に対応する位置に配置されている。更に、後述するように、カム178の回転軸179は、対応する折りローラー54の回転軸と同期して回転するように設定されている。これにより、シート案内部材171は、折りローラー54の回転位置に対応して、そのローラー面の断面外形形状を追従して揺動するようになっている。即ち、シートの案内部であるシート案内部材171は、回転部である折りローラー54の回転位置に対応して、その周面である第1ローラー面82a及び第2ローラー面82bとの間に適当な隙間を保ちつつ移動し得るように構成されている。
【0063】
シート案内部材171は、先端部173が、前記シート搬送方向の下流側から上流側を向いて折りローラー54の回転軸心に略対応する位置又はそれを越える位置で、折りローラー54の前記ローラー面に近接するように配置される。これにより、シート案内部材171は、先端部173から下流側即ち圧接部55とは反対側で、折りローラー54のローラー面の内、シート積載トレイ51側の部位を覆うように設けられる。言い換えると、シート案内部材171は、折りローラー54のローラー面を、折りローラー対の圧接部55及びその周辺を除いて覆うように設けられている。
【0064】
更に、シート案内部材171には、先端部173から基端部172側即ち前記シート搬送方向の下流側にかけて、シート積載トレイ51との間隔が徐々に狭まるように緩やかな案内面としての傾斜面176が形成されている。この傾斜面176は、先端部173と一体的に、回転軸172aを中心に揺動する。シート案内部材171を例えば金属や硬質プラスチックの板材で形成することによって、ガイド面176の摩擦係数は、少なくとも、ゴム材料等の高い摩擦係数の材質で形成される前記折りローラーよりも大幅に小さい。
【0065】
折りローラー53,54の回転軸83,84は、カム178の回転軸179を同期して回転させるように設定されている。上述したように、カム178のカム面は折りローラー54のローラー面82の断面外形形状に相似するカムプロフィルを有するので、シート案内部材171の先端部173は、折りローラー54の回転位置に拘わらず、第1ローラー面82a及び第2ローラー面82bのいずれにも同様に、前記僅かな隙間をもって近接配置される。
【0066】
折りローラー対52とシート積載トレイ51との隙間は、第2ローラー面81b,82bがシート搬送路48側を向いているとき、第1ローラー面81a,82aが前記シート搬送路側を向いているときよりも大きくなる。本実施形態では、シート案内部材171を上述したように設けたことによって、シート積載トレイ51に搬入されるシートSは、
図10に示すように、例えば先端がカールしているために途中で折りローラー対52側に逸れても、該折りローラー対の周面に引っ掛かることなく、確実にシート積載トレイ51に戻される。従って、折り処理装置141に搬入されるシートのジャムを有効に防止することができる。
【0067】
更に、シート束がシート積載トレイ51から綴じ処理のためにシート搬送路48を上流側に搬送される際、及び綴じ処理後に折り処理のために下流側に搬送される際に、折りローラー対52に最も近い側のシートが前記ローラー面に接触して、それより内側のシートとの間でずれを生じる虞が解消される。それによって、シート束のシート同士のずれによる折れ目がシート面に生じたり、一部のシートが綴じ部から外れることを防止することができる。
【0068】
図11は、後述するように、折りブレード56によりシート積載トレイ51内のシート束Sbを2つ折りに折り曲げて、折りローラー対52の圧接部55に押し込んだ状態を示している。このとき、シート束Sbの最も外側即ち折りローラー対52側のシートS0は、シート案内部材171のガイド面176に案内されて、圧接部55に送り込まれる。上述したように、ガイド面176の摩擦係数が小さいので、シートS0はガイド面176に摺接してスムーズに移動する。そのため、シートS0とそれより内側のシートとの間でずれが生じたり、シート同士がずれたまま折り処理される虞が解消される。
【0069】
第2実施形態の折り処理装置141も、シート積載トレイ51に搬入されるシートの側縁を揃えて整合させるためのシート側部整合機構を更に備えている。第2実施形態の前記シート側部整合機構も、
図7及び
図8に関連して上述した第1実施形態のシート側部整合機構と同様に構成されるので、説明は省略する。
【0070】
図12(a)、(b)は、第2実施形態を変形させた別の実施形態による折り処理装置186を示している。折り処理装置186は、
図9〜
図11に記載される実施形態の折り処理装置141と異なり、シート案内部材171に代わるシート案内部材187が、前記シート搬送方向に関して上流側の折りローラー53側に設けられている。尚、上述したように、
図12(a)、(b)において、
図9〜
図11と同じ構成要素には同じ参照符号を付して表したので、それらについて詳細な説明は省略する。
【0071】
シート案内部材187は、シート案内部材171と同様に、先端部188が、前記シート搬送方向に関して上流側の折りローラー53のローラー面81に対して接近離反するように、基端部189が、前記シート搬送方向に関して折りローラー53より上流側で揺動可能に軸支されている。シート案内部材187は、その基端部近傍の部分が、圧縮コイルばね190で折りローラー53側に常時付勢され、かつその反対側からカム191によって、該圧縮コイルばねの付勢力に抗してシート積載トレイ51側に押し返されるように設けられている。更にシート案内部材187のシート積載トレイ51側には、先端部188から基端部189側に即ち前記シート搬送方向の
上流側にかけて、シート積載トレイ51との間隔が徐々に狭まるように緩やかなガイド面192が形成されている。
【0072】
カム191のカム面は、折りローラー53の回転位置に対応して、上述した下流側のシート案内部材171とは逆に、シート案内部材187の先端部188をローラー面81に接近離反させるように形成されている。即ち、シート積載トレイ51にシートを搬入する際には、
図12(a)に示すように、先端部188がローラー面81から離反してシート積載トレイ51側に変位するように、シートの折り処理時には、
図12(b)に示すように、先端部188がローラー面81に僅かな隙間をもって近接するように設定されている。
【0073】
このように、シート案内部材187は、先端部188から上流側で、折りローラー53のシート積載トレイ51側の部位を覆うように設けられている。これにより、シート積載トレイ51へのシート搬入時には、シート案内部材187は、シートを折りローラー対52から遠ざけて、折りローラー対52に引っ掛かることを防止する。従って、折り処理装置186に搬入されるシートのジャムを有効に防止することができる。
【0074】
特に、シート案内部材187がシート積載トレイ51の厚み方向にその内部に入り込む位置まで揺動すると、ガイド面192により前記シート積載トレイの厚みがより狭められるので、搬入されるシートの折りローラー対52との接触をより確実に防止することができる。これは、シート積載トレイ51内のシートを綴じ処理のために上流側に搬送する場合も、同様である。
【0075】
また、シート積載トレイ51に積載されたシート束が、綴じ処理のためにシート積載トレイ51を前記シート搬送方向に関して上流側に搬送される際、及び綴じ処理後に折り処理のために下流側に搬送される際に、折りローラー53に最も近い側のシートがそのローラー面に接触して、それより内側のシートとの間にずれを生じる虞が解消される。それにより、シート同士のずれによる折れ目がシート面に生じたり、綴じ部から一部のシートが外れることを防止することができる。
【0076】
シートの折り処理時には、シート案内部材187が、ローラー面81aとの間で接触することなく狭い隙間を確保しながら、シート積載トレイ51との間隔を拡大し、シートの折り込みを妨げないように揺動する。更にガイド面192の作用によって、シート案内部材171と同様に、折りローラー53側のシートを折りローラー対52の圧接部55に向けて、スムーズに移動させることができる。
【0077】
図13(a)、(b)は、
図12(a)、(b)の実施形態の変形例による折り処理装置193を示している。この折り処理装置193は、シート案内部材194の先端部195が、折りローラー53側ではなく、シート積載トレイ51側を向くように、中間部分を屈曲させて形成されている点において、
図12(a)、(b)の折り処理装置186と異なる。尚、
図13(a)、(b)において、
図12(a)、(b)と同じ構成要素には同じ参照符号を付して表示した。
【0078】
シート案内部材194の基端部196は、圧縮コイルばね197とカム198とによって、先端部195が折りローラー53に対して接近離反させるように、揺動可能に軸支されている。先端部195がシート積載トレイ51側に向けられていることによって、シート案内部材194は、シート搬入時に、シートをより確実にシート積載トレイ51側に遠ざけて、折りローラー対52に引っ掛かることを防止することができる。特に、先端部195がシート積載トレイ51の厚み方向にその内部まで突入している場合、該シート積載トレイの厚みがより狭められるので、搬入されるシートと折りローラー対52との接触がより確実に防止される。尚、シート案内部材194の動作は、折り処理装置186のシート案内部材187と同じであるので、説明を省略する。
【0079】
図14は、本発明の更に別の実施形態による折り処理装置201を示している。この折り処理装置201は、両方の折りローラー53,54側にそれぞれシート案内部材171,187が設けられている。尚、
図14において、
図9〜
図12と同じ構成要素には同じ参照符号を付して表示した。本実施形態によれば、上記各実施形態よりも、シート搬入時におけるシートのジャム、及びシート束搬送時におけるシート同士のずれをより確実に防止することができる。
【0080】
図15は、
図14の実施形態の変形例による折り処理装置202を示している。この折り処理装置202は、上流側の折りローラー53に
図13のシート案内部材193が設けられている点において、
図14の折り処理装置201と異なる。尚、
図15において、
図9〜
図11、
図13(a)、(b)と同じ構成要素には同じ参照符号を付して表示した。この変形例においても、折り処理装置201と同様に、シート搬入時におけるシートのジャム、及びシート束搬送時におけるシート同士のずれをより確実に防止することができる。
【0081】
以下に、本実施形態のシート処理装置Bの第2処理部B2において、複数のシートをシート積載トレイ51に搬入し、集積して綴じ処理し、第2実施形態の折り処理装置141により折り処理を行った後、積載トレイ44に搬出するまでの一連の動作を説明する。この一連の動作は、シート処理装置Bに設けられた処理装置制御部によって制御することができる。尚、上述した第2実施形態以外の折り処理装置を用いた場合も、同様に動作しかつ制御されることは言うまででもない。
【0082】
先ず、画像形成装置Aから送られた画像形成済みのシートが、1枚ずつ搬入口26からシート処理装置Bに導入され、シート搬入経路28から第1排紙パス30及び第2排紙パス31を通ってシート搬送路48からシート積載トレイ51に搬入される。搬入されたシートは、1枚ずつ先端を規制ストッパ64により、幅方向を図示しない整合手段により整合させて、シート積載トレイ51内に集積される。
【0083】
所定枚数のシートが集積されてシート束が形成されると、シート昇降装置65を作動させて、前記シート束の綴じ位置、例えば中央位置が処理ユニット42の綴じ処理位置に一致する高さまで、規制ストッパ64を上昇させる。次に、処理ユニット42を作動させて前記シート束を針綴じする。再びシート昇降装置65を作動させて、前記シート束の綴じ部即ち中央位置が、折り処理装置141の折り処理位置、即ち折りブレード56の突き押し経路Pに一致する高さまで、規制ストッパ64を下降させる。
【0084】
添付図面において、
図16(a)〜(c)、
図17(a)(b)、
図18(a)(b)は、綴じ処理ユニット42により綴じ処理したシート束を、折り処理装置141によって2つ折りに折り処理する過程を示している。
図16(a)は、シート束Sbを、その綴じ部即ち中央位置Cが折りブレード56の突き押し経路Pと一致する高さまで下降させた、折り処理動作開始直前の初期状態を示している。
【0085】
この状態から、カム体58を図中反時計方向に所定の角度回転させて、折りブレード56を最大突き押し位置に、折りローラー対52の圧接部55に挟まれる位置まで進行させる。折りローラー対52は、カム体58の回転に同期して回転する。即ち、カム体58の上記回転と同時に、折りローラー対52は、シート束を排出ローラー対43に向けて搬出する方向に回転する。これにより、シート束Sbは、綴じ部Cを先頭にして、先端部分が折りローラー対52の折りローラー53,54間に挟持される。
【0086】
シート束Sbは、綴じ部Cが最初に圧接部55に到達してから少しの間、先端部分が折りローラー対52の第2ローラー面81b,82b間で挟持される。第2ローラー面81b,82bは摩擦係数が低く、かつその間には或る程度の隙間が設けられているので、前記第2ローラー面間に挟持されたシート束は、最も外側のシートと内側のシートとの間でずれを生じない。シート束Sbは、折りローラー対52が或る角度以上回転して、搬出方向に或る距離だけ搬送されると、
図16(b)に示すように、摩擦係数が高くかつ半径が大きい第1ローラー面81a,82a間で、より強い力で挟持される。
【0087】
カム体58を更に反時計方向に或る角度回転させ、それに対応して折りローラー対52を更に回転させて、シート束Sbを搬出方向に更に或る距離だけ搬送する。これに対し、折りブレード56は、前記カムピンがカム溝60の第1カム面60aに沿って移動しているので、
図16(c)に示すように、
図16(b)と同じ位置に停止したままである。
【0088】
次に、
図17(a)に示すように、カム体58を逆方向に即ち図中時計方向に回転させ、
図16(b)と同じ位置まで戻す。これと同時に、折りローラー対52は逆転して、シート束Sbを
図16(c)の位置から
図16(b)の位置まで戻す。このようにして、シート束Sbに1度目の折り処理を行う。このとき、折りブレード56は、依然として
図16(b)の位置で停止している。
【0089】
図17(b)に示すように、カム体58を再び反時計方向に360°即ち1回転させ、それと同時に、折りローラー対52をそれぞれ搬出方向に1回転させる。これにより、シート束Sbが折りローラー対52に挟持されて搬出方向に搬送され、2度目の折り処理が行われる。このように折り処理を2度連続して行うことによって、シート束Sbをより確実にしっかりと2つ折りすることができる。折りローラー対52及び折りブレード56は、
図16(a)の初期状態に復帰している。
【0090】
この後、
図18(a)に示すように、カム体58を反時計方向に僅かな角度だけ回転させる。これにより、折りローラー対52は、第2ローラー面81b,82bがその周方向の中央位置で対面し、折りローラー53,54間の隙間が最大となる。シート束Sbは、折り処理された先端側が排出ローラー対43に挟持されて、装置ハウジング27から外部の積載トレイ44に排出される。このとき、シート束の後側の部分は、折りローラー53,54間が最大に拡げられ、かつ第2ローラー面81b,82bの摩擦係数が低いので、該第2ローラー面に案内されてスムーズに搬出される。
【0091】
折り処理したシート束Sbの搬出が完了すると、
図18(b)に示すように、カム体58を時計方向に前記僅かな角度だけ回転させて、
図16(a)の初期状態に戻す。折りローラー対52も、
図16(a)の初期状態に復帰する。これにより、第2処理部B2は、次の折り処理に備えた待機状態となる。
【0092】
上記各実施形態の折り処理装置は、いずれもシート積載トレイ51上のシート束を折りブレード56で折り曲げつつ、折りローラー対52の圧接部55に押し込むことにより、シート束を折り処理するように構成されている。別の実施形態では、折りブレード56に代わる公知のシート押込部によって、同様にシート束を折り処理することができる。
【0093】
このようなシート押込部として、例えば折りローラー対とその各折りローラーにそれぞれ対向配置された折り込みローラーとからなる構成がある。このシート押込み部は、シート束をその折り位置の両側で折りローラーと折り込みローラーとで挟持し、これらローラーを回転させてシート束の中央部を折りローラー対側に撓ませ、折りローラー対の圧接部に送り込んで折り処理する。
【0094】
また、別の実施形態では、シート積載トレイ51をシート搬送路に置き換えることができる。この場合、折り処理装置141は、例えば第2排紙パス31に接続されたシート搬送路48の途中に、綴じ処理ユニット42の下流側又は上流側に設けることができる。シート搬送路48には、シート束の先端を位置決めして、シート束の折り位置を突き押し経路Pに整合させるために、規制ストッパ64に代わるストッパ部材を折り処理装置141の下流側に設けることが好ましい。
【0095】
シート搬送路48は、折り処理装置141の下流側を別の後処理部又は排紙トレイに接続することができる。また、折り処理後のシート束は、上記実施形態と同様に、排出ローラー43によって積載トレイ44に排出することができ、又は、折りローラー対52からシート搬送路48に戻していずれかの向きに搬送することもできる。
【0096】
以上、本発明を好適な実施形態に関連して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その技術的範囲において、様々な変更又は変形を加えて実施し得ることは言うまでもない。例えば、シート案内部材の付勢するばねには、圧縮コイルばね以外の様々なばね手段を用いることができ、シート案内部材を折りローラー側に引っ張る向きに付勢することもできる。また、シート案内部材を揺動させるのではなく、該部材全体を折りローラー側に変位(移動)させるように構成することもできる。