(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6321652
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】航空機のフラップを制御するための補機駆動ギアボックス
(51)【国際特許分類】
B64D 33/00 20060101AFI20180423BHJP
【FI】
B64D33/00 Z
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-529100(P2015-529100)
(86)(22)【出願日】2013年8月27日
(65)【公表番号】特表2015-528412(P2015-528412A)
(43)【公表日】2015年9月28日
(86)【国際出願番号】FR2013051978
(87)【国際公開番号】WO2014037650
(87)【国際公開日】20140313
【審査請求日】2016年8月9日
(31)【優先権主張番号】1258289
(32)【優先日】2012年9月5日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516235451
【氏名又は名称】サフラン・ヘリコプター・エンジンズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ル・ボルニュ,エリック
(72)【発明者】
【氏名】マシャン,アレクサンドル
【審査官】
川村 健一
(56)【参考文献】
【文献】
特表2008−514485(JP,A)
【文献】
実開平07−004902(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64B 1/00 − B64G 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機のターボシャフトエンジン用の補機ギアボックスであって、前記ギアボックス(140)は、ケーシング(42)と、前記ギアボックス(140)の内部で軸方向に摺動するように配置された航空機翼フラップ制御ロッド(115)と、前記ケーシング(42)上に実装された前記制御ロッド(115)を駆動するためのアクチュエータ(120)と、を含み、前記アクチュエータ(120)は、中空本体(121)と、前記本体(121)の内側で並進的に移動するように配置されたピストン(123)と、前記ピストン(123)に接続されて少なくとも部分的にアクチュエータ(120)の本体(121)の外側に延在するピストンロッド(122)と、を含み、前記ピストンロッド(122)は制御ロッド(115)に接続されており、アクチュエータ(120)の本体(121)がピストンロッド(122)と制御ロッド(115)との接続部とギアボックス(140)のケーシング(42)との間に配置されることを特徴とする、補機ギアボックス。
【請求項2】
ピストンロッド(122)が中空であって、中空本体(121)を貫通しており、制御ロッド(115)はピストンロッド(122)の内部に同軸に配置されている、請求項1に記載の補機ギアボックス。
【請求項3】
アクチュエータ(120)の本体(121)が、接続部に対するその遠位末端(121d)の領域に、その中をピストンロッド(122)が摺動する第一開口部(125)を含む第一壁(124)と、接続部に対するその近位末端(121p)の領域に、ピストンロッド(122)が摺動する第二開口部(128)を含む第二壁(126)と、を含み、ピストンロッド(122)および制御ロッド(115)は、共同並進運動のために互いに固定されるように、接続部に対するそれぞれの近位末端(122p、115p)の領域で接続されている、請求項1または2に記載の補機ギアボックス。
【請求項4】
ピストンロッド(122)および制御ロッド(115)が、ピストンロッド(122)および制御ロッド(115)と直角に交差する接続シャフト(130)によって接続されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の補機ギアボックス。
【請求項5】
制御ロッド(115)が、ピストンロッド(122)の内部の制御ロッド(115)を緊結させるための、接続部に対するその近位末端(115p)の領域内の玉継手(118)を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の補機ギアボックス。
【請求項6】
緊結玉継手が、環状表面全体にわたってピストンロッド(122)と直接接触している玉(118)の形状である、請求項5に記載の補機ギアボックス。
【請求項7】
接続シャフト(130)が玉継手(118)を貫通している、請求項5または6に記載の補機ギアボックス。
【請求項8】
ピストン(123)が、接続部に対する、ピストンロッド(122)の近位末端(122p)と遠位末端との間に配置されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の補機ギアボックス。
【請求項9】
ピストンロッド(122)と第一開口部(125)および第二開口部(128)との間の接続部がそれぞれ封止されている、請求項3に記載の補機ギアボックス。
【請求項10】
ターボシャフトエンジンと、制御される少なくとも1つの翼フラップと、請求項1から9のいずれか一項に記載の補機ギアボックス(140)と、を含み、その制御ロッド(115)は前記翼フラップに接続されている、航空機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機、具体的にはヘリコプタの、少なくとも1つの翼フラップを制御するための補機ギアボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
図1および
図2に示されるように、ヘリコプタなどの航空機は、周知の方式で、補機ギアボックス40と称される、エンジンの周辺機器50のためのギアボックス40を含む、前アクセス(または正面)エンジンを含む。ここおよび以下において、用語「前」は、その保守を実行するために補機ギアボックス40がアクセスされる側を指す。同様に、用語「後」は、補機ギアボックス40に対して前側の反対側を指す。
【0003】
図1に示されるように、この種の補機ギアボックス40は、周知の方式で、並進的に駆動されたときに導管の内部で摺動するように部分的にギアボックス40の前記導管45の内部に延在する、翼フラップ制御ロッド15を含む。
【0004】
固定アーム(図示せず)によってこのようなギアボックス40のケーシング42の前面上に前記制御ロッド15を駆動するためのアクチュエータ20を実装することが、知られている。
【0005】
アクチュエータ20は、その内部でピストン23が摺動する中空本体21を含み、前記ピストンは、部分的に本体の外側に延在する、パワーロッドと称される、ピストンロッド22上に実装されている。制御ロッド15は、一端において制御される翼フラップに、そして他端において、本体の外側のピストンロッド22の自由端と末端同士で、接続される。ピストンロッド22および制御ロッド15は、制御ロッド15およびピストンロッド22と直角に交差して、共同並進運動のためにこれらをまとめて固定する、接続シャフト30によって、接続される。このため、前から後へ進むと、まずアクチュエータ20の本体があり、次に本体の外側に延在するピストンロッド22の部分があり、最後に
図2に示されるような翼フラップ制御ロッド15がある。アクチュエータ20が作動されると、ピストン23の片側での流体の循環は、翻ってピストンロッド22が並進的に翼フラップ制御ロッド15を駆動するように、どちらか1つの方向に前記ピストンを移動させる。
【0006】
エンジンが保守を受けているとき、ピストンロッド22と制御ロッド15との間に接続シャフト30を実装(または取り外し)する必要がある。しかしながら、
図1に示されるように、この接続シャフト30は、アクチュエータ20の本体と補機ギアボックス40との間に位置する領域C内でアクチュエータ20の後ろに位置するので、作業者によって前方から直接アクセスされることは不可能である。したがってこの種のアセンブリは、接続シャフト30への側方アクセスを得るためにギアボックス40の周辺機器50の少なくとも一部が取り外される必要があり、これにより無駄な時間を招いて航空機保守費用を増加させ、このため第一の不都合を有する。
【0007】
また、ギアボックス40の周辺機器50のこのような取り外しにもかかわらず、接続シャフト30はアクセスしにくいままであり、実装(または取り外し)のためのシャフト30の操作は作業者によって様子も分からず実行されて、より複雑かつ時間がかかるようにするので、これは第二の不都合である。
【0008】
さらに、
図1に示されるように、補機ギアボックス40とアクチュエータ20との間の接続シャフト30へのアクセスを提供する領域Cを配置することで、アクチュエータ20が補機ギアボックス40から離れて前方に向かって移動させられることを必要とする。このような再配置は、著しい張り出しを備える補機ギアボックス40上にアクチュエータ20が実装されることを必要とし、これによりアクチュエータ20をターボシャフトエンジンの様々な振動運動に対して特に弱くし、その結果、補機ギアボックス40のケーシング42へのアクチュエータ20の固定の機械的強度に関する問題を引き起こすが、これは第三の不都合である。
【0009】
最後に、
図1に部分的に示される、アクチュエータ20の外部流体入口および出口ダクト27Aおよび27Bの部分は、アクセス領域Cへのアクセスを防止し、これにより保守作業をさらに複雑化する可能性があるが、これは第四の不都合である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は元々、油圧式アクチュエータの使用に関する問題を解決するように意図されていたが、しかしこれはたとえば空気圧式、電気式、電気空気圧式、電気機械式、または電気油圧式アクチュエータなど、いずれの種類のアクチュエータにも適用される。
【0011】
本発明の目的は、航空機の翼フラップを制御するための補機ギアボックスを提案することによって、これらの不都合を少なくとも部分的に排除することであり、このギアボックスは、航空機保守の時間および費用を削減するように、ピストンロッドと翼フラップ制御ロッドとの間の接続部の単純かつ迅速な実装および取り外しを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、航空機のターボシャフトエンジン用の補機ギアボックスに関し、前記ギアボックスは、ケーシングと、前記ギアボックスの内部で軸方向に摺動するように配置された航空機翼フラップ制御ロッドと、前記ケーシングに実装された前記制御ロッドを駆動するためのアクチュエータと、を含み、前記アクチュエータは、中空本体と、前記本体の内側で並進的に移動するように配置されたピストンと、前記ピストンに接続されて少なくとも部分的にアクチュエータの本体の外側に延在するピストンロッドと、を含み、前記ピストンロッドは制御ロッドに接続されており、ギアボックスは、アクチュエータの本体がピストンロッドと制御ロッドとの接続部と、ギアボックスのケーシングとの間に配置されている点において優れている。
【0013】
このようなギアボックスは、ピストンロッドと制御ロッドとの間の接続部がアクチュエータの前に再配置されることを、可能にする。ここおよび以下において、用語「前」は、補機ギアボックスの保守を実行するために作業者が立つ側を指す。用語「後」は、補機ギアボックスに対して前側の反対側を指す。
【0014】
したがって、作業者は、接続の実装および取り外しが可能となるようにピストンロッドと制御ロッドとの間の接続部への直接アクセスを有するので、保守は、補機ギアボックスの前に立つ作業者にとって簡単かつ迅速である。
【0015】
また、このようなアクチュエータは、もはやアクチュエータと補機ギアボックスとの間にアクセス領域を配置する必要がない方式で、補機ギアボックスのケーシング上に平坦に直接実装されることが可能であり、補機ギアボックスに対してアクチュエータの張り出しを減少させ、こうしてアクチュエータを、エンジンによって発生した振動により耐えられるようにすることが可能となる。
【0016】
アクチュエータの本体がケーシング上に直接平坦に実装されると、アクチュエータの外部流体入口および出口ダクトは、アクチュエータの本体の周りの空間を空けるように、ギアボックスのケーシングを通じて直接組み込まれることが可能である。たとえば、ダクトのうちの1つはアクチュエータの本体の壁に直接組み込まれることが可能であり、その他のダクトはケーシングを通じて直接本体から延在することが可能である。
【0017】
好ましくはピストンロッドは中空であり、中空本体を貫通しており、ピストンロッドの内部には制御ロッドが同軸に配置されている。
【0018】
このため、アクチュエータの本体の中を制御ロッドが通過することで、ピストンロッドおよび制御ロッドがアクチュエータの前方で接続されることが可能となる。
【0019】
本発明の1つの特徴によれば、アクチュエータの本体は、その遠位末端の領域に、その中をピストンロッドが摺動する第一開口部を含む第一壁と、その近位末端の領域に、やはりその中をピストンロッドが摺動する第二開口部を含む第二壁と、を含み、ピストンロッドおよび制御ロッドは、共同並進運動のためにまとめて固定されるように、それぞれの近位末端の領域で接続されている。したがってピストンロッドの軸長は、アクチュエータの中空本体の軸量よりも長い。
【0020】
ここおよび以下において、用語「近位」は、その保守を実行するためにそこへのアクセスを得るため作業者が立っているギアボックスの側に、最も近いことを意味する。同様に、ここおよび以下において、用語「遠位」は、その保守を実行するためにそこへのアクセスを得るため作業者が立っているギアボックスの側から、最も遠いことを意味する。
【0021】
本発明の一態様によれば、ピストンロッドと第一開口部および第二開口部との間のそれぞれの接続は、封止される。アクチュエータは好ましくは、ピストンロッドとアクチュエータの本体との間の接続部を封止するように、ピストン用の各摺動開口部の領域内にシールを含む。
【0022】
ピストンロッドおよび制御ロッドは好ましくは、ピストンロッドおよび制御ロッドと直角に交差する接続シャフトによって、接続されている。この種の接続シャフトの使用は、共同並進運動のためにピストンロッドおよび制御ロッドをしっかりと保持することを可能にする。
【0023】
有利なことに、制御ロッドは、ピストンロッドの内部の制御ロッドを緊結させるための、その近位末端の領域内の玉継手を含む。緊結玉継手は好ましくは、環状表面全体にわたってピストンロッドと直接接触している玉の形状である。この種の玉継手は、その接続の領域内の制御ロッドとピストンロッドとの間のいかなる遊びも回避することができるようにする。
【0024】
本発明の1つの特徴によれば、固定シャフトは玉継手を貫通している。この種の接続は、制御ロッドをピストンロッドに固く固定し、これらを互いに対して同軸に保持することを、可能にする。
【0025】
本発明の別の特徴によれば、ピストンはピストンロッドの近位末端と遠位末端との間に、好ましくは実質的に前記ロッドの中心に、配置されている。ピストンをこのように位置決めすることで、ピストンロッドおよび制御ロッドがそれぞれの近位末端の領域内で接続されることを許容するように、ピストンロッドの近位末端を解放することを可能にする。こうしてピストンはピストンロッドを遠位部分および近位部分に分割し、このため前記近位部分はピストンロッドと制御ロッドとの間の接続部を含む。
【0026】
ピストンは好ましくは、ピストンロッドのシャフトまで横方向に延在する、円盤の形状である。
【0027】
本発明の一態様によれば、ピストンはアクチュエータの中空本体の内側を、近位空間および遠位空間に分割し、本体は、近位空間とギアボックスのケーシングとの間に延在する、第一流体用の第一循環ダクトと、遠位空間とギアボックスのケーシングとの間に延在する、第二流体用の第二循環ダクトと、を含む。
【0028】
好ましくは、第一ダクトは、ギアボックスのケーシングの領域内で本体の外側に開放するように、中空本体の壁に組み込まれており、および/または第二ダクトはギアボックスのケーシングの領域内で本体の外側に開放している。このためアクチュエータは限られた空間要件を有し、補機ギアボックスに対してアクチュエータの張り出しを制限するギアボックスのケーシングに対して、平坦に直接実装されることが可能である。
【0029】
本発明はまた、アクチュエータの本体をギアボックスのケーシング上に配置するステップと、アクチュエータの本体がピストンロッドと制御ロッドとの接続部と、ギアボックスのケーシングとの間に配置されるような方式で、ピストンロッドを制御ロッドに接続するステップと、を含む、上記で定義されたようなアクチュエータを実装する方法にも関する。
【0030】
方法は好ましくは、ピストンロッドの内部に制御ロッドを同軸に配置するステップと、それぞれの近位末端の領域内で、好ましくは接続シャフトによって、制御ロッドとピストンロッドを接続するステップと、を含む。
【0031】
本発明はまた、ターボシャフトエンジンと、制御される少なくとも1つの翼フラップと、上記で定義されたような補機ギアボックスとを含み、その制御ロッドは前記翼フラップに接続されている、具体的にはヘリコプタタイプの航空機にも関する。
【0032】
本発明の別の特徴および利点は、非限定例によって提供され、同一の参照符号が類似要素に付与されている、添付図面を参照して、以下の説明を読むと、明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】従来技術からの補機ギアボックスの概略断面図である。
【
図2】従来技術からの補機ギアボックスの前面図である。
【
図3】本発明による補機ギアボックスの概略断面図である。
【
図4】本発明による補機ギアボックスの前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図4に概略的に示されるように、ヘリコプタなどの航空機は、周知の方式で、補機ギアボックスと称される、エンジンの周辺機器50のためのギアボックス140を含む、前アクセス(または正面)エンジンを含む。
【0035】
図3および
図4に示されるように、補機ギアボックス140は、その中に導管45が形成されるケーシング42を含み、この導管の内部には、前記導管45の内部で軸方向に摺動するように、航空機翼フラップ制御ロッド115が配置されている。言い換えると、制御ロッド115の並進運動は、航空機の少なくとも1つの翼フラップの傾斜を修正することを可能にする。
【0036】
図3を参照すると、補機ギアボックス140は、補機ギアボックス140の前記ケーシング42の前面上に実装された前記制御ロッド115を駆動するための、アクチュエータ120を含む。
【0037】
アクチュエータ120は、その中にピストンロッド122が実装された中空本体121を含み、このロッドはピストン123に固く接続されている。
【0038】
アクチュエータ120の本体121は、ケーシング42の前面に対して直角に延在する長手シリンダの形状であり、様々な断面、具体的には正方形または円形の断面を有することができる。
【0039】
本体121は、その遠位末端121dの領域内に、その中をピストンロッド122が摺動する第一開口部125を含む第一壁124と、その近位末端121pの領域内に、その中をピストンロッド122が摺動する第二開口部128を含む第二壁126と、を含む。
【0040】
ピストン123はピストンロッド122上に、実質的にその中心に、実装され、一体構造を形成する。ピストン123は、アクチュエータ120の軸に沿って本体121の内側を並進的に移動するように、配置されている。ピストン123は、本体121の内部容積を空間AおよびBに分割し、各空間は、ダクト(図示せず)を通じて前記空間に出入りすることが可能な流体によって、少なくとも部分的に占有されることが可能である。このため、周知の方式で、ピストン123は、本体121の空間A、B内の流体圧力を修正することによって移動させられることが可能である。
【0041】
好ましくは、中空本体121の長手方向壁は、アクチュエータ120の全体空間要件を制限しながらギアボックス140のケーシング42への流体接続を可能にするように、前記ダクトのうちの少なくとも1つを組み込む。
【0042】
ピストンロッド122は中空の円筒形チューブの形状であり、その内部には制御ロッド115が同軸に配置されている。この例において、
図3を参照すると、ピストンロッド122の軸長は、アクチュエータ120の中空本体121の軸長よりも長い。
【0043】
ピストンロッド122および翼フラップ制御ロッド115は、それぞれの近位末端122pおよび115pの領域において、共同並進運動のためにこれらをまとめて固定する接続シャフト130によって、接続されている。
【0044】
制御ロッド115は、近位末端115pの領域において、ピストンロッド122の内部の制御ロッド115を緊結させるための玉継手118を含み、接続シャフト130は玉継手118を貫通している。
【0045】
このためこの種の接続は、本体121、ピストンロッド122、ピストン123、および制御ロッド115を、互いに対して同軸に配置および保持することを、可能にする。
【0046】
たとえばX字型のシール132は、ピストンロッドとアクチュエータの本体との間の接続部を封止するように、それぞれ開口部125および128の領域内のピストンロッド122と本体121との間で、たとえば軸受内に、配置される。
【0047】
図4は、本発明による補機ギアボックス140の前面、具体的には接続シャフト130によってなされるピストンロッド122と制御ロッド115との間の接続部を示し、このためアクチュエータ120の前にあるその軸へのアクセスは、作業者にとってより簡単である。
【0048】
この種のアクセス可能性は、周辺機器50の取り外しを回避できるようにし、これによって補機ギアボックスの保守を簡素化し、その時間的要件および費用を削減できるようにする。
【0049】
アクチュエータのアセンブリ
補機ギアボックス140のケーシング42上にアクチュエータを実装するために、第一ステップにおいて、アクチュエータの本体121はまず、制御ロッド115がピストンロッド122の内部に挿入されるように、ギアボックス140のケーシング42上に配置され、その後第二ステップにおいて、ピストンロッド122は、アクチュエータ120の本体121が接続シャフト130とギアボックス140のケーシング42との間に配置されるように接続シャフト130によってそれぞれの近位末端115pおよび122pの領域内の制御ロッド115に接続される。
【0050】
図4を参照すると、作業者はこのように、アクチュエータの前に位置し、そのため従来技術よりも作業者がより容易かつ迅速にアクセスできる、接続シャフト130を非常に容易に実装および取り外しできる。
【0051】
アクチュエータの使用
アクチュエータ120を作動させるために、中空本体121の空間A、Bに供給するダクト(図示せず)内の流体の圧力は、ピストン123が中空本体121の内部で所望の方向に移動するように、調整される。
【0052】
有利なことに、空間AおよびBに流体を供給するダクトの一方または両方は、アクチュエータ120の周りの空間を空けるように、少なくとも部分的に補機ギアボックス140内に直接組み込まれることが可能である。実際、接続シャフト130は中空本体121の前に位置しているので、もはや中空本体121とケーシング42との間の空間を提供する必要はない。
【0053】
ピストン123が、中空本体121の中でどちらか1つの方向に移動すると、これはピストンロッド122を並進的に駆動する。
【0054】
これが本体121を通じて摺動すると、翻ってピストンロッド122は制御ロッド115を駆動し、こうして結合された翼フラップを制御することを可能にする。