特許第6321656号(P6321656)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6321656精製残留物からのトリメチロールプロパンの回収
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6321656
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】精製残留物からのトリメチロールプロパンの回収
(51)【国際特許分類】
   C07C 29/10 20060101AFI20180423BHJP
   C07C 29/80 20060101ALI20180423BHJP
   C07C 31/22 20060101ALI20180423BHJP
【FI】
   C07C29/10
   C07C29/80
   C07C31/22
【請求項の数】22
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2015-531923(P2015-531923)
(86)(22)【出願日】2013年7月25日
(65)【公表番号】特表2015-528494(P2015-528494A)
(43)【公表日】2015年9月28日
(86)【国際出願番号】US2013052071
(87)【国際公開番号】WO2014042768
(87)【国際公開日】20140320
【審査請求日】2016年7月7日
(31)【優先権主張番号】13/621,345
(32)【優先日】2012年9月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/621,494
(32)【優先日】2012年9月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507293631
【氏名又は名称】オクシア・ビショップ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100129311
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 規之
(72)【発明者】
【氏名】ウィンドホースト,ケネス・エイ
(72)【発明者】
【氏名】コーテズ,オークリー・ティー
(72)【発明者】
【氏名】ラフ,ドナルド・ケイ
【審査官】 水野 浩之
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭39−003012(JP,B1)
【文献】 特表2006−501206(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/019714(WO,A1)
【文献】 特公昭42−014605(JP,B1)
【文献】 特公昭50−000009(JP,B1)
【文献】 特開2000−191568(JP,A)
【文献】 特表2003−500463(JP,A)
【文献】 特開平08−169856(JP,A)
【文献】 特開昭47−010120(JP,A)
【文献】 特公昭37−006807(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07B
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
精製残留物からトリメチロールプロパンを回収する方法であって、
精製残留物を(i)酸及び(ii)酸化剤としての過酸化水素の存在下、水性媒体で加水分解し、
式Iの単環状TMP−ホルマール(MCF)、
【化1】
式IIの単一線状ビス−TMP−ホルマール(MBLF)、
【化2】
式IIIのメチル−(単一線状)TMP−ホルマール、
【化3】
式IVのメチル−(ビス線状)TMP−ホルマール、及び
【化4】
式Vのジ−TMPの環状ホルマール
【化5】
から選択される1種以上のTMP−ホルマールからトリメチロールプロパンを回収することを含み、
該酸化剤としての過酸化水素が、該精製残留物の乾燥重量を基準にして2重量%〜40重量%の量で該加水分解反応に供給される、方法。
【請求項2】
(i)酸及び(ii)酸化剤としての過酸化水素の存在下、
式IIの単一線状ビス−TMP−ホルマール(MBLF)
【化6】
を加水分解することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該酸が、硫酸、リン酸、塩酸、スルホン酸、有機酸又は酸官能性イオン交換樹脂から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
該酸が、ギ酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
該酸が、酸官能性イオン交換樹脂である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
該加水分解反応が、1〜4のpHで実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
該水性媒体を中和剤で更に中和することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
該加水分解反応が1.5〜4.5時間の反応時間で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
該酸が、該水性媒体の全重量基準で0.5重量%〜20重量%の量で該水性媒体に供給される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
水が、水の有機混合物に対する重量比が1W/W〜3W/Wで該水性媒体に供給される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
該加水分解温度が70℃〜95℃の範囲内に維持される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
該加水分解反応が1時間〜7.5時間の反応時間で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
該酸化剤としての過酸化水素が、該精製残留物の乾燥重量を基準にして2重量%〜10重量%の量で該加水分解反応に供給される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
(a)該トリメチロールプロパンホルマールを含有する精製残留物流を連続的に反応容器に供給すること;
(b)該精製残留物、水、酸及び酸化剤としての過酸化水素を含む反応混合物が形成されるように、水、酸及び酸化剤としての過酸化水素を該反応容器に供給すること;
(c)1種以上の該TMP−ホルマールが加水分解され、それにより反応混合物に回収トリメチロールプロパンを濃縮する時間及び温度に該反応容器中の該反応混合物を維持すること;及び
(d)該反応容器から回収トリメチロールプロパン流を連続的に取り出すこと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
工程(d)からの該回収トリメチロールプロパン流を蒸留し、軽質物及び蒸留残留物を含有するトリメチロールプロパンを得る、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
該回収トリメチロールプロパン流を別のトリメチロールプロパン流と混合し、蒸留前に混合トリメチロールプロパン流を得る、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ギ酸塩を蒸留前に該混合トリメチロールプロパン流から抽出する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
(a)トリメチロールプロパン含有流を蒸留し、塔頂生成物流及び精製残留物流を供給すること;
(b)1種以上の該トリメチロールプロパンホルマールを含有する該精製残留物流を反応容器に供給すること;
(c)該精製残留物、水、酸及び酸化剤としての過酸化水素を含む反応混合物が形成されるように、水、酸及び酸化剤としての過酸化水素を該反応容器に連続的に供給すること;
(d)1種以上の該トリメチロールホルマールが加水分解され、それにより該反応混合物に回収トリメチロールプロパンを濃縮する時間及び温度に該反応容器中の該反応混合物を維持すること;
(e)該反応容器から回収トリメチロールプロパン流を取り出すこと;及び
(f)回収トリメチロールプロパンを工程(a)に再循環すること、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
トリメチロールプロパン及びギ酸塩を含む原産物流からトリメチロールプロパンを回収する精製装置を用いて実施される請求項1に記載の方法であって、
該精製装置が、
(a)原産物流を受け入れ、ギ酸塩を含有する水性生成物及びトリメチロールプロパンを含有する有機生成物を供給するように構成された抽出装置;
(b)該抽出装置の有機生成物を受け入れ、トリメチロールプロパン並びに塔頂及び精製残留物として軽質物を供給するように構成された蒸留塔を含み、
該装置が、
(c)水性残留物混合物を供給するために水、酸化剤としての過酸化水素、及び酸を該精製残留物に供給する手段;
(d)該水性残留物混合物を受け取り、1種以上の該TMP−ホルマールが加水分解され、それにより反応混合物に回収トリメチロールプロパンを濃縮する時間及び温度に該反応容器中の該反応混合物を維持するように構成された反応器;及び
(e)回収トリメチロールプロパンを反応器から(a)項の該抽出装置に再循環するため、又は回収トリメチロールプロパンを反応器から(b)項の該蒸留塔に再循環するための再循環装置を含むことで特徴づけられる、
方法。
【請求項20】
該酸が、ギ酸または酸官能性イオン交換樹脂から選択される、請求項14、18、または19に記載の方法。
【請求項21】
該酸がギ酸である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
該加水分解の温度が50〜99℃である、請求項1、14、18、または19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
優先権主張及び関連出願の相互参照
本出願は、2012年9月17日に出願された同じ発明の名称の米国出願第13/621345号に基づいており、その優先権を本明細書により主張する。本出願は、また2012年9月17日に出願された「精製残留物からのアルコールの回収」という発明の名称の同時係属中の米国出願第13/621494の主題にも関連し、その優先権も主張する
【技術分野】
【0002】
本発明は、酸化剤の存在下での酸加水分解によって、トリメチロールプロパン(TMP)−ホルマールを含む精製残留物からのTMPの回収率の改善に関する。
【背景技術】
【0003】
TMPはn−ブチルアルデヒドとホルムアルデヒドから調製される。一つの好ましいプロセスでは、まず、第一の反応工程で、塩基触媒アルドール反応によって2,2−ジメチロールブチルアルデヒドが生成し、それが次の工程でカニッツァーロ反応によりTMP−ギ酸塩混合物に変換される。このTMP含有混合物は、典型的には、例えば、酢酸エチル等の有機溶媒によって抽出され、ギ酸塩を含有する水相及びTMPを含む有機相が得られる。溶媒を分離して粗TMPを蒸留により精製する。典型的な処理は、米国特許第5603835号(Cheungら)に開示されている(比較例1、第7欄)。また、米国特許第5948943号(Suppleeら)を参照のこと。
【0004】
TMPの製造方法の精製残留物は、TMPの等価物が化学的に結合されている種々のホルマールを含む。このようなホルマールは、以下の全て又は一部を含んでもよい:
【0005】
【化1】
【0006】
【化2】
【0007】
【化3】
【0008】
【化4】
【0009】
また、精製残留物中に典型的に存在するのは、相当な量のジ−TMP及びジ−TMPの環状ホルマール;式V:
【0010】
【化5】
【0011】
及び比較的多量のTMPである。TMPは、構造式:
【0012】
【化6】
【0013】
を有し、ジ−TMPは構造式:
【0014】
【化7】
【0015】
を有する。
【0016】
多くの場合、精製残留物の主な構成成分は、TMP、ジ−TMP、及び線状のビス−TMP−ホルマール(MBLF)(式II)である。環状ホルマールは、より少ない量で存在する。
【0017】
残留物は、相当の量のTMP(ホルマール等価物中に物理的に混合或いは結合して存在)、更には、樹脂、潤滑油等の同様に貴重な生成物であるジ−TMPを含有するので、残留物からTMP及びジ−TMPを回収する様々な方法が開発されてきた。
【0018】
米国特許第7301058号(Wartiniら)には、水溶液の酸処理によって精製残留物からTMPを回収する方法が開示されている。表1の第9欄には、TMP濃度が−6.4%から36.3%に増加することが報告されている。旧東独特許第287251号には、同様に酸性条件後の熱処理によるTMP−ホルマールの開裂が記載されている。
【0019】
米国特許第6265623号(Moraweitzら)は、7未満のpH値で、200℃を超える温度における不均一系水素化触媒の存在下で水素を用い水素化で行う、ギ酸塩を含有する水性媒体中での線状及び環状アセタール、特にホルマールの還元開裂に関連する。また、国際公開第WO97/01523号パンフレットも参照のこと。これらの反応条件では、ホルマールから遊離したホルムアルデヒドは水素化されてメタノールになる。同様なTMP残留物の水素化方法が、ドイツ特許第102010033844号に開示されている。
【0020】
水素化工程の水溶液を触媒及び他の固形物から遊離させ、次いでイオン交換体で処理した。回収溶液から軽質物を除去し、次いで、濃縮TMPを含む上部画分を回収する。
【0021】
米国特許出願公開第2002/0033325号(Ninomiyaら)は、TMP精製残留物に酸を添加すること、並びに酸処理で遊離するホルムアルデヒドの捕捉剤を添加することを教示している。ヒドロキシルアミン塩等のホルムアルデヒド捕捉剤により、TMPの環状ホルマール及びジ−TMPの環状ホルマール等の環状ホルマールの形成が回避される。
【0022】
米国特許第6316679号(Suppleeら)に、アルコールホルムアルデヒド捕捉剤の存在下で強酸によってTMP重質残留物を処理する方法が開示されている。TMP含量が10%から30%に増加することが報告されている(表IIIの第6欄を参照)。同様の特性は、米国特許第6096905号(同様にSuppleeら)にも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】米国特許第5603835号明細書
【特許文献2】米国特許第5948943号明細書
【特許文献3】米国特許第7301058号明細書
【特許文献4】旧東独特許第287251号明細書
【特許文献5】米国特許第6265623号明細書
【特許文献6】国際公開第WO97/01523号
【特許文献7】ドイツ特許第102010033844号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2002/0033325号明細書
【特許文献9】米国特許第6316679号明細書
【特許文献10】米国特許第6096905号明細書
【発明の概要】
【0024】
我々は、酸化剤の存在下で酸を用いTMP精製残留物を処理することにより、TMP−ホルマールの変換から予想外に高い収率でTMPが得られることを見出した。いかなる特定の理論に縛られるつもりはないが、酸化剤はホルマールの環化を阻害する又は妨げると考えられる。TMP−ホルマールの開裂で遊離するホルムアルデヒドは、酸化されギ酸になるので、TMPの環状ホルマールの同時形成が実質的に減少するか若しくは起こらない。その結果、TMP製造方法の効率を実質的に向上させることができる。典型的には、TMPビス線状ホルマール(MBLF)をTMPとギ酸カリウムに変換する2工程プロセスが用いられる。
TMPビス線状ホルマール+H+HO−(H)→
2−xTMP+xTMPギ酸塩+ギ酸(+微量のMCF)
及び:
TMP−ギ酸塩+ギ酸+KOH→TMP+KFo(ギ酸カリウム)
好ましい態様において、KFoは、酢酸エチル多段抽出プロセスによってTMPから抽出除去される。
【0025】
好ましい酸としては、硫酸、リン酸、塩酸、スルホン酸等の強鉱酸、又は例えばギ酸、酢酸、若しくはシュウ酸等の有機酸が挙げられる。好ましくは、ギ酸又は酸官能性イオン交換樹脂が選択される。特に好ましいのは、スルホン酸官能性イオン交換樹脂である。酸性化合物は、pH値が通常4未満、典型的には1〜4の範囲内、特に、1.5〜3の範囲になる量で水性媒体に添加される。
【0026】
酸化試薬として、酸素ガス、オゾン、酸素含有ガス、オゾン含有ガス、過酢酸若しくは過酸化水素水等の過酸等の過酸を使用することができる。好ましいのは過酸化水素水溶液である。過酸化水素は還元され水になり、この酸化処理の間に新たな成分は形成されない。
【0027】
本発明の方法により、全体的なTMP効率を改善するための単純なコスト削減方法が提供される。先行技術は、いくつかの側面で、水素化触媒の存在下での水素化を教示しているが、この水素化は、既知のプロセスを複雑化し、追加の触媒材料及びその取扱いを必要とする。更に、当技術分野で知られている様々な捕捉剤の使用は、追加の補助成分を添加することとなり、その反応生成物をホルムアルデヒド捕捉プロセスから分離する必要がある。
【0028】
酸化剤の使用は、遊離したホルムアルデヒドが酸化されてギ酸になる(ギ酸は、処理済精製残留物をアルカリ金属又はアルカリ土類金属化合物の水溶液で中和することでギ酸の対応する金属塩に変換することができる)という利点がある。ギ酸塩を生成するn−ブチルアルデヒドとホルムアルデヒドの反応の無機カニッツァーロ反応を行う場合、回収されたギ酸塩の水溶液はプロセス流と混合してもよい。いずれにせよ、本発明の方法は、必要に応じて、任意のTMP製造方法、例えば、上記の米国特許第7301058号(Wartiniら)に記載のブチルアルデヒドをホルムアルデヒドと反応させ、続いて水素化することによってTMPを製造する方法等からの重質物に使用することができる。同様に、他のホルマール及びアセタールも、後述するように本発明の方法によって回収することができる。更なる詳細及び利点は以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明を、多数の例に関連して、並びに添付図面に関連して以下に詳細に説明する。図は以下の通りである。
図1図1は、本発明に従い、精製残留物からポリオールを回収する反応器の連続操業を説明するための模式図である。
図2図2は、従来の生成物回収装置と一体化した本発明のポリオール回収装置の模式図である。
図3図3は、従来の生成物回収装置と一体化した別のアルコール回収装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
発明は、説明の目的のみのために図面に関連して以下に詳細に記載される。本発明は、添付の特許請求の範囲に定義されている。本明細書及び請求の範囲の全体を通して本明細書で使用される用語は、次の説明で補足されるように通常の意味を有する。例えば、「変換率」「選択率」及び「収率」は、数学的な定義のX(変換率)*S(選択率)=Y(収率)によって関連付けられており、すべて重量又はモル基準で計算される。例えば、特定の反応において、物質Aの90%が変換(消費)されたが、その80%のみが目的の物質Bに、20%が不要な副生成物に変換された場合は、Aの変換率は90%で、Bの選択率は80%、物質Bの収率は72%(=90%*80%)となる。
【0031】
特に断りのない限り、重量比又は百分率を計算する目的で、「有機物」、「有機混合物」等の用語は、乾燥基準での対象とする組成物又は成分を意味する。
【0032】
特に断りのない限り、「パーセント」、「%」等の用語は、成分の重量%を意味する。同様に、特に断りのない限り、「部」は重量部を意味する。
【0033】
連続反応器における滞留時間は、反応器の反応媒体の定常状態若しくは平均の体積を、反応器を通過する体積流量で割ったものとして計算される。
【0034】
反応速度及び収率は、下記のようにTMPの線状ホルマール残留物に関して特に有利である。
【実施例】
【0035】
[実施例1〜5]
まず、第一の反応工程で、塩基触媒アルドール反応によって2,2−ジメチロールブチルアルデヒドが生成し、それを次の工程でカニッツァーロ反応によりTMP及びTMP−ギ酸塩混合物に変換することによって、n−ブチルアルデヒドとホルムアルデヒドからTMPを調製した。このTMP含有混合物を、酢酸エチルによって抽出し、ギ酸塩を含有する水相及びTMPを含む有機相を得た。有機溶媒相を分離し、米国特許第5603835号(Cheungら)の比較例1の第7欄に一般的に記載されているように蒸留によって粗TMPを精製した。蒸留(精製)残留物又は「重質物」は、本発明の方法の供給原料として使用した。表1及び表2において、重質物を出発材料と称し、精製残留物及び生成物の分析値を、乾燥基準で示すが、水、酸化剤及び酸は除き、それらについては表1及び表2における水性反応混合物中に存在する湿潤基準で示す。
【0036】
実施例1〜5で行われる手順は、約65gのTMP重質物(分析値は表1及び表2の通り)を、約130〜260gの水(水の有機物に対する比:2/1〜4/1)、約8〜約20gのギ酸(時に、本明細書ではHfo又はHFOと記す)又はそれに相当する量のスルホン酸樹脂、及び約7〜約20gの過酸化水素と混合する(100%基準、表1及び2に湿潤基準で記載)ことであった。乾燥基準で出発材料の3%〜30%のHは、プロセスにほとんど影響を与えない。H溶液中の水は、加えた水に含まれ、表1及び表2中の酸及びHの百分率に含まれる。反応混合物を振盪して均質にし、次いで、70℃〜90℃まで様々な時間(2〜4時間)をかけて加熱し、MBLFの変換を達成した。更に処理を行い、必要に応じ、水性媒体を水酸化カリウムで中和し、ギ酸カリウム(上記のカニッツァーロ合成で生じるギ酸塩と混合してもよい)を得る。詳細事項と結果は、以下の表1及び2に示す。
【0037】
更なる処理は、当技術分野で知られているように回収TMPからギ酸塩を抽出し、そのTMPを蒸留して精製された形態にすることを含む。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
[実施例6〜13]
追加の試験は、図1に模式的に示された装置10で行った。反応装置は、攪拌容器12、ポンプ14、加熱された溢流、連続(押出流れ型)反応器16及び収集容器18を含んでいた。操業の際は、一般に実施例2、4及び5と同様の組成を有する出発材料を、水、ギ酸及び過酸化水素と共に、実施例1〜5に記載の量で撹拌容器12に充填した。反応物を撹拌容器12中で均質化し、2〜6時間の滞留時間の間、反応温度に維持し、管路20、22及びポンプ14を経由して反応器16に連続的に供給した。反応器内の上記の滞留時間後に、反応器16からの溢流を、管路24を経由して容器18に連続的に回収した。前記材料を実施例2、4及び5に記載したように中和し、MBLFからTMPへの変換率を分析した。MBLFのTMPへの変換に対する温度及び反応時間の影響を表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】
適切で好ましいプロセスの特性を以下の表4に列挙する。
【0043】
【表4】
【0044】
[実施例14]従来のTMP回収との一体化
本発明の方法は、図2の装置に模式的に示すように、既存のTMPの回収プロセスに組み込むことができる。
【0045】
図2に、多段式水/酢酸エチル抽出装置32、蒸留塔34、及び残留物回収再循環回路36を含む装置30を示す。回路36は、混合装置38、加熱加水分解反応器40、並びにポンプ42,44及びそれらの間を接続する複数の導管を含む。
【0046】
抽出装置32及び精製塔34は、従来の設計、即ち、TMP/ギ酸塩粗生成物の流れ46を、管路48を経由して装置32に供給し、そこでギ酸カリウムを水相に抽出して流れ50として回収するものであってもよい。TMPを装置32から有機相52中に回収し、管路54を経由して塔34に供給し、ここでTMPを軽質物と合わせて塔頂流56として管路58を経由して、更なる精製に向けて送る(図示せず)。
【0047】
蒸留残留物は、流れ60として塔34を出て、管路62を経由して混合装置38に供給される。混合装置38では、過酸化水素、水及びギ酸を精製残留物に添加し、得られた混合物を、ポンプ42により管路66を経由して流れ64として部分的に装置38に再循環する。反応混合物に、過酸化水素、水及び酸を供給する任意の同等の手段も使用でき、例えば、これらの成分を前もって混合することや反応器40に直接供給してもよい。
【0048】
ポンプ42は、また精製残留物、ギ酸及び過酸化水素を含む反応物流68を加水分解・酸化反応器40に管路70を経由して供給する。反応器40において、実施例1〜13に関連して上記で説明したように、TMPは流れ68から回収し、過剰なHは、すべて管路75を経由して流れ72として洗浄塔(scrubber)に排出した。
【0049】
反応器40は、押出流れ型溢流反応器である。反応済流74は、本発明のアルコール回収プロセスによってTMPが濃縮され、その液体は管路76を経由してポンプ44に流出し、ポンプ44により、その材料は流れ78として管路80を経由して供給管路48に送られ、抽出装置32に再循環される。
【0050】
精製残留物から回収されたアルコールは、このように既存の精製装置に戻され、新たな原産物流と共に回収される。所望により、回収材料を処理して直接精製塔34に再循環することも可能である。
【0051】
装置30の作動と共に、流れ60中の重質副産物の濃度は、残留物循環回路36の作動によって増加する。浄化流(purge stream)82を流れ60から取り出し、蒸気発生のために更に処理又は焼却してもよい。
【0052】
[実施例15]既存TMP蒸留との一体化
図3に、多段式水/酢酸エチル抽出装置132、蒸留塔134及び残留物回収再循環回路136を含む装置130を提供する本発明の回収装置の一体化を示す別の態様を示す。回路136は、混合装置138、加熱加水分解反応器140、抽出/中和装置190、並びにポンプ142,144及びそれらの間を接続する複数の導管を含む。
【0053】
抽出装置132及び精製塔134は、図2に関連して上記で説明した従来設計、即ち、TMP/ギ酸塩粗生成物の流れ146を、管路148を経由して装置132に供給し、そこでギ酸カリウムを水相に抽出し、流れ150として回収するものであってもよい。TMPを装置132から有機相152中に回収し、管路154を経由して塔134に供給し、そこでTMPを軽質物と合わせて塔頂流156として管路158を経由して、更なる精製に向けて送る。
【0054】
蒸留残留物は、流れ160として塔134を出て、管路162を経由して混合装置138に供給される。混合装置138では、過酸化水素、水及びギ酸を精製残留物に添加し、得られた混合物を、ポンプ142により管路166を経由して流れ164として部分的に装置138に再循環する。反応混合物に、過酸化水素、水及び酸を供給する任意の同等の手段も考えられ、例えば、これらの成分を事前に混合する或いは反応器140に直接供給することもできる。
【0055】
ポンプ142は、また精製残留物、ギ酸及び過酸化水素を含む反応物流168を加水分解・酸化反応器140に管路170を経由して供給する。反応器140において、実施例1〜13に関連して上記で説明したように、TMPは流れ168から回収され、過剰なHは、管路175を経由して流れ172として洗浄塔に排出する。
【0056】
反応器140は、押出流れ型溢流反応器である。反応済流174は、本発明のアルコール回収プロセスによってTMPが濃縮され、その液体は管路176を経由してポンプ144に流出し、ポンプ144により、その材料を流れ178として管路180を経由して抽出/中和装置190に送られ、そこで、反応器140からの流出液中のギ酸は中和されてギ酸カリウムになり、流れ194として装置を出て、流れ150と混合される。回収TMPは有機流192として装置190を出て、有機相152と混合され、塔134に供給される。
【0057】
精製残留物から回収されたアルコールは、このように既存の精製装置に戻され、新たな原産物流と共に回収される。
【0058】
装置130の作動と共に、流れ160中の重質副産物の濃度は、残留物循環回路136の作動によって増加する。図2に関連して上記で説明したように蒸気発生のために更に処理又は焼却してもよい。この目的のために、図示の通り浄化流182を流れ160から取り出す。
【0059】
従って、第1の態様において、精製残留物を(i)酸及び(ii)酸化剤の存在下、水性媒体で加水分解し、
【0060】
【化8】
【0061】
【化9】
【0062】
【化10】
【0063】
【化11】
【0064】
【化12】
【0065】
から選択される1種以上のTMP−ホルマールからトリメチロールプロパンを回収する、精製残留物からトリメチロールプロパンを回収する方法を提供する。
【0066】
以下は追加の態様である:
第2の態様は、i)酸及び(ii)酸化剤の存在下、
【0067】
【化13】
【0068】
を加水分解することを含む、第1の態様に記載の方法である。
【0069】
第3の態様は、前記酸が、硫酸、リン酸、塩酸、スルホン酸、有機酸又は酸官能性イオン交換樹脂から選択される、第1の態様又は第2の態様に記載の方法である。
【0070】
第4の態様は、前記酸がギ酸である、第1の態様及び前述の他の態様のいずれか又は全てに記載の方法である。
【0071】
第5の態様は、前記酸が酸官能性イオン交換樹脂である、第3の態様に記載の方法である。
【0072】
第6の態様は、前記イオン交換樹脂がスルホン酸官能性イオン交換樹脂である、第5の態様に記載の方法である。
【0073】
第7の態様は、前記加水分解反応が4未満のpHで実施される、第1の態様及び前述の他の態様のいずれか又は全てに記載の方法である。
【0074】
第8の態様は、前記加水分解反応が1〜4のpHで実施される、第1〜第6の態様に記載の方法である。
【0075】
第9の態様は、前記加水分解反応が1.5〜3のpHで実施される、第8の態様に記載の方法である。
【0076】
第10の態様は、前記水性媒体を中和剤で更に中和することを含む、第1の態様及び前述の他の態様のいずれか又は全てに記載の方法である。
【0077】
第11の態様は、前記酸がギ酸であり、前記中和剤がアルカリ金属水酸化物である、第10の態様に記載の方法である。
【0078】
第12の態様は、前記精製残留物のトリメチロールプロパンホルマールに存在するトリメチロールプロパンの少なくとも75重量%を回収するために効果的である、第1の態様及び前述の他の態様のいずれか又は全てに記載の方法である。
【0079】
第13の態様は、前記精製残留物のトリメチロールプロパンホルマールに存在するトリメチロールプロパンの少なくとも80重量%を回収するために効果的である、第1の態様及び前述の他の態様のいずれか又は全てに記載の方法である。
【0080】
第14の態様は、前記精製残留物のトリメチロールプロパンホルマールに存在するトリメチロールプロパンの少なくとも85重量%を回収するために効果的である、第1の態様及び前述の他の態様のいずれか又は全てに記載の方法である。
【0081】
第15の態様は、前記精製残留物のトリメチロールプロパンホルマールに存在するトリメチロールプロパンの少なくとも90重量%を回収するために効果的である、第1の態様及び前述の他の態様のいずれか又は全てに記載の方法である。
【0082】
第16の態様は、前記酸化剤が、前記精製残留物の乾燥重量を基準にして2重量%〜40重量%の量で前記加水分解反応に供給される、第1の態様及び前述の他の態様のいずれか又は全てに記載の方法である。
【0083】
第17の態様は、前記酸化剤が、前記精製残留物の乾燥重量を基準にして4重量%〜20重量%の量で前記加水分解反応に供給される、第1の態様及び前述の他の態様のいずれか又は全てに記載の方法である。
【0084】
第18の態様は、前記酸化剤が、前記精製残留物の乾燥重量を基準にして5重量%〜10重量%の量で前記加水分解反応に供給される、第17の態様に記載の方法である。
【0085】
第19の態様は、前記酸が、水性媒体の全重量基準で0.5重量%〜20重量%の量で水性反応媒体に供給される、第1の態様及び前述の他の態様のいずれか又は全てに記載の方法である。
【0086】
第20の態様は、前記酸が、前記水性媒体の全重量基準で1重量%〜15重量%の量で前記水性反応媒体に供給される、第19の態様に記載の方法である。
【0087】
第21の態様は、前記酸が、前記水性媒体の全重量基準で2重量%〜10重量%の量で前記水性反応媒体に供給される、第20の態様に記載の方法である。
【0088】
第22の態様は、水が、水の有機混合物に対する重量比が0.5W/W〜4W/Wで前記反応媒体に供給される、第1態様及び前述の他の態様のいずれか又は全てに記載の方法である。
【0089】
第23の態様は、水が、水の有機混合物に対する重量比が1W/W〜3W/Wで前記反応媒体に供給される、第22の態様に記載の方法である。
【0090】
第24の態様は、水が、水の有機混合物に対する重量比が1.5W/W〜2.5W/Wで前記反応媒体に供給される、第23の態様に記載の方法である。
【0091】
第25の態様は、前記加水分解温度が50℃〜99℃の範囲内に維持される、第1の態様及び前述の他の態様のいずれか又は全てに記載の方法である。
【0092】
第26の態様は、前記加水分解温度が70℃〜95℃の範囲内に維持される、第25の態様に記載の方法である。
【0093】
第27の態様は、前記加水分解反応が約0.5時間〜約10時間の反応時間で実施される、第1の態様及び前述の他の態様のいずれか又は全てに記載の方法である。
【0094】
第28の態様は、前記加水分解反応が約1時間〜約7.5時間の反応時間で実施される、第27の態様に記載の方法である。
【0095】
第29の態様は、前記加水分解反応が約1.5時間〜約4.5時間の反応時間で実施される、第28の態様に記載の方法である。
【0096】
第30の態様は、トリメチロールプロパンの前記収率が、前記精製残留物中のTMP−ホルマール誘導体の重量基準で50%〜99%になるように反応物、温度及び反応時間が選択される、第1の態様及び前述の他の態様のいずれか又は全てに記載の方法である。
【0097】
第31の態様は、トリメチロールプロパンの前記収率が、前記精製残留物中のTMP−ホルマール誘導体の重量基準で60%〜98%になるように反応物、温度及び反応時間が選択される、第30の態様に記載の方法である。
【0098】
第32の態様は、トリメチロールプロパンの前記収率が、前記精製残留物中のTMP−ホルマール誘導体の重量基準で75%〜95%になるように反応物、温度及び反応時間が選択される、第30の態様に記載の方法である。
【0099】
第33の態様は、トリメチロールプロパンの前記収率が、前記精製残留物中のTMP−ホルマール誘導体の重量基準で80%を超えるように反応物、温度及び反応時間が選択される、第32の態様に記載の方法である。
【0100】
第34の態様は、(a)以下:
【0101】
【化14】
【0102】
【化15】
【0103】
【化16】
【0104】
【化17】
【0105】
【化18】
【0106】
から選択される1種以上のトリメチロールプロパンホルマールを含有する精製残留物流を連続的に反応容器に供給すること;
(b)前記精製残留物、水、酸及び酸化剤を含む反応混合物が形成されるように、水、酸及び酸化剤を反応容器に供給すること;(c)1種以上の前記TMP−ホルマールが加水分解され、それにより反応混合物に回収トリメチロールプロパンを濃縮する時間及び温度に前記反応容器中の前記反応混合物を維持すること;及び(d)前記反応容器から回収トリメチロールプロパン流を連続的に取り出すことを含む、精製残留物からトリメチロールプロパンを回収するプロセスである。この態様は、第1〜第33の態様の特徴のいずれか又は全てを用いてもよい。
【0107】
第35の態様は、工程(d)からの前記回収トリメチロールプロパン流を蒸留し、軽質物及び蒸留残留物を含有するトリメチロールプロパンを得る、第34の態様に記載のプロセスである。
【0108】
第36の態様は、前記回収トリメチロールプロパン流を別のトリメチロールプロパン流と混合し、蒸留前に混合トリメチロールプロパン流を得る、第35の態様に記載の方法。
【0109】
第37の態様は、ギ酸塩を、蒸留前に前記混合トリメチロールプロパン流から抽出する、第36の態様に記載の方法。
【0110】
第38の態様は、(a)トリメチロールプロパン含有流を蒸留し、塔頂生成物流及び精製残留物流を供給すること;(b)以下:
【0111】
【化19】
【0112】
【化20】
【0113】
【化21】
【0114】
【化22】
【0115】
【化23】
【0116】
から選択される1種以上のトリメチロールプロパンホルマールを含有する前記精製残留物流を反応容器に供給すること;
(c)前記精製残留物、水、酸及び酸化剤を含む反応混合物が形成されるように、水、酸及び酸化剤を前記反応容器に連続的に供給すること;(d)1種以上の前記トリメチロールホルマールが加水分解され、それにより前記反応混合物に回収トリメチロールプロパンを濃縮する時間及び温度に前記反応容器中の前記反応混合物を維持すること;(e)反応容器から回収トリメチロールプロパン流を取り出すこと;及び(f)回収トリメチロールプロパンを工程(a)に再循環することを含む、トリメチロールプロパン含有流を精製するプロセスである。この態様は、第1〜第37の態様の特徴のいずれか又は全てを用いてもよい。
【0117】
第39の態様は、回収トリメチロールプロパンを、工程(a)に再循環する前に、前記回収トリメチロールプロパン流から水相を抽出する、第38の態様に記載の方法である。
【0118】
第40の態様は、(a)原産物流を受け入れ、ギ酸塩を含有する水性生成物及びトリメチロールプロパンを含有する有機生成物を供給するように構成された抽出装置;(b)前記抽出装置の有機生成物を受け入れ、トリメチロールプロパン並びに塔頂及び以下:
【0119】
【化24】
【0120】
【化25】
【0121】
【化26】
【0122】
【化27】
【0123】
【化28】
【0124】
から選択される1種以上のTMP−ホルマールを含有する精製残留物として軽質物を供給するように構成された蒸留塔;
(c)水性残留物混合物を供給するために水、酸化剤、及び酸を前記精製残留物に供給する手段;(d)前記水性残留物混合物を受け取り、1種以上の前記TMP−ホルマールが加水分解され、それにより反応混合物に回収トリメチロールプロパンを濃縮する時間及び温度に前記反応容器中の前記反応混合物を維持するように構成された反応器;及び(e)回収トリメチロールプロパンを反応器から(a)項の前記抽出装置に再循環するため、又は回収トリメチロールプロパンを反応器から(b)項の前記蒸留塔に再循環するための再循環装置を含む、トリメチロールプロパン及びギ酸塩を含む原産物流からトリメチロールプロパンを回収する精製装置である。第1〜第39の特徴のいずれか又は全てを用いてもよい。
【0125】
以下に本発明の実施態様を記載する。
(態様1)
精製残留物からトリメチロールプロパンを回収する方法であって、
精製残留物を(i)酸及び(ii)酸化剤の存在下、水性媒体で加水分解し、
式Iの単環状TMP−ホルマール(MCF)、
式IIの単一線状ビス−TMP−ホルマール(MBLF)、
式IIIのメチル−(単一線状)TMP−ホルマール、
式IVのメチル−(ビス線状)TMP−ホルマール、及び
式Vのジ−TMPの環状ホルマール
から選択される1種以上のTMP−ホルマールからトリメチロールプロパンを回収することを含む、方法。
(態様2)
(i)酸及び(ii)酸化剤の存在下、
式IIの単一線状ビス−TMP−ホルマール(MBLF)を加水分解することを含む、態様1に記載の方法。
態様3
該酸が、硫酸、リン酸、塩酸、スルホン酸、有機酸又は酸官能性イオン交換樹脂から選択される、態様1に記載の方法。
(態様4)
該酸が、ギ酸である、態様1に記載の方法。
(態様5)
該酸が、酸官能性イオン交換樹脂である、態様1に記載の方法。
(態様6)
該加水分解反応が、1〜4のpHで実施される、態様1に記載の方法。
(態様7)
該水性媒体を中和剤で更に中和することを含む、態様1に記載の方法。
(態様8)
該精製残留物の該トリメチロールプロパンホルマールに存在する該トリメチロールプロパンの少なくとも85重量%を回収するために効果的である、態様1に記載の方法。
(態様9)
該酸化剤が、該精製残留物の乾燥重量を基準にして2重量%〜40重量%の量で該加水分解反応に供給される、態様1に記載の方法。
(態様10)
該酸が、該水性媒体の全重量基準で0.5重量%〜20重量%の量で該水性反応媒体に供給される、態様1に記載の方法。
(態様11)
水が、水の有機混合物に対する重量比が1W/W〜3W/Wで該反応媒体に供給される、態様1に記載の方法。
(態様12)
該加水分解温度が70℃〜95℃の範囲内に維持される、態様1に記載の方法。
(態様13)
該加水分解反応が約1時間〜約7.5時間の反応時間で実施される、態様1に記載の方法。
(態様14)
該トリメチロールプロパンの収率が、該精製残留物中のTMP−ホルマール誘導体の重量基準で75%〜95%になるように反応物、温度及び反応時間が選択される、態様1に記載の方法。
(態様15)
(a)以下:
式Iの単環状TMP−ホルマール(MCF)、
式IIの単一線状ビス−TMP−ホルマール(MBLF)、
式IIIのメチル−(単一線状)TMP−ホルマール、
式IVのメチル−(ビス線状)TMP−ホルマール、及び
式Vのジ−TMPの環状ホルマール
から選択される1種以上のトリメチロールプロパンホルマールを含有する精製残留物流を連続的に反応容器に供給すること;
(b)該精製残留物、水、酸及び酸化剤を含む反応混合物が形成されるように、水、酸及び酸化剤を該反応容器に供給すること;
(c)1種以上の該TMP−ホルマールが加水分解され、それにより反応混合物に回収トリメチロールプロパンを濃縮する時間及び温度に該反応容器中の該反応混合物を維持すること;及び
(d)該反応容器から回収トリメチロールプロパン流を連続的に取り出すこと、
を含む、精製残留物からトリメチロールプロパンを回収するプロセス。
(態様16)
工程(d)からの該回収トリメチロールプロパン流を蒸留し、軽質物及び蒸留残留物を含有するトリメチロールプロパンを得る、態様15に記載のプロセス。
(態様17)
該回収トリメチロールプロパン流を別のトリメチロールプロパン流と混合し、蒸留前に混合トリメチロールプロパン流を得る、態様16に記載の方法。
(態様18)
ギ酸塩を蒸留前に該混合トリメチロールプロパン流から抽出する、態様17に記載の方法。
(態様19)
(a)トリメチロールプロパン含有流を蒸留し、塔頂生成物流及び精製残留物流を供給すること;
(b)以下:
式Iの単環状TMP−ホルマール(MCF)、
式IIの単一線状ビス−TMP−ホルマール(MBLF)、
式IIIのメチル−(単一線状)TMP−ホルマール、
式IVのメチル−(ビス線状)TMP−ホルマール、及び
式Vのジ−TMPの環状ホルマール、
から選択される1種以上のトリメチロールプロパンホルマールを含有する該精製残留物流を反応容器に供給すること;
(c)該精製残留物、水、酸及び酸化剤を含む反応混合物が形成されるように、水、酸及び酸化剤を該反応容器に連続的に供給すること;
(d)1種以上の該トリメチロールホルマールが加水分解され、それにより該反応混合物に回収トリメチロールプロパンを濃縮する時間及び温度に該反応容器中の該反応混合物を維持すること;
(e)該反応容器から回収トリメチロールプロパン流を取り出すこと;及び
(f)回収トリメチロールプロパンを工程(a)に再循環すること、
を含む、トリメチロールプロパン含有流を精製するプロセス。
(態様20)
(a)原産物流を受け入れ、ギ酸塩を含有する水性生成物及びトリメチロールプロパンを含有する有機生成物を供給するように構成された抽出装置;
(b)該抽出装置の有機生成物を受け入れ、トリメチロールプロパン並びに塔頂及び以下:
式Iの単環状TMP−ホルマール(MCF)、
式IIの単一線状ビス−TMP−ホルマール(MBLF)、
式IIIのメチル−(単一線状)TMP−ホルマール、
式IVのメチル−(ビス線状)TMP−ホルマール、
式Vのジ−TMPの環状ホルマール
から選択される1種以上のTMP−ホルマールを含有する精製残留物として軽質物を供給するように構成された蒸留塔;
(c)水性残留物混合物を供給するために水、酸化剤、及び酸を該精製残留物に供給する手段;
(d)該水性残留物混合物を受け取り、1種以上の該TMP−ホルマールが加水分解され、それにより反応混合物に回収トリメチロールプロパンを濃縮する時間及び温度に該反応容器中の該反応混合物を維持するように構成された反応器;及び
(e)回収トリメチロールプロパンを反応器から(a)項の該抽出装置に再循環するため、又は回収トリメチロールプロパンを反応器から(b)項の該蒸留塔に再循環するための再循環装置を含む、トリメチロールプロパン及びギ酸塩を含む原産物流からトリメチロールプロパンを回収する精製装置。
図1
図2
図3