(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記弁アセンブリは、前記第1の導管の中を通る前記水の流れを制御するための第1の弁と、前記第2の導管の中を通る前記水の流れを制御するための第2の弁とを含む請求項1に記載の加熱システム。
さらに、前記温度センサの出力に接続されているコントローラを含み、前記コントローラは、前記加熱要素に供給される電力を制御するようになっている請求項3に記載の加熱システム。
さらに、前記温度センサの出力に接続されているコントローラを含み、前記コントローラは、前記加熱要素の中を通る水の流量を制御するようになっている請求項3に記載の加熱システム。
前記複数の予め選択された温度の1つの温度に前記処理水を加熱するために、前記第1の導管の中を通る前記処理水の流量を制御する段階をさらに含む請求項6に記載の方法。
前記処理水の流量を制御する段階が、前記加熱要素からの熱に対する前記処理水の露出を増大させるために、前記処理水の流れを間欠的に阻止する段階を含む請求項9に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本実施形態は、例えば
使用時浄水器のよう
な水処理システムからの水を加熱するための選択的水温構成部品に関する。例示のために、この選択的水温構成部品は、本明細書中にその開示内容全体が参照として援用されている、Kuennen他に対する米国特許第6,451,202号明細書に開示されている
使用時浄水器に関連付けて、図示及び説明されている。しかし、本発明の実施形態は、既存の温度
制御システムを有す
る水処理システムを含む、既知であるか又は今後に開発される広範囲
の水処理システムに適切に適合化されることが可能である。
【0018】
I.
選択的水温構成部品の概要
さて、
図1から
図6を参照すると、選択的水温構成部品が図示されており、及び、全体として参照番号50で示されている。この選択的水温構成部品50は、例えば熱可塑性プラスチック又は熱硬化性プラスチックで形成されている硬質のハウジングのような、外側ハウジング52を含む。このハウジングは、基部54と、複数の上方に延びる側壁56と、コントロールパネル60を含む蓋58と、ディスペンサアーム62とを含む。前向きの側壁63が、
使用時浄水器200の少なくとも一部分を中に受け入れるための概ね凹形の開口部64を画定する。例えば
図4から
図6に示されているように、
使用時浄水器200は、選択的水温構成部品50内の凹形の開口部64に対して垂直方向に整合した形で直立する。選択的水温構成部品50
及び浄水器200は、その全体として、
図4に概略的に示されているようにカウンタートップ型(countertop)の用途に適するような大きさにされることが可能であり、又は、必要に応じて、より大きい用途のためのサイズにされるか、又は、より小さい用途のためのサイズにされることが可能である。
【0019】
さらに
図3に示すように、選択的水温構成部品50は
、処理されていない供給水の供給源に連結可能である入口66と、浄水器200に各々が連結可能である供給管路68及び戻り管路70と、選択的水温構成部品50からの浄化された又
は処理された水を
分配するためのディスペンサアーム62内の出口72とを含む。この図示されている実施形態では、供給管路68は戻り管路70の左に位置しており、一方、他の実施形態では、供給管路68は戻り管路70の右に位置している。
図3に示されている実施形態では、入口66は、加圧水供給源に連結可能である下向きの開口部を含む。流入水が供給管路68の中を通して浄水器200に導かれ、戻り管路70を通って選択的水温構成部品50に戻る。供給管路68と戻り管路70は互いに隣接しており、及び、浄水器200内の対応する連結部と嵌合するサイズ及び形状にされている。この図示されている実施形態では、供給管路68及び戻り管路70は、選択的水温構成部品の側壁56に対して概ね水平方向又は垂直方向に延びる。ユーザが必要とする場合には、内部加熱要素が、浄水器200によって処理され終わっている水を加熱する。加熱が終わると、随意に、
分配アーム62が、加熱され且
つ処理された水を、
図4に示されているように、カップ、マグカップ、又は、他の容器250の中に、ディスペンサアーム出口72から放出する。
【0020】
次に
図7を参照すると、選択的水温構成部品50は、入口66から供給管路68に延びる
未処理流路(pretreated flow path)74を含む。この
未処理流路74は、随意に、後述される部分IVでさらに詳細に説明するように、水リザーバ76とポンプ78とを含む。入口66の中に入る
未処理水の流量が閾値レベルよりも低くなる場合には、ポンプ78が、水リザーバ76から供給管路68への
未処理水の最小流量を維持することが可能である。この水は、浄水器200内に入ると、例えば、紫外線殺菌、カーボンブラック濾過、イオン化、酸化、化学的浄水、及び、これらの組合せを含む、任意の所望の方法によっ
て処理される。その次に、浄水器からの水が、選択的水温構成部品50内の随意の加熱のために、入口圧力又はポンプ圧力を受けて戻り管路70に供給される。
【0021】
同様に
図7に示されているように、選択的水温構成部品は、戻り管路70からディスペンサアーム出口72に延び
る処理流路80を含む。こ
の処理流路80は、選択的水温構成部品ハウジング52内で第1の導管82と第2の導管84に分岐する。第1の導管82は
、処理水を加熱要素86を通して循環させた後でディスペンサアーム出口72において終端し、一方、第2の導管84は加熱要素86をバイパスしてディスペンサアーム出口72において終端する。別々に終端する形で示されているが、第1の導管82と第2の導管84の各々は、ディスペンサアーム出口72における終端の前に、所望の温度に達するために単一の流路の形に合併することが可能である。さらに、弁アセンブリが、第1の導管82
及び第2の導管84を通
る処理水を
制御する。
図7に示されている弁アセンブリは、随意に
、処理流路80内の分岐点92の下流に、第1の弁88及び第2の弁90を含む。この実施形態では、第1の弁88が第1の導管82内の水の流れを
制御し
、第2の弁90が第2の導管84内の水の流れを
制御する。これらの弁は、流体の流れを調節するようになっている任意の装置であることが可能である。例えば、これらの弁は、2つのポートと2つの異なる位置とを有する、2位置型の電磁弁であることが可能であり、一方、他の実施形態では、これらの弁は必要に応じて他の構成を含むことが可能である。
【0022】
加熱要素及び温度制御
上述したように、加熱要素86は、ユーザによって求められる時
に処理流路80内の水を選択的に加熱するようになっている。この加熱要素86は、例え
ば処理水のような
所定の流量の流体を加熱するようになっている任意の装置であることが可能である。一実施形態では、加熱要素86は、例えば、内部流路を含む無タンク型の電気式水加熱器を含む、貫流式の電気式水加熱器を含む。他の実施形態では、加熱要素86は、必要に応じて、異なる構成を有することが可能である。次に
図8から
図10を参照すると、加熱要素86は、入口マニホルド94と、出口マニホルド96と、これらの間の流路98と、第1の導管82の中を通過して移動す
る処理水に接触している加熱プレート100とを含む。
図10に示されている実施形態では、厚膜カートリッジ加熱要素86が、電気抵抗式加熱プレート100と、シリコーンカバー102と、硬質金属ハウジング104と、シリコーンフローガイド(silicone flow guide)106とを含む。水が入口マニホルド94の中を通ってシリコーンフローガイド106の中に入り、曲がりくねったパターンの形のフローガイド106の中を流れ
、出口マニホルド96の中を通って第1の導管82の他の部分に出る。その次に、加熱要素86内で加熱され終わった水は、ディスペンサアーム出口72を通して放出される。別の実施形態では、加熱要素86は、入口マニホルドから水を受け入れて出口マニホルドを通して水を放出する複数の加熱チューブを含む。この実施形態では、加熱チューブは、電気エネルギーを熱に変換するために薄膜電気抵抗被覆で被覆されている。この薄膜電気抵抗被覆は、例えば、
インジウムスズ酸化物(ITO)であることが可能である。この加熱チューブは、流れる水に接触する石英層を有し
、この電気抵抗被覆は、流路内の水には接触しない。加熱チューブは、各チューブの加熱容量が同一であるように、サイズ及び電気抵抗被覆において均一である。
【0023】
加熱要素86は、ユーザによって求められる時に
、処理流路80内の水の温度を複数の温度の内の1つの温度に上昇させることが可能である。例えば、加熱要素86は、ユーザの好みに応じて
、処理流路80内の水の温度を、約45℃に、約70℃に、及び、約90℃に上昇させることが可能である。所望の温度上昇を達成するために、選択的水温構成部品50は、加熱要素86に加えられる電力を
制御し、及び/又は、加熱要素86の中を通過する水の流量を
制御することが可能である。例えば、選択的水温構成部品50は
、処理流体流路80の中を通って循環する水の温度を直接的又は間接的に測定するための1つ又は複数の温度センサ93、95、97を含むことが可能である。本実施形態では、
図11に最も適切に示されているように、単一の温度感知サーモスタット93が水流路の外側において加熱要素86上に配置されている。他の実施形態では
、処理水の流れを直接的に測定する温度センサを含む複数の温度センサが使用されることが可能である。別の実施形態では、第1のサーミスタ93が高温水流路82の外側において加熱要素86上に配置されており
、第2のサーミスタ95がディスペンサアーム出口72に配置されている。これらのサーミスタは、流れコントローラの開放/閉鎖状態と加熱器のオン/オフ状態とを決定するために、コントローラに対してアナログ入力を提供する。採用随意の第3のサーミスタ97が、供給される水の温度に基づいて流れの
特性と加熱の
特性とを
調整するために、選択的水温構成部品50に対する入口66に配置されることが可能である。
【0024】
上述したように、サーモスタット93は電気出力を含み、この電気出力はコントローラ96に接続されている。コントローラ96は、基本的に、加熱器要素86の動作を
制御するようになっている任意のコントローラを含むことが可能である。例えば、コントローラ96は、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)を含むことが可能である。他のコントローラも、必要に応じて使用されることが可能である。この実施形態では、コントローラ96は、温度センサの出力をユーザ選択温度設定値と比較する。その次に、このコントローラ96は、1つ又は複数の測定温度をユーザ選択温度設定値に近づけるために、1つ又は複数の外部変数を操作する。上述したように、この外部変数は、加熱要素に加えられる電力、第1の導管を通過す
る処理水の流れ、又は、これらの両方を含むことが可能である。他の外部変数も採用可能である。このプロセスが、所望の温度の許容範囲(例えば、+/−2℃、+/−4℃、+/−6℃)内の加熱水を提供するために、閉
制御ループにおいて反復される。
【0025】
さらに特に、コントローラ96は、加熱要素86に対して供給される電力を調節することが可能である。例えば、コントローラ96は、加熱要素86の熱出力を減少させるために加熱要素86に供給される電力を周期的に中断することが可能である。この中断は、加熱要素86に加えられている交流電流のデューティサイクルを減少させることによって行われることが可能である。最大の熱出力が求められる場合には、このデューティサイクルは1(unity)である。より小さい熱出力が求められる場合には、デューティサイクルは1未満である。1未満のデューティサイクルは、加熱要素86に電力が加えられていない短い期間によって分離させられているパルス状に供給される交流電流を含む。コントローラ96は、さらに、交流電流のRMS電圧を変化させることによって加熱要素86に加えられる電力を調節することが可能である。例えば、最大の熱出力が求められる場合に、RMS電圧は入力電圧のRMS電圧に等しい。より低い熱出力が求められる場合には、降圧変圧器が、より低いRMS電圧に入力電圧を低下させることが可能である。これらの構成と他の構成とにおいては、加熱要素86に加えられる電力は
、処理水の初期温度とは無関係な所望の熱出力を提供するために、コントローラ96によって調節される。
【0026】
コントローラ96は、さらに、加熱要素86を通過する水の流れを調節することが可能である。例えば、コントローラ96は、加熱要素86の中を通って移動す
る処理水
の流量を減速させるか又は停止させるために、(第2の弁90を閉鎖状態にしたまま)第1の弁88を選択的に閉鎖することが可能である。第1の弁88を間欠的に閉鎖することによって、又は
、処理水の流量を脈動させる(pulsate)ことによって、高温水の流量が減少させられ
、処理水が、長時間にわたって加熱要素86からの熱にさらされる。コントローラ96は
、処理水の初期温度とは無関係に、1つ又は複数の測定温度をユーザ選択温度設定値に到達させるために、第1の弁88を循環させ続けることが可能である。この加熱プロセス全体を通じて、第2の弁90は閉鎖状態のままであることが可能であり、したがって、加熱された水だけがディスペンサアーム出口72を通して
分配される。幾つかの実施形態では、上述の弁作動プロセスが、上述の電力
制御プロセスを補助するために使用される。即ち、加熱要素86に加えられている最大の使用可能電力によっては所望の温度出力が得られない場合に、コントローラ96は、所望の温度出力が得られるまで、加熱要素86を通過す
る処理水の流れを減速させるか又は停止させるだろう。他の実施形態では、上述の弁作動プロセスが、上述の電力
制御プロセスに対する代替物として使用される。
【0027】
上述したように、加熱要素86は、第1の導管82を通過する水の温度を上昇させる。さらに別の実施形態では、第1の導管82は第2の導管84と合併し、ディスペンサアーム出口72の前方で組合せ流路を形成する。例えば、第1の導管82及び第2の導管84は、第1の導管82内の加熱水が第2の導管84内で室温の水と混合することを可能にするために、ディスペンサアーム出口72の前方で組み合わされることが可能である。この実施形態では、ディスペンサ出口は、第1の導管82内の水の温度よりも低いが第2の導管84内の水の温度よりも高い水温を実現することが可能である。コントローラ96は、室温の水に対する加熱水の割合を
制御することによって、又は、第1の導管82内の水の温度を
制御することによって、水温を
制御することが可能である。例えば、コントローラ96は、第1の弁88を通過する流量を増大させることによって、
且つ/又は、第2の弁90を通過する流量を減少させることによって、組み合わされた流路内で水温を上昇させることが可能である。同様の仕方で、コントローラ96は、第1の弁88を通過する流量を減少させることによって、且つ、第2の弁90を通過する流量を増大させることによって、組み合わされた流路内の水温を低下させることが可能である。コントローラ96は、さらに、加熱要素86に加えられる電力を増大させることによって、加熱要素86を通過す
る処理水の流量を減少させることによって、又は、この両方によって、組み合わされた流路内で水温を上昇させることが可能である。
【0028】
繰り返して述べると、選択的温度加熱構成部品50は、ディスペンサアーム出口72から
の処理水の放出の前
に処理水を加熱するための加熱要素86を含む。こ
の処理水は、加熱要素86に加えられる電力を
制御することによって、加熱要素86を通過す
る処理水の流量を
制御することによって、又は、この両方によって、加熱されることが可能である。ユーザがより高い温度設定値からより低い温度設定値に(例えば、沸点付近から高温または暖かめに、又は、高温から暖かめに)切り替える時に、
分配される水が、加熱流管路82内の水が許容可能な温度に冷め終わるまで、加熱流管路82と室温流管路84との両方から供給される。室温の水が求められる場合には
、処理水が加熱要素86をバイパスして、ディスペンサアーム出口72において放出される。
【0029】
III.
予熱システム
選択的水温構成部品50は、さらに、予熱システムを含むことが可能である。この予熱システムは
、処理水が加熱要素86の中に入る前に、浄水器200から
の処理水を予熱することが可能である。再び
図8と
図9を参照すると、この予熱システムは、加熱要素86に電力を供給するための電気要素108と、加熱要素86に対し
て処理水の流れを導くための導水管110と、電気要素108と導水管110との間のヒートシンク112とを含む。電気要素108は、基本的に、少なくとも部分的に電気抵抗性である任意の電気要素である。この実施形態では、電気要素108は、付近の加熱要素86に電力を供給するための
双方
向三端子サイリスタすなわちTRIACである。必要に応じて、他の実施形態では、他の電気要素が使用されることが可能である。
【0030】
同様に
図8と
図9とに示されているように、電気要素108は、ヒートシンク112によって支持されており、且つ、ヒートシンク112に堅固に固定されている。ヒートシンク112は、例えば金属材料のような、さらには例えばアルミニウム又はアルミニウム合金のような、熱伝導性材料のブロックで形成されている。ヒートシンク112は、その間に貫通穴を画定するための第1の開口部114と第2の開口部116とを含み
、導水管110がその貫通穴の中を通って加熱器要素の取水口マニホルド94に向かって延びる。採用随意に、導水管110は、電気要素108からの熱に対す
る処理水の露出を増加させるために、且つ、電気要素108を同時に冷却するために、ヒートシンク112内で湾曲又は屈曲している。
【0031】
IV.
水リザーバ
図7に関連して説明したように、選択的水温構成部品50は、さらに、入口66と浄水器200との間に連結されている水リザーバ76とポンプ78とを含むことが可能である。水リザーバ76は機能的には予備用リザーバであり、特定の判定基準に応答して浄水器200に対する
未処理水の供給を実現する。この特定の判定基準は、例えば、閾値レベルよりも低下している入口水圧、又は、閾値レベルよりも低下している浄水器流量を含むことが可能である。
【0032】
図23に追加的に示されているように、リザーバ76は入口202と出口204とを含む。入口202は、
未処理水の供給源と流体連通しており
、出口204は、浄水器200と流体連通している。補助戻り流路206が
、処理流路80から分岐する。補助戻り流路206は、補助出口208に対す
る処理水の供給を実現し、この補助出口208は、後述の部分IXに記されている「洗い流し(flush)」モード中に使用されることが可能である。
制御弁210が、採用随意にコントローラ96の制御を受けて、補助戻り流路206の中を通
る処理水の流れを
制御するように動作する。
【0033】
様々なポンプが、水リザーバ76の
未処理水に対する正圧又は負圧の供給源を実現するために使用されることが可能である。
図23に示されているように、ポンプ78はリザーバ76の外にあることが可能であり
、リザーバ出口204と供給管路68との間に連結されており、負圧の供給源を提供する。ポンプ78は、さらに、リザーバ76内に少なくとも部分的に配置されることも可能である。例えば、空気袋(air bladder)212又はバルーン袋(balloon bladder)214が(関連した圧縮機216と共に)、リザーバ76内からの正圧の供給源を提供することが可能である。圧縮機216は、リザーバ76内から
未処理水を排出することによって、空気袋212又はバルーン袋214が不在である場合に正圧の供給源を提供することが可能である。さらに他のポンプアセンブリが必要に応じて使用されることが可能である。
【0034】
動作時には、ポンプ78は、コントローラ96の制御を受けて、特定の判定基準がトリガされる時に正圧又は負圧を提供する。この特定の判定基準は、例えば、閾値レベルよりも低下している入口水圧、又は、閾値レベルよりも低下している浄水器流量を含むことが可能である。他のすべての時点、又は、その副次的な部分では、コントローラ96は、水リザーバ76内の
未処理水の適切な体積を維持することが可能である。
図7と
図23とに示されているように、水リザーバ76は、選択的水温構成部品ハウジング52内に内蔵されていることが可能である。例えば、水リザーバは、ハウジング52の左側部分上においてディスペンサアーム62の反対側に位置し、基部54から蓋58に延びることが可能である。本実施形態では、水リザーバ76は、少なくとも約2分の1リットルの追加的な容積を提供し、さらには、採用随意に、約1リットルの追加的な容積を提供する。他の実施形態では、水リザーバ76は、必要に応じて、異なる容積を提供する。
【0035】
V.
連結アセンブリ及びクイックリリース
次に
図12から
図14を参照すると、選択的水温構成部品50は、選択的水温構成部品50を浄水器200から係合解除するためのクイックリリースアセンブリ118を含む。このクイックリリースアセンブリ118は、押しボタン119とエジェクタ120とを含む。押しボタン119はハウジング52と同一平面上にあり
、特にハウジング蓋58と同一平面上にある。エジェクタ120は、第1のエジェクタスリーブ130と第2のエジェクタスリーブ132
との間を水平方向に延びるエジェクタブレード128を含む。クイックリリースアセンブリ118は、さらに、押しボタン119の垂直方向の移動と傾斜部材122の水平方向の移動とを案内するためのエルボガイド(elbow guide)126も含む。
【0036】
押しボタン119は、下方向に動かされる時に、圧縮ばね124に逆らって傾斜部材122を前方に動かす。一方、圧縮ばねはエジェクタ120を前方に押し動かす。エジェクタ120が前方に押し動かされると、エジェクタブレード128は、浄水器200に関連付けられている第1の押し込み嵌め継手(push−fit fitting)121及び第2の押し込み嵌め継手123を釈放する。押し込み嵌め継手121、123は、随意に、エジェクタブレード128による駆動に応答して
リリースするJohn Guest社の継手(即ち、アザーハーフカートリッジ(other half cartridge))である。この結果として、供給管路68と戻り管路70は浄水器200から迅速に分離させられ
、浄水器200は選択的水温構成部品ハウジング52から取り外されることが可能である。押しボタン119の作動中は、供給管路68と戻り管路70はエルボガイド126に対して相対的に固定状態のままであり、一方、エジェクタ120は、エルボガイド126と供給管路68と戻り管路70とに対して相対的に移動することが可能にされる。
【0037】
VI.
汎用プラグアダプタ
次に
図15から
図18を参照すると、選択的水温構成部品50は汎用プラグアダプタシステムを含む。この汎用プラグアダプタシステムは、概して、複数の
電気プラグアダプタ134を含む。複数の
電気プラグアダプタ134は、浄水器電源アダプタ135を選択的水温構成部品50内の配電盤に接続するようになっている。別個の電源コード137がその配電盤を
主電圧(mains voltage)に接続するようになっている。
【0038】
電気プラグアダプタ134は、各々が互いに互換性である複数のアダプタの1つである。例えば、選択的水温構成部品50は、
図18に示されているように4つの
電気プラグアダプタ134を含むことが可能であり、プラグのサイズと形状と電力定格とに関する互いに異なる規格を各々が有する複数の地理的地域における使用を可能にする。さらに詳細に述べると、
電気プラグアダプタ134は、ハウジング側壁138内の開口部136内に保持される。スペーサ140が、ハウジング側壁138と選択された
電気プラグアダプタ134との間に受け入れられるサイズにされており、スペーサ140と選択された
電気プラグアダプタ134との両方が側壁開口部136内に受けられる。
【0039】
おそらくは
図17に最も適切に示されているように、
電気プラグアダプタ134は、浄水器200が使用されている地理的地域内での使用のための第1のソケット142を含む。例えば、第1のソケット142は、2ピン式NEMAコネクタ、3ピン式オーストラリア/ニュージーランド型コネクタ、又は、2ピン式CEE 7/16ユーロプラグコネクタを受け入れるようになっていることが可能である。第1のソケット142は、必要に応じて、他のコネクタを受け入れるようになっていることが可能である。この複数の
電気プラグアダプタ134は、さらに、第1のソケット142とは反対側の位置に、電源ケーブルの雄ピンを受け入れるための第2のソケット144を含む。
図18に随意に示されているように、第2のソケット144は、第1のソケット142と同一の構成を含む。電源ケーブルは、内部の配電盤から所望の
電気プラグアダプタ134に適切な電流又は電圧を供給する。
【0040】
図18に示されているように、浄水器200は電源アダプタ135を含む。この電源アダプタ135は
、水処理システム200に電力を供給する。電源アダプタ135が、地理的使用区域に対応する雄ピン136を含むので、電源アダプタ135は、複数の
電気プラグアダプタ134の少なくとも1つに適合可能である。おそらくは
図4に最も適切に示されているように、電力コード137は、内部配電盤を適切な
主電圧に相互接続する。電源コード137は、特定の地理的使用区域のための電源コネクタを有する第1の末端部分を含む。電源コード137は、内部配電盤に接続される第2の末端部分を含む.例えば、幾つかの実施形態では、この第2の末端部分は内部配電盤にハンダ付けされることが可能であり、一方、他の実施形態では、この第2の末端部分は、内部配電盤上のプラグに対する適切な電気接続部を含む。
【0041】
動作時には、選択的水温構成部品50は、壁
コンセントからAC電力を受け取る。このACラインは、浄水器200が中に差し込まれることが可能なAC
コンセントと、選択的水温構成部分50によって使用されるACとに分割される。選択的水温構成部分50は、加熱要素86に給電
し且つACをDCに変換するためにACを使用し
、コントロールシステムとコントロールパネル60とに給電するためにそのDCを使用する。
【0042】
VII.
ディスペンサアーム及びコントロールパネル
ディスペンサアーム62は複数の位置にわたって回転可能である。
図3において左に示されている第1の位置では、ディスペンサアーム62は、選択的水温構成部分50の保管又は搬送のために概ね凹型の開口部64の中に引っ込められている。
図6において左に示されている第2の位置では、ディスペンサアーム62は浄水器200に当接している。
図3と
図6とにおいて右に示されている第3の位置では、ディスペンサアーム62は、選択的水温構成部分50から水を
分配するための伸長位置にある。
【0043】
ディスペンサアーム62は、浄水器200に厳密に対応するように
成形されることが可能である。例えば、ディスペンサアームは弓形であることが可能であり、垂直軸線を中心に回転可能であり
、内側の凹形の表面146と、外側の凸形の表面148と、実質的に平面である上面150と底面152とを含む。ディスペンサアーム62が第2の位置にあ
り且つ浄水器200が選択的水温構成部品50にドッキングされている時には、内側凹形表面146は浄水器200の外部形状に形状的に一致しているか又はほぼ一致している。さらに、ディスペンサアーム62は、より背の高い水容器を収容するために、選択的水温構成部品50の上部部分から延びることが可能である。
【0044】
図1から
図3に示されているように、選択的水温構成部品50は、ディスペンサアーム62の直ぐ上に且つ右上前方の隅に位置したコントロールパネル60を含む。このコントロールパネル60は、ユーザが複数の水温設定値から設定値を選択することを可能にする。この実施形態では、4つの水温設定値がユーザにとって使用可能である。他の実施形態では、より多くの数又はより少ない数の設定値がユーザにとって使用可能である。コントロールパネル60は、さらに、水を
分配するために押し下げられることが可能な
分配ボタン156も含む。この
分配ボタン156は、選択される水温設定値に対応する色彩で照明される。さらに、
分配ボタンの機能は、選択される水温に基づいて変化する。次の表が、例示的な水温設定値とこれに対応する
分配ボタンの動作とを示す。
【表1】
【0045】
温度選択が、ユーザによって操作されることが可能なコントロールパネル60又は
制御部を含む他のインタフェースを使用して行われることが可能である。この
制御部は、例えば、ノブ、スライダ、及び/又は、ボタン付きのディスプレイであることが可能である。ディスプレイは、選択的水温構成部品50、浄水器200、及び/又は、
分配される水に関する情報を表示することが可能である。
【0046】
VIII.
遠隔監視
図19から
図21を参照すると、選択的水温構成部品50は、浄水器200を遠隔監視するようになっている。さらに詳細に述べると、選択的水温構成部品50は、浄水器200が一次コイルを含む用途において、一次コイルによって発生させられる電磁場強度を検出するようになっている。例えば、幾つかの実施形態では、浄水器200は、時間変動電流によって駆動されて電磁場を発生させる一次コイルを含むだろう。選択的水温構成部品50内の二次回路160は、浄水器200内の1つ又は複数の故障状態を判定するために電磁場強度を測定することが可能である。
【0047】
さらに詳細に述べると、浄水器200は、幾つかの用途では、その浄水器200を通過して循環する水の流量に照射するための紫外線ランプを含むことが可能である。幾つかの実施形態では、この紫外線ランプは、二次コイルに電気的に接続されているガス放電ランプを含むことが可能である。一次コイル内の時間変動電流は、この付近の二次コイル内に時間変動電流を誘導することが可能である。この時間変動電流の動作周波数は、この実施形態では約100kHzであるが、他の実施形態では、この周波数は必要に応じて異なることが可能である。一次コイル内で時間変動電流によって発生させられる電磁場強度は、一般的に、ガス放電ランプの予熱と点弧(strike)と定常動作とにおいて変化するだろう。一般的に、ガス放電ランプは、ランプ電極を予熱するために低い電磁場強度で駆動され、電極を点弧/点火するために高い電磁場強度で駆動され、及び、殺菌放射を発生させるために中間的な電磁場強度で駆動される。一次コイル又は別個のRFID読み取り装置が、浄水器200内のフィルタに関連付けられたRFIDタグに対してデータの読み取り及び書き込みを行うために、異なる周波数で動作することが可能である。本実施形態では、RFID周波数は約125kHzであるが、他の実施形態では、この周波数は、必要に応じて異なることが可能である。RFIDタグに対してデータの読み取り及び書き込みを行う能力が、浄水器の流体流路内の作動中のフィルタの存在を確認することが可能である。
【0048】
図19を参照すると、選択的水温構成部品50は、浄水器200内の一次コイルの付近に(紫外線ランプ内の二次コイルとは異なる)二次回路160を含む。この二次回路160は、誘導二次回路162と、フィルタ164と、増幅器166と、アナログデジタル変換器を有するマイクロコントローラ168とを含むことが可能である。この二次回路160は、浄水器の一次コイルによって発生させられる電磁場の周波数と振幅とを監視することが可能である。この実施形態では、誘導二次回路162は、ワイヤアンテナ又はトレースアンテナを浄水器の一次コイルの付近に含む。この場合に、誘導二次回路162内の誘導電圧(ほぼ数ミリボルト)が、オペアンプのような増幅回路166を使用して増幅され
、0−5V信号に変換される。例えば100kHz−125kHz帯域フィルタのようなフィルタ164が、増幅回路166によって増幅される前に二次コイルから受け取られた信号からノイズを除去する。2つの増幅器の随意の使用が、ピーク振幅信号を生じさせるレベルにコンデンサを充電するために一方の増幅信号が使用されることを可能にし、一方、他方の増幅器が、意図された周波数範囲を測定するために十分なサンプリングレートで、マイクロプロセッサに対するADC入力の形で直接的に使用される。約125kHzの周波数が、浄水器200からのRFID読み取り/書き込みの試みと見なされ、及び、約100kHzであり且つより高い振幅値を有する周波数が、浄水器の紫外線ランプの動作を表示することが可能である。
【0049】
一実施形態による二次回路160が
図20に示されている。この二次回路160は、二次コイル162の対応する末端部分のための2つの端子170、172を含み、この端子の一方は接地に接続されており、他方の端子は、高域フィルタ174を経由して第1の増幅器176に接続されている。第1の増幅器176は、ほぼ数ミリボルトである二次コイル出力を、0ボルトから5ボルトの電圧に増幅する働きをする。第1の増幅器の出力はサンプルホールドコンデンサ178とプルダウン抵抗168とに電気的に接続されている。サンプルホールドコンデンサ178は第1のアナログ入力182をマイクロコントローラ168に提供し、このマイクロコントローラ168は、随意に、上述した部分IIで述べたコントローラ96である。ANT_PK_DETECTで示されているこの第1のアナログ入力182は0ボルトから5ボルトの間のピーク電圧を提供し、このピーク電圧は浄水器の一次コイルの電磁界強度に比例している。第1の増幅器の出力は、さらに第2の増幅器184にも電気的に接続されており、この第2の増幅器184は、浄水器の一次コイルにおける周波数に対応する周波数を有する0ボルトから5ボルトの間の反復矩形波を発生させるようになっている。この反復矩形波は、
図20にANT_FREQで示されている、マイクロコントローラ168に対する第2のアナログ入力186を提供する。
【0050】
次に
図21に示されている表を参照すると、マイクロコントローラ168に対するアナログ入力182、186は、浄水器200内の任意の数の状態の間を遠隔的に判定及び/又は識別するために使用される。左側のコラムが、マイクロコントローラ168によって検出される状態を示し
、右側のコラムが、アナログ入力182、186の対応する特徴を示す。例えば、二次回路160によっては電磁場が検出されない場合には、水が浄水器200の中を流れていないと判定され、この二次回路160は、実質的に流体流量の存在する場合にだけ一次コイルに通電する。電磁場が二次回路160によって検出される場合には、水が浄水器の中を流れていると判定される。
【0051】
同様に、浄水器のガス放電プラグの正常動作と異常動作とが遠隔的に判定されることが可能である。さらに、
図21に示されているように、浄水器のガス放電プラグの正常動作は、典型的には、低い電磁界強度と高い電磁界強度と中間的な電磁界強度とに対応する、ランプのフィラメントの予熱と、点弧と、定常動作とを含む。低−高−中間の電磁界強度パターンが、第1のアナログ入力182に基づいてマイクロコントローラ168によって評価される。第1のアナログ入力が、低−高−中間の電磁界強度に対応する電圧パターンを受け取らない場合には、マイクロコントローラ168は、1つ又は複数の異常な動作状態を診断することが可能である。例えば、実質的に皆無の電磁界強度が後続する低−高の電磁界強度が、紫外線ランプが壊れていることを表示することが可能である。さらに、例えば、低−高−低の電磁界強度が、紫外線ランプが機能しているが弱まっていることを表示することが可能である。どちらの例でも、浄水器200の中を循環させられている水は、十分に
は処理されていないと推定される。さらに、
図21に示されているように、低−高−中間−中間の電磁界強度は、紫外線ランプの点
火が緩慢であることを表示することが可能であり
、高−中間の電磁界強度は、紫外線ランプが適正に予熱できなかったということを表示することが可能である。
図21の例によって示されているように、さらに他の故障状態が判定可能である。
【0052】
浄水器フィルタに関連する様々な状態も、二次回路160によって判定されることが可能である。1つのシナリオでは、浄水器RFID読み取り装置が、浄水器フィルタに関連付けられている対応するRFIDタグを読み取ろうと試行することが可能である。このRFID読み取り装置がRFIDタグの存在を確認できない場合には、このRFID読み取り装置は、その読み取りの試行を反復することが可能である。各々の読み取りの試行が、二次回路160によって識別されることが可能である。例えば、二次回路160は、ガス放電プラグの動作に対応する第1の周波数と、RFID読み取り装置の動作に対応する第2の周波数とを区別することが可能である。RFID読み取りの複数回の試行が特定の時間間隔内で検出される場合には、マイクロコントローラ168は、その複数回の読み取り試行をフィルタの欠陥を表示するものと解釈することが可能である。このフィルタの欠陥は、不適切に取り付けられているフィルタ、フィルタ無し、不適合なフィルタ、偽造フィルタ、又は、他のフィルタ欠陥を含むことが可能である。選択的水温構成部品50は、浄水器200にフィルタの機能性が欠如しているという表示をユーザに提供し、これと同時に、浄水器200に対する
未処理水の流れを終了させることが可能である。
【0053】
繰り返すと、選択的水温構成部品50の二次回路160は、浄水器200内の1つ又は複数の一次コイルの相対的な電磁場強度と動作周波数とを測定するようになっている。この電磁場強度と動作周波数
とは、個別的に又は集合的に、浄水器の中を通る
所定の流量の水の存在を表示する。さらに、この電磁場強度と動作周波数は、個別的に又は集合的に、浄水器内の紫外線ランプアセンブリ又はフィルタアセンブリの正常動作又は異常動作を表示することが可能である。異常な動作状態がある時には、マイクロコントローラ168は、正常な動作状態が実現されるまで、選択的高温水構成部品50の動作を停止させることが可能であり、又は、追加の流量の水が必要とされる場合には、内部ポンプ78を作動させることが可能である。
【0054】
選択的水温構成部品50の使用寿命全体にわたって、選択的水温構成部品50の内部動作パラメータを確認することが望ましい可能性がある。上述したように
、処理流路74内の水の温度が、第1の温度センサ93と第2の温度センサ95を使用して監視される。本実施形態では第1温度センサ93及び第2の温度センサ95はサーミスタであり、温度の変化を電気抵抗の変化に変換するようになっている。抵抗分圧器188が電気抵抗を0−5VDC信号に変換し
、例示的な分圧器が
図22に示されている。このDC信号は、その次に、組込みアナログデジタル変換器を随意に有するコントローラ96に中継される。その次に、結果的に生じる数値が、不揮発性メモリ内のルックアップテーブルを使用して温度と照合される。両方のサーミスタ93、95の結果が比較されて、互いの許容誤差の範囲内に平均化される。大きな不一致がシステムのエラー
をもたらし、コントローラは、この不一致が解決されるまで、加熱要素86に対する電力を打ち切ることが可能である。
【0055】
IX.
セルフクリーニングモジュール及びシステムの洗い流し
次に
図7を参照すると、選択的水温構成部品50のためのクリーニングモジュール190が提供される。このクリーニングモジュール190は、選択的水温構成部品内
の処理水流路8
0に分散させられることが可能な洗浄剤を含む。例えば、このクリーニングモジュールは水性洗浄剤を収容することが可能である。本実施形態では、この水性洗浄剤はクエン酸を含む。他の実施形態では、異なる洗浄剤が使用されることが可能である。例えば、この洗浄剤は、酢酸、過塩素酸、過酢酸、酒石酸、及び、これらの組合せを含むことが可能である。浄水器200が選択的水温構成部品50から取り外される時には、入口が水温構成部品の供給管路68に連結可能であり、及び、出口が水温構成部品の戻り管路70に連結可能である。クリーニングモジュール190は、入口と、出口と、この入口と出口との間の流路とを画定するハウジングを含む。動作時には
、処理
水流路80内に洗浄剤を分散させるために、水がクリーニングモジュール190の中を通して選択的水温構成部品50の中に循環させられる。
【0056】
選択的水温構成部品50は、「クリーン」動作モードと、「洗い流し(flush)」動作モードとを含む。「クリーン」動作モードでは、浄水器200は、部分Vで説明したように選択的水温構成部品50から取り外され
、クリーニングモジュール190
に置き換えられる。ユーザによって起動されると、選択的水温構成部品50は、クリーニングモジュール190の中に
所定の流量の水を送り込み、これによって、第1の導管82及び第2の導管84の両方を含
む処理水流路内に洗浄剤を分散させる。その次に、選択的水温構成部品50は、予め決められたクリーニン
グ期間にわたってクリーニングモジュールの中へ
の水の流量を減速させるか又は停止させる。このクリーニング期間中は、洗浄剤は
、処理流体流路80内で静止状態のままであることが可能にされる。クリーニング期間が経過し終わると、選択的水温構成部品50は、実質的にすべての洗浄剤がクリーニングモジュール190から無くなっ
て処理流体流路80から放出されるまで、
所定の流量の水がクリーニングモジュール190の中を通過し
て処理流体流路80の中へ入ることを再開させる。これらの条件が満たされ終わると、ユーザはクリーニングモジュール190を取り外し、通常の動作のために浄水器200を選択的水温構成部品50に再連結することが可能である。
【0057】
上述したように、選択的水温構成部品50は、「洗い流し」動作モードを含む。「洗い流し」動作モードは、浄水器200又は選択的水温構成部品50のどちらかから浮遊汚染物質又は非飲用流体を取り除くために必要とされることが可能性がある。例えば、カーボンブラックフィルタの交換の後に流体流路80からカーボン微粉を取り除くために、予め決められ
た期間に渡って浄水器200を洗い流すことが有益である可能性がある。さらに、上述した「クリーン」動作モードの後にあらゆる残留洗浄剤を一掃するために、選択的水温構成部品50を洗い流すことが有益である可能性がある。「クリーン」動作モードと同様に、「洗い流し」動作モードは
、処理流路80の第1の導管82及び第2の導管84の両方を通る流量を提供することを含むことが可能である。さらに、当然のことながらユーザが適切なサイズの容器をディスペンサアーム出口72の下方に置き終わった場合に、「クリーン」動作モードと「洗い流し」動作モードの両方がユーザによって開始されるか又は自動的に開始されることが可能である。
【0058】
X.
結論
上述の実施形態は、
使用時浄水処理システムからの水を加熱するための選択的水温構成部品に関する。これらの実施形態は、既存の温度
制御システムを有す
る水処理システムを含む、広範囲
の水処理システムに適切に適合化されることが可能である。本発明の実施形態は、人間による消費のための水に関連して説明されているが、さらに、他の流体及び他の目的に関係することが可能である。さらに、本発明の上述の特徴は、幾つかの実施形態において集合的に使用されることが可能であるが、他の実施形態では、上記特徴の部分集合だけが使用されることが可能である。
【0059】
上述の説明は本発明の現行の実施形態の説明である。添付されている特許請求項に定義されている本発明の着想とより広範な側面とから逸脱することなしに、様々な変更と変形とが加えられることが可能であり
、これらは、均等論を含む特許法の原理にしたがって解釈されなければならない。この開示は例示のために示されているのであって、本発明の全ての実施形態の網羅的な説明であると解釈されてはならないし、又は、これらの実施形態に関連して例示されているか又は説明されている特定の要素に特許請求項の範囲を限定するものと解釈されてはならない。例えば冠詞「a」、「an」、「the」又は「said」を使用する単数の形での要素に対する言及が、その要素を単数に限定するものと解釈されてはならない。
本開示は以下の態様を包含する。
(1)
水処理システムと共に使用するための加熱システムにおいて、
前記水処理システムと流体連通している入口を含む流体流路であって、第1の導管と第2の導管とに分岐する流体流路と、
前記第1の導管の中を通って循環する水を加熱するための加熱要素であって、前記第2の導管は前記加熱要素をバイパスする加熱要素と、
前記流体処理システムからの水の流れを前記第1の導管及び第2の導管の中のどちらかに選択的に切り換える弁アセンブリとを備える、加熱システム。
(2)
前記弁アセンブリは、前記第1の導管の中を通る前記水の流れを制御するための第1の弁と、前記第2の導管の中を通る前記水の流れを制御するための第2の弁とを含む上記(1)に記載の加熱システム。
(3)
さらに、前記第1の導管内の水温を測定するための温度センサを含む上記(1)に記載の加熱システム。
(4)
さらに、前記温度センサの出力に接続されているコントローラを含み、前記コントローラは、前記加熱要素に供給される電力を制御するようになっている上記(3)に記載の加熱システム。
(5)
さらに、前記温度センサの出力に接続されているコントローラを含み、前記コントローラは、前記加熱要素の中を通る水の流量を制御するようになっている上記(3)に記載の加熱システム。
(6)
所望の温度における所定の流量の浄化流体を提供する方法において、
加熱要素を提供する段階と、
第1の導管と第2の導管とに分岐する流体流路を提供する段階であって、前記第1の導管は前記加熱要素と流体連通しており、前記第2の導管は前記加熱要素をバイパスする、段階と、
複数の予め選択された温度の1つの温度に処理水を加熱するために、前記第1の導管に前記処理水の流れを選択的に導く段階と、
前記処理水を概ね室温に維持するために、前記処理水の流れを前記第2の導管に選択的に導く段階とを含む、方法。
(7)
さらに、前記複数の予め選択された温度の1つの温度に浄化された流体を加熱するために、前記加熱要素に供給される電力を制御する段階を含む上記(6)に記載の方法。
(8)
前記加熱要素に供給される電力を制御する段階は、前記加熱要素に供給される電力を循環させる段階を含む上記(7)に記載の方法。
(9)
前記複数の予め選択された温度の1つの温度に前記処理水を加熱するために、前記第1の導管の中を通る前記処理水の流量を制御する段階をさらに含む上記(6)に記載の方法。
(10)
前記処理水の流量を制御する段階が、前記加熱要素からの熱に対する前記処理水の露出を増大させるために、前記処理水の流れを間欠的に阻止する段階を含む上記(9)に記載の方法。
(11)
供給管路と戻り管路とを有する加熱システムのためのクリーニングモジュールにおいて、
入口と、出口と、これらの間の流路とを画定するハウジングであって、前記入口は前記供給管路に連結可能であり、前記出口は前記戻り管路に連結可能であるハウジングと、
前記ハウジング内に収容されており且つ前記ハウジング入口と前記ハウジング出口とに流体連通している洗浄剤であって、前記加熱システムの前記供給管路内の流体流量に応答して前記加熱システムの前記戻り管路の中に循環させられる洗浄剤とを備える、クリーニングモジュール。
(12)
前記洗浄剤は、クエン酸、酢酸、過塩素酸、過酢酸、酒石酸、及び、これらの組合せの少なくとも1つを含む水性溶液である上記(11)に記載のクリーニングモジュール。
(13)
前記洗浄剤の概ねすべてが、前記流体供給管路からの流体流量に応答して前記加熱システムの前記戻り管路の中に分散させられる上記(11)に記載のクリーニングモジュール。
(14)
流体供給管路と流体戻り管路とを含む加熱システムをクリーニングするための方法において、
入口と、出口と、クリーニングモジュールの入口とクリーニングモジュールの出口とに流体連通している洗浄剤とを含むクリーニングモジュールを提供する段階と、
前記加熱システムの前記流体供給管路に前記クリーニングモジュールの前記入口を連結する段階と、
前記加熱システムの前記流体戻り管路に前記クリーニングモジュールの前記出口を連結する段階と、
前記洗浄剤を前記加熱システムの中に分散させるために、前記加熱システムの前記流体供給管路から前記クリーニングモジュールの中を通して前記加熱システムの前記流体戻り管路の中に流体を循環させる段階とを含む方法。
(15)
さらに、予め決められた期間が経過し終わった時に、前記加熱システムから前記洗浄剤を放出する段階を含む上記(14)に記載の方法。
(16)
さらに、
予め決められた期間の間、前記加熱システムの中を通る流体の流れを阻止する段階と、
前記予め決められた期間が経過し終わったときに前記加熱システムから前記洗浄剤を除去するために、前記加熱システムの中を通る流体の流れを再開する段階とを含む上記(14)に記載の方法。
(17)
さらに、
前記加熱システムから前記クリーニングモジュールを取り外す段階と、
前記加熱システムの前記流体供給管路と前記流体戻り管路とを浄水器に連結する段階と、
前記加熱システムから前記洗浄剤を実質的に除去するために、前記加熱システムの前記流体供給管路から前記浄水器の中を通して前記加熱システムの前記流体戻り管路の中に流体を循環させる段階とを含む上記(14)に記載の方法。
(18)
前記洗浄剤は、クエン酸、酢酸、過塩素酸、過酢酸、酒石酸、及び、これらの組合せの少なくとも1つを含む水性溶液である上記(14)に記載の方法。
(19)
浄水器に取り外し自在に取り付けられている加熱システムにおいて、
前記加熱システムの中を通って循環する流体を加熱するための加熱要素と、
前記加熱要素に電力を供給するための電気要素と、
浄化水の流れを前記加熱要素に導くための導水管と、
前記導水管の中を通って流れる浄化水を前記加熱要素の中に入る前に予熱するために、前記電気要素と前記導水管との間に挿入されているヒートシンクとを備える加熱システム。
(20)
前記電気要素は双方向三端子サイリスタである上記(19)に記載の加熱システム。
(21)
前記ヒートシンクは、熱伝導性の金属材料で形成されているブロックである上記(19)に記載の加熱システム。
(22)
前記導水管は前記ヒートシンクの少なくとも一部分の中を通って延びる上記(19)に記載の加熱システム。
(23)
前記ヒートシンクは、貫通穴をその第1の開口部と第2の開口部との間に画定するために前記第1の開口部と前記第2の開口部とを含み、前記導水管は前記貫通穴の中を通って延びる上記(22)に記載の加熱システム。
(24)
前記導水管は前記ヒートシンクの中を通って曲がりくねって延びる上記(22)に記載の加熱システム。
(25)
浄水器と共に使用するための加熱システムにおいて、
未処理水の供給源に連結可能な入口と、前記未処理水の温度よりも高い温度に加熱されている処理水を分配するようになっているディスペンサと、
未処理水の供給源を受け入れるために前記入口と流体連通している内部水リザ−バと、
前記内部水リザーバと流体連通しているポンプであって、前記入口内の水圧が予め選択された流量よりも低く低下する時に、未処理水の前記予め選択された流量を維持するようになっているポンプとを備える加熱システム。
(26)
前記浄水器に対する取付のためのアダプタをさらに含み、前記アダプタは供給管路と戻り管路とを含む上記(25)に記載の加熱システム。
(27)
前記戻り管路と前記ディスペンサとの間に直列に連結されている加熱要素をさらに含む上記(26)に記載の加熱システム。
(28)
調節された流量の処理水を提供するための方法において、
使用時水処理アセンブリを提供する段階と、
加熱要素と予備用リザーバとを含む加熱システムを提供する段階と、
所定の流量の水を前記加熱システムに導き、その次に前記水処理アセンブリに導き、再び前記加熱システムに導く段階と、
前記水の流量が予め選択されたレベルよりも低く低下することに応答して、前記予備用リザーバから前記水処理アセンブリに水をポンプ送りする段階とを含む方法。
(29)
前記加熱システムは、前記予備用リザ−バと前記使用時水処理アセンブリとの間に直列に連結されているポンプを含む上記(28)に記載の方法。
(30)
前記加熱要素は、前記加熱システムの中を通って循環する前記所定の流量の水を加熱するようになっている上記(28)に記載の方法。
(31)
前記加熱システムはディスペンサアームを含み、前記水処理アセンブリと前記ディスペンサアームとの間に連結されているバイパス流路を提供する段階をさらに含む上記(30)に記載の方法。
(32)
水加熱システム及びポータブル水処理システムと共に使用するための汎用プラグアダプタシステムにおいて、
前記水加熱システムを前記水処理システムに連結するようになっている電気プラグアダプタであって、異なる電気コネクタに対して各々が適合可能である複数の電気プラグアダプタの中の1つである電気プラグアダプタを備える、汎用プラグアダプタシステム。
(33)
前記水加熱システムは、前記電気プラグアダプタに連結されている取り外し可能な電源アダプタを含む上記(32)に記載の電源アダプタシステム。
(34)
前記水加熱システムを主電圧に接続する電源コードをさらに含む上記(32)に記載の電源アダプタシステム。
(35)
前記電源コードは、前記水処理システムが使用されている地理的区域内の電気コンセントに適合化させられている雄型の末端部分を含む上記(33)に記載の電源アダプタシステム。
(36)
ポータブル水処理アセンブリと共に使用するための加熱システムにおいて、
加熱システムハウジングであって、
未処理水の供給源に連結可能である入口と、
前記水処理アセンブリに各々が連結可能である供給管路と戻り管路とを含むアダプタとを含む加熱システムハウジングと、
前記加熱システムからの処理水を分配するための出口を含むディスペンサアームとを備え、
前記ディスペンサアームは、浄化水を分配するための第1の静止位置から、前記水処理アセンブリと当接する第2の静止位置に、前記加熱システムに対して相対的に回転可能である、加熱システム。
(37)
前記加熱システムは、前記水処理システム内の対応する押し込み嵌め継手との係合のための、前向きの側壁から延びるエジェクタを含む、上記(36)に記載の加熱システム。
(38)
前記ディスペンサアームは、実質的に垂直な回転軸線を中心として回転可能である上記(36)に記載の加熱システム。
(39)
前記加熱システムハウジングは、前記水処理アセンブリを少なくとも部分的に中に受け入れるための概ね凹形の開口部を含む上記(36)に記載の加熱システム。
(40)
前記ディスペンサアームは、前記加熱システムの格納のための概ね凹形の開口部の中に少なくとも部分的に位置する第3の静止位置に回転可能である上記(39)に記載の加熱システム。
(41)
前記ディスペンサアームは、複数のノズル出口の中の1つのノズル出口に連結するためのノズルアダプタを含む上記(36)に記載の加熱システム。
(42)
一次コイルを含むポータブル水処理アセンブリと共に使用するための加熱システムにおいて、
加熱システムハウジングであって、
未処理水の供給源に連結可能である入口と、
前記水処理アセンブリに各々が連結可能である供給管路と戻り管路とを含むアダプタとを含む加熱システムハウジングと、
前記水処理アセンブリの前記一次コイルによって発生させられる電磁場強度を測定するようになっている、前記加熱システムハウジング内の二次回路とを備える、加熱システム。
(43)
前記二次回路は、
二次コイルと、
前記二次コイルに電気的に接続されているアナログデジタル変換器と、
前記アナログデジタル変換器に電気的に接続されているコントローラとを含む、上記(42)に記載の加熱システム。
(44)
前記コントローラは、前記二次コイル内で発生させられる電流又は電圧に基づいて前記水処理システムの中を通過する水の流量を判定するようになっている上記(43)に記載の加熱システム。
(45)
前記コントローラは、前記二次コイル内で発生させられる電流又は電圧に基づいて前記ポータブル水処理システム内の故障状態の存在を判定するようになっている上記(43)に記載の加熱システム。
(46)
前記コントローラは、前記二次コイル内で発生させられる電流又は電圧の変化に基づいて前記ポータブル水処理システム内の故障状態の存在を判定するようになっている上記(43)に記載の加熱システム。
(47)
前記一次コイルは、前記水処理システム内の紫外線光源に対する無線電力源を提供するようになっており、前記故障状態が、点弧のための前記光源の故障を表示する上記(46)に記載の加熱システム。
(48)
前記一次コイルは、前記水処理システム内の紫外線光源に対する無線電力源を提供するようになっており、前記故障状態が、予熱のための前記光源の故障を表示する上記(46)に記載の加熱システム。
(49)
前記一次コイルは、前記水処理システム内の紫外線光源に対する無線電力源を提供するようになっており、前記故障状態が、予め決められた発光出力を提供するための前記光源の故障を表示する上記(46)に記載の加熱システム。
(50)
ユーザによって選択可能である複数の予め決められた温度設定値の中の1つの温度設定値に処理水を加熱するための、前記戻り管路と流体連通している加熱要素をさらに含む上記(42)に記載の加熱システム。