(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
所望の信号および干渉信号を含む、入力信号を、前記所望の信号を前記干渉信号から分離するために、周波数および時間領域内で処理するための信号特性化および分離システムであって、前記システムが、
前記入力信号を受信するように動作可能な受信機と、
前記干渉信号の搬送波の搬送波周波数、シンボルレートヒント、および変調タイプヒントを判断するために、前記入力信号を自身によってある回数乗じることにより、前記干渉信号の特性の先験的知識なしで、前記干渉信号を特性化するように構成された信号特性化ユニットと、
前記搬送波周波数、前記シンボルレートヒント、および前記変調タイプヒントに基づき、前記干渉信号の搬送波のクリーンコピーを生成し、前記干渉信号の搬送波のクリーンコピーを反転させ、かつ前記干渉信号の搬送波の反転されたクリーンコピーを前記入力信号と和算して、前記入力信号に類似する出力信号を生成するように構成された信号分離ユニットであって、前記出力信号が、低減された干渉信号強度を有しかつ前記所望の信号に類似する、信号分離ユニットと、
を含む、システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
前述のように、周波数または物理的距離による干渉を低減するために信号を分離することは、送信機と受信機との間で送信できる情報量を減らし得る。さらに、干渉信号が未知(通常の場合のように)または敵意のある送信元からの場合、このような方法で信号を分離することは可能ではないことがある。
【0011】
本明細書で説明するある実施態様は、エンベロープフィードバック干渉の低減およびデータスループットの最大化、ならびに関連した「ブラインド」デュアル搬送波信号分離および処理を提供する。用語「ブラインド」はこのコンテキストでは、信号の特性の先験的知識なしでの信号の処理および/または低減を指す。この説明を読むと、本発明を様々な実施態様および用途でどのように実装するかが明らかになるであろう。本明細書では本発明の様々な実施態様が説明されるが、これらの実施態様は、制限ではなく、例として提示されているのに過ぎないことを理解されたい。そのため、様々な実施態様のこの詳細な説明は、本発明の範囲または幅を制限すると解釈されるべきではない。
【0012】
一実施態様では、エンベロープフィードバック干渉低減(EFIR)技術は:衛星通信信号ならびに衛星コマンドおよび制御(C2)リンク;無人機(UAV)見通し線(LOS)および衛星データリンク;船上マイクロ波および衛星通信システム;マイクロ波通信リンク;GPS受信機;携帯電話通信リンク;ケーブル信号;ならびに(偶発的または意図的)干渉の影響を受けやすい任意のポイントツーポイントまたはポイントツーマルチポイントRFシステムを含むが、それらに限定されない、複数の異なる通信システムにおける用途を有する。それは、単一搬送波伝送よりも著しく高い、衛星トランスポンダまたは他の固定RF帯域幅リンクを通して伝送されるデータ速度を可能にする「ブラインド」デュアル搬送波信号処理を可能にするためにも使用できる。用語「ブラインド」はこのコンテキストでは、信号の特性の先験的知識なしでの信号の処理および/または低減を指す。
【0013】
干渉検出および信号分離技術の固有の要素は:増幅器を通過する信号の特性をブラインドで判断すること;望ましい信号を、干渉および潜在的な増幅器圧縮の影響を含み得る残余から分離すること;受信機増幅器内で干渉および潜在的な圧縮の両方を引き起こす干渉搬送波の影響をキャンセルすること;ならびに受信機増幅器上での動作に起因した干渉および圧縮の一方または両方から損なわれている信号を復元すること;を含む。さらに、上でリストした要素の組合せも同様に固有の要素として識別できる。しかし、この技術の実装において極めて重要な技術的課題は:キャンセル信号を、特に、低雑音増幅器(LNA)からの歪みがある場合に、リアルタイムで分離および作成すること;キャンセル信号を干渉信号と同期させること;ならびに変調された干渉信号を相殺するために十分迅速にループを閉じ、必要な場合には、目標信号をキャンセルされた干渉信号の残余から分離すること;を含む。
【0014】
図1Aは、本発明の一実施態様に従ったエンベロープフィードバック干渉低減技術100を示す流れ図である。
図1Aの例示する実施態様では、技術100は、ボックス110で、所望の信号を干渉信号から分離する。次いで、ボックス115で、干渉信号が特性化される。
【0015】
一実施態様では、信号の特性化(例えば、ボックス115)は、信号の存在を判断するため、ならびに信号の帯域幅および搬送波周波数を判断するために、入力信号を周波数領域内で処理することを伴う。搬送波周波数は、増分的にべき乗(例えば、1、2、4、8など)された信号を測定することにより測定される。すなわち、連続波(CW)信号が見られるまで、信号が自身によって何回か乗じられる。一旦、周波数測定が成功すると、たとえさらなる測定がいくつかの変調(例えば、QPSKと16QAMとの間)の曖昧さをなくすために必要であり得ても、現在のべき指数が、変調タイプ(例えば、1=CW、2=BPSK、4=QPSKなど)に関するヒントを提供する。さらに、プロセスは、搬送波クロックレートに関するヒントも提供する。それ故、一旦、変調タイプおよび搬送波クロック(シンボルレート)が判断されると、信号は、搬送波変調タイプおよびクロックレートを正確に測定するために再処理でき、それは、搬送波シンボル軌道を提供する。搬送波の測定に加えて、残余(干渉)搬送波のコピーが生成される。
【0016】
残余信号が、ボックス120で、搬送波シンボル軌道を使用して、干渉搬送波を取り出すために、元の入力信号と同じ方法で再処理される。ボックス130で、(元々、干渉信号レベルが所望の信号に実質的に十分に近くて処理問題を生じた)入力信号上の干渉レベルを低減するために、搬送波のクリーンコピーが、次いで反転されて、利得および位相が補正され、元のコンポジット信号と和算される。ボックス140で、出力信号が、問題なく処理できるように(残余信号[干渉信号]レベルが、所望の信号の処理に著しく影響を及ぼさないように、低減される)、十分な信号対雑音比(SNR)で通過される。
【0017】
エンベロープフィードバック干渉低減技術100は、代替として、最も強力な搬送波(望ましい信号)のクリーンコピーを作成し、他の搬送波を取り出すために残余の搬送波を再処理して、望ましい信号および望ましくない信号を判断し、エンベロープフィードバックによってそれを相殺するために望ましくない信号(位相において反転され、利得を調整された)を使用することにより、入力信号上の干渉を低減する方法150(
図1Bを参照)として説明できる。方法150は:ボックス160で、所望の信号を干渉信号から分離するために、入力信号を周波数および時間領域内で処理すること;ボックス165で、干渉信号の特性の先験的知識なしで干渉信号を特性化すること;ボックス170で、その特性化された干渉信号を使用して入力信号の搬送波のクリーンコピーを生成すること;ボックス180で、搬送波のクリーンコピーを反転させて利得および位相を補正すること;ならびにボックス190で、搬送波の反転されたクリーンコピーを入力信号と和算して、所望の信号に実質的に近い出力信号を生成することであって、その生成された出力信号が処理できるように十分な信号対雑音比(SNR)を有する、搬送波の反転されたクリーンコピーを入力信号と和算することを含む。
【0018】
図2は、本発明の一実施態様に従った干渉検出および信号分離ユニット200の詳細な機能ブロック図である。ユニット200は、
図3の干渉検出および信号分離ユニット350と同様に構成される。この実施態様では、所望の信号および干渉信号を含む信号が、RF信号をIF信号に変換するダウンコンバータ260によって受信される。デジタイザ210は、IF信号をデジタル化し、そのデジタル化した信号を干渉検出ユニット220に送信し、干渉検出ユニット220は、干渉信号を検出するように構成されている。信号分離ユニット230が、干渉信号を分離するように構成される。このユニット230の出力が、次いで、ループを維持するために、ユニット220にフィードバックされる。出力は、クリーンな干渉信号を生成するために信号再生ユニット240にも送り込まれ、クリーンな干渉信号は、キャンセル信号を作成するために位相反転ユニット250によって受信される。アップコンバータ270が、キャンセル信号をIFから元のRFに変換する(必要に応じて)。
図2のユニット200は、信号が、処理される前にIFにダウンコンバートされて、処理が行われるとRFにアップコンバートして戻されているのを示すが、処理は、ダウンコンバータおよびアップコンバータを必要とすることなく、全てRF内で行われ得ることに留意されるべきである。ダウンコンバータは、Mhz周波数までのみデジタル化できる、現在のデジタイザの速度における制限のために、高周波信号(例えば、Ghz信号)に対してのみ必要である。本方法は、周波数に依存せず、(現在のデジタイザ技術で)数百メガハルツ以下での信号の用途は、いかなる周波数変換も必要としない。
【0019】
図3は、本発明の一実施態様に従ったエンベロープフィードバック干渉低減システム300の機能ブロック図である。この実施態様は、干渉信号によって生じたオーバードライブ状態のために、LNAからの圧縮を考慮に入れる。システム300は、キャンセル信号のリアルタイムでの分離および作成、キャンセル信号の干渉信号との同期、ならびに連続波信号および変調された干渉信号の両方を相殺するための十分に素早いループの閉鎖という極めて重要な課題に対処するように設計される。それに応じて、システム300は、所望の信号および干渉信号を含む入力信号(370を参照)を受信するアンテナ310、ならびに干渉信号を検出して、それを入力信号から取り去る、干渉検出および信号分離ユニット350(ユニット350の設計は
図2のユニット200の設計と類似し得る)を含む。
【0020】
エンベロープフィードバック干渉低減システムの設計は、干渉検出および信号分離ユニットの位置に応じて変化し得る。例えば、干渉低減システムは、干渉検出および信号分離の位置がLNA 330の近くにある場合、
図3に示すエンベロープフィードバック干渉低減システム300の設計と実質的に類似するであろう。この構成は、LNAの出力の歪みを引き起こす干渉信号によってLNAが飽和状態にされる用途に対して有用であろう。信号歪みは所望の信号に影響を及ぼすので、歪みを防ぐために、LNAの前にキャンセル信号を取り除く必要がある。従って、歪みからの影響を、キャンセル信号の作成において考慮に入れる必要がある。遅延回路が使用できず、それは、フィードバック回路の速度が、キャンセルできるタイプの信号を駆動して、干渉を通じた操作を可能にするためにこの構成の適用可能性を制限することを意味する。
【0021】
図4は、本発明の一実施態様に従って構成された「ブラインド」信号特性化および信号分離システム400の機能ブロック図である。システム400は、
図3の干渉検出および信号分離ユニット350と同様に構成される。
図4の例示する実施態様では、システム400は、データ窓掛け(data windowing)ユニット410、クロック発生器412、フーリエ変換ユニット420、判断ユニット430、リサンプリングユニット440、および適応再生(adaptive regenerative)ユニット450を含む。データ窓掛けユニット410およびクロック発生器412は、生の信号を受信して、それを時間領域内で処理して、信号を帯域制限するように構成される。
【0022】
データ窓掛けユニット410(帯域幅を補正するためにデータに窓を掛ける)は、信号の存在を判断するため、ならびに信号の帯域幅および中心周波数を判断するために、信号を周波数および時間領域内で処理するように構成される。フーリエ変換ユニット420および判断ユニット430は、変調特性を判断するために信号を時間領域内で処理し、増分的にべき乗(例えば、1、2、4、8など)された信号を測定することにより搬送波周波数を正確に測定するように構成される。すなわち、連続波(CW)信号が見られるまで、信号が自身によって何回か乗じられる。一旦、周波数測定が成功すると、たとえさらなる測定がいくつかの変調(例えば、QPSKと16QAMとの間)の曖昧さをなくすために必要であり得ても、現在のべき指数が、変調タイプ(例えば、1=CW、2=BPSK、4=QPSKなど)に関するヒントを提供する。さらに、プロセスは、搬送波クロックレートに関するヒントも提供する。それ故、一旦、変調タイプおよび搬送波クロック(シンボルレート)が判断されると、信号は、搬送波変調タイプおよびクロックレートを正確に測定するためにリサンプリングユニット440(例えば、イコライザ)によって再処理でき、それは、搬送波シンボル軌道を辿ることを可能にする。
【0023】
適応再生ユニット450は、搬送波シンボル軌道を使用して信号分離タスクを実行する。すなわち、ユニット450は、搬送波シンボル軌道を使用して搬送波(望ましい信号)のクリーンコピーを生成する。信号イコライザが構築されて、搬送波クロックレートのX倍でクロックされる。ユニット450は、クリーンコピーを反転させて、利得および位相を補正し、それを元のコンポジット信号と和算する。出力は残余(干渉)信号であり、それは、利得および位相を調整されて、LNAの入力にフィードバックされる。LNA出力信号は、LNA圧縮が回避されて、SNRが残余(目標)信号の処理を可能にするのに十分であるように、大いに低減された干渉を有する。目標信号がまだ十分でないが、キャンセル後に、残余信号と残っている干渉信号との間の少なくとも6dbの分離がある場合、信号分離技術が、残余(目標)信号のクリーンバージョンを作成するために、LNAの出力に追加できる。
【0024】
図3を再度参照すると、干渉および歪みの影響(374を参照)が増幅器360およびコンバイナ320内でキャンセルされる。増幅器360は残余信号を反転させて、利得および位相を補正する。コンバイナ320は、修正された残余を入力信号と和算して、望ましくない信号をキャンセルするために出力を低雑音増幅器(LNA)330に(およびカプラー340まで)提供し、このようにしてLNAに入るエネルギーを低減して信号圧縮を除外する。最初の試みで全ての干渉および歪みをキャンセルしない可能性があるが、システム300は、ループを何回か繰り返した後、最終的に、干渉および歪みが実質的に低減された出力信号(372を参照)を生成して終わる。ループは、変調された信号に関連した変更に起因し得る干渉信号における変更、伝送経路に対する変更から信号レベルに対する変更、およびドップラーまたは掃引信号に起因した周波数における変更を追跡および補正するために継続的に更新される必要がある。ループが処理できる速度は、キャンセルの有効性を決定する。しかし、出力における分離および再生機能では、システムが残余(目標)信号を再生するのを可能にするために6dbの分離のみが必要とされる。
【0025】
図5は、干渉検出および信号分離の位置がLNA 520の後である、別の実施態様に従った、エンベロープフィードバック干渉低減システム500の機能ブロック図である。この実施態様では、干渉信号がLNA 520を飽和状態にする可能性は低く、増幅器圧縮によって引き起こされる信号歪みはない。さらに、信号は、アップリンク干渉、またはマイクロ波および携帯電話中継所/中継局用途に対処するために、従来型の曲管(bent pipe)通信衛星上などで、IF信号レベルに低減されない。従って、この実施態様は、伝送における短遅延が許容可能な場所で適用可能であろう。それに応じて、エンベロープフィードバック干渉低減システム500は、所望の信号および干渉信号を含む入力信号を受信するアンテナ510、ならびに
図2に示すユニット200に実質的に類似している干渉検出および信号分離ユニット550を含む。
【0026】
図5の例示する実施態様では、システム500は、短遅延をLNA 520から(カプラー530を通して)受信して、入力信号に挿入する短遅延回路540を含む。干渉および歪みの影響が増幅器560およびコンバイナ570内でキャンセルされる。増幅器560は、残余信号を反転させて、利得および位相を補正する。コンバイナ570は、修正された残余を遅延された入力信号と和算して、干渉および歪みを入力信号からキャンセルする。コンバイナ570は、所望の信号を、それが問題なく処理できるように、十分な信号対雑音比(SNR)で出力する。
【0027】
図6は、干渉検出および信号分離の位置が中間周波数(IF)レベルである、さらに別の実施態様に従った、エンベロープフィードバック干渉低減システム600の機能ブロック図である。従って、この実施態様では、干渉検出および信号分離は、RF/IFダウンコンバージョンおよびアップコンバージョンプロセスは必要ない。その結果、この実施態様は、全てのエンドポイントRF通信および情報受信機システムに適用可能である。この実施態様は、無線受信機、衛星端末/モデム、GPS受信機、空中(航空機、UAV、ミサイル)RF見通し線通信、海上/船舶通信システム(衛星および見通し線)、携帯電話基地局および受信機、WiMax受信機、マイクロ波無線、およびワイヤー、ケーブル、導波路システムを経由したRFを含むブラインドデュアル搬送波通信システムにも適用可能である。この実施態様は、信号変更および応答の検出を可能にするため、一次経路内に短遅延回路640も含む。
【0028】
図6の例示する実施態様では、システム600は、所望の信号および干渉信号を含む入力信号を受信するアンテナ610を含む。この入力信号は、LNA 620、ダウンコンバータ625に、そして次いで、カプラー630を通って干渉検出および信号分離ユニット650に渡される。システム600は、短遅延をダウンコンバータ625から受信して、入力信号に挿入する短遅延回路640も含む。干渉および歪みの影響は増幅器660およびコンバイナ670内でキャンセルされる。増幅器660は残余信号を反転させて、利得および位相を補正する。コンバイナ670は、修正された残余を遅延された入力信号と和算して、干渉および歪みを入力信号からキャンセルする。コンバイナ670は、所望の信号を、それが問題なく処理できるように、十分な信号対雑音比(SNR)で出力する。干渉検出および信号分離ユニット650は、入力信号がダウンコンバータ625内でダウンコンバートされるので、信号を中間周波数で処理することに留意されるべきである。
【0029】
図7は、本発明の一実施態様に従った干渉検出および信号分離ユニット650(
図6に示す)の詳細な機能ブロック図である。この実施態様では、所望の信号および干渉信号を含むIF信号が、IF信号をデジタル化し、そのデジタル化した信号を干渉検出ユニット720に送信するデジタイザ710によって受信され、干渉検出ユニット720は、干渉信号を検出するように構成されている。信号分離ユニット730は、干渉信号を分離するように構成される。このユニット730の出力は、次いで、ループを維持するためにユニット720にフィードバックされる。出力は、クリーンな干渉信号を生成するために信号再生ユニット740にも送り込まれ、クリーンな干渉信号は、キャンセル信号の分離されたバージョンを作成するために位相反転ユニット750によって受信される。
【0030】
図8Aは、コンピュータシステム800およびユーザー802の表現を示す。一実施形態では、ユーザー802は、コンピュータシステム800を使用して、エンベロープフィードバック干渉低減を実行する。
【0031】
図8Bは、(例えば、
図1Aまたは
図1Bに示すような)エンベロープフィードバック干渉技術を実行するためのエンベロープフィードバック干渉システム890を示す機能ブロック図である。この技術は、コンピュータシステム上またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)/特定用途向け集積回路(ASIC)内でホストできる。コントローラ810は、プログラム可能プロセッサであり、コンピュータシステム800およびその構成要素の動作を制御する。コントローラ810は、メモリ820または組込みコントローラメモリ(図示せず)から命令を(例えば、コンピュータプログラムの形で)ロードして、システムを制御するためにこれらの命令を実行する。
【0032】
メモリ820は、コンピュータシステム800の他の構成要素によって使用するために一時的にデータを格納する。一実施態様では、メモリ820は、RAMとして実装される。別の実施態様では、メモリ820は、フラッシュメモリおよび/またはROMなどの、長期または永久メモリも含む。
【0033】
記憶装置830は、エンベロープフィードバック干渉システム890のデータおよびプログラムを格納するためなど、コンピュータシステム800の他の構成要素によって使用するために、一時的または長期間、データを格納する。記憶装置830は、持続性データを格納するコンピュータ可読記憶媒体と呼ばれることもある。一実施態様では、記憶装置830は、ハードディスクドライブである。
【0034】
その実行中、エンベロープフィードバック干渉システム890は、メモリ820または記憶装置830にソフトウェアシステムとしてロードされる。代替として、このサービスは、コンピュータシステム800内の別個のハードウェア構成要素(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))として実装できる。
【0035】
媒体装置840は、取り外し可能媒体を受け取り、挿入された媒体に対してデータの読取り/書込みを行う。一実施態様では、例えば、媒体装置840は、光ディスクドライブである。
【0036】
ユーザーインタフェース850は、コンピュータシステム800のユーザーからユーザー入力を受け入れて、情報をユーザーに提示するための構成要素を含む。一実施態様では、ユーザーインタフェース850は、キーボード、マウス、音声スピーカー、およびディスプレイを含む。コントローラ810は、ユーザーからの入力を使用して、コンピュータシステム800の動作を調整する。
【0037】
I/Oインタフェース860は、外部記憶装置または補助装置(例えば、プリンタまたはPDA)などの、対応するI/O装置に接続するための1つ以上のI/Oポートを含む。一実施態様では、I/Oインタフェース860のポートは:USBポート、PCMCIAポート、シリアルポート、および/またはパラレルポートなどのポートを含む。別の実施態様では、I/Oインタフェース860は、外部装置と無線で通信するための無線インタフェースを含む。
【0038】
ネットワークインタフェース870は、イーサネット(登録商標)接続をサポートするRJ−45または「Wi−Fi」インタフェース(302.11を含むがそれに限定されない)などの、有線および/または無線ネットワーク接続を含む。
【0039】
コンピュータシステム800は、コンピュータシステムに特有な追加のハードウェアおよびソフトウェア(例えば、電力、冷却、オペレーティングシステム)を含むが、これらの構成要素は、簡単にするために、
図8Bには具体的に示されていない。他の実施態様では、コンピュータシステムの異なる構成が使用できる(例えば、異なるバスもしくは記憶装置構成またはマルチプロセッサ構成)。
【0040】
さらなる実施態様では、前述のエンベロープフィードバック干渉低減に対する増強は、干渉特性化のために原信号をパルスオフすることを含む。例えば、原信号は、干渉信号を捕捉して特性化するために、干渉が検出されるか、または疑われる場合、定期的にパルスオフされる。原信号のオフ期間中、干渉信号の完全な測定特性化が実行される。(干渉を除去する)キャンセル信号が次いで、干渉信号の測定特性化を使用して生成される。例えば、疑われる干渉が存在する場合、モデムが高デューティサイクル(例えば、90%、すなわち、モデムが、例えば、900ミリ秒間オンで100ミリ秒間オフ)で動作され得る。100ミリ秒のオフ期間中、干渉が特性化されて、その干渉情報が、残余の900ミリ秒間、原信号の処理を可能にするキャンセル信号を作成するために使用される。デューティサイクルおよび各サイクルの持続時間が、用途、干渉信号の変化率および特性化回路の速度に合わされ得、1ミリ秒の総サイクル時間または10マイクロ秒の総サイクル時間でさえ動作する50%のデューティサイクルを(高度に動的な干渉に対して)予測することが可能になる。他の実施態様では、デューティサイクルおよびサイクル持続時間が、干渉信号の特性における変化率および特性化回路の速度に基づき、データスループットを最大限にするように調整できる。
【0041】
開示する実施態様の上の説明は、当業者が本発明を実施または使用することを可能にするために提供される。これらの実施態様に対する様々な修正が、当業者には容易に明らかになり、本明細書で説明する全体的な原理は、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施態様に適応できる。それに応じて、追加の実施態様および変形形態も本発明の範囲内である。例えば、上で説明した実施態様は、干渉信号のキャンセルにフォーカスしているが、上で説明したエンベロープフィードバック干渉低減システムおよび技術は、各信号を個々にキャンセル可能にするために使用でき、そのため、両方の信号が処理できて、RFシステム上でのデータスループットを最大限にするためにブラインドデュアル搬送波プロセスを可能にするか、または特性化および捕捉を可能にするが、リアルタイムもしくはプロセス後分析のために、干渉信号をキャンセルしない。さらに、本明細書で提示する説明および図は、本発明によって幅広く考えられる主題を代表することを理解されたい。本発明の範囲は、当業者に明らかになり得る他の実施態様を完全に包含すること、および本発明の範囲は、それに応じて添付の請求項以外の何によっても制限されないことをさらに理解されたい。
【0042】
付属書類
適用分野
・エンベロープフィードバック干渉低減(EFIR)技術は複数の異なる通信システムにおける用途を有する
・以下を含むがそれらに限定されない:
・衛星通信信号ならびに衛星コマンドおよび制御(C2)リンク
・UAV見通し線および衛星データリンク
・船上マイクロ波および衛星通信システム
・マイクロ波通信リンク
・GPS受信機
・携帯電話通信リンク
・ケーブル信号
・基本的には、(偶発的または意図的)干渉の影響を受けやすい、任意のポイントツーポイントまたはポイントツーマルチポイントRFシステムに適用可能
・EFIR技術は、単一搬送波伝送よりも著しく高い、トランスポンダを通して伝送されるデータ速度を可能にする、ブラインド搬送波重畳信号処理を可能にするためにも使用できる
【0043】
動作理論
・KraosはSat Corpを通じて、衛星およびいくつかの地上波ベースシステムにおける干渉検出をリードしてきた
・搬送波の下の搬送波をブラインドで検出でき、信号をブラインドで特性化できる、既存の会社所有のアルゴリズムを有する
・特性化は、帯域幅、変調、データ速度、FECなどを含む
・機能は、他の信号の下の偶信号(even signal)(例えば、下位レベルの干渉信号)の特性化を含む
・干渉信号の大部分を除去または相殺する機能を追加するために弊社の検出機能を基礎とする
・弊社が開発したDSPアルゴリズムを使用して2つの信号を分離する
・干渉信号のキャンセルイメージを作成する
・干渉信号のレベルを大いに低減するようにキャンセルイメージ信号を再挿入する
・結果として生じる、十分な信号対雑音比を有する所望の信号が通過して、問題なく処理できるようになる
【0044】
動作理論
・極めて重要な技術的課題:
・キャンセル信号を、特に、LNAからの歪みがある場合に、リアルタイムで分離および作成すること
・キャンセル信号を干渉信号と同期させること
・著しい遅延を伝送に追加することなく、変調された干渉信号を相殺するために十分迅速にループを閉じること
【0046】
動作理論
・本発明の他の信号キャンセル技術から固有の要素
・本発明の主題
・増幅器を通過する信号の特性をブラインドで判断する
・望ましい信号を、圧縮および任意の干渉の影響を含む残余から分離する
・受信機増幅器内で圧縮を引き起こす干渉搬送波の影響をキャンセルする
・受信機増幅器上での動作に起因した干渉および圧縮の両方から損なわれている信号を復元する
・目標とする使用は、干渉除去のため、およびブラインド信号重畳通信のためである
・他の技術:
・トランスポンダのデータスループットを最大限にするために、信号重畳システム内での両方の信号の処理にフォーカスされている
・二次信号を取得するため、2つの信号をキャンセルまたは分離するために、信号のうちの1つのコピーを必要とする
・干渉から生じ得るが、計画された信号重畳通信方法からは生じない、増幅器圧縮を補正しない
・他の技術は増幅器に圧縮させないと仮定する
・既知の他の技術は、現在はRaytheonの一事業部であるApplied Signal Technologies(AST)によって所有されているDoubletalk(商標)、およびViasatによって所有されているPaired Carrier Multiple Access(PCMA)である
【0047】
動作理論
・信号分離および分析の例
・青の波形は望ましい信号である
・赤の波形は除去すべき干渉である
【0049】
動作理論
・ブラインド信号特性化および信号分離の主要なブロック
【0051】
動作理論
・信号特性を判断する
・信号の存在を判断するため、ならびに信号の帯域幅および中心周波数を判断するために、信号が周波数領域内で処理される。
・信号を帯域制限するために信号が時間領域で処理される
・変調特性での第1のループが実施される
・搬送波周波数が、増分的にべき乗(1、2、4、8、...)された信号に関する周波数測定によって測定される
・すなわち、CW信号が見られるまで、信号が自身によって何回か乗じられる
・一旦、周波数測定が成功すると、現在のべき指数が、変調タイプ(1−>CW、2−>BPSK、4−>QPSK)に関するヒントを提供し、さらなるテストが、いくつかの変調(例えば、QPSKおよび16QAM)の曖昧さをなくすために必要とされる
・プロセスは、搬送波クロックレートに関するヒントも与える
・一旦、変調タイプが判断されて、搬送波クロック(シンボルレート)が判断されると、信号が、搬送波変調タイプおよびクロックレートを正確に測定するためにイコライザによって再処理される。このプロセスを離れると、搬送波シンボル軌道を辿ることを試みる。
【0052】
動作理論
・適応再生技術(信号分離)
・シンボル軌道が、搬送波のクリーンコピーを作成するために使用される
・信号イコライザが構築されて、搬送波クロックレートのX倍でクロックされる
・クリーンコピーが反転されて、利得および位相が補正され、元のコンポジット信号と和算される
・出力は、増幅器圧縮に起因した干渉および歪みの影響を表す残余信号である
・干渉の影響をキャンセルする
・残余信号自体は、次いで反転されて、利得および位相が補正される
・修正された残余は、望ましくない信号をキャンセルするために、増幅器に対する入力信号と和算される
・動的ループ
・最初の試みはエラーを含み、そのエラーは、ループの繰返しが信号の処理を継続して、圧縮および干渉の影響をキャンセルするにつれて、少なくなるだろう。
【0053】
動作理論:LNA周囲のキャンセル位置
1.受信機LNAの周囲のキャンセル
・LNAの出力の歪みを引き起こす干渉信号によってLNAが飽和状態にされる用途に対して
・信号歪みは所望の信号に影響を及ぼすので、歪みを防ぐために、キャンセル信号はLNAの前に取り除かれる必要がある。
・歪みからの影響は、キャンセル信号の作成において考慮に入れる必要がある
・遅延回路が使用できず、それは、フィードバック回路の速度が、キャンセルできるタイプの信号を駆動することを意味する
・すなわち、頻繁に変化し過ぎる信号に対して役に立たないであろう
・これは、干渉を通じた操作を可能にするためにこの方法の適用可能性を制限するであろう
・幸運にも、LNAは通常、低出力信号を増幅し、そのため、飽和までに相当な余裕がある
・LAN飽和が生じる事例は、通常CW、掃引または規則的パルス信号タイプ干渉を有する
【0055】
動作理論:LNAの後のキャンセル位置
2.低雑音増幅器(LNA)の後のキャンセル
・以下のような用途に対して:
・干渉信号がLNAを飽和状態にする可能性が低く、信号歪みが生じていない
・信号がIF信号レベルに低減されない、例えば:
・アップリンク干渉に対処する従来型の曲管通信衛星上
・マイクロ波および携帯電話中継所/中継局用途
・伝送における短遅延が許容可能な用途
・設計は、キャンセル回路が信号変更および応答の検出を可能にするため、ART一次経路内に短遅延回路を含む
・動作は依然として元のRF入力周波数においてである
・これらは、通常変調された信号を引き起こす
・遅延は、変調に関連した変更に対処するために必要であろう
・しかし、多くの用途に対して、1秒もの大きな遅延でさえ許容可能である
【0057】
動作理論:IFにおけるキャンセル位置
3.IFでのキャンセル
・信号が処理される受信機用途に対して
・設計が、RF/IFダウンコンバージョンおよびアップコンバージョンを必要としないことにより単純化される
・設計は、キャンセル回路が信号変更および応答の検出を可能にするため、一次経路内に短遅延回路を含む
・これは、全てのエンドポイントRF通信および情報受信機システムに適用可能であり、また、ブラインド搬送波重畳通信システムがどのようにこの技術を使用するか
・無線受信機
・衛星端末/モデム
・GPS受信機
・空中(航空機、UAV、ミサイル)RF見通し線通信
・海上/船舶通信システム(衛星および見通し線)
・携帯電話基地局および受信機
・WiMax受信機
・マイクロ波無線
・ワイヤー、ケーブル、導波路システムを経由したRFにも適用可能
・放送映像配信