【実施例】
【0232】
本明細書に記載される発明がより詳しく理解され得るために、以下の実施例が示される。当然のことながら、これらの実施例は単に例示的な目的のためであって、本発明を限定すると解釈されるべきものではない。
【0233】
32万超の化合物のライブラリーが、ヒトGSK3βに対してスクリーニングされた。同定された阻害剤のうち、化合物1はかなりの力価および優れた選択性を示し、300超のキナーゼのうち4つの他のキナーゼを、10μΜにおいて50%超阻害しただけであった。化合物1のその後の化学的改変(GSK3βとの共結晶構造に基づく)および一連の生化学および細胞試験は、10〜30nMというIC
50でGSK3βを阻害する化合物54をもたらした。化合物54は、CHIR99021と比較して、優れたキノームワイドな選択性プロファイルを有する。さらに、化合物54は、SH−SY5Y神経芽細胞腫細胞においてGSK3βを介するタウリン酸化を阻害するという点(1μΜというIC
50)、ならびに、細胞内βカテニン分解およびTCF/LEFプロモーター活性に対するGSK3βによる負の制御を、両方の試験において5μΜというEC
50で緩和するという点で、優れた細胞活性を示す。同時に、化合物54による細胞毒性は、SH−SY5Y細胞においては30μΜという最高試験濃度で観察されなかった。総合すると、化合物54はGSK3βに対する有効で高度に選択的な低分子プローブであり、既知の阻害剤、GSK3βの細胞機能のより良い検討および解釈を可能にする。化合物54の骨格は、適切な動物の生理および病理におけるGSK3βのインビボの役割を調べるために好適な、さらに改善された生化学的、細胞的、および薬物動態的な特性を有するさらなる化合物を提供する有望性も有している。
【化33】
【表1】
【0234】
合成法
一般的な情報:全ての禁酸素および/または禁水反応は、窒素(N
2)雰囲気下において、ガラス器具中において行われた。ガラス器具は、使用前に減圧下(約0.5mmHg)において火炎乾燥され、N
2によってパージされた。全ての試薬および溶媒は商業的供給者から購入されて、受け入れのままで使用、または、既報の方法によって合成された。NMRスペクトルは、Bruker 300(300MHz:
1H、75MHz:
13C)またはバリアン社UNITY INOVA 500(500MHz:
1H、125MHz:
13C)分光計によって記録された。プロトンおよび炭素の化学シフトはppm(δ)で報告され、NMR溶媒を参照とする。データは次のように報告される。化学シフト、多重度(br=ブロード、s=1重線、d=2重線、t=3重線、q=4重線、m=多重線、結合定数(Hz))。
【0235】
別段の記載がない限り、NMRデータは25℃において収集された。フラッシュクロマトグラフィーは、40〜60μmシリカゲル(60Åメッシュ)を用い、テレダインイスコ社のCombiflash R
fによって行われた。タンデム液体クロマトグラフィー/質量分析(LC/MS)は、ウォーターズ社2795分離モジュールおよび3100質量検出器によって行われた。分析用の薄層クロマトグラフィー(TLC)はEM試薬用0.25mmシリカゲル60−Fプレートによって行われた。可視化は、紫外(UV)線および過マンガン酸カリウム水溶液(KMnO
4)染色(後に加熱を行う)によって達成された。高分解質量スペクトルはMIT質量分析施設(ブルカー・ダルトニクス社APEXIVの4.7テスラフーリエ変換型イオンサイクロトロン共鳴質量分析計)において得られた。
【0236】
合成プロトコールA(スキーム1a)においては、1,3−ジオン(1.0当量)、アルデヒド(1.0当量)、およびアミン(1.35当量)がエタノール(0.4M)中に溶解され、混合物は15分間マイクロ波によって150℃において加熱された。反応混合物は冷却され、エタノールは蒸発させられた。粗反応混合物はシリカカラムクロマトグラフィーによって精製された(ISCO)。
【化34】
4−(2−メトキシフェニル)−7,7−ジメチル−3−(トリフルオロメチル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン:
【化35】
【0237】
5,5−ジメチルシクロヘキサン−1,3−ジオン(824mg、5.88mmol)、2−メトキシベンズアルデヒド(800mg、5.88mmol)、および3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−アミン(1199mg、7.93mmol)が、マイクロ波バイアル中において一緒に混合された。これにエタノール(14.7mL、0.4M)が添加された。反応混合物は、マイクロ波によって15分間150℃において加熱された。混合物は冷却され、溶媒は蒸発させられた。得られた混合物は、次に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル:100/0〜20/80)によって精製されて、所望の生成物を白色固体(372.0mg)としてもたらした。
1H NMR (300 MHz, MeOD) δ 7.19 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.12 - 7.03 (m, 1H), 6.78 (dd, J = 13.8, 7.4 Hz, 2H), 5.39 (s, 1H), 3.67 (s, 3H), 2.56 (d, J = 16.8 Hz, 1H), 2.42 (d, J = 16.7 Hz, 1H), 2.24 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 2.04 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 1.08 (s, 3H), 0.97 (s, 3H). LRMS (ESI+) (M+): 391.82.
【0238】
ラセミ混合物はキラルHPLCによって分離されて、(R)−4−(2−メトキシフェニル)−7,7−ジメチル−3−(トリフルオロメチル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン(化合物54)および(S)−4−(2−メトキシフェニル)−7,7−ジメチル−3−(トリフルオロメチル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン(化合物55)をもたらした。
【0239】
合成プロトコールBにおいては、1,3−ジオン(1.0当量)がトリフルオロ酢酸(0.45M)中に溶解された後に、1度にケトン(10.0当量)の添加が行われた。反応が190℃において3時間還流された後に、アミン(1.5当量)の添加が行われ、190℃においてさらなる2.5時間の継続しての還流が行われた。反応混合物は冷却され、蒸発させられた(TFAを除くため)。粗反応混合物はHPLCによって精製された。
【化36】
4,7,7−トリメチル−4−フェニル−3−(トリフルオロメチル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化37】
【0240】
25mLのrbフラスコ中で、5,5−ジメチルシクロヘキサン−1,3−ジオン(1402.0mg、10.0mmol、1.0当量)がトリフルオロ酢酸(10.0mL、0.47モル)中に溶解された後に、1度にアセトフェノン(11.44mL、100.0mmol、10.0当量)の添加が行われた。反応が3時間190℃において還流された後に、3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−アミン(1511.0mg、10.0mmol、1.5当量)の添加が行われ、190℃においてさらなる2.5時間継続しての還流が行われた。反応混合物は冷却および蒸発させられて、TFAを除去した。粗反応混合物はHPLCによって精製されて、所望の生成物を白色個体としてもたらした(17.0mg)。
1H NMR (300 MHz, DMSO) δ 7.24 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.14 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 6.99 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 2.43 (d, J = 4.7 Hz, 2H), 2.01 (d, J = 15.8 Hz, 1H), 1.92 (s, 3H), 1.86 (d, J = 15.8 Hz, 1H), 0.99 (s, 3H), 0.92 (s, 3H). LRMS (ESI+) (M+H): 376.24, 保持時間 0.67 min.
【0241】
ラセミ混合物はキラルHPLCによって分離され、化合物70または化合物71をもたらした。
7,7−ジメチル−4−フェニル−3−(トリフルオロメチル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化38】
【0242】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 10.14 (s, 1H), 7.23 - 7.12 (m, 2H), 7.12 - 7.00 (m, 3H), 5.07 (s, 1H), 2.56 - 2.35 (m, 2H), 2.15 - 2.09 (m, 1H), 1.95 - 1.90 (m, 1H), 1.01 (s, 3H), 0.88 (s, 3H).LRMS (ESI+): 362 ([M+H]+), 保持時間 0.62 min.
3,7,7−トリメチル−4−(チオフェン−2−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化39】
【0243】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 11.63 (s, 1H), 9.54 (s, 1H), 6.9 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 6.57 (t, J = 3.0, 6.0 Hz, 1H), 6.51 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 5.07 (s, 1H), 2.18 - 2.08 (m, 2H), 1.95 - 1.76 (m, 2H), 1.90 (s, 3H), 0.77 (s, 3H), 0.75 (s, 3H). LRMS (ESI+): 314 ([M+H]+), 保持時間 0.57 min.
ラセミ混合物はキラルHPLCによって分離されて、化合物6および化合物7をもたらした。
3,7,7−トリメチル−4−(チオフェン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化40】
【0244】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 11.77 (s, 1H), 9.68 (s, 1H), 7.26 (s, 1H), 6.95 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 6.78 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 5.09 (s, 1H), 2.49 - 2.33 (m, 2H), 2.17 - 2.08 (m, 2H), 2.0 (s, 3H), 1.00 (s, 3H), 0.94 (s, 3H). LRMS (ESI+): 314 ([M+H]+), 保持時間 0.57 min.
4−(5−クロロチオフェン−2−イル)−3,7,7−トリメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化41】
【0245】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 11.71 (s, 1H), 9.62 (s, 1H), 6.54 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 6.3 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 4.99 (s, 1H), 2.3 - 2.07 (m, 2H), 1.9 (s, 3H), 1.95 - 1.81 (m, 2H), 0.75 (s, 3H), 0.73 (s, 3H). LRMS (ESI+): 348 ([M+H]+), 保持時間 0.64 min.
4−(2−フルオロフェニル)−3,7,7−トリメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化42】
【0246】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 11.77 (s, 1H), 9.76 (s, 1H), 7.10 - 7.01 (m, 4H), 5.18 (s, 1H), 2.45 - 2.32 (m, 2H), 2.15 - 1.95 (m, 2H), 1.88 (s, 1H), 1.01 (s, 3H), 0.96 (s, 3H). LRMS (ESI+): 327 ([M+H]+), 保持時間 0.59 min.
4−(3−フルオロフェニル)−3,7,7−トリメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化43】
【0247】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 11.8 (s, 1H), 9.76 (s, 1H), 7.23 (m, 1H), 6.95 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.90 - 6.84 (m, 2H), 4.97 (s, 1H), 2.44 - 2.37 (m, 2H), 2.15 - 1.93 (m, 2H), 1.91 (s, 3H), 1.00 (s, 3H), 0.94 (s, 3H). LRMS (ESI+): 327 ([M+H]+), 保持時間 0.61 min.
4−(4−フルオロフェニル)−3,7,7−トリメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化44】
【0248】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 11.77 (s, 1H), 9.73 (s, 1H), 7.13 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 6.99 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 4.94 (s, 1H), 2.43 - 2.35 (m, 2H), 2.14 - 1.91 (m, 2H), 1.89 (s, 3H), 1.00 (s, 3H), 0.93 (s, 3H). LRMS (ESI+): 327 ([M+H]+), 保持時間 0.60 min.
4−(3−クロロフェニル)−3,7,7−トリメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化45】
【0249】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 11.57 (s, 1H), 9.54 (s, 1H), 7.00 - 6.95 (m, 1H), 6.87 - 6.83 (m, 3H) 4.7 (s, 1H), 2.25 - 2.12 (m, 2H), 1.91 - 1.69 (m, 2H), 1.66 (s, 3H), 0.76 (s, 3H), 0.69 (s, 3H). LRMS (ESI+): 342 ([M+H]+), 保持時間 0.62 min.
4−(4−クロロフェニル)−3,7,7−トリメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化46】
【0250】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 11.60 (s, 1H), 9.57 (s, 1H), 7.05 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.95 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 4.74 (s, 1H), 2.25 - 2.22 (m, 2H), 1.95 - 1.72 (m, 2H), 1.70 (s, 3H), 0.81 (s, 3H), 0.74 (s, 3H). LRMS (ESI+): 342 ([M+H]+), 保持時間 0.64 min.
3,7,7−トリメチル−4−(p−トリル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化47】
【0251】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 11.65 (s, 1H), 9.61 (s, 1H), 6.99 (m, 4H), 4.89 (s, 1H), 2.44 - 2.30 (m, 2H), 2.25 (s, 3H), 2.24 - 2.19 (m, 2H), 2.18 (s, 3H), 1.00 (s, 3H), 0.95 (s, 3H). LRMS (ESI+): 322 ([M+H]+), 保持時間 0.62 min.
4−(2−メトキシフェニル)−3,7,7−トリメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化48】
【0252】
1H NMR (300 MHz, DMSO) δ 11.39 (s, 1H), 9.38 (s, 1H), 6.79 (t, J = 6.0, 15.0 Hz, 1H), 6.70 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 6.65 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.52 (t, J = 6.0, 15.0 Hz, 1H), 5.08 (s, 1H), 3.6 (s, 3H), 2.22 - 2.14 (m, 2H), 1.90 - 1.71 (m, 2H), 1.67 (s, 3H), 0.78 (s, 3H), 0.75 (s, 3H). LRMS (ESI+): 339 ([M+H]+), 保持時間 0.58-0.59 min.
4−(3−メトキシフェニル)−3,7,7−トリメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化49】
【0253】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 11.5 (s, 1H), 9.45 (s, 1H), 6.85 (t, J = 6.0, 15.0 Hz, 1H), 6.48 - 6.37 (m, 3H), 4.66 (s, 1H), 3.43 (s, 3H), 2.21 - 2.12 (m, 2H), 1.92 - 1.71 (m, 2H), 1.69 (s, 3H), 0.77 (s, 3H), 0.72 (s, 3H). LRMS (ESI+): 339 ([M+H]+), 保持時間 0.59 min.
4−(4−メトキシフェニル)−3,7,7−トリメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化50】
【0254】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 11.71(s, 1H), 9.65 (s, 1H), 7.2 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.72 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 4.87 (s, 1H), 3.66 (s, 3H), 2.42 - 2.34 (m, 2H), 2.13 - 1.96 (m, 2H), 1.89 (s, 3H), 1.00 (s, 3H), 0.93 (s, 3H). LRMS (ESI+): 339 ([M+H]+), 保持時間 0.58 min.
4−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−3,7,7−トリメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化51】
【0255】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 11.75 (s, 1H), 9.68 (s, 1H), 6.70 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.59 (m, 2H), 5.90 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 4.86 (s, 1H), 2.42 - 2.35 (m, 2H), 2.14 - 1.95 (m, 2H), 1.92 (s, 3H), 1.00 (s, 3H), 0.94 (s, 3H). LRMS (ESI+): 352 ([M+H]+), 保持時間 0.57 min.
4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−3,7,7−トリメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化52】
【0256】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 11.56 (s, 1H), 9.56 (s, 1H), 6.97 (m, 1H), 6.83 (m, 2H), 5.06 (s, 1H), 2.20 - 2.11 (m, 2H), 1.88 - 1.69 (m, 2H), 1.63 (s, 3H), 0.76 (s, 3H), 0.70 (s, 3H). LRMS (ESI+): 360 ([M+H]+), 保持時間 0.64 min.
3,7,7−トリメチル−4−(ピリジン−2−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化53】
【0257】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 11.52 (s, 1H), 9.51 (s, 1H), 8.17 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.41 (t, J = 6.0 Hz, 15.0 Hz, 1H), 6.95 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.87 (t, J = 6.0, 12.0 Hz, 1H), 4.89 (s, 1H), 2.31 - 2.26 (m, 2H), 1.97 - 1.76 (m, 5H), 0.83 (s, 6H). LRMS (ESI+): 310 ([M+H]+), 保持時間 0.50 min.
3,7,7−トリメチル−4−(ピリジン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化54】
【0258】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 11.64 (s, 1H), 9.62 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 8.06 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.01 (t, J = 6.0, 12.0 Hz, 1H), 5.57 (s, 1H), 2.26 -2.22 (m, 2H), 1.96 - 1.73 (m, 2H), 1.69 (s, 3H), 0.81 (s, 3H), 0.73 (s, 3H). LRMS (ESI+): 310 ([M+H]+), 保持時間 0.49 min.
3,7,7−トリメチル−4−(ピリジン−4−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化55】
【0259】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 11.61 (s, 1H), 9.6 (s, 1H), 8.12 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 6.88 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 4.7 (s, 1H), 2.21 - 2.14 (m, 2H), 1.92 - 1.70 (m, 2H), 1.66 (s, 3H), 0.77 (s, 3H), 0.71 (s, 3H). LRMS (ESI+): 310 ([M+H]+), 保持時間 0.48 min.
4−(5−ブロモピリジン−2−イル)−3,7,7−トリメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化56】
【0260】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 11.52 (s, 1H), 9.51 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 7.61 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 4.83 (s, 1H), 2.20 - 2.17 (m, 2H), 1.91 - 1.71 (m, 2H), 1.69 (s, 3H), 0.77 (s, 3H), 0.75 (s, 3H). LRMS (ESI+): 389 ([M+H]+), 保持時間 0.57 min.
3,7,7−トリメチル−4−(1H−ピラゾール−5−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化57】
【0261】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 12.20-11.40(m, 1H), 9.60-9.25 (m, 1H), 7.25-6.80(m, 1H), 5.70-5.30 (m , 1H), 4.90-4.75 (m, 1H), 2.20 (br s, 3H), 2.00-1.75 (m, 4H), 0.80-0.70 (br s, 6H), . LRMS (ESI+): 299 ([M+H]+), 保持時間 0.45 min.
4−(2−クロロフェニル)−3,7,7−トリメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化58】
【0262】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 11.77 (s, 1H), 9.77 (s, 1H), 7.27 (d, J = 7.6, 1H), 7.19-7.02 (m, 3H), 5.34 (s, 1H), 2.48 - 2.23 (m, 2H), 2.17-2.04 (m, 1H), 1.88 (s, 3H), 1.96 -1.81 (m, 1H), 1.01 (s, 3H), 0.95 (s, 3H); LRMS (ESI+): 342 ([M+H]+), 保持時間 0.61 min.
3,7,7−トリメチル−4−(o−トリル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化59】
【0263】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 11.70 (s, 1H), 9.69 (s, 1H), δ 6.98 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 6.93 - 6.87 (m, 2H), 5.05 (s, 1H), 3.17 (d, J = 5.2, 3H), 2.49-2.31 (m, 2H), 2.15-2.03 (m, 1H), 1.96- 1.85 (m, 1H), 1.79 (s, 3H), 1.00 (s, 1H), 0.91 (s, 1H); LRMS (ESI+): 322 ([M+H]+), 保持時間 0.62 min.
3,7,7−トリメチル−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化60】
【0264】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 11.83 (s, 1H), 9.83 (s, 1H), 7.56 (d, J = 8.1, 2H), 7.34 (d, J = 8.0, 2H), 5.03 (s, 1H), 2.49-2.35 (m, 2H), 2.17-2.08 (m, 1H), 1.98-1.90 (m, 1H), 1.88 (s, 3H), 1.00 (s, 3H), 0.93 (s, 3H); LRMS (ESI+): 376 ([M+H]+), 保持時間 0.68 min.
3,4,7,7−テトラメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化61】
【0265】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 11.70 (s, 1H), 9.45 (s, 1H), δ 3.84 (q, J = 6.4 Hz, 1H), 2.29 (s, 2H), 2.12 (s, 3H), 2.09 (d, J = 3.6 Hz, 2H), 1.03 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.00 (s, 3H), 0.98 (s, 3H); LRMS (ESI+): 246 ([M+H]+), 保持時間 0.52 min.
4−シクロヘキシル−3,7,7−トリメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化62】
【0266】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 11.72 (s, 1H), 9.40 (s, 1H), 3.76 (s, 1H), δ 2.37-2.38 (m, 2H), 2.20 - 2.04 (m, 5H), 1.71 - 1.39 (m, 6H), 1.39 - 1.20 (m, 2H), 1.02 (s, 3H), 0.99 (s, 3H), 0.63 - 0.46 (m, 2H); LRMS (ESI+): 314 ([M+H]+), 保持時間 0.65 min.
4−重水素−3,7,7−トリメチル−4−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化63】
【0267】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 11.73 (s, 1H), 9.70 (s, 1H), δ 7.21 - 7.09 (m, 4H), 7.03 (t, J = 6.9 Hz, 1H), 2.47-2.33 (m, 2H), 2.18-2.06 (m, 1H), 1.99-1.85 (m, 4H), 1.00 (s, 3H), 0.94 (s, 3H); LRMS (ESI+): 309 ([M+H]+), 保持時間 0.59 min.
4−シクロプロピル−3,7,7−トリメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化64】
【0268】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 11.80 (s, 1H), 9.44 (s, 1H), δ 3.91 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 2.35 - 2.28 (m, 2H), 2.19 - 2.06 (m, 5H), 1.03 (s, 3H), 0.99 (s, 3H), 0.96 - 0.87 (m, 1H), 0.20 - 0.02 (m, 3H), -0.12- -0.22 (m, 1H); LRMS (ESI+): 272 ([M+H]+), 保持時間 0.56 min.
3,7,7−トリメチル−4−(m−トリル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化65】
【0269】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 11.72 (s, 1H), 9.67 (s, 1H), 7.09 - 7.01 (m, 1H), 6.94-6.82 (m, 3H), 4.87 (s, 1H), 2.46-2.33 (m, 2H), 2.20 (s, 3H), 2.16-2.04 (m, 1H), 2.01-1.83 (m, 4H), 1.00 (s, 3H), 0.95 (s, 3H); LRMS (ESI+): 322 ([M+H]+), 保持時間 0.61 min.
4−(2−メトキシフェニル)−3,6,6−トリメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化66】
【0270】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 11.60 (s, 1H), 9.54 (s, 1H), 7.05-6.98 (m, 1H), 6.92-6.84 (m, 2H), 6.77-6.69 (m, 1H), 5.31 (s, 1H), 3.82 (s, 3H), 2.30-2.24 (m, 2H), 1.91 (s, 3H), 1.79-1.70 (m, 2H), 0.94 (s, 3H), 0.85 (s, 3H); LRMS (ESI+): 338 ([M+H]+), 保持時間 0.62 min.
2−(3,7,7−トリメチル−5−オキソ−4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−4−イル)ベンゾニトリル
【化67】
【0271】
1H NMR (300 MHz, DMSO) δ 11.74 (s, 1H), 9.70 (s, 1H), δ 7.21 - 6.99 (m, 4H), 4.91 (s, 1H), 2.46-2.33 (m, 2H), 2.16 - 2.07 (m, 1H),1.98-1.85 (m, 4H), 1.00 (s, 1H), 0.94 (s, 1H) ; LRMS (ESI+): 333 ([M+H]+), 保持時間 0.57 min.
3−(3,7,7−トリメチル−5−オキソ−4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−4−イル)ベンゾニトリル
【化68】
【0272】
1H NMR (300 MHz, DMSO) δ 11.89 (s, 1H), 9.93 (s, 1H), 7.69-7.63 (m, 1H), 7.56-7.48 (m, 1H), 7.29-7.18 (m, 2H), 5.23 (s, 1H), 2.48-2.33 (m, 2H), 2.18-2.05 (m, 1H), 1.97 - 1.80 (m, 4H), 1.01 (s, 3H), 0.95 (s, 3H); LRMS (ESI+): 333 ([M+H]+), 保持時間 0.58 min.
4−(3,7,7−トリメチル−5−オキソ−4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−4−イル)ベンゾニトリル
【化69】
【0273】
1H NMR (300 MHz, DMSO) δ 11.84 (s, 1H), 9.84 (s, 1H), 7.66 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.32 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 5.05 (s, 1H), 2.44 (d, J = 6.3 Hz, 2H), 2.12 (d, J = 16.7 Hz, 1H), 1.94 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 1.87 (s, 3H), 1.00 (s, 3H), 0.92 (s, 3H); LRMS (ESI+): 333 ([M+H]+), 保持時間 0.54 min.
3,4,7,7−テトラメチル−4−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化70】
【0274】
1H NMR (300 MHz, DMSO) δ 11.69 (s, 1H), 9.69 (s, 1H), 7.27-7.22 (m, 1H), 7.08-6.92 (m, 3H), 5.44 (s, 1H), 2.48 - 2.32 (m, 2H), 2.16-2.04 (m, 1H), 1.95-1.84 (m, 4H), 1.00 (s, 3H), 0.95 (s, 3H).; LRMS (ESI+): 322 ([M+H]+), 保持時間 0.62 min.
4−(2−メトキシフェニル)−3−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化71】
【0275】
LRMS (ESI+): 310 ([M+H]+), 保持時間 0.51 min.
3,7,7−トリメチル−4−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化72】
【0276】
LRMS (ESI+): 376 ([M+H]+), 保持時間 0.64-0.66 min.
ラセミ混合物はキラルHPLCによって分離されて、化合物28および化合物29をもたらした。
3,7,7−トリメチル−4−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化73】
【0277】
LRMS (ESI+): 376 ([M+H]+), 保持時間 0.66 min.
4−(2−メトキシフェニル)−7,7−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化74】
【0278】
LRMS (ESI+): 324 ([M+H]+), 保持時間 0.57 min.
3−イソプロピル−4−(2−メトキシフェニル)−7,7−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化75】
【0279】
LRMS (ESI+): 366 ([M+H]+), 保持時間 0.63 min.
4−(2−メトキシフェニル)−7,7−ジメチル−3−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化76】
【0280】
LRMS (ESI+): 400 ([M+H]+), 保持時間 0.67 min.
3−(tert−ブチル)−4−(2−メトキシフェニル)−7,7−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化77】
【0281】
LRMS (ESI+): 380 ([M+H]+), 保持時間 0.65 min.
3−エチル−4−(2−メトキシフェニル)−7,7−ジメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化78】
【0282】
LRMS (ESI+): 352 ([M+H]+), 保持時間 0.62 min.
3,7,7−トリメチル−4−(2−(メチルチオ)フェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化79】
【0283】
LRMS (ESI+): 354 ([M+H]+), 保持時間 0.62 min.
4−(ベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール−4−イル)−3,7,7−トリメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化80】
【0284】
LRMS (ESI+): 350 ([M+H]+), 保持時間 0.54 min.
4'−(2−メトキシフェニル)−3'−メチル−4',6',8',9'−テトラヒドロスピロ[シクロヘキサン−1,7'−ピラゾロ[3,4−b]キノリン]−5'(2'H)−オン
【化81】
【0285】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) 9.57 (s, 1H), 7.06 - 6.97 (m, 1H), 6.94 - 6.83 (m, 2H), 6.78 - 6.69 (m, 1H), 5.27 (s, 1H), 3.78 (s, 3H), 2.62 - 2.40 (m, 4H), 2.07 (s, 2H), 1.88 (s, 3H), 1.50-1.26 (m, 10H). LRMS (ESI+) ([M+H]+): 378, 保持時間 0.67 min.
4−(2−フルオロフェニル)−7,7−ジメチル−3−(トリフルオロメチル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化82】
【0286】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 10.32 (s, 1H), 6.96 - 6.83 (m, 1H), 6.79 - 6.70 (m, 1H), 6.70 - 6.57 (m, 2H), 5.29 (s, 1H), 2.48 - 2.32 (m, 2H), 2.28 - 2.12 (m, 1H), 2.09 -1.94 (m, 1H), 1.01 (s, 3H), 0.87 (s, 3H). LRMS (ESI+) ([M]+): 379, 保持時間 0.59 min.
4−(5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−7,7−ジメチル−3−(トリフルオロメチル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化83】
【0287】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 10.29 (s, 1H), 7.66 - 7.61 (m, 1H), 7.22 - 7.09 (m, 1H), 6.93 - 6.86 (m, 1H), 5.68 (s, 1H), 2.51 - 2.40 (m, 2H), 2.19 - 2.09 (m, 1H), 2.01 -1.91 (m, 1H), 1.01 (s, 3H), 0.89 (s, 3H). LRMS (ESI+) ([M+H]+): 448, 保持時間 0.55 min.
4−(3−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−7,7−ジメチル−3−(トリフルオロメチル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化84】
【0288】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 10.28 (s, 1H), 7.53 - 7.42 (m, 1H), 7.21 - 7.11 (m, 1H), 6.99 - 6.92 (m, 1H), 5.78 (s, 1H), 2.49 - 2.30 (m, 2H), 2.19 - 2.10 (m, 1H), 2.0 -1.87 (m, 1H), 1.01 (s, 3H), 0.85 (s, 3H). LRMS (ESI+) ([M+H]+): 448, 保持時間 0.66 min.
4−(5−フルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−7,7−ジメチル−3−(トリフルオロメチル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化85】
【0289】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 10.30 (s, 1H), 7.25 - 7.14 (m, 1H), 7.14 - 7.02 (m, 2H), 5.31 (s, 1H), 2.48 - 2.34 (m, 2H), 2.18 - 2.07 (m, 1H), 2.01- 1.92 (m, 1H), 1.01 (s, 3H), 0.92 (s, 3H). LRMS (ESI+) ([M+H]+): 464, 保持時間 0.58 min.
4−(2,5−ジフルオロフェニル)−7,7−ジメチル−3−(トリフルオロメチル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化86】
【0290】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 10.35 (s, 1H), 6.81 - 6.69 (m, 2H), 6.69 - 6.60 (m, 2H), 6.55 - 6.43 (m, 2H), 5.25 (s, 2H), 2.48 - 2.34 (m, 2H), 2.25 - 2.13 (m, 1H), 2.08 -1.96 (m, 1H), 1.01 (s, 3H), 0.89 (s, 3H). LRMS (ESI+) ([M]+): 397, 保持時間 0.48 min.
4−(2−フルオロフェニル)−4,7,7−トリメチル−3−(トリフルオロメチル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化87】
【0291】
1H NMR (300 MHz, d
4-MeOD) δ 7.63 - 7.52 (m, 1H), 7.17 - 7.01 (m, 2H), 6.88 -6.74 (m, 1H), 2.46 (q, J = 16.5 Hz, 2H), 2.18 - 2.01 (m, 2H), 1.99 (s, 3H), 1.07 (s, 3H), 1.01 (s, 3H). LRMS (ESI+) ([M+H]+): 394, 保持時間 0.67 min.
7,7−ジメチル−3−(トリフルオロメチル)−4−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化88】
【0292】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 10.22 (s, 1H), 7.52 - 7.40 (m, 2H), 7.31 - 7.22 (m, 1H), 7.20 - 7.13 (m, 1H), 5.69 (s, 1H), 2.60 - 2.34 (m, 2H), 2.21 - 2.05 (m, 1H), 1.96 -1.86 (m, 1H), 1.01 (s, 3H), 0.86 (s, 3H). LRMS (ESI+) ([M+H]+): 430, 保持時間 0.66 min.
ラセミ混合物はキラルHPLCによって分離されて、化合物72および化合物73をもたらした。
4−(4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−7,7−ジメチル−3−(トリフルオロメチル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化89】
【0293】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 10.28 (s, 1H), 7.41 - 7.30 (m, 2H), 7.25 - 7.15 (m, 1H), 5.66 (s, 1H), 2.59 - 2.35 (m, 2H), 2.19 - 2.08 (m, 1H), 1.98 - 1.88 (m, 1H), 1.01 (s, 3H), 0.87 (s, 3H). LRMS (ESI+) ([M+H]+): 448, 保持時間 0.56 min.
4−(2,6−ジフルオロフェニル)−7,7−ジメチル−3−(トリフルオロメチル) −6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化90】
【0294】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 10.08 (s, 1H), 6.97 - 6.81 (m, 1H), 6.55 - 6.34 (m, 2H), 5.50 (s, 1H), 2.51 - 2.41 (m, 1H), 2.39 - 2.24 (m, 1H), 2.12 - 2.08 (m, 1H), 2.03 -1.88 (m, 1H), 1.01 (s, 3H), 0.91 (s, 3H). LRMS (ESI+): 397 ([M]+), 保持時間 0.50 min.
7,7−ジメチル−4−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−3−(トリフルオロメチル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化91】
【0295】
1H NMR (300 MHz, MeOD) δ 7.31 - 7.23 (m, 1H), 7.18 - 7.12 (m, 1H), 7.08 -6.96 (m, 2H), 5.24 (s, 1H), 2.63 - 2.42 (m, 2H), 2.32 - 2.22 (m, 1H), 2.15 - 2.03 (m, 1H), 1.09 (s, 3H), 0.95 (s, 3H). LRMS (ESI+) ([M+H]+): 446.
7,7−ジメチル−3−(トリフルオロメチル)−4−(4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化92】
【0296】
LRMS (ESI+) ([M+H]+): 431.
3−ブロモ−7,7−ジメチル−4−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化93】
【0297】
1H NMR (400 MHz, d
6-DMSO): δ 12.72 (s, 1H), 9.89 (s, 1H), 7.20-7.04 (m, 5H), 4.85 (s, 1H), 2.50-2.30 (m, 2H), 2.13 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 1.96 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 1.00 (s, 3H), 0.926 (s, 3H). ESI+ LCMS: m/z 372 ([M+H]+).
7,7−ジエチル−3−メチル−4−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化94】
【0298】
1H NMR (500 MHz, CD
3OD): δ 7.18-7.15 (m, 4H), 7.06-7.04 (m, 1H), 5.00 (s, 1H), 2.58-2.47 (m, 2H), 2.22-2.11 (m, 2H), 1.93 (s, 3H), 1.46-1.37 (m, 4H), 0.85 (t, J = 7 Hz, 3H), 0.78 (t, J = 7.5 Hz, 3H). ESI+ LCMS: m/z 336 ([M+H]+).
7,7−ジメチル−4−(ピリジン−3−イル)−3−(トリフルオロメチル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化95】
【0299】
1H NMR (400 MHz, d
6-DMSO): δ 13.63 (bs, 0.5H), 13.32 (bs, 0.5H), 10.27-10.20 (m, 1H), 8.31 (d, J = 22.0 Hz, 2H), 7.43-7.41 (m, 1H), 7.24-7.21 (m, 1H), 5.12-5.09 (m, 1H), 2.50-2.30 (m, 2H), 2.16 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 1.97 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 1.00 (s, 3H), 0.86 (s, 3H). ESI+ LCMS: m/z 363 ([M+H]+).
3'−メチル−4'−フェニル−4',6',8',9'−テトラヒドロスピロ[シクロプロパン−1,7'−ピラゾロ[3,4−b]キノリン]−5'(2'H)−オン
【化96】
【0300】
1H NMR (500 MHz, d
6-DMSO): δ 11.71 (bs, 1H), 9.68-9.66 (m, 1H), 7.20-7.16 (m, 4H), 7.04 (t, J = 7 Hz, 1H), 4.98 (s, 1H), 2.59 (d, J = 17 Hz, 1H), 2.35-2.25 (m, 2H), 1.93(s, 3H), 1.87 (d, J = 16.5 Hz, 1H), 0.41-0.27 (m, 4H). ESI+ LCMS: m/z 306 ([M+H]+).
3'−メチル−4'−フェニル−4',6',8',9'−テトラヒドロスピロ[シクロブタン−1,7'−ピラゾロ[3,4−b]キノリン]−5'(2'H)−オン
【化97】
【0301】
1H NMR (500 MHz, d
6-DMSO): δ 11.68 (s, 1H), 9.68 (s, 1H), 7.16-6.99 (m, 5H), 4.90 (s, 1H), 2.71-2.59 (m, 2H), 2.30-2.25 (m, 2H), 1.90 (s, 3H), 1.85-1.72 (m, 5H), 1.62-1.57 (m, 1H). ESI+ LCMS: m/z 320 ([M+H]+).
3'−メチル−4'−フェニル−4',6',8',9'−テトラヒドロスピロ[シクロペンタン−1,7'−ピラゾロ[3,4−b]キノリン]−5'(2'H)−オン
【化98】
【0302】
1H NMR (500 MHz, d
6-DMSO): δ 11.69 (s, 1H), 9.64 (s, 1H), 7.19-7.10 (m, 4H), 7.03 (t, J = 7 Hz, 1H), 4.91 (s, 1H), 2.65-2.50 (m, 2H), 2.21 (d, J = 16 Hz, 1H), 2.06 (d, J = 16 Hz, 1H), 1.90 (s, 3H), 1.62-1.51 (m, 4H), 1.49-1.37 (m, 3H), 1.30-1.26 (m, 1H). ESI+ LCMS: m/z 334 ([M+H]+).
4−(2−ブロモフェニル)−3,7,7−トリメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化99】
【0303】
1H NMR (300 MHz, DMSO) δ 11.78 (s, 1H), 9.77 (s, 1H), 7.44 (d, J = 6.95 Hz, 1H), 7.19 (t, J = 6.95 Hz, 1H), 7.10 - 6.92 (m, 2H), 5.31 (s, 1H), 2.56 - 2.35 (m, 2H), 2.15 -2.05 (m, 1H), 1.95 - 1.84 (m, 4H), 1.01 (s, 3H), 0.95 (s, 3H). LRMS (ESI+) ([M+H]+): 388.
ラセミ混合物はキラルHPLCによって分離されて、化合物80および化合物81をもたらした。
3,7,7−トリメチル−4−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン
【化100】
【0304】
LRMS (ESI+): 308 ([M+H]+).
ラセミ混合物はキラルHPLCによって分離されて、化合物3および化合物2をもたらした。
【0305】
本明細書に記載される化合物は、スキーム1cに示されている合成プロトコールC〜Fに従っても調製され得る。
【化101】
【0306】
合成プロトコールC(スキーム1c)においては、ケトン(1.0当量)およびアミン(1.0当量)がトルエン(0.1〜0.5M)中に溶解された。p−トルエンスルホン酸(0.1当量)が添加され、混合物は110℃において加熱された。反応混合物は冷却され、トルエンは蒸発させられた。粗反応混合物がシリカカラムクロマトグラフィーによって精製されて、中間体I1をもたらした。得られた中間体I1(1.0当量)は次にトルエン中に溶解され、1,3−ジケトン(1.0当量)、続いてp−トルエンスルホン酸(0.1当量)が添加された。混合物は110℃において30〜60分間加熱され、未環化の中間体I2を定量的にもたらした。トルエンが蒸発させられて、エナミン形成反応において生じた水を除去した。新たなトルエンが添加され、混合物は110℃で加熱された。未環化の中間体I2の完全な変換後に、トルエンが蒸発させられた。粗混合物はシリカカラムクロマトグラフィーによって精製されて、環化生成物をもたらした。
【0307】
合成プロトコールDにおいては、未環化の中間体I2がトルエン中に溶解され、トリフルオロ酢酸(1.0当量)が添加された。混合物は150℃においてマイクロ波反応器によって加熱された。未環化の中間体の完全な変換後に、揮発性成分が蒸発させられ、粗混合物はシリカカラムクロマトグラフィーによって精製されて、環化生成物をもたらした。
【0308】
合成プロトコールEにおいては、未環化の中間体I2はトリフルオロ酢酸(0.5M)中に溶解され、混合物は73℃で加熱された。未環化の中間体の完全な変換後に、揮発性成分は蒸発させられた。粗混合物はシリカカラムクロマトグラフィーによって精製されて、環化生成物をもたらした。
【0309】
合成プロトコールFにおいては、未環化の中間体I2がトリフルオロ酢酸(0.5M)中に溶解され、混合物はマイクロ波反応器によって140℃で加熱された。未環化の中間体の完全な変換後に、揮発性成分は蒸発させられた。粗混合物はシリカカラムクロマトグラフィーによって精製されて、環化生成物をもたらした。
【0310】
本明細書に記載される化合物は、スキーム1dに示されている合成プロトコールGに従っても調製され得る。R
3は、−CF
3、イソプロピル、または−CF
3もしくはイソプロピルよりも大きい基である。
【化102】
【0311】
ジオキサン(30mL)中の5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−アミン(化合物G1)(2g、1.0eq)の撹拌された溶液に対して、無水フタル酸(2.15g、1.1eq)が窒素雰囲気下、室温において添加された。反応混合物は24h還流された。揮発性成分が減圧下において蒸発させられ、粗残留物(化合物G2)をもたらした。粗化合物G2は、さらなる精製なしに、そのまま次ステップにおいて用いられた(粗収量3g、収率81%)。
【0312】
ACN(アセトニトリル、50mL)中の粗化合物G2(3g、1.0eq.)の撹拌された溶液に対して、N−ヨードスクシンイミド(NIS、5.04g、2eq.)が窒素雰囲気下、室温において添加された。反応混合物は16h還流され、反応混合物は飽和亜硫酸ナトリウム水溶液によってクエンチされ、EtOAcによって抽出された。有機層が分離され、水および塩水によって洗浄され、Na
2SO
4によって乾燥され、ろ過され、減圧下において濃縮されて、粗化合物G3をもたらした。粗化合物G3は、さらなる精製なしに、そのまま次ステップにおいて用いられた(粗収量3g、収率69%)。
【0313】
トルエン(20mL)中の粗化合物G3(2g、1.0eq.)の撹拌された溶液に対して、エチルビニルエーテル(0.92mL、2eq)および触媒量の濃HCl(5滴)が、窒素雰囲気下、室温において添加された。反応混合物は50℃において30min撹拌された。反応完了後に、反応混合物は飽和NaHCO
3水溶液によってクエンチされ、EtOAcによって抽出された。有機層が分離され、水および塩水によって洗浄され、Na
2SO
4によって乾燥され、ろ過され、減圧下において濃縮されて、粗化合物G4をもたらした。粗化合物G4はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の30%EtOAcによって溶出)によって精製されて、純粋な化合物G4をもたらした(1.88g、収率80%)。
【0314】
溶媒混合物[トルエン(3mL)、水(3mL)、およびエタノール(1mL)]中の、化合物G4(500mg、1eq.)、スキーム1dに示されるボロン酸(230mg、1.5eq.)、Pd(PPh
3)
4(120mg、0.1eq.)、およびK
2CO
3(288mg、2eq.)の混合物が、アルゴンによって脱気され、100℃においてマイクロ波反応器によって1h加熱された。完了後に、反応は水によって希釈され、生成物はEtOAcによって抽出された。有機層が分離され、水および塩水によって洗浄され、Na
2SO
4によって乾燥され、減圧下において濃縮されて、粗化合物G5をもたらした。粗化合物G5はカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の20%EtOAcによって溶出)によって精製されて、化合物G5を含有する複数化合物の混合物をもたらした。単離された混合物のLCMS分析は、56%の化合物G5の所望の質量を示した。粗化合物G5は、さらなる精製なしに、そのまま次ステップにおいて用いられた。
【0315】
メタノール(20mL)中の粗化合物G5(1g、1eq.)の撹拌された溶液に対して、N
2H
4・H
2O(0.5mL、2.8eq.)が添加された。反応混合物は室温において5h撹拌された。完了後に、反応混合物は水によってクエンチされ、生成物がEtOAcによって抽出された。有機層は水および塩水によって洗浄され、Na
2SO
4によって乾燥され、濾過され、減圧下において濃縮されて、粗化合物G6を生じた。粗化合物G6は、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の30%EtOAcによって溶出)によって精製されて、純粋な化合物G6をもたらした(0.6g、収率84%)。
【0316】
トルエン(20mL)中の化合物G6(600mg、1.0eq.)の撹拌された溶液に対して、ジメドン(388mg、1.5eq.)、PTSA(p−トルエンスルホン酸、702mg、2eq.)が窒素雰囲気下、室温において添加された。反応混合物は2h還流された。完了後に(TLCによって監視)、反応は飽和NaHCO
3水溶液によってクエンチされ、EtOAcによって抽出された。有機層が分離され、水および塩水によって洗浄され、無水Na
2SO
4によって乾燥され、減圧下において濃縮されて、粗残留物をもたらした。粗残留物はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM(ジクロロメタン)中の2%MeOHによって溶出)によって精製されて、化合物G7を含有する複数化合物の混合物をもたらした(62.8%の化合物G7の所望の質量および23%のイミン不純物。粗収量240mg、収率34%)。粗化合物G7は、さらなる精製なしに、そのまま次ステップにおいて用いられた。
【0317】
トルエン(10mL)中の粗化合物G7(240mg、1.0eq.)の撹拌された溶液に対して、PTSA(486mg、4eq.)が窒素雰囲気下、室温において添加された。反応混合物は12h撹拌された。完了後に(TLCによって監視)、反応は飽和NaHCO
3水溶液によってクエンチされ、EtOAcによって抽出された。有機層は水および塩水によって洗浄され、無水Na
2SO
4によって乾燥され、減圧下において濃縮されて、粗残留物をもたらした。粗残留物はカラムクロマトグラフィー(DCM中の2%MeOHによって溶出)によって精製されて、純粋な最終化合物68をもたらした(120mg、収率50%)。キラル分離の後に、2つのエナンチオマー、すなわち化合物70および化合物71のそれぞれの40mgが得られた。
9−エチル−1,6,6−トリメチル−9−フェニル−5,6,7,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−8(4H)−オン(89)
【化103】
【0318】
LCMS: m/z 336 [M+H]
+;
1H NMR (300 MHz, MeOD): 7.35 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.16 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 7.01 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 2.52 (s, 2H), 2.2-1.9 (m, 4H), 1.63 (s, 3H), 1.10 (s, 3H), 1.05 (s, 3H), 0.75 (t, J = 7.3 Hz, 3H) ppm.
ラセミ混合物はキラルHPLCによって分離されて、化合物125および化合物126をもたらした。
1,6,6−トリメチル−9−フェニル−9−(トリフルオロメチル)−5,6,7,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−8(4H)−オン(92、93、および94)
【化104】
LCMS: m/z 376 [M+H]
+ ;
1H NMR (300 MHz, CD
3OD): δ 7.4-7.3 (m, 2H), 7.23 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 7.13 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 2.7-2.5 (m, 2H), 2.2-2.0 (m, 2H), 1.47 (s, 3H), 1.09 (s, 3H), 1.08 (s, 3H) ppm.
ラセミ混合物はキラルHPLCによって分離されて、化合物93および化合物94をもたらした。
3−(1,6,6,9−テトラメチル−8−オキソ−4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−9−イル)ベンゾニトリル(95、96、および97)
【化105】
【0319】
LCMS: m/z 347 [M+H]
+;
1H NMR (500 MHz, d
6-DMSO): 11.71 (s, 1H), 9.74 (s, 1H), 7.64 (s, 1H), 7.56 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.38 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 2.42-2.35 (m, 2H), 1.98 (d, J = 30.0 Hz, 1H), 1.89 (d, J = 30.0 Hz, 1H), 1.81 (s, 3H), 1.60 (s, 3H), 0.98 (s, 3H), 0.94 (s, 3H) ppm.
ラセミ混合物はキラルHPLCによって分離されて、化合物96および化合物97をもたらした。
3−(3,4,7,7−テトラメチル−5−オキソ−4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−4−イル)ベンズアミド(90)
【化106】
【0320】
LCMS: m/z 365 [M+H]
+;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 11.62 (s, 1H), 9.64 (s, 1H), 7.87 (bs, 1H), 7.83 (bs, 1H), 7.53 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.39 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.24-7.19 (m, 2H), 2.50-2.40 (m, 2H), 2.04-1.97 (m, 1H), 1.90-1.80 (m, 4H), 1.59 (s, 3H), 0.99 (s, 3H), 0.96 (s, 3H) ppm.
3’,7’,7’−トリメチル−2,3,6',7',8',9'−ヘキサヒドロスピロ[インデン−1,4'−ピラゾロ[3,4−b]キノリン]−5'(2'H)−オン(91)
【化107】
【0321】
LCMS: m/z 334 [M+H]
+;
1H NMR (300 MHz, MeOD): δ 7.25-6.95 (m, 3H), 6.85-6.70 (m, 1H), 3.40-3.25 (m, 1H), 3.20-3.00 (m, 1H), 2.70-2.45 (m, 3H), 2.30-2.00 (m, 3H), 1.57 (s, 3H), 1.09 (s, 3H), 1.07 (s, 3H) ppm.
3',7',7'−トリメチル−6',7',8',9'−テトラヒドロ−2H−スピロ[ベンゾフラン−3,4'−ピラゾロ[3,4−b]キノリン]−5'(2'H)−オン(98)
【化108】
LCMS: m/z 334 [M-H]
- ;
1H NMR (300 MHz, MeOD): δ 7.03 (td, J = 7.1 Hz, J = 1.6 Hz, 1H), 7.80-7-65 (m, 3H), 4.81 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 4.36 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 2.65-2.45 (m, 2H), 2.25-2.05 (m, 2H), 1.71 (s, 3H), 1.09 (s, 6H) ppm.
3',7',7'−トリメチル−3,4,6',7',8',9'−ヘキサヒドロ−2H−スピロ[ナフタレン−1,4'−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5'(2'H)−オン(99)
【化109】
【0322】
LCMS: m/z 346 [M-H]
- ;
1H NMR (300 MHz, MeOD): δ 7.0-6.9 (m, 4H), 3.1-2.9 (m, 1H), 2.85-2.75 (m, 1H), 2.6-2.4 (m, 2H), 2.3-2.0 (m, 4H), 1.90-1.80 (m, 2H), 1.48 (s, 3H), 1, 10 (s, 3H), 1.08 (s, 3H) ppm.
【化110】
【0323】
LCMS: m/z 288 [M+H]
+;
1H NMR (400 MHz, d
6-DMSO): δ 11.61 (s, 1H), 9.24 (s, 1H), 2.55-2.50 (m, 2H), 2.31 (bs, 3H), 2.12-2.05 (m, 5H), 1.38- 1.28 (m, 2H), 1.00 (s, 6H), 0.54 (t, J = 7.2 Hz, 5H) ppm.
【化111】
【0324】
LCMS: m/z 316 [M+H]
+;
1H NMR (300 MHz, CD
3OD): δ 2.65-2.50 (m, 2H), 2.41-2.35 (m, 2H), 2.24-2.10 (m, 5H), 1.47-1.20 (m, 5H), 1.12-0.95 (m, 7H), 0.84-0.72 (m, 6H) ppm.
【化112】
【0325】
LCMS: m/z 286 [M+H]
+;
1H NMR (400 MHz, d
6-DMSO): δ 11.66 (s, 1H), 9.43 (s, 1H), 2.32-2.28 (m, 2H), 2.18-2.12 (m, 5H), 2.10-2.06 (m, 2H), 2.04-1.94 (m, 2H), 1.79 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 1.64- 1.54 (m, 2H), 0.98 (s, 6H) ppm.
【化113】
【0326】
LCMS: m/z 299 [M]
+;
1H NMR (CD
3OD, 300 MHz): δ 2.60-2.40 (m, 5H), 2.25-1.55 (m, 12H), 1.10-1.00 (m, 6H) ppm.
【化114】
【0327】
ESI+ MS: m/z 366 [M+H]
+.
【化115】
【0328】
ESI+ LCMS: m/z 319 (M+H);
1H NMR (400 MHz, d
6-DMSO): δ 13.62 (bs, 1H), 10.17 (s, 1H), 7.25-7.20 (m, 2H), 7.15-7.08 (m, 3H), 5.12 (s, 1H), 2.47-2.40 (m, 2H), 2.15 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 2.00 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 1.02 (s, 3H), 0.97 (s, 3H) ppm.
【化116】
【0329】
LCMS: m/z 308 [M+H]
+;
1H NMR (400 MHz,DMSO-d
6): δ 11.90 (s, 1H), 9.67 (s, 1H), 7.27 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.16 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.08 (s, 1H), 6.99 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 2.44 (s, 2H), 2.05 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 1.97-1.95 (m, 1H), 1.92 (s, 3H), 1.01 (s, 3H), 0.99 (s, 3H) ppm.
ラセミ混合物はキラルHPLCによって分離されて、化合物108および化合物109をもたらした。
【化117】
【0330】
LCMS: m/z 326 [M+H]
+;
1H NMR (300 MHz, CD
3OD): δ 7.36-7.25 (m, 2H), 7.25-7.13 (m, 2H), 7.12-7.00 (m, 1H), 2.50 (bs, 2H), 2.25-1.90 (m, 5H), 1.09 (s, 3H), 1.06 (s, 3H) ppm.
【化118】
【0331】
ESI+ MS: m/z 341 [M]
+.
【化119】
【0332】
LCMS:m/z 386 [M]
+:
1H NMR (400 MHz,DMSO-d
6): δ 12.57 (s, 1H), 9.80 (s, 1H), 7.26 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.16 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.00 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 2.45-2.35 (m, 2H),2.05-2.00 (m, 1H), 1.94 (s, 3H), 1.90-1.85 (m, 1H), 0.99 (s, 3H), 0.95 (s, 3H) ppm.
【化120】
【0333】
ESI+ MS: m/z 348 [M+H]
+;
1H NMR (CD
3OD, 300 MHz): δ 7.36 (d, J = 3.0 Hz, 2H), 7.16 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 7.10-6.98 (m, 1H), 2.52-2.48 (m, 2H), 2.25-2.00 (m, 2H), 2.01 (s, 3H), 1.25-1.00 (m, 1H), 1.08 (s, 3H), 1.08 (s, 3H), 1.04 (s, 3H), 0.80-0.73 (m, 1H), 0.60-0.46 (m, 1H), 0.46-0.26 (m, 1H), 0.26-0.15 (m, 1H) ppm.
ラセミ混合物はキラルHPLCによって分離されて、化合物114および化合物115をもたらした。
【化121】
【0334】
ESI+ MS: m/z 402 [M+H]
+.
【化122】
【0335】
ESI+ MS: m/z 366 ([M+H]
+);
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 11.37 (s, 1H), 9.59 (s, 1H), 7.57-7.51 (m, 1H), 7.11-7.03 (m, 2H), 6.89-6.83 (m, 1H), 2.42 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 2.30 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 2.02 (d, J = 16.0 Hz, 1H) 1.92 (s, 3H), 1.85 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 1.13-1.05 (m, 1H), 0.99 (s, 3H), 0.93 (s, 3H), 0.70-0.65 (m, 1H), 0.51-0.46 (m, 1H), 0.33-0.21 (m, 2H) ppm.
【化123】
【0336】
LCMS: m/z 416 [M+H]
+.
ラセミ混合物はキラルHPLCによって分離されて、化合物130および化合物131をもたらした。
【化124】
【0337】
ESI+ MS: m/z 373 [M+H]
+;
1H NMR (400 MHz, d
6-DMSO): δ 11.55 (s, 1H), 9.76 (s, 1H), 7.66 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.50 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.38 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 2.45 (s, 2H), 2.00 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 1.93-1.88 (m, 1H), 1.93 (s, 3H), 1.18-1.10 (m, 1H), 0.99 (s, 3H), 0.95 (s, 3H), 0.75-0.68 (m, 1H), 0.60-0.52 (m, 1H), 0.37-0.28 (m, 1H), 0.15-0.08 (m, 1H) ppm.
ラセミ混合物はキラルHPLCによって分離されて、化合物132および化合物133をもたらした。
【化125】
【0338】
LCMS: m/z 361 [M]
+.
【化126】
【0339】
LCMS: m/z 397 [M+H]
+;
1H NMR (300 MHz, CD
3OD): δ 7.36 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 7.19 (t, J = 9.0 Hz, 2H), 7.05 (t, 9.0 Hz, 1H), 2.90-2.60 (m, 3H), 2.49 (s, 2H), 2.20- 1.75 (m, 3H), 1.90 (s, 3H), 1.80-1.60 (m, 1H), 1.07 (s, 3H), 1.03 (s, 3H) ppm.
ラセミ混合物はキラルHPLCによって分離されて、化合物127および化合物128をもたらした。
4,7,7−トリメチル−3,4−ジフェニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−2H−ピラゾロ[3,4−b]キノリン−5(4H)−オン(121)
【化127】
【0340】
LCMS: m/z 384 [M+H]
+,
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 7.40-7.25 (m, 3H), 7.26-7.02 (m, 5H), 6.59 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 2.40-2.25 (m, 2H), 2.25-2.00 (m, 2H), 1.81 (s, 3H), 1.06 (s, 3H), 0.99 (s, 3H) ppm.
【化128】
【0341】
LCMS: m/z 321 [M]
+;
1H NMR (300 MHz,DMSO-d
6): δ 11.58 (s, 1H), 9.39 (s, 1H), 7.22-7.10 (m, 3H), 6.88 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 4.08 (dd, J = 3.0, 9.0 Hz, 1H), 2.80-2.60 (m, 1H), 2.50-2.13 (m, 5H), 1.41 (s, 3H), 0.99 (s, 3H), 0.98 (s, 3H) ppm.
【化129】
【0342】
ESI
+ MS: m/z 322 ([M+H]
+):
1H NMR (500 MHz, d
6-DMSO): δ 11.91 (s, 1H), 9.63 (s, 1H), 7.28 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.15 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 7.05 (s, 1H), 7.01-6.97 (m, 1H), 2.92-2.88 (m, 1H), 2.50-2.42 (m, 2H), 2.07-1.97 (m, 3H), 1.04 (s, 3H), 1.02 (s, 3H), 0.65 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ppm.
【化130】
【0343】
ESI
+ MS: m/z 333 ([M+H]
+):
1H NMR (400 MHz, CD
3OD): δ 7.72-7.64 (m, 2H), 7.01 (s, 1H), 2.60-2.50 (m, 1H), 2.16 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 2.08 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 1.98 (s, 3H), 1.10 (s, 3H), 1.07 (s, 3H) ppm.
【化131】
【0344】
ESI
+ MS: m/z 376 ([M+H]
+);
1H NMR (500 MHz, d
6-DMSO): δ 12.01 (s, 1H), 9.81 (s, 1H), 7.60 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.53 (s, 1H), 7.45-7.36 (m, 2H), 7.17 (s, 1H), 2.50-2.40 (m, 2H), 2.08(d, J = 15.5 Hz, 1H), 1.93 (s, 3H), 1.94-1.90 (m, 1H), 1.01 (s, 3H), 0.97 (s, 3H) ppm.
【化132】
【0345】
ESI
+ MS: m/z 382 ([M+H]
+);
1H NMR (400 MHz, d
6-DMSO): δ 11.32 (s, 1H), 9.66 (s, 1H), 7.75 (dd, J = 1.2 Hz, 7.6 Hz, 1H), 7.27-7.21 (m, 1H), 7.17-7.13 (m, 1H), 7.11- 7.05 (m, 1H), 2.42-2.26 (m, 2H), 2.01-1.84 (m, 5H), 0.99 (s, 3H), 0.98 (s, 3H), 0.95-0.8 7(m, 1H), 0.64-0.55 (m, 1H), 0.53-0.45 (m, 1H), 0.25-0.14 (m, 2H) ppm.
【0346】
他の化合物:本明細書に記載される任意の他の化合物は、上記の方法と同様にして作製され得る。それらは、UPLCによって下記のように分析され得る。
【0347】
保持時間UPLC法
化合物の純度および正体は、UPLC−MS(ウォーターズ社、ミルフォード、マサチューセッツ州)によって確認された。純度は210nmのUV吸光度によって測定された。正体は、SQ質量分析計によって、正および負のエレクトロスプレーイオン化によって確認された。移動相Aは水中の0.1%水酸化アンモニウムまたは0.1%トリフルオロ酢酸からなり、移動相Bはアセトニトリル中の同じ添加物からなった。勾配は5%から95%移動相Bまで、0.8分かけて0.45mL/minで行った。Acquity BEH C18(1.7um、1.0×50mm)カラムが用いられ、カラム温度は65℃に維持された。化合物はDMSO中に1mg/mLの公称濃度で溶解され、この溶液の0.25μLが注入された。
【0348】
さらなる分析試験
溶解度:
溶解度は、1%DMSOを含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、pH7.4によって測定された。各化合物は、2重反復、100μΜで、100%DMSO中および1%DMSOを含むPBS中の両方に調製された。化合物は、室温において250rpmの旋回振盪をしながら、24時間平衡化された。平衡化後に、試料はUPLC−MS(ウォーターズ社、ミルフォード、マサチューセッツ州)によって分析され、化合物はシングル四重極質量分析計のSIR検出によって検出された。2点校正曲線を作成するためにDMSO試料が用いられ、これに対してPBSの反応がフィッティングされた。結果は表3に示されている。
【0349】
PBS安定性:
安定性が、0.1%DMSOを含むPBS(pH7.4)の存在下において測定された。各化合物は2重反復で6個のプレートに調製され、室温において250rpmの旋回振盪をしながら48時間平衡化された。1個のプレートが各時点(0、2、4、8、24、および48時間)において分離された。アリコートが各ウェルから分離され、UPLC−MS(ウォーターズ社、ミルフォード、マサチューセッツ州)によって分析された。化合物は、シングル四重極質量分析計のSIR検出によって検出された。さらに、各時点の残りの材料に対してアセトニトリルが添加されて、化合物の溶解を起こさせた(化合物の回収率を調べるため)。これのアリコートもUPLC−MSによって分析された。
【0350】
GSH安定性:
安定性が、0.1%DMSOを含むPBS(pH7.4)μΜおよび50μΜグルタチオンの存在下において測定された。各化合物は2重反復で6個のプレートに調製され、室温において250rpmの旋回振盪をしながら48時間平衡化された。1個のプレートが各時点(0、2、4、8、24、および48時間)において分離された。アリコートが各ウェルから分離され、UPLC−MS(ウォーターズ社、ミルフォード、マサチューセッツ州)によって分析された。化合物はシングル四重極質量分析計のSIR検出によって検出された。さらに、各時点の残りの材料に対してアセトニトリルが添加されて、化合物の溶解を起こさせた(化合物の回収率を調べるため)。これのアリコートもUPLC−MSによって分析された。
【0351】
血漿蛋白質結合度:
血漿蛋白質結合度が、平衡透析によって、高速平衡透析(RED)装置(Pierce Biotechnology社、ロックフォード、イリノイ州)を用い、ヒトおよびマウス血漿の両方について測定された。各化合物は、血漿(0.95%アセトニトリル、0.05%DMSO)中に5μΜ、2重反復で調製され、メンブレンの一方の側に加えられた(200μl)。PBS(pH7.4)が他方の側に加えられた(350μl)。化合物は37℃において5時間、250rpmの旋回振盪をしながらインキュベーションされた。インキュベーション後に、試料はUPLC−MS(ウォーターズ社、ミルフォード、マサチューセッツ州)によって分析された。化合物は、シングル四重極質量分析計のSIR検出によって検出された。結果は表3に示されている。
【0352】
血漿中安定性:
血漿中安定性は、37℃、5時間において、ヒトおよびマウス血漿の両方によって測定された。各化合物は、PBS(pH7.4)(0.95%アセトニトリル、0.05%DMSO)によって50/50(v/v)希釈された血漿中に5μΜ、2重反復で調製された。化合物は37℃において5時間、250rpmの旋回振盪をしながらインキュベーションされた。時点は0および5時間にとられた。試料はUPLC−MS(ウォーターズ社、ミルフォード、マサチューセッツ州)によって分析され、化合物はシングル四重極質量分析計のSIR検出によって検出された。結果は表3に示されている。
【0353】
1次HTS
GSK3βの1次スクリーニングは、2.5nL/ウェルの10mM化合物を含有するアッセイレディ1536プレート(Aurora社29847)によって行われた。バキュロウイルス系によってGST融合物として発現されたヒトGSK3βが、BPS Bioscience社(サンディエゴ、カリフォルニア州)から購入された。GSK3βのペプチド基質はAmerican Peptide社(サニーベール、カリフォルニア州、カタログ番号311153)から得た。1μL/ウェルのCABPE(22.5nMのGSK3β、8μΜペプチド、AB緩衝液(12.5mMのDTT、0.25mg/mLのBSA、0.5ユニット/mLヘパリン)中)、0.5μL/ウェルの125μΜのATP、および1μl/ウェルの正の対照50μΜのGW8510(正の対照)またはAB(DMSOのみの中立対照)が、各ウェル中。BioRAPTR(ベックマン、ブレア、カリフォルニア州)を用い、プレートの設計に従った。反応は室温において60分間インキュベーションされた。2.5μl/ウェルのADP-Glo(プロメガV9103)がBioRAPTRによって添加され、室温において40分間インキュベーションされた後に、5μl/ウェルのADP-Glo検出試薬(プロメガV9103)のCombi nL(サーモ、ウォルサム、マサチューセッツ州)による添加が行われ、室温において30分間インキュベーションされた。プレートは、ViewLux(パーキンエルマー、ウォルサム、マサチューセッツ州)によってルミネッセンスを読み取られた。データは、正の対照および中立対照を用いてスケーリングされ、下記のようにIC
50を求めるためにフィッティングされた。
【0354】
1μL/ウェルのCABPE、0.5μlのATP、および1μlの正の対照GW8510またはABが、BioRAPTR(ベックマン)を用いて、2.5nL/ウェルの10mM化合物を含有する1536ウェルのアッセイレディプレート(Aurora社29847)に対して、プレートの設計に従って各ウェルに分注されて、反応を開始した。プレートは室温において60分間インキュベーションされた。2.5μl/ウェルのADP-Glo(プロメガV9103)がBioRAPTRによって添加され、プレートは室温において40分間インキュベーションされた。5μl/ウェルのADP-Glo(プロメガV9103)がCombi nL(サーモ)によって添加され、プレートは室温において30分間インキュベーションされた。プレートは、ViewLux(パーキンエルマー)によってルミネッセンスを読み取られた。
【表2】
【0355】
確認試験
確認試験は、上記1次HTSの活性な化合物、およおびそれらの陰性アナログの一部の再試験であった。試験は1次スクリーニングと同様に行われた。ただし、化合物は、複数の用量で反復して試験された。
【0356】
1μL/ウェルのCABPE、0.5μLのATP、および1μLの正の対照GW8510またはABが、BioRAPTR(ベックマン)を用いて、2.5nL/ウェルの10mM化合物を含有する1536ウェルアッセイレディプレート(Aurora社29847)に対して、プレートの設計に従って各ウェルに分注されて、反応を開始した。プレートは室温において60分間インキュベーションされた。2.5μl/ウェルのADP-Glo(プロメガV9103)がBioRAPTRによって添加され、プレートは室温において40分間インキュベーションされた。5μl/ウェルのADP-Glo(プロメガV9103)がCombi nL(サーモ)によって添加され、プレートは室温において30分間インキュベーションされた。プレートはViewLux(パーキンエルマー)によってルミネッセンスを読み取られた。
【表3】
【0357】
ADP-Glo試薬のカウンタースクリーニング
ADP-Glo試薬のカウンタースクリーニングは、ADP-Glo検出系の阻害による偽陽性を同定するためである。5μΜのADPの2.5μLが、60分間、室温において複数用量の化合物と一緒にインキュベーションされた。2.5μL/ウェルのADP-Glo(プロメガV9103)がBioRAPTRによって添加され、室温において40分間インキュベーションされた後に、5μL/ウェルのADP-Glo検出(プロメガV9103)のCombi nL(サーモ、ウォルサム、マサチューセッツ州)による添加が行われ、室温において30分間インキュベーションされた。プレートは、ViewLux(パーキンエルマー、ウォルサム、マサチューセッツ州)によってルミネッセンスを読み取られた。データは、正の対照および中立対照を用いてスケーリングされ、下記のようにIC
50を求めるためにフィッティングされた。
【0358】
5μΜのADPまたは緩衝液ABの2.5μLが、プレートの設計(Aurora社29847)に従って、1536ウェルアッセイレディプレートのウェルに分注された。これはLabcyte Echoを用いる音響的移送によって作製され、複数用量の化合物の7.5nL/ウェルを含有する。2.5μl/ウェルのADP-Glo(プロメガV9103)がCombi nL(サーモ)によって添加され、プレートは、室温において40分間インキュベーションされた。5μL/ウェルのADP-Glo(プロメガV9103)がCombi nL(サーモ)によって添加された。プレートは室温において35分間インキュベーションされた。プレートはViewLux(パーキンエルマー)によってルミネッセンスを読み取られた。
溶液:
AB:25mMトリスCl(pH7.5)、10mMのMgCl
2
ADP:5μΜのADP(AB中、プロメガV9103の一部)
【0359】
選ばれた化合物の単一点における阻害分析(カルナバイオサイエンス)
簡潔には、複数化合物の選ばれたものが、10μΜという単一濃度においてキナーゼのパネルに対してスクリーニングされた。キナーゼはキノームの全てのファミリーから選択され、合計では全キノームの60%に相当した(合計311個のキナーゼがスクリーニングされたため)。これは、試験されるキナーゼに応じて、2つの試験のうち1つを用いて完了された。
【0360】
試験化合物は、ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解および希釈されて、100×試料溶液を作製した。これらは、次に、試験緩衝液によって4×試料溶液まで希釈されて、最終的な試験化合物溶液を作製した。試験対照用の参照化合物は同様に調製された。
【0361】
IMAP試験:4×阻害剤(5μL)、4×基質/ATP/金属溶液(5μL)、および2×キナーゼ溶液(10μL)の溶液が、試験緩衝液(20mMのHEPES、0.01%Tween−20、2mMのDTT、pH7.4)によって調製され、384ウェルブラックプレート中において、1時間室温で混合/インキュベーションされた。IMAP結合試薬の溶液(IMAPスクリーニング・エクスプレスキット、Molecular Devices社)(60μL)が各ウェルに添加され、30分間インキュベーションされた。キナーゼ活性のレベルが、次に、各ウェルの485nM(exc)および530nM(emm)における蛍光偏光によって評価された。
【0362】
オフチップ移動度シフト試験(MSA):4×阻害剤(5μL)、4×基質/ATP金属溶液(5μl)、および2×キナーゼ溶液(10μl)の溶液が、試験緩衝液(20mMのHEPES、0.01%TritonX−100、2mMのDTT、pH7.5)によって調製され、室温において、検査されるキナーゼに応じて1または5時間、384ウェルプレート中で混合/インキュベーションされた。終結緩衝液(QuickScout Screening assist MSA、カルナバイオサイエンス社)の溶液(60μl)が、各ウェルに添加された。反応混合物全体は次にLabChip3000システム(キャリパーライフサイエンス社)に加えられ、産物および基質ペプチドのピークが分離され、定量された。キナーゼ活性の評価が、次に、産物(P)および基質(S)ペプチドの計算されたピーク高さの比(P/(P+S))に基づいて特定された。
【0363】
選ばれたキナーゼに対する選ばれた化合物の用量反応IC
50測定
複数化合物の選ばれたものが、絶対阻害活性を測定するために、単一点における阻害能に基づくキナーゼの選ばれたパネルに対してスクリーニングされて、選択性の測定をもたらした。用いられた試験は、単一点における阻害活性測定(MSA)のものと同じであったが、用量反応として行われた。4×阻害剤(5μl)、4×基質/ATP金属溶液(5μL)、および2×キナーゼ溶液(10μL)の溶液が、試験緩衝液(20mMのHEPES、0.01%TritonX−100、2mMのDTT、pH7.5)によって調製され、室温において、キナーゼに応じて1または5時間、384ウェルプレート中で混合/インキュベーションされた。終結緩衝液(QuickScout Screening assist MSA、カルナバイオサイエンス)の溶液(60μL)が各ウェルに添加された。反応混合物全体が、次にLabChip3000システム(キャリパーライフサイエンス)に加えられた。産物および基質ペプチドのピークが分離され、定量された。キナーゼ活性の評価が、次に、産物(P)および基質(S)ペプチドの計算されたピーク高さの比に基づいて確認された(P/(P+S))。
【0364】
タウリン酸化および全タウ試験
別段の定めがない限り、SH−SY5Y細胞が、10%熱不活性化FBSおよび1%ペニシリン・ストレプトマイシン(インビトロジェン)を添加されたDMEM中において維持された。リン酸化タウ(Serl99)および全タウ検出のためのELISAキットは、インビトロジェンから購入された(それぞれKHB0041およびKHB7041)。簡潔には、SH−SY5Y細胞が50,000細胞/200μL/ウェルで96ウェルプレートに播種され、一晩のインキュベーション後に、0.2μg/ウェルの化合物の種々の添加によって処理された。翌日に、細胞はPBSによって2回洗浄された後に、100μlの溶解緩衝液/ウェルによって溶解された。各試料の細胞溶解物の50μlが、捕捉抗体によってコーティングされたELISAバイアルに移された。混合物は室温において2時間インキュベーションされた後に、上清がアスピレーションされ、各バイアルは4回洗浄された。100μlの検出抗体が次に各ウェルに添加され、1時間インキュベーションされ、次に4回洗浄された。リン酸化タウおよび全タウの量が、100μlの抗ウサギIgG西洋ワサビペルオキシダーゼの使用溶液を各ウェルに添加することによって、測定された。450nMにおける各ウェルの吸光度はEnVision(パーキンエルマー、ウォルサム、マサチューセッツ州)によって読み取られた。データは、正の対照および中立対照を用いてスケーリングされ、IC
50を求めるためにフィッティングされた。
【0365】
SH−SY5Yヒト神経芽細胞腫細胞において全タウ蛋白質およびリン酸化タウ(Serl99)蛋白質を定量するための免疫試験キットを用いる標準的なプロトコールが、用いられた。ヒトタウ(全)ELISAキット(#KHB0041)およびヒトリン酸化タウ(Serl99)ELISAキットは、インビトロジェンから購入された(#KHB7041)。
【0366】
50,000個の細胞が、細胞培地中、200μl/ウェルで播種された(250,000細胞/ml)。細胞は、37℃において一晩インキュベーションされた。細胞は阻害剤の適切な用量によって誘導され、37℃において約24時間インキュベーションされた。細胞溶解物は、冷PBSによって細胞を1回洗浄し、100μlの冷溶解緩衝液を加えることによって回収された。激しく上下にピペッティングする。溶解物は96ウェルPCRプレートに移され、4,000rpmで20分間、4℃において遠心された。
【0367】
ヒトタウ(全)標準が、1300μLの標準希釈緩衝液によって水戻しされた。標準の連続希釈が次表に従って行われた。
【表4】
【0368】
ヒトpタウ(Serl99)標準が、1730μlの標準希釈緩衝液によって水戻しされ、穏やかに混合され、10分間静置された。標準の連続希釈が次表に従って行われた。
【表5】
【0369】
ヒトタウ(全)およびヒトpタウ(Serl99)の両方に対する抗ウサギIgG−HRPが、室温に達するようにすることによって希釈された。次に次表を用いる。
【表6】
【0370】
洗浄緩衝液が、次に従って25×濃縮物から希釈された。
洗浄緩衝液の量=(x)*(8)*(400)*(4)*(3)
式中、x=ELISAプレートのストリップ数
【0371】
脱イオン水によって24倍希釈した(すなわち、120mlの水中に5mlの濃縮物)。
【0372】
ウェルストリップが温められ、枠に挿入された。100μLの標準希釈緩衝液がゼロのウェルに入れられ、100μlの各標準濃度(全タウおよびpタウ)が2重反復でウェルに入れられた。試料は、全タウについて分析されようとする各ウェルに入れられ、85μlの標準希釈緩衝液および15μlの細胞溶解物が添加された。pタウ(Serl99)について分析されようとする各ウェルには、50μlの標準希釈緩衝液+50μlの細胞溶解物が添加された。プレートは、混合するために側面を軽く叩かれた。一部のウェルは、クロモゲンのブランク用に空のまま残された。プレートは蓋をされ、室温において2時間インキュベーションされた。ウェルは4回アスピレーションされた(400μLの希釈された洗浄緩衝液、30秒間放置、全てのウェルをアスピレーション。または、自動プレート洗浄機を用い、各サイクル間の30秒間ホールドにプログラムした)。100μlの検出抗体溶液が、クロモゲンのブランクを除く各ウェルに添加された。抗全タウは、全タウについて分析されようとするウェルに添加された。抗pタウ(Serl99)は、pタウ(Serl99)について分析されようとするウェルに添加された。プレートは、混合するために側面を軽く叩かれた。プレートは蓋をされ、室温において1時間インキュベーションされた。次に、ウェルはアスピレーションされ、上記のように4回洗浄された。100μlの抗ウサギIgG−HRPの使用溶液(予め調製された)が、クロモゲンのブランクを除く各ウェルに添加された。プレートは蓋をされ、室温において30分間インキュベーションされ、次にウェルはアスピレーションされ、上記のように4回洗浄された。100μlの安定化されたクロモゲンが各ウェルに添加された(液は青色に変わった)。プレートは暗所で室温において30分間インキュベーションされ、次に、100μlの停止溶液が各ウェルに添加された。プレートは、混合するために側面を軽く叩かれた。各ウェルの吸光度が450nmにおいて読み取られた(停止溶液を添加して2時間以内)。
【0373】
βカテニンの核局在試験
2つの相補的なβ−ガラクトシダーゼ断片(一部分はβカテニン上、他方は細胞核内に構成的に発現)を安定に発現するU2−OS細胞が、10%FBSを添加したDMEM/F12によって維持された。βカテニンが核に移行すると、相補的な断片同士が完全なβ−ガラクトシダーゼを形成する。その量は、次に、β−ガラクトシダーゼ活性によって定量される(DiscoveRx)。細胞が、10%FCS、100U/mlペニシリン、および100μg/mLストレプトマイシンを含有する20μlのDMEM/F12中において、10,000/ウェルで、384ウェルCulturPlate(パーキンエルマー社、ボストン、マサチューセッツ州)に播種された。37℃における一晩のインキュベーション後に、細胞は100nL試験化合物/ウェルによって刺激され、次に、インキュベータに6h戻された。細胞は、供給者によって指定された組成のPathHunter検出キットの12μlの基質含有溶解緩衝液を用いて、破砕された(DiscoveRx)。プレートは、EnVisionプレートリーダー(パーキンエルマー、ウォルサム、マサチューセッツ州)によるβ−ガラクトシダーゼ活性(ルミネッセンス)の測定前に、室温において1h、暗所でインキュベーションされた。プレートと検出器との間の距離は0.2mmであった。測定時間(s)=0.1、グロー(CT2)補正係数=0。
【0374】
TCF/LEFレポーター試験
HEK293−pBARL細胞がHEK293細胞から派生体化された。それらは、12コピーのTCF/LEF結合配列を含有するプロモーターによって駆動されるホタルルシフェラーゼレポーター遺伝子を安定に発現した。それらの細胞は、10%FBSおよび1%ペニシリン・ストレプトマイシンを添加したDMEM(インビトロジェン社)によって維持された。レポーター遺伝子試験は抗生物質不含培地中において行われた。TCF/LEFレポーター遺伝子活性は、既報の通り試験された(Pan et al., 2011, Neuropsychopharmacology)。それらの細胞は、ユビキタスなEF1αプロモーターによって駆動されるウミシイタケルシフェラーゼレポーター遺伝子も、対照として含有した。HEK293−pBarlレポーター細胞株が、384ウェル培養プレート(コーニング)に6000細胞/ウェルで播種された。プレート播種の24時間後に、細胞は各化合物によって一晩処理され、DualGlo試験キット(プロメガ)を用いて試験された。ルミネッセンス強度がEnVision(パーキンエルマー、ウォルサム、マサチューセッツ州)によって読み取られた。ホタルルシフェラーゼ強度はウミシイタケルシフェラーゼ強度によって正規化されている。詳細なプロトコールは以下に記載されている。
【0375】
試薬:プロメガのDual-Gloルシフェラーゼ試薬(E2940)(ルシフェラーゼ緩衝液、ルシフェラーゼ基質、Stop & Gloルシフェラーゼ緩衝液、Stop & Gloルシフェラーゼ基質)、プレートの種類:コーニング384ウェル(白)、TC処理済み培養プレート(3707)
【0376】
細胞は384ウェルプレート中で適切な密度まで培養された(40μlの合計プレート播種体積)。プレート播種の24時間後に、細胞は100nlの化合物によって処理された。化合物とのインキュベーションの24時間後(プレート播種の48時間後)、試薬が、ルシフェラーゼ試験溶液をルシフェラーゼ基質と、Stop & Glo溶液をStop & Glo基質に混合することによって調製された(余分な試薬は将来的な使用のために分割されて凍結され得、少なくとも1回の凍結/融解サイクルでは安定である)。培地体積の1/4に等しいルシフェラーゼ試薬の量が各ウェルに添加された(例えば、各ウェルに40μlの384ウェルプレートでは、10μlが添加されて50μlの最終体積をもたらした)。プレートはスピンダウンされ、シグナル安定化のための10分間が与えられた。パーキンエルマー社EnVisionによるルシフェラーゼシグナル、次のパラメータを用いる。プレートと検出器との間の距離(mm)=0.2、測定時間(s)=0.1、グロー(CT2)補正係数=0。初期データが安定したら、先に添加されたルシフェラーゼ試薬の体積と等しい Stop & Gloの量が、各ウェルに等しく添加された(10μLのルシフェラーゼ試薬が添加された場合には、10μLのStop & Gloがさらに添加された)。プレートはスピンダウンされ、シグナルの安定化のために10分間が与えられた。プレートは、上で詳述されたパラメータを用いてEn Visionによって読み取られた。
【0377】
2次表面プラズモン共鳴親和性測定
抗GST抗体(GEヘルスケアライフサイエンス)の約20,000共鳴単位(RU)が、T100ソフトウェアパッケージの固定化ウィザードを用いて、Biacore T100装置の新しい調整したてのCM5センサーチップ(GEヘルスケアライフサイエンス)のフローセル(FC)1およびFC2上に固定化された。約1,200RUの組み換えGST(GEヘルスケアライフサイエンス)が、次に、T100ソフトウェアパッケージの捕捉ウィザードプロトコールを用いて、FC1において捕捉された。FC1は、参照値の控除点としてこれおよび全てのSPR試験に用いられる。約2,500RUの組み換えGST−GSK3βが、次に、T100ソフトウェアパッケージの捕捉ウィザードプロトコールを用いて、FC2において捕捉された。FC2はアクティブフローセルとして、これおよび全てのSPR試験に用いられる。検体プレートは、2%DMSOの最終濃度、2×の希釈係数による検体の最終濃度10μΜ〜10nMを含有するTBS緩衝液中において用量反応的に作製された。0値は、2%DMSOのみを含有し検体を含有しない緩衝液の注入を行うことによって測定された。全ての注入は2重反復で行われ、FC1から参照値を控除される。60秒間の接触時間および60秒間の洗浄時間、30μl/minの流速からなる方法が案出された。DMSOの値の内部標準曲線が、TBSランニング緩衝液中の1、1.25、1.5、2、2.25、2.5、および3%DMSOからなるDMSOの7回の注入によって作成された。化合物の分析は、Biacore T100評価ソフトウェアパッケージの1:1結合モデルおよび親和性測定を用いて行われた。
【0378】
緩衝液の作製:
PBS:900mLの濾過済みDI水を100mLの10×PBS緩衝溶液(インビトロジェン)と混合した。
自前のTBS:1.21gのTrisおよび8.7gのNaClを950mLの濾過済みDI水に加えた。pHが、6MのHClを用いて7.35に調節された。1000mLの印まで満たした。濾過し、900mLを1つのボトルに回収し、濾過し、100mLを第2のボトルに回収した。450μlのP20界面活性剤(GEヘルスケアライフサイエンス)をボトル1に添加し、50μlのP20活性剤をボトル2に添加し、完全に混合した。18mLの緩衝液をボトル1からボトル2に移して、TBSランニング緩衝液を作製した。18mLのDMSO(アルドリッチ)をボトル1に加えて、2%DMSOランニング緩衝液を作製した。
【0379】
GSK3βのCM5センサーチップの作製:
新しいチップの調整:PBS固定化緩衝液が緩衝液棚に入れられ、緩衝液ラインAを挿入する。未使用のCM5センサーチップがユーザーマニュアルに従って装置に入れられた。チップは、30μl/minの6分間の緩衝液注入によってプライミングされた。マニュアル運転が開始され、フローセル(FC)1および2に、交互のリシン緩衝液(GEヘルスケアライフサイエンス)および水酸化ナトリウム緩衝液(GEヘルスケアライフサイエンス)の注入液(流速30μl/min、30秒間/注入)を注入した。
抗GST抗体の固定化:上記のように再びチップをプライミングした。4.5μlの抗GST抗体(GEヘルスケアライフサイエンス、GSTキャプチャーキット)を95.5μlの固定化緩衝液(GEヘルスケアライフサイエンス、GSTキャプチャーキット)と混合することによって、抗GST抗体溶液を作製した。溶液を700μlの小バイアルに入れ、蓋をする。繰返した。両方のバイアルをBiacore T100装置の試薬ラック1に入れ、ユーザーマニュアルに従って装置に挿入した。Biacore T100ソフトウェアの固定化ウィザードプロトコールを用いて、抗GST抗体の固定化を開始した。約20,000共鳴単位(RU)の抗GST抗体をFC1およびFC2上に固定化した。参照およびアクティブ蛋白質をそれぞれFC1およびFC2において捕捉する。PBS固定化緩衝液を緩衝液ラックから除去し、TBS(2%DMSO)ランニング緩衝液と交換する。緩衝液ラインAを挿入した。プライミングの手順を繰返した。GST蛋白質溶液を、2μLの組み換えGST(GEヘルスケアライフサイエンス、GSTキャプチャーキット)と98μLのTBS(2%DMSO)緩衝液とを混合することによって作製した。GST−GSK3β蛋白質溶液を、5μlの組み換えGST−GSK3βと95μlのTBS(2%DMSO)ランニング緩衝液とを混合することによって作製した。GST蛋白質溶液を試薬ラック1の位置B1に置いた。GST−GSK3β蛋白質溶液を試薬ラック1の位置C1に置いた。マニュアル注入運転を開始し、30秒間、5μl/minでGST蛋白質溶液をFC1に注入して、参照用フローセルを作製する。マニュアル注入運転を開始し、30秒間、5μl/minでGST−GSK3β蛋白質溶液をFC2に注入して、アクティブフローセルを作製する。約1000RUのGST蛋白質をFC1において捕捉した。約2500RUのGST−GSK3β蛋白質をFC2において捕捉した。
【0380】
低分子GSK3β阻害剤の分析:
検体プレートが、試験用に作製された。標準的な深型384ウェルプレートを用いて、所望の検体の10μΜのTBS(2%DMSO)溶液の100μlを、ウェルA1およびA2に入れた。所望の検体の5μΜのTBS(2%DMSO)溶液の100μlを、ウェルA3およびA4に入れた。100μlのTBS(2%DMSO)溶液、所望の検体の2.5μm溶液を、ウェルA5およびA6に入れた。これらのステップを、ウェルA21およびA22の10nMまで、連続希釈した検体によって繰返した。100μlのTBS(2%DMSO)ランニング緩衝液をウェルA23およびA24に入れた。以降の検体にもステップを繰返した。検体プレートをユーザーマニュアルに従ってBiacore T100に入れた。次からなる方法を作成した。FC1およびFC2への検体注入と参照値の控除、検体の30μl/minの流速、検体の60秒間の接触時間、ランニング緩衝液の60秒間の洗浄時間、TBSランニング緩衝液中の1、1.5、1.75、2、2.5、2.75、および3%DMSOを用いるDMSO標準曲線作成。化合物の分析が行われ、化合物は、Biacore T100ソフトウェアの親和性測定オプションを用いるKD測定に従って順位付けされた。
【0381】
CK1δのCM5センサーチップの作製:
約20,000共鳴単位(RU)の抗GST抗体(GEヘルスケアライフサイエンス)が、T100ソフトウェアパッケージの固定化ウィザードを用いて、Biacore T100装置の新しい調整したてのCM5センサーチップ(GEヘルスケアライフサイエンス)のフローセル(FC)1およびFC2上に固定化された。約1,500RUの組み換えGST(GEヘルスケアライフサイエンス)が、次に、T100ソフトウェアパッケージの捕捉ウィザードプロトコールを用いて、FC1において捕捉された。FC1は、参照値の控除点としてこれおよび全てのSPR試験に用いられる。約2,700RUの組み換えGST−CK1δが、次に、T100ソフトウェアパッケージの捕捉ウィザードプロトコールを用いて、FC2において捕捉された。FC2は、これおよび全てのSPR試験においてアクティブフローセルとして用いられる。検体プレートは、2%DMSOの終濃度、検体の終濃度10μΜ、100μΜ、および10μΜを含有するTBS緩衝液において、用量反応的に作製された。0値は、2%DMSOのみを含有し検体を含有しないランニング緩衝液の注入によって測定された。全ての注入は2重反復で行われ、FC1から参照値を控除される。60秒間の接触時間および60秒間の洗浄時間、30μl/minの流速からなる方法が用いられた。DMSOの値の内部標準曲線が、DMSOの7種類の注入によって作成された。これは、TBSランニング緩衝液中の1、1.25、1.5、2、2.25、2.5、および3%DMSOからなった。化合物の分析は、Biacore T100評価ソフトウェアパッケージの1:1結合モデルおよび親和性測定を用いて行われた。
【0382】
CK1δのCM5センサーチップの作製:
新しいチップの調整:PBS固定化緩衝液が緩衝液棚に入れられ、緩衝液ラインAを挿入する。未使用のCM5センサーチップが、ユーザーマニュアルに従って装置に入れられた。チップは、30μl/minの6分間の緩衝液の注入によってプライミングされた。マニュアル運転が開始され、フローセル(FC)1および2に、交互のリシン緩衝液(GEヘルスケアライフサイエンス)および水酸化ナトリウム緩衝液(GEヘルスケアライフサイエンス)の注入液(流速30μl/min、30秒/注入)を注入した。
【0383】
抗GST抗体の固定化:
上記のように再びチップをプライミングした。抗GST抗体溶液を、4.5μlの抗GST抗体(GEヘルスケアライフサイエンス、GSTキャプチャーキット)と95.5μlの固定化緩衝液(GEヘルスケアライフサイエンス、GSTキャプチャーキット)とを混合することによって作製した。溶液を700μlの小バイアルに入れ、蓋をする。繰返した。両方のバイアルをBiacore T100装置の試薬ラック1に入れ、ユーザーマニュアルに従って装置に挿入する。抗GST抗体の固定化を、Biacore T100ソフトウェアの固定化ウィザードプロトコールを用いて開始した。約20,000共鳴単位(RU)の抗GST抗体を、FC1およびFC2上に固定化した。参照およびアクティブ蛋白質を、それぞれFC1およびFC2において捕捉する。PBS固定化緩衝液を緩衝液ラックから取り出し、TBS(2%DMSO)ランニング緩衝液と交換する。緩衝液ラインAを挿入した。プライミングの手順を繰返した。GST蛋白質溶液を、2μLの組み換えGST(GEヘルスケアライフサイエンス、GSTキャプチャーキット)を98μlのTBS(2%DMSO)緩衝液と混合することによって作製した。GST−CK1δ蛋白質溶液を、5μlの組み換えGST−CK1δを95μlのTBS(2%DMSO)ランニング緩衝液と混合することによって作製した。GST蛋白質溶液を試薬ラック1の位置B1に入れた。GST−CK1δ蛋白質溶液を試薬ラック1の位置C1に入れた。マニュアル注入運転を開始し、30秒間、5μl/minでGST蛋白質溶液をFC1に注入して、参照用フローセルを作製する。マニュアル注入運転を開始し、30秒間、5μl/minでGST−GSK3β蛋白質溶液をFC2に注入して、アクティブフローセルを作製する。約1500RUのGST蛋白質をFC1において捕捉した。約2700RUのGST−CK1δ蛋白質をFC2において捕捉した。
【0384】
低分子CK1δリガンドの分析:
検体プレートが試験のために作製された。標準的な深型384ウェルプレートを用いて、TBS(2%DMSO)溶液中の10μΜ検体の100μlをウェルA1およびA2に入れた。TBS(2%DMSO)溶液中の50nΜ検体の100μlをウェルA3およびA4に入れた。TBS(2%DMSO)溶液中の10nΜ検体の100μlをウェルA5およびA6に入れた。100μLのTBS(2%DMSO)ランニング緩衝液をウェルA7およびA8に入れた。以降の検体もステップを繰返した。検体プレートを、ユーザーマニュアルに従ってBiacore T100に入れた。次からなる方法を作成した。FC1およびFC2への検体注入と参照値の控除、30μl/minの検体の流速、60秒間の検体の接触時間、60秒間のランニング緩衝液の洗浄時間、TBSランニング緩衝液中の1、1.5、1.75、2、2.5、2.75、および3%DMSOを用いるDMSO標準曲線作成。化合物の分析が行われ、化合物は、Biacore T100ソフトウェアの親和性測定オプションを用いるKD測定に従って順位付けされた。
【0385】
GSK3βのマイクロ流体移動度シフト試験
精製されたGSK3βが、複数用量の試験化合物と一緒に、4.3μΜのATPおよび1.5μΜペプチド基質(キャリパーのペプチド15)の存在下において、60分間、室温、384ウェルプレート(Seahorse Bioscience社、マサチューセッツ州)中において、試験緩衝液(100mMのHEPES(pH7.5)、10mMのMgCl
2、2.5mMのDTT、0.004%Tween−20、および0.003%Briji−35を含有した)中でインキュベーションされた。反応は10mMのEDTAの添加によって終結させられた。基質および産物は電気泳動的に分離され、基質および産物の蛍光強度がLabchip EZリーダーII(キャリパーライフサイエンス社、マサチューセッツ州)によって測定された。キナーゼ活性は変換率として測定された。反応は各試料について2重反復で行われた。正の対照(20μΜのGW8510。CID6539118)が各プレートに含まれており、同プレートのDMSO対照と合わせてデータをスケーリングするために用いられた。結果はGenedata Assay Analyzerによって分析された。阻害率は化合物濃度に対してプロットされ、IC
50値がロジスティックな用量反応曲線のフィッティングから特定された。
【0386】
384ウェル型式によるADP Glo試験プロトコール(10μΜのATP)
20μΕ/ウェルの、4.7nMのGSK3βおよび7μΜペプチド(KBA(250mMのHEPES(pH7.5)、50mMのMgCl
2、5mMのEGTA、0.05%BRIJ−35)中)が、白色不透明384ウェルプレートに分注された。100nL/ウェルの化合物がピンによって加えられた。1μl/ウェルの140μΜのATP(KBA中)が分注された。室温において60分間インキュベーションした。20μl/ウェルのADP-glo(プロメガV9103)をCombiによって添加し、室温において40分間インキュベーションした。40μl/ウェルのADP-glo(プロメガV9103)をCombiによって添加し、室温において30分間インキュベーションした。Envisionによってルミネッセンスを読み取った。
【0387】
AIHインビボプロトコール
アンフェタミン誘発性の運動亢進が、Pan et al. Neuropsychopharmacology, 2011)に記載のように行われた。
【0388】
手術:
頭蓋内注入を受けるマウスは、第三脳室背側を狙ってステンレス鋼ガイドカニューレ(Plastics One社、ロアノーク、バージニア州)をインプラントされた。マウスはケタミン/キシラジンによって麻酔された(それぞれ150mg/kgおよび10mg/kg。5mls/kgの注入体積)。脳定位固定装置を用いて、ガイドカニューレ(C232GC、26ゲージ、Plastics One社)が、内挿されたダミーカニューレ(C232DC)と一緒に、第三脳室背側に導かれた(ブレグマに対して−0.5mm後ろ、正中線に対して±0.0横、頭蓋表面に対して−3.0(注入位置)腹側)(Paxinos, 2001)。マウスは試験前に少なくとも5日間回復させられた。注入中には、マウスは軽く拘束された。ダミーカニューレが注入カニューレ(26ゲージ。2.0mmガイドの先端から1.0mm突出。C232I)と交換され、これは10μlのハミルトンシリンジに連結されたポリエチレンチューブ(PE50)に取り付けられた。注入はマイクロ注入ポンプ(KDS100、KD Scientific社、ニューホープ、ペンシルベニア州)によって制御された。
【0389】
化合物22を投与されたマウスに関する行動科学的手続き:
アンフェタミン誘発性の運動亢進(AIH)は、8つの同一のオープンフィールドチャンバーによって試験された(16.5”×16”×12”、AccuScan Instruments社、コロンバス、オハイオ州)。活動は赤外光線の遮断によって検出され、VersaMax ソフトウェア(AccuScan)によって自動的に記録された。各日のセッションは、統計分析のために5分間隔で自動的にビニングされた(VersaDat、AccuSacn)。AIHは次のように連続3日間行われた。
【0390】
1日目:マウスは、軽く拘束してダミーカニューレを取り外すことによって、注入の手続きに対して馴化された。マウスは3分間拘束され、その時点でダミーカニューレが取り外された。マウスは次にオープンフィールドに20分間移され、次に生理食塩水注入のために取り出された。マウスはオープンフィールドにさらなる30分間再び置かれた。その時点で、マウスは自身のホームケージに戻された。
【0391】
2日目は1日目と同じく行われた。ただし、2日目は1時間継続し(20分→注入→40分)、拘束馴化はICV生理食塩水注入を含んだ(2分間の注入後に、注入カニューレからの薬物拡散のための1分間)。
【0392】
3日目はアンフェタミン負荷日であった。マウスは、オープンフィールドに置かれる40分前に、化合物22または基剤の注入によって前処理された。20分後にマウスは取り出され、アンフェタミンを負荷され、オープンフィールドに80分間再び置かれた。
【0393】
用量:3mg/kg、10mg/kg、または30mg/kg。基剤:45%PEG400、45%生理食塩水、10%DMSO。結果は
図7および8に示されている。
【0394】
化合物70を投与されたマウスに関する行動科学的手続き
アンフェタミン誘発性の運動亢進(AIH)が、8つの同一のオープンフィールドチャンバーによって試験された(16.5”×l6”×l2”、AccuScan Instruments社)。活動は赤外光線の遮断によって検出され、VersaMax ソフトウェア(AccuScan Instruments)によって自動的に記録された。各日のセッションは、統計分析のために5分間隔で自動的にビニングされた(VersaDat、AccuSacn)。AIHは次のように連続3日間行われた。
・ 1日目:マウスは、生理食塩水注入のための取り出し前に、オープンフィールドに20分間入れられた。マウスは、次に、オープンフィールドにさらなる30分間再び置かれた。その時点で、マウスは自身のホームケージに戻された。
・ 2日目は1日目と同じく行われた。ただし、2日目には、合計時間は1時間であった(20分間の予備注入後に、40分間の活性監視)。
・ 3日目はアンフェタミン負荷日であった。マウスは、オープンフィールドに入れられる30分前に、化合物137(i.p.(腹腔内))によって前処理された。20分後に、マウスは取り出され、アンフェタミンを負荷され、再びオープンフィールドに80分間置かれた。
【0395】
用量:3mg/kg、10mg/kg、または30mg/kg。基剤:45%PEG400、45%生理食塩水、10%DMSO。結果は
図11に示されている。
【0396】
結果
スクリーニングの結果の要約
図2は、プローブ開発のための例示的な方針を示す。
【0397】
約320,000化合物のハイスループットスクリーニングが、ヒトGSK3βに対して1536ウェルプレート型式によって完了された。当該スクリーニングは平均Z’>0.8を特徴とした。約1,000個の化合物が25%超の阻害を示し、活性だとして選ばれた。
【0398】
これらの活性化合物は、ライブラリーに含まれるそれらの陰性アナログの約1,000個と一緒に選び出され、複数用量のGSK3βに対するそれらの力価(IC
50)が、確認用の再試験によって評価された。並行して、検出試薬の阻害による偽陽性を排除するためのカウンタースクリーニングも完了された。有望な力価を有するが(この段階でGSK3βに対してIC
50<10μΜ)検出試薬は阻害しない化合物は、新規性、選択性、および扱いやすさを与えそうな構造的特徴について、さらに評価された。
【0399】
高度に選択的で有効なGSK3β阻害剤が望まれた。大量の研究がGSK3βの標的については既になされているので、公知のキナーゼ阻害剤に共通の骨格を有さない構造のセットに注目した。この1次フィルターは、スクリーニングされた320,000個超の低分子の元々のライブラリーから、限られた数の骨格の選抜を可能にした。最初のプローブ出発点としてのピラゾロジヒドロピリジン骨格(スキーム1)の選抜は、μM以下の範囲のGSK3βに対する力価を示したADP-Glo実験の結果(下記参照。表2、番号1)に基づいて行われた。PubChemの検索に基づくと、この骨格は、様々な試験(>600)によって既に分析されていたが、本明細書に記載される試験を除けば1つの試験(これはキナーゼ阻害に直接関係しない)において活性であることが確認されたにすぎない。第2に、スキーム1aおよびbに示されているように、この骨格の合成は、化学的な多様性の迅速な導入を得る。この高い合成上の扱いやすさは、化学的観点から魅力的な標的を生み出す。最初の選択性分析が行われ、キノームワイドなプロファイルを用いて、本発明の最初のHTSヒット(化合物1)によって阻害されるキノームの割合を特定した(カルナバイオサイエンス)。上記の選択性試験は、311個のキナーゼ(現存するキノームの60%に相当)に対するピラゾロジヒドロピリジン化合物1の阻害を、10μΜという固定濃度において調べた。下の表1には、10μΜの化合物1による処理によって50%超阻害されたキナーゼのみの結果を取り込んでいる。
【表7】
【0400】
CHIR99021(またはCHIR 99021)は最新式のGSK3β阻害剤である。この化合物が選択性についてHTSのヒットと同基準で比較されたとき、CHIR99021は10μΜにおいて21個のキナーゼを50%超阻害した。この最初の選択性分析は、優れた力価と併せて、プローブ候補としてまたは見込みのある治療薬としてのさらなる分析に向けて、ピラゾロジヒドロピリジン骨格が優れた選択肢であるという結論に至った。化合物3は化合物1のエナンチオマーであり、前出のキナーゼの一覧に対する活性について試験された(表1)。これは、化合物3がGSK3α/βに選択的であり、ラセミ混合物を試験したときに見られたような、CK1ファミリーのいずれをも阻害することはなかったということを示した。
【0401】
表面プラズモン共鳴試験
直接結合試験が、次に、化合物活性の2次分析として用いられた。表面プラズモン共鳴(SPR)が用いられて、本明細書に記載されるピラゾロジヒドロピリジン誘導体の少数のセットを試験した。この試験を用いる検討によって、2位におけるアリール環の置換が、GSK3βに対するそれらの分子の親和性の2倍の増大をもたらしたということが発見された。HTSのヒット(化合物1)は、130nMという実験的に特定されたK
Dを有する。化合物20は、60nMという実験的に特定されたK
Dを有する。
【0402】
エナンチオマーの分離
化合物20の2つのエナンチオマーの分離が完了されて、1つの化合物に至った。化合物22は化合物20のR−エナンチオマーであるが、10μΜにおいて8つのキナーゼを50%超阻害し、22倍(最も近縁のキナーゼであるCDK5に対して22倍)超GSK3に選択的であった(表5参照)。エナンチオマーの絶対的な立体化学が、GSK3βとの化合物22の共結晶化によって決定された(
図4参照)。結晶構造は、当該化合物がATP結合部位に結合するということも確認した。GSK3β/化合物22共結晶を作製するためには、次の手順が用いられた。(1)5倍モル過剰の化合物22(100%DMSO中)が希GSK3βに添加され、つぎに穏やかに混合された。(2)GSK3β/化合物22複合体は氷上において30分間インキュベーションされ、5mg/mLまで濃縮され、次に上記の方法によってスクリーニングされた。結晶は4日以内に核形成し、1週間後に最大サイズまで成長した。GSK3β/化合物22の結晶は、ブルックヘブン国立研究所のNSLSシンクロトロン施設に移送され、X29ビームラインを用いて評価された。
【0403】
ピラゾロジヒドロピリジン骨格の種々の化学的部分のSARを検討し、所望の特性、例えば力価、選択性、溶解度、および場合によってはミクロソーム安定性を向上させ、ハンディキャップを減らすために、化合物が設計および合成された。一部のアナログのラセミ混合物が分離され、エナンチオマーの活性が測定された(表2)。
【0404】
これらの合成された化合物の生化学的なキャラクタリゼーションが、GSK3βおよびCDK5/p25に対して試験された。CDK5/p25はGSK3β選択性のカウンターターゲットとして働く。さらなる生化学的なキャラクタリゼーションも、力価および選択性について、カルナバイオサイエンスにおいて行われた。一連の細胞試験も行われて、それらの化合物の一部の細胞活性を評価した。それらの細胞試験は、SH−SY5Yヒト病態生理細胞におけるタウリン酸化、βカテニンの核内移行、およびHEK293細胞のWntシグナル伝達経路を監視するTCF/LEFレポーター試験を含む。SH−SY5Y病態生理細胞の生存に及ぼすそれらの化合物の影響も、監視された。化合物54は、首尾一貫して、GSK3βに対する10〜20nMの力価、CDK5/p25と比較して150〜380倍の選択性、CHIR99021と比較して優れたキノーム選択的なプロファイル、および有効な細胞活性を示す。
【0405】
1次スクリーニングのヒット化合物(化合物1)についてのPubChemの検索は、652種類のバイオアッセイによって既に試験されていたということ、本明細書に記載される試験以外では1つの試験でしか活性だと確認されていなかったということを明らかにした。試験は、ヒドロキシステロイド(17β)デヒドロゲナーゼ4(HSD17B4)の阻害剤のスクリーニングであり、力価は25.1μΜであった。この情報に基づくと、当該化合物は無差別な阻害剤であるようには見えず、その骨格も明らかな化学的ハンディキャップを含んでいない。
SAR分析
結果は表2に示されている。
【表8-1】
【表8-2】
【表8-3】
【表8-4】
【0406】
表2について、「A」は≦0.100μΜというIC
50またはK
dを示し、「B」は0.101〜1.000μΜというIC
50またはK
dを示し、「C」は1.001〜5.000μΜというIC
50またはK
dを示し、「D」は5.001〜30.000μΜというIC
50またはK
dを示し、「E」は>30μΜというIC
50またはK
dを示す。
【0407】
R
3をメチル基にしたまま、フェニル環上における種々の置換が検討された。置換基の種類は、化合物の力価にわずかな影響しか及ぼさなかった。フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、メチル、メトキシ、およびシアノは、全て、類似の力価を有する化合物をもたらした。しかしながら置換基の位置は、活性により重大な影響を及ぼした。オルト位の置換は最も有効な化合物をもたらしたが、通常は、CDK5と対比して最低の選択性をもたらした。メタ位を置換された化合物は、僅かにより低く有効であったが、CDK5と対比して高い選択性を示した。パラ位を置換された化合物はGSK3活性のかなりの低下をもたらした。これは、結晶構造において観察された結合に基づいて予想され得る(
図4)。結晶構造は、2および3位の置換基にはポケットが存在するが、フェニル環の4位における結合はきつすぎて、水素よりも大きい基を許容しないということを示している。1次試験および細胞試験におけるそれらの活性ゆえに特に興味深かった化合物は、2−フルオロ化合物、2−トリフルオロメチル、2−メトキシ、2−メチルチオ、3−トリフルオロメチル、および3−シアノであった。
【0408】
R
3がメチル基として不変に保たれる場合に、フェニル基のヘテロ芳香族との交換が検討された。チオフェンによるフェニル基の置換は、GSK3に対する力価の低下をもたらし、細胞活性の増大はもたらさなかった。イミダゾールとの交換も、GSK3に対する力価の低下をもたらした。3−ピリジル基との交換は、ヒット化合物と等力価の化合物、増大した溶解性をもたらしたが、明確な細胞活性は有さなかった。他のピリジル置換は、ヒット化合物と比較して力価の低下をもたらした。
【0409】
フェニル基の一連の一般的な交換および置換を検討した上で、2−メトキシフェニルが、さらなるSAR研究の基本化合物として用いるために、その力価、選択性、および物性ゆえに選択された。カルボニルのα位へのジェミナルジメチル基の移動は、1次試験において力価の低下を、細胞試験において活性低下を示す化合物をもたらした。ジェミナルジメチル基の除去は、活性の中程度の低下をもたらした。6員環の5員環との交換は、芳香族化された化合物をもたらし、これはGSK3に対する活性を有さなかった。ケト含有環の除去は、活性のかなりの低下をもたらした。ジャーミナルジメチルのシクロヘキシル基との交換は、リード化合物と同様に有効ではあるが、細胞試験において活性が下がった化合物をもたらした。
【0410】
ピラゾールが交換またはメチル基において置換された化合物が、検討された。ピラゾールからのメチル基の除去は、リード化合物と同等の力価を有する化合物をもたらす。これは、メチル基は活性にとって不可欠でないということを示している。より大きいアルキル基、例えばエチル、イソプロピル、およびtert−ブチルによるメチルの交換は、基のサイズが増大するにつれて活性を低下させる傾向を示す。これは結晶構造によって説明され得る。なぜならこの位置には小さいポケットが存在しており、エチルまでのサイズの増大を許容する置換に利用され得るからである。しかしながら、さらなる増大は悪い相互作用をもたらす。フェニルの交換は、力価の低下および細胞試験における活性の低下をもたらす。トリフルオロメチル含有ピラゾールは、1次試験においてリード化合物と同様に有効であるが、細胞試験においてかなりの改善を示す。これは恐らく増大透過性のためである。オキサゾールまたはフェニルとのピラゾールの交換は、限られた活性の化合物をもたらす。
【0411】
一部の化合物のミクロソーム安定性は低い。主に、ベンジル位は酸化を受けやすいように見える。既述のように、ヒット化合物の芳香族化されたアナログは不活性である。本明細書の主な代謝様式は恐らく芳香族化生成物を生ずるので、この代謝部位を遮断するように化合物が合成された。ベンジル位のP450を介する水酸化がこのセットの悪い代謝安定性プロファイルにとって重要であるかどうかを試験するために、2次同位体効果を可能性として利用し、改善された代謝安定性を有するアナログを提供するための試みとして、ベンジル位の水素が重水素と交換された化合物が合成された。重水素置換は、ヒット化合物と同様の活性を有する化合物をもたらす。しかしながらミクロソーム安定性の改善は無かった。結晶構造は、メチル基によるベンジル位の置換が許容され得ることを示唆した。例えば、化合物67は、改善されたミクロソーム安定性を示し(6%から32%)、GSK3に対する力価の低下ももたらさなかった。しかしながら、この化合物は細胞試験では活性を示さなかった。将来的な作業は、メチルをベンジル位に有し、改善された細胞活性を有する化合物に向けて行われることになろう。
【0412】
表2に示されているフェニルおよびピラゾールの置換の結果に基づいて、いくつかのハイブリッド化合物が合成された。トリフルオロメチルによるヒット化合物のピラゾール上のメチルの置き換えは、1次試験の力価および細胞試験の活性の増大をもたらす。これは、トリフルオロメチルが細胞透過性にとって有利であるということを示唆している。フルオロおよびトリフルオロメチル基によるフェニルの一または二置換は、1次試験では有効だが、細胞試験では活性を失う化合物をもたらす。
【0413】
表2の結果は、化合物のラセミ混合物に含まれる1つのエナンチオマーが、観察された活性の原因であるということを示した。これは、翻って、結晶構造における活性なエナンチオマーの結合によって説明された。したがって、いくつかの化合物のエナンチオマーの分離が行われた。これらの化合物については、下記の構造において示されるようにアリール基が「下側」であるエナンチオマーが、GSK3に対して通常はより有効であるということが発見された。
【化133】
【0414】
化合物54の化学的キャラクタリゼーション
化合物54は、UPLC、
1Hおよび
13C−NMR分光法、ならびに高分解能質量分析によって分析された。NMRおよび質量分析から得られたデータは、化合物54の構造と一致した(データは示さない)。UPLCは>95%という単離純度を示した。
【0415】
化合物54の溶解度は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.4、23℃)溶液中において85μΜであるということが実験的に判明した。血漿蛋白質結合度(PPB)は、ヒト血漿中において93%結合であることが判明した。化合物54はヒト血漿中において安定であり、約97%が5時間のインキュベーション時間後に残っている。化合物はグルタチオン(GSH)中において安定であることが発見され、99%が48時間後にも残留していた。
【0416】
PBS(0.1%DMSO)中における化合物54の安定性が、48時間に渡って測定された。化合物54の濃度は48時間かけて約200%まで次第に増大した(データは示さない)。理論によって拘束されることを望むものではないが、濃度の漸次的増大は、より多くの化合物が経時的にPBS中に溶解することの直接の結果であると信じられる。換言すると、PBS安定性試験は推奨条件下において行われ、化合物54の動的な溶解度がPBS中において測定されたが、その安定性は測定されなかった。したがって、化合物がPBSのみによって処理された後にウェル中に存在する化合物54の総量が、所与の時間測定された。アセトニトリルが、PBS中に化合物54を含有するウェルに対して種々の時点で添加され、化合物の総量を測定した。この結果は
図1に示されている。これらの結果からは、化合物54はPBS中において安定であるように見える。なぜなら、95%超が、48時間のインキュベーション後にも存在しているからである。
【0417】
さらなる分析
化合物54は、93%および91%がそれぞれヒトおよびマウス血漿に結合することが発見された。ヒトおよびマウス血漿中において安定であり、97%および99%が5時間後に残留していた。ヒット化合物、ラセミ体プローブ、および7つのアナログが、安定性分析用のマウスミクロソームに曝された(表3)。ラセミ体プローブはマウスミクロソームに対して不安定であることが発見され、<1%が1時間後に残留していた。ベンジル位において非置換の全ての他のアナログは1時間後に残留している<7%を有し、主な代謝のハンディキャップはベンジル位であるということを示唆した。メチル基によるベンジル位の置換は、32%の化合物が1時間後に残留していることになった。ベンジル位の置換を有するさらなる化合物は、この代謝安定性の増大を維持または改善すると同時に、増大した力価をもたらし得る。
【表9】
【0418】
細胞活性
GSK3βは構成的に活性であり、多くの場合には、細胞内シグナル伝達の負の制御因子として働く。GSK3βの阻害はこの負の制御因子を除去して、種々の細胞内経路の活性化をもたらす。多くの蛋白質、例えばWntシグナル伝達経路のβカテニンおよび微小管動態のタウ蛋白質は、GSK3βリン酸化を受ける。具体的には、GSK3βはタウ蛋白質をSerl99において直接的にリン酸化し、タウの自己組織化を調節する。タウの高リン酸化は、アルツハイマー病の病態生理に関係することが示唆されている。βカテニンはN末端領域においてGSK3βによってリン酸化され、このリン酸化は蛋白質を分解に向けてマーキングする。GSK3βの阻害に伴うβカテニンの蓄積は、核に移行して、古典的なWnt経路のTCF/LEFプロモーターによって駆動される遺伝子を活性化する。タウおよびβカテニンは、3つの細胞試験によってGSK3βの阻害を評価するための2つの別々の基質として選択された。
1) GSK3βの阻害によるSH−SY5Y細胞のタウリン酸化(Serl99)の量を評価する(AID624057)。
2) U2OS細胞のGSK3βの阻害に伴うβカテニンの核内蓄積の量(AID624086)、およびHEK293細胞の増大した核内βカテニンによるTCF/LEFの爾後の活性化(AID624088)を評価する。
【0419】
フェニル基上の一置換が検討され、酵素活性な化合物の一部は細胞試験によってさらに評価された。フェニル基の2位におけるクロロ、メトキシ、およびトリフルオロメチル置換は、酵素試験で<1μΜのIC
50を有する化合物を生じ、GSK3βによるタウリン酸化を阻害する点で活性であった(IC
50<10μΜ)。フェニル環上のトリフルオロメチル基による3−置換も、リン酸化タウ試験活性であった。それらの化合物は、βカテニンの核内移行試験およびTCF/LEFレポーター試験において同様に活性であり、5〜25μΜのEC
50を有した。
【0420】
フェニル環上の2−メトキシに基づき、ピラゾール上の置換が検討された。ピラゾール上のトリフルオロ置換は、当該セットのうち最高の細胞活性、pタウELISAにおけるμM以下(0.48μΜ)のIC
50、<10μΜというTCF/LEFレポーター試験におけるEC
50を有した。
【0421】
ピラゾール上のトリフルオロ置換が固定され、フェニル環上の置換が、酵素および細胞試験によってさらに評価された。フェニル環上の2−メトキシが優れた細胞活性プロファイルを有することが分かる。
【0422】
期待されたように、酵素活性なエナンチオマーは細胞にも活性であることが発見された。化合物47、化合物50、および化合物51は類似の酵素活性を有するが、化合物50はCDK5に対して減少した選択性を示した。化合物54は、その優れた力価および選択性ゆえにプローブとして選択された。
【0423】
タウ、βカテニン、およびTCF/LEFの試験の結果が、表4および
図14A〜14Bに示されている。
【表10-1】
【表10-2】
【表10-3】
【0424】
プロファイリング試験
キノームワイドな選択性:CNSにGSK3βが果たす役割を特定するために有用なプローブを作製するための重要な要素は、作用の選択性を固めることである。
図5には、調べられた各化合物によって阻害されるキノームの割合を示すグラフが図示されている。示されているように、CHIR99021は、本明細書に記載されるピラゾロジヒドロピリジンと比較して非常に低い選択性である。HTSのヒット(化合物1)は、311個のキナーゼのこのパネルに対して優れた機能的選択性を示し、上記のように5つのキナーゼしか阻害しない。このように試験された2つの他の化合物(化合物22および化合物54)は、同様な印象的な選択性の特徴を示し、それぞれキノーム(311個のキナーゼ)の2.3および2.6%しか阻害せず、次項で説明される顕著に改善された力価を有した。
【0425】
絶対的な選択性の測定:化合物54に至るために用いられた第2のデリミタは、標的キナーゼ(例えばGSK3β)および最も近縁の抗標的に対する各化合物のIC
50の絶対的な選択性であった。上の3つの場合(化合物1、化合物22、および化合物54)においては、いずれの化合物を追跡すべきかという選択は、それらの値を見ると非常に明らかになった。下(表5)には、10μΜという濃度において50%超阻害された選ばれたキナーゼに対する、それらの化合物のうち2つのIC
50測定結果が示されている。
【表11】
【0426】
全体的な選択性プロファイルの代わりに絶対的な測定結果を用いることは、化合物54が化合物22よりもかなり選択的であるという結論を可能にする(10μΜにおいて最高の%で阻害されたキナーゼであるCDK5に対し、23と比較して150という選択性係数)。この場合の選択性係数は、GSK3βに対する化合物のIC
50を他の競合キナーゼに対するものと比較することによって定まる。選択性の問題は、考察の項においてより詳細に説明される。
【0427】
化合物70の薬物動態および脳内分布
化合物70(
図10に示されている構造)またはCHIR99021の1回の腹腔内用量が、雄C57BL/6マウスに対して、それぞれ30mg/kgまたは12.5mg/kgで投与された。化合物70およびCHIR99021の薬物動態(例えば、血漿中濃度および脳内分布)が、用量の後に、種々の時点(約8時間まで)において測定された。結果(
図10に示されている)は、化合物CHIR99021と比較して、化合物70が改善された薬物動態プロファイル、例えば全身的曝露および脳内分布を示したことを示している。
【0428】
化合物70は、骨髄分化と一致したAML細胞株の形態変化を誘導する
【0429】
薬剤処理後3日目に、サイトスピンによる調製が行われた。細胞形態の変化がメイ・グリュンワルド・ギムザ染色(シグマアルドリッチ)によって判定された。画像は400×の倍率の光学顕微鏡法によって取得された。結果は、化合物70による処理の3日後のAML細胞株のメイ・グリュンワルド・ギムザ染色が、基剤処理した対照と比較して細胞分化を見せたということを示した(
図12)。
【0430】
化合物70は、骨髄分化と一致したAML細胞株の遺伝子発現シグニチャーを誘導する
GE−HTSが、AMLを好中球または単球分化状態から判別する遺伝子からなる発現シグニチャーを評価するための既報の方法を用いて、行われた(Banerji V, Frumm SM, Ross KN, Li LS, Schinzel AC, Hahn CK, Kakoza RM, Chow KT, Ross L, Alexe G, Tolliday N, Inguilizian H, Galinsky I, Stone RM, DeAngelo DJ, Roti G, Aster JC, Hahn WC, Kung AL, Stegmaier K. The intersection of genetic and chemical genomic screens identifies GSK-3alpha as a target in human acute myeloid leukemia. J Clin Invest. 2012;122:935-947、Hahn CK, Berchuck JE, Ross KN, Kakoza RM, Clauser K, Schinzel AC, Ross L, Galinsky I, Davis TN, Silver SJ, Root DE, Stone RM, DeAngelo DJ, Carroll M, Hahn WC, Carr SA, Golub TR, Kung AL, Stegmaier K. Proteomic and genetic approaches identify Syk as an AML target. Cancer Cell. 2009; 16:281- 294)。骨髄分化の32個のマーカー遺伝子が、以前に公開されたアフィメトリクスのAML関連データセットを用いて選択された(Stegmaier K, Ross KN, Colavito SA, O'Malley S, Stockwell BR, Golub TR. Gene expression-based high-throughput screening (GE-HTS) and application to leukemia differentiation. Nat Genet. 2004;36:257-263)。これらの遺伝子は、AMLを好中球または単球から判別し(t検定によるp<0.05)、未分化に対してATRA、ホルボール12−ミリスタート13−アセタート、または1,25−ジヒドロキシビタミンD3によって分化したHL−60を判別することが示されている(t検定によるp<0.05)。この試験は、ライゲーションを介する増幅と蛍光ビーズを用いた検出システムとを用いて、1つのウェルの最大500遺伝子の発現を定量する。2つの1次スコア付け方法が、32遺伝子の骨髄分化シグニチャーの誘導を定量するために用いられる。合計スコアは、合計による発現比(マーカー遺伝子/対照遺伝子)を、ATRA処理した正の対照からの予想される制御の方向によって定まる符合と組み合わせる。加重合計スコアは、合計による発現比を、正の対照(ATRA処理)および負の対照(DMSO処理)の試料について、各発現比のS/N比によって定まる重みおよび符合と組み合わせる。それらの分化スコアの間の差の統計的有意性を評価するために、ボンフェローニ補正による一元配置ANOVAが、ポストホック検定として用いられた。結果は、化合物70が、骨髄分化と一致したAML細胞株の遺伝子発現シグニチャーを誘導したということを示している(
図13Aおよび13B)。
【0431】
考察
HTSのヒットから始まって、分子の4つの部位、すなわち、結晶構造分析に基づく分子の西側部分のベンジル位、ピラゾール部分、フェニル環、およびジケトン系の環のSARが、多数の化合物の合成によって検討された(
図4参照)。メチル基によるベンジル位の置換は許容された。中央環の酸化は活性の低下をもたらした。ピラゾールの改変、例えばトリフルオロメチル基による置換は許容された。フェニル環のSARによって、2または3位に置換を有する化合物が特に活性であるということが発見された。ヘテロ芳香族による置換は許容された。4位に置換を有する化合物は若干の活性を示すことが発見された。トリフルオロメチルまたはメトキシ置換を2または3位に有する化合物は、細胞に特に活性であることが発見された。化合物54は、特に細胞試験(この場合、ヒット化合物は弱く活性であった)において、ヒット化合物よりもかなり有効だということが明らかになった。
【0432】
全体としては、データは、有効な(例えばIC
50=0.02μΜ)プローブ(化合物54)の同定を裏付けており、これはGSK3を阻害し、309個の他のキナーゼと比べて選択的であり、150倍超の選択性を有する(下記参照(vida infra))。化合物54は、3種類の細胞試験において活性であることが発見された。それらは、種々の細胞条件においてGSK3を阻害する化合物の能力を示している。
【0433】
以前に開示された阻害剤に優る利点
GSK3βの他の阻害剤が存在している。しかしながら、他のキナーゼに対して試験されたそれらの化合物は、選択性に欠けることが発見されている(Leclerc, et al. J Biol Chem, 2001; 276: 251-260、Meijer, et al. Chem Biol, 2003、10: 1255-1266; Polychronopoulos, et al. J Med Chem, 2004; 47:935-946、Leost, et al. Eur J Biochem, 2000; 267:5983-5994、Chang, et al. Chem Biol, 1999; 7:51-63)。それらの化合物が最も多くの場合に阻害するキナーゼはサイクリン依存性キナーゼ(CDK)であり、GSK3はそれらに対して最も近縁である。選択性プロファイルは、既存のGSK3阻害剤、例えばCHIR99021と比較された(
図6)。CHIR99021は>300個のキナーゼに対するスクリーニングにおいて試験され、当該化合物がCDK2および多くの他のキナーゼ、例えばCDK5、CDK9、LIMK1、CLK1、PLK1、ERK5を、10μΜにおいて50%超阻害することを立証した。化合物54およびCHIR99021の活性および物性の比較が、表6に示されている。CHIR99021のキナーゼプロファイルに対する化合物54の活性の比較が、表7に示されている。下の表に見られるように、化合物54は、CHIR99021と同等の力価を全ての試験において示す一方、キノームに対してかなり高い選択性を示す。さらに、表3のミクロソームのデータに基づくと、ミクロソーム安定性および効果を有するこのクラスのGSK3阻害剤を開発する見込みがある。これは、その貧弱な物性ゆえにCHIR99021では不可能なインビボ研究を可能にする。当分野において公知のGSK3阻害剤と比較して、記載された化合物はミクロソーム中においてより安定であり、改善された薬物動態および/または選択性のプロファイルを示す。
【表12】
【表13】
【0434】
作用機序の研究
化合物54は、ATP競合阻害剤であるということと矛盾しない阻害性を示す。IC
50が、GSK3βに対して2種類のATP濃度において測定された。7μΜのATPにおける24nMというIC
50と比較して、100μΜのATPにおける化合物54のIC
50は143nMまで増大した。これはATP競合阻害を示唆している。
【0435】
細胞的には、化合物54によるGSK3βの阻害は、微小管動態およびWntシグナル伝達における2つの重要なシグナル伝達経路の負の制御を除去する。Wnt経路のβカテニンおよび微小管動態のタウ蛋白質は、GSK3βリン酸化を受ける。GSK3βは構成的に活性であり、多くの場合には、細胞内シグナル伝達の負の制御因子として働く。具体的には、GSK3βの阻害はタウ蛋白質のリン酸化を阻害する。βカテニンのリン酸化の阻害はβカテニンの分解を防ぎ、その核内移行を促進し、続いてTCF/LEFレポーターを活性化する。したがって、この化合物および本明細書に記載される他のものは、細胞および可能性として動物において、Wnt経路を調べるための優れたツールとなり、微小管動態のプローブとなるであろう。
【0436】
化合物22および54は、細胞試験によって(例えば、GSK/Wnt分子経路をインビトロにおいて探るためのツールとして)、ニューロン新生を促進するそれらの能力を確認するためのヒトおよびげっ歯類の神経前駆細胞の使用によって、試験された。神経・精神疾患、例えば双極性障害および統合失調症の患者に由来する人工多能性幹細胞−神経前駆細胞(iPSC−NPC)の使用によって、GSK3調節薬に対する応答に違いがあるかどうかという問題が検討された。これは、制御異常のGSK3シグナル伝達が基礎的な病理に果たす役割の特定を可能にした。同じく特定されたのは、DISC1に遺伝子変異を有する細胞に選択的なGSK3阻害が及ぼす効果であって、神経・精神疾患の病態生理に果たすDISC1/GSK3シグナル伝達の役割を理解することを助ける。
【0437】
ニューロン新生試験
ヒト神経前駆細胞が当分野において公知の方法に従って作製されて、派生体化された。例えば、Zhao et al., J Biomol Screen. 2012 Oct; 17(9): 1252-63参照。一細胞懸濁液が、TCF/LEFルシフェラーゼレポーターを安定に組み込まれたヒトiPSC−NPCから調製され、96または384ウェルプレートに、それぞれ20,000または6,000/ウェルという播種密度で、Matrix WellMate(サーモサイエンティフィック)マイクロプレート分注機を用いて分注された。96ウェルプレート型式が、Wnt3aおよびリチウム(塩化リチウム溶液、10M。フルカ社、セントルイス、ミズーリ州)の用量反応効果を測定するために用いられた。一方、384ウェルプレート型式が、全ての低分子プローブ処理およびケミカルスクリーニングのために用いられた。翌日に、細胞は種々の24hの処理に供された。ルミネッセンス読み取りの直前に、プレートは37℃のインキュベータから取り出され、室温で30分間平衡化された後に、SteadyGlo試薬(プロメガ、マディソン、ウィスコンシン州)が分注された(体積=1:1のSteadyGlo:培地)。ルミネッセンスは、10minのインキュベーション後に、EnVision多重標識プレートリーダー(パーキンエルマー、ウォルサム、マサチューセッツ州)を用いて測定された。例示的な結果が
図15に示されており、化合物22がニューロン新生を促進したことを示唆している。
【0438】
本明細書に記載される化合物は、インビボにおいても試験され得る。例えば、神経・精神疾患のマウスモデル(例えば、躁病のアンフェタミン誘発性の運動亢進モデル(AIH)、うつ病の強制水泳試験および学習性無力感試験)によって選択的なGSK3阻害剤の効果を試験することである。
【0439】
他の実施形態
上記は、本発明の一部の非限定的な実施形態の説明である。当業者には当然のことながら、この説明に対する種々の変更および改変が、次の特許請求の範囲において定められる本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、なされ得る。
【0440】
均等物および範囲
特許請求の範囲において、冠詞、例えば「a」、「an」、および「the」は、1つ以上を意味し得る。ただし、反対の定めがあるかまたは文脈から別様に明らかである場合を除く。1つの群の1つ以上の構成要素の間に「または」を含む請求項または説明は、群の構成要素の1つ、1つ超、または全てが所与の産物またはプロセスに含まれる、用いられる、または関係しているならば、満たされていると見なされる。ただし、反対の定めがあるかまたは文脈から別様に明らかである場合を除く。本発明は、群の厳密に1つの構成要素が所与の産物またはプロセスに含まれる、用いられる、または関係している実施形態を含む。本発明は、群の構成要素の1つ超または全てが所与の産物またはプロセスに含まれる、用いられる、または関係している実施形態を含む。
【0441】
さらに、本発明は、列記される請求項の1つ以上に含まれる1つ以上の限定、要素、節、および説明の用語が、別の請求項に導入される、全ての変形、組み合わせ、および並べ替えを包含する。例えば、他の請求項に従属する任意の請求項は、同一の基礎クレームに従属する任意の別の請求項に見いだされる1つ以上の限定を含むように、修正され得る。要素が、例えばマーカッシュ群の形式で一覧として示されるときには、要素からなる各下位群も開示されるものであり、任意の要素が群から除去され得る。当然のことながら、通常は、本発明、または本発明の態様が具体的な要素および/または特徴を含むと言う場合には、本発明または本発明の態様の一部の実施形態は、かかる要素および/または特徴からなるか、または本質的になる。簡単のために、それらの実施形態は本明細書において一々具体的に記載されなかった。さらに、用語「含む」および「含有する」は開放的であることが意図されており、さらなる要素またはステップの包含を許容する。範囲が示される場合、端点も含まれる。さらに、別段の定めがあるかまたは文脈および当業者の理解から別様に明らかである場合を除いて、範囲として表される値は、記載の範囲内の任意の特定の値または部分範囲を、本発明の種々の実施形態において、当該範囲の下限の単位の1/10までとり得る。ただし、文脈から別様に支持される場合を除く。
【0442】
本願は、種々の登録済み特許、公開済み特許願、雑誌記事、および他の刊行物を参照しているが、その全体は参照によって本明細書に援用される。もしも援用された参照物のいずれかと本明細書との間に矛盾がある場合には、本明細書に従う。さらに、従来技術に属する本発明の任意の具体的な実施形態は、請求項のいずれの1つ以上からも明らかに除外され得る。なぜなら、かかる実施形態は当業者に公知であると考えられるからである。それらは、その除外が本明細書において明示的に記載されていない場合であっても、除外され得る。本発明の任意の具体的な実施形態は、従来技術の存在に関係しているか否かにかかわらず、任意の理由で、任意の請求項から除外され得る。
【0443】
当業者は、ごく通常の実験を用いて、本明細書に記載された具体的な実施形態の多くの均等物を認めるかまたは確認できるであろう。本明細書に記載された本発明の実施形態の範囲は、上記の発明を実施するための形態に限定されることを意図されておらず、その代わりに、添付の特許請求の範囲において示される通りとする。当業者には当然のことながら、本明細書に対する種々の変更および修正が、次の特許請求の範囲において定義される本発明の趣旨または範囲から逸脱することなくなされ得る。