(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記スプライス部材が、前記第1のガラスウェブ部分に対面する第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面とを含み、前記ガス透過性取付部分が、前記第1の面から前記第2の面まで前記スプライス部材全体を通って延在することを特徴とする、請求項1または2に記載のガラスウェブ。
前記スプライス部材が、第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面とを含み、前記ガス透過性取付部分が、前記第1の面から前記第2の面まで前記スプライス部材全体を通って延在し、ステップ(I)において、前記第1の面は前記第1のガラスウェブ部分に取り付けられることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
ステップ(I)が、さらに、前記スプライス部材の別のガス透過性取付部分を前記第2の部分に取り付けることを含むことを特徴とする、請求項6または7に記載の方法。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
ガラスウェブ部分を互いにおよび他のウェブ材料、例えば、始端部/終端部材料にスプライシングする様々な構造および方法が記載される。本開示を通して、用語「ガラス」が便宜上使用されるが、これは、他の同様の脆性材料の代表である。例えば、ガラスは、透明ガラス(例えば、ディスプレイ品質のガラス)、ガラスセラミック、セラミック、および可撓性ウェブまたはリボンに形成され得る他の材料を指し得る。本明細書で開示する構造および方法は、ガラスを用いて、ポリマー、紙、および金属ウェブ材料のシステムに関して製造者が慣習としているものと同様の機能を達成する方法を提供する。これらの構造および方法はまた、ガス膨れの形成の影響を受けにくい、および/または成長を遅くする、成長を回避する、サイズを小さくする、もしくは形成されたガス膨れを完全に除去することもできるスプライスを提供する。したがって、構造および方法は、膨れの形成に起因したスプライス継手の破損を防止するのに役立つことができる。
【0006】
本発明者らは、より耐久性のあるガラスウェブを生じる、すなわち、真空蒸着システムに配置されるときにガス膨れを形成しない、スプライス継手自体の、およびスプライス継手の準備方法の様々な態様を見出した。例えば、本発明者らは、ウェブ部分に付着するスプライス部材の複数の部分をガス透過性にできることを見出した。ガス透過性は、スプライス部材の作製にガス透過性の材料を使用することによって、またはスプライス部材を通って延びる穿孔を設けることによってのいずれかでもたらされ得る。それゆえ、スプライス部材がウェブ部分に適用されると、ガスは、スプライス部材とウェブ部分との間に閉じ込められるのではなく、ガス透過性スプライス部材を通って逃げることができる。さらに、熱または圧力をスプライス部材に加えて、スプライス部材とウェブ部分との間に集まり得るガスを全て、さらに除去できる。
【0007】
追加的な特徴および利点は、以下の詳細な説明において記載され、一部には、当業者には説明から容易に明らかであるか、または本明細書および添付図面に例示されるように本発明を実施することによって認識される。上記の概要および以下の詳細な説明は双方とも、単に本発明の例示であり、特許請求されるような本発明の性質および特徴を理解するための要旨または枠組みを提供するものとすることを理解されたい。非限定的な例によって、本発明の様々な特徴は、以下のような様々な態様で互いに組み合わせ得る。
【0008】
第1の態様では、ガラスウェブは、第1のガラスウェブ部分と、第2の部分と、第1のガラスウェブ部分を第2の部分に結合するスプライス継手であって、少なくとも1つのガス透過性取付部分を含むスプライス部材を備えたスプライス継手とを含む。
【0009】
第1の態様の一例では、第2の部分は、第2のガラスウェブ部分を含む。
【0010】
第1の態様の別の例では、第1のガラスウェブの厚さは、約10マイクロメートルから約300マイクロメートルである。
【0011】
第1の態様の別の例では、スプライス部材は、第1のガラスウェブ部分に対面する第1の面と、第1の面に対向する第2の面とを含み、ガス透過性取付部分は、第1の面から第2の面までスプライス部材全体を通って延在する。
【0012】
第1の態様の別の例では、スプライス部材は可撓性膜を含む。
【0013】
第1の態様の別の例では、可撓性膜はガス透過性である。
【0014】
第1の態様の別の例では、取付部分は、取付部分にガス透過性をもたらすように構成された少なくとも1つの通気孔を含む。例えば、スプライス部材は、第1のガラスウェブ部分に対面する第1の面と、第1の面に対向する第2の面とを含むことができ、少なくとも1つの通気孔は、第1の面から第2の面までスプライス部材全体を通って延在する。別の例では、少なくとも1つの通気孔は、取付部分にガス透過性をもたらすようなパターンに配置された複数の通気孔を含む。さらに別の例では、通気孔は、約2mm以下の横断寸法を有する。
【0015】
第1の態様の別の例では、ガス透過性取付部分は、キャリア層と、キャリア層を第1のガラスウェブ部分に取り付ける接着層とを含む。
【0016】
第1の態様の別の例では、ガス透過性取付部分は、第2の部分の端部分を含む。
【0017】
第1の態様の別の例では、スプライス継手は、第1のガラスウェブ部分と第2の部分との間に間隙を含む、突合せ継手である。例えば、第1のガラスウェブ部分は、縦軸および幅を有することができ、および間隙は、幅にわたって縦軸に対して実質的に垂直である。
【0018】
第1の態様の別の例では、第1のガラスウェブ部分は第1の縦軸を含み、スプライス部材は、第1の縦軸に実質的に垂直に配置される縦軸を含む。
【0019】
第1の態様は、単独で、または上述の第1の態様の例のいずれか1つ以上と組み合わせて提供され得る。
【0020】
第2の態様では、第1のガラスウェブ部分を第2の部分にスプライシングする方法は、スプライス部材によって第1のガラスウェブ部分を第2の部分にスプライシングするステップ(I)であって、スプライス部材のガス透過性取付部分を第1のガラスウェブ部分に取り付けることを含むスプライシングステップ(I)を有してなる。
【0021】
第2の態様の一例では、スプライス部材は、第1の面と、第1の面に対向する第2の面とを含み、およびガス透過性取付部分は、第1の面から第2の面までスプライス部材全体を通って延在し、ステップ(I)において、第1の面は第1のガラスウェブ部分に取り付けられる。
【0022】
第2の態様の別の例では、ステップ(I)は、さらに、スプライス部材の別のガス透過性取付部分を第2の部分に取り付けることを含む。
【0023】
第2の態様の別の例では、ステップ(I)に先立ち、方法は、第1のガラスウェブ部分の端部と第2の部分の端部との間に間隙を設けるステップを含み、ステップ(I)は、第1のガラスウェブ部分の端部と第2の部分の端部との間に間隙を含むスプライス継手を提供する。
【0024】
第2の態様の別の例では、第1のガラスウェブ部分および第2の部分はそれぞれ、第1の主面および第2の主面を含み、第1の主面と第2の主面との間に厚さが画成され、およびステップ(I)は、スプライス部材を第1のガラスウェブ部分の第1の主面および第2の部分の第1の主面に取り付ける。例えば、ステップ(I)は、第1のガラスウェブ部分の第1の主面が第2の部分の第1の主面と実質的に同一平面に合わせられるように構成されたスプライス継手を提供し得る。
【0025】
第2の態様の別の例では、ステップ(I)は、スプライス部材に圧力を加えて、スプライス部材のガス透過性取付部分を第1のガラスウェブ部分に取り付けることを含む。
【0026】
第2の態様の別の例では、ステップ(I)は、スプライス部材に熱を加えて、スプライス部材のガス透過性取付部分を第1のガラスウェブ部分に取り付けることを含む。
【0027】
第2の態様は、単独で、または上述の第2の態様の例のいずれか1つ以上と組み合わせて提供され得る。
【0028】
本発明の上記および他の特徴、態様および利点は、添付図面を参照して以下の本発明の詳細な説明を読むとより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】スプライス継手を有するガラスウェブの上面図である。
【
図2】
図1の矢印2の方向に沿って見たときのガラスウェブの側面図である。
【
図3】
図2の線3−3に沿って取ったスプライス継手の断面図である。
【
図4】第2の実施形態によるスプライス継手を有するガラスウェブの側面図である。
【
図5】
図4の線5−5に沿って取ったスプライス継手の断面図である。
【
図6】第3の実施形態によるスプライス継手を有するガラスウェブの上面図である。
【
図7】
図6の線7−7に沿って見たときのガラスウェブの側面図である。
【
図8】
図7の線8−8に沿って取ったスプライス継手の断面図である。
【
図9】第4の実施形態によるスプライス継手を有するガラスウェブの上面図である。
【
図10】
図9の線10−10に沿って見たときのガラスウェブの側面図である。
【
図11】
図10の線11−11に沿って取ったスプライス継手の断面図である。
【
図12】本明細書で説明するような方法によるスプライス部材の側面図である。
【
図13】第1のウェブ部分をスプライス部材に取り付けるステップを示す、
図12と同様の図である。
【
図14】第2のウェブ部分をスプライス部材に取り付けるステップを示す、
図13と同様の図である。
【
図15】ローラを使用して第2のスプライス部材を第1および第2のウェブ部分に取り付けるステップを示す、
図14と同様の図である。
【
図16】第2のスプライス部材がウェブ部分に取り付けられると、ウェブ部分とスプライス部材との間に閉じ込められたガスを除去するために、第2のスプライス部材に圧力および/またはエネルギーを加えるステップを示す、
図15と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
ここで、特許請求する発明の例示的な実施形態を示す添付図面を参照して、本発明を下記でより詳細に説明する。可能であれば常に、図面を通して同じ参照符号を使用して、同じまたは同様の部分を指す。しかしながら、特許請求する発明は、多くの異なる形態で具現化してもよく、本明細書に記載する実施形態に限定されるとみなされるべきではない。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であるように提供され、特許請求する発明の範囲を当業者に完全に伝える。
【0031】
図1は、第1のガラスウェブ部分30を第2の部分40に結合するスプライス継手50を含むガラスウェブ20の例示的な実施形態を示す。第1のガラスウェブ部分30はフレキシブルガラスウェブを含んでもよく、フレキシブルガラスウェブは、ガラス(例えば、透明ガラス、例えばディスプレイ品質の透明ガラス)、ガラスセラミック、およびセラミック材料を含むことができ、かつまた無機および有機材料の複数の層を含み得る。ガラスウェブはまた、無機および有機フィルム、コーティング、およびラミネートを含む一方の面または両面に、追加的な層状材料を含み得る。第1のガラスウェブ部分30は、ダウンドロー、アップドロー、フロート、フュージョン、プレスローリング(press rolling)、もしくはスロットドロー(slot draw)、ガラス形成プロセスまたは他の技術によって生産され得る。第2の部分40は、第1のガラスウェブ部分30と同様の材料を含むガラスウェブとしてもよいし、または第2の部分40は、ガラス以外の材料、例えば、ポリマー、紙、または金属(例えば、金属箔)で作製された始端部または終端部としてもよい。
【0032】
図1および
図2に示すように、第1のガラスウェブ部分30は、長さ32、幅33、および厚さ34を有する。第1のガラスウェブ部分30は、縦軸36および端部37を有し、同様に、第2の部分40は縦軸46および端部47を有する。第1のガラスウェブ部分は、第1の主面38および第2の主面39を含む。同様に、第2の部分40は、第1の主面48および第2の主面49を含む。ごく一部の例では、第1のガラスウェブ部分30の長さ32は、約30cm〜約1000mの範囲とすることができ、および幅33は、約5cm〜約1mの範囲とすることができる。ごく一部の例では、厚さ34は、約10マイクロメートル〜約300マイクロメートル(例えば、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、125、150、175、200、225、250、275、または300マイクロメートル)、または、例えば、約50マイクロメートル〜約200マイクロメートルの範囲とすることができる。第2の部分40の寸法は、第1のガラスウェブ部分30と同じでもまたはそれとは異なってもよい。
【0033】
スプライス継手50は、第1のガラスウェブ部分30を第2の部分40に結合する。スプライス継手50自体に様々な異なる実施形態があってもよい。例えば、
図1〜3に示す第1の実施形態は、2つの部分30、40の間に間隙52のある片面突合せ継手を示す。例示的な実施形態では、端部37、47は、互いに隣接して配置されるため、縦軸36は縦軸46と同軸とし得るが、軸36と軸46が同軸ではない実施形態もあり得る。さらに、端部37、47は、幅54を有する間隙52によって離間している。間隙52は、縦軸36に任意選択的に実質的に垂直とし得る縦軸53に沿って延在する。間隙52の幅54は、約0.1mm〜約5mm(例えば、0.1、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.2、1.4、1.6、1.8、1.9、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、または5.0mm)とし得るが、代替的な例では他の幅のサイズが組み込まれ得る。幅54は、例えば、ウェブ20が運ばれる下流プロセスにおいてローラの周りで曲がるときのように、部分30、40が軸53(または幅54内でそれに平行な軸)の周りで回転するときに、端部37、47が互いにこすり合わないようなサイズにされ得る。しかしながら、本発明の範囲から逸脱せずに、間隙に対して他の幅を使用し得ることが分かる。さらに、2つの部分30、40が、それらの間に全く間隙のない状態で直接隣接する場合もあり得る。
【0034】
スプライス継手50はスプライス部材60を含む。スプライス部材60は、粘着テープ、接着剤が塗布されているフィルム、または第1のガラスウェブ部分30および第2の部分40上の接着剤上に置かれたフィルムとし得る。あるいは、スプライス部材60は、スプライス部材を第1のガラスウェブ部分30および第2の部分40に静電的に結合するために静電荷が加えられ得る非金属性部材とし得る。
【0035】
図示の通り、例示的な実施形態では、スプライス部材60は、任意選択的に、キャリア層62、接着層64、および縦軸57を含み得る。スプライス部材60は、さらに、取付部分65、66を含み得る。これらの取付部分65、66は、スプライス部材60によってウェブ部分30、40を接続する。キャリア層62は、可撓性膜、例えばポリマー、金属、または他の材料で作製されたフィルムを含み得る。一部の例では、接着層64は、感圧接着剤または硬化性接着剤を含み得る。スプライス部材60の接着層64は部分30、40に適用され、および取付部分65が第1のガラスウェブ部分30に付着しかつ取付部分66が第2の部分40に付着するように配置され得る。さらに、スプライス部材60は、縦軸57が縦軸36に実質的に垂直となり得るように配置され得る。この実施形態では、スプライス部材60は、第1の主面38、48に結合されて示す。しかしながら、その代わりに、さらなる例では、スプライス部材60は、第2の主面39、49の一方または双方に結合され得る。
【0036】
取付部分65、66の一方または双方は、ガス透過性とし得る。これは、様々な方法で実現され得る。例えば、スプライス部材60、またはスプライス部材60の複数の部分は、ガス透過性とし得る。さらなる例では、取付部分65、66においてスプライス部材を通る1つ以上の孔(例えば、穿孔)が設けられ得る。例えば、
図3は、第1の面71から、第1の面71に対向する第2の面72までスプライス部材60を通って延びる、複数の通気孔68を示す取付部分65の断面図である。通気孔68は、一部の例では孔68がなければガス透過性でなくてもよいキャリア層62および/または接着層64に、ガス透過性を提供し得る。一部の例では、キャリア層62および/または接着層64はガス透過性とし得るが、一方で孔68も含む。そのような例では、孔68は、他の方法でガス透過性である層のガス透過性を高め得る。通気孔68は任意の形状とし得るが、円形が、スプライス部材の引き裂きに対する最高強度および最小抵抗をもたらし得る。各通気孔68は、約1マイクロメートル〜約2mm(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、125、150、175、200、250、または300マイクロメートル〜0.5、0.75、1、1.25、1.5、1.75、または2mm)の横断寸法を有し得る。それゆえ、取付部分65が第1のガラスウェブ部分30に適用されると、ガスは、取付部分65と第1のガラスウェブ部分30との間に集まるのではなく、通気孔68を通って逃げることができる。
【0037】
複数の通気孔68が設けられる場合、これら通気孔は、任意選択的に、取付部分65、66にガス透過性をもたらすようなパターンに配置され得る。例えば、通気孔68は、
図1に示すように、アレイの形態に配置され得る。しかしながら、通気孔68はまた、スプライス部材60にわたってランダムに位置決めされてもよい。さらに、孔68は、
図1に示すように、部分的に面71を横切って位置決めされてもよいし、または孔68は、面71全体にわたって位置決めされてもよい。
【0038】
図4〜5に関連してスプライス継手50の第2の実施形態を説明する。この実施形態では、主に、第1の実施形態との違いを説明し、残りの要素は、第1の実施形態に関連して説明したものと同様、例えば同一であり、および同様の参照符号は、実施形態を通して同様の要素を示すことを理解されたい。第2の実施形態は、同様に、第1のガラスウェブ部分30、第2の部分40、およびスプライス部材60を有する;それら全ては、上述した第1の実施形態のように配置され、かつそれと同様、例えば同一の特徴を有する。しかしながら、第2の実施形態は、さらに、第2の主面39、49に結合された第2のスプライス部材80を含み、両面スプライス継手を形成する。
【0039】
第2のスプライス部材80は、第1の実施形態のスプライス部材60に関連して上述したものと同様の、例えば同じ特徴を有し得る。例えば、
図4に示すように、第2のスプライス部材80は、キャリア層82、接着層84、取付部分85、および取付部分86を含み得る。第2のスプライス部材80の接着層84は、部分30、40に適用され、および取付部分85が第1のガラスウェブ部分30に付着しかつ取付部分86が第2の部分40に付着するように配置され得る。
【0040】
一部の例では、両取付部分85、86は、第1のスプライス部材60の取付部分65、66と同様にガス透過性である。これは、スプライス部材60にガス透過性の材料を使用することによっておよび/または取付部分85、86を通って延びる穿孔を設けることによってのいずれかで実現することができる。例えば、
図5は、第1の面91から、第1の面91に対向する第2の面92まで第2のスプライス部材80を通って延びる、複数の通気孔88を示す取付部分85の断面図である。通気孔88は、キャリア層82および接着層84をガス透過性にするのを容易にし得る。あるいは、通気孔88は、キャリア層82を通ってのみ延在し得る。各通気孔88は、約1マイクロメートル〜約2mmの横断寸法を有し得るが、さらなる例では他のサイズの孔を使用してもよい。それゆえ、取付部分85を第1のガラスウェブ部分30に適用すると、ガスは、取付部分85と第1のガラスウェブ部分30との間に集まるのではなく、通気孔88を通って逃げることができる。
【0041】
第1のスプライス部材60と同様に、複数の通気孔88は、取付部分85、86にガス透過性をもたらすようなパターンに配置され得る。しかしながら、通気孔88はまた、スプライス部材80にわたってランダムに位置決めされてもよい。さらに、孔88は、部分的に面91を横切って位置決めされてもよいし、または孔は、面91全体にわたって位置決めされてもよい。
【0042】
以下、
図6〜8に関連して、スプライス継手50の第3の実施形態を説明する。この実施形態では、主に、他の実施形態との違いを説明し、残りの要素は、他の実施形態に関連して説明したものと同様、例えば同一であり、および同様の参照符号は、実施形態を通して同様の要素を示すことが理解される。この実施形態では、スプライス部材60は、第2の部分40の一部とし得る。
図7に示すように、スプライス部材60は、同様に、キャリア層62および接着層64を有し得る。あるいは、スプライス部材60は、スプライス部材を第1のガラスウェブ部分30に静電的に結合するため、静電荷が加えられ得る非金属性部材とし得る。
【0043】
例示的な実施形態では、スプライス部材60の接着層64は、第1のガラスウェブ部分30に配置および適用されるため、第2の部分40が第1のガラスウェブ部分30に重なり合う。縦軸36は縦軸46と同軸とし得るが、軸36と軸46が同軸ではない実施形態があってもよい。さらに、スプライス部材60を、第1の主面38に結合されているとして
図7〜8に示すが、その代わりに、スプライス部材60は第2の主面39に結合されてもよい。
【0044】
第1の実施形態と同様に、スプライス部材60は、特に、第1のガラスウェブ部分30に付着する部分の近くでは、ガス透過性とし得る。これは、スプライス部材60にガス透過性の材料を使用することによって、またはスプライス部材60を通って延在する孔(例えば、穿孔)を設けることによってのいずれかで、実現することができる。例えば、
図8は、スプライス部材60の断面図であり、面71から面72までスプライス部材60を通って延びて、キャリア層62および接着層64をガス透過性にする複数の通気孔68を示す。各通気孔は、例えば、約1マイクロメートル〜約2mmなどの様々な横断寸法を有し得る。それゆえ、スプライス部材60が第1のガラスウェブ部分30に適用されると、ガスは、スプライス部材60と第1のガラスウェブ部分30との間に集まるのではなく、通気孔68を通って逃げることができる。
【0045】
また、第1の実施形態と同様に、複数の通気孔68は、任意選択的に、スプライス部材60にガス透過性をもたらすようなパターンに配置され得る。例えば、通気孔68は、
図6に示すようにアレイの形態に配置され得る。しかしながら、通気孔68はまた、スプライス部材60にわたってランダムに位置決めされてもよい。
【0046】
以下、
図9〜11に関連して、スプライス継手50の第4の実施形態を説明する。この実施形態では、主に、他の実施形態との違いを説明し、残りの要素は、他の実施形態に関連して説明したものと同様、例えば同一であり、および同様の参照符号は、実施形態を通して同様の要素を示すことを理解されたい。この実施形態では、第1のスプライス部材60の取付部分65、66が、第1の主面38および第2の主面49にそれぞれ結合される。それと同時に、第2のスプライス部材80の取付部分85、86が、第1の主面48および第2の主面39にそれぞれ結合される。幅33にわたって並んで配置されているとしてスプライス部材60、80を示すが、ある状況下ではこれに当てはまる必要はない。その代わりに、第2のスプライス部材80は、その中間部分を通る孔を含んでもよく、および第1のスプライス部材60がそこに挿入され得る(または逆もまた同様である)。さらに、スプライス部材60、80は、幅33全体にわたって配置されなくてもよい。
【0047】
例示的な実施形態に関して、上述の通り第1のスプライス部材60を第1の主面38および第2の主面49に結合するために、接着層64が面74に設けられ、および接着層69が面73に設けられ得る。同様に、第2のスプライス部材80を第1の主面48および第2の主面39に結合するために、接着層84が面93に設けられ、および接着層89が面94に設けられ得る。他の実施形態と同様に、接着層64、69、84、89は、感圧接着剤または硬化性接着剤を含み得る。さらに、スプライス部材60、80が接着層を有しない実施形態があってもよい。例えば、スプライス部材60、80は、スプライス部材60、80を部分30、40に静電的に結合するため、静電荷を加え得る非金属性部材とし得る。
【0048】
取付部分65、66、85、86はガス透過性とし得る。他の実施形態と同様に、これは、スプライス部材60、80にガス透過性材料を使用して実現することができる。それに加えてまたはその代わりに、
図9および
図11に示すように、取付部分65、66、85、86は孔(例えば、穿孔)を含み得る。
図11は、スプライス部材60、80の断面図である。
図11に示すように、複数の通気孔68は、第1の面71から第2の面72へ第1のスプライス部材60を通って延び、および複数の通気孔88は、第1の面91から第2の面92へ第2のスプライス部材80を通って延びる。各通気孔68、88は、約1マイクロメートル〜約2mmの横断寸法を有し得るが、さらなる例では他のサイズの孔を使用してもよい。それゆえ、スプライス部材60、80を第1のガラスウェブ部分30に適用すると、ガスは、スプライス部材60、80と第1のガラスウェブ部分30との間に集まるのではなく、通気孔68、88を通って逃げることができる。
【0049】
図12〜16は、
図16に示す代表的なスプライシング構成に関し、第1のガラスウェブ部分130を第2の部分140にスプライシングするための例示的な方法を示す。
図12〜16に示すスプライシングの態様のいずれか、例えば態様の全てを、例えば、上記の
図1〜11に対して上述したような本開示の実施形態のいずれかに適用し得る。
図12に示すように、第1のスプライス部材160は面100に配置され得るため、第1のスプライス部材160の面171は支持面100に対面する。第1のスプライス部材160は、粘着テープ、または接着剤が塗布されたテープとし得る。あるいは、スプライス部材160は、静電荷が加えられ得る非金属性部材とし得る。例示的な実施形態では、第1のスプライス部材160は、キャリア層162、接着層164、取付部分165、および取付部分166を含む。キャリア層162は可撓性膜製のテープを含み得る。接着層164は、感圧接着剤、硬化性接着剤(熱、UV、または他のエネルギー源による)または他の接着タイプを含み得る。取付部分165、166はガス透過性とし得る。上述の通り、これは、例えば、スプライス部材160にガス透過性の材料を使用することによって、または面171から面172まで取付部分165、166を通って完全にまたは部分的に延びる孔(例えば、穿孔)を設けることによってのいずれかで、実現することができる。
【0050】
次いで、
図13に示すように、第1のガラスウェブ部分130が提供される。第1のガラスウェブ部分130は、ガラス(例えば、透明ガラス、例えばディスプレイ品質の透明ガラス)、ガラスセラミック、およびセラミック材料を含み、かつまた連続的なもしくはパターン化された無機および有機材料の複数の層を含み得るガラスウェブを含み得る。第1のガラスウェブ部分130は、ダウンドロー、アップドロー、フロート、フュージョン、プレスローリング、もしくはスロットドロー、ガラス形成プロセスまたは他の技術によって生産され得る。第1のガラスウェブ部分130は、端部137、第1の主面138、および第2の主面139を含む。第1のガラスウェブ部分130の長さ132は、約30cm〜約1000mの範囲とすることができ、および幅133は、約5cm〜約1mの範囲とすることができる。厚さ134は、約10マイクロメートル〜約300マイクロメートル、例えば約50マイクロメートル〜約200マイクロメートルの範囲とすることができる。第1のガラスウェブ部分130は第1のスプライス部材160に適用され得るため、取付部分165は第1の主面138に結合される。
【0051】
次いで、
図14に示すように、第2の部分140が提供される。第2の部分140は、第1のガラスウェブ部分130と同様の材料を含むガラスウェブとしてもよいし、または第2の部分140は、ガラス以外の材料、例えば、ポリマー、紙、または金属で作製された始端部または終端部としてもよい。第2の部分140の寸法は、第1のガラスウェブ部分130と同じでも、またはそれとは異なってもよい。第1のガラスウェブ部分130と同様に、第2の部分140は、端部147、第1の主面148、および第2の主面149を含む。第2の部分140は、第1のスプライス部材160に適用され得るため、取付部分166は第1の主面148に結合され、および端部137、147は、幅154を有する間隙によって離間している。さらに、第1のガラスウェブ部分130の第1の主面138は、第2の部分140の第1の主面148と実質的に同一平面上であるように向けられ得る。間隙の幅154は約0.5mm〜約5mmとし得るが、さらなる例では他のサイズも提供され得る。
【0052】
これまで説明した方法によれば、片面スプライス継手は、上述の第1の実施形態と同様に形成され得る。しかしながら、両面スプライス継手は、
図15に示すように、第2のスプライス部材180を提供する追加的なステップによって形成され得る。第2のスプライス部材180は、第1のスプライス部材160と同じ特徴を有し得る。例えば、
図15に示すように、第2のスプライス部材80は、キャリア層182、接着層184、取付部分185、および取付部分186を含み得る。第2のスプライス部材180は、任意選択的に、部分130、140上へと圧延され得る(例えば、ローラ200によって)ため、取付部分185は、第1のガラスウェブ部分130の第2の主面139に付着し、および取付部分186は、第2の部分140の第2の主面149に付着する。スプライス部材180を接着させるための圧延プロセスは、スプライス部材180をウェブ部分130、140に同時にまたは連続的に接着し得る。この圧延プロセスは、スプライス部材160、180のいずれかまたは双方を適用するために使用できる。あるいは、圧延プロセスは、ウェブ部分130または140を静止スプライス部材160または180に適用するために使用できる。一部の例では、両取付部分185、186は、第1のスプライス部材160の取付部分165、166と同様にガス透過性とし得る。
【0053】
第2のスプライス部材180を部分130、140に適用すると、熱もしくは圧力または何らかの他のエネルギー源をスプライス部材160、180に適用して、任意の必要な接着剤の硬化、ボンド強化を実施し得るか、またはスプライス部材160、180と部分130、140との間に閉じ込められた全てのガスを除去し得る。例えば、
図16に示すように、ローラ200は、第2のスプライス部材180の面191に圧力を加え得る。圧力が加えられると、ガスは、ガス透過性の取付部分165、166、185、186を通って逃げることができる。さらに、熱もしくは光または他のエネルギーをスプライス部材160、180に与えて、接着材料を硬化できる。例えば、
図16に概略的に示すように、ローラ200は、任意選択的な加熱機構202を含み、圧力および熱が任意選択的に同時にもたらされるようにし得る。あるいは、熱もしくは光または他のエネルギーは、ローラ200がスプライス部材をウェブ部分に取り付けるときに、スプライス部材に与えられ得る。
【0054】
本発明の上述の実施形態、特に任意の「好ましい」実施形態は、単に考えられる実装例であり、単に、本発明の様々な原理を明確に理解するために記載されていることを強調する。本発明の趣旨および様々な原理から実質的に逸脱することなく、本発明の上述の実施形態に対する多くの変形形態および修正形態をなしてもよい。そのような全ての修正形態および変形形態は、本明細書において本開示および本発明の範囲内に含まれ、かつ以下の特許請求の範囲によって保護されるものとする。
【0055】
例えば、スプライス部材の適用は、ウェブ部分とスプライス部材との間に閉じ込められたガスの除去をさらに容易にするために、真空で実施され得る。