(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
大気圧で半導体基板を搬送し格納する輸送キャリアの粒子汚染を測定するための測定ステーションであって、前記輸送キャリアは、開口と前記開口を閉じるようになっている着脱可能なドア(3)とを有する剛性筐体(2)を備え、前記測定ステーションは、
− 少なくとも1つの負荷ポート(8)を備える制御環境チャンバ(4)であって、少なくとも1つの負荷ポート(8)は、剛性筐体(2)と前記輸送キャリアのドア(3)との両方に結合されるようになっており、これにより、ドア(3)を制御環境チャンバ(4)の中に移動させることができるようになっている制御環境チャンバ(4)と、
− 粒子測定ユニット(14)を備える測定モジュール(5)とを備え、
前記測定モジュール(5)は、
− 筐体測定インタフェース(16)であって、制御環境チャンバ(4)と結合している剛性筐体(2)に、ドア(3)に代わって結合するようになっており、それにより、第1の測定容積(V1)を画定し、かつ少なくとも1つの注入ノズル(20)と、粒子測定ユニット(14)に接続された第1のサンプル開口(12)とを備えている筐体測定インタフェース(16)と、
− 中空状ドア測定インタフェース(21)であって、ドア(3)と結合するようになっており、それにより、測定モジュール(5)の測定面(22)と、反対側ドア(3)との間の第2の測定容積(V2)を画定し、前記測定面(22)は、少なくとも1つの注入ノズル(23)と、粒子測定ユニット(14)に接続された第2のサンプル開口(24)とを備えている、中空状ドア測定インタフェース(21)とを備えていることを特徴とする測定ステーション。
測定モジュール(5)は、休止位置と、剛性筐体(2)の中の測定位置との間で、筐体測定インタフェース(16)を移動させるようになっているモジュール移動機構(15、26)を備えていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の測定ステーション。
筐体測定インタフェース(16)と中空状ドア測定インタフェース(21)とは、背中合わせに配置され、筐体測定インタフェース(16)は、剛性筐体(2)の中を並進移動するようになっており、ドア(3)は、中空状ドア測定インタフェース(21)の方向に移動するようになっていることを特徴とする、請求項3または4に記載の測定ステーション。
粒子測定ユニット(14)のサンプルライン(19)は、分離弁(19a、19b)を備え、第1および第2のサンプル開口(12、24)の間を選択的に切り替えるようになっていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の測定ステーション。
筐体測定インタフェース(16)は、制御環境チャンバ(4)に結合された剛性筐体(2)の上の、異なる、少なくとも2つの場所にガスジェットを導くようになっている、少なくとも2つの注入ノズル(20)を備え、注入ノズル(20)のそれぞれの方向は、剛性筐体(2)に対して固定されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の測定ステーション。
筐体測定インタフェース(16)は、その基部から突出している測定ヘッド(13)を備えていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の測定ステーション。
前記測定ヘッド(13)は、平行6面体の形状を有し、測定ヘッド(13)の5面のそれぞれは、筐体測定インタフェース(16)の基部から突出しており、かつ少なくとも1つの注入ノズル(20)を備えていることを特徴とする、請求項8に記載の測定ステーション。
注入ノズル(20、23)の中へのガスの注入を選択的に制御するようになっている処理ユニット(27)を備えていることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか1項に記載の測定ステーション。
請求項1〜10のいずれか1項に記載の測定ステーションを使用して、大気圧で半導体基板を搬送し、格納する輸送キャリアの粒子汚染を測定するための測定方法であって、
− 測定モジュール(5)を剛性筐体(2)と結合し、それにより、筐体測定インタフェース(16)と剛性筐体(2)との間の第1の測定容積(V1)を画定し、剛性筐体(2)の内壁の汚染を測定するステップと、
− ドア(3)を測定モジュール(5)と結合し、それにより、前記測定面(22)と反対側ドア(3)との間の第2の測定容積(V2)を画定し、ドア(3)の汚染を測定するステップとを備えていることを特徴とする測定方法。
第1の隙間は、筐体測定インタフェース(16)と、筐体測定インタフェース(16)に結合した剛性筐体(2)との間に残され、注入ノズル(20)の中に注入されるガスジェットは、条件が変えられていて、前記第1の隙間を通して剛性筐体(2)の外部に向かう漏れガス流が生成され、また、第2の隙間は、中空状ドア測定インタフェース(21)と、中空状ドア測定インタフェース(21)に結合したドア(3)との間に残され、注入ノズル(23)の中に注入されるガスジェットは、条件が変えられていて、第2の隙間を通して中空状ドア測定インタフェース(21)の外部に向かう漏れガス流を生成させるようになっていることを特徴とする、請求項11に記載の測定方法。
【背景技術】
【0003】
半導体の製造に際しては、基板は、キャリアによって、1つの処理装置から別の処理装置に転送されるか、または2つの製造ステップの間に格納されるようになっている。特に、FOUP(正面開口式一体型容器:front openinig unified pod)、またはFOSB(正面開口式運搬箱:front opening shipping box)等の正面開口式ウェーハ輸送格納キャリア、またはSMIFポッド(標準機械インタフェース容器:standard mechanical interface pod:)等の底面開口式ウェーハ輸送格納キャリア、また更には、RSP(レチクルSMIF容器:reticle SMIF pod)、MRP(複数レチクルSMIF容器:multiple reticle SMIF pod)等のフォトマスク輸送格納キャリアは標準化されている。
【0004】
これらの輸送キャリアは、ポリカーボネート等でつくられており、場合により、これらの材料は、汚染物質を濃縮する可能性があり、特に、有機アミンまたは有機酸の汚染物質を濃縮する可能性がある。具体的には、半導体の製造中に、輸送キャリアを取り扱うと、それにより、汚染粒子が形成され、その汚染粒子は、輸送キャリアの壁面に停留して、輸送キャリアを汚染する。壁面に付着した粒子は、後に離脱して、これらキャリアの中に格納されている基板の上に落下し、これらの基板を使用不可能にする。この汚染は、基板にとって非常に有害である可能性がある。従って、これらのキャリアを、清浄にする必要がある。キャリアは、定期的に、純水等の液体で洗浄する必要がある。これらの洗浄ステップは、半導体基板製造工場で独自に、または大気圧輸送キャリアの洗浄専門の会社によって行われる。
【0005】
キャリアが洗浄を必要とする時期を決定するべく、粒子の汚染を測定するための公知の方法では、液体粒子検出器を使用して、輸送キャリアの壁に付着した粒子の数を測定する。しかし、この方法は、工業的半導体製造工程において実施するには、時間がかかり、かつ困難であるという欠点を有している。また、このタイプのステップは、再現性がない。具体的には、得られた測定は、この測定業務を実行するための専門の会社に直接に依存しており、品質管理の工程を標準化することができない。従って、汚染粒子のない輸送キャリアが洗浄されることがあり、そのため、不必要に生産速度が低下するか、または粒子で汚染されている半導体基板輸送格納キャリアを使用し続けることになり、基板汚染の潜在的危険性を排除することはできない。
【0006】
従って業界では、基板の欠陥レベルに影響がないようにするために、頻繁に予防洗浄を実施している。
【0007】
これを防止するために、生産工場で直接リアルタイムに、輸送キャリアの粒子汚染を測定するようになっている装置が知られている。これは例えば、特許文献1に記載されている。この測定装置は、輸送キャリアのドアを取り外すようになっている第1のチャンバと、輸送キャリアにおける剛性筐体の粒子汚染を測定するようになっている第2のチャンバとを備えている。インタフェースは、剛性筐体の内壁に対してガスジェットを方向付けるヒンジ式注入ノズルを備え、これにより、粒子を剥離させ、粒子カウンタを使用して、粒子数を測定することができる。ガス流をパルス状に注入することにより、粒子の分離を改善することができる。
【0008】
しかし、この測定装置では、ドアの粒子汚染レベルを測定することはできない。ドアは、輸送キャリアの内壁の中で、最も激しく、最も頻繁に、汚染が観測される部分である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の目的の1つは、大気圧輸送キャリアにおける、ドアを含む全ての内壁の粒子汚染のレベルを測定することができる測定ステーションと、これに対応する測定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的のために、本発明の1つの主題は、大気圧で半導体基板を搬送し格納する輸送キャリアの粒子汚染を測定するための測定ステーションである。前記輸送キャリアは、剛性筐体を備え、剛性筐体は、開口と、開口を閉じることができる着脱可能なドアを備えている。測定ステーションは、
− 少なくとも1つの負荷ポートを備える、制御された環境のチャンバ(制御環境チャンバ)であって、少なくとも1つの負荷ポートは、剛性筐体と、輸送キャリアのドアとの両方に結合するようになっており、これにより、ドアを制御環境チャンバの中に移動させることができる制御環境チャンバと、
− 粒子測定ユニットを備える測定モジュールとを備え、この測定モジュールは、
− 筐体測定インタフェースであって、制御環境チャンバに結合した剛性筐体と、ドアに代わって結合するようになっており、これにより、第1の測定容積を画定し、また、少なくとも1つの注入ノズルと、粒子測定ユニットに接続された第1のサンプル開口とを備えている、筐体測定インタフェースと、
− 中空状ドア測定インタフェースであって、ドアと結合して、測定モジュールの測定面と反対側ドアとの間の第2の測定容積を画定するようになっており、前記測定面は、少なくとも1つの注入ノズルと、粒子測定ユニットに接続された第2のサンプル開口とを有する、中空状ドア測定インタフェースとを備えていることを特徴としている。
【0012】
従って、中空状のドアの測定インタフェースによって、閉じた測定容積を画定することができ、測定が実行される際には、その中に注入ノズルからガスを吹き込んで、ドアから粒子を剥離させ、そこから、粒子測定ユニットに接続された第2のサンプル開口から、ガスサンプルを取り出す。このようにして、ドアの粒子汚染を測定することができる。更に、輸送キャリアの貝殻状の形状の筐体を使用して、制御環境チャンバから分離された測定容積を画定することができる。
【0013】
中空状ドアの測定インタフェースは、一般的に、例えば、枠状の形状を有している。
【0014】
ドアは、例えば、中空状ドアの測定インタフェースの方向に移動させることができる。
【0015】
測定モジュールは、モジュール移動機構を備えることができ、モジュール移動機構は、筐体測定インタフェースを、休止位置と、結合剛性筐体の中の測定位置との間を移動させるようになっている。
【0016】
1つの実施形態においては、筐体測定インタフェースと、中空状ドア測定インタフェースとは、背中合わせに配置されている。例えば、筐体測定インタフェースは、結合剛性筐体の中を移動することができ、ドアは、中空状ドア測定インタフェースの方向に移動することができる。
【0017】
粒子測定ユニットのサンプルラインは、弁装置を備え、これにより、第1および第2のサンプル開口の間を、選択的に切り替えることができるようになっている。従って、単一の粒子カウンタを使用して、ドアの粒子汚染レベルと、剛性筐体の内壁の粒子汚染レベルとの両方を測定することができ、測定ステーションの費用と、保守費用との両方を削減することができる。
【0018】
1つの実施形態においては、筐体測定インタフェースは、少なくとも2つの注入ノズルを備え、これら少なくとも2つの注入ノズルは、制御環境チャンバに結合した剛性筐体における、少なくとも2つの異なる個所に、ガスジェットを導くようになっている。注入ノズルのそれぞれの方向は、結合剛性筐体に対して固定されている。
【0019】
このように、本発明では、従来技術におけるように、注入ノズルを移動させて、剛性筐体の上の異なる区域にガスを吹き付けるのではない。本発明では、ガスは、固定された方向の注入ノズルから吹き付けられ、これにより粒子を剥離させる。測定は、筐体測定インタフェースによって閉じられた剛性筐体の閉空間の中で、可動部分を使用することなく行われる。吹きつけ操作の際に、注入ノズルを移動させることなく、剛性筐体の内壁に対して、極力近傍から、確実にガスを吹き付けることができる。
【0020】
更に、注入ノズルの吐出孔と、剛性筐体の内壁との間の距離を制御して、最適にすることができる。
【0021】
更に、ガスジェットの方向と、注入ノズルの流速および圧力の組み合わせとを制御することができ、一度設定すれば、その後は、全ての場合に対して、同一の粒子剥離条件を再現することができ、そのため、測定の再現性は保証される。
【0022】
測定ステーションは、注入ノズルへのガスの選択的注入を制御するようになっている処理ユニットを備えることができる。
【0023】
1つの実施形態においては、筐体測定インタフェースは、筐体測定インタフェースの基部から突出している測定ヘッドを備えている。例えば、前記測定ヘッドは、一般的に平行六面体の形状を有し、測定ヘッドの5面のそれぞれは、筐体測定インタフェースの基部から突出し、少なくとも1つの注入ノズルを備えることができる。従って、剛性筐体の5面のそれぞれの面に対するガスの注入を選択的に制御して、5面のそれぞれの面の汚染を測定することができ、これにより、汚染の由来源、および清浄状態を、輸送キャリアの各内壁に対して、高い精度で測定することができる。
【0024】
注入ノズルは、ルビー、サファイア、ジルコニア等の硬質材料で作られたインジェクタ備えることができ、これにより、注入開口を高精度に規定することができる。従って、良好な測定再現性を得ることができる。更に、硬質材料で作られたインジェクタは、疲労に対する耐性を有し、寸法の経時変化を回避することができる。
【0025】
注入ノズルは、例えば、互いに直交し、制御環境チャンバに結合した剛性輸送キャリア筐体の壁と直交する、少なくとも2つの方向にガスジェットを導くように構成することができる。壁に直交するガスジェットは、剛性筐体の内壁に対する影響を軽減し、内壁に付着した粒子を効果的に剥離させることができる。
【0026】
粒子測定ユニットは、サンプルラインの中にパージガスを注入するようになっている洗浄手段を備えることができる。
【0027】
ドア作動機構、および/またはモジュールの移動機構のアクチュエータは、制御環境チャンバ内に配置することができる。制御環境チャンバは、濾過層流ユニットを備えることができ、これにより、制御環境チャンバの内部雰囲気を濾過空気の層流の下に置くことができる。従って、アクチュエータによって生成されるいずれの粒子も、測定ステーションから排出することができる。
【0028】
測定ステーションは、制御環境チャンバの横側に位置する電気キャビネットを備えることができる。電気キャビネットは、粒子測定ユニットの真空ポンプを収容し、これにより、電気キャビネットの中に収容された種々の構成部品からの制御環境チャンバに対する汚染を防ぐことができる。
【0029】
1つの実施形態においては、制御環境チャンバは、2つの負荷ポートを備え、2つの負荷ポートは、それぞれの輸送キャリアに結合することができる。モジュール移動機構は、例えば、筐体測定インタフェースを、休止位置と、どちらかの結合剛性筐体の中の測定位置との間を移動させるようになっている。
【0030】
本発明の別の課題は、上記した測定ステーションを使用して、大気圧で半導体基板を搬送し格納する輸送キャリアの粒子汚染を測定するための測定方法の提供であり、この測定方法は、
− 測定モジュールを剛性筐体と結合させ、それにより、筐体測定インタフェースと結合剛性筐体の間の第1の測定容積を画定し、剛性筐体の内壁の汚染を測定するステップと、
− ドアを測定モジュールと結合させ、それにより、前記測定面と反対側ドアとの間の第2の測定容積を画定し、ドアの汚染を測定するステップとを備えている。
【0031】
1つの実施形態においては、第1の隙間が、筐体測定インタフェースと、筐体測定インタフェースに結合された剛性筐体との間に残される。注入ノズル内に注入されるガスジェットは、サンプルされるガスに応じて条件が変えられており、漏れガス流が生成される。漏れガス流は、第1の隙間を通って、剛性筐体の外部に導かれる。第2の隙間は、中空状ドア測定インタフェースと、中空状ドア測定インタフェースと結合された剛性筐体との間に残される。注入ノズル内に注入されるガスジェットは、サンプルされるガスと比較して、条件が変えられており、漏れガス流が生成される。漏れガス流は、第2の隙間を通って、中空状ドア測定インタフェースの外部に導かれる。
【0032】
サンプルされるガスよりも多くのガスを注入することにより、剛性筐体、およびドアは、いずれも汚染されることはない。
【0033】
従って、迅速な自動測定、および再現性のある測定が可能であり、更に、輸送キャリアの内壁に関する粒子の由来源についての詳細を得ることができる。
【0034】
他の利点および特徴は、本発明の例示的かつ非限定的な実施例の説明、および添付の図面から明らかになると思う。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、大気圧で半導体基板を搬送し格納するFOUP輸送キャリアに結合された、粒子汚染を測定するための測定ステーション1を示す。
【0037】
図は、FOUP輸送キャリアに結合している測定ステーションを示しているが、この測定ステーションは、特に、SMIF、FOSB、RSP、またはMRP等の、大気圧で半導体基板を搬送し格納するための輸送キャリアとして標準化された他の種類のキャリアに適合させることもできる。
【0038】
これらの輸送キャリアは、大気圧で閉じ込められた空気、または窒素内部雰囲気(すなわち、クリーンルームの動作環境における圧力とほぼ同等の圧力)を有する。しかし、周囲環境からは、分離されている。
【0039】
図2および
図3aに示すように、輸送キャリアは、周辺剛性筐体2を備え、周辺剛性筐体2は、実質的に平行六面体の形状を有し、開口を含んでいる。開口は、着脱可能なドア3で閉じることができ、基板を挿入し、取り出すことができる寸法となっている。筐体2、およびドア3は、ポリカーボネート等の材料で作られている。 FOUP輸送キャリアの場合には、剛性筐体2は、ほぼ円筒状の底壁を有している。剛性筐体2の内側および底壁、およびドア3は、基板を保持するためのスロットが装備されている。キャリアは、比較的よく密封されてはいるが、そのシールレベルは、わずかな漏れが、剛性筐体2とドア3との間に配置されたシールを通して発生するようなレベルである。特定の輸送キャリア、特にFOUPキャリアでは、濾過ガス通気口が設けられており、これにより、輸送キャリアの内部と外部との間の圧力の平衡を得ることができる。
【0040】
測定のためには、基板を取り出して、輸送キャリアを空にする。
【0041】
図3aに示すように、測定ステーション1は、制御環境チャンバ4と、測定モジュール5とを備えている。
【0042】
制御環境チャンバ4の内部の雰囲気は、上記で定義した大気圧である。制御環境チャンバ4は、クリーンルームチャンバである。これは、例えば、ISO標準146644−1に従って認証されたISO3であり、「ミニ環境(mini environment)」と呼ばれる環境を形成している。この目的のために、制御環境チャンバ4は、濾過層流ユニット6を備えることができる。
【0043】
濾過層流ユニット6は、空気フィルタを備え、制御環境チャンバ4の中に浸透する外部空気から、粒子を濾過する。濾過層流ユニット6は、また、流れ拡散器を備え、濾過空気を層流に拡散する。この層流は、例えば、測定ステーション1の頂部から底部に向かって流れる。これは、
図3aにおいて、矢印F1で示してある。更に、制御環境チャンバ4の底部は、穿孔を有し、これを通して、層流を吹き抜けさせることができる。従って、濾過層流ユニット6によって、制御環境チャンバ4の内部の雰囲気は、濾過空気の層流によって掃引され、これにより、空気循環、または制御環境チャンバ4内の可動部品によって生成される可能性がある粒子の侵入を制限するとともに、それら粒子の排出を確実にしている。
【0044】
測定ステーション1は、電気キャビネット7を備え、電気キャビネット7は、測定ステーションの電気部品の全てまたは一部を収容し、それらに電力を供給することができる。電気キャビネット7は、制御環境チャンバ4の横側で濾過空気の層流の外に設置すると有利である。このようにすると、電気キャビネット7内に収容されている種々の構成部品による制御環境チャンバ4の汚染を防止することができる。
【0045】
制御環境チャンバ4は、正面板10、および正面板10の下に位置する負荷ポート8を備えている。
【0046】
負荷ポート8は、剛性筐体2と、輸送キャリアのドア3との両方に結合されるようになっており、これにより、制御環境チャンバ4内にドア3を移動させ、剛性筐体2の内部を制御環境チャンバ4の内部と連通させることができる。
【0047】
負荷ポート8は、プラットフォーム9を備え、これにより、輸送キャリアを受け入れて、設置することができる。プラットフォーム9は、存在センサを備え、存在センサは、輸送キャリアモデルが、測定ステーション1と適合するか否かを検査して受け入れるようになっている。更に、負荷ポート8のプラットフォーム9は、剛性筐体2と結合するために、ドッキング手段を備え、ドッキング手段は、剛性筐体2をクランプするとともに、剛性筐体2を、制御環境チャンバ4のアクセス10の方に前進させるようになっている(
図3aの中の矢印D1)。
【0048】
負荷ポート8はまた、負荷ポートドア11を備えている。負荷ポートドア11は、輸送キャリアのドア3と実質的に同じ寸法である。負荷ポートドア11は、輸送キャリアがないときには、制御環境チャンバ4のアクセス10を閉じることができる。負荷ポートドア11は更に、ロック作動手段を備え、このロック作動手段は、ドア3のロック部材をロックおよびロック解除することができる。
【0049】
ドア3のロック部材は、それ自体は公知の部材であり、例えば、ドア3側に取り付けられたボルトを備えている。このボルトは、半径方向または横方向の摺動運動によって作動し、輸送キャリアが閉じられるときに、輸送キャリアの剛性筐体2と係合する。
【0050】
ロック部材がロック解除されると、ロック作動手段は、逆に、ドア3を負荷ポートドア11に固定する。そしてドア/ドアアセンブリ3、11は、一体となって、制御環境チャンバ4の中に移動される。これを行うために、負荷ポートドア11は、ドア作動機構を備えている。
【0051】
ドア作動機構は、例えば、第1のモータ駆動直線軸(図示せず)を備え、直線並進移動(水平並進移動等)させることができる。これは、
図3bの中の矢印D2で示されている。これらの作動機構は、磁気軸受けアクチュエータであるのが好ましく、これにより、それらを、摩擦がなく、従って清浄に動かすことができる。ドア作動機構は、濾過層流の下の制御環境チャンバ4内に配置されていることが好ましく、これにより、ドア作動機構によって生成されるいかなる粒子も排出させることができる。
【0052】
ドア/ドアアセンブリ3、11 は、アクセス10の正面区域から外れて、例えば、制御環境チャンバ4の内壁の近くでアクセス10の反対側に移動させられる。別の実施形態(図示せず)においては、ドア作動機構は、ドア/ドアアセンブリ3、11 を、水平方向ではなくて、制御環境チャンバ4の底部に向かって移動させる。
【0053】
ドア3が、剛性筐体2から離されて移動すると、剛性筐体2の内部は、制御環境チャンバ4の内部空間と連通状態となる。
【0054】
測定モジュール5は、筐体測定インタフェース16を備え、筐体測定インタフェース16は、制御環境チャンバ4に連結された剛性輸送キャリア筐体2に、ドア3、粒子測定ユニット14、およびモジュール移動機構15に代わって結合するようになっている。
【0055】
筐体測定インタフェース16は、少なくとも2つの注入ノズル20を備えている。この少なくとも2つの注入ノズル20は、接続された剛性筐体2の上の、異なる少なくとも2つの場所に、ガスジェットを導くようになっており、これら注入ノズル20のそれぞれの方向は、結合剛性筐体2に対して固定されている。筐体測定インタフェース16はまた、粒子測定ユニット14に接続された第1のサンプル開口12を備えている。
【0056】
サンプル開口12および注入ノズル20は、例えば、測定ヘッド13上に配置され、測定ヘッド13は、筐体測定インタフェース16の基部から突出している。
【0057】
注入ノズル20は、ルビー、サファイア、ジルコニア等の硬質材料で作られたインジェクタを備えている。インジェクタは、硬質材料からなる中空円筒であり、この中空円筒の内径は、非常に高い精度(数μm程度)で規定することができる。この内径は、ガス注入流速と圧力差(制御環境チャンバ4の大気圧とガス吸入孔の圧力との間の圧力差)との組み合わせを規定する。硬質材料製のインジェクタは、疲労に対する耐性を有し、これにより、寸法の経時変化を回避することができ、インジェクタを高い精度で製作することができる。従って、再現性が高い測定が可能になる。
【0058】
インジェクタは、測定モジュール5のハウジング5aを通して、分離弁(図示せず)を介して供給されるガスのガス供給システムに接続されている。注入されるガスは、窒素等の不活性ガスである。注入ノズル20には、更に、粒子フィルタが設けられ、注入されるガスを汚染する粒子を、濾過することができるようになっている。
【0059】
注入ノズル20は、例えば、互いに直交し、制御環境チャンバ4に連結された剛性筐体2の壁に対して直交する、少なくとも2つの方向にガスジェットを導くようになっている(
図3dの中の点線で示されるガスジェットの例参照)。壁に直交するガスジェットは、壁に対する影響を小さくして、粒子を効果的に剥離させることができる。
【0060】
測定ヘッド13は、例えば、平行六面体の形状を有している。この形状は、剛性筐体2の内部を、実質的に補完する形状となっている。測定ヘッド13の5面のそれぞれは、筐体測定インタフェース16の基部から突出しており、少なくとも1つの注入ノズル20を備えている。注入ノズル20は、測定ヘッド13の面とほぼ直交する方向に、ガスジェットを導く。従って、剛性筐体2の5面の各々を、個別に測定することができる。
【0061】
更に、それぞれの面は、複数の注入ノズル20を備えることもでき、これら複数の注入ノズル20は、ガスジェットを互いに平行な方向に導くようになっている。
【0062】
例えば
図2に示すように、測定ヘッド13の、5つの突出面の各々は、それぞれ、4つの注入ノズル20を備えている。1つの面の4つの注入ノズル20は、正方形の4隅に配置されている。
【0063】
図4に示す別の例においては、各面の4つの注入ノズル20は、実質的に正中水平線に沿って整列されている。
【0064】
測定の信頼性を高めるために、ガスジェットを、剛性筐体2の特に重要な区域(基板を保持するためのスロット、または剛性筐体2の隅)に局在化させることができる。また、1面当たりの注入ノズル20の数を増加させることにより、内壁の表面に対するカバレッジを最大にすることもできる。
【0065】
第1のサンプル開口12は、例えば、測定ヘッド13の面の内の1つの面に収容することができる。
【0066】
測定ヘッド13は、注入ノズル20の吐出孔と、連結された剛性筐体2の内壁との間の距離が、数センチメートル程度、またはそれ以下、例えば1mm〜 10cmとなっている。粒子の剥離を最適化するために、注入ノズル20の流量は、注入ノズル20の数に応じて、例えば、10〜30リットル/分(例えば、約20リットル/分)である。注入ノズルの数が増加すれば、流量は減少する。制御環境チャンバ4の大気圧と、ガス吸入孔の圧力との間の圧力差は、例えば、約3〜4バールである。
【0067】
モジュール移動機構15は、筐体測定インタフェース16を、休止位置(
図3a)と制御環境チャンバ4に接続された剛性筐体2の測定位置(
図3d)との間を移動させるようになっている。モジュール移動機構15は、第2のモータ駆動軸を備えている。第2のモータ駆動軸によって、例えば、2つの直線並進移動をさせることができる。この2つの直線並進移動は、例えば、水平並進移動(
図3cの矢印D3で示す)、および、ドア3の移動中に、剛性筐体2に向かって、または剛性筐体2から離して、測定ヘッド13をアクセス10の正面区域から出してシフトさせる垂直並進移動である。ドア作動機構に関しては、モジュール移動機構のアクチュエータは、磁気軸受アクチュエータであり、濾過空気の層流の下での制御環境チャンバ4の中に配置されることが有利である。
【0068】
測定ヘッド13は、筐体測定インタフェース16の基部から、制御環境チャンバ4のアクセス10の方向に突出している。筐体測定インタフェース16の基部は、輸送キャリアドア3と、ほぼ同じ形状および寸法であり、ドア3に代わって、剛性輸送キャリア筐体2と容易に結合することができる。測定ヘッド13は、例えば、筐体測定インタフェース16の基部の中央に固定されている。
【0069】
筐体測定インタフェース16が、制御環境チャンバ4に結合した剛性筐体2の中(すなわち測定位置)に移動する際には、筐体測定インタフェース16は、ドア3に代わって、剛性筐体2を閉じ、これにより、第1の測定容積V1を画定する。測定ヘッド13は、この第1の測定容積V1の中に収容され、これにより、剛性筐体2の内部は、粒子測定ユニット14に接続された第1のサンプル開口12、および注入ノズル20と連通する。このように、輸送キャリアの貝殻状形状周辺筐体を使用して、剛性筐体2と筐体測定インタフェース16との間に、第1の測定容積V1が画定される。そして、測定ステーション1の残りの部分から分離された第1の測定容積V1の中で、測定が実行される。
【0070】
筐体測定インタフェース16は、剛性筐体2を密封状態に閉じているのではなく、筐体測定インタフェース16と剛性筐体2との間にわずかな第1の隙間を残し、漏れ流れの通路を提供している。注入ノズル20内に注入されるガスの注入流は、条件が変えられていて、第1の測定容積V1の中には、外部雰囲気と比較して、わずかに過圧力が生成され、そのため、第1隙間を通して外部に向かう気体の流れが促進される。これにより、粒子汚染の危険性が低減される
【0071】
粒子測定ユニット14は、例えば、真空ポンプ17と、真空ポンプ17の上流側に接続された粒子カウンタ18と、粒子カウンタ18の上流のサンプルライン19を備えている。真空ポンプ17は、例えば、電気キャビネット7の中に配置されている。
【0072】
サンプルライン19は、その端部のところで、測定ヘッド13の第1のサンプル開口12に接続されている。サンプルライン19は、第1の分離弁19aを備えることができ、第1の分離弁19aは、第1のサンプル開口12と粒子カウンタ18との間に配置されている。サンプルライン19は、十分に可撓性があり、長く、これにより、測定ヘッド13を前後に移動させることができる。粒子測定ユニット14は、例えば、ケーブルチェーンを備えることができ、サンプルライン19を保持して案内する。粒子カウンタ18は、例えば、制御環境チャンバ4の中に収容され、サンプル開口12の極力近傍に配置され、これにより、粒子カウンタ18に接続されたサンプルライン19の長さを限定することができる。
【0073】
更に、粒子測定ユニット14は、洗浄手段29を備えることができる。洗浄手段29は、サンプルライン19の中にパージガスを注入するようになっており、これにより、サンプルライン19の中に停留している可能性がある粒子を廃棄することができる。
【0074】
ガスサンプルは、筐体測定インタフェース16に接続された剛性筐体2の第1の測定容積V1から、測定ヘッド13の第1のサンプル開口12を通しての吸引によって取り出される。ガスサンプルの中に含まれる粒子の数は、粒子カウンタ18によって測定される。粒子カウンタ18は、例えば、エアロゾル粒子カウンタである。すなわち、エアロゾル粒子カウンタによって、気体環境中に懸濁された粒子から定量的情報を得ることができる。これは、例えば、レーザー技術に基づいている。真空ポンプ17の排気流速度は、例えば、約1.7m
3/hである。
【0075】
位置決め手段、輸送キャリアモデルを検査する手段、ロック作動手段、負荷ポートのドア作動手段、およびガス注入手段は、測定ステーション1の処理ユニット27によって制御される。処理ユニット27は更に、注入ノズル20の中へのガスの注入を選択的に制御するようになっている。処理ユニット27は、ユーザインタフェース28に接続され、ユーザインタフェース28は、例えば、スクリーンとキーボードとを備えている。これは、
図1に示してある。
【0076】
測定ステーション1は、また、輸送キャリアのドア3を測定するように設計されている。
【0077】
これを行うために、測定モジュール5は、中空状ドア測定インタフェース21を備えている。中空状ドア測定インタフェース21は、ドア3と結合するようになっており、これにより、測定モジュール5の測定面22と反対側ドア3との間の第2の測定容積V2を画定する(
図3eおよび
図5)。負荷ポート8のドア作動機構は、例えば、測定ヘッド13が剛性筐体2の中に移動された後、中空状ドア測定インタフェース21の方向にドア3を移動させることができる。
【0078】
測定面22は、少なくとも1つの注入ノズル23と、第2のサンプル開口24とを備えている。測定面22は、例えば、4つの注入ノズル23を備えている。これにより、中空状ドア測定インタフェース21は、第2の測定容積V2の内部を、粒子測定ユニット14に接続された第2のサンプル開口24、および注入ノズル23と連通させる。
【0079】
ドア3が、それ自体としては、剥離された粒子を閉じこめて測定するべき容積部分を提供できない場合には、測定が実行されるときには、この中空状ドア測定インタフェース21が、第2の測定容積V2を画定し、その中に注入ノズル23がガスを吹き込み、ドア3から粒子を剥離して、粒子測定ユニット14に接続された第2のサンプル開口24から、ガスサンプルを取り出す(
図3e)。
【0080】
中空状ドア測定インタフェース21は、例えば、枠状を呈し、その外周の寸法は、ドア3の寸法と実質的に同等である、その厚さは、注入ノズルの吐出孔と結合筐体2の内壁との間の最適な距離と実質的に同等である。最適な距離は、約数cm、例えば1〜10cmである。従って、第2の測定容積V2は、輸送キャリアの内部容積の1/5程度である。
【0081】
注入ノズル23は、測定ヘッド13の注入ノズル20と同様であり、例えば、測定面22と、ほぼ直交する方向にガスジェットを導くようになっている(
図3eの中の点線で示すガスジェットの例参照)。
【0082】
中空状ドア測定インタフェース21は、ドア3を、密閉状態に閉じているのではなく、中空状ドア測定インタフェース21とドア3との間には、わずかな隙間が残されている。注入ノズル20の中に注入されるガス流の条件は変えられて、第2の測定容積V2の中には、外部雰囲気と比較してわずかな過圧力が生成され、そのため、第2の隙間を通してのガスの流れが促進される。これにより、粒子汚染の危険性が低減される。
【0083】
筐体測定インタフェース16と中空状ドア測定インタフェース21とは、例えば、背中合わせに配置されている。測定ヘッド13は、結合剛性筐体2の中に移動することができ、ドア3は、中空状ドア測定インタフェース21の方向に移動することができる。
【0084】
サンプルライン19は、弁装置を備え、第1および第2のサンプル開口12、24の間を選択的に切り換える(
図3a)。
【0085】
弁装置は、例えば、第1のサンプル開口12と粒子カウンタ18との間に配置された第1の分離弁19aと、第2のサンプル開口24と粒子カウンタ18との間に配置された第2の分離弁19bとを備えている。第1および第2の分離弁19aおよび19bは、処理ユニット27によって制御することができ、これにより、輸送キャリアのドア3と、剛性筐体2の内壁の内の1つとを、選択的に測定することができる。従って、単一の粒子カウンタ18を使用して、ドア3と剛性筐体2の内壁との両方を測定することができる。別の実施形態においては、弁装置は、三方弁を備えている。
【0086】
休止位置では、測定モジュール5は、制御環境チャンバ4の中に配置され、制御環境チャンバ4のアクセス10は、負荷ポートドア11によって閉じられている(
図3a)。
【0087】
次に、オペレータまたはロボットが輸送キャリアを負荷ポート8のプラットフォーム9上に置くと、負荷ポート8は、輸送キャリアを位置決めして、輸送キャリアのモデルを検査する。そして、キャリアの剛性筐体2をクランプし、制御環境チャンバ4のアクセス10に向かって、剛性筐体2を進める(
図3aの中の矢印D1)。
【0088】
負荷ポートドア11のロック作動手段は、その後、ドア3のロック部材のロックを解除し、ドア3を、負荷ポートドア11に固定する(第1のステップ:
図3b)。
【0089】
次に、ドア/ドアアセンブリ3、11は、アクセス10から離れて、制御環境チャンバ4の中に移動させられる(
図3bの中の矢印D2)。これにより、剛性筐体2の内部容積は、制御環境チャンバ4の内部容積と連通状態に置かれる(第2のステップ:
図3c)。測定ステーション1は、連動センサを備えることができ、これにより、輸送キャリアが開かれた後に、剛性筐体2が、基板を取り除かれて実際に空になっていることを確認することができる。
【0090】
第3のステップでは、筐体測定インタフェース16は、剛性筐体2の方向に移動させられる。
【0091】
第4のステップで、筐体測定インタフェース16は、ドア3に代わって剛性筐体2と結合し、測定位置となる。結合された状態では、測定ヘッド13は、筐体測定インタフェース16と剛性筐体2とによって画定される第1の測定容積V1の中に固定される。従って、この第1の測定容積V1は、粒子測定ユニット14に接続されて、測定ヘッド13に収容されている第1のサンプル開口12と、測定ヘッド13の注入ノズル20との両方と連通状態になる(
図3d)。
【0092】
第5のステップにおいて、ガスジェットは、所定の向きの全て注入ノズル20の中に同時に注入される。例えば、ガスジェットは、測定ヘッド13の所定の面の4つの注入ノズル20の中に注入される。ガスジェットは、結合剛性筐体2の内壁の上に存在する粒子のサンプルを剥離する。注入ノズル20の吐出孔と内壁との間の距離は制御され(特に、測定ヘッド13の寸法に従って)、それにより、次々に取り扱う輸送キャリアに対して、再現性のよい粒子剥離を行うことができる。
【0093】
ガスは、サンプルライン19を通しての吸引によって、第1の測定容積V1からサンプルされる。ガスサンプルに含まれる粒子の数は、粒子カウンタ18によって連続して測定される。
【0094】
注入ガス流によって、第1の測定容積V1の中には、外部雰囲気と比較してわずかな過圧力が生成される。そのため、筐体測定インタフェース16と剛性筐体2との間の第1の隙間を通して外部に向かう気体の流れが促進され、それにより、剛性筐体2の粒子汚染の危険性が低減される。
【0095】
次に、測定操作は、測定ヘッド13のそれぞれの面上の所定の向きの注入ノズル20に対して繰り返される。
【0096】
処理ユニット27は、輸送キャリアの面毎の清浄状態を、ユーザに通知する。
【0097】
筐体測定インタフェース16が、剛性筐体2に結合された後、負荷ポートドア11、および結合されたドア3は、ドア作動機構の作用によって、中空状ドア測定インタフェース21の方向に移動される(第6のステップ:
図3dの中の矢印D4)。
【0098】
次に、第7のステップにおいて、ドア3は、測定モジュール5と結合し、これにより、測定モジュール5の測定面と反対側ドア3との間の第2の測定容積V2を画定する(
図3e)。結合された状態では、中空状のドア測定インタフェース21は、測定面22に対して固定される。従って、第2の測定容積V2は、粒子測定ユニット14に接続されて、測定面22の中に収容された第2のサンプル開口24と、測定面22の注入ノズル23との両方と連通状態にされる。第7のステップは、第4のステップに引き続いて行うことができる。
【0099】
第8のステップでは、注入ノズル23は、ガスジェットをドア3の方向に噴射する。
ガスジェットは、ドア3の上に存在する粒子のサンプルを剥離する。注入ノズル23の吐出孔とドア3との間の距離は制御され、これにより、次々に取り扱う輸送キャリアに対して、再現性のよい粒子剥離を行うことができる。
【0100】
ガスは、第1の分離弁19aが閉じられて、第2の分離弁19bが開かれた後に、サンプルライン19を通した吸引によって、第2の測定容積V2からサンプルされる。ガスサンプルに含まれる粒子の数は、粒子カウンタ18によって連続的に測定される。注入ガス流は、第2の測定容積V2の中に、外部雰囲気と比較してわずかな過圧力を生成し、そのため、中空状ドア測定インタフェース21とドア3との間の第2の隙間を通って外部に向かう気体の流れが促進され、それにより、粒子汚染の危険性が低減される。
【0101】
処理ユニット27は、輸送キャリアの、ドア3を含めて、それぞれの面の清浄状態をユーザに通知する。
【0102】
測定が完了すると、ドア/ドアアセンブリ3、11は、中空状ドア測定インタフェース21から離されて、測定ヘッド13は、剛性筐体2から取り外される。輸送キャリアは、再び閉じられ、その清浄状態に応じて、洗浄のために送られるか、または輸送のために引き続いて使用される。
【0103】
図6および
図7に示す測定ステーションの第2の実施形態においては、制御環境チャンバ4は、2つの負荷ポート8aおよび8bを備え、2つの負荷ポート8aおよび8bは、それぞれの輸送キャリアに接続できるようになっている。
【0104】
各負荷ポート8aおよび8bは、それぞれ、ドア作動機構25a、および25bを備えている。
【0105】
モジュール移動機構26は、測定ヘッド13を、どちらかの剛性筐体2の中の測定位置へ移動させるようになっている。これを行うために、モジュール移動機構26は、例えば、測定ヘッド13を、制御環境チャンバ4の中の、その軸運動の方向に対して横方向に移動させることができる。これにより、測定ヘッド13は、制御環境チャンバ4のアクセス10からシフトして、ドア作動機構25aまたは25bへの通路から外れる。