【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、独立項の特徴により達成される。有利な実施形態は、従属項に起因する。
【0011】
以下に、「インターフェース装置」「インターフェース部」「患者用インターフェース」「患者用アダプタ」及び「眼球用インターフェース」という用語が、交互に使用されるが、同義であると理解されたい。
【0012】
本発明の第1の態様によれば、本発明の眼球の外科手術のためのレーザーシステムは、眼球の外科手術のレーザー装置と、一組のインターフェース装置(患者用/眼球用インターフェース)とを含む。眼球の外科手術のレーザー装置は、人間の眼球組織の光切断の生成に合った放射特性を持つ集光パルスレーザー放射を提供するための光学素子と、レーザー放射の焦点の位置を制御するための制御装置とを含む。制御装置は、様々なタイプの切開形状を示す様々な制御プログラムを実行するために設計される。一組のインターフェース装置のそれぞれは、手術される眼球に当接する当接面を有し、レーザー放射を透過する接触本体と、レーザー装置の対応する結合部にインターフェース装置(患者用インターフェース)を着脱可能に結合するための結合部とを含み、一組のインターフェース装置は、レーザー装置で提供されるレーザー放射に、例えばレーザー装置から発されるレーザー放射に、及ぼす光学的作用が異なることにより、異なる。
【0013】
インターフェース装置の少なくとも1つのサブセットは、当接面に関連するレーザー放射の焦点の位置に及ぼす作用が異なることにより、異なることが可能である。
【0014】
光学的作用が異なるということが、例えば、全く同一のレーザー装置の場合、インターフェース装置のうちの一つの、対応する結合部への結合に応じて、当接面に関連するレーザー放射の焦点が眼球の異なる位置に(すなわち異なる焦点位置に)なるという事実にあってもよい。例えば、結合したインターフェース装置に応じて、焦点位置(焦点の場所)は、眼球の角膜、眼球の水晶体、あるいは、眼球上又は眼球中の異なる部位、例えば眼球の虹彩角膜角に位置してもよい。例えば、第1のインターフェース装置の結合の場合、焦点位置(すなわち、焦点は、当接面に関してz方向にどの程度深く眼球の中に位置しているか)は、250μm〜350μm、特に280μm〜320μm、好ましくは300μmであると考えられる。このようなインターフェース装置は、眼球の外科手術のレーザー装置を用いて角膜を切開するための適用に適している。同様に、第2のインターフェース装置の結合の場合、焦点位置は、例えば、インターフェース装置のコンタクトレンズの下方の、4mm〜6mm、特に4.5mm〜5.5mm、好ましくは5mmであることが考えられる。このようなインターフェース装置は、眼球の外科手術のレーザー装置を用いて、水晶体を切開するための適用に適している。
【0015】
光学的作用が異なるということが、さらに、被結合インターフェース装置に応じて、z方向の異なる範囲(すなわち焦点深度の異なる範囲)の調節は、可能である、あるいは、全く同一のレーザー装置で設定されるという事実にあってもよい。例えば、被結合インターフェース装置に応じて、焦点深度の範囲(すなわちz方向の焦点の調節範囲)は、眼球の角膜の、眼球の水晶体の、あるいは、眼球上又は眼球中の他の位置の切開に合わせられていた、あるいは、合わせられることができる。例えば、第1のインターフェース装置の結合の場合、焦点深度の範囲(すなわち、焦点は、全く同一のレーザー装置のz方向のzスキャナを用いて、どの程度調節され得るか)は1mm〜1.4mm、特に1.1mm〜1.3mm、好ましくは1.2mmであると考えられる。このようなインターフェース装置は、眼球の外科手術のレーザー装置を用いて、角膜を切開するための適用に適している。同様に、第2のインターフェース装置の結合の場合、焦点深度の範囲が8mm〜16mm、特に10mm〜14mm、好ましくは12mmであることが考えられる。このようなインターフェース装置は、眼球の外科手術のレーザー装置を用いて、水晶体を切開するための適用に適している。それぞれの適用のために必要とされる焦点深度の値を、例えば、zスキャナ及び患者用インターフェースにより定めてもよい。
【0016】
光学的作用が異なるということが、さらに、被結合インターフェース装置に応じて、焦点の異なるスポット径が全く同一のレーザー装置で得られるという事実にあってもよい。
例えば、被結合インターフェース装置に応じて、焦点のスポット径は、眼球の角膜の、眼球の水晶体の、あるいは、眼球上又は眼球中の他の位置の切開に合わせられていてもよい。例えば、第1のインターフェース装置の結合の場合、スポット径が1μm〜6μm、特に2μm〜5μm、好ましくは3μm〜5μmであることが考えられる。このようなインターフェース装置は、眼球の外科手術のレーザー装置を用いて、角膜を切開するための適用に適している。同様に、第2のインターフェース装置の結合の場合、スポット径が3μm〜14μm、特に4μm〜12μm、好ましくは5μm〜10μmであることが考えられる。このようなインターフェース装置は、眼球の外科手術のレーザー装置を用いて、水晶体を切開するための適用に適している。
【0017】
光学的作用が異なるということが、さらに、被結合インターフェース装置に応じて、異なる走査フィールド直径(すなわちx−y方向/平面におけるレーザービームにより照射を受け得る領域の異なる直径)が、全く同一のレーザー装置により得られるという事実にあってもよい。例えば、被結合インターフェース装置に応じて、走査フィールド直径は、眼球の角膜の、眼球の水晶体の、あるいは、眼球上又は眼球中の他の位置の切開に合わせられていてもよい。例えば、第1のインターフェース装置の結合の場合、走査フィールド直径が、9mm〜15mm、特に11mm〜13mm、好ましくは12mmに達することが考えられる。このようなインターフェース装置は、眼球の外科手術のレーザー装置を用いて、角膜を切開するための適用に適している。同様に、第2のインターフェース装置の結合の場合、走査フィールド直径が、5mm〜9mm、特に6mm〜8mm、好ましくは7mmに達することが考えられる。このようなインターフェース装置は、眼球の外科手術のレーザー装置を用いて、水晶体を切開するための適用に適している。
【0018】
レーザー装置で提供されるレーザー放射に及ぼす光学的作用が異なることにより、小さく、かつ少なくともほぼ等しい大きさの(均一の)焦点が眼球内の全ての切開の領域に存在するという結果となるので好ましい。特に、これは、良好で適合された焦点であり、低パルスエネルギーのレーザー放射であり、及び/又は患者の負荷が少ない、という結果となる。
【0019】
さらに、インターフェース装置の少なくとも1つのサブセットは、少なくとも1つの光学境界面の形状及び/又は位置が異なることにより、異なってもよい。光学境界面は、例えば、通常眼球への当接のための、対応するインターフェース装置に存在するコンタクトレンズの面でもよい。光学境界面は、コンタクトレンズに加えてインターフェース装置に存在する光学補助素子の面により構成されることも可能である。したがって、インターフェース装置の少なくとも1つのサブセットは、光学素子の数が異なることにより、異なることも考えられる。これらの光学素子は、例えば、眼球に当接するためのコンタクトレンズ又は光学補助素子、例えばレンズ(屈折光学素子)又は回折光学素子を含むことができる。
【0020】
インターフェース装置の少なくとも1つは、眼球及びレーザー装置の集束光学素子に結合するように設計された圧平錐体を含むことができる。しかしながら、インターフェース装置のいくつか、多数、又は全てが、このようなタイプの圧平錐体を含んでもよい。
【0021】
レーザー装置は、レーザー放射の伝播方向にレーザー装置の集束光学素子の上流に配置された適応性のある光学素子を更に含んでもよい。適応性のある光学素子は適応性のあるミラー又は光伝達適応システムを含んでもよい。適応性のある光学素子は、この場合、増加し得る波面収差の補償を提供することができる。そのような増加は、例えば、レーザーシステムが異なる用途に使用される際に起こり得る。特に、これに必要とされる焦点深度の拡大された範囲は、切開する間にレンズにおける調整を必要とする。
【0022】
インターフェース装置の少なくとも1つは、コーディング/コードに依存してレーザー装置が制御装置の制御プログラムを実行することを可能にさせるコーディング/コードを含むことができる。例えば、優先的に自動的に、レーザー装置がコーディング/コードを認識し、制御装置内の関係する(そのコーディング/コードを割り当てられた)制御プログラムを呼び出してもよい。
【0023】
本発明の第2の態様によれば、一組のインターフェース装置、例えば、それぞれの眼球内での適用のためのインターフェース装置(患者用インターフェース)が、眼球の外科手術のレーザー装置において使用するために利用できる。それぞれのインターフェース装置は、手術される眼球に当接する当接面を有し、レーザー装置のレーザー放射を透過する接触本体と、レーザー装置の対応する結合部にインターフェース装置を着脱可能に結合するための結合部とを含む。インターフェース装置は、(i)当接面に関連するレーザー放射の焦点の位置に及ぼす影響が異なることにより、及び/又は(ii)少なくとも1つの光学境界面の形状及び/又は位置が異なることにより、及び/又は(iii)光学素子の数が異なることにより異なり、その結果レーザー装置において利用できるレーザー放射に及ぼす光学的作用が異なる(例えば、ビームの焦点、ビームの偏向、及び/又はビームの分裂が異なる)。
【0024】
インターフェース装置の少なくとも1つ又は一組のサブセットは、平面のコンタクトレンズを含むことができる。そのような平面のコンタクトレンズの場合、眼球に当接するのに適した平面は、平面の当接面の形状を成し、当接面の反対側にある面(眼球から離れる側に向いている面)は、当接面に平行な平面であるように設計される。インターフェース装置の少なくとも1つは、光学補助素子を含んでもよい。例えば、光学補助素子は、インターフェース装置に、あるいは、平面のコンタクトレンズを有するインターフェース装置の一つに、存在してもよい。光学補助素子は、例えば、コンタクトレンズから離れる側に向いている面が凸面又は平面として形作られ、コンタクトレンズに面している面が凹状に形作られるように、インターフェース装置において配置されていてもよい。しかしながら、光学補助素子の他の設計も考えられる。光学補助素子の正確な形状を考慮せずに、コンタクトレンズに面している面及び/又はコンタクトレンズから離れる側に向いている面は、光学的に自由形状の面として形成されていてもよい。
【0025】
インターフェース装置の少なくとも1つは、両凹面のコンタクトレンズを含んでもよい。そのようなタイプの両凹面のコンタクトレンズの場合、凹状の当接面は、眼球に当接するために備えられ、当接面の反対側にある面は、凹状に形作られる。加えて、あるいは、代わりに、インターフェース装置の少なくとも1つは、凹面−凸面又は凹面−平面のコンタクトレンズを含んでもよい。凹面−凸面のコンタクトレンズの場合、凹状の当接面は、眼球に当接するために備えられ、当接面の反対側にある面は、凸状に形作られる。凹面−平面のコンタクトレンズの場合、凹状の当接面は、眼球に当接するために備えられ、当接面の反対側にある面は、平面として形作られる。コンタクトレンズの正確な形状を考慮せずに、当接面及び/又は当接面の反対側にある面は、屈折又は回折作用を有する光学的自由形状の面を形成してもよい。
【0026】
本発明の第3の態様によれば、一組のインターフェース装置の使用方法であって、その使用方法は、眼球の外科手術のレーザー装置において一組のインターフェース装置の一つを変化させて適用することを含む。レーザー装置は、人間の眼球組織の光切断の生成に合った放射特性を持つ集光パルスレーザー放射を利用可能にするための光学素子と、レーザー放射の焦点の位置を制御するための制御装置とを含む。制御装置は、様々なタイプの切開形状を示す様々な制御プログラムを実行するためにさらに設計され、それぞれのインターフェース装置は、手術される眼球に当接する当接面を有し、レーザー放射を透過する接触本体と、レーザー装置の対応する結合部にインターフェース装置を着脱可能に結合するための結合部とを含む。一組のインターフェース装置は、レーザー装置で提供されるレーザー放射に及ぼす光学的作用が異なることにより、異なるものであり、その使用方法は、特定の場合に実行される制御プログラムに依存して、様々な一組のインターフェース装置を適用することを含む。
【0027】
インターフェース装置の少なくとも1つのサブセットは、当接面に関連するレーザー放射の焦点の位置に及ぼす影響が異なることにより、異なってもよい。さらに、インターフェース装置の少なくとも1つのサブセットは、少なくとも1つの光学境界面の形状及び/又は位置が異なることにより、異なってもよい。インターフェース装置の少なくとも1つのサブセットは、光学素子の数が異なることにより、異なるとも考えられる。
【0028】
インターフェース装置を交換する場合、レーザー装置の集束光学素子の焦点設定は不変のままとしてもよい。その結果、それぞれに適用するインターフェース装置は交換され、焦点設定が不変のままであるという事実により、レーザー装置における異なる光学的作用が、全く同一のレーザー装置により達成される。
【0029】
インターフェース装置を交換する場合、制御装置は、適応性のある光学素子又は光伝達適応システムがレーザー放射の光路に導入されるように、レーザー装置を制御することができる。この目的のために、インターフェース装置に対応するコーディング/コードが存在し、これに基づいて、インターフェース装置の識別が行われるようにしてもよい。関連した適応性のある素子又は(コーディング/コードを割り当てられた)システムは、例えば自動的に、この識別にしたがって光路へ導入され得る。適応性のある光学素子又は光伝達適応システムも、レーザー放射の伝播方向にレーザー放射の集束光学素子の上流に導入され得る。
【0030】
本発明の第4の態様によれば、眼球のレーザー外科手術の方法が利用可能であり、この方法は、人間の眼球組織の光切断の生成に合った放射特性を持つ集光パルスレーザー放射を、レーザー装置により提供し、レーザー放射の焦点の位置を、制御装置により制御し、第1の手術タイプの場合、第1の切開形状を示す少なくとも1つの一連の制御プログラムを、制御装置により実行し、これにより第1の手術タイプに合った第1のインターフェース装置が、手術される眼球に対する当接面を有し、レーザー放射を透過する接触本体の上に配置され、かつ結合部を介してレーザー装置の対応する結合部に着脱可能に結合され、第2の手術タイプの場合、第1の切開形状とは異なる第2の切開形状を示す少なくとも1つの一連の制御プログラムを、制御装置により実行し、これにより第2の手術タイプに合った第2のインターフェース装置が、手術される眼球に対する当接面を有し、レーザー放射を透過する接触本体の上に配置され、かつ結合部を介してレーザー装置の対応する結合部に着脱可能に結合する。
【0031】
上述のインターフェース装置のコーディング/コードは、例えば、関連した制御プログラムが、自動的に識別され、設定され、そして実行されることを保証するのに役立つことができる。
【0032】
第1の手術タイプは、レーザー放射による眼球の角膜の手術を含んでもよい。第2の手術タイプは、レーザー放射による眼球の水晶体の手術を含んでもよい。
【0033】
他の形態では、第2の手術タイプは、レーザー放射による眼球の虹彩、網膜、硝子体、又は虹彩角膜角の部位の(例えば緑内障を手術するための)手術を含むと考えられる。
【0034】
第3の手術タイプの場合、第1及び/又は第2の切開形状とは異なる第3の切開形状を示す少なくとも1つの一連の制御プログラムを、制御装置により実行してもよく、これにより第3の手術タイプに合った第3のインターフェース装置が、手術される眼球に対する当接面を有し、レーザー放射を透過する接触本体の上に配置されてもよく、かつ結合部を介してレーザー装置の対応する結合部に着脱可能に結合してもよく、第3の手術タイプは、レーザー放射による眼球の虹彩の手術を含んでもよい。
【0035】
第4の手術タイプの場合、第1、第2及び/又は第3の切開形状とは異なる第4の切開形状を示す少なくとも1つの一連の制御プログラムを、制御装置により実行してもよく、これにより第4の手術タイプに合った第4のインターフェース装置が、手術される眼球に対する当接面を有し、レーザー放射を透過する接触本体の上に配置されてもよく、かつ結合部を介してレーザー装置の対応する結合部に着脱可能に結合してもよく、第4の手術タイプは、レーザー放射による眼球の虹彩角膜角における緑内障の手術を含んでもよい。
【0036】
第5の手術タイプの場合、第1、第2、第3及び/又は第4の切開形状とは異なる第5の切開形状を示す少なくとも1つの一連の制御プログラムを、制御装置により実行してもよく、これにより第5の手術タイプに合った第5のインターフェース装置が、手術される眼球に対する当接面を有し、レーザー放射を透過する接触本体の上に配置されてもよく、かつ結合部を介してレーザー装置の対応する結合部に着脱可能に結合してもよく、第5の手術タイプは、レーザー放射による眼球の硝子体の手術を含んでもよい。
【0037】
第6の手術タイプの場合、第1、第2、第3、第4及び/又は第5の切開形状とは異なる第6の切開形状を示す少なくとも1つの一連の制御プログラムを、制御装置により実行してもよく、これにより第6の手術タイプに合った第6のインターフェース装置が、手術される眼球に対する当接面を有し、レーザー放射を透過する接触本体の上に配置されてもよく、かつ結合部を介してレーザー装置の対応する結合部に着脱可能に結合してもよく、第6の手術タイプは、レーザー放射による眼球の網膜の手術を含んでもよい。
【0038】
本発明を、全て模式図である添付の図面に基づいて、以下に詳細に説明する。