(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0045】
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している(当該遊技機10の前に設置してある椅子に座っている)遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向及び「上」や「下」等の上下方向も、遊技機10の前に座っている遊技者から見た場合の左方向や右方向、又は上方向や下方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した場合における遊技者から見た方向を意味する。
【0046】
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、
図1及び
図3を参照しながら説明する。本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
【0047】
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個のリール62(正面から向かって左側の左リール64、中央の中リール66、右側の右リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個全てのリール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、リール62の正面側に設けられて、リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。リール62は、複数の図柄61を図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
【0048】
前記図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、3個のリール駆動モータとしてのステッピングモータ65と、この各ステッピングモータ65によってそれぞれ回転させられる合計3個の前記リール62と、前記ステッピングモータ65及び前記リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有する変動表示手段としてのリールユニット60が配置されている。また、リールユニット60には、リール62の回転位置が基準となる位置(基準位置)であることを検出するためリール位置センサ63が設けられている。このステッピングモータ65は、後述するメイン制御手段200から出力されるステッピングモータ65を駆動するための駆動信号に基づき駆動する。
【0049】
本実施の形態に係るステッピングモータ65は、総ステップ数として252ステップのものが用いられている。もちろん、総ステップ数は、この252ステップに限定されるものではなく、21で割り切れる数であり、本実施の形態のように、特定図柄の配置と、各図柄のステップ数との関係が所定の対応関係になるようなものであれば、他の総ステップ数のものでもよいものである。
【0050】
また、本実施の形態では、1個のリール62の周囲に付された図柄61の数は20個(
図2参照)であるため、総ステップ数の252ステップは、リール62の周囲に付された図柄数20個で割り切れない。このため、20個の図柄61は、13ステップを割り当てた12個の第1図柄と、12ステップを割り当てた8個の第2図柄とに分類される(
図8参照)。
なお、リール62の周囲には、表面に図柄を印刷した樹脂性のリールテープが貼付されているものである。このリールテープをリール62の周囲に貼付する際、リールテープ上の図柄61の位置と、ステッピングモータ65のステップとが所定の対応関係となるように設定されている。
【0051】
前記図柄表示窓部16の下方には、クレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器87と、このクレジット表示器87の左側に配置され、遊技機10から払い出されたメダルの総数を表示する払出枚数表示器88とが設けられている。これらの表示器は、2個の7セグメントLED表示器で構成されている。7セグメントLED表示器は、10進法のアラビア数字等の1文字を表現するために、それぞれ個別に点灯・消灯が可能な7つのセグメント(LED)から構成されているものである。2個の7セグメントLED表示器を有することにより、クレジット表示器87は2桁の貯留枚数、払出枚数表示器88は2桁の払出枚数が表示可能になっている。
【0052】
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上部に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として投入するためのメダルを後述するメダル投入口38からあらかじめ投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
前記操作部30の上面右側には、遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口38が設けられている。
【0053】
前扉14の裏側であって、前記メダル投入口38の近傍には、メダル投入口38に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して、正規のメダルのみを後述するホッパーユニット24に導くメダルセレクタ17が設けられている。このメダルセレクタ17には、メダル投入口38に投入されたメダルを1枚ずつ検出する投入センサ92が設けられている。なお、この投入センサ92は、3つのセレクターセンサ(図示せず)が通路に設けられている。投入されたメダルは、3つのセレクターセンサの順序及び所定の範囲の時間の間隔(タイミング)で検知するように配置されている。
【0054】
なお、前扉14の裏側には図示しないメダル通路が設けられており、メダルセレクタ17において非正規のメダルとして排除されたメダルや、後述するホッパーユニット24から払い出されたメダルが、このメダル通路を通過して後述するメダル払出口28から払い出される。
具体的には、メダルセレクタ17には、特に図示していないが、電磁石を用いたキャンセルコイルの作動により、メダル投入口38から投入されたメダルをホッパーユニット24内に貯留させる通路と、メダル払出口28から後述するメダル受け皿26へ進ませる通路との切り換えが可能に形成されている。これにより、メダル投入口38から投入されたメダルをクレジットメダルとして貯留するか、メダル受け皿26へ払い出すかの切り換えをすることができる。
【0055】
メダル投入口38の下方には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。
【0056】
前記操作部30の中央には、停止操作により対応するリール62の回転を停止させるため(変動表示を操作により停止させるため)、3個のリール62のそれぞれに対応する3個の停止操作手段51としてのストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数のリール62それぞれに対応して設けられ、複数のリール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作によりリール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
【0057】
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するベットスイッチ32の操作を条件にリール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作によりリール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
【0058】
このスタートスイッチ40の上方には、ベットスイッチ32として、投入されたメダル数(クレジットされたメダル数)から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34と、クレジットしたメダル数から1枚のメダル数を減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチ35とが設けられている。
【0059】
マックスベットスイッチ34の右側には、所定の演出において遊技者が操作可能な演出用ボタンスイッチ42が設けられている。
前記前扉14の裏側には、扉開閉用スイッチ19、設定変更スイッチ46、設定表示器89等が配置されている(
図3参照)。
【0060】
扉開閉用スイッチ19は、筐体12側に設置されているものであって、前扉14が閉じているか否かを検知するための扉センサである。この扉開閉用スイッチ19は、前扉14が閉塞している場合に、前扉14の背面と扉開閉用スイッチ19の前面とが近接することで接触センサによりオン状態(ON状態)となり、前扉14が開放するに従って、前扉14の背面が扉開閉用スイッチ19の前面から離間して接触センサによりオフ状態(OFF状態)となる。もちろん、接触センサに限定されるものではなく、光センサや磁気センサ等により前扉14の開閉を検知するようにしてもよい。
【0061】
設定変更スイッチ46は、後述する電源ユニット43の設定キースイッチ45と共に設定変更を行うためのものである。なお、この設定変更スイッチ46は、前扉14の背面に設けられているが(特に図示せず)、リセットスイッチとしても兼用される。
【0062】
設定表示器89は、7セグメントの小型のLEDにより、当選確率の後述する設定値(具体的には、1〜6の6段階)を設定する際に、当該設定値を表示するものである。設定表示器89には、当該遊技機10の設定値が表示されるが、外部から視認できないようにすべく、筐体12の内部、詳しくは、前扉14の背面に設けられており、設定値の設定後、その表示は解除される。
【0063】
前記前扉14の下部に相当する筐体12の内部には、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができるホッパーユニット24と、各部品に電力を供給するための電源ユニット43とが配置されている(
図3参照)。
この電源ユニット43には、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44と、設定変更処理のための設定キースイッチ45とが設けられている。
【0064】
このホッパーユニット24には、その駆動によりメダルをメダル払出口28に向けて払い出すホッパーモータ95と、ホッパーユニット24の出口に設けられ、メダル払出口28に払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ94と、ホッパーユニット24のメダルタンクから溢れたメダルを収納するための補助タンクの近傍に設けられ、補助タンク内のメダルが満杯になったことを検出して後述するメイン制御手段200へ信号を出力するオーバーフローセンサ96とが設けられている。
【0065】
なお、特に図示していないが、払出センサ94は、払出センサAと、払出センサBとの2つが所定距離を開けて配置されてある。正常な状態でのメダル通過時のタイミングチャートでは、ホッパーモータ95が駆動中(オン状態)のときに、両センサがオン状態に移行可能になっている。
【0066】
前記前扉14の下部には、所定の場合にホッパーユニット24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
【0067】
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34やシングルベットスイッチ35の操作又はメダル投入により所定枚数(具体的には、3枚)のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。
【0068】
当該遊技機10は、停止時の図柄61の組み合わせによって、当選した役を構成する図柄61の組み合わせが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組み合わせが当該ライン上に揃ったときに所定の利益が付与されるラインのことであり、以下、有効ライン86とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
【0069】
この有効ライン86は、具体的には3個のリール62にそれぞれ表示されている図柄61のうち図柄表示窓部16から視認可能な図柄61を各リール62につき1個ずつ繋いでできる、複数のリール62の全てを貫くライン(途中で折れ曲がりも可)のうち、入賞等するために有効となる図柄61の組み合わせの並びを規定したラインである。このラインは、規定の賭け数(予め定められた数であって本実施の形態では3)のメダルをベットすることにより有効ライン86になる。本実施の形態の有効ライン86は、左リール64と中リール66と右リール68との中段を結んだ1本のみからなるものである。
【0070】
図2に示すように、左リール64、中リール66及び右リール68の表面には、「赤7、青7、黒7、ブランク、スイカ1、スイカ2、ベル1、ベル2、リプレイ、チェリー」の複数の種々の図柄61が形成されている。
そして、特に図示していないが、これらの図柄の所定の組み合わせが複数種類の役に対応して設けられている。
これらの図柄61は、それぞれの絵柄がプリントされたリールテープをリール62の外周表面に貼付することで形成されている。なお、
図2の図柄61の図柄番号(コマ番号)の1〜20は、リール62の外周表面に物理的に付されているものではなく、仮想的な番号であって、各図柄61の停止を制御するためのプログラムで特定の図柄61を指定するためのものである。
【0071】
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させるための演出装置70が形成されている。この演出装置70は、後述するサブ制御手段400に基づいて演出を行う演出実行手段であって、スピーカー72と、演出用ランプ78と、表示装置84とを備えている。
【0072】
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
【0073】
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
【0074】
前記表示装置84は、その画面に種々の映像を表示するための液晶表示装置である。
【0075】
図3に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、遊技を進行させて遊技状態(遊技の進行)を制御するメイン制御手段200(メイン制御装置ともいう)と、このメイン制御手段200から送信される情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うための制御を行うサブ制御手段400(サブ制御装置ともいう)とを備えている。
【0076】
なお、メイン制御手段200とサブ制御手段400との間は、メイン制御手段200への不正操作を防止するために、メイン制御手段200からサブ制御手段400への一方向の通信により行われ、サブ制御手段400からメイン制御手段200への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御手段200は、投入センサ92、ベットスイッチ32、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50、設定変更スイッチ46、精算スイッチ36、扉開閉用スイッチ19、電源スイッチ44、設定キースイッチ45、リール位置センサ63、払出センサ94、オーバーフローセンサ96の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60、ホッパーユニット24、外部集中端子板18、設定表示器89、クレジット表示器87及び払出枚数表示器88の作動を制御する。
【0077】
サブ制御手段400は、演出用ボタンスイッチ42、メイン制御手段200から信号を入力し、表示装置84等の演出装置70の作動を制御する。サブ制御手段400の出力側には、演出装置70としての表示装置84、スピーカー72、演出用ランプ78の各パーツが接続されている。
【0078】
なお、特に図示していないが、メイン制御手段200を有するメイン制御基板と、サブ制御手段400を有するサブ制御基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御手段200のメイン制御基板は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御手段400のサブ制御基板は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
【0079】
メイン制御手段200及びサブ制御手段400は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込等の割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0080】
本実施の形態に係る遊技機10では、メイン制御手段200で遊技状態の一区分として管理される遊技であって、通常に行われるノーマル遊技が設けられている(
図6参照)。このノーマル遊技よりも再遊技役(リプレイ役)の当選の確率が高く(或いは低く)設定されているリプレイタイム(RT)遊技が設けられている。さらに、メイン制御手段200では、ボーナス移行役に入賞することにより実行されるボーナス遊技が設けられている(
図6参照)。これらの遊技は、メイン制御手段200により制御される。
【0081】
また、演出状態としてストップスイッチ50の押し順や当選図柄61等を報知することによって役に係る図柄61の組み合わせを有効ライン86上に揃って停止させるためのアシストをするアシストタイム(AT)状態が設けられている。また、通常の演出状態(いわゆる通常演出状態)からAT状態へ移行する際には、通常演出状態からAT状態に当たっているかもしれないという期待感を持たせるための演出が行われる前兆演出状態へ移行する。この前兆演出状態からAT状態への移行が確定しており、リプレイ確率を変動させるための所定の昇格リプレイ役(特に図示せず)の入賞(昇格リプレイ役に係る図柄の組み合わせの停止表示)を待つ状態であるAT準備中状態へ移行し、当該昇格リプレイ役の入賞によりAT状態(詳しくは、AT状態かつリプレイ高確率状態のART状態)へ移行することになる(
図7参照)。
【0082】
また、筐体12内部の正面から向かって右側には、外部集中端子板18が設けられている。
外部集中端子板18は、遊技データを遊技機10外部に出力させるものであり、メイン制御手段200と配線される接続端子(コネクタ)や、外部機器(図示省略)と配線される接続端子(コネクタ)が設けられた端子板である。また、外部集中端子板18は、図示しないが、遊技島設備(例えばデータ機器)や遊技ホールのホール管理者が管理するホールコンピュータに接続されている。
【0083】
なお、外部集中端子板18は、次の情報に関する信号を出力しているものである。
(1)再遊技役(リプレイ役)の当選に関する情報
(2)メダル投入に関する情報
(3)メダル払出に関する情報
(4)ボーナス遊技に関する情報
(5)AT状態に関する情報
(6)エラーに関する情報
(7)設定値の変更の有無に関する情報
(8)前扉14の開閉状態に関する情報
【0084】
図4に示すように、メイン制御手段200は、役抽選手段210、停止制御手段220、停止図柄判定手段230、遊技媒体払出制御手段240、遊技制御手段250、移行抽選手段255、演出状態制御手段260、設定値選択手段265、送信手段380の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。なお、上述した手段(例えば、演出状態制御手段260等)は、メイン制御手段200ではなく、サブ制御手段400が有しても良いし、又、メイン制御手段200とサブ制御手段400との両方に分けて有するようにしても良い。
【0085】
以上の構成をもって、メイン制御手段200は、役の抽選を行い、リール62の回転及び停止を制御し、リール62が全て停止したときに停止図柄61の判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
メイン制御手段200は、遊技を制御するためのものであって、遊技を進行させるためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
【0086】
規定の賭け数(3枚)が設定されると、1本の有効ライン86(
図1参照)が設定される。なお、本実施の形態に係る遊技機10は、規定の賭け数として3が設定されている。賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、マックスベットスイッチ34又はシングルベットスイッチ35を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段210により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技でのリール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個全てのリール62の回転が開始する。
【0087】
役抽選手段210は、メイン制御手段200が備える手段であり、スタートスイッチ40の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選(役抽選)を行うためのものである。
この役抽選手段210は、役に当選したか否かを決定するための抽選テーブルを、設定値(1〜6)及び遊技状態(ノーマル遊技、ボーナス遊技、ボーナス内部中遊技等)にそれぞれに対応して複数備えており、メイン制御手段200のROM上に記憶している。
役抽選手段210は、抽選テーブルに予め記憶した抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。なお、役抽選手段210による役抽選処理は、後述するステップ132(
図13参照)において行われる。
【0088】
役抽選手段210の役抽選に用いる当選確率は、上述した設定値に基づいて予めプログラムされた範囲内で遊技ホールの管理者により変更可能に形成されている。具体的には、その当選確率を規定するための値である設定値を変更するための筐体12内部の設定キースイッチ45を操作することにより、複数の設定値(具体的には、1〜6の6個)のうちいずれか1つの特定の設定値を選択することで前記当選確率の変更が可能となる。
【0089】
本実施の形態では、1〜6の6個の設定値が設けられ、原則として設定値の数値が高くなるほど、当選確率が高くなって遊技者に対して有利になり得るように規定されている。
【0090】
なお、設定値の数値が高くなるほど、全ての役の当選確率が必ずしも高くなることに限定されるものではなく、設定値の数値が高くなるほど、一部の役の当選確率は高くなるが、他の一部の役の当選確率は同一であってもよい。さらに、設定値の数値が高くなるほど、他の一部の役の当選確率は、低くなるが、全ての役全体として遊技者の利益を考慮すると遊技者に対して有利となるように設定されているようなものでもよい。
【0091】
また、設定値は、上述したような6段階以外にも、例えば「1・3・6」「2・4・6」「1・6」の様に、2段階や3段階等複数の段階であれば良いものである。
また、設定値は、例えば、設定値1、設定値2、・・・、設定値6のように数値が高い設定値になるほど、所定の役(例えばボーナス移行役)の当選確率は高くなるが、AT状態への移行抽選の当選確率が低くなる(共通になる)ようにしても良いものである。
【0092】
本実施の形態では、役抽選手段210により抽選される役として、大別すると、小役(メダルの払出しを伴う役)、再遊技役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆるリプレイ役)、ボーナス移行役(遊技状態の移行を伴う役)が設けられている。
本実施の形態では、図柄の組み合わせを図示していないが、小役として複数種類の小役A、B、C・・・が含まれている。ノーマル遊技における設定値1〜6の各設定値での小役A、B、C・・・の役抽選における当選確率が予め定められている。
【0093】
具体的には、小役には、ストップスイッチ50の押し順が予め定められた順番で操作された場合に入賞となるAT役が含まれ、当該予め定められた順番で操作されない場合はAT役こぼし図柄が停止表示される。
また、再遊技役(リプレイ役)には、ストップスイッチ50の押し順が予め定められた順番で操作された場合に入賞となる押し順リプレイ役(図示せず)が含まれ、所定の遊技状態において当該押し順リプレイ役(図示せず)が当選し当該予め定められた順番で操作された場合に、RT2移行図柄(先の昇格リプレイ役に係る図柄)が停止表示され、当該予め定められた順番で操作されない場合は転落リプレイ図柄(図示せず)が停止表示される。
【0094】
さらに、具体的に説明すると、特に図示していないが、AT状態への移行に係るAT抽選役として、チェリー役が設けられている。もちろん、AT抽選は、チェリー役に限定されるものではなく、他の役でもよい。また、通常リプレイ役と、昇格リプレイ役と、転落リプレイ役とが設けられている。
昇格リプレイ役は、昇格リプレイ図柄(又は、RT2移行図柄)が停止表示されることで成立する。転落リプレイ役は、転落リプレイ図柄(又は、RT1移行図柄)が停止表示されることで成立する。
【0095】
また、本実施の形態では、役抽選の結果として、通常リプレイ役と昇格リプレイ役とが同時に当選している「昇格リプレイ」が得られるように形成されている。また、役抽選の結果として、通常リプレイ役と転落リプレイ役とが同時に当選している「転落リプレイ」が得られるように形成されている。「昇格リプレイ」は、RT1のときに抽選結果として得られ、RT0・RT2のときには抽選結果として得られないように形成されている。
「転落リプレイ」は、RT2のときに抽選結果として得られ、RT0・RT1のときには抽選結果として得られないように形成されている。
【0096】
抽選結果が「昇格リプレイ」である場合、押し順によって、通常リプレイ役と、昇格リプレイ役とのいずれかが成立するように形成され、昇格リプレイ役が成立した場合には、RT2へ移行するように形成されている。
また、抽選結果が「転落リプレイ」である場合、押し順によって、通常リプレイ役と、転落リプレイ役とのいずれかが成立するように形成され、転落リプレイ役が成立した場合には、RT1へ移行するように形成されている。
【0097】
本実施の形態では、上述した役抽選手段210は、設定値に対応する抽選テーブルで役抽選を行うものであるが、これに限定されるものではない。例えば、AT状態への移行抽選は移行抽選手段255で実施しているが、役抽選手段210において、通常遊技からAT状態へ移行するための移行抽選を行うようにしてもよい。また、この役抽選手段210は、通常遊技等から所定の演出が行われる前兆演出状態や、遊技者に対して何らかの利益が付与されているようなチャンスゾーン(CZ)状態へ移行するか否かを抽選で決定してもよい。また、この役抽選手段210は、通常の状態とは異なる特殊な事象の発生に当選するか否かの特定抽選を行うようにしてもよい。
【0098】
停止制御手段220は、役抽選の結果とストップスイッチ50の操作とに基づいてリール62の変動表示動作の停止制御を行うためのものである。具体的には、停止制御手段220は、メイン制御手段200が備える手段であり、各リール62の回転を停止させるためのものである。停止制御手段220は、役抽選手段210の抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応するリール62の回転位置とに基づいて、各リール62の回転を停止させる。なお、停止制御手段220は、必要に応じて各ストップスイッチ50が停止操作されるときの順番(押し順)が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。停止制御手段220による処理は、後述するステップ135、ステップ136(
図13参照)において行われる。
【0099】
停止制御手段220は、停止操作手段51としてのストップスイッチ50の停止操作タイミングから所定時間内(例えば、190msや、75ms)に、リール62を停止させるように、ステッピングモータ65を制御するものである。
【0100】
本実施の形態では、特殊状態としてのボーナス遊技(第2種特別役物としてのCBが連続作動するCBB)中、ストップスイッチ50の停止操作タイミングから停止表示されるまでの制限時間は右リール68では、75msに設定されてあり、当該ボーナス遊技中の左リール64、中リール66や、通常状態としての通常遊技を含めた他の遊技では、当該制限時間は、全リール62とも190msに設定されている。
【0101】
本実施の形態では、図柄61として、特殊状態としてのボーナス遊技(CBが連続作動するCBB)において停止表示させると所定の停止態様となって遊技者に特典が付与可能となる特定図柄(所定位置のベル図柄であって、具体的には、右リール68の所定位置にあるベル1)が設けられている(
図8参照)。
【0102】
なお、ここで、上記「停止表示させると所定の停止態様となって」の「停止表示させると」は、ストップスイッチ50の所定の停止操作タイミングにより特定図柄(所定位置のベル1)を所定位置に停止させるものである。この「特定図柄(所定位置のベル1)を所定位置に停止させる」とは、特定図柄(所定位置のベル1)を図柄表示窓部16内の上段、中段、下段のいずれかの位置に停止させる(
図9(B)参照)ことが含まれるものであるが、必ずしも図柄表示窓部16内に特定図柄(所定位置のベル1)を遊技者から見えるように停止表示させることに限定されるものではなく、特定図柄(所定位置のベル1)を図柄表示窓部16以外の所定位置に停止させるようにしてもよい。具体的には、例えば、右リール68の下段の1図柄(1コマ)下(下流)や、2図柄(2コマ)下(下流)の位置に特定図柄(所定位置のベル1)を停止させるようにしてもよい。また、例えば、右リール68の上段の1図柄(1コマ)上(上流)や、2図柄(2コマ)上(上流)の位置に特定図柄(所定位置のベル1)を停止させるようにしてもよい。
【0103】
また、ここで、上記「所定の停止態様となって」の「所定の停止態様」は、有効ライン86上に予め定めた役に係る図柄の組み合わせが揃うことが含まれるものであるが、必ずしも有効ライン86上に遊技者が見て、何かの役が揃っているように理解できるようなもの(例えば、「赤7、赤7、赤7」)に限定されるものではない。具体的には、例えば、有効ライン86上には、遊技者が見て、何かの役とは理解できないようなものであっても、同時に有効ライン86以外のライン(例えば、右下がりラインや、V字ライン等)上に、何かの役が揃っているように遊技者に思わせるような図柄の組み合わせ(例えば、「ベル1、ベル1、ベル1」)が停止しているようなものが含まれる(
図9(B)(C)(D)(E)等参照)。また、この予め定めた役には、現在の遊技状態を遊技者に報知するような、いわゆるチャンス目等も含まれる。
【0104】
本実施の形態では、特定図柄のリール62の回転方向に対して下流側に配置されている所定範囲(例えば4図柄(4コマ))の図柄61(具体的には、特定図柄の下流側に向かって当該特定図柄の次の図柄から1コマ、2コマ、3コマ、4コマと数えて合計4個の図柄61)のうち少なくとも一部の図柄61のステップ数を他の図柄61より少ないステップ数(例えば12ステップ)に割り当てている。この少なくとも一部の図柄61には、1個の図柄61の場合が含まれ、また、2個以上の図柄61の場合も含まれる。
【0105】
さらに、上記「少なくとも一部の図柄61」は、特定図柄(所定位置のベル1)の下流側の次の図柄61から連続して配置されている複数個(具体的には、2個)の図柄61に設定されている。
【0106】
さらに、上記「連続して配置されている複数個の図柄61」は、所定の図柄間隔でリール62の周囲に繰り返し配置されている(具体的には、12ステップの図柄61の2個と、13ステップの図柄61の3個との合計5個が1周で4回繰り返されている)。
ここで、本実施の形態では、20個の図柄61には、13ステップを割り当てる第1図柄61と、12ステップを割り当てる第2図柄61とが設けられている。
【0107】
具体的には、特定図柄(所定位置のベル1)のリール62の回転方向に対して下流側に配置されている次の図柄から4個の図柄61のうち特定図柄(所定位置のベル1)の次の図柄61から連続して配置される2個の図柄61を第2図柄61(12ステップの図柄61)とするとともに、残り2個の図柄61及び特定図柄(所定位置のベル1)を第1図柄61(13ステップの図柄61)としている。
そして、この特定図柄(所定位置のベル1)を含む5個の図柄61はリール62の周囲に繰り返し配置されている
【0108】
停止図柄判定手段230は、メイン制御手段200が備える手段であり、全てのリール62が停止した際における有効ライン86上の図柄61の組合せを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。なお、停止図柄判定手段230による処理は、後述するステップ138(
図13参照)において行われる。
【0109】
遊技媒体払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定結果に基づいて、メダル払出等の所定の処理を行うためのものであって、停止制御手段220によって停止されたリール62の停止態様が、所定の停止態様であった場合に遊技媒体の払い出しを行うものである。
遊技媒体払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定の結果、小役が入賞していると判定されるとメダルの払出しを行う。なお、遊技媒体払出制御手段240による処理は、後述するステップ138(
図13参照)において行われる。
遊技制御手段250は、遊技状態を制御するものである。
具体的には、遊技制御手段250は、
図4に示すように、大別すると、ノーマル遊技制御手段251、RT制御手段252、ボーナス遊技制御手段253及びボーナス内部中制御手段254の各手段を有する。
【0110】
ノーマル遊技制御手段251は、メイン制御手段200で管理される遊技状態の一区分としてのノーマル遊技の進行を制御するものである。ここで、ノーマル遊技は、後述するRT制御手段252によるRT遊技(リプレイタイム遊技)や、ボーナス遊技制御手段253によるボーナス遊技以外の遊技状態をいい、RT0及びRT1を含む(
図6参照)。
【0111】
RT制御手段252は、RT遊技の進行を制御するものである。ここで、RT遊技は、RT2を含む(
図6参照)。
【0112】
ボーナス遊技制御手段253は、ボーナス遊技を制御するものである(
図6参照)。
ボーナス遊技は、ボーナス内部中にボーナス移行役の図柄を有効ライン86上に揃えることで移行し、いわゆるCBが連続作動し、所定の枚数、本実施の形態では、200枚を超えるメダルの払出しで終了し、RT0に移行する。
【0113】
なお、このCBでは、抽選とは無関係に小役が成立(当選)している状態となる。また、当該CB中以外の他の遊技、例えば通常遊技中等では、全てのリール62は、ストップスイッチ50の停止操作タイミングから190ms以内に停止させなければならないのに対して、当該CB中では、右リール68のみ、ストップスイッチ50の停止操作タイミングから75ms以内に停止させるように設定されている。なお、左リール64、中リール66は、他の遊技と同様に停止操作タイミングから190ms以内の制限時間が設定されている。
【0114】
ボーナス内部中制御手段254は、ボーナス内部中遊技を制御するものである。このボーナス内部中遊技は、ボーナス移行役に当選し当該ボーナス移行役に対応した図柄61を有効ライン86上に停止表示できなかった場合に移行する。そして、このボーナス内部中にボーナス移行役の図柄を有効ライン86に揃えることで終了する(ボーナス遊技へ移行する)ものである。
【0115】
移行抽選手段255は、「AT状態」へ移行するか否かのAT移行抽選を行うものである。このAT移行抽選は、上述した役抽選手段210の役抽選と同様の手順により行われるものである。なお、この移行抽選手段255は、AT移行抽選以外にも他の移行抽選も実行可能である。
【0116】
演出状態制御手段260は、演出状態を制御するためのものである。演出状態には、大別して、AT状態と、AT準備中状態と、非AT中状態(通常演出状態、前兆演出状態)と、ボーナス状態とがある(
図7参照)。
【0117】
AT状態は、停止操作順番を報知する、いわゆるアシストを行う状態である。
AT準備中状態は、非AT中状態の前兆演出状態からAT状態への移行が確定しており、リプレイ確率を変動させるための昇格リプレイ役(図示せず))の入賞を待つ状態である。このAT準備中状態では、前記昇格リプレイ役の入賞によりAT状態(詳しくは、AT状態かつリプレイ高確率状態のART状態)へ移行する。なお、本実施の形態ではAT準備中状態から、停止操作順番を報知する、いわゆるアシストが行われる。
【0118】
非AT中状態は、停止操作順番を報知しない状態である。この非AT中状態では、通常の演出状態(いわゆる通常演出状態)と、この通常演出状態からAT状態へ当たっているかもしれないという期待感を持たせるための演出が行われる前兆演出状態とが設けてある。
【0119】
なお、この前兆演出状態は、チェリー等のAT抽選役に当選し、AT非当選である場合に、ATに当選している可能性を示唆するガセ前兆演出と、AT当選である場合に、ATに当選している可能性を示唆する本前兆演出とを備えている。
【0120】
この演出状態制御手段260は、非AT中状態において、チェリー等のAT抽選役に当選し、更に、AT状態へ移行するか否かの抽選を行って、当該抽選に当選することでAT状態へ移行可能となるようにしているが、AT移行の条件は、もちろん当該内容に限定されるものではない。例えば、AT抽選役に当選すれば、AT移行に係る抽選の結果にかかわらず(AT移行に係る抽選を経なくても)AT状態へ移行することが確定するようにしてもよい。また、所定のAT抽選役に複数回当選することや、所定のポイント抽選を行い、ポイント数の合計が所定の閾値に到達することにより、AT状態へ移行できるようにしてもよい。
【0121】
本実施の形態に係る遊技機10では、通常演出状態よりも多くの特典(利益)を付与可能なアシストタイム(AT)状態を備えている。AT状態とは、ストップスイッチ50の停止操作順番や当選図柄等を報知することによって役に係る図柄61の組み合わせを有効ライン86上に揃って停止させるためのアシストが可能な状態である。
【0122】
AT状態は、演出状態が当該AT状態に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技が開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払出される。また、AT状態は、本実施の形態では、メイン制御手段200側で制御され、このとき、メイン制御手段200側のRT制御手段252で制御される「RT遊技」に移行すると、「ART」状態となる。「ART」状態は、「RT遊技」で、且つ「AT遊技」の遊技状態をいう。
【0123】
設定値選択手段265は、予め設定された複数種類の設定値(具体的には、設定値1から設定値6までの6段階)から外部操作(具体的には、設定キースイッチ45や、設定変更スイッチ46の所定の手順による操作)により特定の設定値を選択可能なものである。
具体的には、設定値選択手段265は、扉センサ(扉開閉用スイッチ19)がON状態(前扉14が閉状態)でない、すなわち前扉14が開放状態であると判定され、さらに、設定変更処理用の開始スイッチ(具体的には、設定キースイッチ45)が操作されてON状態であると判定された場合、設定変更処理が可能な状態へ移行する。設定値選択手段265は、不正対策として安全性を高めるために、前扉14が開放状態であって、且つ、設定キースイッチ45がON状態でないと、設定変更処理に移行しないようになっている。
【0124】
さらに、設定値選択手段265は、この設定変更処理が可能な状態において、設定変更スイッチ46がオン状態に操作されると、設定値を更新する。設定値の更新は、具体的には、設定値1〜5では、1が加算され、設定値6では、設定値1へ移行する。この設定値の更新は繰り返し操作することにより、さらに次の数値の設定値への移行が繰り返される。
この設定変更処理が可能な状態において、設定値選択手段265は、スタートスイッチ40のオン状態が検知されたか否かを判定し、検知されたと判定された場合に、さらに、設定キースイッチ45がオフ状態になることで、設定値を確定する。
【0125】
ここで、設定値の変更作業が可能となる設定変更状態について以下に説明する。
一般的に、前扉14を開放した遊技ホールのホール管理者が設定値の変更に係る作業を行う。
設定キースイッチ45は、オン状態(ON位置)と、オフ状態(OFF位置)と、へ切り替え可能に形成されている。
【0126】
電源スイッチ44をオン状態(電源投入)にしたときに、設定キースイッチ45がオン状態(ON位置)にあると、設定値の変更処理(設定変更処理)が可能な状態(設定変更状態)へ移行するように形成されている。設定キースイッチ45をオフ状態(OFF位置)へ戻すことで、設定変更状態が解除されて設定値の変更が不能となり、通常の遊技が実行可能となる。
設定した設定値は、電源スイッチをOFF(電源遮断)にしても、バックアップ機能(電源)によって、記憶保持されるように形成されている。この記憶保持された設定値は、電源スイッチ44をオン状態(ON位置)にするときに読み出され、設定変更状態へ移行しなければ、そのまま読み出した設定値が採用されるように形成されている。設定変更状態へ移行したときには、読み出した設定値が、設定変更作業時の初期値となるものである。
【0127】
また、設定値選択手段265は、特定の当選確率を規定する抽選値情報(役抽選の当選確率)を複数種類の設定値(具体的には、1〜6)毎に記憶している。さらに、設定値選択手段265は、設定値(具体的には、1〜6)毎に、異なる遊技状態毎の抽選値情報(役抽選の当選確率)を記憶している。この異なる遊技状態とは、ノーマル遊技や、ボーナス遊技や、ボーナス内部中遊技等の各遊技状態を意味する。
【0128】
送信手段380は、サブ制御手段400へ信号(コマンド)を送信するためのものである。
送信手段380は、複数種類の設定値の中から選択された特定の設定値に対応する当選確率を用いて実行された役抽選の抽選結果をサブ制御手段400の受信手段410へ送信する。
また、AT状態のときに役抽選手段210によりAT役に当選したときに、送信手段380は、AT役に対応する有利な操作手順を特定可能な操作手順特定コマンド(AT役の停止操作順番に関するコマンド)を受信手段410へ送信する。
【0129】
なお、本実施の形態では、メイン制御手段200にて設定されている具体的な設定値を特定するための情報は、例えば送信経路(ハーネス等の伝送路)の途中で設定値の情報を抜き取るような不正行為(いわゆるゴト行為)を防止するため、サブ制御手段400へ送信していない。
【0130】
サブ制御手段400は、
図5に示すように、受信手段410、演出実行制御手段420の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
【0131】
以上の構成をもって、サブ制御手段400は、メイン制御手段200からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。
【0132】
具体的には、サブ制御手段400は、演出用ランプ78を駆動するためのLED駆動回路(図示せず)に対してLEDの点灯や消灯を規定するデータを出力したり、スピーカー72から音を出力するための音声出力回路(図示せず)に対して出力する音声を規定するデータを出力したり、表示装置84を駆動するための液晶制御基板(図示せず)に対して出力する映像データを規定するデータを出力したりする。
【0133】
受信手段410は、送信手段380から送信された信号(コマンド)を受信するものである。
【0134】
演出実行制御手段420は、表示装置84により行われる表示演出を実行するためのものである。
演出実行制御手段420は、役抽選の結果に基づく当選役に応じた演出や、ノーマル遊技状態、RT遊技状態、ボーナス遊技状態等の各遊技状態に応じた演出や、停止操作順番を報知するための演出等を行う。これらの演出は、それぞれ複数設けられており、演出実行制御手段420は、抽選により所定の演出を選択するとともに選択した演出を演出装置70を介して実行する。
【0135】
AT状態のときに役抽選手段210により特定役(AT役)に当選したときに、演出実行制御手段420は、受信手段410により受信した操作手順特定コマンド(AT役の停止操作順番に関するコマンド)から当該有利な操作手順を特定するとともに、表示装置84により当該有利な操作手順が特定可能となる演出を行う操作手順演出実行状態とする。
【0136】
つぎに、
図6を用いて遊技の状態について説明する。
遊技の状態は、メイン制御手段200により管理され、
図6に示すように、大別すると、ノーマル遊技、RT遊技、ボーナス内部中遊技及びボーナス遊技がある。RTは、いわゆるリプレイタイムの略語であり、RT遊技に移行すると、再遊技役(リプレイ役)に当選する当選確率、すなわち再遊技確率が原則として高くなる。
【0137】
なお、各遊技における再遊技役への当選確率は、ノーマル遊技のRT0(初期状態)においては1/7.3に設定されており、ノーマル遊技のRT1では、RT0と同じ約1/7.3に設定されている。また、RT2やRT3での再遊技役への当選確率はノーマル遊技のRT0やRT1よりも高く設定されている。
【0138】
ノーマル遊技は、ノーマル遊技制御手段251により制御され、RT0と、RT1とがある。
RT0からRT1には、特に図示していないが、予め定めた所定図柄(例えば、押し順ベル取りこぼし図柄、いわゆる、AT役取りこぼし図柄)を停止表示させた時に移行する。
【0139】
RT遊技は、RT制御手段252により制御され、ノーマル遊技より再遊技役への当選確率の高いRT2が設けられている。
なお、ボーナス移行役に当選し当該ボーナス移行役に対応した図柄61を有効ライン86上に停止表示できなかった場合に移行するボーナス内部中(RT3)では、RT2より低いがノーマル遊技より再遊技役への当選確率は高くなるように設定されている。もちろん、このRT3の再遊技役の当選確率は、ノーマル遊技と同等に設定してもよいし、RT2と同等又はRT2より高くなるように設定してもよい。
【0140】
ここで、ノーマル遊技からRT遊技、具体的には、RT1からRT2には、特に図示していないが、RT2移行図柄としての図柄(例えば、昇格リプレイ図柄、いわゆる昇格図柄)を停止表示させた時に移行する。例えば、所定の押し順「正解」時に、当該昇格図柄を停止表示させた時に移行する。
【0141】
また、RT2において、例えば、押し順ベル取りこぼし図柄(AT役取りこぼし図柄)や、転落リプレイ図柄等のいわゆる転落図柄を停止表示させるとRT1に移行する。
【0142】
ボーナス内部中は、ボーナス内部中制御手段254により制御され、ボーナス移行役に当選すると、移行する。
【0143】
ボーナス遊技は、ボーナス遊技制御手段253により制御され、「ボーナス内部中」に「ボーナス図柄(ボーナス移行図柄)」を揃えることで移行する。
ボーナス遊技は、CBB(第2種特別役物に係る役物連続作動装置)であって、いわゆるCB(第2種特別役物)が連続作動し、所定の枚数、例えば200枚を超えるメダルの払出しで終了する。なお、CB(第2種特別役物)は、役抽選に関係無く、全ての小役が当選状態となるものである。また、CB中は、右リール68のみ停止操作タイミングから75ms以内に停止表示され、その他のリール62は、他の遊技と同様に停止操作タイミングから190ms以内で停止表示されるように設定されている。なお、75ms以内の時間制限は、本実施の形態では右リール68のみに設定してあるが、もちろん、他のリール62に設定してもよく、さらに、複数のリール62に設定してもよい。
そして、ボーナス遊技終了後、RT0に移行する。
なお、ボーナス遊技は、メダルの払出枚数を終了条件とするのではなく、所定のゲーム数で終了するものであってもよい。
【0144】
次に
図7を用いて、演出状態について説明する。
図7に示すように、通常の演出状態である通常演出状態から、ATの前兆となる演出状態である前兆演出状態へ移行可能となり、この前兆演出状態からAT準備中状態へ移行可能となり、このAT準備中状態からAT状態へ移行可能となり、AT状態が終了すると、通常演出状態へ戻る。なお、これらの状態からボーナス状態への移行が可能となる。
【0145】
AT状態は、所定の開始条件を達成したときに開始可能であり、所定の終了条件を達成したときに終了可能に形成されている。具体的には、通常演出状態中にAT状態への移行抽選に当選すると、前兆演出状態へ移行し、数回の遊技で前兆演出の後、AT準備中状態へ移行し、数回の遊技の後、AT状態へ移行する。AT状態への移行抽選において当選していないにもかかわらず、前兆演出状態へ移行して前兆演出が開始される場合(いわゆるガセ演出)があり、かかる場合は、数回の遊技の後、通常演出状態へ戻る。
【0146】
なお、AT状態への移行抽選において、当選した後、前兆演出状態へ移行して、更に抽選等によりAT準備中状態やAT状態へ移行するか否かが抽選により決定されるようにしてもよい。また、AT状態への移行抽選に当選した場合、前兆演出状態を経由せずに直接、AT準備中状態やAT状態へ移行するようにしてもよい。
【0147】
図8を用いて、右リール68の各図柄61のステップ数が、どのように配置されているかを説明する。
本実施の形態における特定図柄は、図柄番号5、10、15、20に配置されているベル1である。もちろん、特定図柄は、ベル1に限定されるものではなく、役に係る図柄であって、図柄表示窓部16に停止表示することによって所定の意味を有することになる図柄であれば、他の図柄(スイカ、チェリー等)でもよいものである。なお、特定図柄は、原則として入賞役に係る図柄に設定されてあるが、入賞役に係る図柄以外に設定してもよく、チャンス目等の所定の意味を有するものでもよい。
【0148】
各図柄には、13ステップが割り当てられている第1図柄と、12ステップが割り当てられている第2図柄が設けられている。全部で20個の図柄のうち、13ステップの第1図柄が12個、12ステップの第2図柄が8個設けられている。
【0149】
先ず、図柄番号5の特定図柄であるベル1に着目する。この図柄番号5の特定図柄(ベル1)の下流側に配置されている所定範囲の図柄、具体的には、この図柄番号5の特定図柄の回転方向の下流側に向かって次の図柄から数えて合計4個の図柄61(図柄番号6、7、8、9の図柄61)のうち一部、具体的には、図柄番号5の特定図柄(ベル1)の次の図柄から連続して配置されている2個の図柄61(図柄番号6のスイカ1、図柄番号7のリプレイ)は、第1図柄(13ステップ)より少ないステップ数である12ステップの第2図柄が割り当てられている。そして、前記4個の図柄61のうち残り2個の図柄61(図柄番号8のチェリー、図柄番号9のベル1)と、図柄番号5の特定図柄(ベル1)には、ステップ数が13ステップである第1図柄が割り当てられている。
【0150】
すなわち、この図柄番号5の特定図柄(ベル1)を含む、図柄番号5、6、7、8、9の範囲Pでは、図柄番号5の特定図柄(ベル1)の回転方向の下流側に連続する2個の図柄61(図柄番号6、7)に12ステップの第2図柄が割り当てられ、残りの2個の図柄61(図柄番号8、9)と、図柄番号5の特定図柄(ベル1)に13ステップの第1図柄が割り当てられている。
【0151】
次の図柄番号10〜14の範囲Qでも、上述した範囲Pと同様に、図柄番号10の特定図柄(ベル1)の回転方向の下流側に連続する2個の図柄61(図柄番号11、12)に12ステップの第2図柄が割り当てられ、残りの2個の図柄61(図柄番号13、14)と、図柄番号10の特定図柄(ベル1)に13ステップの第1図柄が割り当てられている。
【0152】
さらに、次の図柄番号15、16、17、18、19の範囲Rでも、上述した範囲P、Qと同様に、図柄番号15の特定図柄(ベル1)の下流側に連続する2個の図柄61(図柄番号16、17)に12ステップの第2図柄が割り当てられ、残りの2個の図柄61(図柄番号18、19)と、図柄番号15の特定図柄(ベル1)に13ステップの第1図柄が割り当てられている。
【0153】
さらに、次の図柄番号20、1、2、3、4の範囲Sでも、上述した範囲P、Q、Rと同様に、図柄番号20の特定図柄(ベル1)の回転方向の下流側に連続する2個の図柄61(図柄番号1、2)に12ステップの第2図柄が割り当てられ、残りの2個の図柄61(図柄番号3、4)と、図柄番号20の特定図柄(ベル1)に13ステップの第1図柄が割り当てられている。
【0154】
上述した範囲P、Q、R、Sでは、特定図柄(ベル1)の下流側の次の図柄61から連続して配置されている2個の図柄には、12ステップの第2図柄が配置されている。
また、この特定図柄(ベル1)の次から連続して配置されている12ステップの第2図柄は、所定の図柄間隔(具体的には、第2図柄同士の間に3個の第1図柄が配置されている)で、右リール68の周囲に繰り返し配置されている。
上述した範囲P、Q、R、Sのように、特定図柄(ベル1)を含む各5個の図柄61は、特定図柄と、この特定図柄からの所定の位置に配置されている図柄61のステップ数との関係が、同一のパターンに設定されている。そして、右リール68の周囲に繰り返し、この同一のパターンが設けられている。
【0155】
図9(A)〜(E)に示すように、左リール64では、図柄表示窓部16内の上段、中段、下段に図柄番号1、2、3のベル1、リプレイ、赤7が停止し、中リール66では、図柄表示窓部16内の上段、中段、下段に図柄番号3、4、5の赤7、ベル1、リプレイが停止している。すなわち、左リール64及び中リール66は、
図9(A)〜(E)では、同一の停止態様になっている。
一方、右リール68では、図柄表示窓部16内の上段、中段、下段に、
図9(A)では、図柄番号1、2、3のスイカ1、リプレイ、赤7が停止、
図9(B)では、図柄番号2、3、4のリプレイ、赤7、ベル1が停止し、
図9(C)では、図柄番号3、4、5の赤7、ベル1、ベル1が停止し、
図9(D)では、図柄番号4、5、6のベル1、ベル1、スイカ1が停止し、
図9(E)では、図柄番号5、6、7のベル1、スイカ1、リプレイが停止している。すなわち、右リール68は、
図9(A)〜(E)では、1図柄(1コマ)ずつ停止位置がずれている。
【0156】
図9(A)では、図柄表示窓部16内の右リール68の停止図柄にベル1が1個も表示されない停止態様となる。
図9(B)、(C)では、ベル1の図柄が図中の点線で示される右下がりラインXに揃っている停止態様となる。
図9(D)、(E)では、ベル1の図柄が図中の点線で示されるV字状ラインYに揃っている停止態様となる。
【0157】
仮に、右リール68の停止操作時の正面位置の図柄61も含めた滑りコマ数が2個(2コマ)(すなわち停止操作時の正面位置の図柄61を含めない場合には、1個(1コマ))だけに限定されるような場合(停止操作時に、次の停止可能な図柄61から1図柄(当該図柄を含めない場合には0図柄)先で停止する、いわゆるビタ止まりの場合)には、ベル1の図柄をいずれかのラインに揃えさせたいときであっても、
図9(A)に示すようなベル1図柄が、図柄表示窓部16内に停止表示されず、いずれのラインにも、ベル1の図柄を揃えさせることができない状態が発生する。
【0158】
具体的には、
図8とは異なり、図柄番号1のスイカ1に12ステップの第2図柄が、図柄番号2のリプレイに13ステップの第1図柄が割り当てられていた場合や、図柄番号1のスイカ1に13ステップの第1図柄が、図柄番号2のリプレイに12ステップの第2図柄が割り当てられていた場合に、図柄番号3の赤7が中段位置にあるときに停止操作されてから2図柄61先で停止させるとすると、最大25ステップの回転移動が必要なことから、停止操作から停止までの最大時間は、前述の通り、回転速度を上限の限界速度である80rpmとした場合、
2.98ms×25ステップ=74.5ms
となり、制限時間の75ms以内に、2図柄61先で停止させることができる。なお、回転速度が80rpmを割り込むと、制限時間の75msを満足することが難しくなる。
ここで、前述の通り、回転速度を現実的な上限の限界速度である79rpmとした場合、
3.01ms×25ステップ=75.25ms
となり、75msを越えてしまい、制限時間の75ms以内に、2図柄61先で停止させることができない。
【0159】
一方、本実施の形態のように、右リール68の停止操作時の正面位置の図柄61も含めた滑りコマ数が2個(2コマ)だけではなく、3個(3コマ)(すなわち停止操作時の正面位置の図柄61を含めない場合には、2個(2コマ))まで許されるような場合(停止操作時に、次の停止可能な図柄61から2図柄(当該図柄を含めない場合には1図柄)先で停止する、いわゆる1コマ滑りの場合)には、
図9(B)〜(E)に示すように、右下がりラインXや、V字状ラインYに揃えさせることが可能な状態となる。
【0160】
図9(A)〜(E)では、右リール68の図柄番号1〜7の場合であるが、上述したものと同様の態様が、右リール68の図柄番号6〜12と、図柄番号11〜17と、図柄番号16〜2(16、17、18、19、20、1、2)とにおいても発生するものである。
すなわち、仮に右リール68の停止操作時の正面位置の図柄61も含めた滑りコマ数が2個(2コマ)だけだと、必ず
図9(A)に示すようなベル1の図柄を停止させることができず、いかなるラインにもベル1の図柄を揃えさせることができない状態が発生することになる。
【0161】
それに対して、本実施の形態のように、停止操作時の正面位置の図柄61も含めた滑りコマ数を3個(3コマ)(すなわち停止操作時の正面位置の図柄61を含めない場合には、2個(2コマ))にすることができると、右リール68のいかなる位置で停止操作しても、ベル1の図柄を停止させることができ、上述したような右下がりラインXや、V字状ラインYにベル1の図柄を揃えさせることが可能となるものである。
具体的には、例えば、
図9(B)〜(D)は、停止操作時に、次の停止可能な図柄61で停止する、いわゆるビタ止まりであり、図柄番号4のベル1が中段位置にあるときに停止操作した場合、
図9(B)の停止態様となり、図柄番号5のベル1が中段位置にあるときに停止操作した場合、
図9(C)の停止態様となり、図柄番号6のスイカ1が中段位置にあるときに停止操作した場合、
図9(D)の停止態様となる。
また、例えば、
図9(E)は、停止操作時に、次の停止可能な図柄61から2図柄(当該図柄を含めない場合には1図柄)先で停止する、いわゆる1コマ滑りであり、図柄番号3の赤7が中段位置にあるときに停止操作した場合、24ステップの回転移動で
図9(E)の停止態様となる。
【0162】
なお、ここで、本実施の形態では、有効ライン86は、中段の水平ラインであり、右下がりラインXやV字状ラインYは、有効ライン86ではない。実際の当選役に係る図柄の組み合わせは、例えば、
図9(B)では、有効ライン86上の図柄の組み合わせであるリプレイ、ベル1、赤7となるものであるが、その際にも、入賞の払い出しが行われた場合に、右下がりラインX上にベル1、ベル1、ベル1が揃っていることで、遊技者は、不信感を持たずに安心して遊技を進めることができるものである。
【0163】
それに対して、
図9(A)に示すように、ベル1の図柄や、他の図柄も何も揃っていない状態において、メダルの払い出しが発生すると、いずれの図柄も揃っていないのに払い出しがあるのは、不自然であり、遊技者は、遊技に対して不信感を持つことになる。それを解消するためには、右リール68の図柄配置を最初に検討する際、右リール68上にベル1の図柄61を現在よりも多く配置すれば解消するものであるが、ベル1の図柄ばかりが多くなって図柄配置の外観(見た目)が悪くなってしまう。本実施の形態では、右リール68の図柄配置の外観(見た目)を良好に維持しつつ、実際のメダルの払い出しの際にも遊技者に不信感を与えないようにすることができるものである。このように、本実施の形態では、右リール68の図柄配置の外観(見た目)と、実際のメダルの払い出しとの調整をすることができて、両者の整合性を図ることができる。
【0164】
図10に示すように、12ステップの図柄61と、13ステップの図柄61とが混在しているような場合に、仮に各図柄61の中心位置の間隔を全部一定の間隔Gに配置するとともに、各図柄61を表示する表示領域(具体的には、図柄61が印刷されて表示され得る領域)である図柄表示領域510同士の間隔を全部一定の間隔(例えば2.0mm)に設定すると、12ステップの図柄61と、13ステップの図柄61とでは、リール62が移動する距離(各ステップ数に対応する回転角度に基づく移動距離)の大きさが異なるため、図柄配置上のズレ(各図柄61の中心位置と各ステップ数(12ステップ又は13ステップ)により表示される範囲の中心のズレ)が発生し、そのズレが1ステップ分、そのまま発生することになる。
【0165】
なお、図柄表示領域510とは、図柄61がリールテープの表面に印刷されて、当該図柄61が表示され得る領域を意味する。本実施の形態に係る停止制御では、図柄61に割り当てられているステップ数の中心が、図柄表示窓部16の中段の中心に位置するように設定されている。
【0166】
そこで、
図11に示すように、本実施の形態では、各図柄61のサイズを各図柄61の位置に対応するステップ数(具体的には、12ステップ又は13ステップ)に合わせて調整し、各図柄61を、各図柄61の位置に対応するステップ数(12ステップ又は13ステップ)の中心位置に配置している。具体的には、例えば、13ステップに対応するベル1と赤7との図柄61の中心位置の間隔Gは、13ステップに対応する回転角度に基づく移動距離となる。また、13ステップに対応する赤7と、12ステップに対応するリプレイとの図柄61の中心位置の間隔Hは、12.5ステップに対応する回転角度に基づく移動距離となる。また、12ステップに対応するリプレイと、12ステップに対応するスイカとの図柄61の中心位置の間隔Kは、12ステップに対応する回転角度に基づく移動距離となる。
これにより、各リール62が異なるステップ数(12ステップ又は13ステップ)の図柄61で停止しても、図柄61のズレを小さくすることができる。
さらに、本実施の形態では、リール62の周囲に13ステップが割り当てられている図柄61(第1図柄)同士が連続して配置されている箇所と、それより少ないステップ数である12ステップが割り当てられている図柄61(第2図柄)同士が連続して配置されている箇所とが設けられている場合、13ステップが割り当てられている図柄61(第1図柄)が表示される図柄表示領域510同士の間隔は、1.5mmに設定され、12ステップが割り当てられている図柄61(第2図柄)が表示される図柄表示領域510同士の間隔は、2.5mmに設定されている。すなわち、後者よりも前者の方が図柄表示領域510同士の間隔が狭くなるように設定されている。
【0167】
また、本実施の形態では、さらに、13ステップが割り当てられている図柄61(第1図柄)が表示される図柄表示領域510同士の間隔(1.5mm)は、それより少ないステップ数である12ステップが割り当てられている図柄61(第2図柄)が表示される図柄表示領域510と、13ステップが割り当てられている図柄61(第1図柄)が表示される図柄表示領域510との間隔(2.5mm)よりも狭く設定されている。
【0168】
なお、
図12に示すように、12ステップが割り当てられている図柄61(第2図柄)が表示される図柄表示領域510と、13ステップが割り当てられている図柄61(第1図柄)が表示される図柄表示領域510との間隔(2.5mm)は、12ステップが割り当てられている図柄61(第2図柄)が表示される図柄表示領域510同士の間隔(3.0mm)よりも狭くなるように設定し、且つ、13ステップが割り当てられている図柄61(第1図柄)が表示される図柄表示領域510同士の間隔(1.5mm)よりも広くなるように設定してもよいものである。
【0169】
すなわち、
図12に示すように、12ステップが割り当てられている図柄61(第2図柄)が表示される図柄表示領域510同士の間隔を3.0mmに設定し、12ステップが割り当てられている図柄61(第2図柄)が表示される図柄表示領域510と、13ステップが割り当てられている図柄61(第1図柄)が表示される図柄表示領域510との間隔を2.50mmに設定し、13ステップが割り当てられている図柄61(第1図柄)が表示される図柄表示領域510同士の間隔を1.5mmに設定してもよい。
【0170】
図13に示すフローチャートに基づいて、メイン制御手段200が1回の遊技毎に実行する一般的な制御処理について説明する。
【0171】
ステップ131において、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が行われる。ここで、スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、メイン制御手段200により、賭け数の設定が不可能な状態とされる。その後、次のステップ132に進む。一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップ131に戻る。
【0172】
なお、このステップ131の前提として、賭け数設定処理が行われている。この賭け数設定処理では、賭け数として規定の賭け数が設定されたか否かが判定されるものである。具体的には、メイン制御手段200により、当該遊技の賭け数として設定されているメダルの枚数が規定の賭け数3に達しているか否かの判定が行われる。
【0173】
ステップ132において、役抽選手段210により、役抽選処理が行われる。この役抽選処理により、当選した役等を特定するための当選番号が決定される。また、このとき、役抽選の結果がメイン制御手段200からサブ制御手段400へ送信される。これらの処理が終了すると、次のステップ133に進む。
【0174】
ステップ133において、停止制御手段220により、リールユニット60におけるリール62の回転起動処理(回転開始処理)が行われる。リール62が所定の回転速度に達した後、いわゆる定常回転になった後、ストップスイッチ50の停止操作が可能な状態となる。そして、次のステップ134に進む。
【0175】
ステップ134において、遊技者によりストップスイッチ50の停止操作が行われる。そして、次のステップ135に進む。
ステップ135において、停止制御手段220により、操作されたストップスイッチ50に対応するリール62の停止位置を決定する処理が行われる。具体的には、役抽選の結果と、ストップスイッチ50の操作タイミングとによって、停止位置が決定されるものである。そして、次のステップ136に進む。
【0176】
ステップ136において、停止制御手段220により、決定した停止位置で当該リール62の回転停止が行われる。そして、次のステップ137に進む。
ステップ137において、全てのリール62が回転を停止したか否かが判定される。そして、全てのリール62が回転を停止したと判定された場合、次のステップ138に進み、全てのリール62が回転を停止していない、すなわち回転中のリール62が残っていると判定された場合、ステップ134に戻る。
【0177】
ステップ138において、メダルの払出処理が行われる。具体的には、停止図柄判定手段230及び遊技媒体払出制御手段240により、当選役に係る図柄が有効ライン86上に停止している場合には、その当選役に対応する枚数のメダルの払い出しが行われる。なお、メダルの払い出しが不要な場合には、メダルの払い出しは行われない。そして、当該処理が終了する。
【0178】
本実施の形態によれば、上述したような構成を有することにより、以下に示すような作用及び効果を奏する。
【0179】
本実施の形態によれば、ステッピングモータ65の1周の総ステップ数(252ステップ)における各ステップは、通常、回転する1周(360度)を均等(同一)の角度で割り当てられている。ステッピングモータ65の回転速度が一定(定常回転)になった場合、1ステップが移動する時間は総ステップ数のうちいずれのステップにおいても同一に設定されている。
【0180】
従って、ステッピングモータ65の1周の総ステップ数(252ステップ)が決定されている状態において、1個の図柄61に割り当てられるステップ数を少なくするほど、当該図柄61の移動時間を短くすることができる。
【0181】
一方、特殊状態としての第2種特別役物(CB)のようにリール62の停止操作から停止させるまでの停止時間が制限されている場合(具体的には75ms以内に制限されている)、1個の図柄61の移動時間を短くするほど、その制限時間内により多くの個数の図柄61を移動させる(いわゆる「滑り」を発生させる)ことができることになる。
【0182】
従って、特定図柄(所定位置のベル1)の回転方向に対して下流側に配置されている所定範囲の図柄61(具体的には、特定図柄のベル1の次から下流側に4個の図柄範囲)のうち一部の図柄61のステップ数を他の図柄61より少ないステップ数(12ステップ)に割り当てることで、停止時間が制限される特殊状態(第2種特別役物、いわゆるCB)においても、当該所定範囲の図柄61において、停止操作から停止するまでに回転移動させる(滑らせる)図柄数を、当該所定範囲の図柄61が全てステップ数が13ステップの「他の図柄61」である場合よりも多くすることができる。特定図柄(所定位置のベル1)の回転方向の下流側に配置されている所定範囲の図柄61を、より多く回転移動させる(滑らせる)ことができることにより、結果として、特定図柄が絡んだ所定の停止態様を獲得することが可能となり、多様な停止態様を表示することが可能となる(
図9参照)。
【0183】
本実施の形態によれば、13ステップの前記他の図柄61よりも少ないステップ数である12ステップは、特定図柄(所定位置のベル1)の次の図柄61からリール62の回転方向の下流側に連続して配置されている2個(2コマ)の図柄61に割り当てられている。12ステップの図柄61が連続しない1個の図柄61だけでは、停止操作から停止までの時間が通常遊技よりも制限される条件を満足しないような特殊状態(第2種特別役物、いわゆるCB)下の場合でも、複数個(2個)、連続して配置することで当該条件(停止操作から停止までの時間の制限である75ms以内)を満足させることが可能となる。
【0184】
本実施の形態によれば、リール62の周囲に13ステップが割り当てられている他の図柄61(第1図柄)よりも少ないステップ数である12ステップが割り当てられている図柄61(第2図柄)が設けられ、且つ、この連続して配置されている複数個(2個)の図柄61(第2図柄)が、所定の図柄間隔でリール62の周囲に繰り返し配置されている。これにより、停止操作から停止するまでに回転移動させる(滑らせる)図柄数が多い図柄61を、リール62の周囲に繰り返し規則的に配置することができる。結果として、リール62の全周にわたって所定の停止態様を獲得することが可能となる(
図9参照)。
【0185】
本実施の形態によれば、13ステップが割り当てられている図柄61(第1図柄)が表示される図柄表示領域510同士の間隔(1.5mm)は、それより少ないステップ数である12ステップが割り当てられている図柄61(第2図柄)が表示される図柄表示領域510同士の間隔(2.5mm)よりも狭くすることで、図柄61の図柄表示領域510同士の間隔を各図柄61に割り当てられたステップ数に併せて調整することができ、図柄配置のズレを目立たないように小さく見せることができる。これにより、図柄61の種類で異なるステップ数が割り当てられていることで発生する停止態様の不自然さを抑えることができる。
【0186】
本実施の形態によれば、13ステップが割り当てられている図柄61(第1図柄)が表示される図柄表示領域510同士の間隔(1.5mm)は、それより少ないステップ数である12ステップが割り当てられている図柄61(第2図柄)が表示される図柄表示領域510と、13ステップが割り当てられている図柄61(第1図柄)が表示される図柄表示領域510との間隔(2.5mm)よりも狭く設定されている。これにより、図柄61の図柄表示領域510同士の間隔をステップ数に併せて調整することができ、図柄61の配置のズレを目立たないように小さく見せることができる。これにより、図柄61の種類で異なるステップ数が割り当てられていることで発生する停止態様の不自然さを抑えることができる。
【0187】
本実施の形態によれば、ステッピングモータ65の総ステップ数が252ステップで、リール62の周囲に20個の図柄61を配置しているため、総ステップ数(252ステップ)を、リール62の周囲に付された図柄数である20個で割り切れない。そこで、3個の全リール62において、12ステップの図柄61を8個、13ステップの図柄61を12個、配置している。
【0188】
本実施の形態では、特殊状態としての第2種特別役物(CB)において、右リール68のみ、停止操作から停止までの制限時間が75msに規制されている。これにより、右リール68において、
図8に示すように、第1の図柄61(13ステップ数の図柄61)よりもステップ数の少ない第2の図柄(12ステップ数の図柄61)を、特定図柄(所定位置のベル1)の次の図柄から連続して2個配置している。
ここで、ステッピングモータ65の回転速度を上限の限界速度である80rpmとすると、1ステップあたりの制御時間は、
(60s×1000ms)/(252ステップ×80rpm)=2.98msとなる。
【0189】
すると、図柄61の2個分のステップ数の合計は、13ステップの図柄61と13ステップの図柄61とが連続する場合、26ステップとなる。停止操作されてから2図柄61先で停止させるとすると、最大26ステップの回転移動が必要なことから、停止操作から停止までの最大時間は、
2.98ms×26ステップ=77.48ms
となり、制限時間の75ms以内で停止させることができない。
【0190】
また、図柄61の2個分のステップ数の合計は、13ステップの図柄61と12ステップの図柄61とが連続する場合、25ステップとなる。停止操作されてから2図柄61先で停止させるとすると、最大25ステップの回転移動が必要なことから、停止操作から停止までの最大時間は、
2.98ms×25ステップ=74.5ms
となり、制限時間の75ms以内で停止させることができるが、回転速度が80rpmを割り込むと、満足することが難しくなる。
【0191】
また、図柄61の2個分のステップ数の合計は、12ステップの図柄61と12ステップの図柄61とが連続する場合、24ステップとなる。停止操作されてから2図柄61先で停止させるとすると、最大24ステップの回転移動が必要なことから、停止操作から停止までの最大時間は、
2.98ms×24ステップ=71.5ms
となり、制限時間の75ms以内で停止させることが十分可能となる。
【0192】
なお、業界の規則等によりリール62の回転速度が80rpm以下に設定しなければならないように規定されており、誤差等を考慮して、80rpmの値に設定することは容易ではない。本実施の形態では、回転速度の限界速度の条件となる80rpm以下の実際に現実的な回転速度として、79rpmを採用している。かかる場合の1ステップあたりの制御時間は、
(60s×1000ms)/(252ステップ×79rpm)=3.01msとなる。
ここで、前述の通り、13ステップの図柄61と13ステップの図柄61とが連続する場合、停止操作されてから2図柄61先で停止させるとすると、最大26ステップの回転移動が必要なことから、停止操作から停止までの最大時間は、
3.01ms×26ステップ=78.26ms
となり、制限時間の75ms以内で停止させることができない。
【0193】
また、前述の通り、図柄61の2個分のステップ数の合計は、13ステップの図柄61と12ステップの図柄61とが連続する場合、停止操作されてから2図柄61先で停止させるとすると、最大25ステップの回転移動が必要なことから、停止操作から停止までの最大時間は、
3.01ms×25ステップ=75.25ms
となり、75msを越えてしまい、制限時間の75ms以内で停止させることができない。
【0194】
また、前述の通り、図柄61の2個分のステップ数の合計は、12ステップの図柄61と12ステップの図柄61とが連続する場合、停止操作されてから2図柄61先で停止させるとすると、最大24ステップの回転移動が必要なことから、停止操作から停止までの最大時間は、
3.01ms×24ステップ=72.24ms
となり、制限時間の75ms以内で停止させることが十分可能となる。
【0195】
すなわち、実際に現実的な回転速度79rpmの場合は、12ステップを連続して2図柄61を配置することで、特殊状態としての第2種特別役物(いわゆるCB)における停止操作から停止までの制限時間である75msを満足することができることになる。
【0196】
なお、停止操作から75ms以内に、且つ、停止操作から12ステップの図柄61の2個の範囲内でリール62の回転を停止するように形成する場合には、ステッピングモータ65の回転速度は、
((60s×1000ms)/(252ステップ×75ms))×24ステップ
=76.19rpm
以上とする必要がある。
【0197】
なお、ここで、第2種特別役物(CB)において、停止操作から停止までの時間が75msに制限されているのは、右リール68のみである。左リール64及び中リール66では、停止操作から停止までの時間が通常の190msに設定されている。
【0198】
本実施の形態では、左リール64及び中リール66では、いずれの位置で停止操作しても、13ステップの図柄61(第1図柄)が3個、12ステップの図柄61(第2図柄)が2個含まれるように設定されている。この5個の図柄61のステップ数の合計は、63ステップとなる。通常、停止操作により停止操作時の正面の図柄61を除いた下流側の4図柄(4コマ)を引き込み可能とするためには、5図柄(5コマ)分の移動時間が必要となる。
【0199】
回転速度が79rpmの場合、停止操作されてから4図柄先まで停止させるのに、最大63ステップの回転移動が必要なことから、停止操作から停止までに必要とする最大時間は、
3.01ms×63ステップ=189.63ms
となり、190msの通常の制限時間内に収まることができる。
【0200】
なお、回転速度が仮に80rpmの場合、停止操作されてから4図柄先まで停止させるのに、最大63ステップの回転移動が必要なことから、停止操作から停止までに必要な最大時間は、
2.98ms×63ステップ=187.74ms
となり、190msの通常の制限時間内に収まることができる。
【0201】
すなわち、75msの制限時間ではなく、190msの制限時間となる左リール64及び中リール66では、特に問題無く、所要の停止態様(例えば、
図9の(B)〜(E)に示すような停止態様)を実現することが可能になっている。
【0202】
本実施の形態では、総ステップ数として、252ステップを用い、総図柄数として、20個を用い、各図柄のステップ数として、13ステップの第1図柄、12ステップの第2図柄を用いているが、必ずしも、この数値のものに限定されるものではない。
停止表示させることで所定の停止態様になるような特定図柄の配置と、各図柄のステップ数との関係が、本実施の形態のように所定の関係が成立するものであれば、他の数値に変更してもよいものである。
【0203】
また、第1図柄と第2図柄とのステップ数は、13ステップと12ステップとであって、連続した数値を採用し、1ステップの差しかないが、特にこのような1ステップ差の連続したものに限定されるものではない。第1図柄と第2図柄とに割り当てられたステップ数の差を、2ステップ差や、3ステップ差等の1ステップ差を超える不連続の数値を用いてもよいものである。具体的には、例えば、13ステップの第1図柄と、11ステップの第2図柄とのような2ステップ差のものでも、本実施の形態で説明したように所定の関係が成立すればよいものである。さらに、13ステップの第1図柄と、10ステップの第2図柄とのような3ステップ差のものでも、又はそれ以上のステップ差のものでも、本実施の形態で説明したように所定の関係が成立すればよいものである。
【0204】
また、本実施の形態では、停止操作時の正面位置の図柄61も含めた滑りコマ数を3図柄(3コマ)(すなわち停止操作時の正面位置の図柄61を含めない場合には、2個(2コマ))(停止操作時に、次の停止可能な図柄61から2図柄(当該図柄を含めない場合には1図柄)先で停止する、いわゆる1コマ滑り)にするために、特定図柄の次の図柄から12ステップの第2図柄を連続して2個配置しているが、必ずしもこれに限定されるものではない。回転速度や、各図柄のステップ数の設定によって、停止操作時の正面の図柄61を含めた滑りコマ数3図柄(3コマ)(すなわち停止操作時の正面位置の図柄61を含めない場合には、2個(2コマ))(停止操作時に、次の停止可能な図柄61から2図柄(当該図柄を含めない場合には1図柄)先で停止する、いわゆる1コマ滑り)
を成立することができるようなものであれば、第2図柄を1個だけにしてもよいものである。