特許第6321721号(P6321721)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6321721機器を取付ける取付装置及び取付装置の取付け方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6321721
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】機器を取付ける取付装置及び取付装置の取付け方法
(51)【国際特許分類】
   F16B 2/06 20060101AFI20180423BHJP
   F16B 5/10 20060101ALI20180423BHJP
   F21V 21/04 20060101ALI20180423BHJP
【FI】
   F16B2/06 A
   F16B5/10 D
   F21V21/04 100
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-103869(P2016-103869)
(22)【出願日】2016年5月25日
(65)【公開番号】特開2017-26144(P2017-26144A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2017年11月14日
(31)【優先権主張番号】15170366.7
(32)【優先日】2015年6月3日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502208205
【氏名又は名称】アクシス アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ヤコブソン, カロリーネ
(72)【発明者】
【氏名】カールソン, リネーア
【審査官】 葛原 怜士郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−120192(JP,A)
【文献】 実開昭48−092781(JP,U)
【文献】 特開2006−013736(JP,A)
【文献】 米国特許第08193446(US,B1)
【文献】 欧州特許出願公開第02637486(EP,A1)
【文献】 特開2010−177857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 2/00− 2/26
F16B 5/10,21/09
F21V 21/04
G03B 13/19
H01R 1/02
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の開口部に機器を取り付けるための取付装置(100)であって、
前記機器を受容するソケット(102)と、
アンカー要素(104)と、
前記アンカー要素と調整可能に係合する締結要素(106)と
を備え、
前記ソケットは、前記開口部に挿入可能な形状寸法のプレート部分(128)及び本体部分(108)と、前記本体部分から延びて前記構造物の第1の側に接触可能な形状寸法の接触フランジ(110)と、前記締結要素を受容する開孔(112)とを有し、
前記アンカー要素(104)は、前記開口部を通って挿入可能な形状寸法であって前記構造物の第2の側に接触する接触部分(114)を有し、前記締結要素を受容し保持するための開口部(116)を更に含み、
前記締結要素(106)は、前記アンカー要素の前記開口部に調整可能に係合する遠位端(118)と、前記ソケットの前記開孔(112)に係合して前記ソケットを保持する近位端(120)とを有し、
前記アンカー要素の前記開口部で前記締結要素を調整することにより、前記締結要素と前記ソケットとの間の距離が前記構造物の厚みに適合するように調整され、
前記ソケットの前記開孔(112)が、入口(130)によって、横方向の1つの側に開いている、取付装置(100)。
【請求項2】
前記アンカー要素(104)が、脚部(122)をブリッジ部分(124)で相互接続したU字形状を有し、前記脚部の自由端に前記接触部分(114)が配置されている、請求項1に記載の取付装置。
【請求項3】
前記アンカー要素の脚部の数が、3本、4本、又は5本など、2本以上である、請求項1又は2に記載の取付装置。
【請求項4】
前記アンカー要素の前記開口部(116)に雌ねじが設けられている、請求項1から3の何れか一項に記載の取付装置。
【請求項5】
前記締結要素が、ヘッド部分(120)から延びる軸を含み、前記軸に雄ねじが設けられている、請求項1から4の何れか一項に記載の取付装置。
【請求項6】
前記軸が、前記軸の有効径を減少させている窪みを有する、請求項5に記載の取付装置。
【請求項7】
前記窪みが、前記ソケットの前記開孔への前記入口の幅よりも小さくなるように前記有効径を減少させている、請求項6に記載の取付装置。
【請求項8】
前記入口が、前記開孔(112)の直径よりも小さい幅を有する、請求項1から7の何れか一項に記載の取付装置。
【請求項9】
前記入口が一方向機構(138)を備えている、請求項1から8の何れか一項に記載の取付装置。
【請求項10】
前記開孔(112)が、前記締結要素を位置決めするための軸方向に延びるリップによって部分的に囲まれている、請求項1から9の何れか一項に記載の取付装置。
【請求項11】
ソケット、アンカー要素、及び締結要素を含む請求項1から10の何れか一項に記載の取付装置を、構造物の開口部に取付ける方法であって、
前記締結要素の遠位端を前記アンカー要素に装着することと、
前記アンカー要素を前記構造物の第1の側に配置することと、
前記第1の側とは反対の前記構造物の第2の側で、前記ソケットを前記締結要素の遠位端に装着することと、
前記アンカー要素の部分が前記構造物の前記第1の側に接触し、前記ソケットの部分が前記構造物の前記第2の側に接触するとともに、前記ソケットのその他の部分が前記開口部に挿入されるまで、前記アンカー要素と前記ソケットとの間の軸方向の距離を減少させるように、前記締結要素を作動させることと
を含む、方法。
【請求項12】
前記ソケットにカメラを取付けることを更に含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器を構造物の開口部に取付けるための取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
機器を構造物の開口部に取付けることが望ましいという状況が多く存在する。例えば、スポットライト、スピーカー、又は監視カメラが、天井又は壁内に埋込み式に(recessed)取付けられ得る。そのような取付けにおいて、多くの場合、取付け手順を簡略化するために専用の装置が用いられる。幾つかの取付装置は一般的に、固定用の脚部を有したカップで構成されており、脚部はカップを貫通して延びるねじ上に配置されている。取付けられるべき開口部にカップが挿入される前に、固定用の脚部が内側に、カップの方へと回転される。カップが開口部に挿入されると、ねじを操作することによって固定用脚部がカップから外側に回転される。ねじの操作を継続することにより、固定用脚部がねじに沿って動き、壁又は天井の厚みに適合する。このような取付装置は、開口部に取付けられた機器を強固に保持し得るが、装置を所定位置に保持しながらねじを操作することが難しいことがある。
【0003】
EP‐2045512は、設置がより容易な取付装置の一例を記載しており、ここでは概してカップの形態を有したホルダが開示されている。カップは、外側端部において、例えば天井などの外表面に接触するように配置されたつばを有する。カップは、内側端部に開口部を有し、この開口部を通じて、ばね付勢された複数の支持脚が外方向に延びている。このホルダを開口部に挿入するために、支持脚が互いの方へと枢動し得、支持脚はカップの長手方向に延びるように保持される。カップが開口部に挿入されると、支持脚は開放され得、ばね力によって外側に枢動し天井の内表面の方へと下げられ得る。このようにしてホルダが開口部に保持される。このような取付装置は埋込み式の取付けを簡略化するものの、より低コストで製造され得る取付装置を有することが有益である場合も存在する。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、機器を構造物の開口部に容易に取付けし得る取付装置を提供することである。
【0005】
もう1つの目的は、低コストで製造され得る取付装置を提供することである。
【0006】
本発明の更なる目的は、機器を構造物の開口部に取付けるための実施が容易な方法を提供することである。
【0007】
これらの目的、及びその他の目的は、新規な取付装置によって完全に又は部分的に達成される。
【0008】
構造物の開口部に機器を取付けるための取付装置である。取付装置は、機器を受容するソケット、アンカー要素、及び、アンカー要素と調整可能に係合する締結要素を含む。ソケットは、開口部に挿入可能な形状寸法のプレート部分及び本体部分、本体部分から延びて構造物の第1の側に接触可能な形状寸法の接触フランジ、及び、締結要素を受容する開孔を有する。アンカー要素は、開口部を通って挿入可能な形状寸法であって構造物の第2の側に接触する接触部分を有する。アンカー要素は、締結要素を受容し保持するための開口部を更に含む。締結要素は、アンカー要素の開口部に調整可能に係合する遠位端(118)、及び、ソケットの開孔に係合してソケットを保持する近位端を有する。アンカー要素の開口部で締結要素を調整することにより、締結要素とソケットとの間の距離が構造物の厚みに適合するように調整される。
【0009】
一又は複数の実施形態で、アンカー要素は、脚部がブリッジ部分によって相互接続されたU字型の形状を有し得、脚部の自由端に接触部分が配置され得る。このU字形状により、構造物の厚みが限られている状況であっても、剛性の構造物に前記ソケットを埋込み式に取り付けることが促進され得る。
【0010】
アンカー要素の脚部の数は、例えば3本、4本、又は5本など、2本以上であってもよい。さらに多くの脚部が存在してもよいが、好ましくはない。
【0011】
一又は複数の実施形態で、アンカー要素の開口部には、締結要素とのねじ係合を可能にする雌ねじが設けられている。
【0012】
締結要素はヘッド部分から延びる軸を含み得、軸はアンカー要素と協働するための雄ねじを有する。
【0013】
軸は、その有効径を減少させる窪みを有し得、この窪みにより有効径が、ソケットの開孔への入口の幅よりも小さくなっている。
【0014】
一又は複数の実施形態で、ソケットの開孔は、この入口によって横方向の一方の側で開いていてよく、これによりソケットを締結要素に装着することが容易となり得る。入口は、開孔の直径よりも小さい幅を有し得る。
【0015】
一又は複数の実施形態で、取付けを更に簡略化して、締結要素の開孔内での位置決めを容易にするために、入口は一方向機構を備え得る。
【0016】
一又は複数の実施形態で、開孔は、締結要素を位置決めするための軸方向に延びるリップによって部分的に囲まれていてよい。
【0017】
第2の態様によれば、本発明は、上記の何れかに記載の取付装置を構造物の開口部に取付ける方法に関する。取付装置は、ソケット、アンカー要素、及び締結要素を含む。本方法は、締結要素の遠位端をアンカー要素に装着すること、アンカー要素を構造物の第1の側に配置すること、前記第1の側とは反対の構造物の第2の側でソケットを締結要素の遠位端に装着すること、及び、アンカー要素の部分が構造物の第1の側に接触し、ソケットの部分が構造物の第2の側に接触するとともに、ソケットのその他の部分が開口部に挿入されるまで、アンカー要素とソケットとの間の軸方向の距離を減少させるように、締結要素を作動させること、を含む。
【0018】
そのような方法は、ソケットにカメラを取付ける方法も含み得る。
【0019】
実施例を用い且つ添付の概略図を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1-3】本発明の一実施形態による、取付装置の取付け手順を示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態で使用するアンカー要素の斜視図である。
図5】本発明の一実施形態で使用する締結要素の斜視図である。
図6】本発明の一実施形態で使用するソケットの外部の斜視図である。
図7図6のソケット内部の斜視図である。
図8図7のものと同様であるが第2の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
一実施形態による本発明を、図面を参照して説明する。まず、実施形態の背景を説明するために、図1−3を参照して取付け手順を示す。次に図4−7を参照して個々の部品の詳細を説明する。
【0022】
取付装置は、ソケット102、アンカー要素104、及び締結要素106という3つの主要な部品で構成された第1の実施の形態をとっている。図1を参照すると、取付装置は、構造物103又は隔壁の開口部101内に取付けるために設計されている。構造物103は図1では天井として示されている。第1のステップ(図示せず)で、締結要素106がアンカー要素104に装着されて、図1に示すように錨状のアセンブリをなしている。アンカー要素104は、開口部101の直径を超えて延在するように設計されているので、アンカー要素104が開口部を通って挿入されるよう、アセンブリ104/106は傾けられている。この方式で、アンカー要素104は構造物103の一方の側に配置され、締結要素106の少なくとも一端は構造物103の他方の側からアクセス可能となる。
【0023】
第2のステップでは、図2に示すように、ソケット102が、アンカー要素104に装着された端部から離れた端部において、締結要素106上に配置される。ソケット102を配置した後、締結要素106を締め付け、ソケット102をアンカー要素104に、図3の位置に到達するまで効率的に近づける。
【0024】
図3の位置で、ソケット102の部分は構造物103の一方の側に接触し、アンカー要素104の部分は構造物の反対側に接触している状態で、締結要素106がソケット102をアンカー要素104の方へと引くことで、取付装置が構造物の開口部に位置決めされる。図3で、アンカー要素はソケットの対称性に対して特定の角度で取付けられている。安定性の理由からこの角度が好ましいが、任意の角度で取付けられたとしても本発明の目的は達成され得る。部品の細部は、取付け及び位置決めを容易にするように作用し得る。これらの細部については図4−7を参照して説明する。本明細書において、すべての細部が単一の実施形態に関して記されており、且つ組み合わせて使用することにより有利な効果が得られるであろうが、細部を独立して使用して更なる実施形態を構成することもできよう。
【0025】
図4は、第1の実施形態のアンカー要素104を示す。アンカー要素104は概してU字型の外観を有し、ブリッジ部分124によって相互に接続された脚部122を有する。脚部122の各々の自由端に、構造物103に接触する接触部分114が存在する(図3を参照)。接触部分114のデザインは構造物103の性質に影響を受け得るが、本実施形態では、アンカー要素104と構造物103との間により大きな接触面をもたらすように設計されている。U字型のデザインは、取付装置が組み立てられた状態にあるときにソケット102のための空間を確保するよう、即ち、ソケットが本質的に構造物と同一平面上にある埋込み式の取付けを可能にするような形状寸法である。アンカー要素104は、締結要素106の遠位端を受容する開口部116も有する。本実施形態では、開口部116に、締結要素106の雄ねじと合致する雌ねじが設けられている。
【0026】
図3から明らかなように、アンカー要素は、剛性と安定性をもたらす構造上の細部も含み得る。このような構造上の細部の量と形態は、材料(この場合は成形プラスチック)によって変化し得る。
【0027】
図5は、本発明の第1の実施形態で用いられる締結要素106を示す。締結要素106のこの 実施形態は、単純化するためにねじボルトとして説明され得るが、幾つかの細部が異なり得る。機器の遠位端118は、アンカー要素104の開口部116と調整可能に係合する。このことは、本実施形態では開口部116の雌ねじに合致する雄ねじを有していることと等しい。ねじ式係合を有することの有利な効果は、取付け手順の後の方の段階ではアクセス不可能となるアンカー要素からの逆圧なしに、締め付けが可能であるということである。
【0028】
締結要素の近位端120に作動部が配置されている。作動部は、手動での操作に適した形状寸法のヘッド(図5に示す)と、ツール(六角棒スパナ又はねじ回しなど)との協働のために形成された構成との両方を含み得る。本実施形態では、締結要素のヘッドが、ソケット102の部分と協働するための構造も含むので、これら2つの相対的な位置決めが向上し得る。本実施形態では、近位端120のヘッド近傍に、締結要素のねじ込み軸(threaded stem)の窪み126も存在する。本実施形態に係る締結要素はプラスチックから成形され得、必要な材料を減らし、冷却時間を短くし、且つ成形を簡略化するように設計されており、本実施形態では、ねじ込み軸の長さに沿って延びる長手方向の窪みによって実現されている。別の実施形態では、これが完全に又は部分的に中空の軸を作製することによって実現され得る。
【0029】
締結要素106が、構造物の一方の側に配置されたアンカー要素104に装着され得るが依然として構造物の離れた側からアクセス可能であるような長さを有していれば、使いやすさという観点から有益である。これにより、ソケット102の締結要素106への配置が簡素化される。
【0030】
図6は、ソケット102の第1の図であり、関連する細部のほぼすべてがこの図に示されている。ソケット102は、底部プレート128から延びる本体部分108を有する。底部プレート128と本体部分108は双方とも、配置されるべき構造物開口部101内に挿入可能な形状寸法である。本実施形態の場合のように、本体部分108は幾つかの部分に区分され得る。このような構成により、必要な材料の量が減り組み立てが用意となる。ソケット102が開口部に配置された後にその位置が変化することを防ぐよう、本体部分108はソケット102を、開口部の面内で開口部101に対してしっかりと位置決めするであろう。底部の自由端の少なくとも一部分は、接触フランジ110へと移行している。接触フランジは、構造物の、アンカー要素から離れた側に接触する。
【0031】
ソケット102は、締結要素106又は少なくともその軸を受容する開孔112を有する。ソケット102が締結要素106上にスライドされ得るように、開孔が横方向の一方の側に開いていることが必須ではないが好ましく、そのような構成により取付け手順が簡素化され得る。締結要素が窪み(又は切欠き)126を有している本実施形態では、開孔112に開口部を提供している溝130の形状寸法が、開孔自体の直径と比べて小さくてよい。ソケットを締結要素に対して正しく方向づけることにより、それが 締結要素上に横方向にスライドし得、次いで、締結要素の近位端の方へと軸方向に変位するにつれて所定位置にロックされ得る。
【0032】
図7は、図6のソケットを内側から示す。図6に関して説明した特徴部分の多くが容易に識別できる。これに加えて、位置決めリップ132が図示されている。概説すれば、位置決めリップは、締結要素106のヘッドと協働して位置決めを更に向上させるように設計されている。カメラもしくはカメラハウジング(図示せず)をソケット内に取付けるためのポスト134及びその他の要素136も示されている。
【0033】
図8図7と同様であるが、第2の実施形態のソケット102’の図である。比較すると、図8の実施形態は図7のものとよく似ており、同様の細部については述べないこととする。主要な相違点は、開孔112に関するものである。第2の実施形態では、開孔への入口が、2つの可撓部材138の形態の一方向機構138を備えている。可撓部材の各々は、一端において底部プレートに装着されて(或いは好ましくは一体に成形されて)おり、他端は自由であり開孔の出口又は入口へと延びている。これらの全体としての方向は開孔112の方であり、締結機構(ねじ棒など)が横方向に開孔内へと通過することを可能にしているが、反対方向への通過はより困難となっていることが図面から明らかであろう。この実施形態と組み合わせで使用することにより、締結要素は窪み126を有する必要がなくなり得る。
【0034】
何れの実施形態におけるソケットも、成形プラスチックから製造され得る。
【0035】
別の実施形態(図示せず)では、締結要素が、アンカー要素から延びて自由端によりソケットと相互作用するように配置されている。この相互作用は、例えば、通常のケーブルタイと同様のセルフロック作用に基づき得る。そのような実施形態では、ソケットが所定位置にしっかりと配置されるまでソケットが押し上げられつつ、アンカー要素が締結要素を用いてソケット の方へと引き下げられ得る。そのような締結要素が同一の装置中に2つ以上存在してもよいことは明らかであり、締結要素がソケットと、又はソケットの(アンカー要素に対して)離れた側に配置された別のロック要素と直接係合してもよい。締結要素が使い捨て(one time use)用に構成されてもよい。即ち、取付装置を一度固定して、組み立て解除において切断又は破壊され(そして後続する取付け手順において交換され)得る。同様であるがより可逆的な性質を有する締結要素の例は、アンカー要素から延びてソケットの開孔と相互作用するボールチェーンであり得る。ここでも、単一の取付装置において2つ以上の締結要素が用いられてよい。また、この方法及びその他の締結方法にとって、アンカー要素が可撓性及び弾性特性を有することが有益であり、且つ/又は、構造物の開口部へのソケットの密接且つ強固なフィッティングが促進され得る。この弾性特性は、材料の選択に起因するものであり得るが、それら要素の設計(デザイン)にもより、締結要素に弾性材料を使用することでもあり得る。
【0036】
上記で、限られた数の実施形態が開示された。添付の特許請求の範囲で定義される本発明を限定するようこれを解釈すべきでない。例えば、取付装置は、壁、天井、プレートなどの任意の隔壁、ボックスの隔壁、移動体の構造上の細部などに配置され得る。本開示の締結要素はねじボルトと同様であるが、その機能は協働するペグと溝(例えば、バヨネット式取付け)などの他の手段によって提供されてもよい。更に、本装置は、円形の開口部に適合した円形のものとして記載されているが、二次(quadratic)形状、矩形、三角形などであってもよく、丸みのある角部又は不規則な形状を有しても有しなくてもよい。形状は、ソケット内に配置される機器に適合されるであろう。アンカー要素に関しては、2本の脚を有し且つU字形状を有すると説明した。しかしながら、3、4、5本など、脚の数がより多くてもよく、且つ外周に等距離に配置されていてもよく、されていなくてもよい。脚の数がより多いことにより安定性が増すが、アンカー要素を開口部を通って挿入することがより複雑となり得る。理論上(且つ実際上)、アンカー要素は、開口部を通じた挿入を簡略化するために折り曲げられ得るよう枢動式に相互に装着された、図示したものと同様の2つ以上の部分を含み得る。しかしながら、これはほとんどの場合、製造という観点からは不必要に複雑且つ高価なソリューションであろう。
【0037】
本開示で、用語「含む・備える(comprise)」は(特許文書において)通常の非限定的な意味で使用されているので、本発明の取付装置は3つの機能的部分を含むが更なる部品を含んでもよい。しかしながら好ましい実施形態は3つの部品のみで構成されており、複雑な用途において単純なデザインを提供することを強調しておく。
【0038】
取付装置内に取付けられる機器は、カメラであり得る。カメラは監視カメラであり得、可視光を用いるカメラ、IRカメラ、サーマルカメラ、又はTOFカメラなど任意のタイプのカメラであり得る。
【0039】
更に、上記の実施例はカメラとしての機器について述べているが、機器は構造物の開口部に取付けられる、例えば、スポットライト、スピーカー、又はアラームセンサ(例えばPIRセンサ)などの任意の種類の機器であり得る。
【0040】
細部のための材料については、異なる用途に応じて変化し得る。成形プラスチック部品がほとんどの基準を満たすであろうが、金属、ポリマー、複合材などの他の材料が考えられ、それらがより好ましい用途も存在するであろう。プラスチックに関しては、幾つかの部品がPA+GF(ポリアミドとガラス繊維)で作製されており、幾つかの部品がPC+ABS(ポリカーボネートとアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)で作製されている。これらは当技術分野で通常使用されている材料である。プラスチック材料にガラス繊維を添加することにより、剛性は増すがより脆くなる。このため、アンカー要素及びソケットなど安定性が重要となる部分にはPA+GFが用いられ得る。締結要素は、脆性というよりむしろ延性を有し得るので、ガラス繊維を含まないプラスチックで作製され得る。これは網羅的なリストではなく、1つに限定すべきでないことに留意されたい。
【0041】
即ち、本発明は示された実施形態に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ定義されるべきである。
図1-3】
図4
図5
図6
図7
図8