(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係るデータ処理装置、データ処理方法及びデータ処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係るデータ処理装置、データ処理方法及びデータ処理プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1−1.データ処理(1)〕
まず、
図1Aを用いて、実施形態に係るデータ処理の一例について説明する。
図1Aは、実施形態に係るデータ処理の一例を示す図である。
図1Aでは、本願に係るデータ処理装置に対応する広告装置100によってユーザ情報のデータ処理が行われる例を示す。なお、ユーザ情報とは、情報処理端末であるユーザ端末10自体の情報や、ユーザ端末10を操作するユーザの属性や、ユーザ端末10がウェブサイトにアクセス(ウェブページの情報を取得するための要求の送信や、ショッピングページにおいて商品を購買するための要求の送信なども含む)した際のログ(Log)のデータを含む概念である。実施形態に係るデータ処理においてユーザ情報とは、主に、ユーザ端末10がウェブサイトにアクセスした際のログのデータを意味する。
【0012】
ここで、広告装置100は、ユーザ情報を利用することにより、広告主に対して、より広告効果の高い広告の配信を提供する情報処理装置である。広告装置100に広告配信を依頼する広告主(例えば、商品等を扱う企業)は、ユーザ情報を利用することにより、ユーザに応じたターゲティング効果の高い広告の配信を所望する。すなわち、広告装置100は、広告主の要望に応じて、ユーザが操作する端末から送信されるユーザ情報を分析し、広告配信に活用できるようにする。しかし、多数のユーザから送信されるユーザ情報は膨大な情報量となり、また、複数の広告主から広告装置100に寄せられるユーザ情報の利用に関する要望も多岐にわたる。そこで、広告装置100は、以下に説明するデータ処理を行うことにより、ユーザ情報を適切に、かつ柔軟に管理できるようにする。
【0013】
なお、
図1Aに示す、サイト提供装置30
1は、例えばウェブサーバである。また、サイト提供装置30
2は、サイト提供装置30
1とは異なる管理者に運営されるウェブサーバであり、サイト提供装置30
1とは異なるウェブサイトを提供するものとする。
【0014】
また、サイト提供装置30
1又はサイト提供装置30
2によって提供されるウェブサイトを構成するウェブページには、ウェブビーコン(web beacon)等によって実現される、ユーザ情報に関する通知機能が埋め込まれる。例えば、ウェブビーコンは、ウェブページにアクセスしたユーザ端末10を広告装置100内に格納される透明な画像又は非常に小さな画像(「クリアGIF」と呼ばれることもある)にアクセスさせる機能を有する。これにより、広告装置100は、ユーザ端末10からユーザ情報を受信することができる。このような通知プログラムであるウェブビーコンによって広告装置100がユーザ端末10から取得する情報には、サイト提供装置30
1又はサイト提供装置30
2の識別情報が含まれる。
【0015】
以下では、広告装置100による実施形態に係るデータ処理の一例として、広告装置100に対してユーザ端末10から送信されるユーザ情報の格納処理について説明する。
図1Aに示すように、ユーザ端末10は、サイト提供装置30
1が提供するウェブサイトを構成するウェブページを取得するために、情報提供装置であるサイト提供装置30
1にアクセスする(ステップS1)。ユーザ端末10とサイト提供装置30
1とは、有線又は無線により通信可能に接続される。
【0016】
また、ユーザ端末10は、サイト提供装置30
2が提供するウェブページを取得するために、サイト提供装置30
2にアクセスする(ステップS2)。なお、以下では、サイト提供装置30
1とサイト提供装置30
2とを区別する必要がない場合には、これらを総称して「サイト提供装置30」と表記する場合がある。
【0017】
ここで、ユーザ端末10は、サイト提供装置30
1にアクセスしたことを契機として、サイト提供装置30
1にアクセスしたことを示す情報を含むユーザ端末10のユーザ情報を広告装置100に送信する(ステップS3)。同様に、ユーザ端末10は、サイト提供装置30
2にアクセスしたことを契機として、サイト提供装置30
2にアクセスしたことを示す情報を含むユーザ端末10のユーザ情報を広告装置100に送信する(ステップS4)。
【0018】
すなわち、ユーザ端末10は、サイト提供装置30
1又はサイト提供装置30
2からウェブページを取得するとともに、広告装置100にユーザ情報を送信する。そして、広告装置100は、ユーザ端末10から送信されたユーザ情報を受信する。
【0019】
そして、広告装置100は、ユーザ端末10から送信されるユーザ情報を受信し、逐次第1記憶部121に蓄積していく。例えば、広告装置100は、第1記憶部121内にユーザ情報を記憶するためのデータファイルであるユーザ情報ファイルF01を備え、ユーザ情報ファイルF01にユーザ情報を蓄積する。ユーザ情報ファイルF01は、ユーザ端末10から送信されたユーザ情報であるサイト提供装置30
1又はサイト提供装置30
2にアクセスした際のログにより構成される。サイト提供装置30
1又はサイト提供装置30
2にアクセスした際のログには、ユーザ端末10を識別するユーザIDや、サイト提供装置30
1又はサイト提供装置30
2にアクセスした日時や、サイト提供装置30
1又はサイト提供装置30
2の識別情報が含まれる。
【0020】
図1Aにおいて、ユーザ端末10のユーザIDは、「UserID=U1」と表記される。これは、ユーザ端末10がユーザID「U1」により識別されることを示す。また、サイト提供装置30
1又はサイト提供装置30
2の識別情報は、「キー(key)」と表記される。キーCL01は、サイト提供装置30
1を介して送信されたユーザ情報であることを示し、キーCL02は、サイト提供装置30
2を介して送信されたユーザ情報であることを示す。
【0021】
続いて、広告装置100は、ユーザ情報ファイルF01をキーに基づいて分類する。すなわち、広告装置100は、キーCL01を含むユーザ情報を抽出し、抽出されたユーザ情報に基づいて、ユーザ情報ファイルF11を生成する。また、広告装置100は、キーCL02を含むユーザ情報を抽出し、抽出されたユーザ情報に基づいて、ユーザ情報ファイルF12を生成する。そして、広告装置100は、ユーザ情報ファイルF11及びユーザ情報ファイルF12を第2記憶部122が備える異なる管理領域に格納する。
【0022】
具体的には、広告装置100は、ユーザ情報ファイルF11を第2記憶部122内の第1管理領域122aに格納する(ステップS5)。また、広告装置100は、ユーザ情報ファイルF12を第2記憶部122内の第2管理領域122bに格納する(ステップS6)。すなわち、広告装置100は、ユーザ端末10から送信されたユーザ情報を、介したサイト提供装置30
1又はサイト提供装置30
2ごとに格納し、管理する。
【0023】
このように、広告装置100は、サイト提供装置30
1又はサイト提供装置30
2に対してユーザ端末10がアクセスする契機でユーザ端末10のユーザに関するユーザ情報を受信し、受信されたユーザ情報を記憶する第1記憶部121を有する。また、広告装置100は、第1記憶部121に記憶されているユーザ情報を受信する契機となったサイト提供装置30
1又はサイト提供装置30
2毎に、ユーザ情報を異なる管理領域で第2記憶部122に格納する。
【0024】
これにより、実施形態に係る広告装置100は、膨大な情報量となるユーザ情報について、経由したサイト提供装置30
1又はサイト提供装置30
2毎に広告配信において利用できるように格納することを可能とする。この結果、広告装置100は、広告配信を所望する広告主毎の要望に柔軟に対応することができる。具体的には、広告装置100は、広告配信に係るユーザ情報の利用について、サイト提供装置30毎に利用することのできるユーザ情報を分類することや、ウェブサイト毎に訪問したユーザの行動を分析したりすることができる。また、広告主にとっては、ユーザ情報の管理に関しても利点がある。例えば、広告主は、サイト提供装置30毎にユーザ情報に関する情報を削除することを広告装置100に要望することができる。これにより、広告装置100は、ユーザ情報などの個人情報に関するデータについて、広告主が所望するように取り扱うことができる。以上のように、広告装置100は、ユーザ情報を柔軟に管理することで、広告主の広告活動に資することができる。
【0025】
〔1−2.データ処理(2)〕
次に、
図1Bを用いて、実施形態に係るデータ処理の概要について説明する。
図1Bは、実施形態に係るデータ処理の概要を示す図である。
図1Bでは、広告装置100によって広告配信に係るユーザの抽出処理が行われる例を示す。
【0026】
ここで、広告装置100は、上述のように、ユーザ情報を受信し、受信したユーザ情報を保持する。そして、広告装置100は、保持するユーザ情報に基づいて広告を配信する。しかし、ユーザ情報には利用に不要なデータも含まれるため情報量が多く、ユーザ情報のデータ処理には相当の時間を要する。そこで、広告装置100は、以下に説明するデータ処理を行うことにより、ユーザ情報のデータ処理を高速化し、広告主が効率的にユーザ情報を活用できるようにする。
【0027】
以下では、広告装置100による実施形態に係るデータ処理の一例として、分解されたユーザ情報の生成処理、及び、ユーザ情報利用者からの要求に基づいたユーザ抽出処理を順に説明する。また、処理対象とするユーザ情報としては、
図1Aに示す、第2記憶部122内に備える第1管理領域122aに記憶されているユーザ情報ファイルF11を具体例とする。
【0028】
まず、広告装置100による分解されたユーザ情報の生成処理について説明する。
図1Bに示した例において、広告装置100は、処理対象とするユーザ情報としてユーザ情報ファイルF11を保持する。ここで、ユーザ情報ファイルF11は、ユーザ行動履歴を含むユーザ情報である複数のアクセスログL11
1、L11
2、L11
3、・・・、L11
n(nは任意の数)により構成されるデータファイルである。なお、以下では、アクセスログL11
1、L11
2、L11
3、・・・、L11
nを区別する必要がない場合には、これらを総称して「アクセスログL11」と表記する場合がある。
【0029】
ここで、アクセスログL11
1は、ユーザを識別する識別情報であるユーザID(User ID)が「U1」であるユーザにより操作されるユーザ端末10
1の行動履歴を含む。具体的には、アクセスログL11
1は、ユーザ端末10
1がURL(Uniform Resource Locator)「H001」で特定されるウェブサイトにおいて、日時「2014年1月10日1:00」に検索クエリ(Query)「Q001」を入力して検索を行ったことを含むテキストデータである。なお、アクセスログL11
1を構成する要素について、詳しくは後述する。また、ユーザ端末10
1は、ユーザIDが「U1」であるユーザによって操作されており、ユーザ端末10
2は、ユーザIDが「U2」であるユーザによって操作されているものとする。ユーザ端末10
1、10
2・・・を区別する必要がない場合には、これらを総称して「ユーザ端末10」と表記する場合がある。
【0030】
そして、広告装置100は、ユーザ情報ファイルF11から、新たにユーザ行動情報ファイルF21
1を生成する(ステップS11)。
図1Bの例では、広告装置100は、ユーザ情報ファイルF11について、ユーザ端末10が行った行動履歴(ここでは、ウェブサイトにおける検索履歴)とユーザIDとを対応付けた情報に分解し、かかる分解された情報に基づいて新たにユーザ行動情報ファイルF21
1を生成する。ここでは、ユーザ行動情報ファイルF21
1を構成する各々のユーザ行動情報を表すテキストデータを、ユーザ行動データAC21
1、AC21
2、・・・、AC21
m(mは任意の数)と表記する。なお、
図1Bで図示することは省略したが、広告装置100は、ユーザ情報ファイルF11を検索とは異なる行動履歴とユーザIDとを対応付けた情報に分解し、ユーザ行動情報ファイルF21
2を生成してもよい。例えば、ユーザ行動情報ファイルF21
2は、ウェブサイトへのアクセス履歴を示すURLとユーザIDとを対応付けた情報から構成される。また、広告装置100は、ユーザ情報ファイルF11を用いて、行動種別毎に分解された異なるユーザ行動情報ファイルF21
3、F21
4、・・・をさらに生成してもよい。
【0031】
このように、本明細書でいう「分解」とは、不要な情報を含むユーザ情報について、ユーザIDと行動履歴を抽出し、ユーザIDと行動履歴のみで構成される情報に分けることをいう。なお、ユーザIDと行動履歴のみで構成される情報を「ユーザ行動情報」と表記する場合がある。
【0032】
すなわち、ユーザ行動情報ファイルF21
1は、アクセスログL11のうち、ユーザ識別情報であるユーザIDと、ユーザが行った検索履歴との項目のみに分解したユーザ情報から構成されるデータファイルである。例えばアクセスログL11
1を分解して生成されたユーザ行動データAC21
1は、ユーザID「U1」で識別されるユーザが、「2014年1月10日1:00」に、検索クエリ「Q001」を入力して検索を行ったこと(すなわち、検索履歴)を示すデータのみで構成される。
【0033】
上記生成処理により、広告装置100は、ユーザ情報ファイルF11と比較して情報量の少ないユーザ行動情報ファイルF21
1を取得する。
【0034】
続いて、広告装置100による、ユーザ情報利用者(例えば広告主)からの要求に基づいたユーザ抽出処理を説明する。広告装置100は、ターゲティング効果の高い広告配信を希望する広告主から、ユーザ情報に基づいて特定の商品に興味を示すユーザを抽出するための要求を受け付ける。これを受けて、広告装置100は、生成されたユーザ行動情報ファイルF21を用いて、受け付けられた要求を満たすユーザを抽出する。この処理について、以下に説明する。ここでは、広告主であるメーカM1が自社の製品に興味を持つユーザに対して広告配信を所望した場合を具体例として説明する。
【0035】
まず、広告装置100は、ユーザ行動情報ファイルF21に含まれる検索クエリQ001〜Q004をカテゴリに分類する。例えば、検索クエリQ001〜Q004は商品名であって、それぞれ製造元であるメーカM1〜M3により製造されているものとする。このうち、Q001とQ004は、メーカM1により製造される。同様に、Q002は、メーカM2により製造される。同様に、Q003は、メーカM3により製造される。この場合、広告装置100は、ユーザ行動情報ファイルF21に含まれる検索クエリQ001〜004に対応するメーカM1〜M3毎にユーザの検索履歴を抽出する。そして、広告装置100は、検索クエリQ001〜Q004をカテゴリに分類したカテゴリ分類ファイルF31を生成する(ステップS12)。なお、広告装置100は、カテゴリの分類に関して、商品についてのデータベース(Data Base)などを適宜参照するものとする。かかるデータベースは、広告装置100内部に備えられてもよいし、広告装置100の外部に備えられ、ネットワークを介して接続されてもよい。
【0036】
カテゴリ分類ファイルF31は、ユーザIDとユーザの検索履歴から構成されるデータファイルである。具体的には、ユーザ行動情報ファイルF21は、ユーザID「U1」で識別されるユーザが、検索クエリ「Q001」を入力する検索を3回、検索クエリ「Q002」を入力する検索を1回行っていることを示している。これは、ユーザID「U1」で識別されるユーザには、メーカM1に対応する検索クエリ「Q001」の検索履歴が3回あり、メーカM2に対応する検索クエリ「Q002」の検索履歴が1回あることを示している。この場合、広告装置100は、ユーザ行動情報ファイルF21から、ユーザID「U1」と、メーカM1に対する検索履歴の回数と、メーカM2に対する検索履歴の回数を抽出する。同様に、広告装置100は、ユーザID「U2」で識別されるユーザと、ユーザID「U3」で識別されるユーザとについても、ユーザIDと行動履歴を抽出する。
【0037】
そして、広告装置100は、抽出したユーザIDと行動履歴に関する情報に基づいて、カテゴリ分類ファイルF31を生成する。具体的には、広告装置100は、ユーザID「U1」と、ユーザID「U1」によるメーカM1に対する検索履歴の回数(
図1Bにおいては、「M1_cnt=3」と表される)と、メーカM2に対する検索履歴の回数(
図1Bにおいては、「M2_cnt=1」と表される)を示すデータファイルであるカテゴリ分類ファイルF31を生成する。
【0038】
さらに、広告装置100は、カテゴリ分類ファイルF31を用いて、ユーザ情報に新たな項目を設定し、広告主からの要求に応える。例えば、広告装置100は、ユーザの行動履歴が所定の条件を満たせば該当することとなる所定の項目を設定する。
図1Bにおける具体例としては、広告装置100は、ユーザの検索履歴がカテゴリごとに3回以上抽出される場合、そのカテゴリにかかるメーカM1〜M3に対してユーザが興味を持つものとして判定するため、項目「興味あり」を設定する。
【0039】
広告装置100は、設定した項目である「興味あり」について、カテゴリ分類ファイルF31から該当するユーザを抽出する。具体的には、広告装置100は、カテゴリ分類ファイルF31において示されたカテゴリ別の行動履歴を参照し、行動履歴が3回以上であるユーザを抽出する。そして、広告装置100は、抽出したユーザごとに、カテゴリにかかるメーカM1〜M3について「興味あり」とする項目に該当するか否かを判定する。また、広告装置100は、項目に該当するユーザ数を計数し、計数した結果を示す。そして、広告装置100は、設定した項目において抽出した情報に基づいて、項目データファイルF41を生成する(ステップS13)。
【0040】
すなわち、広告装置100は、広告主の要求に応じて、カテゴリ分類ファイルF31と、項目データファイルF41とを生成する。また、広告装置100は、広告主の要求に応じて生成したカテゴリ分類ファイルF31や、項目データファイルF41にかかる情報を広告主に提示する。
【0041】
例えば、広告装置100は、広告主であるメーカM1に対してカテゴリ分類ファイルF31や項目データファイルF41に示された情報を提示する。すなわち、広告装置100は、所定の期間における3人のユーザの検索履歴に基づいて、3人のユーザのうち2人がメーカM1の商品に興味があることや、3人のユーザのうち1人がメーカM3の商品に興味があることなどの情報を広告主であるメーカM1に提示する。
【0042】
その後、広告装置100は、広告主であるメーカM1から広告配信に関する要求を受け付ける。例えば、広告装置100は、広告主であるメーカM1から、メーカM1に興味ありと判定されるユーザに対し広告配信を希望する旨の要求を受け付ける。
【0043】
これを受けて、広告装置100は、項目データファイルF41に基づいてユーザリストファイルF51を生成する(ステップS14)。すなわち、広告装置100は、広告主であるメーカM1が実際に広告を配信するユーザを抽出し、抽出されたユーザを特定するためのデータファイルであるユーザリストファイルF51を生成する。そして、広告装置100は、生成されたユーザリストファイルF51に基づいて、広告主であるメーカM1に対応する広告を配信する処理を行う。
【0044】
このように、実施形態に係る広告装置100は、ユーザの行動履歴を含むユーザ情報を取得し、取得された不要な情報を含むユーザ情報を分解することで、情報量の少ないユーザ行動情報データを生成する。これにより、広告装置100は、その後の広告配信に係るデータ処理に要する時間を短縮することができる。この結果、広告装置100は、広告主に対して素早く所望するユーザ情報を提示することができるので、広告主からの要求に適宜対応することが可能となる。また、広告主にとっても、短時間で所望する情報が得られることになり、広告の配信にユーザ情報を利用しやすくなる。すなわち、上記処理により、広告装置100は、広告配信に関して、ユーザ情報を効率的に活用することができる。
【0045】
〔2.データ処理システムの構成〕
次に、
図2を用いて、実施形態に係る広告装置100が含まれるデータ処理システムの構成について説明する。
図2は、実施形態に係るデータ処理システム1の構成例を示す図である。
図2に例示するように、実施形態に係るデータ処理システム1には、ユーザ端末10と、広告主装置20と、サイト提供装置30と、サーバ装置40と、広告装置100とが含まれる。これらの各種装置は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、
図2に示したデータ処理システム1には、複数台のユーザ端末10や、複数台の広告主装置20や、複数台のサイト提供装置30や、複数台のサーバ装置40が含まれてもよい。
【0046】
ユーザ端末10は、例えば、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット型端末や、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理装置である。例えば、ユーザ端末10は、サイト提供装置30にアクセスすることで、サイト提供装置30の提供するウェブサイトからウェブページを取得し、取得したウェブページを表示装置(例えば、液晶ディスプレイ)に表示する。
【0047】
広告主装置20は、広告装置100に広告配信を依頼する広告主によって利用される情報処理装置である。広告主装置20は、広告主による操作に従って、広告装置100にユーザ情報の提供を要求したり、広告配信の要求をしたりする。
【0048】
また、広告主は、広告主装置20を用いて、広告装置100にユーザ情報の提供を要求したり、広告配信の要求をしたりせずに、かかる要求を代理店に依頼する場合もある。この場合、広告装置100にかかる要求をするのは代理店となる。以下では、「広告主」といった表記は、広告主だけでなく代理店を含む概念であり、「広告主装置」といった表記は、広告主装置だけでなく代理店によって利用される代理店装置を含む概念であるものとする。
【0049】
サイト提供装置30は、ユーザ端末10からアクセスされた場合に、各種ウェブページを提供するウェブサーバである。サイト提供装置30は、例えば、ニュースサイト、オークションサイト、天気予報サイト、ショッピングサイト、ファイナンス(株価)サイト、路線検索サイト、地図提供サイト、旅行サイト、飲食店紹介サイト、ウェブブログなどに関する各種ウェブページを提供する。
【0050】
前述のように、サイト提供装置30によって提供されるウェブページには、ウェブビーコン等によって実現されるアクセスログL11等に関する通知機能が埋め込まれることがある。これにより、広告装置100は、サイト提供装置30を介して、ユーザ端末10からアクセスログL11などのユーザ情報を取得することができる。このような通知プログラムであるウェブビーコンによって広告装置100がユーザ端末10から取得する情報には、サイト提供装置30の識別情報などが含まれる。
【0051】
サーバ装置40は、サイト提供装置30と同様、ユーザ端末10からアクセスされた場合に各種ウェブページを提供するウェブサーバである。なお、サーバ装置40によって配信されるウェブページには、広告コンテンツを表示するための広告枠が含まれる。また、サーバ装置40によって配信されるウェブページには、広告枠に表示する広告コンテンツを取得するための広告取得命令が含まれる。例えば、ウェブページを形成するHTML(HyperText Markup Language)ファイル等には、広告装置100のURL等が広告取得命令として記述される。この場合、ユーザ端末10は、HTMLファイル等に記述されているURLにアクセスすることで、広告装置100から広告コンテンツを取得する。
【0052】
広告装置100は、広告主装置20にユーザ情報を提供する情報処理装置である。上記の通り、広告装置100は、広告主装置20からの要求を受け付け、ユーザ情報を広告主装置20に提供する。また、広告装置100は、提供したユーザ情報を利用する広告主装置20からの要求に従い、広告コンテンツをユーザ端末10に配信する。
【0053】
なお、広告装置100は、広告コンテンツの配信にあたって、ユーザ端末10を識別し、広告コンテンツを配信するユーザ端末10を特定する。ここで、ユーザの識別は、例えば、ユーザ端末10のブラウザと広告装置100との間でやり取りされるHTTPクッキー(HyperText Transfer Protocol Cookie:以下、単に「クッキー」と表記する)にユーザ識別情報を含めることよって行うことができる。なお、ユーザ端末10にブラウザが複数搭載されている場合には、1台のユーザ端末10に対して複数の「ユーザID」が割り当てられることもありえるが、ここでは、説明を分かり易くするためにユーザ端末10には1つのブラウザが搭載されているものとする。また、ユーザを識別する手法は上記に限られない。例えば、ユーザ端末10に専用のプログラムを設定し、かかる専用プログラムからユーザ識別情報を広告装置100に送信させるようにすることもできる。
【0054】
〔3.広告装置100の構成〕
次に、
図3を用いて、実施形態に係る広告装置100の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る広告装置100の構成例を示す図である。
図3に示すように、広告装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、広告装置100は、広告装置100を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0055】
〔3−1.通信部〕
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。かかる通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、ユーザ端末10や広告主装置20やサイト提供装置30との間で情報の送受信を行う。
【0056】
〔3−2.記憶部〕
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、第1記憶部121と、第2記憶部122と、行動データ記憶部123とを有する。
【0057】
〔3−3.第1記憶部〕
第1記憶部121は、広告装置100が取得したユーザ情報を記憶する。具体的には、第1記憶部121は、サイト提供装置30に対してユーザ端末10がアクセスする契機(トリガ)として、後述する受信部131により受信されたユーザ端末10に関するユーザ情報を記憶する。
【0058】
ここで、
図4に、実施形態に係る第1記憶部121の一例を示す。
図4は、実施形態に係る第1記憶部121の一例を示す図である。
図4に示した例では、第1記憶部121は、「ユーザID」「クエリ」、「デバイスID(DeviceID)」、「ブラウザ(Browser)」、「キー(key)」、「URL」、「リファラ(referer)」といった項目を有するアクセスログL01
1〜L01
M(Mは任意の数)から構成されるユーザ情報ファイルF01を記憶する。
【0059】
「ユーザID」は、ユーザ端末10を識別するためのユーザ識別情報である。ここで、ユーザの識別は、例えば、ユーザ端末10と広告装置100との間でやり取りされるクッキーにユーザ識別情報を含めることよって行うことができる。なお、ユーザ端末10にブラウザが複数搭載されている場合には、1台のユーザ端末10に対して複数の「ユーザID」が割り当てられることもありえるが、ここでは、説明を分かり易くするためにユーザ端末10には1つのブラウザが搭載されているものとする。また、ユーザを識別する手法は上記に限られない。例えば、ユーザ端末10に専用のプログラムを設定し、かかる専用プログラムからユーザ識別情報を広告装置100に送信させるようにすることもできる。
【0060】
「クエリ」は、検索要求を文字列として表したものである。ここでは、ユーザ端末10によって検索が行われる際に入力された文字列を意味する。例えば、検索に用いた任意の商品名などが該当する。
図4に示すように、ユーザ端末10
1によって検索が行われた際には、検索に用いられた文字列である「Q001」と、検索を行った日時とがアクセスログL01
1の項目として記録される。
【0061】
「デバイスID」は、ユーザ端末10を識別する情報である。ユーザIDとは異なり、装置自体に記録されている識別情報を示す。「ブラウザ」は、端末装置などにおいて情報を表示し、閲覧に供するためのソフトウェアである。ここでは、ユーザ端末10がウェブページを表示するために用いるウェブブラウザを示す。
【0062】
「キー」は、ユーザ端末10がアクセスしたサイト提供装置30を識別する情報である。前述のように、広告装置100は、ユーザ端末10がサイト提供装置30によって提供されるウェブサイトにアクセスした場合、サイト提供装置30によって提供されるウェブページに埋め込まれたウェブビーコン等の通知機能によって、ユーザ端末10のユーザ情報を取得する。この際に、ウェブビーコン等の通知機能により、ユーザ情報にウェブサイトの情報がキーとして付与される。
【0063】
例えば、キーは、サイト提供装置30を管理する管理者の名称などである。キーは、KVS(Key value store)などを用いたデータ保存方式もしくは管理方式における標識として活用することができる。すなわち、広告装置100は、保存するユーザ情報に他のユーザ情報と識別するためのキーを割り当ててユーザ情報を第1記憶部121に記憶し蓄積することにより、予め設定したキーを標識として、対応したユーザ情報を取り出すことができる。また、これにより、広告装置100は、ユーザ端末10が利用したサイト提供装置30を特定することができる。
図4に示すように、ユーザ端末10
1によって検索が行われた際には、検索を行ったウェブサイトを提供するサイト提供装置30
1の管理者を表す「CL01」がキーとして付与される。
【0064】
「リファラ」は、所定のウェブページのリンクから別のページに移動したときのリンク元のページのアドレス情報である。
【0065】
すなわち、
図4に示したユーザ情報ファイルF01を構成するアクセスログL01
1は、ユーザIDが「U1」であるユーザに操作されるユーザ端末10
1が、キー「CL01」で識別されるサイト提供装置30
1から提供されるウェブサイトにアクセスしたことを示す。また、アクセスログL01
1は、ユーザ端末10
1がデバイスID「D01」で識別され、ブラウザ「B01」を使用してウェブページを閲覧していることを示す。さらに、アクセスログL01
1は、ユーザ端末10
1がウェブページにおいて、クエリ「Q001」を入力して「2014年1月10日1:00」に検索を行ったことを示す。
【0066】
なお、ここでは、実施形態に係る第1記憶部121の記憶するユーザ情報として、
図4に示すように、ユーザの行動履歴として検索履歴が含まれる例を示した。しかし、第1記憶部121は、アクセスログL01における行動履歴である「Query」に代わり、例えば、購入を示す「buy」や、バナー広告をクリックしたことを示す「Click Link」などによるアクセスログL01
x(Xは任意の数とする)を記憶する場合もありうる。
【0067】
〔3−4.第2記憶部〕
第2記憶部122は、広告装置100が取得したユーザ情報に含まれるサイト提供装置30を識別する情報に基づいて、サイト提供装置30毎に異なる管理領域でユーザ情報を記憶する。すなわち、第2記憶部122は、ユーザ情報に含まれるキーの項目に基づいて分類されたユーザ情報について、それぞれ異なる管理領域に記憶する。
【0068】
ここで、第2記憶部122の一例について
図5を参照して説明する。
図5は、実施形態に係る第2記憶部122の一例を示す図である。
図5に示すように、第2記憶部122には、ユーザ情報ファイルF11及びユーザ情報ファイルF12が記憶される。ここで、ユーザ情報ファイルF11及びユーザ情報ファイルF12とは、ユーザ情報ファイルF01についてキーの項目に基づいて分類されたデータファイル群である。
【0069】
具体的には、ユーザ情報ファイルF11は、ユーザ情報ファイルF01においてキーの項目が「CL01」であるデータから構成される。すなわち、
図5に示すユーザ情報ファイルF11は、
図1Bに示すユーザ情報ファイルF11に対応する。また、ユーザ情報ファイルF12は、ユーザ情報ファイルF01においてキーの項目が「CL02」であるデータから構成される。なお、
図5で図示は省略したが、第2記憶部122は、ユーザ情報ファイルF01についてキーの項目に基づいて分類されたデータファイルをさらに記憶してもよい。
【0070】
また、第2記憶部122は、ユーザ情報ファイルF11及びユーザ情報ファイルF12について、異なる管理領域で保存する。すなわち、第2記憶部122は、ユーザ情報ファイルF11を第1管理領域122aに保存し、ユーザ情報ファイルF12を第2管理領域122bに保存する。
図5では、異なる管理領域として、階層(ディレクトリ)ごとにユーザ情報ファイルF11及びユーザ情報ファイルF12を保存する例を示している。すなわち、第2記憶部122は、ユーザ情報ファイルF11を「/server/Data/Client/CL01」配下に格納する。また、第2記憶部122は、ユーザ情報ファイルF12について、ユーザ情報ファイルF11は異なる階層である「/server/Data/Client/CL02」配下に格納する。
【0071】
なお、ここでは第1管理領域122aと第2管理領域122bとを階層で分ける態様で説明したが、実際の記憶の手法は、上記に限られない。例えば、第2記憶部122は、階層で第1管理領域122aと第2管理領域122bとを分けず、異なる記憶媒体を用いることで、物理的に異なる管理領域にユーザ情報を保存することもできる。また、
図3及び
図5で図示は省略したが、第2記憶部122は、第1管理領域122aと第2管理領域122bに限られず、さらに多くの管理領域を備えてもよい。
【0072】
また、第2記憶部122は、広告装置100の内部に存在せず、例えば外部に接続されたストレージサーバなどであってもよい。この場合、後述する第2格納部133は、ネットワークを介して、第2記憶部122に対応するストレージサーバにユーザ情報を格納する。また、この場合、広告装置100は、第2記憶部122に対応する記憶装置の容量について容易に増設することができる。すなわち、広告装置100は、随時ユーザ情報を受信するので、ユーザ情報に係るデータを格納するための大量の記憶容量を要する。ここで、広告装置100は、例えば、第2記憶部に対応する外部の記憶装置の数を増やすことにより、要する記憶容量について容易に実現することができる。
【0073】
なお、第1記憶部121は、ユーザ情報が格納されてから削除されるまでの期間として、第2記憶部122と異なる期間により管理されてもよい。すなわち、広告装置100は、第1記憶部121に記憶されるユーザ情報と、第2記憶部122に記憶されるサイト提供装置30を識別する情報に基づいて分類されたユーザ情報との保存される期間を異なる期間に設定することができる。これにより、広告装置100は、例えば、第1記憶部121にユーザ情報を蓄積させておき、第2記憶部122に蓄積された対応するユーザ情報のみを削除することができる。また、広告装置100は、第1記憶部121について、ユーザ情報を一時的に記憶する記憶装置として用いてもよい。この場合、第1記憶部121は、ユーザ情報に関するデータについて、かかるデータが第2記憶部122に記憶された後、所定の期間に限り記憶するように管理される。これにより、広告装置100は、第1記憶部121に随時蓄積されていくユーザ情報に関するデータについて、所定の期間を区切って削除することができる。したがって、広告装置100は、第1記憶部121の記憶容量を過度に増設することなく、ユーザ情報を処理することが可能となる。
【0074】
〔3−5.行動データ記憶部〕
行動データ記憶部123は、広告装置100が取得したユーザ情報を行動種別毎に分解したユーザ行動情報を記憶する。具体的には、行動データ記憶部123は、ユーザ情報ファイルF11を、ユーザ端末10が行った行動履歴とユーザIDとを対応付けた情報に分解することにより新たに生成されるユーザ行動情報ファイルF21や、ユーザ行動情報ファイルF22を記憶する。
【0075】
ここで、行動データ記憶部123の一例について
図6を参照して説明する。
図6は、実施形態に係る行動データ記憶部123の一例を示す図である。
図6に示すように、行動データ記憶部123には、ユーザ行動情報ファイルF21
1、F21
2、・・・が記憶される。また、行動データ記憶部123には、ユーザ行動情報ファイルF22
1、F22
2、・・・が記憶される。ここで、ユーザ行動情報ファイルF21
1、F21
2、・・・とは、ユーザ情報ファイルF11について行動種別毎に分解したデータファイル群である。また、ユーザ行動情報ファイルF22
1、F22
2、・・・とは、ユーザ情報ファイルF12について行動種別毎に分解したデータファイル群である。
【0076】
例えば、ユーザ行動情報ファイルF21
1は、ユーザの検索履歴についてユーザ情報ファイルF11を分解することにより生成されたデータファイルである。なお、
図6では図示を省略したが、ユーザ行動情報ファイルF21
2は、検索履歴とは異なる他の行動履歴についてユーザ情報ファイルF11を分解することにより生成されたデータファイルである。例えば、リファラに関するデータは、ユーザの行動履歴となりうるので、ユーザIDとリファラの情報とを対応付けたユーザ行動情報ファイルF21
2が生成されることもある。この場合、行動データ記憶部123は、生成されたユーザ行動情報ファイルF21
2を記憶する。なお、ユーザ情報ファイルF11とユーザ情報ファイルF12とは、キーが異なることにより分類されたユーザ情報である。すなわち、ユーザ行動情報ファイルF21
1とユーザ行動情報ファイルF22
1とは、キー毎、つまりサイト提供装置30毎に分類されたユーザ行動情報を示す。
【0077】
〔3−6.制御部〕
図3の説明に戻って、制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、広告装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(予測プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0078】
図3に示すように、制御部130は、受信部131と、第1格納部132と、第2格納部133と、取得部134と、生成部135と、要求受付部136と、抽出部137と、配信部138とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0079】
〔3−7.受信部〕
受信部131は、情報提供装置に対してユーザ端末10がアクセスする契機でユーザ端末10のユーザに関するユーザ情報を受信する。具体的には、実施形態に係る受信部131は、情報提供装置であるサイト提供装置30の提供するウェブサイトにユーザ端末10がアクセスしたことを契機として、ユーザ端末10から送信されるユーザ情報であるアクセスログL01を受信する。ユーザ端末10からのユーザ情報の送信は、前述のように、ウェブビーコンのような通知機能を介して行われる。この場合、受信部131は、サイト提供装置30を識別するための識別情報であるキーが付与されたアクセスログL01を受信する。
【0080】
なお、上述では、ユーザ端末10がサイト提供装置30の提供するウェブページへアクセスした情報や、それに基づく情報をユーザ情報としたが、ユーザ情報はかかる情報に限定されるものではない。例えば、アクセスログL01にはユーザIDが含まれる。前述のように、ユーザIDによる識別は、例えばクッキーなどで実現される。この場合、受信部131は、ユーザIDに基づいて、クッキーなどのユーザ識別情報に含まれるユーザ属性に係る情報をユーザ情報として受信することもできる。すなわち、受信部131は、ユーザIDに基づいて、クッキーに含まれるユーザの過去のアクセス情報などをトラッキングすることにより、ユーザ情報を収集する。ユーザ属性に係る情報とは、ユーザに関する種々の情報を示すものである。具体的には、ユーザ属性に係る情報とは、ユーザの年齢や、性別や、興味や、行動履歴や、居住地域等の情報を含むものである。
【0081】
上記のように、受信部131が受信するユーザ情報には、広告装置100が行うデータ処理において有用な情報が含まれるが、ユーザ端末10のデバイスIDやOSの情報などデータ処理に不要な情報も含まれるため、情報量の多いデータとなる。
【0082】
〔3−8.第1格納部〕
第1格納部132は、受信部131によって受信されたユーザ情報を第1記憶部121に格納する。具体的には、実施形態に係る第1格納部132は、受信部131によって受信されたアクセスログL01によるユーザ情報を第1記憶部121に格納する。この場合、第1格納部132は、複数のアクセスログL01により構成されるユーザ情報ファイルF01を生成し、ユーザ情報ファイルF01を第1記憶部121に格納する。
【0083】
〔3−9.第2格納部〕
第2格納部133は、第1記憶部121に記憶されているユーザ情報を、受信する契機となった情報提供装置毎に、かかるユーザ情報を異なる管理領域で第2記憶部122に格納する。具体的には、実施形態に係る第2格納部133は、情報提供装置であるサイト提供装置30毎にキーが付与されたアクセスログL01に基づいて、第1記憶部121に記憶されているユーザ情報ファイルF01をキー毎に異なるファイルに分類する。そして、第2格納部133は、キー毎に分類されたユーザ情報ファイルF11及びユーザ情報ファイルF12を、第2記憶部122内の異なる管理領域である、第1管理領域122aと、第2管理領域122bとに、それぞれ格納する。
【0084】
すなわち、第2格納部133は、ユーザ端末10が利用したサイト提供装置30毎に、サイト提供装置30に対応するユーザ情報(すなわち、サイト提供装置30に対応するキーが付与されたユーザ情報)を異なるファイルで第2記憶部122に格納する。また、前述のように、第2記憶部122は、階層構造によりデータを記憶する。そこで、第2格納部133は、サイト提供装置30毎に異なる階層を管理領域として、サイト提供装置30毎に対応するキーが付与されたユーザ情報を格納する。
【0085】
〔3−10.取得部〕
取得部134は、ユーザの行動履歴を含むユーザ情報を取得する。具体的には、実施形態に係る取得部134は、第2記憶部122に蓄積されているユーザ情報ファイルF11又はユーザ情報ファイルF12を取得する。
【0086】
ここで、ユーザ情報ファイルF11及びユーザ情報ファイルF12は、ユーザ識別情報であるユーザIDと、所定の行動種別に対応する行動履歴を複数含む。所定の行動種別とは、例えば、ウェブページへのアクセスであったり、クエリを入力することで行う検索行動であったり、ショッピングページにおける購買行動等である。このように、取得部134がユーザIDと複数の行動履歴を含むユーザ情報を取得することで、後述する生成部135は、ユーザ行動情報ファイルF21及びユーザ行動情報ファイルF22を生成することが可能となる。
【0087】
なお、取得部134は、サイト提供装置30毎に分類されたユーザ情報ファイルF11又はユーザ情報ファイルF12を取得する。すなわち、後述する生成部135が生成するユーザ行動情報ファイルF21又はユーザ行動情報ファイルF22は、サイト提供装置30毎に分類された行動履歴を含むデータファイルとして生成される。
【0088】
〔3−11.生成部〕
生成部135は、取得部134によって取得されたユーザ情報を所定の行動種別毎に分解したユーザ行動情報を生成する。具体的には、実施形態に係る生成部135は、取得部134によって取得されたユーザ情報ファイルF11を行動履歴毎に分解する。そして、実施形態に係る生成部135は、分解されたユーザ行動情報からユーザ行動情報ファイルF21
1を生成する。同様に、実施形態に係る生成部135は、取得部134によって取得されたユーザ情報ファイルF12に基づいて、ユーザ行動情報ファイルF22
1を生成する。
【0089】
続いて、生成部135は、生成したユーザ行動情報ファイルF21
1及びユーザ行動情報ファイルF22
1を行動データ記憶部123に格納する。生成部135により生成されたユーザ行動情報ファイルF21
1は、ユーザIDと所定の行動種別に対応する行動履歴である検索履歴を含む。なお、生成部135は、ユーザ情報ファイルF11に基づいて、ユーザ行動情報ファイルF21
1とは異なる行動履歴で構成されるユーザ行動情報ファイルF21
2を生成してもよい。
【0090】
このように、生成部135がユーザIDと行動履歴のみを含むユーザ情報を生成し、行動データ記憶部123に格納することで、後述する抽出部137は、広告主からの要求に応じた情報を抽出することが可能となる。
【0091】
〔3−12.要求受付部〕
要求受付部136は、ユーザ情報を利用する情報利用者によるユーザ情報に関する要求を受け付ける。具体的には、実施形態に係る要求受付部136は、広告配信のためにユーザ情報を利用する情報利用者である広告主の操作する広告主装置20から、ユーザ情報の利用に際しての要求を受け付ける。
【0092】
要求受付部136は、ユーザの行動履歴を含む要求を受け付ける。また、ユーザの行動履歴に関する指定は、広告主装置20により行われる。例えば、要求受付部136は、広告効果の高い広告配信をするために、広告主の提供する商品に対して検索をした履歴を持つユーザを抽出するような要求を広告主装置20から受け付ける。また、要求受付部136は、広告主と競合する他の広告主の提供する商品に対して検索をした履歴を持つユーザを抽出するような要求を広告主装置20から受け付ける。
【0093】
また、要求受付部136は、広告主から、サイト提供装置30毎に蓄積されたユーザ情報について削除する要求を受け付ける。この場合、要求受付部136は、第2記憶部122内のサイト提供装置30毎の管理領域を参照し、要求に対応したユーザ情報を削除することができる。これにより、削除されたデータは広告配信に利用することはできなくなり、広告主の要求は満たされる。この後、ユーザ情報を再び利用する際には、第2格納部133は、第1記憶部121に記憶されているユーザ情報のキーを参照することで、第2記憶部122内から削除したユーザ情報を復旧することも可能である。また、第1記憶部121及び第2記憶部122は、記憶されるデータ量が所定の量を超えた場合、ユーザ情報は順次削除されていくことが想定される。ここで、第1記憶部121及び第2記憶部122は、ユーザ情報が格納されてから削除されるまでの期間として個々に異なる期間により管理される。このため、第2格納部133は、第1記憶部121又は第2記憶部122に復旧の対象となるユーザ情報が記憶されている間は、適宜ユーザ情報に関するデータを復旧することができる。なお、上記のようなユーザ情報の削除に関する要求は、サイト提供装置30の管理者から受け付けられてもよい。
【0094】
また、要求受付部136は、抽出されたユーザに対して実際に広告を配信する要求についても広告主装置20から受け付ける。上記のような広告主からの要求の受付は、例えば、広告主装置20に表示される、広告装置100が提供するユーザーインターフェース(User Interface)画面を介して行われる。
【0095】
〔3−13.抽出部〕
抽出部137は、生成部135によって生成されたユーザ行動情報を用いて、要求受付部136によって受け付けられた要求を満たすユーザを抽出する。具体的には、実施形態に係る抽出部137は、要求受付部136によって受け付けられた広告主からの要求について、行動データ記憶部123に記憶されているユーザ行動情報ファイルF21等を参照し、広告主からの要求を満たすユーザを抽出する処理を行う。
【0096】
ここで、抽出部137の行う抽出処理の一例について
図7を参照して説明する。
図7は、実施形態に係る抽出処理の一例を示す図である。
図7に示すように、広告主装置20は、広告装置100に対してユーザ情報の利用についての要求を送信する。そして、広告装置100が備える要求受付部136は、広告主装置20からの要求を受け付ける(ステップS20)。
【0097】
例えば、広告主が、広告主の提供する商品等について興味のあるユーザについて広告配信をする場合について説明する。広告主装置20は広告装置100に対して、ユーザ端末10への広告の配信を要求することができるが、このとき、広告を配信するユーザがどのような商品や企業に興味を持つユーザであるか、また、何人のユーザに広告を配信するかが問題となる。すなわち、広告主の提供する商品等に興味のないユーザに広告を配信したとしても、広告主が望む広告効果が得られない場合がある。また、広告を配信するユーザ数によって、広告配信にかかる費用が変動することが想定される。通常、広告を配信するユーザ数が多くなるほど、広告にかかる費用は増大する。そのため、広告主は、限られた広告の配信数で、最も効果の高い広告の配信を望むことが一般的である。
【0098】
そこで、まず広告主装置20は、ユーザ情報に基づいて広告主の提供する商品等に興味のあるユーザ数に関する情報を提示するよう、広告装置100に要求を送信する。要求受付部136は送信された要求を受け付ける。
【0099】
ここで、抽出部137は、行動データ記憶部123に記憶されたユーザ行動情報ファイルF21を参照する(ステップS21)。そして、抽出部137は、広告主の要求に応じてユーザ行動情報ファイルF21の検索履歴に係る情報を抽出し、カテゴリに分類したカテゴリ分類ファイルF31を生成する。そして、抽出部137は、広告主の提供する商品等に興味のあるユーザ数に関する情報を抽出するため、項目を設定する(ステップS22)。例えば、抽出部137は、カテゴリ分類ファイルF31を参照し、所定の検索履歴数が検知されるときに「興味あり」の項目を設定する。
【0100】
そして、抽出部137は、設定した項目である「興味あり」について、カテゴリ分類ファイルF31から該当するユーザを抽出し、抽出したユーザを計数する(ステップS23)。この過程において、抽出部137は、項目データファイルF41を生成する。なお、抽出部137は、この段階では検索履歴を基にしたユーザ数を抽出するのみであり、ユーザを特定したユーザリストは生成しなくてもよい。すなわち、抽出部137は、ユーザIDと検索履歴のみで構成されるデータからユーザを計数するので、高速に抽出処理をすることができる。続いて、抽出部137は、ユーザの計数結果を広告主装置20に送信する。そして、ユーザの計数結果を受けて広告主が広告の配信に同意した場合、広告主装置20は、抽出されたユーザに対する広告配信の要求を広告装置100に送信する。
【0101】
抽出部137は、広告主装置20からの広告配信の要求を受けて、抽出されたユーザを特定したユーザリストファイルF51を生成する(ステップS24)。そして、抽出部137は、生成したユーザリストファイルF51を、後述する配信部138に参照させる(ステップS25)。
【0102】
なお、抽出部137は、ユーザ行動情報を分類したカテゴリ分類ファイルF31や、広告主装置20からの要求を満たすユーザの数を計数した計数結果と、行動履歴と、ユーザIDとを対応付けた情報が含まれる項目データファイルF41や、抽出されたユーザを特定したユーザリストファイルF51について、所定の記憶部120に格納する。例えば、抽出部137は、上記のファイルを行動データ記憶部123の所定の階層に格納する。
【0103】
〔3−14.配信部〕
配信部138は、ユーザ情報の利用者からの要求に従い、広告を配信する処理を行う。具体的には、実施形態に係る配信部138は、広告主からの要求に従い生成されたユーザリストファイルF51に基づいて、特定されたユーザ端末10に対して広告を配信する処理を行う。すなわち、配信部138は、ユーザ端末10から送信される広告取得命令を受けた場合、クッキーの送受信によりユーザ端末10を特定する。そして、特定されたユーザ端末10のユーザがユーザリストファイルF51に含まれるユーザと一致する場合に、対応した広告を特定されたユーザ端末10に配信する。
【0104】
なお、実際に配信される広告コンテンツ自体は、広告装置100内に記憶されている必要はない。例えば、配信部138は、特定されたユーザ端末10に対して広告コンテンツを配信させる命令を、外部の広告コンテンツ配信サーバなどに送信することもできる。また、配信部138は、ユーザ端末10の特定に際して、記憶部120に記憶されているユーザ識別情報などのユーザ情報を参照する場合がある。
【0105】
〔4.データ処理手順〕
次に、
図8、
図9、及び
図10を用いて、実施形態に係る広告装置100によるデータ処理の手順について説明する。
図8、
図9、及び
図10は、広告装置100によるデータ処理の手順を示すフローチャートである。以下においては、
図8を参照して広告装置100によるユーザ情報の格納処理を説明し、
図9を参照して広告装置100によるユーザ行動情報の生成処理を説明し、
図10を参照して広告装置100によるユーザの抽出処理を説明する。
【0106】
まず、
図8を用いて、実施形態に係る広告装置100によるユーザ情報の格納処理について説明する。
図8は、実施形態に係る広告装置100によるユーザ情報の格納処理手順を示すフローチャートである。
【0107】
図8に示すように、受信部131は、ユーザ端末10からユーザ情報を受信したか否かを判定する(ステップS101)。そして、受信部131は、ユーザ端末10からユーザ情報を受信していない場合(ステップS101;No)、受信するまで待機する。
【0108】
一方、ユーザ端末10からユーザ情報を受信した場合(ステップS101;Yes)、受信部131はユーザ情報を第1格納部132に渡し、第1格納部132はユーザ情報を第1記憶部121に記憶する(ステップS102)。
【0109】
次に、第2格納部133は、第1記憶部121に記憶されているユーザ情報を参照し、
ユーザ情報に含まれるサイト提供装置30を識別するキー毎に、ユーザ情報を第2記憶部122内の異なる管理領域に格納する(ステップS103)。以上により、広告装置100によるユーザ情報の格納処理は完了する。
【0110】
次に、
図9を用いて、実施形態に係る広告装置100によるユーザ行動情報の生成処理を説明する。
図9は、実施形態に係る広告装置100によるユーザ行動情報の生成処理手順を示すフローチャートである。
【0111】
図9に示すように、取得部134は、第2記憶部122からユーザ情報を取得したか否かを判定する(ステップS201)。そして、取得部134は、ユーザ情報を取得していない場合(ステップS201;No)、取得するまで待機する。
【0112】
一方、取得部134によって、ユーザ情報が取得された場合(ステップS201;Yes)、取得部134は取得したユーザ情報を生成部135に渡し、生成部135は、ユーザ情報を所定の行動種別毎に分解する(ステップS202)。
【0113】
そして、生成部135は、ユーザ情報を所定の行動種別毎に分解したデータに基づいて、ユーザ行動情報ファイルF21を生成する(ステップS203)。その後、生成部135は、ユーザ行動情報ファイルF21を行動データ記憶部123に格納する(ステップS204)。以上により、広告装置100によるユーザ行動情報の生成処理は完了する。
【0114】
次に、
図10を用いて、実施形態に係る広告装置100によるユーザの抽出処理を説明する。
図10は、実施形態に係る広告装置100によるユーザの抽出処理手順を示すフローチャートである。
【0115】
図10に示すように、要求受付部136は、広告主装置20から、広告配信に関してユーザ情報を利用する要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS301)。そして、要求受付部136は、ユーザ情報を利用する要求を受け付けていない場合(ステップS301;No)、要求を受け付けるまで待機する。
【0116】
一方、要求受付部136がユーザ情報を利用する要求を受け付けた場合(ステップS301;Yes)、抽出部137は、広告主装置20からの要求に対応したユーザを抽出するため、項目データを設定する(ステップS302)。
【0117】
その後、抽出部137は、ユーザ行動情報に基づいて、項目データに該当する行動履歴に係るユーザ数を抽出する(ステップS303)。そして、抽出部137は、抽出したユーザ数に関する情報を広告主装置20に送信する(ステップS304)。
【0118】
続いて、要求受付部136は、ユーザ数に関する情報を受信した広告主装置20から、実際に広告配信をする旨の要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS305)。そして、要求受付部136は、広告配信をする旨の要求を受け付けない場合(ステップS305;No)、次にユーザ情報の利用を受け付けるまで待機する。
【0119】
一方、要求受付部136は、実際に広告配信をする旨の要求を受け付けた場合(ステップS305:Yes)、抽出部137は、実際に広告を配信するユーザを特定するためのユーザリストを生成する(ステップS306)。
【0120】
そして、配信部138は、抽出部137により生成されたユーザリストに基づいて、ユーザ端末10に対して広告を配信するための処理を行う。以上により、広告装置100によるユーザの抽出処理は完了する。
【0121】
〔5.変形例〕
上述した広告装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、広告装置100の他の実施形態について説明する。
【0122】
〔5−1.複数の行動種別の利用〕
上述した実施形態に係るデータ処理において、抽出部137は、広告主から受け付けた要求に応えるため、一つのユーザ行動情報ファイルF21からユーザを抽出する例を示した。しかし、抽出部137は、生成部135によって生成された行動種別毎のユーザ行動情報のうち、要求に対応する各ユーザ行動情報を合成し、合成した後のユーザ行動情報において要求を満たすユーザを抽出することもできる。この点について、
図11を用いて説明する。
【0123】
図11は、変形例に係る抽出処理の一例を示す図である。変形例に係る行動データ記憶部123は、ユーザ行動情報ファイルF231、及び、ユーザ行動情報ファイルF232を記憶している。なお、ユーザ行動情報ファイルF231には、ユーザID「U1」で識別されるユーザが検索を行った履歴が示されている。また、ユーザ行動情報ファイルF232には、ユーザID「U1」で識別されるユーザが商品を購入した履歴が示されている。ここで、
図11に示すユーザ行動情報ファイルF232において、「buy」は購入行動を示し、「Q001」、「Q002」、及び「Q003」は商品名などの名称を示す。すなわち、
図11に示すユーザ行動データAC232
1は、ユーザID「U1」で識別されるユーザが、「2014年1月11日1:30」に名称「Q001」で識別される商品を購入したことを示している。
【0124】
要求受付部136が広告主装置20から要求を受け付けた場合、抽出部137は、行動データ記憶部123を参照し、要求に対応する二つのユーザ行動情報ファイルF231及びF232を取得する。そして、抽出部137は、行動種別の異なる二つのユーザ行動情報ファイルF231及びF232について、例えば、行動履歴の日時の降順に二つのファイルを合成する。
【0125】
図11に示すように、抽出部137は、二つのユーザ行動情報ファイルF231及びF232を合成することにより、ユーザ行動情報ファイルF241を生成する。
【0126】
このような合成は、例えば、要求受付部136が、広告主装置20から「一つのウェブサイトにおいて、所定の商品を検索した後、かかる商品を購入しているユーザ」を抽出することを要求されたときに起こりうる。この場合、抽出部137は、「検索」と「購入」という行動種別で分解された二つのユーザ行動情報ファイルF231及びF232を参照する。また、抽出部137は、「検索した後」という要求の内容に基づいて、二つのユーザ行動情報ファイルF231及びF232を行動履歴の日時の降順に並べることにより、要求に応えることができると判定する。この場合、抽出部137は、二つのユーザ行動情報ファイルF231及びF232を合成する。
【0127】
このように、抽出部137は、行動種別毎のユーザ行動情報のうち、要求に対応する各ユーザ行動情報を合成し、合成した後のユーザ行動情報において要求を満たすユーザを抽出することができる。これにより、抽出部137は、広告主からの詳細な要求に対応して、ユーザを抽出することができる。
【0128】
なお、抽出部137は、二つのユーザ行動情報ファイルF231及びF232を参照した後、合成するとは限らない。具体的には、抽出部137は、二つのユーザ行動情報ファイルF231及びF232を合成せずに各ユーザ行動情報において要求を満たすユーザを抽出することができると判定する場合は、合成することを要しない。この場合、抽出部137は、生成部135によって生成された行動種別毎のユーザ行動情報のうち、要求に対応する各ユーザ行動情報において要求を満たすユーザを抽出する。
【0129】
〔5−2.並行処理〕
上述した実施形態に係るデータ処理において、抽出部137は、抽出したユーザ数に係る情報を広告主装置20に送信し、広告主装置20からの同意を待って、ユーザを特定する処理を行う例を示した。しかし、抽出部137は、要求を満たすユーザの数を計数する計数処理と、要求を満たすユーザを抽出する抽出処理とを並行して行うこともできる。すなわち、抽出部137は、広告主装置20からの同意を待たずに、抽出したユーザを特定し、ユーザリストファイルF51を生成してもよい。この点について、
図12を用いて説明する。
【0130】
図12は、変形例に係る抽出処理の一例を示す図である。なお、
図12に示すステップS30〜S32、及びS35は、
図7に示すステップS20〜S22,及びS25に対応するため、説明を省略する。
【0131】
抽出部137は、設定した項目について、カテゴリ分類ファイルF31から該当するユーザを抽出し、また、抽出したユーザを計数する(ステップS33)。変形例に係る抽出部137は、この過程において、広告配信の対象となるユーザを抽出する。そして、抽出部137は、抽出したユーザを特定し、ユーザリストファイルF51を生成する(S34)。すなわち、抽出部137は、広告主の要求を満たすユーザの数を計数する計数処理と、要求を満たすユーザを抽出する抽出処理とを並行して行う。
【0132】
実施形態において上述したように、抽出部137は、ユーザIDと行動履歴のみで構成されるデータからユーザを計数するため、広告主に対して高速に処理結果を返すことができる。また、抽出部137は、計数処理と並行して広告配信に係るユーザを抽出する処理を行うため、広告主装置20から広告配信する旨の要求を受け付けた場合に、早急に広告配信をするための処理を進めることができる。
【0133】
〔5−3.利用対象〕
広告装置100は、広告主がサイト提供装置30の管理者を兼ねている場合、広告主に対応するようにユーザ情報を利用することで広告主からの要求に応じ、広告配信をすることができる。この点について、以下に説明する。
【0134】
例えば、抽出部137は、生成部135によって生成されたサイト提供装置30毎のユーザ行動情報のうち、広告主によって管理されるサイト提供装置30に対応するユーザ行動情報を用いて、要求受付部136によって受け付けられた要求を満たすユーザを抽出する。すなわち、抽出137は、広告主がサイト提供装置30の管理者でもある場合、広告主からの要求に応じてユーザを抽出する処理において、広告主に対応するキーが含まれるユーザ情報を用いて抽出を行い、異なる広告主に対応するキーが含まれるユーザ情報については、抽出処理に利用しない。
【0135】
これにより、広告主装置20を操作する広告主がサイト提供装置30の管理者を兼ねている場合、広告主は、自身が管理するウェブサイトを訪問したユーザに関するユーザ情報を利用することで、訪問したユーザを追跡するように自身の広告を配信することができる。すなわち、広告主は、自身が管理するウェブサイトを訪問したユーザに絞り込んで広告配信をするユーザを決定できるので、いわゆるリターゲティング配信により、広告効果の高い広告配信をさせることができる。
【0136】
また、広告装置100は、上記のように広告主装置20からの要求に応える際に、サイト提供装置30毎のユーザ行動情報を用いることで、情報の利用に制限を設けることもできる。すなわち、広告装置100は、広告主の利用するユーザ情報を、広告主が自身で管理するウェブサイトを訪問したユーザに関するユーザ情報に限ることができる。これにより、例えば、広告装置100は、他の広告主が管理するウェブサイトを訪問したユーザに関するユーザ情報の利用にあたって、広告主に課金を求めることなどが可能となる。
【0137】
〔5−4.受信データ〕
上述した実施形態に係るデータ処理において、受信部131は、ユーザ端末10がサイト提供装置30の提供するウェブサイトにアクセスした場合におけるユーザ情報を受信する例を示した。しかし、受信部131は、ユーザ端末10がサイト提供装置30の提供するウェブサイトにアクセスする場合に限らず、ユーザ端末10からユーザ情報を受信することもある。この点について、以下に説明する。
【0138】
上述のように、実施形態に係る受信部131は、サイト提供装置30の提供するウェブサイトに埋め込まれたウェブビーコンのような通知機能を利用することにより、ユーザ端末10からユーザ情報を受信する。すなわち、受信部131は、ユーザ端末10が上記のような通知機能を備えないウェブサイトにアクセスした場合には、ユーザ情報を受信することができない。
【0139】
しかし、ユーザ端末10がアクセスしたウェブサイトが、広告装置100を管理する管理装置(例えば、フロントエンドサーバ)と同じ管理装置に管理されるウェブサーバから提供されている場合、受信部131は、ユーザ端末10からユーザ情報を受信することができる。すなわち、ユーザ端末10は、管理装置に管理されるウェブサーバが提供するウェブサイトにアクセスする際、ユーザ端末10のユーザ情報を上記管理装置に送信する。これは、ユーザ端末10が管理装置にクッキーを送信することなどにより実現される。この場合、ユーザ端末10の送信したユーザ情報は、管理装置を介して、広告装置100の備える受信部131に送信される。これにより、受信部131は、サイト提供装置30を介することなく、ユーザ端末10のユーザ情報を受信することができる。
【0140】
このような場合、受信部131は、サイト提供装置30を介さずにユーザ情報を受信し、第1格納部132は、サイト提供装置30を介さずに受信されたユーザ情報を第1記憶部121に格納する。また、第2格納部133は、第2記憶部122内においてサイト提供装置30を介して受信されたユーザ情報が記憶されている管理領域とは異なる管理領域に、サイト提供装置30を介さずに受信されたユーザ情報を格納する。
【0141】
なお、受信部131は、サイト提供装置30を介さずに蓄積されたユーザ情報に対応するユーザ端末10がサイト提供装置30にアクセスした場合には、サイト提供装置30を介さずに蓄積されたユーザ情報に含まれるユーザID「U1」と同一のユーザID「U1」を含むユーザ情報を受信する。すなわち、受信部131は、サイト提供装置30を介したユーザ情報であっても、サイト提供装置30を介さないユーザ情報であっても、ユーザ端末10にかかるユーザ識別情報については、同一のユーザID「U1」を受信することができる。このことは、ユーザ端末10が同一のブラウザを用いてウェブサイトにアクセスすることで、ユーザ端末10が、サイト提供装置30と管理装置とに対応するクッキーを送信することにより実現される。
【0142】
また、この場合、取得部134は、受信部131によって受信された、サイト提供装置30を介したユーザ情報のみならず、サイト提供装置30を介さずに蓄積されたユーザ情報についても取得する。そして、生成部135は、サイト提供装置30を介して得られたユーザ情報を分解したサイト提供装置30毎のユーザ行動情報と、サイト提供装置30を介さず蓄積されたユーザ情報を分解したユーザ行動情報とを個別に生成する。すなわち、生成部135は、ユーザ情報に含まれるキーを参照することにより、サイト提供装置30を介したユーザ情報と、サイト提供装置30を介さないユーザ情報とで、ユーザ行動情報を個別に生成することができる。
【0143】
この場合、抽出部137は、生成部135によって生成されたユーザ行動情報のうち、サイト提供装置30を介さず蓄積されたユーザ情報から生成されたユーザ行動情報を用いて、要求受付部136によって受け付けられた要求を満たすユーザを抽出することができる。これにより、広告装置100は、広告主が自身で管理するサイト提供装置30を介さないユーザ情報であっても、管理装置を介したユーザ情報については、広告主に利用させることができる。すなわち、広告主は、自身で管理するサイト提供装置30を介したユーザ情報と、広告装置100を管理する管理装置を介したユーザ情報との双方を、広告配信に利用することができる。
【0144】
〔5−5.データ利用〕
上述した実施形態では、広告装置100によるデータ処理を利用する広告配信について説明した。しかし、実施形態に係るデータ処理により生成されたユーザ情報は、広告配信に利用される態様に限られず、他の様々な用途に利用されてもよい。この点について、以下に説明する。
【0145】
例えば、広告装置100の生成するユーザ行動ファイルF21や、カテゴリ分類ファイルF31は、広告主に限らず、他のデータ利用者によって利用されてもよい。具体的には、かかるデータ利用者は、広告装置100により生成されるユーザ行動ファイルF21等に基づいて、新たなユーザの獲得のための行動(例えば、抽出されたユーザへのメール配信など)を行ってもよい。例えば、データ利用者は、広告装置100により収集されるユーザ情報から、データ利用者以外の者(例えば、競合企業など)に対するユーザの反応や、ウェブサイトでの行動を取得することができる。すなわち、データ利用者は、かかるユーザ情報を取得することにより、ユーザの興味や商品への関心を正確に把握できるので、より高精度にユーザ獲得のための行動を行うことができる。
【0146】
上記のようなデータ利用者へ提供するユーザ情報は、例えば、広告装置100を管理する管理装置を介して得られるユーザ情報などが考えられる。また、広告装置100は、例えば、データ利用者の競合企業により運営されるサイト提供装置30を介して得られるユーザ情報を提供してもよい。また、広告装置100は、データ利用者に対して、データの提供にとどまらず、ユーザ情報を利用して行うことのできるサービスを提供してもよい。
【0147】
具体的には、広告装置100は、広告装置100と同じ管理装置で管理されるウェブサーバにおいて、データ利用者に対応する広告を掲載したり、データ利用者に対するレコメンドを表示したりするウェブページをユーザに提供することができる。また、広告装置100は、上記のウェブページにおいて最初に表示されるページ(landing page)を、データ処理において抽出されたユーザに対して最適化するようなLPO(Landing Page Optimization)サービスを提供してもよい。
【0148】
また、広告装置100は、データ利用者から、広告装置100が収集するデータとは異なるユーザ情報データの提供を受けることにより、上記のサービスを提供してもよい。すなわち、広告装置100は、広告装置100が収集するユーザ情報と、データ利用者が保持するユーザ情報とのデータの連携を図ることもできる。一例として、所定のユーザが、自動車メーカであるデータ利用者の提供するウェブサイトにおいて、商品である自動車の情報を閲覧していたとする。そして、かかるユーザが、広告装置100と同じ管理装置で管理されるウェブサイトにおいて、他の自動車メーカから提供されるスポーツタイプの自動車の情報を閲覧していたとする。この場合、広告装置100は、ユーザ行動情報として、かかるユーザによる双方の閲覧情報をデータ利用者に提示する。これにより、データ利用者は、かかるユーザに情報を提供する場合に、スポーツタイプの自動車の情報を優先的に提供することができる。また、広告装置100は、上記のLPOにおいて、データ利用者の提供するスポーツタイプの自動車が表示されるウェブページや、関連する広告コンテンツが表示されるウェブページを、かかるユーザに提示することもできる。
【0149】
このように、広告装置100は、より高精度にユーザが興味や関心のある商品などを分析することが可能となる。また、データ利用者にとっては、より高精度にユーザに対応した商品や情報の提供などを行うことが可能となる。すなわち、広告装置100は、データ利用者によって、ユーザ情報の収集や分析を通じて顧客満足度を向上させるような情報システムであるCRM(Customer Relationship Management)のように活用されることもできる。
【0150】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る広告装置100は、例えば
図13に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、広告装置100を例に挙げて説明する。
図13は、広告装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0151】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を記憶する。
【0152】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(
図2に示したネットワークNに対応)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを通信網500を介して他の機器へ送信する。
【0153】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0154】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に記憶されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0155】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る広告装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが記憶される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網500を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0156】
〔7.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0157】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、
図3に示した取得部134及び生成部135は統合されてもよい。例えば、記憶部120に記憶される情報は、ネットワークNを介して、外部に備えられた記憶装置に記憶されてもよい。
【0158】
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0159】
〔8.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る広告装置100は、受信部131と、第1記憶部121と、第2記憶部122と、第2格納部133(格納部の一例)を有する。受信部131は、サイト提供装置30に対してユーザ端末10がアクセスする契機でユーザ端末10のユーザに関するユーザ情報を受信する。第1記憶部121は、受信部131によって受信されたユーザ情報を記憶する。第2格納部133は、第1記憶部121に記憶されているユーザ情報を受信する契機となったサイト提供装置30毎に、ユーザ情報を異なる管理領域で第2記憶部122に格納する。
【0160】
これにより、実施形態に係る広告装置100は、膨大な情報量となるユーザ情報について、経由したサイト提供装置30毎に広告配信において利用できるように蓄積することを可能とする。すなわち、実施形態に係る広告装置100は、ユーザ情報を柔軟に管理することができる。
【0161】
また、受信部131は、サイト提供装置30を識別するための識別情報(すなわち、キー)を含むユーザ情報を受信する。第2格納部133は、ユーザ情報に含まれるキーに基づいて、ユーザ情報をサイト提供装置30毎に異なる管理領域で第2記憶部122に格納する。
【0162】
これにより、実施形態に係る広告装置100は、ユーザ情報について、経由したサイト提供装置30毎に利用することのできるユーザ情報を分類することや、サイト提供装置30毎のウェブサイトに訪問したユーザの行動を分析したりすることができる。このため、実施形態に係る広告装置100は、広告主の要求に即した広告配信をすることができる。
【0163】
また、第1記憶部121は、ユーザ情報が格納されてから削除されるまでの期間として、第2記憶部122と異なる期間により管理される。
【0164】
これにより、実施形態に係る広告装置100は、格納されているユーザ情報について、第1記憶部121、第2記憶部122毎に異なる期間で管理することができる。これにより、広告装置100は、柔軟なユーザ情報の管理を実現することができる。
【0165】
また、第2格納部133は、階層構造によりデータを記憶する第2記憶部122の階層のうちサイト提供装置30毎に異なる階層に、サイト提供装置30に対応するユーザ情報を格納する。また、第2格納部133は、サイト提供装置30毎に、サイト提供装置30に対応するユーザ情報を異なるファイルで第2記憶部122に格納する。
【0166】
これにより、実施形態に係る広告装置100は、個々の広告主の要望に応じて、サイト提供装置30毎に対応するユーザ情報を取り扱うことができる。
【0167】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0168】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受信部は、受信手段や受信回路に読み替えることができる。