【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に記載のとおり、本発明は、バックグラウンド産物の生成を低減させ、または排除し、試料標的オリゴヌクレオチドの定量を可能とする、試料中の標的オリゴヌクレオチドをリアルタイムで検出するための組成物および方法を特徴とする。これらの方法は、NEAR反応を使用して増幅される標的オリゴヌクレオチドと適合性である。本発明は、少なくとも部分的に、シングルプレックスNEAR反応中の特異的産物をバックグラウンド産物の生成なしで生成することができるという発見に基づく。これらの反応組成物および方法は、未知試験試料の相対的定量、デュプレックス反応、およびマルチプレックス反応、ならびに未知試験試料の絶対的定量のための標準曲線の創成を提供する。
【0009】
一態様において、本発明は、ニッキングおよび伸長増幅の反応中の特異的産物を定量する方法であって、標的核酸分子を、実質的に等温条件下で、エキソヌクレアーゼ欠損ポリメラーゼ、それぞれが標的核酸分子上の相補的配列に特異的に結合する2つ以上のプライマー/テンプレートオリゴヌクレオチド、ニッキング酵素、および検出可能なポリヌクレオチドプローブと接触させるステップであって、プライマー/テンプレートオリゴヌクレオチドのそれぞれは、標的核酸分子と相補的な配列中に1つ以上の2’修飾ヌクレオチドを有するステップ;前記標的核酸分子の少なくとも一部を有するアンプリコンを生成するステップ;ならびに標的核酸分子またはそのアンプリコンへのオリゴヌクレオチドプローブハイブリダイゼーションに特異的なシグナルを検出するステップであって、シグナルは、試料中に存在する標的核酸分子またはそのアンプリコンの量を示すステップ、を含む方法を提供する。
【0010】
別の態様において、本発明は、単一反応の過程で産生された複数の異なる反応産物を検出する方法であって、標的核酸分子を、実質的に等温条件下で、エキソヌクレアーゼ欠損ポリメラーゼ、それぞれが標的核酸分子上の相補的配列に特異的に結合する2つ以上のプライマー/テンプレートオリゴヌクレオチド、ニッキング酵素、および検出可能なポリヌクレオチドプローブと接触させるステップであって、プライマー/テンプレートオリゴヌクレオチドのそれぞれは、標的核酸分子と相補的な配列中に1つ以上の2’修飾ヌクレオチドを有するステップ;前記標的核酸分子の少なくとも一部を有するアンプリコンを生成するステップ;ならびに標的核酸分子またはそのアンプリコンへのオリゴヌクレオチドプローブハイブリダイゼーションに特異的なシグナルを検出するステップであって、シグナルは、試料中に存在する標的核酸分子またはそのアンプリコンの量を示すステップ、を含む方法を提供する。
【0011】
特定の態様において、本発明は、ニッキングおよび伸長増幅の反応中の特異的産物を定量する方法であって、標的核酸分子を、実質的に等温条件下で、エキソヌクレアーゼ欠損ポリメラーゼ、それぞれが標的核酸分子上の相補的配列に特異的に結合する2つのプライマー/テンプレートオリゴヌクレオチド、ニッキング酵素、および検出可能なポリヌクレオチドプローブと接触させるステップであって、プライマー/テンプレートオリゴヌクレオチドのそれぞれは、標的核酸分子と相補的な配列の3’末端(例えば、オリゴヌクレオチドの3’末端)においてまたはそれに隣接して位置する少なくとも約5つの連続する2’−O−メチル修飾ヌクレオチドを有するステップ;前記標的核酸分子の少なくとも一部を有するアンプリコンを生成するステップ;ならびに標的核酸分子またはそのアンプリコンへのオリゴヌクレオチドプローブハイブリダイゼーションに特異的なシグナルを検出するステップであって、シグナルは、試料中に存在する標的核酸分子またはそのアンプリコンの量を示すステップ、を含む方法を提供する。
【0012】
一態様において、本発明は、ニッキングおよび伸長増幅の反応をリアルタイムでモニタリングする方法であって、試験試料を、実質的に等温条件下で、エキソヌクレアーゼ欠損ポリメラーゼ、それぞれが標的核酸分子上の相補的配列に特異的に結合する2つ以上のプライマー/テンプレートオリゴヌクレオチド、ニッキング酵素、および検出可能なポリヌクレオチドプローブと接触させるステップであって、プライマー/テンプレートオリゴヌクレオチドのそれぞれは、標的核酸分子と相補的な配列中に1つ以上の2’修飾ヌクレオチドを有するステップ;前記標的核酸分子の少なくとも一部を有するアンプリコンを生成するステップ;ならびにシグナルをリアルタイムで検出し、それにより標的核酸分子を定量するステップを含む方法を提供する。
【0013】
別の態様において、本発明は、NEAR反応中の標的核酸分子をリアルタイムでモニタリングする方法であって、標的核酸分子を、実質的に等温条件下で、エキソヌクレアーゼ欠損ポリメラーゼ、それぞれが標的核酸分子上の相補的配列に特異的に結合する2つ以上のプライマー/テンプレートオリゴヌクレオチド、ニッキング酵素、ヘテロ二本鎖特異的ニッキング酵素、および検出可能なポリヌクレオチドプローブと接触させるステップであって、プライマー/テンプレートオリゴヌクレオチドのそれぞれは、標的核酸分子と相補的な配列中に1つ以上の2’修飾ヌクレオチドを有するステップ;検出可能なオリゴヌクレオチドプローブに結合する標的配列を有するアンプリコンを生成するステップ;ならびにシグナルをリアルタイムで検出し、それにより標的核酸分子を定量するステップを含む方法を提供する。
【0014】
さらに別の態様において、本発明は、試験試料中の標的核酸分子をリアルタイムでモニタリングする方法であって、標的核酸分子を、実質的に等温条件下で、ポリメラーゼ、それぞれが標的核酸分子上の相補的配列に特異的に結合する2つ以上のプライマー/テンプレートオリゴヌクレオチド、ニッキング酵素、修復酵素またはプルーフリーディング酵素、および検出可能なポリヌクレオチドプローブと接触させるステップであって、プライマー/テンプレートオリゴヌクレオチドのそれぞれは、標的核酸分子と相補的な配列中に1つ以上の2’修飾ヌクレオチドを有するステップ;検出可能なオリゴヌクレオチドプローブに結合する標的配列を有するアンプリコンを生成するステップ;ならびにシグナルをリアルタイムで検出し、それにより標的核酸分子を定量するステップを含む方法を提供する。
【0015】
さらに別の態様において、本発明は、NEAR反応中の標的配列を検出するためのキットであって、標的核酸分子上の相補的配列に特異的に結合し、標的核酸分子と相補的な配列中に1つ以上の2’修飾ヌクレオチドを有する1つ以上のプライマー/テンプレートオリゴヌクレオチド、および、本発明の方法におけるプライマー/テンプレートオリゴヌクレオチドの使用のための説明書を含有するキットを提供する。
【0016】
一態様において、本発明は、5’から3’に、の第1の領域、および第2の領域を有する単離オリゴヌクレオチドであって、第1の領域は、ニッキング酵素認識配列を有し;第2の領域は、標的核酸分子上の相補的配列に特異的に結合する少なくとも9つ以上のヌクレオチド(例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30以上の連続するヌクレオチド)を有し;第2の領域は、1つ以上の2’修飾ヌクレオチドを有する、単離オリゴヌクレオチドを提供する。他の実施形態において、単離オリゴヌクレオチドは、
図1に記載のものである。
【0017】
本明細書に記載の態様の種々の実施形態において、オリゴヌクレオチド(例えば、プライマー/テンプレートオリゴヌクレオチド、単離オリゴヌクレオチド)は、修飾ヌクレオチド、例として、2’修飾ヌクレオチドを含有する。本明細書に記載の任意の態様の種々の実施形態において、2’修飾は、2’−O−メチル、2’−メトキシエトキシ、2’−フルオロ、2’−ヒドロキシル、2’−アリル、2’−O−[2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル]、4’−チオ、4’−CH
2−O−2’−架橋、4’−(CH
2)
2−O−2’−架橋、2’−LNA、2’−アルキル、および2’−O−(N−メチルカルバメート)の1つ以上であり、または修飾ヌクレオチドは塩基アナログを含有する。本明細書に記載の任意の態様の種々の実施形態において、1つ以上の2’修飾ヌクレオチドは、標的核酸分子と相補的な配列の3’末端(例えば、オリゴヌクレオチドの3’末端)においてまたはそれに隣接して位置する。本明細書に記載の任意の態様の他の実施形態において、1つ以上の2’修飾ヌクレオチドは、標的核酸分子と相補的な配列の5’末端において位置する。本明細書に記載の任意の態様の種々の実施形態において、標的核酸分子と相補的な配列の5’末端において位置する1つ以上の2’修飾ヌクレオチドは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ以上の非修飾ヌクレオチドによりニック部位から離隔している。本明細書に記載の任意の態様の種々の実施形態において、2つ以上の2’修飾ヌクレオチドは、連続的(2、3、4、5つ以上)である。本明細書に記載の任意の態様の他の実施形態において、2つ以上の2’修飾ヌクレオチドは、非修飾ヌクレオチドと交互になっている。本明細書に記載の任意の態様の種々の実施形態において、ニッキング酵素認識配列は、5’−GAGTC−3’である。本明細書に記載の任意の態様の種々の実施形態において、5つの連続する2’−O−メチル修飾ヌクレオチドは、標的核酸分子と相補的な配列の3’末端(例えば、オリゴヌクレオチドの3’末端)においてまたはそれに隣接して位置する。本明細書に記載の任意の態様の他の実施形態において、5つの連続する2’−O−メチル修飾ヌクレオチドは、標的核酸分子と相補的な配列の5’末端において位置する。本明細書に記載の任意の態様の他の実施形態において、非修飾ヌクレオチドと交互になっている2つ以上の2’−O−メチル修飾ヌクレオチドは、標的核酸分子と相補的な配列(すなわち、標的特異的領域)の5’末端において位置する。
【0018】
本明細書に記載の任意の態様の種々の実施形態において、検出ステップは、非標的分子のアンプリコンを検出しない。本明細書に記載の任意の態様の種々の実施形態において、本方法はリアルタイムで実施される。本明細書に記載の任意の態様のある実施形態において、アンプリコンを生成するステップは(例えば、反応中に存在する標的の量を測定するために)リアルタイムで実施される。
【0019】
本明細書に記載の任意の態様の種々の実施形態において、本方法は、増幅前において生物試料中に存在する核酸分子の量を測定する、半定量的および/または量閾値方法を提供する。本明細書に記載の任意の態様の種々の実施形態において、1つ以上の2’修飾ヌクレオチドを、標的核酸分子と相補的な配列のより5’末端近傍に位置調節することにより、増幅の検出時間を増加させる。本明細書に記載の任意の態様の種々の実施形態において、本方法は、プライマー/テンプレートオリゴヌクレオチドの比を使用して、異なる量の出発標的材料から生じる反応産物の分解能増加を提供することをさらに含む。認識配列の3’末端において1つ以上の2’修飾ヌクレオチドを有するプライマー/テンプレートオリゴの、認識配列の5’末端において1つ以上の2’修飾ヌクレオチドを有するプライマー/テンプレートオリゴに対する比の増加により、シグナル曲線が縮小し、曲線の傾きがシフトすることが見出された。
【0020】
本明細書に記載の任意の態様の種々の実施形態において、本方法は、増幅速度改変剤を使用して、異なる量の出発標的材料から生じる反応産物の分解能増加を提供することをさらに含む。本明細書に記載の任意の態様の種々の実施形態において、標的核酸分子は、DNAまたはRNA核酸分子である。本明細書に記載の任意の態様の種々の実施形態において、検出可能なプローブは、SYBRグリーン(SYBR green)またはモレキュラービーコン(Molecular Beacon)である。本明細書に記載の任意の態様の種々の実施形態において、検出可能なプローブは、標的配列と相補的な少なくとも約10ヌクレオチド、検出可能な部分、およびポリメラーゼ停止分子を有する、非増幅性の検出可能なポリヌクレオチドプローブであり、そのポリメラーゼ停止分子は、通常ならばポリメラーゼ活性を支持する条件下でポリメラーゼがプローブを増幅することを防止する。
【0021】
本明細書に記載の任意の態様の種々の実施形態において、試験試料は、病原体を含有する。本明細書に記載の任意の態様の種々の実施形態において、病原体は、ウイルス、細菌、酵母または真菌である。本明細書に記載の任意の態様の種々の実施形態において、試験試料は、生物試料である。本明細書に記載の任意の態様の種々の実施形態において、生物試料は、細胞、組織試料、または生物体液(例えば、尿、精液、膣分泌液、または糞便)である。本明細書に記載の任意の態様の種々の実施形態において、試験試料は、環境試料である。
【0022】
本発明は、NEAR反応を使用して増幅された標的核酸分子を検出するための組成物および方法を提供する。本発明により定義される組成物および物品は、以下に提供される実施例に関連して単離され、あるいは製造された。本発明の他の特徴および利点は、詳細な説明、および特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【0023】
定義
本開示において、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」、「含有する」および「有する」などは、米国特許法においてそれらに属する意味を有し得、「含む(include)」、「含む(including)」などを意味し得る。「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」または「本質的に〜なる(consists essentially)」も同様に、米国特許法に属する意味を有し、その用語は拡張可能であり、言及されるものの基本的なまたは新規な特徴が、言及されるもの以外のものの存在により変更されない限り、言及されるもの以外のものの存在を許容するが、先行技術の実施形態は除く。
【0024】
「ポリメラーゼ停止分子」は、ポリヌクレオチドテンプレート上でのポリメラーゼの進行を妨害しまたは顕著に低減させる、ポリヌクレオチドテンプレート/プライマーに付随する部分を意味する。好ましくは、この部分は、ポリヌクレオチド中に組み込まれる。1つの好ましい実施形態において、この部分は、ポリメラーゼがテンプレート上で進行することを妨害する。
【0025】
「ポリメラーゼ伸長」は、アクセス可能な3’−ヒドロキシル基からのポリメラーゼの順方向の進行であって、入ってくるモノマーをテンプレートポリヌクレオチド鎖上の相対するヌクレオチドに相補的に取り込むものを意味する。
【0026】
「エキソヌクレアーゼ欠損ポリメラーゼ」は、5’−3’エキソヌクレアーゼ活性を欠き、またはそのような活性を実質的に検出不能なレベルで有する、DNA依存性DNAポリメラーゼおよび/またはRNA依存性DNAポリメラーゼを意味する。
【0027】
「ヌクレオチドアダクト」は、標準的なヌクレオチド塩基に共有結合またはその他の方法で固定されている部分を意味する。
【0028】
本明細書において使用される用語「検出可能なポリヌクレオチドプローブ」は、標的配列の少なくとも一方の鎖と相補的な配列領域を有し、検出可能な部分により標識された、少なくとも部分的に一本鎖である任意のポリヌクレオチドを指し、それは、標的配列への結合時に検出可能な部分から検出可能なシグナルを放出するが、その検出可能な部分によるシグナル生成は、非特異的5’−3’エキソヌクレアーゼ活性による検出可能なポリヌクレオチドプローブの開裂に依存する。本明細書において使用される「検出可能なポリヌクレオチドプローブ」の一例は、限定されるものではないが、先行技術に記載の蛍光モレキュラービーコン(molecular beacon)プローブである。
【0029】
本明細書において使用される用語「核酸」は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、または修飾ヌクレオチド、および一本鎖もしくは二本鎖形態のそれらのポリマーを指す。この用語は、参照核酸と類似の結合特性を有し、参照ヌクレオチドと同様の様式で代謝される、合成、天然存在、および非天然存在の公知のヌクレオチドアナログまたは修飾骨格の残基または結合を含有する核酸を包含する。このようなアナログの例としては、限定されるものではないが、2’修飾リボヌクレオチド(例えば、2’−O−メチルリボヌクレオチド、2’−Fヌクレオチド)が挙げられる。
【0030】
本明細書において使用される用語「修飾ヌクレオチド」は、ヌクレオシド、ヌクレオ塩基、ペントース環、またはリン酸基への1つ以上の修飾を有するヌクレオチドを指す。例えば、修飾ヌクレオチドは、アデノシン一リン酸、グアノシン一リン酸、ウリジン一リン酸、およびシチジン一リン酸を含有するリボヌクレオチドならびにデオキシアデノシン一リン酸、デオキシグアノシン一リン酸、デオキシチミジン一リン酸、およびデオキシシチジン一リン酸を含有するデオキシリボヌクレオチドを除く。修飾としては、ヌクレオチドを修飾する酵素、例えば、メチルトランスフェラーゼによる修飾から生じる天然存在のものが挙げられる。修飾ヌクレオチドとしては、合成または非天然存在のヌクレオチドも挙げられる。ヌクレオチド中の合成または非天然存在の修飾としては、2’修飾、例えば、2’−アルキル、例えば、2’−O−メチルおよび2’−メトキシエトキシ、2’−フルオロ、2’−ヒドロキシル(RNA)、2’−アリル、2’−O−[2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル]、4’−チオ、4’−CH
2−O−2’−架橋、4’−(CH
2)
2−O−2’−架橋、2’−LNA、および2’−O−(N−メチルカルバメート)を有するものまたは塩基アナログを含むものが挙げられる。
【0031】
「塩基置換」は、相補的ヌクレオチド鎖間のハイブリダイゼーションの顕著な破壊を引き起こさないヌクレオ塩基ポリマーの置換物を意味する。
【0032】
「特異的産物」は、テンプレートオリゴヌクレオチドの相補的標的配列へのハイブリダイゼーションおよびそれに続く標的配列のポリメラーゼ介在性伸長から生じる、ポリヌクレオチド産物を意味する。
【0033】
「ニッキングおよび伸長増幅の反応」は、関心対象のポリヌクレオチドの増幅をもたらす、ニッキングおよび伸長の交互のサイクルを意味する。
【0034】
「実質的に等温条件」は、単一温度におけるもの、または顕著に変動しない温度の狭い範囲内であるものを意味する。一実施形態において、実質的に等温条件下で実施される反応は、約1〜5℃だけしか変動しない(例えば、1、2、3、4または5度だけ変動する)温度において実施される。別の実施形態において、反応は、利用される装置の操作パラメータ内の単一温度において実施される。
【0035】
「ニッキング酵素」は、二本鎖核酸分子中の特異的構造を認識し、それに結合し、その認識した特異的構造への結合時に一本鎖上の隣接ヌクレオチド間のホスホジエステル結合を切断し、それにより、そのニック部位の上流の末端ヌクレオチド上に、エキソヌクレアーゼ欠損ポリメラーゼにより伸長させることができる遊離3’ヒドロキシル基を創成することができる、ポリペプチドを意味する。
【0036】
「ニック部位」は、ニッキング酵素により加水分解された二本鎖核酸分子の一方の鎖中の「切断された」ホスホジエステル結合の位置を意味する。
【0037】
「アンプリコン」は、関心対象のポリヌクレオチドの増幅の際に生成された一のポリヌクレオチドまたは複数のポリヌクレオチドを意味する。一例において、アンプリコンは、ポリメラーゼ連鎖反応の際に生成される。
【0038】
「半定量的」は、内部対照に基づく相対量の推定値を提供することを意味する。
【0039】
「量閾値方法」は、比較標準の量の超過または非超過のいずれかに基づく量の推定値を提供することを意味する。
【0040】
「増幅速度改変剤」は、ポリメラーゼ伸長の速度またはニッキング酵素による一本鎖ニッキングの速度のいずれかまたはその両方に影響を及ぼし得る薬剤を意味する。
【0041】
「反応をモニタリングすること」は、反応の進行を検出することを意味する。一実施形態において、反応進行をモニタリングすることは、ポリメラーゼ伸長を検出することおよび/または完結したNEAR反応を検出することを含む。
【0042】
「検出する」は、検出すべき分析物の存在、不存在または量を同定することを指す。
【0043】
「検出可能な部分」は、関心対象の分子に結合した場合にその分子を分光光度的、光化学的、生化学的、免疫化学的、または化学的手段を介して検出可能とする組成物を意味する。例えば、有用な標識としては、放射性同位体、磁気ビーズ、金属ビーズ、コロイド粒子、蛍光色素、高電子密度試薬、酵素(例えば、ELISAにおいて一般に使用されるもの)、ビオチン、ジゴキシゲニン、またはハプテンが挙げられる。
【0044】
「断片」は、核酸分子の一部を意味する。この一部は、好ましくは、参照核酸分子またはポリペプチドの全長の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%を含有する。断片は、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、または100ヌクレオチドを含有し得る。
【0045】
「ハイブリダイゼーション」は、相補的ヌクレオ塩基間のワトソン・クリック、フーグスティーンまたは逆フーグスティーン水素結合であり得る水素結合を意味する。例えば、アデニンおよびチミンは、水素結合の形成を介して対合する相補的ヌクレオ塩基である。
【0046】
「単離ポリヌクレオチド」は、本発明の核酸分子が由来する生物の天然ゲノム中における当該遺伝子の隣接遺伝子から分離された核酸(例えば、DNA)を意味する。したがって、この用語は、例えば、ベクター中;自己複製プラスミドもしくはウイルス中;もしくは原核生物もしくは真核生物のゲノムDNA中に組み込まれた;または、他の配列と独立した別個の分子(例えば、PCRまたは制限エンドヌクレアーゼ消化により産生されたcDNAまたはゲノム断片もしくはcDNA断片)として存在する、組換えDNAを含む。さらに、この用語は、DNA分子から転写されたRNA分子、および追加のポリペプチド配列をコードするハイブリッド遺伝子の一部である組換えDNAを含む。
【0047】
用語「単離」、「精製」または「生物学的に純粋な」は、天然状態では通常付随して見出される成分が様々な程度で除去された物質を指す。「単離する」は、元の資源または環境からのある程度の分離を示す。「精製する」は、単離よりも高度な分離の程度を示す。「精製された」または「生物学的に純粋な」タンパク質は、何らかの不純物がタンパク質の生物学的特性に実質的に影響を及ぼさず他の有害結果も引き起こさない程度に、他の物質が除去されている。すなわち、本発明の核酸またはペプチドは、それが組換えDNA技術により産生される場合には、細胞性物質、ウイルス性物質、あるいは培養培地が実質的に除去されており、化学合成される場合には、化学前駆体その他の化学物質が実質的に除去されている場合、精製されている。純度および均質性は、典型的には、分析化学技術、例えば、ポリアクリルアミドゲル電気泳動または高速液体クロマトグラフィーを使用して測定される。用語「精製」は、核酸またはタンパク質が電気泳動ゲル中で本質的に1つのバンドを生じさせることを示し得る。修飾、例えば、リン酸化またはグリコシル化に供することができるタンパク質については、異なる修飾により、別個に精製され得る異なる単離タンパク質が生じ得る。
【0048】
本明細書において使用される、「薬剤を得ること」という場合のような「得ること」は、その薬剤を合成すること、購入すること、またはその他の方法で取得することを含む。
【0049】
「参照」は、標準または対照条件を意味する。当業者に明らかなとおり、適切な参照は、ある要素の効果を決定するためにその要素を変更したものである。
【0050】
「ハイブリダイズする」は、種々のストリンジェンシーの条件下で相補的ポリヌクレオチド配列(例えば、本明細書に記載の遺伝子)間、またはその一部の間で二本鎖分子を形成するペアを意味する。(例えば、Wahl,G.M.and S.L.Berger(1987)Methods Enzymol.152:399;Kimmel,A.R.(1987)Methods Enzymol.152:507参照)。
【0051】
「対象」は、哺乳動物、例として、限定されるものではないが、ヒトまたは非ヒト哺乳動物、例えば、ウシ、ウマ、イヌ、ヒツジ、またはネコを意味する。
【0052】
「標的核酸分子」は、分析すべきポリヌクレオチドを意味する。このようなポリヌクレオチドは、標的配列のセンスまたはアンチセンス鎖であり得る。用語「標的核酸分子」は、元の標的配列のアンプリコンも指す。
【0053】
本明細書に提供される範囲は、その範囲内の値の全てについての略記であると解される。例えば、1から50の範囲は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50からなる群からの任意の数字、数字の組合せ、または部分範囲を含むと解される。
【0054】
特に記載されていたり文脈から明らかであったりしない限り、本明細書において使用される用語「または」は、包含的であると解される。特に記載されていたり文脈から明らかであったりしない限り、本明細書において使用される用語「a」、「an」、および「the」は、単数形または複数形であると解される。
【0055】
特に記載されていたり文脈から明らかであったりしない限り、本明細書において使用される用語「約」は、当技術分野における通常の許容範囲内、例えば、平均から2標準偏差以内と解される。約は、記述値から10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、または0.01%以内と解することができる。特に文脈から明らかでない限り、本明細書に提供される全ての数値は、約という用語により修飾される。
【0056】
本明細書における可変要素の定義における化学基の列挙の記載は、任意の単一基または列記される基の組合せとしてのその可変要素の定義を含む。本明細書における可変要素または態様についての実施形態の記載は、任意の単一の実施形態としての、または任意の他の実施形態またはその一部との組合せにおける実施形態を含む。
【0057】
本明細書に提供されるあらゆる組成物または方法は、本明細書に提供される他の組成物および方法のいずれかの1つ以上と組み合わせることができる。