(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6321745
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】オープントップコンテナの天蓋装置
(51)【国際特許分類】
B65D 90/02 20060101AFI20180423BHJP
B65D 88/58 20060101ALI20180423BHJP
【FI】
B65D90/02 K
B65D88/58
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-184963(P2016-184963)
(22)【出願日】2016年9月22日
(65)【公開番号】特開2018-47931(P2018-47931A)
(43)【公開日】2018年3月29日
【審査請求日】2016年11月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】516283603
【氏名又は名称】東京エコサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078695
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 司
(74)【代理人】
【識別番号】100186864
【弁理士】
【氏名又は名称】尾関 眞里子
(72)【発明者】
【氏名】桑野 雅史
【審査官】
矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】
実公昭47−026995(JP,Y1)
【文献】
実開昭60−010443(JP,U)
【文献】
実開昭63−032195(JP,U)
【文献】
特開平09−077189(JP,A)
【文献】
実開昭59−138586(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 88/00−90/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根の梁材である可動のルーフボウと天井幌であるターポリンとでソフトトップを形成し、スライダーをルーフボウに設け、このスライダーによりルーフボウが滑動するオープントップコンテナの天蓋装置において、切妻屋根型ソフトトップの内側に垂れ膜による水切りインナーを上端に重ね代を形成し、切妻屋根型ソフトトップの内側に貼着することでソフトトップ開閉方向に沿って設けるが、該水切りインナーはターポリンの周縁と間隔を存して平行するように垂下され、スライダーをその間に収めるようにしたことを特徴とするオープントップコンテナの天蓋装置。
【請求項2】
水切りインナーはソフトトップと同じ材質であるターポリンで形成し、ソフトトップの折り畳みとともに折り畳み可能とする請求項1記載のオープントップコンテナの天蓋装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オープントップコンテナの天蓋装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
海上輸送目的としたISO基準20フィートコンテナでオープントップ型ドライコンテナのうち、上部開放部分をターポリン等で電動・手動で開閉できるソフトトップを備えるドライコンテナがある。
【0003】
下記特許文献1のコンテナもその1つであり、
図9から
図12に示すように、フロアーアッセンプリ1の両側にはサイドパネル2を設け、その一端にはフロントエンドパネル3を設け、他端にはリアーエンドパネル4を設けて、それらの上方にルーフパネルが設けられていないオープントップコンテナタイプである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭63−32195号公報
【0005】
そして、サイドパネル2上部に設けたトップサイドレール5に適数のルーフポウ6をスライド自在に係合させた。
【0006】
トップサイドレール5の上方に外方を開口した中空のガイドレール7を設け、前記ルーフポウ6の下端に設けたローラ8を該ガイドレール7に係合させてルーフポウ6をスライド自在とする。
【0007】
ルーフボウ6はそれぞれが倒れたりすることなく、しかも等聞隔を保ってスライドする。
【0008】
前記の下端にローラ8を有するルーフボウ6間に、両側からリンク9により支持される上下動自在の可動ルーフボウ10を設け、その上面にソフトトップであるターポリン11を張設した。
【0009】
なお、該ターポリン11はそれを広げた位置において適宜方法でそれぞれルーフボウ6及び可動ルーフボウ10に固定され、さらに周縁がコンテナの外周に乖下する大きさである。
【0010】
図中12は軸着ピン、13はターポリン固定用のロープ、14はロープフックである。
【0011】
フロントエンドドパネル3の一側にコーナーポスト16からヒンジ17を介して開閉扉15を設け、さらにその外側面にロッキングバー18を上下動自在に設け、その上下端に設けたカム19はコンテナ本体側に設けたカムキーパー20と係合自在とする。図中21はロッキングハンドルである。
【0012】
リアーエンドパネル4の略下半部に下端開閉扉22を設け、該下端開閉扉22は、その上端がヒンジ23でコンテナ本体側に止着し、さらにその外側面に横方向ロッキングバー24を設け、その両端に設けたカム25をコンテナ本体側に設けたカムキーパー26と係合自在とした。図中27はロッキングハンドルである。
【0013】
粉粒体の積込み時にはルーフボウ6及び可動ルーフボウ10がスライドさせてルーフ部の一端に集める。
【0014】
その結果、その上面に張設されたターポリン11も同様に折畳まれ、ルーフ部が開放され、上方からの粉粒体の投入が可能となる。
【0015】
そして、積込み完了後はルーフボウ6及び可動ルーフボウ10をスライド復帰させればターポリン11が広げられ、上記開放部が閉塞される。
【0016】
つぎに、コンテナの外周に垂下されたターポリン11の周縁をターポリン固定用のロープ13により、固縛して輸送に供する。
【0017】
到着地においての荷下しはロッキングハンドル27によりロッキングバー24を操作し、その両端のカム25をコンテナ本体側のカムキーパー26から外し、さらにフロントエンドパネル3側を上方に位置させれば、下端開閉扉22の下端が粉粒体及び自重により開放され、一括排出することができる。
【0018】
そして、さらに、使用後の内部点検、内部清掃時には開閉扉15が開け、そこから作業員は出入りする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
前記特許文献1のオープントップコンテナではターポリン11の張設は平坦の平屋根タイプであるが、
図7に示すような切妻屋根型ソフトトップの場合ではターポリン11の張設は山型となる。
【0020】
粉粒体として一般廃棄物を焼却した主灰を移送する際、コンテナ内部温度と外気の温度差で、コンテナ内部の天井(ソフトトップ)に結露が発生する。
【0021】
前記のごとく、ターポリンはそれを広げた位置において周縁がコンテナの外周に乖下する大きさであり、切妻屋根型ソフトトップの場合、コンテナ天井は構造上切妻になっており結露がこの傾斜を伝わり、コンテナ側面に流れ出す可能性がある。
【0022】
本来、結露水は蒸留水のため、中性であるが、コンテナ内部は焼却灰が飛散しコンテナ内面に付着しており、水と接触すると水酸化物イオンを生成して、アルカリ性を示す傾向にあるため、コンテナ外部に流出させないことが望ましい。
【0023】
本発明の目的は前記事情に鑑み、天井部の切妻を伝わり流れ落ちる結露水がコンテナ側壁外側へ流出するのを防止できるオープントップコンテナの天蓋装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
前記目的を達成するため本発明は、第1に、
屋根の梁材である可動のルーフボウと天井幌であるターポリンとでソフトトップを形成し、スライダーをルーフボウに設け、このスライダーによりルーフボウが滑動するオープントップコンテナの天蓋装置において、切妻屋根型ソフトトップの内側に垂れ膜による水切りインナーを
上端に重ね代を形成し、切妻屋根型ソフトトップの内側に貼着することでソフトトップ開閉方向に沿って設けるが、該水切りインナーはターポリンの周縁と間隔を存して平行するように垂下され、スライダーをその間に収めるようにしたこと、第
2に、水切りインナーはソフトトップと同じ材質であるターポリンで形成し、ソフトトップの折り畳みとともに折り畳み可能とすることを要旨とするものである。
【0025】
請求項1記載の本発明によれば、コンテナのソフトトップ内側に水切りインナーを取り付けることより、天井部の切妻を伝わり流れ落ちる結露水を側壁に到達する前に、垂れ下げたインナーで下方向に結露水を誘導し、側壁からの流出を防止することができる。
【0026】
また、水切りインナーをコンテナのソフトトップ内側に取り付けるのに、縫い合わせ、もしくは接着により簡単に設けることができる。
【0027】
請求項
2記載の本発明によれば、前記作用に加えて、水切りインナーはソフトトップと同じ材質であるターポリンで形成したので、ソフトトップの折り畳みとともに折り畳み可能となり、収納に邪魔になることはない。
【発明の効果】
【0028】
以上述べたように本発明のオープントップコンテナの天蓋装置は、天井部の切妻を伝わり流れ落ちる結露水が側壁からの流出を防止することができものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明のオープントップコンテナの天蓋装置の1実施形態を示す縦断正面図である。
【
図2】本発明のオープントップコンテナの天蓋装置の1実施形態を示す部分縦断正面図である。
【
図3】本発明で使用するコンテナの天蓋装置を閉じた状態の側面図である。
【
図5】本発明で使用するコンテナのオープントップコンテナのタ―ポリンを省略した状態の側面図である。
【
図7】従来の切妻屋根型ソフトトップの場合の説明図である。
【
図8】本発明による切妻屋根型ソフトトップの場合の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明のオープントップコンテナの天蓋装置の1実施形態を示す縦断正面図、
図2は同部分縦断正面図である。
【0031】
先にコンテナ全体を説明すると、
図3〜
図6に示すように、4隅に4本の支柱30を立設したフロアーアッセンプリ1の両側にはサイドパネル2を設け、その一端にはフロントエンドパネル3を設け、他端にはリアーエンドパネル4を設けて、それらの上方にルーフパネルが設けられていないオープントップコンテナタイプである。
【0032】
コンテナの開閉式天蓋31として、屋根の梁材である可動のルーフボウ32と天井幌であるターポリン33とでソフトトップを形成した。
【0033】
図2、
図5に示すように、サイドパネル2上部にトップサイドレール5を設け、前記ルーフボウ32はこのトップサイドレール5に沿ってスライドするが、L字形の硬質(MC)ナイロンによるスライダー38をルーフボウ32に設け、このスライダー38によりルーフボウ32は滑動する。
【0034】
また、ルーフボウ32は間隔を存して複数ならび、ターポリン33は裏側幅方法に形成する筒部の中にルーフボウ32を通してルーフボウ32に結合する。
【0035】
天蓋31の開閉は手動であり、開閉機構として、スライダー38に牽引ワイヤー35を通し、この牽引ワイヤー35をガイドローラ36によりコンテナ下部に設ける操作ハンドル37に誘導する。
【0036】
このようにして操作ハンドル37を回せば、牽引ワイヤー35によりスライダー38が動き、これによりルーフボウ32は相互間隔変化させ、ルーフボウ32同士を離間させて展開し、また、コンテナ端部に集めて、ターポリン33の展開もしくは折り畳みが行われる。
【0037】
コンテナへの粉粒体、例えば焼却灰の投入はターポリン33を折畳み、ルーフ部を開放して、上方から行う。
【0038】
そして、積込み完了後はターポリン33が広げられ、上記開放部が閉塞される。
【0039】
つぎに、コンテナの外周に垂下されたターポリン33の周縁をターポリン固定用のロープ13により、固縛して輸送に供する。
【0040】
到着地においての荷下しは
図4に示すようにトラック荷台をチルトさせ、コンテナを傾けてフロントエンドパネル3側を上方に位置させれば、一括排出することができる。
【0041】
本発明におけるルーフボウ32は中央部が高くなる山形をなすものである。
【0042】
ルーフボウ32に張設されるソフトトップであるターポリン33も山形に張られ、ソフトトップは切妻屋根型のものとして形成される。
【0043】
なお、該ターポリン33はそれを広げた位置において周縁がコンテナの外周に乖下する大きさである。
【0044】
本発明は前記切妻屋根型ソフトトップの内側に垂れ膜による水切りインナー34をソフトトップ開閉方向に沿って設けた。
【0045】
水切りインナー34もソフトトップを構成するターポリン33と同じ材質であるターポリン(フィラメント糸(長繊維)にフィルム貼りをしたもの)で形成し、ソフトトップの折り畳みとともに折り畳み可能である。
【0046】
前記スライダー38は一部トップサイドレール5より外側に張り出すが、水切りインナー34はターポリン33の周縁と間隔を存して平行するように垂下され、スライダー38はその間に収まる。
【0047】
水切りインナー34のターポリン33への取り付けは、水切りインナー34の上端に重ね代34aを形成し、切妻屋根型ソフトトップの内側に縫い合わせる等で貼着した。
【0048】
このようにして切妻屋根型ソフトトップが展張された場合には、水切りインナー34はトップサイドレール5よりコンテナの内側に垂れ下がり、
図8の矢印に示すように、展開したソフトトップの内側に付着して流れ落ちる結露水は水切りインナー34により、コンテナの外周に乖下するエンドを伝わってコンテナ外にでることなく、コンテナ内へ誘導される。
【0049】
また、ソフトトップを折り畳む場合には、水切りインナー34はターポリン33とともに折り畳まれ、邪魔になることはない。
【符号の説明】
【0050】
1…フロアーアッセンプリ
2…サイドパネル
3…フロントエンドパネル
4…リアーエンドパネル
5…トップサイドレール
6…ルーフボウ
7…ガイドレール
8…ローラ
10…可動ルーフボウ
11…ターポリン
12…軸着ピン
13…ターポリン固定用のロープ
14…ロープフック
15…開閉扉
16…コーナーポスト
17…ヒンジ
18…ロッキングバー
19…カム
20…カムキーパー
21…ロッキングハンドル
22…下端開閉扉
23…ヒンジ
25…カム
24…ロッキングバー
26…カムキーパー
27…ロッキングハンドル
30…支柱
31…天蓋
32…ルーフボウ
33…ターポリン
34…水切りインナー
34a…重ね代
35…牽引ワイヤー
36…ガイドローラ
37…操作ハンドル
38…スライダー