特許第6321775号(P6321775)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティドの特許一覧

特許6321775原繊維性微細構造及び破砕性コーティングを有する多孔質材料
<>
  • 特許6321775-原繊維性微細構造及び破砕性コーティングを有する多孔質材料 図000002
  • 特許6321775-原繊維性微細構造及び破砕性コーティングを有する多孔質材料 図000003
  • 特許6321775-原繊維性微細構造及び破砕性コーティングを有する多孔質材料 図000004
  • 特許6321775-原繊維性微細構造及び破砕性コーティングを有する多孔質材料 図000005
  • 特許6321775-原繊維性微細構造及び破砕性コーティングを有する多孔質材料 図000006
  • 特許6321775-原繊維性微細構造及び破砕性コーティングを有する多孔質材料 図000007
  • 特許6321775-原繊維性微細構造及び破砕性コーティングを有する多孔質材料 図000008
  • 特許6321775-原繊維性微細構造及び破砕性コーティングを有する多孔質材料 図000009
  • 特許6321775-原繊維性微細構造及び破砕性コーティングを有する多孔質材料 図000010
  • 特許6321775-原繊維性微細構造及び破砕性コーティングを有する多孔質材料 図000011
  • 特許6321775-原繊維性微細構造及び破砕性コーティングを有する多孔質材料 図000012
  • 特許6321775-原繊維性微細構造及び破砕性コーティングを有する多孔質材料 図000013
  • 特許6321775-原繊維性微細構造及び破砕性コーティングを有する多孔質材料 図000014
  • 特許6321775-原繊維性微細構造及び破砕性コーティングを有する多孔質材料 図000015
  • 特許6321775-原繊維性微細構造及び破砕性コーティングを有する多孔質材料 図000016
  • 特許6321775-原繊維性微細構造及び破砕性コーティングを有する多孔質材料 図000017
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6321775
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】原繊維性微細構造及び破砕性コーティングを有する多孔質材料
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/06 20130101AFI20180423BHJP
   A61F 2/07 20130101ALI20180423BHJP
【FI】
   A61F2/06
   A61F2/07
【請求項の数】15
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-500785(P2016-500785)
(86)(22)【出願日】2014年3月7日
(65)【公表番号】特表2016-515859(P2016-515859A)
(43)【公表日】2016年6月2日
(86)【国際出願番号】US2014021554
(87)【国際公開番号】WO2014149927
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2016年12月22日
(31)【優先権主張番号】14/198,901
(32)【優先日】2014年3月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/787,989
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087871
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 積
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】カリー ジェイ.コバック
【審査官】 白川 敬寛
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−528066(JP,A)
【文献】 特開平02−000645(JP,A)
【文献】 特表2005−530549(JP,A)
【文献】 特開2001−231867(JP,A)
【文献】 米国特許第05899935(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/02− 2/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原繊維の微細構造を有する第一の材料を含む埋め込み可能な物品であって、前記原繊維の大部分が実質的に湾曲した形状にあり、且つ、前記湾曲した原繊維の大部分が、前記第一の材料と異なる破砕性材料によって実質的に湾曲した形状において拘束されている、埋め込み可能な物品であって、
ここで、前記物品は、該物品の通常の使用中、所定方向に適用される力によって、破砕性材料の破壊及び湾曲した原繊維の直線化が引き起こされ、少なくとも1つの寸法において伸展するように構成されている埋め込み可能な物品。
【請求項2】
前記第一の材料が多孔質延伸ポリテトラフルオロエチレンである、請求項1に記載の埋め込み可能な物品。
【請求項3】
前記破砕性材料がフッ素化エチレンプロピレンである、請求項1に記載の埋め込み可能な物品。
【請求項4】
前記第一の材料が多孔質延伸ポリテトラフルオロエチレンである、請求項3に記載の埋め込み可能な物品。
【請求項5】
前記物品が、長さ、幅及び厚みを有し、且つ、前記寸法が長さ寸法である、請求項1に記載の埋め込み可能な物品。
【請求項6】
前記物品が管状物品であり、且つ、前記寸法が前記管状物品の直径である、請求項1に記載の埋め込み可能な物品。
【請求項7】
前記管状物品が血管グラフトである、請求項6に記載の埋め込み可能な物品。
【請求項8】
前記管状物品がステントグラフトである、請求項6に記載の埋め込み可能な物品。
【請求項9】
前記管状物品が直径で最大約50%伸展し得る、請求項6に記載の埋め込み可能な物品。
【請求項10】
前記物品が管状物品であり、且つ、前記寸法が前記管状物品の長さである、請求項1に記載の埋め込み可能な物品。
【請求項11】
前記管状物品が血管グラフトである、請求項10に記載の埋め込み可能な物品。
【請求項12】
前記管状物品が長さで最大約50%伸展性である、請求項11に記載の埋め込み可能な物品。
【請求項13】
前記物品がシートの形態である、請求項1に記載の埋め込み可能な物品。
【請求項14】
前記物品が少なくとも2つの方向に伸展するように構成されている、請求項1に記載の埋め込み可能な物品。
【請求項15】
前記物品が管状血管グラフトであり、且つ、前記少なくとも2つの方向が長さ方向と直径方向である、請求項14に記載の埋め込み可能な物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常使用の間、張力を加えることによって、少なくとも1つの寸法に不変的に伸展可能である原繊維から成る多孔質材料に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な埋め込み可能な医療機器を含めた様々な市販の物品が、原繊維性微細構造を有する多孔質材料から製造されている。これらの材料の例としては、多孔質延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、並びに延伸ポリエチレン及びポリプロピレンを挙げることができる。これらの原繊維から成る多孔質材料から作られた物品としては、織物、バッテリー膜、様々なフィルタ、電気絶縁体、そして、血管グラフト、組織修復パッチ、縫合及びステントグラフトを含めた様々な医療機器が挙げられる。これらのような物品を製造するのに使用される多孔質材料は、例えば、シート、薄いフィルム及びチューブの形態をとり得る。これらの物品のうちのいくつかの物理的公称寸法は、特に原繊維の主な方向に対して実質的に平行な方向で、これらの材料に圧縮力を加えることによって変化(減少)し得ることが知られている。その材料が加えられた圧縮力により利用可能な隙間に動かされるので、これらの材料に加えられた圧縮力は多孔度の減少(すなわち、かさ密度の上昇;隙間体積の減少)をもたらす。全体的な原繊維の方向性のある配向に対して実質的に平行方向でこれらの原繊維性材料に加えられた圧縮力は、以前の実質的に真っ直ぐな原繊維の折れ曲がりをもたらす。そして、圧縮された材料は、原繊維の湾曲した形態が不変となるのに好適な時間及び温度で加熱されてもよい。これらの形成された湾曲した原繊維を有するように加工された原繊維性材料は、原繊維の方向性のある配向に対して一般的に平行方向に張力を加えることによって、通常伸展可能である。張力の解放によって、通常、これらの材料は伸展した長さの大部分又はすべてを元に戻す。原繊維から成る材料において湾曲した原繊維を形成するための圧縮の使用は、House及びMyersに対する米国特許第5,308,664号で教示されている。
【0003】
さまざまな目的で様々な材料のコーティングが原繊維から成るポリマー基板に適用されることもまた知られている。そのような基板への熱可塑性コーティングは、物品の別の部品を一緒に接着するための接着剤として使用されることがある。例えばePTFEに貼り付けられるフッ素化エチレンプロピレン(FEP)の熱可塑性コーティングは、Myersらに対する米国特許第5,735,892号によって教示されている。
【0004】
しかしながら、いくつかの適用に関して、伸展張力の解放後に部分的に又は完全に伸展された寸法において維持されることは、製品にとって有利であり得る。湾曲した原繊維の微細構造を有する多孔質基板材料に適用される破砕性コーティングは、正常使用の間、張力の適用によって少なくとも1つの寸法が不変的に増加され得る物品を作製するのに使用され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
湾曲した原繊維を有する原繊維から成る多孔質材料に適用されるコーティングは、そのような材料から作られた物品のサイズの大きさが伸展力の適用によって不変的に増大されることを可能にする。1つの好適な前駆多孔質基板材料は、House及びMyersに対する米国特許第5,308,664号によって教示されているように、全体としての原繊維の方向性のある配向に対して実質的に平行な方向に圧縮されたePTFEである(前記特許の全体を参照により本明細書中に援用する)。前記コーティングは、その物品の正常使用の中の張力の意図的な適用下で破砕性材料を提供するために固まる任意の材料であってもよい(例えば、溶液型コーティング)。前記コーティングは原繊維の折れ曲がり前に適用されても又はその後に適用されてもよい。特にePTFE基板を有する使用のために、前記コーティングは、例えば、熱可塑性重合物質であってもよく、より特にFEPなどの熱可塑性フッ素重合体であってもよい。
【0006】
コーティング材は、原繊維から成る多孔質基板材料の一面に付されても若しくは両面に付されてもよく、又はその代わりに、基板の隙間に含浸されてもよい。ある程度の含浸は、基板表面に付されるコーティングでも起こり得る。熱可塑性プラスチック材料以外のコーティング材としては、例えば、様々なポリイミドが挙げられる。コーティング材の量とコーティング厚は、製造されている物品の要件に基づいて決定される必要がある。
【0007】
本明細書中に教示されているように作られた物品は、シート、ロッド、チューブの形態であっても、又は少なくとも1つの方向で伸展可能なように作られることから恩恵を受け得るその他の形態でもあってもよい。シート物品を作る一つのやり方は、長いチューブを選び、そして、その壁厚を貫いて縦にそれを切ることである。
【0008】
基板材料の原繊維は、一般に、米国特許第5,308,664号によって教示されているように曲げられる必要がある。湾曲した原繊維の存在が、原繊維の配向の方向での伸展性を基板材料に提供する;すなわち、材料の長さは、湾曲した原繊維が実質的に真っ直ぐな形状に引き伸ばされるまで徐々に伸展されてもよい。本明細書中に記載したような原繊維から成る多孔質基板が(それらの湾曲した形態で原繊維を拘束する)好適な破砕性コーティングを伴って提供されるとき、それは、コーティング材を破壊し、その結果、材料の少なくとも1つの寸法が湾曲した原繊維の直線化によって伸展されることを可能にするのに十分な伸展力の適用によって、全体的な原繊維の配向の方向で伸展され得る。
【0009】
ePTFEなどの基板材料は、ePTFEフィルムなどの薄フィルムの覆い被せ又は巻き付けで提供されてもよい。前記フィルムは、そのフィルム中の原繊維の配向の主な方向が基板の原繊維配向の主な方向と異なった方向に配向されるように、基板層に加えられ得る;同様に、これらの2つの層の原繊維の配向は同じ方向であってもよい。フィルムと基板のそのようなラミネートは、基板層か膜層のいずれか、又はその両方の層に湾曲した原繊維が提供されてもよい。ラミネートが(フィルムと)異なった基板層なしに(所望したように配向された個々の層を有する)多層のフィルムを含んでいてもよいこともまた明らかである。フィルムと基板のラミネートの使用はePTFE材料で知られている。本明細書中に記載したような物品の製造のために特に有用なePTFEフィルムは、Bacinoに対する米国特許第5,476,589号によって教示されている(前記特許の全体を参照により本明細書中に援用する)。
【0010】
本明細書中に記載したコート材料は、開業医がそのようなデバイスの長さ、直径又は長さと直径の両方が不変的に増大できることが望まれ得るときに、特に血管グラフトやステントグラフトなどの埋め込み可能な医療機器に有用であることが予想される。長さの伸展のために、伸展力は、手で加えられ得る長軸方向に配向した張力である。直径の増大のために、通常、伸展力はデバイスの穴の中でのカテーテルバルーンの膨張によって適用されるだろう。バルーンは管状デバイスの壁厚と反対の方向に外へ向かう力を発揮するが、その外へ向かう力は、円周方向に配向する張力に変換されて、円周方向に配向する湾曲した原繊維の直線化、そして、破砕性コーティング材の破壊を引き起こす。
【0011】
本明細書中に記載したように作製されたグラフトは、血管処置区間に合うようにデバイス直径のカスタマイズすることを可能にできる。テーパーになっている血管をより容易に処置することができる。小さな血管内に過度に大きな直径のグラフトを当てはめることに起因したグラフト材料を膨らますことのリスクは低減されるか又は排除され、これにより実質的にしわのない管腔を提供する。本明細書中に教示したように作製された所定のデバイスがより従来型の技術で作製されたデバイスより幅広い範囲の血管サイズを処理するのに使用できるので、患者集団を処理するのに必要なデバイスサイズの数は削減できる。そのようなデバイスの様々な適用としては、末梢適用及び動脈瘤修復のためのステントグラフト、透析のための血管グラフトの一端若しくは両端に提供されるステントグラフト、小児シャント及び肝臓のグラフトが挙げられる。血管によって拘束される自己拡張型ステントに比べて、自己拡張型ステントを拘束するための本明細書中に記載した破砕性コーティングの使用によって、血管壁に対する自己拡張型ステントグラフトの半径方向の力は最小化されることもまた注目に値する。
【0012】
これらのグラフト製品のいずれかで、当該技術分野で知られている治療薬(例えば、抗血液凝固剤)を提供してもよい。いくつかの適用において、治療薬は破砕性コーティングと共に組み込まれてもよい。他の適用は、原繊維から成る基板のコートされていない表面、例えば直接的にePTFE表面に対して治療薬の適用を伴ってもよい。
【0013】
かかるデバイスの作製方法は(さらに記載するように)、薄い原繊維から成るフィルムを巻き付けた管状の原繊維から成る基板(例えば、チューブの縦軸に対して実質的に平行な方向に配向する原繊維を有する長軸方向に押出成形され且つ延伸されたePTFEチューブ)の使用を伴う。巻き付けは、最初にマンドレル上に基板チューブを一時的に配置することで最も容易に達成される。前記巻き付けは、好ましくは、テープの長さに対して平行であるフィルムの原繊維性微細構造の配向の主な方向を有する、テープ状に裁断されたフィルムを使用した螺旋状の巻き付けである。前記テープは、巻き付けステップ前に破砕性材料のコーティングが施される。この破砕性材料はまた、巻き付けられたテープを基板チューブに付着させる接着剤としても役立ち、その場合、該巻き付けは、テープのコート側が基板に面するようにおこなわれる。前記コーティングが熱可塑性プラスチック材料であれば、(まだ一時的なマンドレル上にある)巻き付けられた基板チューブはコーティングがテープと基板との間の接着を確実にする程度の溶解を引き起こすのに十分なくらい加熱され得る。前記マンドレルは、加熱ステップ後に取り除かれてもよい。
【0014】
長軸方向への伸展性デバイスを所望するのであれば、そのときには、基板チューブには主に長軸方向に配向する湾曲した原繊維を提供しなければならない。直径方向への伸展性デバイスを所望するのであれば、そのときには、螺旋状に巻き付けられたフィルムの適用に続いて、デバイスの直径が凝縮されて(すなわち、小さくされて)、フィルムの円周方向に配向する原繊維が曲がる原因となる。その凝縮力は実質的に圧縮力である。この凝縮は、先に記載した加熱ステップステップ前に達成されても又はその最中に達成されてもよい。長軸方向と円周方向の両方に伸展性である長軸方向と円周方向の両方に配向する湾曲した原繊維を有するそのようなデバイスを作製することも可能である。
【0015】
代替法は、原繊維によって相互接続するノードから成る微細構造を有する原繊維から成る多孔質材料を、そのノードの座屈及び折り重ねを引き起こすのに十分な量で、そのノード長の配向に対して平行な方向で材料に圧縮をかけることによって改変することを伴う。これは好ましくは、材料の巨視的に目に見えるしわを生じない様式で達成される。折り重ねられたノードの形態を固定するのに十分なくらいノードが折り畳まれた後に、加熱が加えられ得る。そのような材料はそれに続いて、十分な張力をかけることによってほぼその圧縮前の寸法に戻るまでノード長さの方向に伸展され得る。
【0016】
Multi-stage Expandable Stent-Graftと題されたVoneshらに対する米国特許第6,336,937号では、それに続いてカテーテルバルーンによりもっと大きい直径に調整され得る自己拡張型デバイスであるステントグラフトを作製する方法を教示している。この特許の方法は本明細書中で教示した方法と異なっているが、US6,336,937の全体を参照により本明細書中に援用する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本明細書中に記載したように作製された約5cmの長さのステントグラフの光学顕微鏡写真である。デバイスの長さの約半分がカテーテルバルーンによって4mmの内径から6mmの内径に拡張された。
【0018】
図2図2は、本明細書中に記載したデバイスを作製するのに使用したFEPコートしたePTFEフィルムのePTFE側の走査電子顕微鏡写真である。
【0019】
図3図3は、本明細書中に記載したデバイスを作製するのに使用したFEPコートしたePTFEフィルムのFEPコートした側の走査電子顕微鏡写真である。
【0020】
図4図4は、本明細書中に記載したステントグラフトを作製するのに使用したときの、6mmの内径のePTFE基板チューブの管腔表面の走査電子顕微鏡写真である。
【0021】
図5図5は、基板チューブに面しているFEPと共に適用されるFEPコートしたePTFEフィルムを螺旋状に巻き付けた図4のePTFE基板チューブの反管腔側表面の走査電子顕微鏡写真である。
【0022】
図6図6は、本明細書中に記載したステントグラフトを作製するのに使用し、続いて、ステントグラフト(半径方向への圧縮と加熱を用いた)の4mmの内径に凝縮したときの、ePTFE基板チューブの管腔表面の走査電子顕微鏡写真である。
【0023】
図7図7は、本明細書中に記載したステントグラフトを作製するのに使用し、続いて、4mmの内径に((変則的に、例示のためだけに)熱を加えることなく半径方向への圧縮を用いて)凝縮したときの、ePTFE基板チューブの反管腔側表面の走査電子顕微鏡写真であって、FEPがePTFEフィルムを通り抜けてそのフィルムの外面まで浸透していないことを示している。
【0024】
図8図8は、本明細書中に記載したステントグラフトを作製するのに使用し、続いて、4mmの内径に((典型的な)半径方向への圧縮及び加熱の適用を用いて)凝縮したときの、ePTFE基板チューブの反管腔側表面の走査電子顕微鏡写真であって、ePTFEフィルムを通り抜けてそのフィルムの外面までのFEPの浸透を示している。
【0025】
図9図9は、本明細書中に記載したステントグラフトを作製するのに使用し、続いて、4mmの内径までステントグラフトを(半径方向圧縮と熱を伴う)凝縮し、今度は、6mmの内径までカテーテルバルーンを用いてステントグラフトを拡張したときの、ePTFE基板チューブの管腔表面の走査電子顕微鏡写真である。
【0026】
図10図10は、図9に示したステントグラフトの反管腔側表面の走査電子顕微鏡写真である。
【0027】
図11図11は、直径方向伸展性ePTFE血管グラフトの製造に関わる基本ステップのフローチャートを記載する。
【0028】
図12図12は、直径方向伸展性ステントグラフトの製造に使用されるホットボックスチャンバーの長軸方向の断面図である。
【0029】
図13図13は、原繊維によって相互接続しているノードの微細構造を有するePTFEフィルムの走査電子顕微鏡写真である。
【0030】
図14図14は、ノード長の向きでフィルムに圧縮を加え、そして、ノードの折り重なり(すなわち、湾曲したノード)を生じさせた後に撮影した、(図13で)原繊維によって相互接続しているノードの微細構造を有するePTFEフィルムの走査電子顕微鏡写真である。
【0031】
図15図15は、それ自体の上に折り返されている湾曲したノードの走査顕微鏡写真である。
【0032】
図16図16は、原繊維によって相互接続しているノードの微細構造を有するePTFEフィルムの走査電子顕微鏡写真である、ここで、前記ノードは図14で折り重ねられ、続いて、ノードを実質的に真っすぐにするのに十分なくらい、ノード長の向きに張力が加えられた。 発明の詳細な説明
【0033】
先に記載したように、血管グラフトやステントグラフトなどの伸展性医療機器の製造のために、ePTFEフィルムはePTFE基板で使用されることが好まれる。これらのePTFEフィルムのための(特に埋め込み型医療機器のための)好ましい破砕性コーティングはFEPである。本明細書中に記載したFEPコートした多孔質延伸PTFEフィルムは以下のステップ:
a)多孔質PTFEを、好ましくはFEPのフィルム、或いは別の熱可塑性高分子のフィルムである別の層と接触させ;
b)ステップa)で得られた組成物を、前記熱可塑性高分子の融点を超える温度まで加熱し;
c)前記熱可塑性高分子の融点を超える温度を維持しながら、ステップb)の加熱組成物を延伸し;そして
d)ステップc)の生成物を冷ますこと、
を含むプロセスで作製された。
【0034】
FEPに加えて、熱可塑性フッ素重合体を含めた他の熱可塑性重合体もまた、このコーティング膜を作るのに使用されてもよい。多孔質延伸PTFEフィルム上のコーティングは、主に延伸の量と速度、延伸中の温度、及び延伸前の接着剤の厚さに依存して連続していても(無孔質)又は不連続であってもよい(多孔質)。コートしたフィルムは、管状基板に巻き付けるためのテープ状に容易に裁断され得る。
【0035】
(特に別段の記載がない限り)本明細書中に記載したデバイスを構築するのに使用される不連続にFEPコートされた多孔質延伸PTFEフィルムは、約0.025mmの厚さであった。このコートフィルムのePTFE部分には、約0.6g/ccのかさ密度があり;選ばれたフィルムは、Bacinoに対する米国特許第5,476,589号によって教示されているように一般的に作製したePTFEフィルムであった。
【0036】
以下の走査電子顕微鏡写真は、本明細書中に記載した製造例のために選ばれた材料の概説として提供される。画像は、ステントグラフトの製造における様々な段階のこれらの材料を描写しており、また、完成したステントグラフトの材料に対するその後のバルーン拡張の影響も例示している。顕微鏡写真は、下縁にラベルを付した顕微鏡写真を見るときには、例示した管状構造の長軸が水平になるように向きを合わせた。
【0037】
図1は、本明細書中に記載したように作製された約5cmの長さのステントグラフの光学顕微鏡写真である。デバイスの長さの約半分がカテーテルバルーンによって4mmの内径から6mmの内径に拡張された。
【0038】
図2は、先に記載したようにFEPコートしたePTFEフィルムを使用して、本明細書中に記載したデバイスを作製するのに使用したFEPコートしたePTFEフィルムのePTFE側の走査電子顕微鏡写真である。
【0039】
図3は、図2に示したフィルムの走査電子顕微鏡写真であって、FEPコートしたePTFEフィルムの反対側の、不連続にFEPコートした側を示している。
【0040】
図4は、本明細書中に記載したステントグラフトを作製するのに使用したときの、6mmの内径のePTFE基板チューブの管腔表面の走査電子顕微鏡写真である。
【0041】
図5は、基板チューブに面しているFEPと共に適用されるFEPコートしたePTFEフィルムを螺旋状に巻き付けた図4のePTFE基板チューブの反管腔側表面の走査電子顕微鏡写真である。
【0042】
図6は、本明細書中に記載したステントグラフトを作製するのに使用し、続いて、ステントグラフト(半径方向への圧縮と加熱を用いた)の4mmの内径に凝縮したときの、ePTFE基板チューブの管腔表面の走査電子顕微鏡写真である。
【0043】
図7は、本明細書中に記載したステントグラフトを作製するのに使用し、続いて、4mmの内径に((変則的に、例示のためだけに)熱を加えることなく半径方向への圧縮を用いて)凝縮したときの、フィルムを巻き付けたePTFE基板チューブの反管腔側表面の走査電子顕微鏡写真であって、該フィルムの湾曲した原繊維を示し、且つ、FEPがePTFEフィルムを通り抜けてそのフィルムの外面まで浸透していないことを示している。
【0044】
図8は、本明細書中に記載したステントグラフトを作製するのに使用し、続いて、4mmの内径に((典型的な)半径方向への圧縮及び加熱の適用を用いて)凝縮したときの、フィルムを巻き付けたePTFE基板チューブの反管腔側表面の走査電子顕微鏡写真であって、ePTFEフィルムを通り抜けてそのフィルムの外面までのFEPの浸透を示している。
【0045】
図9は、本明細書中に記載したステントグラフトを作製するのに使用し、続いて、4mmの内径までステントグラフトを(半径方向圧縮と熱を伴う)凝縮し、今度は、6mmの内径までカテーテルバルーンを用いてステントグラフトを拡張したときの、ePTFE基板チューブの管腔表面の走査電子顕微鏡写真である。
【0046】
図10は、図9に示したステントグラフトの反管腔側表面の走査電子顕微鏡写真である。
【実施例】
【0047】
実施例1:直径方向に調節可能な血管グラフト
次の記載は、その血管グラフトの管腔内に一時的に配置されたカテーテルバルーンの膨らみによって直径が増大され得る、直径方向伸展性血管グラフトを作製するのに使用される方法の説明である。バルーン伸展性血管グラフトの作製のために記載した方法は、バルーン伸展性ステントグラフトの作製のために以下で記載した方法と類似している。本明細書中に記載した血管グラフトに関する実施例は、4mmの内径から6mmの内径までの直径方向伸展性であるように作製され;より広範囲の伸展性が可能である。この製造プロセスのフローチャート概要を図11に記載する。
【0048】
最初に、長軸方向に押出成形及び延伸したePTFEチューブを得、そして、該チューブは、6mmの内径、15cmの長さ、0.6mmの壁厚及び約22ミクロン(μm)の平均原繊維長を有していた。このチューブを、6mmの外径(OD)のステンレス製マンドレルに取り付けた。そして、そのチューブに、該ePTFEチューブの外面に対してフィルムのFEPコートした側面を用いて、先に記載したタイプの12.7mm幅のフィルムの4層の螺旋状の巻き付けをおこなった。これにより、該フィルムの原繊維の多くが、マンドレル及びePTFE基板チューブに対して実質的に円周方向に向けられた。
【0049】
組立部品を320℃に設定した対流式オーブン内に20分間入れた。これは、フィルム上のFEPコーティングが溶け始めるのに十分な加熱であり、隣接しているフィルム及び下層のePTFE基板チューブへのフィルムの接着をもたらし、その結果、この説明の目的の、血管グラフトが作製された。
【0050】
次に、6mmのODの管状ステンレス製マンドレルを入手したが、そのマンドレルは、4mmの内径(ID)と、一端のODからIDに(マンドレルの長軸から計測して)わずかな(4°)テーパーを有していた。4mmのODのマンドレルを、6mmのマンドレルのテーパー末端内に挿入すると、4mmのマンドレルが6mmのマンドレルの管腔内に擦り合わせとなる大きさであった(あるいは、調節式直径マンドレルを使用してもよい)。犠牲的薄壁であるePTFE製の5mmのIDのクッションチューブ(30cmの長さ、0.1mmの壁厚、約22ミクロン(μm)の平均原繊維長)を、一端が6mmのマンドレルのテーパー末端を越えて4mmのマンドレル上に約5cm伸びるように、6mmのマンドレル上に取り付けた。次いで、前もって作製しておいた血管グラフトを、前記テーパーから約3cm戻って、クッションチューブを覆って6mmのマンドレル上に取り付けた。次いで、拡張直径対格納直径の1.6:1の比を有する犠牲的FEP収縮チューブ(Zeus Industrial Products, Inc., Orangeburg SC)の全長を、グラフトを覆って取り付けたが、その収縮チューブは、グラフトを覆うクリアランスの大きさであり、且つ、グラフトの長さよりも長い全長を有していた。マンドレル上に取り付けた様々な部品は、続いて加工された「組立部品」を含んでいる。
【0051】
入口に約9.5mm及び出口に7.9mmの対向する丸い開口部を有する約2.5cmの長さの円筒形のホットボックスチャンバーを熱源(Balloon Development Station Model 210-A, Beahm Designs, Los Gatos CA)に取り付け、240℃に設定する。ホットボックスチャンバーの開口径は、それぞれ6及び4mmのマンドレル上の組立部品の周囲にクリアランスを提供するように選ばれた。4mmのマンドレルをより小さいチャンバーの端から出しながら、6mmのマンドレルのテーパー末端をホットボックスチャンバーの中心に配置した。ホットボックス内の中心に入れた6mmのマンドレルのテーパー末端を維持するために、6mmのマンドレルの位置を固定した。
【0052】
クッションチューブと4mmのマンドレルを握り、両方を一緒にホットボックスを通して引っ張った。引っ張りは、それがテーパーを下りてゆくくらい密にFEP収縮チューブが収縮するのに適当な速度で達成された。血管グラフトと収縮チューブがチャンバーに入ると、収縮チューブが血管グラフトの外側まで潰れた。グラフトは、4mmのマンドレル上までテーパーを下り、それが直径の縮小を続けられるように、テーパーによって内側を、そして収縮チューブによって外側を取り囲まれた。これが、グラフトの巨視的な折り重なりを避けながら、螺旋状に巻き付けられたフィルムの原繊維の顕微鏡的な折れ曲がりをもたらした。
【0053】
血管グラフト組立部品及び4mmのマンドレル上の熱収縮管の収縮に続いて、組立部品を210℃に設定した対流式オーブン内で10分間加熱した。このステップは、湾曲した原繊維を加熱固定することを意図していた。次に、FEP収縮管を組立部品から取り除いた。次いで、血管グラフトに、0.13mm厚のスカイブドPTFEテープ(St. Gobain Performance Plastics, Paris, France)の犠牲層を螺旋状に重ねて巻き付け、その後、血管グラフトの末端を越えて伸びていた犠牲的なePTFEクッションチューブの末端を鋭利な刃物を使用して裁断した。まだ4mmのマンドレル上のある組立部品を、320℃に設定した対流式オーブン内に10分間入れ、ePTFEフィルム上のFEPコーティングを溶かして、そのフィルムの湾曲した原繊維の中に、及び部分的にそれを通り抜けて流れ込ませた。
【0054】
次いで、グラフト組立部品を4mmのマンドレルから取り外し、そして、犠牲的なスカイブドPTFE巻き付け及びクッションチューブを血管グラフトから取り外した。巻き付けられたフィルムの原繊維をそれらの湾曲した形状で保持するFEP結合のために、これにより、調製したグラフトは、内部圧力がその直径を増大するように導入されるまで4mmのIDに維持された。グラフトを試験するために、そのカテーテルを介してバルーンインフレーターに取り付けられた6mmのカテーテルバルーンをグラフト内に挿入してふくらませた。グラフトは、約7気圧のバルーン膨張圧で本来の6mmの直径に戻るまで、直径を徐々に増大させた。
実施例2:自己拡張/バルーン調整可能なステントグラフト
【0055】
後に直径が6mmまで(例えば、カテーテルバルーンを用いて)伸展され得る自己拡張ニチノールワイヤーステント(螺旋状に巻き上げされた蛇行ワイヤー形態)を有する4mmのカバーされたステントグラフトを、以下で記載するように作製した;このステントグラフトは、そのステントグラフトの一部が6mmのIDまでバルーン拡張したことを示す図1で例示されている。
【0056】
ePTFEチューブを入手したが、該チューブは、6mmのID、約8cmの長さ、約0.6g/ccのかさ密度、0.1mmの壁厚、及び約22ミクロン(μm)の平均原繊維長を有する。直径方向伸展性の血管グラフトの実施例に関して先に記載したように、このチューブを6mmのODのステンレス製マンドレル上に取り付け、次いで、FEPコートePTFEフィルムを巻き付け、そして加熱した。次いで、グラフトを6mmのODのステンレス製マンドレルから取り外した。先に記載したePTFE製の犠牲的クッションチューブを、6mmのODの多孔質ステンレス製マンドレル上に取り付け、その後、フィルムを巻き付けたePTFEグラフトをクッションチューブ上に取り付けた。
【0057】
螺旋状に巻いたワイヤーステントを入手し、次いで、約5cmのステント長でフィルムを巻き付けられたePTFEチューブの全長の中心上に取り付けた。次いで、約0.01mmのFEP厚、約0.035mmの総厚、約1.2g/ccのかさ密度の1mm幅のFEPコートフィルムを、蛇行形態の先端が晒され続けるように、蛇行形態の幅の中心に置かれた螺旋状に巻いたワイヤーの全長にわたって巻き付けた。次いで、このフィルムの12.7mm幅のストライプを、デバイスの各末端の周辺に円周方向に巻き付け、螺旋状ワイヤー形態の最後の3巻くらいを覆った。このフィルムはステント末端を越えて広がっていた。次いで、犠牲的スカイブドPTFEテープの重ね巻きをステントの全長にわたって施した。次いで、得られた組立部品を約320℃に設定した対流式オーブン内に入れた。多孔質マンドレルの管腔を真空にし、組立部品を10分間オーブン内に残し、その後、その組立部品を取り出し、そして周囲温度くらいまで冷ました。
【0058】
得られたグラフトを6mmの多孔質マンドレルから取り外し、そしてクッションチューブをここで形成されたステントグラフトの管腔から取り出した。次に、ステントグラフトを別の6mmのODのステンレス製マンドレルに取り付け、そしてステントの末端を越えてはみ出しているフィルムをレーザー(Blockwise Engineering, Tempe AZ)で整えて、蛇行ワイヤーに合わせた。そして、整えたステントグラフトを6mmのマンドレルから取り外した。
【0059】
一方にテーパー末端を有し、且つ、6mmのマンドレルの管腔のテーパー末端内に差し込まれた4mmのODのマンドレルを含む6mmのマンドレルを得た(このマンドレルは先に記載された)。犠牲的ePTFE製内側クッションチューブ(先にクッションチューブとも記載されている)を6mmのマンドレルに取り付け、4mmのマンドレル上に約5cm伸ばした。次いで、そのステントグラフトを、テーパーの始まりから約3cmまで6mmのマンドレルを覆っているクッションチューブの一部の上に取り付けた。
【0060】
次いで、スカイブドPTFEテープ(St. Gobain Performance Plastics, Paris, France)の犠牲的な螺旋状の巻き付けを、ステントグラフト上に加えた。約.75g/ccの密度を有する約0.25mmの厚さ、及び約30ミクロン(μm)の原繊維長を有する犠牲的ePTFEクッションチューブを、スカイブドテープ層上に配置し、Blockwise Model Gアイリス型押し潰し機(Blockwise Engineering, Tempe AZ)を使用してステントの隙間内に押し込み、これにより下層のePTFE犠牲的クッションチューブと接触するようにステントグラフトを凝縮した。約7mmの拡張直径、約4mmの格納直径及び約0.5mmの壁厚を有する犠牲的FEP収縮チューブ(Zeus Industrial Products, Inc., Orangeburg SC)犠牲的ePTFE押し潰しチューブ上に置いた。最後に、犠牲的な7.5mmのIDのePTFE外側クッションチューブを、アッセンブリ全体の上、及び内側ePTFEクッションチューブの完全長に取り付けが、このクッションチューブは、IDを除いて、先に記載したクッションチューブと同じである。
【0061】
6mmのマンドレルのテーパー部分を、格納前の外側クッションチューブの外径(約7.6mmの直径)に対してある程度のクリアランスを提供するような入口、及び格納後の収縮チューブ上の外側クッションチューブの外径(約6.4mmの直径)を収容するような出口にて開口部を有する、長さ約5.1cm、直径2.5cmのホットボックスチャンバー内に挿入した。
【0062】
図12は、グラフト組立部品10を6mmのマンドレル12から、さらに6mmのマンドレル12のテーパー14(及びホットボックスチャンバー32内のテーパー12と漏斗38の間;漏斗38はこの実施例に独特である)を通り抜けて、4mmのマンドレル16上に引き出すプロセスにおいてホットボックスチャンバー32内に挿入されたマンドレル及びグラフト組立部品10を示すホットボックスチャンバー32の長軸方向の断面である。漏斗38は、6mmのマンドレル末端のテーパーと同じ4°のテーパーを有する必要がある;6mmのマンドレルと漏斗38のテーパー14の間の空間は、グラフト組立部品10の厚さを収容するために適当でなければならない。ホットボックスチャンバー32を、240℃に設定した熱源33(Balloon Development Station Model 210-A, Beahm Designs, Los Gatos CA)に取り付けた。
【0063】
グラフト組立部品10を、入口34を通して、ホットボックスチャンバー32、チャンバー漏斗38、及びチャンバー出口36まで保持鉗子42によって引っ張り、そして、乗り裁断されて、内側クッションチューブ18及び外側クッションチューブ19の晒された末端を4mmのマンドレル16上に引き出した。これにより、グラフト組立部品10は、6mmのマンドレル12から、マンドレルテーパー14(及び漏斗38を通って)を越えて4mmのマンドレル16上まで移動した。収縮チューブ24がチャンバー32内に入るとき、それは押し潰しチューブ26の外側に向かって収縮し、これにより、マンドレル16、12及びテーパー14に対してグラフトがしっかりと保持され、ステントグラフト22の管腔表面の目に見えるしわなしに、ステントグラフト22のIDの4mmへの減少を引き起こした。ステントグラフト22のFEPコートePTFEフィルム巻き付けの原繊維は、円周方向に曲げられ、FEPと混ざった。前記プロセスを、組立部品10がホットボックス32から完全に取り出されて、ステントグラフト22の完全長が4mmのマンドレル16上に引き出されるまで続けた。
【0064】
外側クッションチューブ19を取り除き、そして残った組立部品10を4mmのマンドレル16から取り外した。次いで、内側クッションチューブ18を取り外した。残った組立部品10を別の4mmのマンドレル(示さない)上に配置した。組立部品をBlockwise Model Gアイリス型押し潰し機(Blockwise Engineering, Tempe AZ)内に入れた;押し潰し機の設定点は、100℃及び120psiであった。Magna-Power Electronics DC電源、モデルXR10-200(Magnapower Electronics, Flemington, NJ)に取り付けた電極をマンドレルに取り付けた。約2ボルトにて100アンペアをマンドレル及びグラフト組立部品を流し、ePTFEフィルムのFEPコーティングを溶かし、そしてそのフィルムの湾曲した原繊維内に流れ込ませ、少なくとも部分的に通り抜けさせた。加熱プロセスの終結に続いて、押し潰し圧力を解放し、そして組立部品を押し潰し機から取り出した。収縮チューブ及び押し潰しチューブをステントグラフトから取り除き、次に、それをマンドレルから取り外した。
【0065】
完了した、直径方向に凝縮されたデバイスは、その管腔表面に膨張カテーテルバルーンの力をかけることによってその本来の6mmの直径にも又はその中間の任意の直径にも戻すことができる。通常、約8〜9ATMの力が、その完全直径までデバイスを戻すのに必要である。
【0066】
こうして製造したデバイスは、Cullyらに対する米国特許第6,702,845号に記載のフルート付き金属製ファンネルを通してカテーテル送達系に積み込まれて、Armstrongらに対する米国特許第6,224,627号に記載の遠隔取り外し可能なカバーリング内に挿入される。次いで、デバイスは、選択された血管位置に送達され、カバーリングからデバイスを放出することによって配置され、そして、その血管に当てはまるのに適当なようにバルーンを膨らませた。得られたデバイスは、その使用可能範囲にわたって実質的にしわを作ることがないので、臨床医が適当に血管の構造に合わせることによって血管のIDに特注で合わせることができる。
実施例3:長さ調節式血管グラフト
【0067】
長さ調節式の6mmの血管グラフトを、直径方向伸展性グラフトに関して先に記載した方法において長さ約25cmの血管グラフトを作製することによって製造した。次いで、そのグラフトを、6mmのステンレス製マンドレル上に置き、次に、約7.5cmの長さ、又はその本来の長さの約30%まで長軸方向に圧縮した。そのプロセスにおいて、フィルムの原繊維を含めたグラフト中の原繊維は湾曲した状態になった。マンドレル上のグラフトを、320℃の対流式オーブン内に10分間入れた。このプロセス中、グラフトのフィルム上のFEPは、溶け、そして湾曲した原繊維の間の隙間に流れ込んだ。オーブンから取り出し、周囲温度くらいまで冷ました後に、グラフトをマンドレルから取り外した。これにより、グラフトの長さは、本来の長さより約50%短くなった。湾曲した原繊維と混ぜられたFEPは、ほぼ本来の前駆体の長さまで、張力をかけることによってそれが手動で伸展されるまで、グラフトをその短縮された長さに保持する。グラフトのある程度の短縮が観察されたが、しかしながら、グラフトは伸展後に前駆チューブの長さの少なくとも90%を持ち続けた。
【0068】
実施例2及び3は、長さ及び直径を調整可能であるグラフトを作製するために組み合わせられる。グラフトは、実施例2に記載のとおり最初に長さを低減すべきであり、次に実施例3のプロセスを使用して直径調整可能にすることができる。
実施例4:湾曲したノードを有する直径方向に伸展可能なチューブ
【0069】
6mmのIDに達する直径調節可能性を提供するために湾曲したノードを有する4mmのIDのチューブを、約5g/m2の面積重量を有するePTFEフィルムを使用して作製した。約0.01mmの厚さ、約0.2g/ccのかさ密度のそのフィルムは、平均すると約80ミクロン(μm)の平均原繊維長の長軸方向に配向した原繊維の微細構造、及び平均すると約200ミクロン(μm)の長さの横方向に配向したノードを有する。この材料のサンプルを図13に示す。長さ25cm及び幅8cmの、長軸方向に配向した原繊維、並びに円周方向に配向したノードを有するフィルムのサンプルを、6mmのマンドレル上にタバコ巻きにし、約5層の前記フィルムを有する長さ25cmの管状巻き付け物を得た。管状巻き付け物に、幅2.5cmのテープを形成するようなKaptonスリットの犠牲層を放射状に重ねて巻き付けて、外側の圧縮力を提供した。そして、この管状複合体を380℃に12分間加熱して、フィルムチューブを形成した。Kapton巻き付け物を取り除き、廃棄した。そして、得られたフィルムチューブをマンドレルから取り外した。
【0070】
その全長の一部に6mmの直径を有するマンドレルを調達し、次いで、4°(マンドレルの長軸方向から計測したテーパー)の角度でテーパーを付け、そのマンドレルの全長の残りの部分を4mmの直径まで細くした。先に記載した長さ40cm、直径5mmの犠牲クッションチューブをマンドレルの直径6mmの部分に取り付け、4mmのマンドレル上10cmまで伸ばした。フィルムチューブを、テーパーから3cm戻った、マンドレルの6mm部分のクッションチューブ上に取り付けた。厚さ1.5mmの幅12.7mmのストライプである長さ60cmの犠牲シリコーンストライプを、焼結チューブの周りに密に巻き付けた。次いで、クッションチューブをマンドレルの4mm部分に沿って握り、そしてそれを4mmのマンドレル上へとテーパーを下るように巻き付けフィルムチューブを引っ張るのに使用した。そのプロセスにおいて、フィルムチューブは内側のテーパーと外側の密に巻き付けたシリコーンストライプによって封じ込められた。結果として、円周方向に配向したノードが顕微鏡的に湾曲したが、フィルムチューブの直径は6mmから4mmに縮小し、巨視的なしわを含むことはなかった。
【0071】
組立部品を210℃の対流式オーブン内に10分間入れ、ノードの湾曲した形態を固定し始めた。次いで、シリコーンストライプを取り除き、0.012mmのスカイブドPTFE(St. Gobain Performance Plastics, Paris, France)の犠牲層をフィルムチューブ上に密に巻き付けた。そのフィルムチューブを370℃の対流式オーブン内に5分間入れ、次いで、取り出し、そして周囲温度まで冷ました。スカイブドPTFEテープをフィルムチューブから取り除き、次に、フィルムチューブ及びクッションチューブをマンドレルから取り外し、そしてクッションチューブをフィルムチューブのIDから取り除いた。完成したチューブは、図14及び15に示したように円周方向の向きで湾曲したノードを有していた。
【0072】
湾曲したノードを有するこうして製造したフィルムチューブを、6mmのカテーテルバルーン上に配置した。そのバルーンを膨らませ、そしてフィルムチューブを本来の6mmの内径に戻した。図16に示したように、ノードはそれらの本来の、曲がっていない形態に実質的に戻った。
【0073】
本説明の目的のために、顕微鏡写真の中央の垂直領域の全長にわたって描かれた線を横切る少なくとも10個の一連のノードを含む倍率レベルにてノードと原繊維の微細構造を示すePTFEサンプルの表面の顕微鏡写真を得ることによって、平均ノード長を測定した。顕微鏡写真上で左から右に始まっている撮影された10個の一連のノードの個々の高さを、倍率係数を考慮した縮尺を基準にしたデバイダを用いて計測することによって決定した。次いで、10個の高さを平均して、平均ノード長を得た。
【0074】
湾曲したノードは通常、実質的に湾曲している外観を有する、すなわち、90度以上の角度で湾曲している。これらの原繊維は、2つ又は3つの平行したセグメントに曲げられ得る(水平方向に平らにされた文字U(例えば、図15に類似)又は垂直方向に平らにされた文字Zに似ている)。より大まかには、所定のサンプル内のノードの大部分に関して、先に記載した顕微鏡写真からサンプル抽出した10個のノードのうち少なくとも4個が約90度以上の角度で曲げられているとき、湾曲したノードが存在している。
【0075】
上記に説明し、下記に特許請求した教示に関することに加えて、上記に説明し、下記に特許請求した特徴の異なる組み合わせを有するデバイス及び/又は方法が考えられる。このため、記載は下記の特許請求された独立の特徴の任意の他の可能な組み合わせを有する他のデバイス及び/又は方法にも関する。
【0076】
デバイス及び/又は方法の構造及び機能の詳細とともに、多くの特徴及び利点は、種々の変更形態を含めて、先行の説明に示されてきた。開示は例示のみであることが意図され、それ自体が網羅的であることは意図しない。添付の特許請求の範囲が表現している用語の広い一般的な意味により示される全範囲に、本発明の原理の範囲内での組み合わせを含む、部品の構造、材料、要素、構成要素、形状、サイズ及び配置の事柄に特に種々の変更がなされてよいことは当業者に明らかであろう。これらの種々の変更が添付の特許請求の範囲の精神及び範囲を逸脱しない程度まで、これらの種々の変更は包含されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16