(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の基本ドットの場合には、少なくとも一つの主要ドットが存在し、他の基本ドットは補助ドットであり、前記置換2値行列の全てを、前記主要ドットに対応するレベル2値行列の集合から選択する請求項6に記載の方法。
前記2値化モジュールは、選択した基本ドットの各々のしきい値行列において2値化処理を実行して、前記しきい値行列に対応するレベル2値行列の集合を取得するのに用いられ、
前記選択決定モジュールは、置換すべき2値行列と補助2値行列とを決定するのに用いられ、前記置換2値行列の個数が前記補助2値行列の個数に等しく、
前記計算モジュールは、前記置換2値行列及び前記補助2値行列においてブール演算を実行して、結果的に得られる2値行列を生成するのに用いられ、選択した置換2値行列及び補助2値行列が同一の2値行列を備える場合、前記同一の2値行列を、他の補助2値行列又は置換2値行列を用いてブール演算を行うだけでよく、
前記置換モジュールは、対応する置換2値行列を前記結果的に得られる2値行列に1対1で置換するのに用いられ、
前記生成モジュールは、前記レベル2値行列の置換された集合に従って、置換されたしきい値行列を形成するとともに、前記置換されたしきい値行列に従って、形状を変更したドットを生成するのに用いられる請求項9に記載の装置。
複数の基本ドットの場合には、少なくとも一つの主要ドットが存在し、他の基本ドットは補助ドットであり、前記置換2値行列の全てを、前記主要ドットに対応するレベル2値行列の集合から選択する請求項13に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
既存の基本ドットを備える場合、全ての利用できる印刷材料又は図形に対する要求に適合するのが困難であり、オリジナルから印刷された材料への図形及び文字情報の受け渡しを良好に実現することができない。例えば、円形ドットは、(プラスチックフィルムのような)紙でない媒体において低性能を有し、インクの流動性に起因するインクの蓄積又は不規則なインクの流れのような悪影響を及ぼすおそれがある。
【0011】
上述した従来の問題を解決するために、印刷適性に対する異なる要求に適合するために複雑な形状のドットを基本ドットにおいてブール演算を実行することによって構成し、オリジナルから印刷された材料への図形及び文字情報の受け渡しを良好に実現することができる画像再生においてドットを生成する方法及び装置を、本発明の実施の形態において提供する。
【0012】
幾何学モデル技術で一般的に採用されるブール演算を用いて複雑な形状のドットを生成することによって、2倍の結果を半分の労力で取得することができる。いわゆるブール演算は、ブール演算子(交叉∩、合併∪及び差−)を用いて二つのオブジェクトを結合して新しい一つのオブジェクトにする。オブジェクトA及びオブジェクトBにおけるブール演算は、以下の通りである。
交叉:AとBの両方に含まれるドットの集合(A∩B)
合併:A又はBに含まれるドットの集合(A∪B)
差:Aに含まれるがBから除外されるドットの集合(A−B)
【0013】
幾何学モデルで採用されるブール演算と同様に、ドット間で実行されるブール演算は、複雑さを減少させるとともに計算効率を向上させるために簡単な形状から複雑な形状を構成する。
【0014】
本発明の実施の形態によれば、先ず、
図1Aに示すような以下のステップを備える画像再生においてドットを生成する方法及び装置を提供する。
【0015】
S101a:レベルしきい値に従って一つ以上の基本ドットのしきい値行列において2値化処理を実行して、しきい値行列に対応するレベル2値行列の集合を取得する。各基本ドットのしきい値行列は、レベル2値行列の対応する集合を有する。
【0016】
S102a:レベル2値行列の集合からの置換2値行列及び置換2値行列に対応する補助2値行列を決定する。
【0017】
S103a:置換2値行列及び対応する補助2値行列においてブール演算を実行して、結果的に得られる2値行列を生成する。
【0018】
S104a:レベル2値行列の集合の置換すべき2値行列を結果的に得られる2値行列に置換する。
【0019】
一例として、置換2値行列及び置換すべき2値行列は、レベル2値行列の集合の同一の2値行列である、すなわち、置換すべき2値行列は、新たな2値行列すなわち結果的に得られる2値行列を取得するように補助2値行列を用いてブール演算を実行するための置換2値行列として用いられる。置換すべき2値行列は、結果的に得られる2値行列に置換される。
【0020】
他の例として、置換2値行列及び置換すべき2値行列は、異なる2値行列である。例えば、結果的に得られる2値行列を、置換2値行列及び補助2値行列においてブール演算を実行することによって生成し、レベル2値行列の集合の置換すべき2値行列を置換するのに用いる。この場合、置換すべき2値行列は、置換2値行列と同一の2値行列に限定されない。
【0021】
S105a:置換されたしきい値行列をレベル2値行列の置換された集合から形成するとともに、置換されたしきい値行列に従って、形状を変更したドットを生成する。
【0022】
図1Bは、本発明の他の実施の形態において提供されるドット生成方法のフローチャートである。
【0023】
図1Bに示すように、S101bは、選択した基本ドットの各々のしきい値行列において2値化処理を実行して、しきい値行列に対応するレベル2値行列の集合を取得する。
【0024】
S102b:レベル2値行列の集合からの置換2値行列及び補助2値行列を決定し、置換2値行列の個数は、補助2値行列の個数に等しい。すなわち、置換2値行列は、置換すべき2値行列である。
【0025】
S103b:置換2値行列及び補助2値行列においてブール演算を実行して、結果的に得られる2値行列を生成する。選択した置換2値行列の集合及び補助2値行列の集合が同一の2値行列を備える場合、2値行列を、他の補助2値行列又は置換2値行列を用いてブール演算を行うだけでよく、すなわち、置換2値行列の集合のそのような2値行列を、補助2値行列の集合の他の補助2値行列を用いてブール演算を行うだけでよく、同様に、補助2値行列の集合のそのような2値行列を、置換2値行列の集合の他の2値行列を用いてブール演算を行うだけでよい。
【0026】
S104b:レベル2値行列の集合の置換すべき2値行列を結果的に得られる2値行列に1対1で置換する、すなわち、対応する置換2値行列を結果的に得られる2値行列に1対1で置換する。
【0027】
S105b:レベル2値行列の置換された集合から置換されたしきい値行列を形成するとともに、置換されたしきい値行列に従って、形状を変更したドットを生成する。
【0028】
本発明の上記実施の形態の実現前に、基本ドットの選択を、所望されるドットの形状に従って行う必要がある。ドットが実際には多層の画像を異なるグレースケールで重ね合わせることによって表されるので、基本ドットのしきい値行列において実行される2値化処理によって形成された2値化行列のそれぞれは、グレースケールレベルに従う個別の重複した基本ドットの種々の層と同様に、所定のグレースケールの画像に対応する。これによって、対応する好ましくないグレースケール画像を有する置換2値行列を、明確に識別することができ、これらの置換2値行列を用いてブール演算することができる補助2値行列を、じっくりと選択することができる。そのブール演算の際に、レベル2値行列の集合の置換2値行列を、その位置で新たな結果的に得られる2値行列に置換することができる。レベル2値行列の置換された集合を、変更されたしきい値行列に修正することができ、これによって、形状を変更したドットを生成することができる。
【0029】
置換2値行列を補助2値行列に置換するときに2値行列を置換2値行列だけでなく補助2値行列としてもよく、この場合、ブール演算において、同一の行列それ自体において実行されるブール演算は無意味であるので調整操作を必要とすることを理解することができる。
【0030】
基本ドットを経験的に又は他の基準に従って選択できることに留意されたい。選択の方法は、それに限定されず、本発明の範疇ではない。
【0031】
一つ以上の基本ドットを選択できることを理解することができる。ブール演算を、基本ドットの種々の層又は異なる基本ドットの層において実行してもよい。
【0032】
上記実施の形態に基づいて、さらに、2値化処理を、選択した基本ドットの各々のしきい値行列において実行して、しきい値行列に対応するレベル2値行列の集合を取得してもよく、特に、しきい値行列の要素の数に従って、しきい値行列を正規化してグレースケールレベルに応じたNレベルにする。
【0033】
しきい値kを用いることによって、しきい値行列の各要素Mをしきい値kと比較して、Nレベル2値行列を取得するために比較結果に従ってkレベル2値行列を取得し、k∈{0,1,2,...N−1}であり、例えば、しきい値kがしきい値行列の要素M以下である場合、kレベル2値行列の要素Mに対応する要素の値を255にし、しきい値kがしきい値行列の要素Mを超える場合、Kレベル2値行列の要素Mに対応する要素の値を0にする。換言すれば、しきい値kを用いることによって、しきい値kを、Nレベルの値kと一致するレベルの各要素と比較して、比較結果に応じたN個の2値行列(K∈{0,1,2,...N−1})を取得する。
【0034】
これらのN個の2値行列は、しきい値行列に対応するレベル2値行列の集合である。
【0035】
本実施の形態において、しきい値行列の特定の2値化処理を更に行い、この場合、2値行列を正規化してNレベルにし、Nレベルの各々をしきい値kと比較して、N個の2値行列を取得する。
【0036】
しきい値kとNレベルの対応するレベルとを比較することは、一例としてハーフトーンドットを取り上げると、レベルをグレースケールレベルに従って0〜255とし、k=0であるとき、レベル0の要素との比較を行い、すなわち、比較すべきレベルの数をkに等しくし、256個の2値行列を取得することを意味する。
【0037】
しきい値kとの比較に用いる比較基準を決定する。さらに、上記比較基準は、以下の通りである。
しきい値kがしきい値行列の要素M未満である場合、kレベル2値行列の要素Mに対応する要素の値を255にする。
しきい値kがしきい値行列の要素Mを超える場合、kレベル2値行列の要素Mに対応する要素の値を0にする。
【0038】
上記実施の形態において、特に、各レベルの比較について、このレベルの要素Mの各々を現在のしきい値kと比較し、しきい値kより大きい場合、結果的に得られる値を、黒を表す255とし、しきい値kより小さい場合、結果的に得られる値を、白を表す0とする。
【0039】
基本ドットの2値化処理を更によく理解するために、特定の実施の形態を以下のように設ける。
【0041】
上記T
1を、基本ドットのしきい値行列から選択する。T1を一例として用いると、しきい値行列の異なる要素の個数は、しきい値行列によって表される基本ドットによって再生することができるレベルの最大数となる。u*vのサイズのしきい値行列については、レベルの最大数は、N=u*v+1となる。しきい値行列を正規化してNレベル(N>0)にし、しきい値としてkを用いることによって、しきい値行列を2値化して、N個の2値行列を取得する。すなわち、しきい値kを各要素の値M(0≦M≦M−1)と比較し、k>Mの場合、2値化したしきい値行列の要素の値を0にし、そうでない場合、要素の値を255にする。kレベル2値化後の行列は、以下のようになる。
【0043】
ここで、kを用いると、行列を、しきい値としての全てのレベルを用いて2値化して、結果的に得られる以下の集合を取得する。
【0045】
上述した結果的に得られる集合は、基本ドットのレベル2値化行列の集合である。
【0046】
上記実施の形態に基づいて、一つ以上の基本ドットの選択の更なる説明を詳細に行う。
【0047】
一例として、置換2値行列及び補助2値行列の全てを、同一の基本ドットのレベル2値行列の集合から選択する。
【0048】
二つ以上の基本ドットを選択する場合、補助2値行列及び置換2値行列を、これらの個本ドットのレベル2値行列の異なる集合から選択してもよい。例えば、全ての置換2値行列を、レベル2値行列の集合から選択してもよく、全て又は一部の補助2値行列を、レベル2値行列の他の集合から選択してもよい。
【0049】
上記実施の形態において、置換すべき2値行列を、2値化後の行列の集合から選択する。置換2値行列を、一つ以上の行列としてもよい。その理由は、レベル2値行列の集合の各行列が基本ドットの画像の層を表し、その画像の分析に応じてどの(一つ以上の)層が好ましくないかを決定することができ、これによって、置換2値行列の個数を決定するからである。
【0050】
同様に、画像分析に応じて、置換2値行列を用いてブール演算すべき補助2値行列を決定することができる。
【0051】
特に、置換2値行列及び補助2値行列を、以下のようにして決定することができる。
【0053】
レベル2値行列の集合の2値行列に対応する画像のそれぞれと、印刷材料の印刷画像の性能を示すデータベースの有効画像及び無効画像とを比較する。
【0054】
有効な画像と一致する2値行列を補助2値行列として決定する。
【0055】
無効な画像と一致する2値行列を置換2値行列として決定する。
【0056】
上記実施の形態において、データベースに対する比較を、補助2値行列及び置換2値行列の選択において採用する。異なる画像が異なる材料において異なる性能を有するので、異なる材料に対して、材料における異なる画像の性能のデータベースを確立し、良い性能を有する画像を有効画像に分類し、悪い性能を有する画像を無効画像に分類する。どの画像が有効画像であるか及びどの画像が無効画像であるかを、例えば、事前にマニュアルで分類することによって必要に応じて決定することができる。
【0057】
置換2値行列及び補助2値行列において1対1で実行されるブール演算後、結果的に得られる2値行列は、新たな画像を表す。対応する置換2値行列をこれらの結果的に得られる2値行列に置換すると、新たなドットをレベル2値行列の集合から生成することができ、オリジナルの基本ドットの利益を享受し、かつ、ブール演算後のオリジナルの基本ドットの欠点を克服する。
【0058】
基本ドットの選択において、置換2値行列及び補助2値行列を唯一の基本ドットの選択の際に決定できる場合、複数の基本ドットを選択する必要がなく、ブール演算を、基本ドットそれ自体のしきい値行列において実行することができる。
【0059】
一つの選択した基本ドットから全て又は一部の補助2値行列を取得することができない場合、補助2値行列を決定する複数の基本ドットを選択する必要がある。
【0060】
複数の基本ドットを選択するとき、少なくとも一つの主要ドットが存在し、他の基本ドットは補助ドットであることを理解することができる。全ての置換2値行列を、主要ドットに対応するレベル2値行列の集合から選択する。
【0061】
主要ドットの決定については、複数の基本ドットを選択する場合、どの基本ドットが主要ドットであるかを決定するすなわち基本ドットパターンを決定することが要求される。他の補助ドットは、主要ドットのパターンを変更して好きなパターンを生成するのに用いられる。
【0062】
例えば、レベル2値行列の集合のグレースケール25〜45に対応する2値行列が置換2値行列であり、グレースケール30〜50の2値行列が補助2値行列であると仮定すると、グレースケール30〜45は、「重複した」2値行列である。ブール演算において、重複した2値行列を、それ自体を用いてブール演算を行うことができず、「調整」操作を必要とする。置換2値行列及び補助2値行列の演算規則は、必要に応じて特定されてもよく、本発明で説明及び保護される範疇ではない。
【0063】
ハーフトーンドットに対して、レベル2値行列の集合はそれぞれ、256個の2値行列を備える。
【0064】
本発明の技術的解決法をよりよく理解するために、ドット生成の一部の実施例を詳細に説明する。
【0065】
実施例1
S201:本実施例において、
図2及び
図3に示すように、75°の円形ドット及び線形ドットを選択する。対応するしきい値行列T1及びT2のデータは、以下の通りである。
【0067】
この場合、T1を主要行列として選択し、T2は補助行列である。
【0068】
S202:しきい値行列T1及びT2の各要素の値を正規化して256レベルにする。行列T1及びT2は、その後、しきい値としてのkを用いて2値化してTk1及びTk2(0≦k≦255)を取得する。最後に、256レベルの2値化データを、レベル2値行列H1の集合及びレベル2値行列H2の集合に書き込む。例えば、しきい値kがpであるときに2値行列はTp1となり、しきい値kがqであるときに2値行列はTp2となり、結果的に得られる行列のデータは、以下の通りである。
【0073】
この段階で、対応するドットのパターンを、
図4及び
図5に示す。
【0074】
S203:置換2値行列Tp
1iを主要行列から決定し、補助2値行列Tp
2iを補助行列から決定する。置換2値行列及び補助2値行列の各要素に対して、Tp
1i>Tq
2iの場合(i∈{0,1,2...u×v−1})、この要素の結果的に得られる2値行列は、Hk=Tp
1iとなる。そうでない場合、Hk=Tq
2iとなる(0≦k≦255)。置換2値行列Tp
1iは、結果的に得られる2値行列Hkによって置換される。
【0075】
例えば、Tp1とTp2とを合併することができ、結果的に得られる2値行列Hk(データ)は、以下の通りである。
【0077】
この段階において、ドットの対応するグレースケールのパターンを
図6に示す。
【0078】
S204:しきい値行列を、レベル2値行列の置換された集合に従って修正する。しきい値行列に対応するドットのパターンは、要求されるドットである。
【0079】
実施例2
S301:75°の円形ドットを、
図7に示すように選択する。対応するしきい値行列T1は、以下の通りである(データ)。
【0081】
S302:ハーフトーンドットであり、N=256であるので、しきい値行列T1の各要素の値を読み取るとともに正規化して、256レベルとする。その後、行列T1を、しきい値としてのkを用いて2値化して、Tk(0≦k≦255)を取得する。これらの256個の2値行列を、集合H1に書き込む。
【0082】
T1を、しきい値kが異なるレベルA=90,B=34及びC=14にそれぞれ等しいときに2値化して、以下のような2値行列TA,TB及びTC(データ)を取得する。
【0084】
TAを、置換2値行列として選択し、TB及びTCは、補助2値行列である。対応するドットのパターンを
図8、
図9及び
図10に示す。
【0085】
S303:ブール演算を、TA,TB及びTCにおいて実行する。特定のブール演算の規則を必要に応じて特定してもよい。例えば、TA及びTBにおいて差演算を最初に行い、二つの2値行列の各要素に対して、TA
i≠TB
i(i∈{0,1,2...u×v−1})である場合、この要素の2値化の結果は、Hk
i=0となる。そうでない場合、Hk
i=255(0≦k≦255)となる。行列の各要素が走査されるとともに上記規則に従って計算される。最後に、差演算後の2値化されたデータの集合Hkを、レベルkに対して取得する。TA及びTBにおいて実行される差演算に応じた2値行列TDは、以下の通りである(データ)。
【0087】
この段階では、TDは、主要行列としてのTAを置換し、TCは、補助2値行列である。対応するドットのパターンを
図11に示す。
【0088】
TDとTCとを合併する。二つの2値行列の各要素に対して、TD
i>TC
iの場合(i∈{0,1,2...u×v−1})、この要素の結果的に得られる2値データHk
iは、Hk
i=TD
iとなる。そうでない場合、Hk
i=TC
iとなる。上記演算のために行列を走査し、最後に、合併操作に応じた2値データ集合Hk’を、レベルk(0≦k≦255)に対して取得する。TD及びTCにおいて実行された合併操作の結果は、以下の通りであり(データ)、この2値行列に対応するグレースケールドットのパターンを
図12に示す。
【0090】
S304:2値行列TAを、Hk’に対応する結果的に得られた2値行列すなわち90のグレースケールに対応する2値行列によって置換する。置換に応じたしきい値行列に対応するパターンは、減算操作に続く合併操作によって取得したドットのパターンである。
【0091】
上記方法に対応する画像再生においてドットを生成する装置は、本発明の一実施の形態において更に提供され、レベルしきい値に従って一つ以上の基本ドットのしきい値行列において2値化処理を実行して、しきい値行列に対応するレベル2値行列の集合を取得する2値化モジュール1と、レベル2値行列の集合から置換2値行列及び補助2値行列を決定する選択決定モジュール2と、置換2値行列及び補助2値行列においてブール演算を実行して、結果的に得られる2値行列を生成する計算モジュール3と、レベル2値行列の集合の置換すべき2値行列を結果的に得られる2値行列に置換する置換モジュール4と、レベル2値行列の置換された集合に従って、置換されたしきい値行列を形成するとともに、置換されたしきい値行列に従って、形状を変更したドットを生成する生成モジュール5と、を備える。
【0092】
図13に示す種々のモジュールの機能及び効果については、上記方法の実施の形態の対応する説明を参照することができ、簡潔のために詳細に説明しない。
【0093】
2値化モジュール1は、特に、選択した基本ドットの各々のしきい値行列において2値化処理を実行して、しきい値行列に対応するレベル2値行列の集合を取得するのに用いられる。選択決定モジュール2は、特に、置換すべき2値行列と補助2値行列とを決定するのに用いられ、置換2値行列の個数が補助2値行列の個数に等しく、置換2値行列及び置換すべき2値行列は、レベル2値行列の集合の同一の2値行列であり、すなわち、置換2値行列として用いられる置換すべき2値行列を、補助2値行列を用いてブール演算して、新たな2値行列すなわち結果的に得られる2値行列を取得し、その後、置換すべき2値行列を、結果的に得られる2値行列によって置換する。計算モジュール3は、特に、置換2値行列及び補助2値行列においてブール演算を実行して、結果的に得られる2値行列を生成するのに用いられ、選択した置換2値行列及び補助2値行列が同一の2値行列を備える場合、そのような2値行列を、他の補助2値行列又は置換2値行列を用いてブール演算を行うだけでよい。置換モジュール4は、特に、対応する置換2値行列を結果的に得られる2値行列に1対1で置換するのに用いられる。生成モジュール5は、特に、レベル2値行列の置換された集合に従って、置換されたしきい値行列を形成するとともに、置換されたしきい値行列に従って、形状を変更したドットを生成するのに用いられる。
【0094】
本実施の形態において、2値化モジュールは、選択した基本ドットの各々のしきい値行列において2値化処理を実行し、選択決定モジュールは、置換すべき2値行列と補助2値行列とを決定し、計算モジュールは、ブール演算を実行し、2値モジュールは、計算結果に従って2値行列を置換し、最後に、生成モジュールは、置換されたしきい値行列に従って、形状を変更したドットを生成する。
【0095】
上記実施の形態に基づいて、選択決定モジュールは、さらに、印刷すべき材料を決定し、レベル2値行列の2値行列に対応する各画像と、印刷材料における印刷画像の性能を示すデータベースの有効画像及び無効画像とを比較し、有効画像と一致する2値行列を補助2値行列として決定し、無効画像と一致する2値行列を置換2値行列として決定するのに用いられる。
【0096】
上記実施の形態に基づいて、2値化モジュールは、さらに、しきい値Kを用いて、しきい値行列の各要素Mを、Nレベルのうちのkに一致するレベルのしきい値kと比較して、比較結果に従ってNレベル2値行列を取得するのに用いられ、k∈{0,1,2,...N−1}であり、Nレベル2値行列は、しきい値行列に対応するレベル2値行列の集合である。
【0097】
2値化モジュールの比較基準を、次のようにしてもよい。しきい値kがしきい値行列の要素Mより小さい場合に、kレベル2値行列の要素Mに対応する要素の値を255にし、しきい値kがしきい値行列の要素Mを超える場合に、kレベル2値行列の要素Mに対応する要素の値を0にする。
【0098】
選択決定モジュールは、特に、
一つの基本ドットのみを選択したときに、置換2値行列及び補助2値行列の全てをレベル2値行列の同一の集合から選択し、
少なくとも一つの主要ドット及び補助ドットとしての主要ドットを含む複数の基本ドットを選択したときに、置換2値行列の全てをレベル2値行列の集合から選択するのに用いられる。
【0099】
ハーフトーンドットについては、レベル2値行列の各集合は、256個の2値行列を備える。
【0100】
ここでは、コンピュータ上で実行するときに、画像再生においてドットを生成する方法であって、レベルしきい値に従って一つ以上の基本ドットのしきい値行列において2値化処理を実行して、しきい値行列に対応するレベル2値行列の集合を取得することと、レベル2値行列の集合から置換2値行列及び補助2値行列を決定することと、置換2値行列及び補助2値行列においてブール演算を実行して、結果的に得られる2値行列を生成することと、レベル2値行列の集合の置換すべき2値行列を結果的に得られる2値行列に置換することと、レベル2値行列の置換された集合に従って、置換されたしきい値行列を形成するとともに、置換されたしきい値行列に従って、形状を変更したドットを生成することと、を備える方法を実行するコンピュータ実行可能命令を有する一つ以上のコンピュータ可読媒体を提供する。
【0101】
要約すると、本発明で提供されるドット生成方法は、単純な形状のドットから複雑な形状のドットを形成することができ、従来のドット生成方法に比べて簡単である。理論的には、本発明で提供されるドット生成方法は、あらゆる形状のドットを生成することができる。所定のレベルで実行されるブール演算(交叉、合併、差)又は異なるレベルで2値行列において実行されるブール演算を調整することによって、結果的に得られるドットの変更パターンは、オリジナルのドットにある程度マッチしてオリジナルのドットの利点を残すだけでなく、新たなバリエーションを生成してそれに応じた更に高い柔軟性を有することができる。
【0102】
この方法によって生成されるドットを用いた画像再生において、明部及び暗部の画像表現における規則的なAMドットの欠点を有効に解決することができ、オリジナルのトーン/色の変化を良好に再生することができる。
【0103】
当業者は、本願の実施の形態を方法、システム又はコンピュータプログラムの製品として提供できることを理解すべきである。したがって、本願は、完全にハードウェアの実施の形態及び完全にソフトウェアの実施の形態又はソフトウェアとハードウェアを組み合わせた実施の形態を用いることができる。さらに、本願は、コンピュータによって実行することができるプログラムコードを備える(ディスク、メモリ、CD−ROM、光メモリ等を含むがそれに限定されない)一つ以上の記憶媒体において実行されるコンピュータプログラムの製品の形態を用いることができる。
【0104】
本願を、本発明の実施の形態による方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照しながら説明した。フローチャートのフロー及び/又はブロック図のブロック並びにフローチャートのフロー及び/又はブロック図のブロックの込みあわせをコンピュータプログラム命令によって実現できることを理解すべきである。そのようなコンピュータプログラム命令を、マシンを生成するために汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ又はプログラムデータ処理装置の他の任意のプロセッサに提供して、フローチャートの一つ以上のフロー及び/又はブロック図の一つ以上のブロックにおいて特定される機能を実現する装置を、コンピュータ又はプログラマブルデータ処理装置の他の任意のプロセッサによって実行される命令によって生成する。
【0105】
そのようなコンピュータプログラム命令を、コンピュータの可読メモリに格納された命令が命令装置の製品を生成するようにするために、特定のスタイルでコンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置を作動させることができるコンピュータの可読メモリに格納することができる。そのような命令装置は、フローチャートの一つ以上のフロー及び/又はブロック図の一つ以上のブロックで特定される機能を実現することができる。
【0106】
そのようなコンピュータプログラム命令を、コンピュータによって実現されるプロセスを生成するようコンピュータ又は他のプログラマブル装置において一連の動作ステップを実行するようにするためにコンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置にロードすることもでき、その結果、コンピュータ又は他のプログラマブル装置によって実行される命令は、フローチャートの一つ以上のフロー及び/又はブロック図の一つ以上のブロックで特定される機能を実現する。
【0107】
明らかに、当業者は、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく本発明の種々の変更及び変形を行うことができる。したがって、そのような変更及び変形が本発明の特許請求の範囲及びその等価技術に属する場合、本発明は、そのような変更及び変形も包含することを意図する。