特許第6321788号(P6321788)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6321788(S,S)−セコイソラリシレジノールジグルコシド及び(R,R)−セコイソラリシレジノールジグルコシドの製造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6321788
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】(S,S)−セコイソラリシレジノールジグルコシド及び(R,R)−セコイソラリシレジノールジグルコシドの製造
(51)【国際特許分類】
   C07H 15/18 20060101AFI20180423BHJP
   C07C 43/23 20060101ALI20180423BHJP
   C07C 41/18 20060101ALI20180423BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20180423BHJP
【FI】
   C07H15/18
   C07C43/23 D
   C07C41/18
   !C07B61/00 300
【請求項の数】15
【全頁数】53
(21)【出願番号】特願2016-519582(P2016-519582)
(86)(22)【出願日】2014年6月10日
(65)【公表番号】特表2016-521748(P2016-521748A)
(43)【公表日】2016年7月25日
(86)【国際出願番号】US2014041636
(87)【国際公開番号】WO2014200964
(87)【国際公開日】20141218
【審査請求日】2017年6月6日
(31)【優先権主張番号】61/833,258
(32)【優先日】2013年6月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500429103
【氏名又は名称】ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペンシルバニア
(73)【特許権者】
【識別番号】507074339
【氏名又は名称】ザ・スクリップス・リサーチ・インスティテュート
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリストフィドウ―ソロミドウ、メルポ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラウ、キリアコス・シー
(72)【発明者】
【氏名】バリウリン、ローマン・エー
(72)【発明者】
【氏名】サイモンズ、ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ヘルチュ、フィリップ・エム
【審査官】 杉江 渉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−057367(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0203688(US,A1)
【文献】 米国特許第6911330(US,B1)
【文献】 Mol Cell Biochem,2013年,373,179-187
【文献】 J.Nat.Prod.,2001年,64,1388-1397
【文献】 Journal of Carbohydrate Chemistry,1985年,4/2,141-169
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07H 1/00 − 99/00
C07C 1/00 −409/44
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式((S,S)−SDG−1)の化合物
を製造する方法であって、
(a)式(6)の化合物
を式(7)の化合物
と反応させることにより式((S,S)−S3)の化合物
を製造する反応工程と、
(b)前記式((S,S)−S3)の化合物のベンジルエーテルを開裂させ、続いて分離操作によって式((S,S)−8)の化合物
を製造する開裂工程と、
(c)前記式((S,S)−8)の化合物を脱保護することにより前記式((S,S)−SDG−1)の化合物を製造する脱保護工程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
式((R,R)−SDG−2)の化合物
を製造する方法であって、
(a)式(6)の化合物
を式(7)の化合物
と反応させることにより式((R,R)−S4)の化合物
を製造する反応工程と、
(b)前記式((R,R)−S4)の化合物のベンジルエーテルを開裂させ、続いて分離操作によって式((R,R)−9)の化合物
を製造する開裂工程と、
(c)前記式((R,R)−9)の化合物を脱保護することにより前記式((R,R)−SDG−2)の化合物を製造する脱保護工程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
前記反応工程が、TMSOTfの存在下で行われることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記反応工程が、活性モレキュラーシーブの存在下で行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記開裂工程が、メタノール中においてH及びPd/Cの存在下で行われることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記分離操作が、分取薄層クロマトグラフィを用いて行われることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
前記脱保護工程が、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液中で行われることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
前記式(6)の化合物が、式(S2)の化合物
を還元剤と反応させることにより前記式(6)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造され
ことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項9】
前記式(S2)の化合物が、式(S1)の化合物
をベンゾイル化剤と反応させることにより前記式(S2)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造され
前記ベンゾイル化剤が、BnBr及びNaHであることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記式(S1)の化合物が、式(5)の化合物
を還元剤と反応させることにより前記式(S1)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造され
前記還元剤が、H及びPd/Cであることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記式(5)の化合物が、式(4)の化合物
をバニリンとシュトッベ縮合反応させ、続いてエステル化反応を行うことにより前記式(5)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記シュトッベ縮合反応が、メタノール中においてリチウムの存在下で行われることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記リチウムが、リチウムワイヤの形態で存在することを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記式(4)の化合物が、バニリンをコハク酸メチルとシュトッベ縮合反応させ、続いてエステル化反応を行う工程を含む方法によって製造されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記シュトッベ縮合反応が、メタノール中においてリチウムワイヤの存在下で行われることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
政府所有権
本発明は、その一部が、米国国立衛生研究所(NIH)により与えられたグラント番号R01 CA133470及びRC1AI081251の下に政府支援を受けてなされたものである。米国政府は、本発明において一定の権利を有する。
【0002】
技術分野
本発明は、(S,S)−セコイソラリシレジノールジグルコシド及び(R,R)−セコイソラリシレジノールジグルコシドを製造する方法、並びにそれらを含む組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
電離放射線は、生体において様々な悪影響を引き起こす。ヒトが放射線に曝されるのは、診断及び治療のためのX線撮影手順中、電子機器使用時、原発事故の自然放射線(バックグラウンド)から、及び航空・宇宙旅行中である。加えて、多くの人々を致死量の放射線に曝す可能性がある危険な手段としてのテロリズムが、現在の地球規模の発展によって強固なものになった。したがって、放射線に曝される前にも投与可能でかつ放射線被曝後にも治療薬として投与可能な放射線防護剤を突き止めることは、非常に重要である。
【0004】
放射線防護剤の発見及び開発のための有力な手掛かりと考えられつつあるのが、天然物及びそれらの類似体である。セコイソラリシレジノール及びメソ−セコイソラリシレジノールの(2R,3R)−及び(2S,3S)−エナンチオマーはともに植物から検出されていたが、豊富に存在するのは(2R,3R)−[(−)セコイソラリシレジノール]−異性体のみである。この化合物は亜麻仁(フラックスシード)からの抽出によって得られるが、それに続く必須の精製は、容易でない退屈なプロセスである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Yen, G. C; D, Pin-Der (J. Am. Oil Chem. Soc. 1993, 70, 383)
【非特許文献2】Moree, S.; Khanum, S.A.; Rajesha, J. (Free Rad. Antiox. 2011, 1, 31)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、容易に入手できる市販の材料からエナンチオピュアなセコイソラリシレジノールを製造するための、エナンチオ選択的な短工程の合成を開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、式((S,S)−SDG−1)((S,S)−セコイソラリシレジノールジグルコシド−1)の化合物
を製造する方法であって、
(a)式(6)の化合物
を式(7)の化合物
と反応させることにより式((S,S)−S3)の化合物
を製造する反応工程と、
(b)式((S,S)−S3)の化合物のベンジルエーテルを開裂させ、続いて分離操作によって式((S,S)−8)の化合物
を製造する開裂工程と、
(c)式((S,S)−8)の化合物を脱保護することにより式((S,S)−SDG−1)の化合物を製造する脱保護工程とを含むことを特徴とする方法を提供する。
【0008】
本発明は、式((S,S)−SDG−1)の化合物
を製造する方法であって、
(a)式(5)の化合物
を還元剤と反応させることにより式(S1)の化合物
を製造する反応工程と、
(b)式(S1)の化合物をベンゾイル化剤と反応させることにより式(S2)の化合物
を製造する反応工程と、
(c)式(S2)の化合物を還元剤と反応させることにより式(6)の化合物を製造する反応工程と、
(d)式(6)の化合物を式(7)の化合物と反応させることにより式((S,S)−S3)の化合物を製造する反応工程と、
(e)式((S,S)−S3)の化合物のベンジルエーテルを開裂させ、続いて分離操作によって式((S,S)−8)の化合物を製造する開裂工程と、
(f)式((S,S)−8)の化合物を脱保護することにより式((S,S)−SDG−1)の化合物を製造する脱保護工程とを含む方法を提供する。
【0009】
本発明は、式((S,S)−SDG−1)の化合物を製造する方法であって、
(a)式(S2)の化合物を還元剤と反応させることにより式(6)の化合物を製造する反応工程と、
(b)式(6)の化合物を式(7)の化合物と反応させることにより式((S,S)−S3)の化合物を製造する反応工程と、
(c)式((S,S)−S3)の化合物のベンジルエーテルを開裂させ、続いて分離操作によって式((S,S)−8)の化合物を製造する開裂工程と、
(d)式((S,S)−8)の化合物を脱保護することにより式((S,S)−SDG−1)の化合物を製造する脱保護工程とを含む方法をさらに提供する。
【0010】
本発明は、式((R,R)−SDG−2)(R,R)−セコイソラリシレジノールジグルコシド−2)の化合物
を製造する方法であって、
(b)式(6)の化合物を式(7)の化合物と反応させることにより式((R,R)−S4)の化合物
を製造する反応工程と、
(a)式((R,R)−S4)の化合物のベンジルエーテルを開裂させ、続いて分離操作によって式((R,R)−9)の化合物
を製造する開裂工程と、
(c)式((R,R)−9)の化合物を脱保護することにより式((R,R)−SDG−2)の化合物を製造する脱保護工程とを含む方法をさらに提供する。
【0011】
本発明は、式((R,R)−SDG−2)の化合物を製造する方法であって、
(a)式(5)の化合物を還元剤と反応させることにより式(S1)の化合物を製造する反応工程と、
(b)式(S1)の化合物をベンゾイル化剤と反応させることにより式(S2)の化合物を製造する工程と、
(c)式(S2)の化合物を還元剤と反応させることにより式(6)の化合物を製造する反応工程と、
(d)式(6)の化合物を式(7)の化合物と反応させることにより式((R,R)−S4)の化合物を製造する反応工程と、
(e)式((R,R)−S4)の化合物のベンジルエーテルを開裂させ、続いて分離操作によって式((R,R)−9)の化合物を製造する開裂工程と、
(f)式((R,R)−9)の化合物を脱保護することにより式((R,R)−SDG−2)の化合物を製造する脱保護工程とを含む方法をさらに提供する。
【0012】
本発明は、式((R,R)−SDG−2)の化合物を製造する方法であって、
(a)式(S2)の化合物を還元剤と反応させることにより式(6)の化合物を製造する反応工程と、
(b)式(6)の化合物を式(7)の化合物と反応させることにより式((R,R)−S4)の化合物を製造する反応工程と、
(c)式((R,R)−S4)の化合物のベンジルエーテルを開裂させ、続いて分離操作によって式((R,R)−9)の化合物を製造する開裂工程と、
(d)式((R,R)−9)の化合物を脱保護することにより式((R,R)−SDG−2)の化合物を製造する脱保護工程とを含む方法をさらに提供する。
【0013】
本発明は、式(6)の化合物を製造する方法であって、式(S2)の化合物を還元剤と反応させることにより式(6)の化合物を製造する反応工程を含む方法をさらに提供する。
【0014】
本発明は、式((S,S)−S3)の化合物を製造する方法であって、式(6)の化合物を式(7)の化合物と反応させることにより式((S,S)−S3)の化合物を製造する反応工程を含む方法をさらに提供する。
【0015】
本発明は、式((S,S)−8)の化合物を製造する方法であって、
(a)式(6)の化合物を式(7)の化合物と反応させることにより式((S,S)−S3)の化合物を製造する反応工程と、
(b)式((R,R)−S3)の化合物のベンジルエーテルを開裂させ、続いて分離操作によって式((S,S)−8)の化合物を製造する開裂工程とを含む方法をさらに提供する。
【0016】
本発明は、式((R,R)−S4)の化合物を製造する方法であって、式(6)の化合物を式(7)の化合物と反応させることにより式((R,R)−S4)の化合物を製造する反応工程を含む方法を提供する。
【0017】
本発明は、式((R,R)−9)の化合物を製造する方法であって、
(a)式(6)の化合物を式(7)の化合物と反応させることにより式((R,R)−S4)の化合物を製造する反応工程と、
(b)式((R,R)−S4)の化合物のベンジルエーテルを開裂させ、続いて分離操作によって式((R,R)−9)の化合物を製造する開裂工程とを含む方法を提供する。
【0018】
本発明は、式((S,S)−SDG−1)の化合物を含む組成物(例えば医薬組成物など)をさらに提供する。
【0019】
本発明は、式((R,R)−SDG−2)の化合物を含む組成物(例えば医薬組成物など)をさらに提供する。
【0020】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明の例及び図面から明らかになるであろう。しかし、詳細な説明及び特定の実施例は、本発明の好適実施形態を示してはいるものの、実例として与えられているにすぎず、当業者には、この詳細な説明から、本発明の趣旨及び範囲内での様々な変形形態及び変更形態が明らかになることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】ジヒドロキシ化合物6のORTEP図を示す。
図2】合成(S,S)−SDG−1及び(R,R)−SDG−2の還元力を示す。波長700nmにおける吸光度の増加は、還元力の増加を示す。結果は、平均±標準偏差(n=3)で示されている。p<0.05で天然(S,S)−SDG−1、合成(R,R)−SDG−2及び合成(S,S)−SDG−1よりも有意に低かった;**p<0.05で合成(R,R)−SDG−2、合成(S,S)−SDG−1、アスコルビン酸及びα−トコフェロールよりも有意に高かった。
図3】合成(S,S)−SDG−1及び(R,R)−SDG−2の還元力を示す。反応速度は、1〜100μΜの濃度範囲において線形である。EC50を求めるために線形回帰式を用いた。結果は、平均±標準偏差(n=3)で示されている。天然(S,S)−SDG−1、合成(R,R)−SDG−2及び合成(S,S)−SDG−1は、互いに有意差がなかった。p<0.05で天然(S,S)−SDG−1、合成(R,R)−SDG−2及び合成(S,S)−SDG−1よりも有意に高かった。
図4】天然(S,S)−SDG−1、合成(S,S)−SDG−1及び(R,R)−SDG−2、アスコルビン酸並びにα−トコフェロールのDPPHフリーラジカル消去活性を示す。フリーラジカル消去活性は、517nmのDPPH吸光度の減少度として測定した。結果は、平均±標準偏差(n=3)で示されている。p<0.05で他の全ての化合物よりも有意に低く、**p<0.05で天然(S,S)−SDG−1よりも有意に低かった。
図5】天然(S,S)−SDG−1、合成(S,S)−SDG−1及び(R,R)−SDG−2、アスコルビン酸及びα−トコフェロールのDPPHフリーラジカル消去活性を示す。EC50を求めるために線形回帰式を用いた。反応速度は、1〜100μΜの濃度範囲において線形である。結果は、平均±標準偏差(n=3)で示されている。天然(S,S)−SDG−1、合成(R,R)−SDG−2、合成(S,S)−SDG−1及びα−トコフェロールは、有意差がなかった。p<0.05で天然(S,S)−SDG−1、合成(R,R)−SDG−2、合成(S,S)−SDG−1及びα−トコフェロールよりも有意に高かった。
図6】化合物4のH NMRスペクトル(600MHz,CDCl)及び13C NMRスペクトル(150MHz,CDCl)を示す。
図7】化合物5のH NMRスペクトル(600MHz,CDCl)及び13C NMRスペクトル(150MHz,CDCl)を示す。
図8】化合物S1のH NMRスペクトル(600MHz,CDCl)及び13C NMRスペクトル(150MHz,CDCl)を示す。
図9】化合物S2のH NMRスペクトル(600MHz,CDCl)及び13C NMRスペクトル(150MHz,CDCl)を示す。
図10】化合物6のH NMRスペクトル(600MHz,CDCl)及び13C NMRスペクトル(150MHz,CDCl)を示す。
図11】1:1の(S,S)−S3/(R,R)−S4のH NMRスペクトル(600MHz,CDCl)及び13C NMRスペクトル(150MHz,CDCl)を示す。
図12】化合物(S,S)−8のH NMRスペクトル(600MHz,CDCl)及び13C NMRスペクトル(150MHz,CDCl)を示す。
図13】化合物(R,R)−9のH NMRスペクトル(600MHz,CDCl)及び13C NMRスペクトル(150MHz,CDCl)を示す。
図14】化合物(S,S)−SDG−1のH NMRスペクトル(600MHz,CDOD)及び13C NMRスペクトル(150MHz,CDOD)を示す。
図15】化合物(R,R)−SDG−2のH NMRスペクトル(600MHz,CDOD)及び13C NMRスペクトル(150MHz,CDOD)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、式((S,S)−SDG−1)の化合物
を製造する方法であって、
(a)式(6)の化合物
を式(7)の化合物
と反応させることにより式((S,S)−S3)の化合物
を製造する反応工程と、
(b)式((S,S)−S3)の化合物のベンジルエーテルを開裂させ、続いて分離操作によって式((S,S)−8)の化合物
を製造する開裂工程と、
(c)式((S,S)−8)の化合物を脱保護することにより式((S,S)−SDG−1)の化合物を製造する脱保護工程とを含む方法を提供する。
【0023】
いくつかの実施形態では、上記反応工程はルイス酸の存在下で行われる。特定の実施形態では、上記ルイス酸はトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(TMSOTf)である。いくつかの実施形態では、上記反応工程は活性モレキュラーシーブの存在下で行われる。
【0024】
いくつかの実施形態では、上記開裂工程はメタノール中において水素(H)及びパラジウム炭素(Pd/C)の存在下で行われる。
【0025】
いくつかの実施形態では、上記分離操作は分取薄層クロマトグラフィを用いて行われる。
【0026】
いくつかの実施形態では、上記脱保護工程はナトリウムメトキシドのメタノール溶液中で行われる。
【0027】
いくつかの実施形態では、上記式(6)の化合物は、式(S2)の化合物
を還元剤と反応させることにより式(6)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。いくつかの実施形態では、上記還元剤はTHF中の水素化アルミニウムリチウム(LAH)である。
【0028】
いくつかの実施形態では、上記式(S2)の化合物は、式(S1)の化合物
をベンゾイル化剤と反応させることにより式(S2)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。いくつかの実施形態では、上記ベンゾイル化剤はベンジルブロミド(BnBr)及び水素化ナトリウム(NaH)である。
【0029】
いくつかの実施形態では、上記式(S1)の化合物は、式(5)の化合物
を還元剤と反応させることにより式(S1)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。いくつかの実施形態では、上記還元剤はH及びPd/Cである。
【0030】
いくつかの実施形態では、上記式(5)の化合物は、式(4)の化合物
をバニリンとシュトッベ縮合反応させ、続いてエステル化反応を行うことにより式(5)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。いくつかの実施形態では、上記シュトッベ縮合反応はメタノール中においてリチウム(例えばリチウムワイヤ)の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、上記エステル化反応はメタノールを用いてHSOの存在下で行われる。
【0031】
いくつかの実施形態では、上記式(4)の化合物は、バニリンをコハク酸メチルとシュトッベ縮合反応させ、続いてエステル化反応を行う工程を含む方法によって製造される。いくつかの実施形態では、上記シュトッベ縮合反応はメタノール中においてリチウムワイヤの存在下で行われる。いくつかの実施形態では、上記エステル化反応はメタノールを用いてHSOの存在下で行われる。
【0032】
本発明は、式((S,S)−SDG−1)の化合物
を製造する方法であって、
(a)式(S2)の化合物
を還元剤と反応させることにより式(6)の化合物
を製造する反応工程と、
(b)式(6)の化合物を式(7)の化合物
と反応させることにより式((S,S)−S3)の化合物
を製造する反応工程と、
(c)式((S,S)−S3)の化合物のベンジルエーテルを開裂させ、続いて分離操作によって式((S,S)−8)の化合物
を製造する開裂工程と、
(d)式((S,S)−8)の化合物を脱保護することにより式((S,S)−SDG−1)の化合物を製造する脱保護工程とを含む方法を提供する。
【0033】
いくつかの実施形態では、上記(a)の反応工程はTMSOTfの存在下で行われる。いくつかの実施形態では、上記(a)の反応工程は活性モレキュラーシーブの存在下で行われる。
【0034】
いくつかの実施形態では、上記開裂工程はメタノール中においてH及びPd/Cの存在下で行われる。
【0035】
いくつかの実施形態では、上記分離操作は分取薄層クロマトグラフィを用いて行われる。
【0036】
いくつかの実施形態では、上記脱保護工程はナトリウムメトキシドのメタノール溶液中で行われる。
【0037】
いくつかの実施形態では、上記還元剤はTHF中の水素化アルミニウムリチウム(LAH)である。
【0038】
いくつかの実施形態では、上記式(S2)の化合物は、式(S1)の化合物
をベンゾイル化剤と反応させることにより式(S2)の化合物を形成する工程を含む方法によって製造される。いくつかの実施形態では、上記ベンゾイル化剤はBnBr及びNaHである。
【0039】
いくつかの実施形態では、上記式(S1)の化合物は、式(5)の化合物
を還元剤と反応させることにより式(S1)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。いくつかの実施形態では、上記還元剤はH及びPd/Cである。
【0040】
いくつかの実施形態では、上記式(5)の化合物は、式(4)の化合物
をバニリンとシュトッベ縮合反応させ、続いてエステル化反応を行うことにより式(5)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。
【0041】
いくつかの実施形態では、上記シュトッベ縮合反応は、メタノール中においてリチウムワイヤの存在下で行われる。
【0042】
いくつかの実施形態では、上記エステル化反応はメタノールを用いてHSOの存在下で行われる。
【0043】
いくつかの実施形態では、上記式(4)の化合物は、バニリンをコハク酸メチルとシュトッベ縮合反応させ、続いてエステル化反応を行う工程を含む方法によって製造される。
【0044】
いくつかの実施形態では、上記シュトッベ縮合反応はメタノール中においてリチウムワイヤの存在下で行われる。いくつかの実施形態では、上記エステル化反応はメタノールを用いてHSOの存在下で行われる。
【0045】
本発明は、式((S,S)−SDG−1)の化合物
を製造する方法であって、
(a)式(5)の化合物
を還元剤と反応させることにより式(S1)の化合物
を製造する反応工程と、
(b)式(S1)の化合物
をベンゾイル化剤と反応させることにより式(S2)の化合物
を製造する反応工程と、
(c)式(S2)の化合物を還元剤と反応させることにより式(6)の化合物
を製造する反応工程と、
(d)式(6)の化合物を式(7)の化合物
と反応させることにより式((S,S)−S3)の化合物
を製造する反応工程と、
(e)式((S,S)−S3)の化合物のベンジルエーテルを開裂させ、続いて分離操作によって式((S,S)−8)の化合物
を製造する開裂工程と、
(f)式((S,S)−8)の化合物を脱保護することにより式((S,S)−SDG−1)の化合物を製造する脱保護工程とを含む方法を提供する。
【0046】
いくつかの実施形態では、上記式(5)の化合物は、式(4)の化合物
をバニリンとシュトッベ縮合反応させ、続いてエステル化反応を行うことにより式(5)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。
【0047】
本発明は、式((R,R)−SDG−2)の化合物
を製造する方法であって、
(a)式(6)の化合物
を式(7)の化合物
と反応させることにより式((R,R)−S4)の化合物
を製造する反応工程と、
(b)式((R,R)−S4)の化合物のベンジルエーテルを開裂させ、続いて分離操作によって式((R,R)−9)の化合物
を製造する開裂工程と、
(c)式((S,S)−9)の化合物を脱保護することにより式((R,R)−SDG−2)の化合物を製造する脱保護工程とを含む方法を提供する。
【0048】
いくつかの実施形態では、上記反応工程はルイス酸の存在下で行われる。特定の実施形態では、上記ルイス酸はTMSOTfである。
【0049】
いくつかの実施形態では、上記反応工程は活性モレキュラーシーブの存在下で行われる。
【0050】
いくつかの実施形態では、上記開裂工程はメタノール中においてH及びPd/Cの存在下で行われる。いくつかの実施形態では、上記分離操作は、分取薄層クロマトグラフィを用いて行われる。
【0051】
いくつかの実施形態では、上記脱保護工程はナトリウムメトキシドのメタノール溶液中で行われる。
【0052】
いくつかの実施形態では、上記式(6)の化合物は、式(S2)の化合物
を還元剤と反応させることにより式(6)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。
【0053】
いくつかの実施形態では、上記還元剤はTHF中の水素化アルミニウムリチウム(LAH)である。
【0054】
いくつかの実施形態では、上記式(S2)の化合物は、式(S1)の化合物
をベンゾイル化剤と反応させることにより式(S2)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。いくつかの実施形態では、上記ベンゾイル化剤はBnBr及びNaHである。
【0055】
いくつかの実施形態では、上記式(S1)の化合物は、式(5)の化合物
を還元剤と反応させることにより式(S1)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。いくつかの実施形態では、上記還元剤はH及びPd/Cである。
【0056】
いくつかの実施形態では、上記式(5)の化合物は、式(4)の化合物
をバニリンとシュトッベ縮合反応させ、続いてエステル化反応を行うことにより式(5)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。
【0057】
いくつかの実施形態では、上記シュトッベ縮合反応はメタノール中においてリチウム(例えばリチウムワイヤ)の存在下で行われる。
【0058】
いくつかの実施形態では、上記エステル化反応はメタノールを用いてHSOの存在下で行われる。
【0059】
いくつかの実施形態では、上記式(4)の化合物は、バニリンをコハク酸メチルとシュトッベ縮合反応させ、続いてエステル化反応を行う工程を含む方法によって製造される。
【0060】
いくつかの実施形態では、上記シュトッベ縮合反応はメタノール中においてリチウムワイヤの存在下で行われる。
【0061】
いくつかの実施形態では、上記エステル化反応はメタノールを用いてHSOの存在下で行われる。
【0062】
本発明は、式((R,R)−SDG−2)の化合物
を製造する方法であって、
(a)式(S2)の化合物
を還元剤と反応させることにより式(6)の化合物
を製造する反応工程と、
(b)式(6)の化合物を式(7)の化合物
と反応させることにより式((R,R)−S4)の化合物
を製造する反応工程と、
(c)式((R,R)−S4)の化合物のベンジルエーテルを開裂させ、続いて分離操作によって式((R,R)−9)の化合物
を製造する開裂工程と、
(d)式((R,R)−9)の化合物を脱保護することにより式((R,R)−SDG−2)の化合物を製造する脱保護工程とを含む方法を提供する。
【0063】
いくつかの実施形態では、上記(a)の反応工程はTMSOTfの存在下で行われる。いくつかの実施形態では、上記(a)の反応工程は活性モレキュラーシーブの存在下で行われる。
【0064】
いくつかの実施形態では、上記開裂工程はメタノール中においてH及びPd/Cの存在下で行われる。いくつかの実施形態では、上記分離操作は分取薄層クロマトグラフィを用いて行われる。
【0065】
いくつかの実施形態では、上記脱保護工程はナトリウムメトキシドのメタノール溶液中で行われる。
【0066】
いくつかの実施形態では、上記還元剤はTHF中の水素化アルミニウムリチウム(LAH)である。
【0067】
いくつかの実施形態では、上記式(S2)の化合物は、式(S1)の化合物
をベンゾイル化剤と反応させることにより式(S2)の化合物を形成する工程を含む方法によって製造される。
【0068】
いくつかの実施形態では、上記ベンゾイル化剤はBnBr及びNaHである。
【0069】
いくつかの実施形態では、上記式(S1)の化合物は、式(5)の化合物
を還元剤と反応させることにより式(S1)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。
【0070】
いくつかの実施形態では、上記還元剤はH及びPd/Cである。
【0071】
いくつかの実施形態では、上記式(5)の化合物は、式(4)の化合物
をバニリンとシュトッベ縮合反応させ、続いてエステル化反応を行うことにより式(5)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。いくつかの実施形態では、上記シュトッベ縮合反応はメタノール中においてリチウムワイヤの存在下で行われる。いくつかの実施形態では、上記エステル化反応はメタノールを用いてHSOの存在下で行われる。
【0072】
いくつかの実施形態では、上記式(4)の化合物は、バニリンをコハク酸メチルとシュトッベ縮合反応させ、続いてエステル化反応を行う工程を含む方法によって製造される。いくつかの実施形態では、上記シュトッベ縮合反応はメタノール中においてリチウムワイヤの存在下で行われる。いくつかの実施形態では、上記エステル化反応はメタノールを用いてHSOの存在下で行われる。
【0073】
本発明は、(R,R)−SDG−2の化合物
を製造する方法であって、
(a)式(5)の化合物
を還元剤と反応させることにより式(S1)の化合物
を製造する反応工程と、
(b)式(S1)の化合物
をベンゾイル化剤と反応させることにより式(S2)の化合物
を製造する反応工程と、
(c)式(S2)の化合物を還元剤と反応させることにより式(6)の化合物
を製造する反応工程と、
(d)式(6)の化合物を式(7)の化合物
と反応させることにより式((R,R)−S4)の化合物
を製造する反応工程と、
(e)式((R,R)−S4)の化合物のベンジルエーテルを開裂させ、続いて分離操作によって式((R,R)−9)の化合物
を製造する開裂工程と、
(f)式((R,R)−9)の化合物を脱保護することにより式((R,R)−SDG−2)の化合物を製造する脱保護工程とを含む方法を提供する。
【0074】
いくつかの実施形態では、上記式(5)の化合物は、式(4)の化合物
をバニリンとシュトッベ縮合反応させ、続いてエステル化反応を行うことにより式(5)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。
【0075】
本発明は、式(6)の化合物
を製造する方法であって、式(S2)の化合物
を還元剤と反応させることにより式(6)の化合物を製造する反応工程を含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、上記還元剤はTHF中の水素化アルミニウムリチウム(LAH)である。
【0076】
いくつかの実施形態では、上記式(S2)の化合物は、式(S1)の化合物
をベンゾイル化剤と反応させることにより式(S2)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。特定の実施形態では、上記ベンゾイル化剤はBnBr及びNaHである。
【0077】
いくつかの実施形態では、上記式(S1)の化合物は、式(5)の化合物
を還元剤と反応させることにより式(S1)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。特定の実施形態では、上記還元剤はH及びPd/Cである。
【0078】
いくつかの実施形態では、上記式(5)の化合物は、式(4)の化合物
をバニリンとシュトッベ縮合反応させ、続いてエステル化反応を行うことにより式(5)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。いくつかの実施形態では、上記シュトッベ縮合反応はメタノール中においてリチウムワイヤの存在下で行われる。いくつかの実施形態では、上記エステル化反応はメタノールを用いてHSOの存在下で行われる。
【0079】
いくつかの実施形態では、上記式(4)の化合物は、バニリンをコハク酸メチルとシュトッベ縮合反応させ、続いてエステル化反応を行う工程を含む方法によって製造される。いくつかの実施形態では、上記シュトッベ縮合反応はメタノール中においてリチウムワイヤの存在下で行われる。いくつかの実施形態では、上記エステル化反応はメタノールを用いてHSOの存在下で行われる。
【0080】
本発明は、式((S,S)−S3)の化合物
を製造する方法であって、式(6)の化合物
を式(7)の化合物
と反応させることにより式((S,S)−S3)の化合物を製造する反応工程を含む方法を提供する。
【0081】
いくつかの実施形態では、上記反応工程はルイス酸の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、上記ルイス酸はTMSOTfである。いくつかの実施形態では、上記反応工程は活性モレキュラーシーブの存在下で行われる。
【0082】
いくつかの実施形態では、上記式(6)の化合物は、式(S2)の化合物
を還元剤と反応させることにより式(6)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。いくつかの実施形態では、上記還元剤はTHF中の水素化アルミニウムリチウム(LAH)である。
【0083】
いくつかの実施形態では、上記式(S2)の化合物は、式(S1)の化合物
をベンゾイル化剤と反応させることにより式(S2)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。特定の実施形態では、上記ベンゾイル化剤はBnBr及びNaHである。
【0084】
いくつかの実施形態では、上記式(S1)の化合物は、式(5)の化合物
を還元剤と反応させることにより式(S1)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。特定の実施形態では、上記還元剤はH及びPd/Cである。
【0085】
いくつかの実施形態では、上記式(5)の化合物は、式(4)の化合物
をバニリンとシュトッベ縮合反応させ、続いてエステル化反応を行うことにより式(5)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。いくつかの実施形態では、上記シュトッベ縮合反応はメタノール中においてリチウムワイヤの存在下で行われる。いくつかの実施形態では、上記エステル化反応はメタノールを用いてHSOの存在下で行われる。
【0086】
いくつかの実施形態では、上記式(4)の化合物は、バニリンをコハク酸メチルとシュトッベ縮合反応させ、続いてエステル化反応を行う工程を含む方法によって製造される。いくつかの実施形態では、上記シュトッベ縮合反応はメタノール中においてリチウムワイヤの存在下で行われる。いくつかの実施形態では、上記エステル化反応はメタノールを用いてHSOの存在下で行われる。
【0087】
本発明は、式((S,S)−8)の化合物
を製造する方法であって、
(a)式(6)の化合物
を式(7)の化合物
と反応させることにより式((S,S)−S3)の化合物
を製造する反応工程と、
(b)式((S,S)−S3)の化合物のベンジルエーテルを開裂させ、続いて分離操作によって式((S,S)−8)の化合物を製造する開裂工程とを含む方法を提供する。
【0088】
いくつかの実施形態では、上記反応工程は、TMSOTfの存在下で行われる。いくつかの実施形態では、反応工程は活性モレキュラーシーブの存在下で行われる。いくつかの実施形態では、上記開裂工程は、メタノール中においてH及びPd/Cの存在下で行われる。いくつかの実施形態では、上記分離操作は分取薄層クロマトグラフィを用いて行われる。
【0089】
いくつかの実施形態では、上記式(6)の化合物は、式(S2)の化合物
を還元剤と反応させることにより式(6)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。特定の実施形態では、上記還元剤はTHF中の水素化アルミニウムリチウム(LAH)である。
【0090】
いくつかの実施形態では、上記式(S2)の化合物は、式(S1)の化合物
をベンゾイル化剤と反応させることにより式(S2)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。特定の実施形態では、上記ベンゾイル化剤はBnBr及びNaHである。
【0091】
いくつかの実施形態では、上記式(S1)の化合物は、式(5)の化合物
を還元剤と反応させることにより式(S1)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。特定の実施形態では、上記還元剤はH及びPd/Cである。
【0092】
いくつかの実施形態では、上記式(5)の化合物は、式(4)の化合物
をバニリンとシュトッベ縮合反応させ、続いてエステル化反応を行うことにより式(5)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。いくつかの実施形態では、上記シュトッベ縮合反応はメタノール中においてリチウムワイヤの存在下で行われる。いくつかの実施形態では、上記エステル化反応はメタノールを用いてHSOの存在下で行われる。
【0093】
いくつかの実施形態では、上記式(4)の化合物は、バニリンをコハク酸メチルとシュトッベ縮合反応させ、続いてエステル化反応を行う工程を含む方法によって製造される。いくつかの実施形態では、上記シュトッベ縮合反応はメタノール中においてリチウムワイヤの存在下で行われる。いくつかの実施形態では、上記エステル化反応はメタノールを用いてHSOの存在下で行われる。
【0094】
本発明は、式((R,R)−S4)の化合物
を製造する方法であって、
(a)式(6)の化合物
を式(7)の化合物
と反応させることにより式((R,R)−S4)の化合物を製造する反応工程を含む方法を提供する。
【0095】
いくつかの実施形態では、上記反応工程はTMSOTfの存在下で行われる。
【0096】
いくつかの実施形態では、上記反応工程は活性モレキュラーシーブの存在下で行われる。
【0097】
いくつかの実施形態では、上記式(6)の化合物は、式(S2)の化合物
を還元剤と反応させることにより式(6)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。特定の実施形態では、上記還元剤はTHF中の水素化アルミニウムリチウム(LAH)である。
【0098】
いくつかの実施形態では、上記式(S2)の化合物は、式(S1)の化合物
をベンゾイル化剤と反応させることにより式(S2)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。特定の実施形態では、上記ベンゾイル化剤はBnBr及びNaHである。
【0099】
いくつかの実施形態では、上記式(S1)の化合物は、式(5)の化合物
を還元剤と反応させることにより式(S1)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。特定の実施形態では、上記還元剤はH及びPd/Cである。
【0100】
いくつかの実施形態では、上記式(5)の化合物は、式(4)の化合物
をバニリンとシュトッベ縮合反応させ、続いてエステル化反応を行うことにより式(5)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。いくつかの実施形態では、上記シュトッベ縮合反応はメタノール中においてリチウムワイヤの存在下で行われる。いくつかの実施形態では、上記エステル化反応はメタノールを用いてHSOの存在下で行われる。
【0101】
いくつかの実施形態では、上記式(4)の化合物は、バニリンをコハク酸メチルとシュトッベ縮合反応させ、続いてエステル化反応を行う工程を含む方法によって製造される。いくつかの実施形態では、上記シュトッベ縮合反応はメタノール中においてリチウムワイヤの存在下で行われる。いくつかの実施形態では、上記エステル化反応はメタノールを用いてHSOの存在下で行われる。
【0102】
本発明は、式((R,R)−9)の化合物
を製造する方法であって、
(a)式(6)の化合物
を式(7)の化合物
と反応させることにより式((R,R)−S4)の化合物
を製造する反応工程と、
(b)式((R,R)−S4)の化合物のベンジルエーテルを開裂させ、続いて分離操作によって式((R,R)−9)の化合物を製造する開裂工程とを含む方法を提供する。
【0103】
いくつかの実施形態では、上記反応工程はTMSOTfの存在下で行われる。いくつかの実施形態では、上記反応工程は活性モレキュラーシーブの存在下で行われる。いくつかの実施形態では、上記開裂工程はメタノール中においてH及びPd/Cの存在下で行われる。いくつかの実施形態では、上記分離操作は分取薄層クロマトグラフィを用いて行われる。
【0104】
いくつかの実施形態では、上記式(6)の化合物は、式(S2)の化合物
を還元剤と反応させることにより式(6)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。特定の実施形態では、上記還元剤はTHF中の水素化アルミニウムリチウム(LAH)である。
【0105】
いくつかの実施形態では、上記式(S2)の化合物は、式(S1)の化合物
をベンゾイル化剤と反応させることにより式(S2)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。特定の実施形態では、上記ベンゾイル化剤はBnBr及びNaHである。
【0106】
いくつかの実施形態では、上記式(S1)の化合物は、式(5)の化合物
を還元剤と反応させることにより式(S1)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。特定の実施形態では、上記還元剤はH及びPd/Cである。
【0107】
いくつかの実施形態では、上記式(5)の化合物は、式(4)の化合物
をバニリンとシュトッベ縮合反応させ、続いてエステル化反応を行うことにより式(5)の化合物を製造する工程を含む方法によって製造される。いくつかの実施形態では、上記シュトッベ縮合反応はメタノール中においてリチウムワイヤの存在下で行われる。いくつかの実施形態では、上記エステル化反応はメタノールを用いてHSOの存在下で行われる。
【0108】
いくつかの実施形態では、上記式(4)の化合物は、バニリンをコハク酸メチルとシュトッベ縮合反応させ、続いてエステル化反応を行う工程を含む方法によって製造される。いくつかの実施形態では、上記シュトッベ縮合反応はメタノール中においてリチウムワイヤの存在下で行われる。いくつかの実施形態では、上記エステル化反応はメタノールを用いてHSOの存在下で行われる。
【0109】
「反応(させる)」なる語は、示された試薬同士を、化学システムの熱力学及び動力学に従って分子間相互作用及び化学変換がなされるように結び付けることを指す。特に固体試薬に関しては、適切な溶媒または複数の溶媒の混合物であって複数の試薬のうちの少なくとも1つが少なくとも部分的に可溶性であるものを用いることによって、反応を促進することができる。反応は通常、所望の化学変換を引き起こすのに適した条件下で適切な時間にわたって行われる。
【0110】
本明細書に記載の方法は、他の適切な出発物質を用い、上記した合成経路に従って行われるものを含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法には、適切な保護基を付加または除去するための追加工程が上記工程の前または後に含まれることもある。さらに、所望の化合物を得るために、別の順序または順番で様々な合成工程を実行することができる。
【0111】
一態様では、本発明は、市販の化合物(例えばバニリン)を出発物質として(S,S)−セコイソラリシレジノールジグルコシド((S,S)−SDG−1)及び(R,R)−セコイソラリシレジノールジグルコシド((R,R)−SDG−2)を製造するための短工程化された経路を提供する。化合物((S,S)−SDG−1)及び((R,R)−SDG−2)は、亜麻仁に含まれている生物活性原料である。両化合物は、ともに、ヒドロキシル、ペルオキシ及びDPPH(2,2−ジフェニル−l−ピクリルヒドラジル)フリーラジカルに対する強い還元力及び高いフリーラジカル消去活性を持つ。
【0112】
本発明の方法は、実質的に純粋な化合物(S,S)−セコイソラリシレジノールジグルコシド((S,S)−SDG−1)及び実質的に純粋な化合物(R,R)−セコイソラリシレジノールジグルコシド((R,R)−SDG−2)を産生することができる。((S,S)−SDG−1)に関しては、「実質的に純粋な」は、化合物((S,S)−SDG−1)が、当該化合物が形成または検出された環境から少なくとも実質的に分離されていることを意味する。実質的純度は、化合物((S,S)−SDG−1)の少なくとも約80.0重量%、または少なくとも約85.0重量%、または少なくとも約90.0重量%、または少なくとも約95.0重量%、または少なくとも約97.0重量%、または少なくとも約98.0重量%、または少なくとも約99.0重量%、または少なくとも約99.2重量%、または少なくとも約99.4重量%、または少なくとも約99.6重量%、または少なくとも約99.8重量%、または少なくとも約99.9重量%、または約100重量%を含む組成物を含み得る。((R,R)−SDG−2)に関しては、「実質的に純粋な」は、化合物((R,R)−SDG−2)が、当該化合物が形成または検出された環境から少なくとも実質的に分離されていることを意味する。実質的純度は、化合物((R,R)−SDG−2)の少なくとも約80.0重量%、または少なくとも約85.0重量%、または少なくとも約90.0重量%、または少なくとも約95.0重量%、または少なくとも約97.0重量%、または少なくとも約98.0重量%、または少なくとも約99.0重量%、または少なくとも約99.2重量%、または少なくとも約99.4重量%、または少なくとも約99.6重量%、または少なくとも約99.8重量%、または少なくとも約99.9重量%、または約100重量%を含む組成物を含み得る。
【0113】
「医薬組成物」は、対象に投与するのに適した形態で化合物を含む製剤である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、バルク製剤または小分け(単位)包装された製剤である。小分け包装された製剤は、例えば、カプセル剤、点滴静注バッグ、錠剤、シングルポンプを搭載したエアゾール吸入器、またはバイアルを含む様々な形態のうちの任意のものである。単位用量の組成物中の活性成分(例えば、本発明の化合物またはその塩、溶媒和物、多形体、あるいはプロドラッグの形成)の量は有効量であり、関与する個別の治療により様々である。患者の年齢及び健康状態に応じて用量を定期的に変更することが必要なこともあることは、当業者であれば分かるであろう。用量は、投与経路にも左右される。経口、経肺、経直腸、非経口、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、吸入、口腔内、舌下、胸膜内、髄腔内、鼻腔内などを含む様々な経路が考えられる。本発明の化合物の局所または経皮投与のための剤形には、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ及び吸入剤が含まれる。いくつかの実施形態では、活性化合物は、薬学的に許容される担体と無菌状態で混合され、かつ必要とされる任意の防腐剤、緩衝剤または噴射剤とも混合される。
【0114】
「対象」は、哺乳動物、例えば、ヒト、伴侶動物(例えば、犬、猫、鳥など)、家畜(例えば、牛、羊、豚、馬、家禽など)及び実験動物(例えば、ラット、ネズミ、モルモット、鳥など)を含む。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。
【0115】
本明細書において、「薬学的に許容される」なる句は、化合物、物質、組成物、担体及び/または剤形であって、正しい医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題や合併症なしに、ヒト及び動物の組織と接触して用いるのに適しており、妥当なベネフィット/リスク比に見合っているものを指す。
【0116】
「薬学的に許容される賦形剤」は、一般的に安全で、毒性がなく、かつ生物学的にもその他の点でも有害ではない、医薬組成物の製造において有用な賦形剤を意味し、獣医による使用及びヒトへの薬学的使用に許容される賦形剤を含む。本明細書において、「薬学的に許容される賦形剤」は、1つまたは2つ以上のそのような賦形剤を含む。
【0117】
本発明の種々の実施形態には、(S,S)−セコイソラリシレジノールジグルコシド((S,S)−SDG−1)を含む組成物も含まれる。これらの組成物は、(S,S)−セコイソラリシレジノールジグルコシド((S,S)−SDG−1)及び少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物であることが好ましい。いくつかの実施形態では、組成物及び医薬組成物は、実質的に純粋な(S,S)−セコイソラリシレジノールジグルコシド((S,S)−SDG−1)を用いて製造することができる。いくつかの実施形態では、組成物及び医薬組成物のジアステレオマー過剰率(de)は、少なくとも90%de、好ましくは少なくとも95%de、より好ましくは少なくとも98%de、さらに好ましくは少なくとも99%de、最も好ましくは約100%deである。組成物及び医薬組成物を化合物のジアステレオマー型の混合物として(例えば、ラセミ混合物として、または((S,S)−SDG−1)及び((R,R)−SDG−2)が60:40,70:30,80:20または90:10の割合で混合している混合物として)製造することもできる。
【0118】
本発明の種々の実施形態には、(R,R)−セコイソラリシレジノールジグルコシド((R,R)−SDG−2)を含む組成物も含まれる。これらの組成物は、(R,R)−セコイソラリシレジノールジグルコシド((R,R)−SDG−2)及び少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物であることが好ましい。いくつかの実施形態では、組成物及び医薬組成物は、実質的に純粋な(R,R)−セコイソラリシレジノールジグルコシド((R,R)−SDG−2)を用いて製造することができる。いくつかの実施形態では、組成物及び医薬組成物のジアステレオマー過剰率(de)は、少なくとも90%de、好ましくは少なくとも95%de、より好ましくは少なくとも98%de、さらに好ましくは少なくとも99%de、最も好ましくは約100%deである。組成物及び医薬組成物を化合物のジアステレオマー型の混合物として(例えば、ラセミ混合物として、または((R,R)−SDG−2)及び((S,S)−SDG−1)が60:40,70:30,80:20または90:10の割合で混合している混合物として)製造することもできる。
【0119】
説明の全てにわたって、組成物が特定の成分を有するか、含むか、または構成すると記載されている場合、組成物は、当該成分から実質的になるか、または当該成分からなるとも考えられる。同様に、方法が特定の方法工程を有するか、含むか、または構成すると記載されている場合、方法は、当該処理工程から実質的になるか、または当該処理工程からなるとも考えられる。さらに、本発明が実施可能である限り、工程の順番または特定の行為を行う順番は重要ではないことを理解されたい。さらに、2つ以上の工程または行為を同時に行うこともできる。
【0120】
本発明の好適実施形態をより詳細に説明するために、以下に実施例を示す。しかし、これらの実施例を、本発明の広い範囲を制限するものと解釈すべきではない。
【0121】
実施例
【0122】
化学反応の基本手順
全ての反応は、特に断りのない限り、無水条件下で乾燥溶媒を用いてアルゴン雰囲気下で行われた。市販の予め乾燥させてある無酸素フォーミュレーションを活性アルミナカラムに通すことによって、乾燥テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、塩化メチレン(CHCl)を得た。収率は、特に明記しない限り、クロマトグラフ的にも分光的にも(H NMR)均質な物質についてのものである。試薬は、特に明記しない限り、最高の業務用品質のものを購入し、さらに精製することなく使用した。0.25mmのエーメルク社(E. Merck)製シリカゲルプレート(60F−254)上で薄層クロマトグラフィ(TLC)を行い、紫外線を可視化剤として用い、リンモリブデン酸及び硫酸セリウムのエタノール溶液、並びに熱を現像剤として用いて、反応を観察した。エーメルク社製シリカゲル(60,粒子径0.040〜0.063mm)をフラッシュカラムクロマトグラフィに用いた。特に断りのない限り、0.25または0.50mmのエーメルク社製シリカゲルプレート(60F−254)上で分取薄層クロマトグラフィ(PTLC)分離を行った。NMRスペクトルをブルカー(Bruker)製のDRX−600分光計に記録し、内部基準として非重水素化溶媒残渣を用いて較正した。多重度を説明するために、次の略号を用いた:s=一重項,d=二重項,t=三重項,m=多重項。パーキンエルマー社(Perkin- Elmer)製のSpectrum100フーリエ変換赤外(FT−IR)分光分析装置にIRスペクトルを記録した。ESI(エレクトロスプレーイオン化)を用いてVG ZAB−ZSEマススペクトルメータに高分解能マススペクトル(HR−MS)を記録した。
【0123】
スキーム1は、(S,S)−セコイソラリシレジノールジグルコシド及び(R,R)−セコイソラリシレジノールジグルコシドの製造のための中間化合物である化合物(6)の合成に用いた反応経路を示している。
【0124】
スキーム1:化合物(6)の合成
【0125】
実施例1:フェノール4の合成
バニリン3(14.0g,92.1mmol,1当量)及びコハク酸ジメチル(12.13mL,92.1mmol,1当量)のメタノール(MeOH)溶液(450mL)に、リチウムワイヤ(1.79g,257.9mmol,2.8当量)を、発熱を制御するために氷浴にて少しずつゆっくりと加えた。当初のリチウムが完全に溶解した後、追加のリチウム(1.98g,285.5mmol,3.1当量)を少しずつゆっくりと加え、完全に溶解するまで撹拌した。その後、反応混合物を還流下に48時間加熱した。溶液を室温まで冷却した後、ロータバップ(ロータリーエバポレータ)で濃縮することによってメタノールの大部分を除去した。EtOAc(1000mL)を加え、溶液を2MのHCl水溶液(700mL)、HO(3×1000mL)で、その後ブライン(200mL)で洗浄した。その後、有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過して濃縮した。クルードをMeOH(230ml)に溶解させ、HSO(1mL)を加え、溶液を還流下に一晩加熱した。翌朝冷却時に、HSOを急冷するためにNaHCO(3.0g)を加え、溶液の大部分をロータバップによって濃縮した。EtOAc(500ml)を加え、溶液をHO(2×200mL)で、その後ブライン(100mL)で洗浄した。その後、有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過して濃縮し、褐色油とした。少量のCHClに溶解させ、その後フラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカ,1:9→2:8→3:7→4:6→5:5 エーテル:ヘキサン)によって精製することによって、灰白色固体としてフェノール4(18.0g,64.2mmol,収率70%,割り当てられていないオレフィン幾何構造)を得た。4:R=0.17(シリカ,エーテル:ヘキサン 1:1);IR(film):νmax=3422,1702,1514,1434,1258,1195 1159,1093,1030,924,821 770,729cm−1H NMR(600MHz,CDCl)δ=7.79(s,1H),6.90−6.85(m,3H),6.19(s,1H),3.82(s,3H),3.78(s,3H),3.69(s,3H),3.57(s,2H)ppm;13C NMR(150MHz,CDCl)δ=171.94,168.13,146.80,146.61,142.38,126.96,123.39,123.31,114.76,111.80,55.85,52.24,52.20,33.61ppm;HRMS(ESI−TOF):calcd for C1416[M+H]:280.102,found 281.1022。
【0126】
実施例2:ジエステル5の合成
ジエステル4(15.00g,53.52mmol,1当量)及びバニリン3(8.14g,53.52mmol,1当量)のメタノール(MeOH)溶液(200mL)に、リチウムワイヤ(2.6g,374.6mmol,7当量)を、発熱を制御するために氷浴にて少しずつゆっくりと加え、完全に溶解するまで撹拌した。その後、反応混合物を還流下に48時間加熱した。溶液を室温まで冷却した後、ロータバップで濃縮することによってメタノールの大部分を除去した。EtOAc(200mL)を加え、溶液を2MのHCl水溶液(500mL)で酸性化し、その後EtOAc(2×200mL)で抽出した。結合された有機物を、HO(2×200mL)で、その後ブライン(200mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過して濃縮した。残留物をMeOH(300mL)に溶解させ、濃硫酸(conc. H2SO4)(1mL)を加え、溶液を還流下に一晩加熱した。翌朝冷却時に、HSOを急冷するためにNaHCO(3.0g)を加え、溶液の大部分をロータバップによって濃縮した。EtOAc(400ml)を加え、溶液をHO(2×200mL)で、その後ブライン(100mL)で洗浄した。その後、有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過して濃縮した。少量のCHClに溶解させ、その後フラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカ,2:1:7→3:1:6→4:1:5 EtOAc:CHCl:ヘキサン)に通すことによって、黄色がかったオレンジ色の固体としてジエステル5(13.6g,32.8mmol,収率61%,割り当てられていないオレフィン幾何構造)を得た。5:R=0.28(シリカ,EtOAc:ヘキサン 1:1);IR(film):νmax=3388,1696,1588,1509,1431,1209,1157,1029,817,733cm−1H NMR(600MHz,CDCl)δ=7.86(s,2H),7.11(d,J=1.64Hz,2H),7.04(dd,J=8.48,1.72Hz,2H),6.82(d,J=8.38Hz,2H),6.08(s,2H),3.7(s,6H),3.69(s,6H)ppm;13C NMR(150MHz,CDCl)δ=168.00,147.59,146.54,142.64,127.10,125.38,124.06,114.71,111.52,55.77,52.51ppm;HRMS(ESI−TOF):calcd for C2222[M+H]:415.1387,found 415.1378。
【0127】
実施例3:ジエステルS1の合成
ジエステル5(5.00g,12.07mmol,1当量)のメタノール(MeOH)溶液(120mL)を、短時間真空に晒してアルゴンで再充填する(大気圧に戻す)ことを数回行うことによって、アルゴン雰囲気で飽和させた。パラジウム炭素(10重量%Pd,0.500g)を加え、溶液を、真空/H再充填によってによってH雰囲気で飽和させた。溶液を一晩撹拌した。翌朝、溶液をアルゴン雰囲気下に置き、CHCl(400mL)を加え、溶液を1時間撹拌した。その後、混合液をセライト(登録商標)のパッド(1.5インチ,MeOH及びCHClで洗浄)に通して濾過し、濾過液を濃縮した。得られた固体を少量のCHClに溶解させ、フラッシュカラムクロマトグラフィ(2:8:1→3:7:1→4:6:1 EtOAc:CHCl:ヘキサン)によって精製することによって、灰白色固体としてジエステルS1(4.24g,10.1mmol,84%)を得た。S1:R=0.24(シリカ,EtOAc:ヘキサン:CHCl 4:6:1);IR(film):νmax=3440,2951,1726,1514,1432,1267,1198,1151,1121,1029,817,797cm−1H NMR(600MHz,CDCl)δ=6.78(d,J=8.09Hz,2H),6.58(d,J=8.09Hz,2H),6.45(s,2H),5.65(s,2H),3.75(s,6H),3.64(s,6H),3.00−2.94(m,2H),2.92−2.82(m,4H)ppm;13C NMR(150MHz,CDCl)δ=174.03,146.49,144.21,130.41,121.88,114.18,111.26,55.73,51.86,47.67,35.38ppm;HRMS(ESI−TOF):calcd for C2226[M+H]:419.17,found 419.1700。
【0128】
実施例4:ベンジルエーテルS2の合成
氷浴にて0℃まで冷却したジエステルS1(1.00g,2.39mmol,1当量)のDMF溶液(24mL)に、NaH(0.201g,5.02mmol,60%鉱油分散物,2.1当量)をゆっくりと加え、溶液を0℃で1時間撹拌した。BnBr(910μL,7.65mmol,3.2当量)を1分間にわたって加え、溶液を0℃で4時間撹拌した。その後、反応混合物を、HO(300mL)及びEtOAc(100mL)を含むフラスコに注いだ。有機層をHO(3×200mL)及びブライン(1×50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過して濃縮した。得られた固体を少量のCHClに溶解させ、フラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカ,9:1:1→8:2:1 ヘキサン:EtOAc:CHCl)によって精製することによって、白色固体としてベンジルエーテルS2(1.36g,2.27,収率95%)を得た。S2:R=0.23(シリカ,EtOAc:ヘキサン 3:7);IR(film):νmax=2949,1730,1512,1453,1253,1225,1138,1023,733cm−1H NMR(600MHz,CDCl)δ=7.45−7.40(m,4H),7.38−7.33(m,4H),7.31−7.27(m,2H),6.74(d,J=8.12Hz,2H),6.59(d,J=1.69Hz,2H),6.53(dd,J=8.12,1.69Hz,2H),5.12(s,4H),3.80(s,6H),3.61(s,6H),3.03−2.85(m,6H)ppm;13C NMR(150MHz,CDCl)δ=174.00,149.58,146.87,137.37,131.74,128.65,127.93,127.37,121.09,114.05,112.73,71.14,56.00,51.91,47.91,35.32ppm;HRMS(ESI−TOF):calcd for C3638[M+H]:599.2639,found 599.2651。
【0129】
実施例5:ジオール6の合成
0℃のベンジルエーテルS2(0.341g,0.570mmol,1当量)のTHF溶液(6mL)に水素化アルミニウムリチウム(1M THF溶液,1.14mL,1.14mmol,2当量)を滴下した。溶液を一晩放置して25℃まで温度を上昇させた。得られた混合液を、HO(200mL)及びEtOAc(100mL)を含むフラスコに注いだ。その後、50mLのロッシェル塩の飽和水溶液を加え、混合液を、層が容易に分離可能になるまで撹拌した。その後、有機層をHO(2×100mL)及びブライン(1×50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過して濃縮した。得られた固体を少量のCHClに溶解させ、フラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカ,5:5:1→7:3:1→8:2:1 EtOAc:ヘキサン:CHCl)によって精製することによって、白色固体としてジオール6(0.286g,0.527mmol,収率93%)を得られた。6:R=0.2(シリカ,6:4 EtOAc:ヘキサン);IR(film):νmax=3287,2933,1510,1453,1259,1223,1137,1009,733,695cm−1H NMR(600MHz,CDCl)δ=7.47−7.42(m,4H),7.40−7.34(m,4H),7.33−7.28(m,2H),6.78(d,J=8.15Hz,2H),6.69(s,2H),6.62(d,J=8.15Hz,2H),5.11(s,4H),4.09(s,2H),3.82(s,6H),3.78(d,J=11.07Hz,2H),3.49(d,J=11.07Hz,2H),2.80−2.72(m,2H),2.69−2.62(m,2H),1.86(s,2H)ppm;13C NMR(150MHz,CDCl)δ 149.47,146.38,137.29,133.87,128.51,127.80,127.28,121.02,114.02,112.79,71.12,60.19,55.96,43.79,35.81ppm;HRMS(ESI−TOF):calcd for C3438[M+H]:543.2741,found 543.2741。
【0130】
スキーム2は、化合物(6)を出発物質とする(S,S)−セコイソラリシレジノールジグルコシド及び(R,R)−セコイソラリシレジノールジグルコシドの合成に用いた反応経路を示している。
【0131】
スキーム2:化合物(6)からの((S,S)−SDG−1)及び(R,R)−SDG−2の合成
【0132】
実施例6:グリコシル化された異性体(S,S)−S3及び(R,R)−S4の合成
フラスコにジオール6(0.408g,0.751mmol,1当量)及びトリクロロアセトイミダート7(1.67g,2.25mmol,3当量)を入れ、ベンゼン共沸混合物(3×10mL)によって乾燥させた。活性化させた4Åのモレキュラーシーブ(0.800g)及びCHCl(7.5mL)を加え、溶液を1時間撹拌した。−40℃まで冷却した後、TMSOTf(54μL,0.300mmol,0.4当量)を滴下し、反応混合物を一晩放置して25℃まで温度を上昇させた。翌朝、NEt(200μL)を加え、混合物をシリカパッド(1インチ,EtOAcで洗浄)に通して濾過し、濃縮した。得られたクルードをフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカ,9:1:1→8:2:1→7:2:2 ヘキサン:EtOAc:CHCl)によって精製することによって、ジアステレオマー(S,S)−S3及び(R,R)−S4の1:1非分離混合物(1.128g,0.664mmol,収率88%)が得られた。(S,S)−S3/(R,R)−S4:R=0.22(シリカ,7:2:1 ヘキサン:EtOAc:CHCl);IR(film):νmax=2941,1727,1601,1511,1451,1262,1092,1026,708cm−1H NMR(600MHz,CDCl)δ=8.04(d,J=7.70Hz,4H),8.01(d,J=7.62Hz,4H),7.98−7.91(m,12H),7.87−7.81(m,12H),7.57−7.26(m,68H),6.61(d,J=8.26Hz,2H),6.49(s,2H),6.44(d,J=8.0Hz,2H),6.42−6.38(m,4H),6.23(d,J=8.14Hz,2H),5.93(t,J=10.07Hz,2H),5.81(t,J=9.68Hz,2H),5.72(t,J=10.07Hz,2H),5.67(t,J=9.68Hz,2H),5.56(t,J=7.72Hz,2H),5.45(t,J=8.24Hz,2H),5.08(s,8H),4.72(dd,J=12.19,2.70Hz,2H),4.66(d,J=8.22Hz,2H),4.61(dd,J=12.19,3.08Hz,2H),4.49−4.42(m,4H),4.39(d,J=7.70Hz,2H),4.14−4.08(m,2H),3.98−3.93(m,2H),3.92−3.87(m,2H),3.74(s,6H),3.70(s,6H),3.65−3.61(m,2H),3.40−3.34(m,2H),3.24−3.18(m,2H),2.56−2.45(m,6H),2.41−2.34(m,2H),1.85(s,2H),1.73(s,2H)ppm;13C NMR(150MHz,CDCl)δ=166.20,166.19,165.93,165.90,165.29,165.16,164.98,149.38,149.35,146.32,146.20,137.56,133.73,133.66,133.56,133.53,133.45,133.37,133.34,133.28,129.93,129.91,129.86,129.84,129.76,129.66,129.64,129.38,129.30,128.95,128.92,128.91,128.60,128.58,128.55,128.53,128.42,127.83,127.81,127.39,127.32,121.38,121.19,113.61,112.70,112.51,101.31,101.23,73.06,72.93,72.12,72.10,72.06,71.99,71.05,71.00,69.89,69.81,69.61,69.32,63.07,62.98,55.94,55.93,41.00,40.78,35.35,35.14ppm;HRMS(ESI−TOF):calcd for C1029024[M+H]:1699.5895,found 1699.5917。
【0133】
実施例7:フェノール(S,S)−8及び(R,R)−9
(S,S)−S3及び(R,R)−S4の1:1混合物(0.612g,0.360mmol,1当量)のEtOAc溶液(3.6mL)を、短時間真空に晒してアルゴンで再充填する(大気圧に戻す)ことを数回行うことによって、アルゴン雰囲気で飽和させた。パラジウム炭素(10重量%Pd,0.120g)を加え、溶液を、真空/H再充填によってH雰囲気で飽和させた。25℃で36時間撹拌した後、溶液をアルゴン雰囲気下に置き、セライト(登録商標)のパッド(1.5インチ,EtOAc及びCHClで洗浄)に通して濾過し、濾過液を濃縮した。得られた固体を少量のCHClに溶解させ、フラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカ,3:7→4:6→5:5 EtOAc:ヘキサン)によって精製することによって、ジアステレオマーの1:1混合物として脱ベンジル化グリコシド(0.470g,0.309mmol,収率86%)を得た。ジアステレオマーを分取薄層クロマトグラフィ(シリカ,2mm,マルチプレート,7:20 EtOAc:ヘキサン,>10の溶出工程)によって分離することによって、(S,S)−8及び(R,R)−9を灰白色固体として得ることができた。(S,S)−8:R=0.10(4:6 EtOAc:ヘキサン);[α]32=+1.2(EtOAc,c=4.3);IR(film):νmax=3460,2938,1729,1514,1451,1265,1023,1061,1027,709cm−1H NMR(600MHz,CDCl)δ=8.03(d,J=8.42Hz,4H),7.92(d,J=8.22Hz,4H),7.83(d,J=7.48Hz,8H),7.58−7.46(m,6H),7.45−7.27(m,18H),6.62(d,J=7.90Hz,2H),6.43(dd,J=7.90,1.16Hz,2H),6.38(d,J=1.16Hz,2H),5.80(t,J=9.57Hz,2H),5.64(t,J=9.57Hz,2H),5.44(t,J=9.74Hz,2H),5.40(s,2H),4.62(dd,J=12.09,2.98Hz,2H),4.44(dd,J=12.09,5.17Hz,2H),4.41(d,J=8.03Hz,2H),3.96(m,2H),3.69(s,6H),3.64(dd,J=9.38,2.82Hz,2H),3.21(dd,J=9.43,4.13Hz,2H),2.48(d,J=6.8Hz,4H),1.71(s,2H)ppm;13C NMR(150MHz,CDCl)δ=166.26,165.92,165.35,165.05,146.27,143.64,133.60,133.49,133.38,133.37,132.41,129.95,129.88,129.85,129.78,129.67,129.30,128.94,128.60,128.57,128.45,122.01,113.83,111.49,101.37,72.96,72.15,72.00,69.89,69.54,63.16,55.82,40.87,35.26ppm;HRMS(ESI−TOF):calcd for C887824[M+H]:1519.4956,found 1519.4937。(R,R)−9:R=0.10(4:6 EtOAc:ヘキサン);[α]32=+4.8(EtOAc,c=4.1);IR(film):νmax=3457,2942,1726,1262,1026,707cm−1H NMR(600MHz,CDCl)δ=8.00(d,J=7.62Hz,4H),7.97(d,J=7.71Hz,4H),7.93(d,J=7.98Hz,4H),7.62(d,J=7.71Hz,4H),7.56−7.27(m,24H),6.45(d,J=7.95Hz,2H),6.29(s,2H),6.24(d,J=7.95Hz,2H),5.91(t,J=9.82Hz,2H),5.70(t,J=9.67Hz,2H),5.54(t,J=9.23Hz,2H),5.40(s,2H),4.71(dd,J=11.87,3.29Hz,2H),4.62(d,J=7.92Hz,2H),4.42(dd,J=12.14,4.72Hz,2H),4.11−4.06(m,2H),3.85(dd,J=9.53,3.46Hz,2H),3.65(s,6H),3.34(dd,J=9.70,4.68Hz,2H),2.47−2.40(m,2H),2.37−2.30(m,2H),1.82(s,2H)ppm;13C NMR(150MHz,CDCl)δ=166.23,165.95,165.34,165.21,146.33,143.54,133.56,133.50,133.36,133.30,132.44,129.96,129.92,129.87,129.65,129.42,128.98,128.66,128.55,128.44,121.98,113.66,111.12,101.25,73.07,72.15,72.08,69.88,69.78,62.97,55.78,40.67,35.50ppm;HRMS(ESI−TOF):calcd for C3638[M+H]:1519.4956,found 1519.4947。
【0134】
実施例8:セコイソラリシレジノールジグルコシド(S,S)−SDG−1の合成
乾燥(S,S)−8(0.043g,0.028mmol,1当量)を含むフラスコに、新たに調製したナトリウムメトキシド(NaOMe)のメタノール(MeOH)溶液(0.4M,2mL,28当量)を加え、溶液を25℃で60時間撹拌した。その後、溶液をシリカのパッド(0.5インチ,MeOHで洗浄)に通して濾過し、濾過液を濃縮した。得られた固体を、分取薄層クロマトグラフィ(シリカ,2mm,9:1→7:3 CHCl:MeOH,その後5:5 CHCl:MeOH,プレートの半分の長さ)によって精製し、その後に逆相シリカの小さなプラグ(100Å,C18)に通すことによって、灰白色固体として(S,S)−SDG−1(0.017g,0.025mmol,収率88%)を得た。(S,S)−SDG−1:R=0.57(シリカ,1:1 CHCl:MeOH);[α]32=−0.3(MeOH,c=1.2);IR(film):νmax=3340,2950,1601,1515,1372,1270,1070,1015,798cm−1H NMR(600MHz,CDCl)δ=6.65(d,J=8.05Hz,2H),6.59(d,J=1.31Hz,2H),6.56(dd,J=8.05,1.31Hz,2H),4.24(d,J=7.42Hz,2H),4.08(dd,J=10.09,5.58Hz,2H),3.85(dd,J=12.00,2.43Hz,2H),3.73(s,6H),3.69(dd,J=11.85,5.55Hz,2H),3.50−3.45(m,2H),3.38−3.28(m,4H),3.27−3.19(m,4H),2.69(dd,J=13.82,6.72Hz,2H),2.61(dd,J=13.82,7.98Hz,2H),2.12(m,2H)ppm;13C NMR(150MHz,CDCl)δ=148.69,145.35,133.93,122.89,115.63,113.51,104.77,78.16,77.89,75.25,71.69,71.18,62.79,56.25,41.20,35.60ppm;HRMS(ESI−TOF):calcd for C324616[M+H]:687.2858,found 687.2856。
【0135】
実施例9:セコイソラリシレジノールジグルコシド(R,R)−SDG−2の合成
乾燥(R,R)−9(0.041g,0.027mmol,1当量)を含むフラスコに、新たに調製したナトリウムメトキシド(NaOMe)のメタノール(MeOH)溶液(0.4M,2mL,28当量)を加え、溶液を25℃で60時間撹拌した。その後、溶液をシリカのパッド(0.5インチ,MeOHで洗浄)に通して濾過し、濾過液を濃縮した。得られた固体を、分取薄層クロマトグラフィ(シリカ,2mm,9:1→7:3 CHCl:MeOH,その後5:5 CHCl:MeOH,プレートの半分の長さ)によって精製し、その後に逆相シリカの小さなプラグ(100Å C18,MeOHで洗浄)に通すことによって、灰白色固体として(R,R)−SDG−2(0.015g,0.022mmol,収率81%)を得た。(R,R)−SDG−2:R=0.50(シリカ,1:1 CHCl:MeOH);[α]32=−22.2(MeOH,c=1.0);IR(film):νmax=3336,2949,1651,1409,1014cm−1H NMR(600MHz,CDCl)δ=6.66(d,J=8.06Hz,2H),6.64(d,J=1.63Hz,2H),6.59(dd,J=8.06,1.63Hz,2H),4.21(d,J=7.82Hz,2H),3.91(dd,J=10.11,5.69Hz,2H),3.87(dd,J=12.01,2.01Hz,2H),3.75(s,6H),3.67(dd,J=12.02,5.47Hz,2H),3.58(dd,J=9.90,5.36Hz,2H),3.38−3.18(m,8H),2.76−2.62(m,4H),2.14−2.07(m,2H)ppm;13C NMR(150MHz,CDCl)δ=148.77,145.37,134.05,122.83,115.70,113.56,104.59,78.19,77.93,75.19,71.70,70.62,62.79,56.32,41.63,35.62ppm;HRMS(ESI−TOF):calcd for C324616[M+H]:687.2858,found 687.2856。
【0136】
生物学的アッセイの方法
【0137】
アッセイキット
オックスフォード・バイオメディカル・リサーチ社(Oxford Biomedical Research)からHORACアッセイキット(#TA30)を購入し、セル・バイオラボ社(Cell Biolab, San Diego, CA)からORACアッセイキット(#STA345)を入手した。クロマデックス社(Chromadex Inc., San Diego, CA)からSDG標準品を購入した。
【0138】
還元力活性アッセイ
還元力の測定を、非特許文献1に記載されている如く行った。還元力アッセイは、試験化合物の還元能を測定する。試験化合物は、フェリシアン化カリウム(Fe+3)と反応してフェロシアン化カリウム(Fe+2)を形成し、その後、塩化第二鉄と反応して、波長700nmにおいて最大吸光度を有する第二鉄・第一鉄複合体(ferric-ferrous complex)を生成する。様々な濃度(1〜500μΜ)の試験化合物を96穴マイクロプレートに分注されたリン酸ナトリウム緩衝液(0.1M,pH6.6)の中に入れ、フェリシアン化カリウム(1%)と混合した。サンプルを50℃でインキュベートし、同量の10%トリクロロ酢酸を加えた。上層を純水及び塩化第二鉄(0.1%)と混合した(1:1:2)。バイオ・ラッド社製のマイクロプレートリーダ(Bio-Rad, Hercules, CA)において、波長700nmで吸光度を読んだ。吸光度の増加は、還元力の増加を示す。
【0139】
ヒドロキシルラジカル消去能(HORACアッセイ)
オックスフォード・バイオメディカル・リサーチ社製のHORACアッセイキット(#TA30)を用いて、化学システムにおけるSDGのヒドロキシルラジカル消去能を評価した。過酸化水素からフェントン反応によりヒドロキシルラジカルを生成した。蛍光マイクロプレートリーダ上でフルオレセインの酸化度を測定した。抗酸化物質はフルオレセイン酸化を阻害する。較正曲線用の標準試料として没食子酸を用いた。計算には、較正曲線の線形部分にフィットするSDG濃度を用いた。用いたSDG濃度は8μΜ〜1mΜの範囲である。ヒドロキシルラジカルに対する抗酸化能力を没食子酸相当量(GAE)として表した。
【0140】
ペルオキシルラジカル消去能(ORACアッセイ)
セル・バイオラボ社(San Diego, CA)製のORACアッセイキット(#STA345)を用いて、化学システムにおけるSDGのペルオキシルラジカル消去能を評価した。AAPH(2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩)によりペルオキシルラジカルを生成した。蛍光マイクロプレートリーダを用いてフルオレセインの酸化度を測定した。抗酸化物質はフルオレセイン酸化を阻害する。較正曲線用の標準試料としてトロロックスを用いた。計算には、較正曲線の線形部分にフィットするSDG濃度を用いた。用いたSDG濃度は8μΜ〜1mΜの範囲である。ペルオキシルラジカルに対する抗酸化能力をトロロックス相当量(TE)として表した。
【0141】
DPPHラジカル消去アッセイ
SDGのDPPHラジカル消去能の評価を、非特許文献2に記載されている如く(但しマイクロプレートで用いるために若干変更して)行った。簡単に言うと、異なる濃度のSDG異性体及び他の試験化合物を、0.1Mのトリスバッファ(pH7.4)及び250μΜのDPPH溶液を含む96穴マイクロプレート中の200μLの培地とともにインキュベートし、暗所に20分間置いた。バイオ・ラッド社製のマイクロプレートリーダにおいて、517nmで吸光度を読んだ。比較のために、既知の抗酸化物質として、アスコルビン酸及びα−トコフェロールを用いた。ラジカル消去活性を、DPPH吸光度の減少度として測定し、次式を用いて計算した:阻害率=[コントロールのOD値−サンプルのOD値/コントロールのOD値]×100。
【0142】
実施例10:(S,S)−SDG−1及び(R,R)−SDG−2の還元力
FeClの存在下でのKFeCNの還元(結果として得られる第二鉄・第一鉄複合体の吸光度(図2)として測定される)によって、合成(S,S)−SDG−1、合成(R,R)−SDG−2、天然(S,S)−SDG−1、アスコルビン酸及びα−トコフェロールの還元力を測定した。合成(S,S)−SDG−1、合成(R,R)−SDG−2及び天然(S,S)−SDG−1の還元力は、高濃度において有意に濃度依存的であった。しかし、試験を行った全ての濃度において、SDGは既知の抗酸化物質であるアスコルビン酸及びα−トコフェロールと同等またはより高い還元力を有しており、200〜500μΜの範囲では、SDGの抗酸化能力が著しく高くなっていた。より低濃度(1〜100μΜ)では還元力と基質濃度の線形関係が観察されており、上記の5つの化合物についての回帰直線方程式が確立された。これにより、還元力の半数効果濃度(EC50)を計算することができた(図3)。合成(S,S)−SDG−1及び(R,R)−SDG−2のEC50(平均±標準偏差)値は、それぞれ292.17±27.71μΜ及び331.94±21.21μΜであった。これらの値は、天然(S,S)−SDG−1(EC50=275.24±13.15μΜ)のEC50値と同程度であったが、アスコルビン酸が示した値(EC50=1129.32±88.79μΜ)及びα−トコフェロールが示した値(EC50=944.62±148.00μΜ)に比べて約3分の1であった。
【0143】
実施例11:ヒドロキシルラジカル及びペルオキシルラジカル消去能
合成(S,S)−SDG−1及び(R,R)−SDG−2のヒドロキシルラジカル及びペルオキシルラジカル消去能(フルオレセイン酸化阻害によって明らかになる)をそれぞれヒドロキシルラジカル抗酸化能アッセイ(HORAC,没食子酸標準試料)及びペルオキシルラジカル吸収能アッセイ(ORAC,トロロックス標準試料)によって評価した(表1)。ヒドロキシルラジカルによるフルオレセイン酸化は、合成(S,S)−SDG−1及び合成(R,R)−SDG−2によって濃度依存的な様式で減少し、没食子酸の2分の1となることが分かった。しかし、合成(S,S)−SDG−1の活性は天然(S,S)−SDG−1とは異なっており、それは恐らくは微量不純物のせいであろう。2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩(AAPH)を用いて生成されたペルオキシルラジカルによるフルオレセイン酸化は、合成(S,S)−SDG−1、(R,R)−SDG−2及び天然(S,S)−SDG−1の存在下で大幅に減少し、トロロックス標準試料と比較して抗酸化能力が2倍増加した(表1)。
【0144】
表1において、ヒドロキシルラジカルは、過酸化水素からフェントン反応により生成した。ペルオキシルラジカルは、AAPH(2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩)により生成した。フルオレセインの酸化度を測定した。計算には、較正曲線の線形部分にフィットするSDG濃度を用いた。結果は、平均±標準偏差(n=3)で示されている。
【0145】
実施例12:(S,S)−SDG−1及び(R,R)−SDG−2のフリーラジカル消去活性
2,2−ジフェニル−l−ピクリルヒドラジル(DPPH)フリーラジカル消去アッセイを用いて合成(S,S)−SDG−1及び(R,R)−SDG−2のフリーラジカル消去活性を測定し、天然(S,S)−SDG−1、アスコルビン酸及びα−トコフェロールのフリーラジカル消去活性と比較した(図4)。低濃度(5〜25μΜ)及び中濃度(50〜100μΜ)範囲では、SDGは同様の消去能を示したが、より高濃度(250〜500μΜ)では、合成(S,S)−SDG−1による阻害は(R,R)−SDG−2及び天然(S,S)−SDG−1によって示される阻害よりも有意に低かった。低〜中濃度範囲(5〜100μΜ)における消去能の回帰直線を確立することによって、これらの化合物のフリーラジカルEC50消去活性を測定することができた。図5に示すように、合成(R,R)−SDG−2(123.63±8.67μΜ)及び合成(S,S)−SDG−1(157.54±21.3μΜ)に有意差はなかった。これらの値は、天然(S,S)−SDG−1によって示された値(83.94±2.80μΜ)及びα−トコフェロールによって示された値(132.81±12.57μΜ)と同水準であったが、アスコルビン酸によって示された値(439.56±11.81μΜ)よりも大幅に低かった。これらの結果は、SDGに関する文献値(非特許文献2)と同程度である。
【0146】
当業者であれば、上記の実施形態に対して、その広範な発明概念から逸脱することなしに変更を加えることができることを理解するであろう。したがって、本発明は、開示されている特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって画定される本発明の趣旨及び範囲に含まれる変更形態に及ぶものであることが理解されよう。
図1
図2
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