特許第6321793号(P6321793)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エスセーアー・ハイジーン・プロダクツ・アーベーの特許一覧

特許6321793改善されたシールを有する包装ユニットと、改善されたシールを有する包装ユニットを形成する方法
<>
  • 特許6321793-改善されたシールを有する包装ユニットと、改善されたシールを有する包装ユニットを形成する方法 図000002
  • 特許6321793-改善されたシールを有する包装ユニットと、改善されたシールを有する包装ユニットを形成する方法 図000003
  • 特許6321793-改善されたシールを有する包装ユニットと、改善されたシールを有する包装ユニットを形成する方法 図000004
  • 特許6321793-改善されたシールを有する包装ユニットと、改善されたシールを有する包装ユニットを形成する方法 図000005
  • 特許6321793-改善されたシールを有する包装ユニットと、改善されたシールを有する包装ユニットを形成する方法 図000006
  • 特許6321793-改善されたシールを有する包装ユニットと、改善されたシールを有する包装ユニットを形成する方法 図000007
  • 特許6321793-改善されたシールを有する包装ユニットと、改善されたシールを有する包装ユニットを形成する方法 図000008
  • 特許6321793-改善されたシールを有する包装ユニットと、改善されたシールを有する包装ユニットを形成する方法 図000009
  • 特許6321793-改善されたシールを有する包装ユニットと、改善されたシールを有する包装ユニットを形成する方法 図000010
  • 特許6321793-改善されたシールを有する包装ユニットと、改善されたシールを有する包装ユニットを形成する方法 図000011
  • 特許6321793-改善されたシールを有する包装ユニットと、改善されたシールを有する包装ユニットを形成する方法 図000012
  • 特許6321793-改善されたシールを有する包装ユニットと、改善されたシールを有する包装ユニットを形成する方法 図000013
  • 特許6321793-改善されたシールを有する包装ユニットと、改善されたシールを有する包装ユニットを形成する方法 図000014
  • 特許6321793-改善されたシールを有する包装ユニットと、改善されたシールを有する包装ユニットを形成する方法 図000015
  • 特許6321793-改善されたシールを有する包装ユニットと、改善されたシールを有する包装ユニットを形成する方法 図000016
  • 特許6321793-改善されたシールを有する包装ユニットと、改善されたシールを有する包装ユニットを形成する方法 図000017
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6321793
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】改善されたシールを有する包装ユニットと、改善されたシールを有する包装ユニットを形成する方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20180423BHJP
   A61F 13/551 20060101ALI20180423BHJP
【FI】
   A61F13/15 220
   A61F13/551 200
【請求項の数】28
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-526039(P2016-526039)
(86)(22)【出願日】2013年10月23日
(65)【公表番号】特表2016-539057(P2016-539057A)
(43)【公表日】2016年12月15日
(86)【国際出願番号】SE2013051233
(87)【国際公開番号】WO2015060755
(87)【国際公開日】20150430
【審査請求日】2016年8月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】506215320
【氏名又は名称】エスセーアー・ハイジーン・プロダクツ・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ソフィーア・エクステット
【審査官】 ▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−180740(JP,A)
【文献】 特開平11−301727(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0038197(US,A1)
【文献】 特表2015−514542(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15−13/84
A61L15/16−15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生物品のための包装ユニット(1)であって、該ユニットは材料のシートから形成されており、前記シートは内面(2)と、外面(3)と、を有し、前記内面(2)は、内側縁部部分(5、8)及び外側縁部部分(6、7)を備える縁部ゾーン(4)を備え、前記シートは少なくとも1つの折り畳み軸(9)を有し、前記折り畳み軸(9)は前記シートを第1領域(10)及び第2領域(11)に分割する、包装ユニット(1)において、
前記第1領域(10)の前記縁部ゾーン(4)の前記内側縁部部分(5)及び前記外側縁部部分(6)の一方には再シール可能な感圧式接着剤(12)が設けられ、前記第1領域(10)の前記縁部ゾーン(4)の前記内側縁部部分(5)及び前記外側縁部部分(6)の他方には接着剤はなく、
前記第2領域(11)の前記縁部ゾーン(4)の前記内側縁部部分(8)及び前記外側縁部部分(7)のうちの一方には再シール可能な感圧式接着剤(12)が設けられ、前記第2領域(11)の前記縁部ゾーン(4)の前記内側縁部部分(8)及び前記外側縁部部分(7)のうちの他方には、前記第1領域(10)の前記縁部ゾーン(4)に対して補完的な態様で接着剤が無く、それによって、前記シート(1)が前記折り畳み軸(9)の周りに折り畳まれた際に、前記第1領域(10)の再シール可能な感圧式接着剤を担持する前記縁部部分が、前記第2領域(11)の前記接着剤の無い縁部部分に接触するようになり、前記第2領域(11)の再シール可能な感圧式接着剤を担持する前記縁部部分が、前記第1領域(10)の前記接着剤の無い縁部部分に接触するようになり、
前記第1領域(10)及び前記第2領域(11)のうちの少なくとも一方における前記接着剤の無い縁部部分の少なくとも1つの区画には剥離剤(22)が設けられていることを特徴とする包装ユニット(1)。
【請求項2】
剥離剤(22)を設けられた前記接着剤の無い部分の前記区画は、再シール可能な感圧式接着剤(12)を担持する前記補完的な縁部部分の面積の10〜90%を構成することを特徴とする請求項1に記載の包装ユニット(1)。
【請求項3】
剥離剤(22)は、前記接着剤の無い縁部部分の全長に沿って設けられていることを特徴とする請求項1に記載の包装ユニット(1)。
【請求項4】
剥離剤(22)は、連続的なパターン又はコーティングとして塗布されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の包装ユニット(1)。
【請求項5】
剥離剤(22)は、間欠パターンで設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の包装ユニット。
【請求項6】
前記剥離剤(22)は、シリコーンポリマー又はポリシロキサンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の包装ユニット(1)。
【請求項7】
前記材料のシートは、略長方形状の形状であり、長手方向縁部、横方向縁部、及びコーナー部分を備え、前記材料のシートの前記第1領域(10)及び前記第2領域(11)の前記縁部ゾーン(4)は、前記長手方向縁部に沿って配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の包装ユニット(1)。
【請求項8】
前記材料のシートは横方向縁部ゾーン(4’、4”)を備え、前記横方向縁部ゾーン(4’、4”)のうちの一方の少なくとも一部分には再シール可能な感圧式接着剤(12)が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の包装ユニット(1)。
【請求項9】
前記第1領域(10)の前記横方向縁部ゾーン(4’)の一部分には再シール可能な感圧式接着剤(12)が設けられ、前記第1領域(10)の前記横方向縁部ゾーン(4’)の残りの部分には接着剤が無く、前記第2領域(11)の前記横方向縁部ゾーン(4”)の一部分には再シール可能な感圧式接着剤(12)が設けられ、前記第2領域(11)の前記横方向縁部ゾーン(4”)の残りの部分には、前記第1領域(10)の前記横方向縁部ゾーン(4’)に対して補完的な態様で接着剤が無く、それによって、前記シートが前記折り畳み軸(9)の周りに折り畳まれた際に、前記第1領域(10)の再シール可能な感圧式接着剤を担持する前記横方向縁部ゾーンが、前記第2領域(11)の接着剤の無い横方向縁部ゾーンに接触することになり、前記第2領域(11)の再シール可能な感圧式接着剤を担持する前記横方向縁部ゾーンが、前記第1領域(10)の前記接着剤の無い横方向縁部ゾーンに接触することになり、
前記第1領域(10)及び前記第2領域(11)の少なくとも一方の前記接着剤の無い横方向縁部ゾーンの少なくとも1つの区画には剥離剤(22)が設けられることを特徴とする請求項8に記載の包装ユニット(1)。
【請求項10】
前記コーナー部分のうちの少なくとも1つには、把持タブが形成されるように接着剤が設けられていないことを特徴とする、請求項に記載の包装ユニット。
【請求項11】
前記シートは、前記シートを第1領域(310)、第2領域(311)、及び第3領域(312)に分割する2つの折り畳み軸(309、309’)を有することを特徴とする請求項7に記載の包装ユニット(301)。
【請求項12】
前記シートは、前記第1領域(310)、前記第2領域(311)、及び前記第3領域(312)が重なり合う構成にある状態に、前記折り畳み軸(309、309’)に沿って折り畳まれていることを特徴とする請求項11に記載の包装ユニット(301)。
【請求項13】
再シール可能な感圧式接着剤を設けられた前記第3領域(312)の前記縁部ゾーンの前記縁部部分(307、308)は、再シール可能な感圧式接着剤(12)を設けられた前記第1領域(310)の前記縁部ゾーンの前記縁部部分(305、306)に対応するとともに、再シール可能な感圧式接着剤(12)を設けられた前記第2領域(311)の前記縁部ゾーンの前記縁部部分(305’、306’)に対して補完的であり、それによって再シール可能な感圧式接着剤(12)のチェス盤状のパターンが、前記長手方向縁部のそれぞれに沿って形成されていることを特徴とする請求項11又は12に記載の包装ユニット。
【請求項14】
2つの隣り合う領域(411、412)の接着剤で覆われた縁部部分(405’、407)の幅は、残りの領域(410)の接着剤で覆われた部分(406)の幅に比べて半分にされていることを特徴とする請求項13に記載の包装ユニット(401)。
【請求項15】
前記材料のシートは横方向縁部ゾーン(304’、304)を備え、前記横方向縁部ゾーン(304’、304)のうちの一方の少なくとも一部分には再シール可能な感圧式接着剤(12)が設けられていることを特徴とする請求項11〜14のいずれか一項に記載の包装ユニット(301)。
【請求項16】
前記シートは不透明であり、及び/又は印刷を備えていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の包装ユニット(1)。
【請求項17】
前記再シール可能な感圧式接着剤(12)は、無制限の開放時間を有する感圧式熱溶融性接着剤であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の包装ユニット(1)。
【請求項18】
前記包装ユニット(1)は再閉止可能であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の包装ユニット(1)。
【請求項19】
材料のシートから衛生物品のための包装ユニット(1)を形成する方法であって、
‐内面(2)と、外面(3)と、を有するシートを提供するステップであって、前記内面(2)は、内側縁部部分(5、8)と、外側縁部部分(6、7)と、を備える縁部ゾーン(4)を備え、前記シートは少なくとも1つの折り畳み軸(9)を有し、前記折り畳み軸(9)は前記シートを第1領域(10)と、第2領域(11)と、に分割する、ステップと、
‐前記第1領域(10)の前記縁部ゾーン(4)の前記内側縁部部分(5)と、前記外側縁部部分(6)と、のうちの一方に再シール可能な感圧式接着剤(12)を設けるステップであって、それによって、前記第1領域(10)の前記縁部ゾーン(4)の前記内側縁部部分(5)と、前記外側縁部部分()と、のうちの他方が接着剤を有さない、ステップと、
‐前記第2領域(11)の前記縁部ゾーン(4)の前記内側縁部部分(8)と前記外側縁部部分(7)のうちの一方に再シール可能な感圧式接着剤(12)を設けるステップであって、それによって、前記第2領域(11)の前記縁部ゾーン(4)の前記内側縁部部分(8)と、前記外側縁部部分(7)と、のうちの他方が、前記第1領域(10)の前記縁部ゾーン(4)に対して補完的な態様で接着剤を有していない、ステップと、
‐前記第1領域及び前記第2領域の少なくとも一方の前記接着剤の無い縁部部分の少なくとも1つの区画に剥離剤を設けるステップと、
‐前記シートを前記折り畳み軸(9)の周りに折り畳むステップであって、それによって、前記第1領域(10)の再シール可能な感圧式接着剤を担持する前記縁部部分が、前記第2領域(11)の接着剤の無い縁部部分に接触することになり、前記第2領域(11)の再シール可能な感圧式接着剤を担持する前記縁部部分が、前記第1領域(10)の前記接着剤の無い縁部部分と接触することになる、ステップと、
を備える方法。
【請求項20】
前記シートは、前記シートを第1領域(310)、第2領域(311)及び第3領域(312)に分割する2つの折り畳み軸(309、309’)を備え、前記方法は、
‐前記第3領域(312)の前記縁部ゾーンの一部分に再シール可能な感圧式接着剤(12)を設けるステップと、
‐前記シートを、前記第3領域(312)の前記内面が前記第1領域(310)の前記外面に接触することになるように折り畳むステップと、
をさらに備えることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
衛生物品のための包装ユニットを形成するための材料のウェブ(601)であって、
前記材料のウェブ(601)が長手方向中心軸(608)に沿って延びる長手方向と、前記長手方向に垂直な横方向と、を有し、前記ウェブ(601)が複数の横方向裁断ゾーン(602)を備え、前記横方向裁断ゾーン(602)のそれぞれが、前記ウェブ(601)の前記横方向に延びる中心裁断軸(603)それぞれに沿って配置され、前記横方向裁断ゾーン(602)が、前記ウェブ(601)の前記長手方向において互いから所定の距離に配置されており、前記横方向裁断ゾーン(602)のそれぞれは、中央部分と、前記ウェブ(601)の前記横方向において前記中央部分の両側に配置された第1周辺部分及び第2周辺部分と、を備え、
前記ウェブ(601)の前記横方向裁断ゾーン(602)のそれぞれの少なくとも1つの区画には、剥離剤(22)が設けられ、
前記横方向裁断ゾーン(602)のそれぞれには、再シール可能な感圧式接着剤(12)が、剥離剤(22)が無い前記横方向裁断ゾーン(602)の少なくとも1つの区画に設けられており、
剥離剤(22)を設けられた前記区画は、第1部分(609)及び第2部分(610)を備え、剥離剤(22)を設けられた前記区画の前記第1部分(609)は、剥離剤(22)を設けられた前記区画の前記第2部分(610)に対して前記長手方向に変位されており、
前記再シール可能な感圧式接着剤(12)は、前記横方向裁断ゾーンが前記長手方向に平行な折り畳み軸の周りに折り畳まれた際に、再シール可能な感圧式接着剤を設けられた前記区画の少なくとも一部分が、接着剤の無い部分に接触して前記包装ユニットの封止を形成するように設けられていることを特徴とする材料のウェブ(601)。
【請求項22】
前記横方向裁断ゾーン(602)の前記剥離剤(22)を設けられた前記区画は、前記横方向裁断ゾーン(602)の前記中央部分に配置されていることを特徴とする請求項21に記載の材料のウェブ(601)。
【請求項23】
前記横方向裁断ゾーン(602)の前記剥離剤(22)を設けられた前記区画は、前記横方向裁断ゾーン(602)の前記第1周辺部分及び前記第2周辺部分に配置されていることを特徴とする請求項21に記載の材料のウェブ(601)。
【請求項24】
前記横方向裁断ゾーン(602)の前記剥離剤(22)を設けられた前記区画は、前記横方向裁断ゾーン(602)の全長に沿って配置されており、それによって前記横方向裁断ゾーン(602)の前記中央部分における剥離剤を設けられた前記区画が、前記横方向裁断ゾーン(602)の前記第1周辺部分及び前記第2周辺部分における剥離剤(22)を設けられた前記区画に対して前記長手方向に変位されていることを特徴とする請求項21に記載の材料のウェブ(601)。
【請求項25】
前記材料は、プラスティックフィルム、不織ウェブ、又は積層体であることを特徴とする請求項21〜24のいずれか一項に記載の材料のウェブ(601)。
【請求項26】
前記材料のウェブ(601)は、10〜50cmの前記横方向における幅を有することを特徴とする請求項21〜25のいずれか一項に記載の材料のウェブ(601)。
【請求項27】
前記横方向裁断ゾーン(602)は、0.5〜5cmの前記ウェブ(601)の前記長手方向における幅を有することを特徴とする請求項21〜26のいずれか一項に記載の材料のウェブ(601)。
【請求項28】
衛生物品のための包装ユニットを形成するための材料のウェブ(501)を準備するための製造方法であって、
a)長手方向中心軸に沿って延びる長手方向と、前記長手方向に垂直な横方向と、を有する材料のウェブ(501)を準備するステップであって、前記ウェブ(501)は、機械における進行方向(MD)に流れ、それによって前記ウェブ(501)の前記長手方向は前記MDに一致し、前記ウェブ(501)は複数の横方向裁断ゾーン(502)を備え、前記横方向裁断ゾーン(502、702)のそれぞれは、前記ウェブ(501)の前記横方向に延びる中心裁断軸(503)に沿って配置されており、前記横方向裁断ゾーン(502、702)は、前記ウェブ(501)の前記長手方向において互いから所定の距離に配置されている、ステップと、
b)前記ウェブ(501)の前記横方向において、前記ウェブ(501)の前記横方向裁断ゾーン(502)のそれぞれの少なくとも1つの区画に剥離剤(22)を設けるステップであって、剥離剤(22)を設けられた前記区画は第1部分(704)及び第2部分(704’)を備え、剥離剤(22)を設けられた前記区画の前記第1部分(704)は、剥離剤(22)を設けられた前記区画の前記第2部分(704’)に対して前記長手方向に変位されている、ステップと、
c)前記ウェブ(501)の前記横方向において、剥離剤(22)の無い前記ウェブ(501)の前記横方向裁断ゾーン(502)のそれぞれの1つの部分に再シール可能な感圧式接着剤(12)を設けるステップであって、前記再シール可能な感圧式接着剤(12)は、前記横方向裁断ゾーンが前記長手方向に平行な折り畳み軸の周りに折り畳まれた際に、再シール可能な感圧式接着剤を設けられた前記部分の少なくとも一部分が、接着剤の無い部分に接触して前記包装ユニットの封止を形成するように設けられる、ステップと、
d)前記中心裁断軸(503)に沿って、前記横方向裁断ゾーン(502)を通じて前記ウェブを切断するステップと、
を備え、
前記ステップb)と、c)とは、順序にこだわらずに行うことができることを特徴とする、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衛生物品用の包装ユニットに関し、このユニットは材料シートから形成されており、このシートは内面及び外面を有し、内面は、内側縁部部分及び外側縁部部分を備える縁部ゾーンを備え、シートは少なくとも1つの折り畳み軸を有し、この折り畳み軸はシートを第1領域と第2領域とに分割する。本発明はまた、材料シートから衛生物品のための包装ユニットを形成する方法、包装ユニットを形成するための材料ウェブ、及び包装ユニットを形成するための材料ウェブを形成する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
生理用ナプキン及びパンティライナーのような使い捨ての衛生物品は、通常は、例えば簡易包装(easy wrap)又は単一包装(single wrap)中に個々に包装される。個別の包装材は、例えばハンドバッグの中などの、将来の使用のための個別の物品の衛生的な持ち運びを容易にする。個別の包装材の縁部は、超音波溶着又は熱溶着によってシールされていることが多い。さらに、包装ユニットは、使用されていない物品を包装するため、及び使用された物品の廃棄のための手段としての両方に使用されることが多い。
【0003】
この種の使用された物品は小さく衛生的に廃棄することができることが望ましい。このことは、使用された物品が交換された後に、使用者がすぐに使用された物品を廃棄できないとき、例えばトイレの領域にゴミ箱が無いときなどには特に重要である場合がある。この場合、使用者は使用された物品を例えばハンドバッグ又はバックパックなどの中にいれておく必要がある場合があり、このことは、染み及び臭いを避けるために包装材が緊密にシールされていることを必要とする。
【0004】
廃棄の問題は、かなりの徹底的な研究の対象とされてきており、いくつかの解法が提案されてきた。
【0005】
特許文献1は、包装材に3方で取り付けられた液体不透過性の材料のシートを包装材の少なくとも一部に重ね合わせることによって形成されたポーチを設けることができる包装材シートを開示している。このポーチは、汚れた物品を収容するために使用される。そのような包装材は、さらなる量の材料を必要とするとともに、密閉された廃棄用包装材を形成することができないという欠点に悩まされている。
【0006】
使用された衛生物品の廃棄のための別の一般的な解法が、例えば特許文献2に開示されている。この文献は、フラップパネル、中央パネル及び端部パネル、並びにラップ式包装材を廃棄用構成に固定するためのテープタブを有する材料の単一ストリップを備える包装材を備える、折り畳んで包むタイプの包装を開示している。そのような包装材の主な欠点は、物品が廃棄されるときに緊密にシールされた包装を形成することができないということである。
【0007】
特許文献3は、互いに平行な縁部に沿って感圧式接着剤の連続的な又は間欠的な狭いコーティングを設けられた細長い材料シートを折り畳むことによって形成された包装ユニットを開示しており、この感圧式接着剤によって、接着剤表面が接着剤表面に対して位置し、結合される状態で、容器部分が結合されている。包装ユニットはさらに、感圧式接着剤で少なくとも部分的にコーティングされた蓋部を備え、それによって蓋部を容器部分の外側に再固定することができる。したがって、そのような包装ユニットは、非常に強固にシールされた側部シームを有し、このシームのところで接着剤をコーティングされた表面が互いに接触し、再シール可能な蓋部は緊密にシールされた廃棄用包装を提供する。しかし、接着剤をコーティングされた表面は互いに接触しているので、使用された物品の位置付けのためにシートを完全に広げることはできず、したがって使用された物品は、かなり限られた容器部分の中に挿入されなければならない。これは、使用された衛生物品が、使用前の物品よりも嵩張るようになることが多く、容器部分の中に挿入することが難しくなるので不都合である場合がある。
【0008】
特許文献4は、衛生物品の包装及び廃棄のための再閉止可能なシートを開示している。このシートは、シートが折り畳まれた際に、接着剤がコーティングされた領域が互いに接触することが無いように配置された、縁部接着剤ストリップを備える。その目的を果たすために、シートの折り畳みは、シートの接着剤の無い横方向縁部から開始しなければならない。折り畳みが、接着剤がコーティングされた横方向縁部から開始されると、2つの接着剤の層が互いに重なり合い、接着剤の無い横方向縁部は包装の外側の位置に位置することになり、すなわち包装は緊密にシールされない。
【0009】
単一の物品を包装するためを意図されている従来タイプの包装ユニットは、細長い長方形状の材料シートを備え、この材料シートが折り畳まれて、e‐折り畳み(e−folding)とも称される、折り重ねられた蓋部を有するバッグ状の包装を形成する。これら既知の包装ユニットは、熱又は超音波によって縁部に沿って溶着され、縁部における溶着されたシームに沿って破ることによって開放され、それによって包装は、包装の内容物を暴露するように広げられる。
【0010】
この種の溶着された包装ユニットが有する主な欠点は、一旦開放されると、包装材は再シールすることができず、したがって使用された物品を衛生に関して許容できる様態で包装することができないので、廃棄用バッグとして満足のいくように使用することができない、ということである。さらに、広げられた包装用シートは、破られた溶着部が均一でなくフリル状になっているので、非審美的な外観を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】英国特許出願公開第2、153、779号明細書
【特許文献2】国際公開第94/14396号パンフレット
【特許文献3】国際公開第88/10219号パンフレット
【特許文献4】米国防衛出願H1454
【特許文献5】国際公開第99/11683号パンフレット
【特許文献6】米国特許第5,571,586号明細書
【特許文献7】米国特許第7,004,320号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、新しい衛生物品を包装するため、及び使用された衛生物品の衛生的な保持及び廃棄のための両方に使用することができ、かつ審美的に魅力のある包装ユニットに対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、新しい衛生物品を包装するため、及び使用された衛生物品の安全かつ衛生的な廃棄のための両方に使用することができる包装ユニットを提供する。本発明の包装ユニットは、新しい物品および使用された物品の両方のための密閉された包装を形成する可能性を提供し、それによって新しい物品を使用前に衛生的かつ清浄に保持するとともに、使用された物品が包装されるときには染み及び臭いのリスクを排除する。この包装ユニットは、簡単に広げ、再シールすることができ、審美的に魅力的である。
【0014】
ここで使用されるように、用語「内面」は、包装ユニットの内側に配置された製品に面する包装ユニットの面を参照し、用語「外面」は、内面とは反対側の面、すなわち周囲環境に面する面を参照する。
【0015】
用語「縁部ゾーン」は、包装ユニットの端縁に隣接する包装ユニットの部分を意味する。縁部ゾーンの幅は、変化させることができる。
【0016】
用語「内側縁部部分」は、包装ユニットの中心線の方に位置する縁部ゾーンの部分を参照する。
【0017】
用語「外側縁部部分」は、包装ユニットの端縁の方に位置する縁部ゾーンの部分を参照する。
【0018】
用語「単一プライ」は、密着した材料(coherent material)の単一プライを備える包装ユニットを意味する。単一プライの包装ユニットの例は、ポリエチレンフィルムのようなプラスティックフィルム、不織材料、金属箔、又はその種のものとすることができる。単一プライ材料は、一体化された層を備えるプラスティックフィルム材料又は材料の異なる部分で変化する繊維組成を有する不織材料のような不均一な材料とすることができる。ここで使用されるような単一プライ材料は、分離可能な層を有する材料を備えない。
【0019】
用語「積層体」は、同じとすることも異ならせることもできる少なくとも2つの材料の統合された分離可能なプライを備える包装ユニットを意味する。本発明の明細書では、積層体は、例えばプラスティックフィルムからなる2つの分離可能なプライ、フィルムと不織材、不織材からなる2つのプライ、又はその種のものから構成することができる。
【0020】
用語「横方向裁断ゾーン」は、材料ウェブの一片を分離するために切断が行われ、それによって本発明の包装ユニットを形成するためのシートを形成する、材料ウェブの領域を意味する。
【0021】
「剥離剤」との用語は、2つの接着された表面間の接着結合の接着強度を調整することができる物質を意味する。
【0022】
本発明は、衛生物品のための包装ユニットと、包装ユニットを形成する方法と、を提供し、この包装ユニットは、上述された包装ユニットの欠点を実質的に排除する。
【0023】
本発明による衛生物品のための包装ユニットは、内面及び外面を有する材料シートから形成され、内面は、内側縁部部分及び外側縁部部分を備える縁部ゾーンを備える。シートは少なくとも1つの折り畳み軸を有し、折り畳み軸はシートを第1領域及び第2領域に分割する。本発明による包装ユニットは、第1領域の縁部ゾーンの内側縁部部分及び外側縁部部分のうちの一方に接着剤が設けられ、第1領域の縁部ゾーンの内側縁部部分及び外側縁部部分のうちの他方には接着剤が無いことを特徴としている。さらに、本発明の特有の特徴は、第2領域の縁部ゾーンの内側縁部部分及び外側縁部部分のうちの一方には接着剤が設けられ、第2領域の縁部ゾーンの内側縁部部分及び外側縁部部分のうちの他方には、第1領域の縁部ゾーンに対して補完的な態様で接着剤が無いことである。言い換えると、シートが折り畳み軸の周りに折り畳まれた際には、第1領域の接着剤を担持する縁部部分が、第2領域の接着剤の無い縁部部分に接触するようになり、第2領域の接着剤を担持する縁部部分が、第1領域の前記接着剤の無い縁部部分に接触するようになる。さらに、第1及び第2領域のうちの少なくとも一方における接着剤の無い縁部部分の少なくとも1つの区画には剥離剤が設けられて、本発明に使用されている接着剤の接着強度を制御することを可能にしている。
【0024】
本発明の包装ユニットとともに使用される好適な接着剤は、無制限の開放時間を有する、すなわちこの接着剤を他の基材にいつでも接合することができる、感圧式熱溶融性接着剤である。
【0025】
包装ユニットとともに使用される感圧式接着剤は、非常に高い自己接着性を有するが、プラスティック材料又は剥離剤で処理された紙のような他の材料から容易に分離する又は剥がすことができるものである。本発明による包装ユニットの主な利点は、新しい衛生物品を取り出そうとするときに、完全に広げることができるということである。それとは対照的に、互いに接触している接着剤でコーティングされた縁部部分によって接着剤でシールされた縁部を有する従来技術の包装は、接着剤でシールされた縁部の大きすぎる接着力を有し、包装を完全に広げようとすると、包装ユニットの変形、破れ、及び破壊をもたらし、使用された物品の小型で衛生的な廃棄のためには使用できなくしてしまう。本発明の包装ユニットの接着剤でコーティングされた縁部部分は、包装ユニットが折り畳まれた際に互いに接触しないので、包装ユニットは容易に開放し、再シールすることができ、密閉した廃棄用包装を提供する。同時に、本発明の接着剤パターンを使用する包装ユニットの接着剤でシールされた縁部の引張強度は、新しい物品及び使用された物品の両方のための密閉された包装を提供するのに十分であり、容易に開放される包装を提供するのに十分に低い。
【0026】
剥離剤の使用は、開放前に包装ユニットを密閉してシールされた状態に保持するのに十分な強度を有する接着剤を備える包装ユニットの提供を可能にし、一方で包装ユニットは、包装ユニットを破壊し、廃棄目的に対して好適ではなくしてしまう可能性を有する過度に大きな力を使用することなく依然として開放することができ、同時に包装ユニットを再シールする際には密閉した包装ユニットを形成するのに十分な強度を提供する。
【0027】
剥離剤は、接着剤の無い縁部部分のうちの1つに設けることができる。また、剥離剤は、接着剤の無い縁部部分のいくつかに設けることもでき、吸収性物品の接着剤の無い縁部部分の全てに設けることもできる。
【0028】
剥離剤は、包装ユニットの接着剤の無い縁部部分全体を覆うコーティングを形成することができる。また、剥離剤は、接着剤の無い縁部部分の全長にパターンで適用することができる。このパターンは、らせん状、波状、ジグザグ状、へリックス状のように連続的であってもよく、又は線状、点状、交差状、星状、四角形状のように、間欠的であってもよい。さらに、剥離剤は、接着剤の無い縁部部分の所定の区画に配置することが考えられる。剥離剤で覆われた区画の面積は、対応する接着剤で覆われた縁部部分の面積の10〜90%、好ましくは30〜70%、より好ましくは対応する接着剤で覆われた縁部部分の40〜60%を構成する。
【0029】
シートの幾何学的な形状は、包装される衛生物品のタイプによって変化させることができる。シートは、円形状、三角形状、正方形状、長方形状、又は包装される衛生物品に好適ないずれかの他の形状とすることができる。しかし、シートが少なくとも1つの対称軸を有することが望ましい。
【0030】
上述のように、包装ユニットは少なくとも1つの折り畳み軸を備える。折り畳み軸の数は、包装ユニットがどのように折り畳まれることを意図されるかによって変わる場合がある。包装ユニットが1つ〜3つの折り畳み軸を備えることが好ましい。
【0031】
包装ユニットを形成するための材料シートの普及している形状は、正方形状又は長方形状である。本発明によるそのようなシートは、本明細書では長手方向縁部、横方向縁部、及びコーナー部分と称される側部縁部を有し、材料シートの第1及び第2領域の縁部ゾーンは、長手方向縁部に沿って配置されている。したがって、接着剤で覆われた縁部部分、接着剤の無い部分、及び剥離剤を担持する部分は、長手方向縁部に沿って位置している。包装ユニットが開放される際に、シートの縁部が巻き上がる、又は皺が寄ることを避けるために、外側縁部部分に設けられる接着剤及び/又は剥離剤は、長手方向縁部から所定の距離に位置させることができる。この距離は、0.5〜5mm、好ましくは1〜3mmとすることができる。また、この距離は0mmとすることができる、すなわち接着剤及び/又は剥離剤を、それらが長手方向縁部まですべての外側縁部部分を覆うように設けることができる。
【0032】
接着剤で覆われた縁部部分の幅は、望まれる接着強度によって変化させることができる。接着剤で覆われた縁部ゾーンが広ければ広いほど、シールは強い。接着剤で覆われた縁部部分の幅は、異なる領域で同じであっても異なっていてもよい。
【0033】
領域それぞれにおける接着剤で覆われた縁部部分の長さは、領域それぞれの長さと同じであってもよく、又は領域それぞれの長さより0.1〜4ミリメータだけ短くてもよい。
【0034】
さらに、本発明による包装ユニットの横方向縁部のうちの少なくとも1つには、好ましくは接着剤が設けられている。開放を容易にするために、コーナー点のうちの少なくとも1つを、把持タブが形成されるように接着剤を有さないようにすることができる。
【0035】
上述のように、個別に包装された衛生製品のための最も一般的な折り畳みパターンは、いわゆるe‐折り畳みである。この場合、シートは2つの折り畳み軸を有し、シートを第1領域、第2領域、及び第3領域に分割している。包装ユニットが次いで形成され、シートは、第1、第2、及び第3領域が重なり合う構成にある状態で折り畳み軸に沿って折り畳まれる。
【0036】
本発明によれば、シートが、このシートを第1、第2、及び第3領域に分割する2つの折り畳み軸を有し、包装ユニットがe‐折り畳みによって形成されるとき、接着剤を設けられた第3領域の縁部ゾーンの縁部部分は、接着剤を設けられた第1領域の縁部ゾーンの縁部部分に対応し、接着剤を設けられた第2領域の縁部ゾーンの縁部部分に対して補完的である。したがって、接着剤のチェス盤パターンが、長手方向縁部ゾーンのそれぞれに沿って形成される。また、包装ユニットの少なくとも1つの領域における接着剤を有さない部分の少なくとも1つの区画には、剥離剤が設けられる。
【0037】
包装ユニットを形成するためのシートは、ポリエチレンフィルム又は不織布のような、当業者には既知であるいずれかの好適な材料からなる単一プライのシートとすることができる。また、シートは、少なくとも2つの異なる層を備える積層体とすることもできる。衛生物品の包装のために好適な積層体は、当業者には既知であると考えられ、本発明用に何ら限定されるものではない。
【0038】
必要に応じて、本発明による包装ユニットを形成するためのシートを不透明とすることができ、それによって包装ユニットの内容物を隠すことができ、このことは、本発明の包装ユニットの中に包まれた、使用された物品を、交換された直後に廃棄できない場合にはとくに重要である。さらに、シートは印刷を備えることができ、印刷は使用者の注意を惹き、使用者の気分を良くするために有益である場合がある。
【0039】
本発明による包装ユニットを形成する材料シートは、臭気抑制物質又は臭気中和物質を備えることができる。そのような物質は、例えばコーティング、活性化可能なマイクロカプセル、含浸させたパッチ、又はその種のもののような、当業者には既知の好適な態様で適用することができる。
【0040】
本発明による包装ユニットを形成するためのシートを伸縮自在又は拡張可能にすることができることは想到可能であり、このことは、衛生物品が使用中に大幅に変形され、したがって包装ユニットを変形させなければ包装することが難しい場合には有利である場合がある。
【0041】
本発明に使用される接着剤は、H.B.Fullerから入手可能なLunatack(登録商標)D656 BO 19のような、感圧式熱溶融性接着剤とすることができる。
【0042】
本発明において有益である剥離剤は、特許文献5、特許文献6、又は特許文献7の開示による、しかし限定されるものではない、シリコーンベースの剥離剤、又は(LABコーティングとして既知の)低接着性バックサイズ(backsize)コーティングとすることができる。一般的に、本発明は、シリコーンポリマーコーティング又はポリシロキサンのような剥離コーティングと称される付着防止コーティングを有するコーティング紙又はプラスティックフィルムによって行うことができる。ポリシロキサンは特に有益な付着防止コーティングであり、溶剤ベース及び溶剤無しのポリシロキサンを使用することができる。ポリシロキサンは、熱的に又は放射線によって架橋する。
【0043】
本発明による衛生物品のための包装ユニットは、
‐内面と、外面と、を有するシートを提供するステップであって、内面は、内側縁部部分と、外側縁部部分と、を備える縁部ゾーンを備え、シートは少なくとも1つの折り畳み軸を有し、この折り畳み軸はシートを第1領域と、第2領域と、に分割する、ステップと、
‐第1領域の縁部ゾーンの内側縁部部分と、外側縁部部分と、のうちの一方に接着剤を設けるステップであって、それによって、第1領域の縁部ゾーンの内側縁部部分と、外側縁部部分と、のうちの他方が接着剤を有さない、ステップと、
‐第2領域の前記縁部ゾーンの内側縁部部分と、外側縁部部分と、のうちの一方に接着剤を設けるステップであって、それによって、第2領域の縁部ゾーンの内側縁部部分と、外側縁部部分と、のうちの他方が、第1領域の縁部ゾーンに対して補完的な態様で接着剤を有していない、ステップと、
‐第1領域及び第2領域の少なくとも一方の接着剤の無い縁部部分の少なくとも1つの区画に剥離剤を設けるステップと、
‐シートを折り畳み軸の周りに折り畳むステップであって、それによって、第1領域の接着剤を担持する縁部部分が、第2領域の接着剤の無い縁部部分に接触することになり、第2領域の接着剤を担持する縁部部分が、第1領域の接着剤の無い縁部部分と接触することになる、ステップと、
を備える方法によって形成される。
【0044】
少なくとも2つの折り畳み軸を備える、すなわち少なくとも3つの領域を備える包装ユニットが折り畳まれる際に、第1領域の接着剤で覆われた縁部部分は、第2領域の接着剤の無い部分に接触するようになり、第2領域の接着剤で覆われた部分は、第1領域の接着剤の無い部分と接触するようになることに留意すべきである。続いて折り畳まれた第3領域は第1領域の外面上に折り畳まれて蓋部を形成し、第3領域の接着剤で覆われた縁部部分はしたがって、第1領域の接着剤の無い外面に接触するようになる。この特定の場合には、折り畳みの順序は逆とすることができる、すなわち第2領域の接着剤で覆われた縁部部分が第3領域の接着剤の無い部分と接触するようになり、第3領域の接着剤で覆われた部分が、第2領域の接着剤の無い部分に接触するようになる。蓋部は、第1領域を第3領域の外面上に折り畳むことによって形成することができる。本発明による接着剤パターンは、したがって使用者に包装ユニットをどのような順序でも折り畳むことができる可能性を与えるという利点を有し、依然として液体密、及び臭気を密閉できる包装が得られ、使用された物品を小型で衛生的な態様で廃棄することを保証する。さらに、本発明の包装ユニットは廃棄のために使用される際に、使用者は、包装ユニットを折り畳む代わりに包装ユニットを巻くことを選択することができる。
【0045】
また、本発明は、衛生物品用の包装ユニットを形成するための材料ウェブに関し、包装ユニットはウェブを適切なサイズのシートに切断することによって形成される。本発明の材料ウェブは、長手方向中心軸に沿って延びる長手方向と、この長手方向に垂直な横方向と、を有し、ウェブの横方向に延びる中心裁断軸それぞれに沿って配置された複数の横方向裁断ゾーンを備える。横方向裁断ゾーンは、ウェブの長手方向において互いから所定の距離に配置されている。前記横方向裁断ゾーンのそれぞれは、中央部分と、横方向において中央部分の両側に配置された第1及び第2周辺部分と、を備える。ウェブの横方向裁断ゾーンそれぞれの少なくとも1つの区画には、剥離剤が設けられている。
【0046】
本発明による材料ウェブが、上述したように2つの折り畳み軸を備える、e‐折り畳み式包装ユニットを製造するために使用されることを意図される場合には、いくつかのオプションを、剥離剤を配置するために使用可能である。
【0047】
第1に、剥離剤を設けられた横方向裁断ゾーンの区画を、横方向裁断ゾーンの中央部分に配置することができるか、又は横方向裁断ゾーンの周辺部分の一方若しくは両方に配置することができる。
【0048】
さらに、横方向裁断ゾーンの剥離剤を設けられた区画は、ウェブの横方向における横方向裁断ゾーンの全長に沿って配置することができる。この場合、横方向裁断ゾーンの中央部分における剥離剤を設けられた区画は、横方向裁断ゾーンの第1及び第2周辺部分における剥離剤を設けられた区画に対して、ウェブの長手方向に変位されている。この実施形態によるウェブから製造される包装ユニットが折り畳まれるときに、剥離剤を設けられた区画は重なり合わない。
【0049】
本発明による材料ウェブが、上述したように1つの折り畳み軸を備える包装ユニットを製造するために使用されることを意図される場合には、剥離剤を設けられた横方向裁断ゾーンの区画は、剥離剤が設けられた区画が第1部分及び第2部分を備えるように、横方向裁断ゾーンの全長に沿って横方向に配置される。剥離剤を設けられた区画の第1部分は、剥離剤を設けられた区画の第2部分に対して長手方向に変位されている。変位点(displacement point)は、長手方向中心軸と、中心裁断軸と、の交差点に位置している。この実施形態によるウェブから製造された包装ユニットが折り畳まれるとき、剥離剤を設けられた区画は重なり合わない。
【0050】
勿論、材料ウェブには、剥離剤を有さない横方向裁断ゾーンの少なくとも1つの区画に接着剤を設けることができる。したがって、接着剤は、既に上述したような補完的な態様で配置することができる、すなわち剥離剤を担持していない横方向裁断ゾーンの区画が接着剤を担持することができる。
【0051】
本発明によるウェブは、包装ユニットを製造するのに好適ないずれかの材料、すなわち、プラスティックフィルム、不織ウェブ、積層体、又は当業者に知られたいずれかの他の材料から作ることができる。
【0052】
本発明の材料ウェブの寸法は、製造される包装ユニットのサイズによって変化させることができる。最も典型的には、材料ウェブは、長手方向に数百メートルの長さを有し、10〜50cm、好ましくは15〜40cm、より好ましくは20〜30cmの横方向における幅を有するロールの形態にある。
【0053】
横方向裁断ゾーンの寸法は、製造される包装ユニットのサイズと、必要とされる接着強度と、によって変化させることができる。横方向裁断ゾーンは、0.5〜5cm、好ましくは1〜4cm、より好ましくは2〜3cmのウェブの長手方向における幅を有することができる。ウェブの横方向における横方向裁断ゾーンの長さは、ウェブの横方向における材料ウェブの幅に等しい。
【0054】
本発明は、衛生物品のための包装ユニットを形成するための材料ウェブを準備するための製造方法にさらに関し、この方法は、
a)長手方向中心軸に沿って延びる長手方向と、この長手方向に垂直な横方向と、を有する材料ウェブを準備するステップであって、ウェブは、機械における進行方向(machine direction:MD)に流れ、それによってウェブの長手方向はMDに一致し、ウェブは複数の横方向裁断ゾーンを備え、横方向裁断ゾーンのそれぞれは、ウェブの横方向に延びる中心裁断軸に沿って配置されており、横方向裁断ゾーンは、ウェブの長手方向において互いから所定の距離に配置されている、ステップと、
b)ウェブの横方向においてウェブの横方向裁断ゾーンのそれぞれの一部に接着剤を設けるステップと、
c)ウェブの横方向においてウェブの横方向裁断ゾーンのそれぞれの残りの部分の少なくとも1つの区画に剥離剤を設けるステップと、
d)中心裁断軸に沿って、横方向裁断ゾーンを通じてウェブを切断するステップと、
を備える。
【0055】
勿論、ステップb)及びc)は、いずれの順序で行うこともできる、すなわち、材料ウェブには最初に剥離剤が設けられ、次いで剥離剤が無い横方向裁断ゾーンの部分に接着剤が設けられてもよい。
【0056】
本発明の実施形態が以下に、添付の図面を参照しつつ、例示の方法によって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1】1つの折り畳み軸を有する、本発明による包装ユニットを示す図である。
図2】1つの折り畳み軸を有する、本発明による包装ユニットを示す図である。
図3】1つの折り畳み軸を有する、本発明による包装ユニットを示す図である。
図4】1つの折り畳み軸を有する、本発明による包装ユニットを示す図である。
図5】1つの折り畳み軸を有する、本発明による包装ユニットを示す図である。
図6】1つの折り畳み軸を有する、本発明による包装ユニットを示す図である。
図7】本発明による円形状の包装ユニットを示す図である。
図8】折り畳まれた状態の、図7に示された包装ユニットを示す図である。
図9】2つの折り畳み軸を有する、本発明による包装ユニットを示す図である。
図10図9に示された包装ユニットを折り畳む方法を示す図である。
図11】異なる幅の接着剤で覆われた部分を有する本発明による包装ユニットを示す図である。
図12図7に示された包装ユニットを折り畳む方法を示す図である。
図13】本発明による包装ユニットを製造するための材料ウェブを示す図である。
図14】本発明による包装ユニットを製造するための材料ウェブを示す図である。
図15】本発明による包装ユニットを製造するための材料ウェブを示す図である。
図16】互いから所定の距離にある、接着剤を担持する部分及び剥離剤を設けられた部分を有する、本発明による包装ユニットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1は本発明による衛生物品のための包装ユニット1を示す。包装ユニットは、内面2及び外面3を有する材料シートから形成され、内面は、内側縁部部分5、8及び外側縁部部分6、7を備える縁部ゾーン4を備える。また、包装ユニット1は、対向する横方向縁部部分4’、4”をも備える。シートは折り畳み軸9を有し、この折り畳み軸はシートを第1領域10と第2領域11とに分割する。図1に示されているように、第1領域10の縁部ゾーン4の外側縁部部分6には接着剤12が設けられているが、第1領域10の縁部ゾーン4の内側縁部部分5には接着剤が無い。さらに、第2領域11の縁部ゾーン4の内側縁部部分8には接着剤12が設けられているが、第2領域11の縁部ゾーン4の外側縁部部分7には剥離剤22が設けられている。また、第1領域10の横方向縁部部分4’には接着剤12が設けられているが、第2領域11の横方向縁部分4”には接着剤はない。このように、第1領域10における接着剤のパターンは、第2領域11の接着剤のパターンに対して補完的である。これはすなわち、シートが図2に示されたように折り畳み軸9の周りに折り畳まれるときに、第1領域10における接着剤を担持する縁部部分6が第2領域11における剥離剤22を担持する縁部部分7と接触することになり、第2領域11における接着剤12を担持する縁部部分8が第1領域10における接着剤の無い縁部部分5に接触することになり、第1領域10において接着剤12を担持する横方向縁部部分4’が第2領域11の接着剤の無い横方向縁部部分4”に接触することになる、ということを意味する。図2からわかるように、シール領域の幅は、接着剤部分6、8の幅の合計に対応する。このようなシールは新しい物品及び廃棄される物品の両方のための密閉された包装を保証する。
【0059】
図3は、本発明による衛生物品のための包装ユニット101を示している。この包装ユニットは、内面102及び外面103を有する材料シートから形成され、内面は、内側縁部部分105、108及び外側縁部部分106、107を備える縁部ゾーン104を備える。また、包装ユニット101は、対向する横方向縁部部分104’、104及び104”,104**をも備える。シートは折り畳み軸109を有し、この折り畳み軸は、シートを第1領域110と第2領域111とに分割する。図3に示されているように、第1領域110の縁部ゾーン104の外側縁部部分106には接着剤12が設けられているが、第1領域110の縁部ゾーン104の内側縁部部分105には剥離剤が設けられている。さらに、第2領域111の縁部ゾーン104の内側縁部部分108には接着剤12が設けられているが、第2領域111の縁部ゾーン104の外側縁部部分107には剥離剤が設けられている。また、第1領域110の横方向縁部部分104’には接着剤12が設けられているが、第1領域110の横方向縁部部分104には剥離剤が設けられている。さらに、第2領域111の横方向縁部部分104**には接着剤12が設けられているが、第2領域111の横方向縁部部分104”には剥離剤が設けられている。このように、第1領域110における接着剤のパターンは、第2領域111の接着剤のパターンに対して補完的である。これはすなわち、シートが図4に示されたように折り畳み軸109の周りに折り畳まれるときに、第1領域110における接着剤を担持する縁部部分106が第2領域111における剥離剤22を担持する縁部部分107と接触することになり、第2領域111における接着剤12を担持する縁部部分108が第1領域110における剥離剤22を担持する縁部部分105に接触することになり、第1領域110において接着剤12を担持する横方向縁部部分104’が第2領域111において剥離剤22を担持する横方向縁部部分104”に接触することになり、第2領域111における接着剤12を担持する横方向縁部部分104**が第1領域110における剥離剤を担持する横方向縁部部分104に接触することになるということを意味する。図4からわかるように、長手方向縁部に沿ったシール領域の幅は、接着剤のある縁部部分106、108の幅の合計に対応し、横方向縁部に沿ったシール領域の長さは、接着剤のある部分104’及び104**の長さの合計に対応する。このようなシールは新しい物品及び廃棄される物品の両方のための密閉された包装を保証する。
【0060】
図1〜4に示された実施形態において、剥離剤22は本質的に連続的なコーティングとして塗布されていることに留意すべきである。
【0061】
図5は、本発明による衛生物品のための包装ユニット201を図示している。この包装ユニットは、内面202及び外面203を有する材料シートから形成され、内面は、内側縁部部分205、208及び外側縁部部分206、207を備える縁部ゾーン204を備える。また、包装ユニット201は、横方向縁部部分204’、204及び204”,204**をも備える。シートは折り畳み軸209を有し、この折り畳み軸は、シートを第1領域210と第2領域211とに分割する。図5に示されているように、第1領域210の縁部ゾーン204の外側縁部部分206には接着剤12が設けられているが、第1領域210の縁部ゾーン204の内側縁部部分205には剥離剤22が間欠パターンに塗布された状態で設けられている。さらに、第2領域211の縁部ゾーン204の内側縁部部分208には接着剤12が設けられているが、第2領域211の縁部ゾーン204の外側縁部部分207には剥離剤22が間欠パターンに塗布された状態で設けられている。また、第1領域210の横方向縁部部分204’には接着剤12が設けられているが、第1領域210の横方向縁部部分204には剥離剤22が間欠パターンに塗布された状態で設けられている。さらに、第2領域211の横方向縁部部分204**には接着剤12が設けられているが、第2領域211の横方向縁部部分204”には剥離剤22が間欠パターンに塗布された状態で設けられている。図5に示す実施形態では、剥離剤22の間欠パターンは線状の形状である。このように、第1領域210における接着剤のパターンは、第2領域211の接着剤のパターンに対して補完的である。これはすなわち、シートが図6に示されたように折り畳み軸209の周りに折り畳まれるときに、第1領域210における接着剤を担持する縁部部分206が第2領域211における剥離剤22を設けられた縁部部分207と接触することになり、第2領域211における接着剤12を担持する縁部部分208が第1領域210における剥離剤22を設けられた縁部部分205に接触することになり、第1領域210において接着剤12を担持する横方向縁部部分204’が第2領域211において剥離剤22を設けられた横方向縁部部分204”に接触することになり、第2領域211における接着剤12を担持する横方向縁部部分204**が第1領域210における剥離剤22を設けられた横方向縁部部分204に接触することになるということを意味する。図6からわかるように、長手方向縁部に沿ったシール領域の幅は、接着剤のある部分206、208の幅の合計に対応し、横方向縁部に沿ったシール領域の幅は、接着剤のある部分204’及び204**の幅の合計に対応する。このようなシールは新しい物品及び廃棄される物品の両方のための密閉された包装を保証する。
【0062】
図5、6に図示されている剥離剤のように、剥離剤22を間欠パターンに塗布することは好都合である。何故なら、それは、費用効率が高く、かつ使用されていない物品を含んでいる包装ユニットの開放を容易化するのに十分弱く、使用された物品が包装ユニットの中に廃棄の目的で挿入された際に包装ユニットの十分なシールを提供するのに十分強い、最適な接着強度を提供するからである。
【0063】
それにもかかわらず、この全く同じ実施形態において、所定の縁部部分には剥離剤の間欠パターンを設けることができ、その他には本質的に連続的なコーティングを設けることができ、及び/又はその他には全く剥離剤を設けないこともできる。
【0064】
図7は円状の形状を有する包装ユニット13を示す。このような包装ユニットは、タンポン又は胸当てパッドのような、折り畳むよりは巻くことによって包装される吸収性物品に使用することができる。この包装ユニット13は、包装ユニット13を第1領域14と第2領域15とに分割する折り畳み軸20を有する。領域それぞれは、内側縁部部分16、19と、外側縁部部分17、18と、を備える。図7に示されるように、第1領域14の内側縁部部分16及び第2領域15の外側縁部部分18には接着剤12が設けられ、一方で第1領域14の外側縁部部分17及び第2領域15の内側縁部部分19には、連続的なジグザグパターンに塗布された剥離剤22が設けられている。このように、第1領域14の接着剤のパターンは、第2領域15の接着剤パターンに対して補完的である。これはすなわち、シートが図8に示すように折り畳み軸20の周りに折り畳まれるときに、第1領域14において接着剤を担持する縁部部分16が第2領域15において剥離剤22を担持する縁部部分19と接触するようになり、第2領域15において接着剤12を担持する縁部部分18は第1領域14において剥離剤22を担持する縁部部分17と接触するようになるということを意味する。図8からわかるように、シール領域の幅は、接着剤部分16、18の幅の合計に対応する。
【0065】
吸収性物品の個別包装のための最も一般的な包装ユニットは、2つの折り畳み軸、長手方向縁部、及び横方向縁部を備える長方形状のシートである。そのような実施形態が図9に示されている。包装ユニット301は、この包装ユニットを第1領域310、第2領域311、及び第3領域312に分割する2つの折り畳み軸309、309’を備える長方形状のシートである。これら領域それぞれは内側縁部部分305、305’、308、及び外側縁部部分306、306’、307を備える。図9に示すように、第1領域及び第3領域の外側縁部部分306、307それぞれには接着剤12が設けられ、一方で第1領域及び第3領域の内側縁部部分305、308それぞれには接着剤は無い。第2領域311の接着剤パターンは、第1及び第3領域310、312の接着剤のパターンに対して補完的であり、よってチェス盤状のパターンを形成している。言い換えると、第2領域311の外側縁部部分306’は接着剤を有さずに剥離剤22を設けられており、第2領域311の内側縁部部分305’には接着剤が設けられている。これはすなわち、シートが図10に示されるように折り畳み軸309、309’の周りにe‐折り畳みされるとき、第1領域310及び第3領域312のいずれが第2領域311に接触するようになるかによって、接着剤12を担持する第1領域310の外側縁部部分306又は第3領域312の外側縁部部分307が、第2領域311における剥離剤22を担持する外側縁部部分306’に接触するようになる。したがって、第2領域311において接着剤12を担持する内側縁部部分305’は、第1領域310の接着剤の無い内側縁部部分305又は第3領域312の接着剤の無い縁部部分308に接触するようになる。図10からわかるように、シール領域の幅は、接着剤の部分306、305’の幅の合計に対応する。包装ユニットが折り畳まれる順序は重要ではないことに留意すべきである。例えば、包装ユニットは第2の折り畳み軸309’の周りに折り畳まれ、第3領域312が第2領域311に接触するようになり、外側縁部部分307、306’及び内側縁部部分308、305’をシールすることができる。包装ユニットは続いて第1の折り畳み線309の周りに折り畳まれて、第1領域310が第3領域312の外面に接触するようになり、それによって包装ユニットをシールすることができる(図10)。折り畳みの順序はまた、逆にすることができる。このことは大きな利点である。なぜなら、本発明の包装ユニットを廃棄のために使用するときに、使用者は緊密にシールされた包装を得ることを可能にするために、いずれかの特定の順序で包装ユニットを折り畳まなければならないわけではないからである。包装ユニットは、折り畳みの順序にかかわらず、密閉された衛生的な包装を提供する。
【0066】
接着剤の無い縁部部分305、306’、及び308のいずれか1つ、2つ、又は3つに剥離剤を設けることはもちろん想到可能である。
【0067】
密閉された包装を得るために、包装ユニット301の横方向縁部304’及び304**に接着剤12が設けられる。横方向縁部304’及び304**の両方に接着剤が設けられるときに、上述したように、折り畳みの順序は重要ではない。また、横方向縁部の一方だけに接着剤を設けることも想到可能である。この場合、折り畳みは接着剤の無い横方向縁部に最も近い折り畳み軸の周りで始められなければならず、それによって、接着剤で覆われた横方向縁部部分を備え得る領域が蓋を形成し、横方向縁部部分に配置された接着剤が包装ユニットをシールする。
【0068】
包装の開放を容易化するために、接着剤で覆われた部分を、包装ユニット301のコーナー部分21のうちの少なくとも1つが接着剤を有さないように配置し、それによって包装を開放する際に使用者によって把持される把持タブを形成する。さらに、接着剤を有さないコーナー部分21は、包装ユニットがシールされる際の排気開口部(evacuation opening)として作用する。
【0069】
上述に説明されたように、シール領域の幅は、第1領域及び第2領域の接着剤でカバーされた部分の幅の合計である。接着剤の量及び包装材の幅を最小化することが多くの理由で望ましい場合がある。これは、隣接する領域のうちの2つにおける接着剤でカバーされた部分の幅が、図11に示すように二分される場合に達成することができる。包装ユニット401は、この包装ユニットを第1領域410、第2領域411、及び第3領域412に分割する2つの折り畳み軸409、409’を有する。図11からわかるように、隣接する領域のうちの2つ、この場合には第2領域411及び第3領域412の、接着剤でカバーされた部分405’及び407の幅が、残りの領域、この場合には第1領域410の接着剤でカバーされた部分の幅の半分に対応し、接着剤の無い縁部部分406’及び408は剥離剤を担持している。第2領域411の接着剤でカバーされた部分405’が、第3領域412の接着剤でカバーされた部分407に対して補完的であることが望ましい。もしも接着剤のパターンが図11及び12に示されているようであれば、折り畳みは、包装ユニットが再開放されることを意図されている場合、すなわち使用されていない物品が包装されているときには、二分された、接着剤でカバーされた部分を有する領域間に配置された折り畳みの軸の回りで開始されなければならない。そうでなければ、第1領域410の接着剤でカバーされた部分406が第2領域411の接着剤でカバーされた部分405’に接触することになり、したがって包装ユニットを再開放する可能性を排除してしまう。
【0070】
本発明による包装ユニットが廃棄のために使用されるときには、使用者は、包装ユニットを折り畳むよりむしろ、包装ユニットと、その上に配置された汚れた物品と、を巻いて包み込む(roll up)ことを選択することができることに留意すべきである。
【0071】
図13は、本発明による包装ユニットを製造するのに好適な材料ウェブ501を示している。材料ウェブは、長手方向中心軸508に沿って延びる長手方向と、この長手方向に垂直な横方向と、を有する。ウェブ501は複数の横方向裁断ゾーン502を備え、裁断ゾーンそれぞれは、ウェブの横方向に延びる中心裁断軸503それぞれに沿って配置されている。横方向裁断ゾーン502は、ウェブ501の長手方向において互いから所定の距離をおいて配置されている。横方向裁断ゾーンのそれぞれは、中央部分505並びに、ウェブの横方向における中央部分505の両側に配置された第1及び第2周辺部分504、504’を備える。図13に示すように、横方向裁断ゾーン502の中央部分505には剥離剤22が設けられている。
【0072】
図14は、長手方向中心軸608と、ウェブの横方向に延びる複数の横方向裁断軸603に沿ってそれぞれが配置されている複数の横方向裁断ゾーン602と、を備える材料ウェブ601を示している。横方向裁断ゾーン602は、ウェブ601の長手方向において互いから所定の距離に配置されている。横方向裁断ゾーンのそれぞれは、中央部分605並びに、ウェブの横方向における中央部分605の両側に配置された第1及び第2周辺部分604、604’を備える。図14に示されているように、剥離剤22が横方向裁断ゾーン602の全長に沿って配置されており、それによって横方向裁断ゾーン602の中央部分605における剥離剤を設けられた区画609が、横方向裁断ゾーン602の第1及び第2周辺部分604、604’の、剥離剤22を設けられた区画610、610’に対して長手方向に変位されている。
【0073】
さらに、ウェブ601には、剥離剤が無い横方向裁断ゾーン602の区画に接着剤が設けられ、それによって、接着剤のチェス盤状パターンが上述した態様で形成されている。このように、横方向裁断ゾーン602の中央部分605の区画611、並びに横方向裁断ゾーン602の第1及び第2の周辺部分604、604’の区画606及び606’には接着剤が設けられる。材料ウェブ601が中心裁断軸603に沿って切断されるとき、図9に記載されたのと同様の包装ユニットが形成される。
【0074】
既述のように、本発明による包装ユニットはただ1つの折り畳み軸を備えることができる。この場合、本発明の材料ウェブ701上の接着剤及び剥離剤22のパターンは、図15に示されたパターンと同じパターンとすることができる。剥離剤22を設けられている横方向裁断ゾーン702の区画は、横方向裁断ゾーン702の全長に沿って配置されている。剥離剤22を設けられた横方向裁断ゾーン702の区画は、第1部分705及び第2部分705’を備え、剥離剤22を設けられた区画の第1部分705は、剥離剤を設けられた区画の第2部分705’に対して長手方向に変位されており、変位点は長手方向中心軸708と、中心裁断軸703と、の交差点に位置している。
【0075】
さらに、ウェブ701には、剥離剤の無い横方向裁断ゾーン702の区画に接着剤が設けられている。したがって、横方向裁断ゾーン702の区画706、706’には接着剤が設けられている。材料ウェブ701が中心裁断軸703に沿って切断される際には、図3に示されたのと同様の包装ユニットが形成される。
【0076】
図16は、包装ユニットを第1領域810、第2領域811、及び第3領域812に分割する2つの折り畳み軸809、809’を備える包装ユニット801を示す。これら領域のそれぞれは、内側縁部部分805、805’、808と、外側縁部部分806、806’、807とをそれぞれ備える。図16に示すように、第1及び第3領域の内側縁部部分805、808それぞれには接着剤12が設けられ、第1及び第3領域の外側縁部部分806、807それぞれには、包装ユニット801の長手方向縁部まで延在する均一なコーティングの形態の剥離剤22が設けられている。第2領域811の接着剤パターンは、第1及び第3領域810、812の接着剤パターンに対して補完的であり、それによってチェス盤状のパターンを形成している。言い換えると、第2領域811の外側縁部部分806’には包装ユニット801の長手方向縁部まで延在する接着剤が設けられ、第2領域811の内側縁部部分805’には剥離剤22が設けられている。図16に示された実施形態では、外側縁部部分806、806’、807の処理された区画、すなわち接着剤12又は剥離剤22のいずれかを設けられた区画が、内側縁部部分805、805’、808の処理された区画から所定の距離に配置されていることに留意すべきである。また、領域それぞれにおける縁部部分の処理された区画は、隣接する領域の縁部部分の処理された区画から所定の距離に配置されている。
【0077】
本発明は様々な実施形態を参照して記載されてきたが、当業者であれば、変更を本発明の技術的範囲から逸脱せずに行うことができることを認識する。詳細な説明は実例とされることが意図されており、すべての同等物を含む添付の特許請求の範囲は、本発明の技術的範囲を規定することを意図されている。
【符号の説明】
【0078】
1 包装ユニット
2 内面
3 外面
5、8 内側縁部部分
6、7 外側縁部部分
4 縁部ゾーン
9 折り畳み軸
10 第1領域
11 第2領域
12 接着剤
22 剥離剤
4’、4” 横方向縁部ゾーン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16