特許第6321803号(P6321803)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6321803デュアル接続されたユーザ機器の間のデータ・フローのセットアップまたは修正
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6321803
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】デュアル接続されたユーザ機器の間のデータ・フローのセットアップまたは修正
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20180423BHJP
   H04W 16/32 20090101ALI20180423BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20180423BHJP
【FI】
   H04W76/02
   H04W16/32
   H04W72/04 111
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-532257(P2016-532257)
(86)(22)【出願日】2014年7月21日
(65)【公表番号】特表2016-529819(P2016-529819A)
(43)【公表日】2016年9月23日
(86)【国際出願番号】EP2014001998
(87)【国際公開番号】WO2015018496
(87)【国際公開日】20150212
【審査請求日】2016年4月5日
(31)【優先権主張番号】13360021.3
(32)【優先日】2013年8月9日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120363
【弁理士】
【氏名又は名称】久保田 智樹
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】ウォラル,チャンドリカ ケー.
(72)【発明者】
【氏名】パラット,スディープ ケー.
【審査官】 齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/166975(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/010418(WO,A1)
【文献】 特開2013−115502(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0322180(US,A1)
【文献】 特表2014−522602(JP,A)
【文献】 Intel Corporation,S1 versus X2 Approach for Dual Connectivity[online],3GPP TSG-RAN WG2#81bis R2-131403,2013年 4月19日,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_81bis/Docs/R2-131403.zip
【文献】 3GPP TS 36.300 V11.5.0,2013年 3月,p.32-38,URL:http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.300/36300-b50.zip
【文献】 ETRI,Considerations on Network Architecture for Dual Connectivity[online],3GPP TSG-RAN WG2#81bis R2-131185,2013年 4月19日,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_81bis/Docs/R2-131185.zip
【文献】 CATT,RRM related issues of Dual Connectivity technique[online],3GPP TSG-RAN WG2#81bis R2-130978,2013年 4月19日,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_81bis/Docs/R2-130978.zip
【文献】 Intel Corporation,Radio link failure handling for dual connectivity[online],3GPP TSG-RAN WG2#82 R2-131990,2013年 5月25日,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_82/Docs/R2-131990.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおける、前記システムの一次ノードおよび二次ノードとデュアル接続されたユーザ機器とのデータ・フローのセットアップまたは修正のための方法であって、
モビリティ管理エンティティからデータ・フローについてのベアラ要求を受信するステップと、
前記システムのコア・ネットワークのノードまたは無線アクセス・ネットワーク・ノードにおいて、あるいは前記コア・ネットワークの外側に位置しているネットワーク管理ノードにおいて、前記データ・フローが、前記一次ノードを経由して前記ユーザ機器に対して送信されるべきか、または前記二次ノードを経由して前記ユーザ機器に対して送信されるべきかを選択するステップと、
前記二次ノードが選択されると、
ベアラ要求メッセージを前記一次ノードに対して送信するステップと、
前記一次ノードから前記二次ノードへとオフローディング・ベアラ要求メッセージを送信するステップと、
前記二次ノードから前記一次ノードへとオフローディング・ベアラ応答メッセージを送信するステップと、
前記選択された二次ノードを経由して前記ユーザ機器に対して前記データ・フローを送信するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記データ・フローが、前記一次ノードを経由して前記ユーザ機器に対して送信されるべきか、または前記二次ノードを経由して前記ユーザ機器に対して送信されるべきかを選択するステップは、前記コア・ネットワークのモビリティ管理エンティティ、サービング・ゲートウェイ、またはPDNゲートウェイによって実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記無線アクセス・ネットワーク・ノードは、前記一次ノードである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記一次ノードは、マクロ・セル基地局である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記二次ノードは、スモール・セル基地局である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記モビリティ管理エンティティと、前記二次ノードとの間には直接リンクが存在しない、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
セットアップ・データおよび/または修正データは、前記一次ノードを使用して配信される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
選択する前記ステップは、前記ユーザ機器と前記一次ノードとの間の無線状態と、前記ユーザ機器と前記二次ノードとの間の無線状態とを決定するステップを含む、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
一次ノードと、
二次ノードと、
前記システムの前記の一次ノードおよび二次ノードとデュアル接続されたユーザ機器と
を備える無線電気通信システムであって、
モビリティ管理エンティティからデータ・フローについてのベアラ要求を受信し、
コア・ネットワークのノードまたは無線アクセス・ネットワーク・ノードにおいて、あるいは前記コア・ネットワークの外側に位置しているネットワーク管理ノードにおいて、前記データ・フローが、前記一次ノードを経由して前記ユーザ機器に対して送信されるべきか、または前記二次ノードを経由して前記ユーザ機器に対して送信されるべきかを選択し、
前記二次ノードが選択されると、
ベアラ要求メッセージを前記一次ノードに対して送信し、
前記一次ノードから前記二次ノードへとオフローディング・ベアラ要求メッセージを送信し、
前記二次ノードから前記一次ノードへとオフローディング・ベアラ応答メッセージを送信し、また
前記選択された二次ノードを経由して前記ユーザ機器に対して前記データ・フローを送信する
ように動作可能である、システム。
【請求項10】
前記システムの前記モビリティ管理エンティティと前記二次ノードとの間に直接リンクが存在しない、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記一次ノードは、マクロ・セル基地局であり、前記二次ノードは、スモール・セル基地局である、請求項9または10に記載のシステム。
【請求項12】
UEと前記一次ノードとの間の無線状態と、ユーザ機器と前記二次ノードとの間の無線状態とを決定するように動作可能である、請求項9乃至11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
無線電気通信システムの一次ノードであって、前記無線電気通信システムは、
二次ノードと、
前記一次ノードおよび前記二次ノードとデュアル接続されたユーザ機器と
をさらに備え、前記システムは、
モビリティ管理エンティティからデータ・フローについてのベアラ要求を受信し、
コア・ネットワークのノードまたは無線アクセス・ネットワーク・ノードにおいて、あるいは前記コア・ネットワークの外側に位置しているネットワーク管理ノードにおいて、前記データ・フローが、前記一次ノードを経由して前記ユーザ機器に対して送信されるべきか、または前記二次ノードを経由して前記ユーザ機器に対して送信されるべきかを選択し、
前記二次ノードが選択されると、
ベアラ要求メッセージを前記一次ノードに対して送信し、
前記一次ノードから前記二次ノードへとオフローディング・ベアラ要求メッセージを送信し、
前記二次ノードから前記一次ノードへとオフローディング・ベアラ応答メッセージを送信し、また
前記選択されたノードを経由して前記ユーザ機器に対して前記データ・フローを送信する
ように動作可能である、一次ノード。
【請求項14】
無線電気通信システムの二次ノードであって、前記無線電気通信システムは、
二次ノードと、
前記一次ノードおよび前記二次ノードとデュアル接続されたユーザ機器と
をさらに備え、前記システムは、
モビリティ管理エンティティからデータ・フローについてのベアラ要求を受信し、
コア・ネットワークのノードまたは無線アクセス・ネットワーク・ノードにおいて、あるいは前記コア・ネットワークの外側に位置しているネットワーク管理ノードにおいて、前記データ・フローが、前記一次ノードを経由して前記ユーザ機器に対して送信されるべきか、または前記二次ノードを経由して前記ユーザ機器に対して送信されるべきかを選択し、
前記二次ノードが選択されると、
ベアラ要求メッセージを前記一次ノードに対して送信し、
前記一次ノードから前記二次ノードへとオフローディング・ベアラ要求メッセージを送信し、
前記二次ノードから前記一次ノードへとオフローディング・ベアラ応答メッセージを送信し、
前記選択されたノードを経由して前記ユーザ機器に対して前記データ・フローを送信する
ように動作可能である、二次ノード。
【請求項15】
無線電気通信システムの一次ノードおよび二次ノードとデュアル接続されたユーザ機器であって、前記システムは、
モビリティ管理エンティティからデータ・フローについてのベアラ要求を受信し、
コア・ネットワークのノードまたは無線アクセス・ネットワーク・ノードにおいて、あるいは前記コア・ネットワークの外側に位置しているネットワーク管理ノードにおいて、前記データ・フローが、前記一次ノードを経由して前記ユーザ機器に対して送信されるべきか、または前記二次ノードを経由して前記ユーザ機器に対して送信されるべきかを選択し、
前記二次ノードが選択されると、
ベアラ要求メッセージを前記一次ノードに対して送信し、前記一次ノードから前記二次ノードへとオフローディング・ベアラ要求メッセージを送信し、前記二次ノードから前記一次ノードへとオフローディング・ベアラ応答メッセージを送信し、
前記選択されたノードを経由して前記ユーザ機器に対して前記データ・フローを送信する
ように動作可能である、ユーザ機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一次ノードおよび二次ノードとデュアル接続されたユーザ機器を備えている無線通信システムにおける方法と、電気通信システムと、一次ノードと、二次ノードと、ユーザ機器とに関する。
【背景技術】
【0002】
スモール・セルは、数十メートルという典型的なカバレッジ範囲を有する、居住環境または企業環境においてセルラー方式サービスを提供することができる、低電力で低コストの基地局である。それらは、簡単なプラグ・アンド・プレイ展開を可能にする自動構成能力と、自己最適化能力とを有しており、またそれら自体を既存のマクロセルラー方式ネットワークの中に自動的に統合するように設計されている。多くの場合にピコ・セル、またはメトロ・セルと称されるスモール・セルは、一般的に、顧客のブロードバンド・インターネット接続の、例えば、DSL、ケーブルなどを、マクロセルラー方式ネットワークに向かうバックホールとして使用している。スモール・セルの間の、またスモール・セルと、マクロ・セルとの間の非理想的なバックホール(数ミリ秒から数十ミリ秒の一方向のレイテンシを有する)のサポートが、典型的な展開シナリオとして考えられる。
【0003】
ホット・スポット・エリアなど、高トラフィック・エリアにおける容量ニーズを取り扱うためのスモール・セル展開は研究領域である。高トラフィック・エリアにおける容量ニーズを取り扱うための提案は、ユーザ機器についてのデュアル接続サポートを提供することである。デュアル接続サポートは、ユーザ機器(UE:User Equipment)が、例えば、マクロ・セルと、スモール・セルとに、または2つのスモール・セルに同時に接続されることを可能にする。UEは、このようにして、一時に、複数のセルに接続され、また複数のセルによってサービスされる可能性がある。デュアル接続サポートは、必要とされるときに、トラフィックのオフローディングを可能にするやり方として考えられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一例によれば、無線通信システムにおける、システムの一次ノードおよび二次ノードとデュアル接続されたユーザ機器の間のデータ・フローのセットアップまたは修正のための方法であって、システムのモビリティ管理エンティティからデータ・フローについてのベアラ要求を受信するステップと、システムのコア・ネットワークのノードまたは無線アクセス・ネットワーク・ノードにおいて、あるいはコア・ネットワークの外側に位置しているシステムについてのネットワーク管理ノードにおいて、データ・フローが、一次ノードまたは二次ノードを経由してユーザ機器(UE)に対して送信されるべきかどうかを決定するステップと、ユーザ機器に対してデータ・フローを送信するための一次ノードまたは二次ノードを選択するステップと、選択されたノードを経由してユーザ機器に対してデータ・フローを送信するステップとを含む方法が提供される。本方法は、データ・フローが、一次ノードまたは二次ノードを経由してユーザ機器(UE)に対して送信されるべきかどうかを決定するステップをさらに含む可能性があり、このステップは、コア・ネットワークのモビリティ管理エンティティ、サービング・ゲートウェイ、またはPDNゲートウェイによって実行される。無線アクセス・ネットワーク・ノードは、一次ノードとすることができる。モビリティ管理エンティティと、二次ノードとの間の直接リンクは、存在する必要がない。セットアップ・データおよび/または修正データは、一次ノードを使用して配信される可能性がある。決定するステップは、UEと、一次ノードとの間の無線状態と、UEと、二次ノードとの間の無線状態とを決定するステップを含むことができる。
【0005】
一例によれば、無線電気通信システムであって、一次ノードと、二次ノートと、システムの一次ノードおよび二次ノードとデュアル接続されたUEとを備えているシステムが提供され、本システムは、システムのモビリティ管理エンティティからデータ・フローについてのベアラ要求を受信し、本システムのコア・ネットワーク・ノードまたは無線アクセス・ネットワーク・ノードにおいて、あるいはコア・ネットワークの外側に位置している本システムについてのネットワーク管理ノードにおいて、データ・フローが、一次ノードまたは二次ノードを経由してユーザ機器(UE)に対して送信されるべきかどうかを決定し、ユーザ機器に対してデータ・フローを送信するための一次ノードまたは二次ノードを選択し、また選択されたノードを経由してユーザ機器に対してデータ・フローを送信するように、動作可能である。
【0006】
本システムは、サービス品質を表すデータに基づいて、システムについてのパラメータを決定するように動作可能とすることができる。本システムのモビリティ管理エンティティと、二次ノードとの間には、直接リンクの必要はない。セットアップ・データおよび/または修正データは、本システムの一次ノードを使用して、配信される可能性がある。本システムは、UEと、一次ノードとの間の無線状態と、UEと、二次ノードとの間の無線状態とを決定するように動作可能とすることができる。
【0007】
一例によれば、UEとのデュアル接続リンクにおいて動作可能な、上記で提供されるような無線電気通信システムの一次ノードが提供される。一例によれば、UEとのデュアル接続リンクにおいて動作可能な、上記で提供されるような無線電気通信システムの二次ノードが提供される。一例によれば、上記で提供されるようなシステムの一次ノードおよび二次ノードとデュアル接続されたUEが提供される。
【0008】
一例によれば、システムの一次ノードおよび二次ノードとデュアル接続された、上記で提供されるような方法に従って動作可能なUEが提供される。
【0009】
一例によれば、システムのモビリティ管理エンティティからのデータ・フローについてのベアラ要求に応じて、データ・フローが、本システムの一次ノードまたは二次ノードを経由してユーザ機器に対して送信されるべきかどうかを決定するように動作可能な、無線電気通信システムのノードが提供される。
【0010】
実施形態が、次に、例としてのみ、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】マクロ・セルと、スモール・セルのクラスタとを備えている異機種電気通信ネットワークについての概略的表現を示す図である。
図2】一例によるベアラ・セットアップ・プロセスについての概略的表現を示す図である。
図3】一例によるベアラ修正プロセスについての概略的表現を示す図である。
図4a】一例による、スモール・セルにおいてベアラを確立するためのプロセスについての概略的表現を示す図である。
図4b】一例による、スモール・セルにおいてベアラを確立するためのプロセスについての概略的表現を示す図である。
図5】一例によるベアラ修正プロセスについての概略的表現を示す図である。
図6】一例によるスモール・セル構成についての概略的表現を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
例示の実施形態は、当業者が、本明細書において説明されるシステムおよびプロセスを具現化し、また実装することを可能にするように、以下で十分詳細に説明される。実施形態は、多数の代替的な形態で提供される可能性があり、また本明細書に記載される例だけに限定されるようには解釈されるべきではないことを理解することが重要である。
【0013】
したがって、実施形態は、様々なやり方で修正される可能性があり、また様々な代替的な形態を取ることができるが、その特定の実施形態は、図面の中で示され、また例として以下で詳細に説明される。開示される特定の形態だけに限定する意図は存在していない。反対に、添付の特許請求の範囲についての範囲内に含まれるすべての修正形態と、同等形態と、代替形態とが、含まれるべきである。例示の実施形態の要素は、必要に応じて、図面と、詳細な説明との全体を通して、同じ参照番号によって一貫して示されている。
【0014】
実施形態を説明するために本明細書において使用される専門用語は、範囲を限定することを意図してはいない。冠詞、「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、それらが、単一の指示対象を有する点で単数形であるが、しかしながら、本文書における単数形の使用は、複数の指示対象の存在を除外するべきではない。言い換えれば、単数形で言及される要素は、その文脈が、明らかにそうでない場合を示していない限り、1つまたは複数になることができる。用語「備える/含む(comprises)」、「備えている/含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、および/または「含んでいる(including)」は、本明細書において使用されるときに、述べられた特徴、項目、ステップ、オペレーション、要素、および/またはコンポーネントの存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、項目、ステップ、オペレーション、要素、コンポーネント、および/またはそれらのグループの存在もしくは追加を除外するものではないことが、さらに理解されるであろう。
【0015】
それ以外の方法で規定されていない限り、本明細書において使用されるすべての用語(技術的用語および科学的用語を含む)は、当技術分野において慣習となっているように解釈されるべきである。一般的な使用における用語はまた、本明細書においてそのように明示的に規定されていない限り、関連のある技術分野において慣習となっているように解釈されるべきでもあり、また理想化された意味で、または過度に形式的な意味で解釈されるべきでもないことが、さらに理解されるであろう。
【0016】
図1は、マクロ・セル12と、スモール・セルのクラスタ14とを備えている異機種電気通信システム10の概略表現である。セル12と、スモール・セルのクラスタ14の中のセルのうちのそれぞれ1つとは、ユーザ機器(UE)として知られているモバイル・ハンドセットと直接に通信する無線通信ネットワークに接続されているハードウェアを形成する進化型ノードB(本明細書における「eNB」、「ノード」と交換可能に称されることもある)として知られてもいるE−UTRANノードBによってサービスされる。
【0017】
スモール・セルのクラスタ14は、第1のスモール・セル16と、第2のスモール・セル18と、第3のスモール・セル20と、第4のスモール・セル22と、第5のスモール・セル24とを備えている。スモール・セルは、地理的に分散されて、マクロ・セル12の内部にカバレッジのエリアを提供する。UE21は、ネットワーク10を通してローミングすることができる。ユーザ機器が、マクロ・セル12の内部に位置しているときに、通信は、関連する無線リンクの上で、ユーザ機器と、マクロ・セル基地局26との間に確立される可能性がある。ユーザ機器が、スモール・セル16、18、20、22および24のうちの1つの内部に地理的に位置している場合、通信は、関連する無線リンクの上で、ユーザ機器と、関連するスモール・セルの基地局との間で確立されることもある。図1が、例示の異機種ネットワークだけを示していること、および複数のマクロ・セルが、提供されることもあり、5つよりも多くの、または少ないスモール・セルが、提供されることもあり、また複数のスモール・セル・クラスタが、提供されることもあることが、理解されるであろう。
【0018】
上記で説明されるように、マクロ・セル12の内部には、複数のスモール・セル16、18、20、22および24を提供する複数のスモール・セル基地局が提供される。スモール・セルは、それらの近くにユーザのためのローカル通信カバレッジを提供する。ユーザ機器が、第1のスモール・セル16などのスモール・セルの範囲内に来るので、スモール・セルの基地局が、ユーザ機器が範囲内に来ていることを検出するときなどに、ハンドオーバが、マクロ・セルの基地局26と、スモール・セルの基地局28との間で起こることができる。同様に、ユーザ機器が、異なるスモール・セルの範囲内に来ると、新しいスモール・セルの基地局が、ユーザ機器が範囲内に来ていることを検出するときに、ハンドオーバが、現在のスモール・セルの基地局と、新しいスモール・セルの基地局との間で起こることができる。
【0019】
高トラフィック・エリアの容量ニーズを取り扱うために、図1の電気通信ネットワーク10の中のユーザ機器が、デュアル接続サポートとともに提供されることもある。すなわち、ユーザ機器は、マクロ・セル12と、スモール・セル16との両方に接続されることもある。またユーザ機器は、スモール・セル16と、他のスモール・セル18から24のうちのどれかとにデュアル接続されることもあることも、理解すべきである。
【0020】
図1を参照して説明されるようなデュアル接続を使用して、必要とされるときに、スモール・セルを経由してトラフィックのオフローディングを可能にすることができる。例えば、ユーザ機器による使用における特定のサービスに関連するデータ・フローは、そうでなければ、マクロ・セル12が、例えば、過負荷になるようにさせる可能性がある高トラフィック・エリアにおいて、スモール・セルに対してオフロードされる可能性がある。
【0021】
したがって、UE21は、一時に、複数のセルに接続される可能性があり、またUEは、それゆえに、複数のセルによってサービスされる可能性があり、これらのセルは、異なるベンダーからの異なるeNBに属する可能性がある。スモール・セルは、デュアル接続されたUEについてのオフロードされたトラフィックにサービスする必要があるだけでなく、スモール・セルに直接に接続されているレガシーUEにサービスすることもできる。一般的に、ネットワークに接続されるUEは、割り付けられたセル無線ネットワーク一時的識別子やC−RNTIなどの識別子を使用して、識別され、この識別子は、ネットワークに対するその初期アクセス時に、UEに割り付けられ、またこの識別子は、ハンドオーバ・プロシージャを使用して変更される可能性がある。
【0022】
一例によれば、トラフィック・ベアラをオフロードするときのセットアップおよび修正のためのプロセスが、提供される。たとえS1−Uインターフェースが、S−GWと、スモール・セルとの間にあるとしても、MMEと、スモール・セルとの間に直接の接続は存在していない。それゆえに、必要なベアラのセットアップ/修正の情報は、マクロ・セルeNBを経由して配信される。
【0023】
図2は、一例による、レガシー・システムにおける専用のベアラ確立のためのベアラ・セットアップ・プロセスの概略的表現である。専用のベアラ確立は、新しいベアラ確立を必要とする異なるQoS要件を有するアプリケーションからのデータの到着に基づいて、PCRFによって開始されることもある。
【0024】
PDN GWは、PCRFポリシーによって提供されるQoS情報を使用して、EPSベアラQoS(すなわち、QCI、ARP、GBRおよびMBR)を割り当て、またPDN GWは、専用のベアラについての課金IDを生成する。PDN GWは、生成ベアラ要求メッセージをサービングGWに対して送信する。メッセージは、IMSI、EPSベアラQoS、S5/S8 TEID、課金Id、リンクされたEPSベアラ識別情報(これは、デフォルト・ベアラのEPSベアラ識別情報である)を含んでいる。サービングGWは、生成ベアラ要求メッセージ(IMSI、PTI、EPSベアラQoS、TFT、S1−TEID、PDN GW TEID、LBIを含んでいる)をMMEに対して送信する。
【0025】
MMEは、まだUEに割り当てられていないEPSベアラ識別情報を選択する。次いで、MMEは、PTIと、TFTと、EPSベアラQoSパラメータ(ARPを除外して)と、EPSベアラ識別情報と、LBIとを含むセッション管理要求を構築する。次いで、MMEは、ベアラ・セットアップ要求(EPSベアラ識別情報、EPSベアラQoS、セッション管理要求、S1−TEID)メッセージをeNBに対して信号で伝える。
【0026】
eNBは、EPSベアラQoSを無線ベアラQoSに対してマッピングし、またRRC接続再構成メッセージの形で無線ベアラ構成をUEに対して信号で伝える。UE NASは、EPSベアラ識別情報を記憶し、またLBIによって示されるデフォルト・ベアラに、専用のベアラをリンクする。UEは、アップリンク・パケット・フィルタ(UL TFT)を使用して、無線ベアラに対するトラフィック・フローのマッピングを決定する。UEは、RRC接続再構成完了メッセージを用いてeNBに対してベアラ・アクティブ化に肯定応答する。eNBは、ベアラ・セットアップ応答メッセージ(EPSベアラ識別情報、S1−TEID)を用いてMMEに対してベアラ・アクティブ化に肯定応答する。ベアラ・セットアップ応答メッセージと、セッション管理応答メッセージとの受信のすぐ後に、MMEは、生成ベアラ応答メッセージ(EPSベアラ識別情報、S1−TEID、ユーザ・ロケーション情報、ECGI)を送信することにより、サービングGWに対してベアラ・アクティブ化に肯定応答する。サービングGWは、PDN GWに対してベアラ・アクティブ化に肯定応答する。
【0027】
図3は、一例によるベアラ修正プロセスについての概略的表現である。
【0028】
レガシー・プロシージャは、以下の点を、考慮に入れるために修正される。
1)専用のベアラが、スモール・セルと、S−GWとの間で確立される。
2)同じPDN接続についてのベアラは、異なるノードにおいて終端される。ベアラは、マクロeNBと、S−GWとの間で接続されるが、他のベアラは、スモール・セルeNBと、S−GWとの間で接続される。
3)制御信号伝達のための終端ポイントは、EPSベアラの終端ポイントとは異なる。
4)スモールeNBと、マクロeNBとは、異なるPLMNを伴うものとすることができ、またUEは、異なるアクセス制約条件を有することができる。
【0029】
本発明の一実施形態においては、eNBは、ベアラ確立の時に決定を行って、スモール・セルにおいて、ベアラを直接に確立する。
【0030】
図4aは、一例による、スモール・セルにおいてベアラを確立するためのプロセスについての概略的表現である。2つの新しいメッセージが、マクロ・セルeNBと、スモール・セルeNBとの間のベアラ情報通信のために導入される(図4aにおいてメッセージAおよびBとしてマーク付けされる)。
【0031】
別の実施形態においては、CN(MME、S−GWまたはP−GW)は、要求し、または示唆すべき決定を行って、スモール・セルにおいて、ベアラを確立する。MMEが決定を行う場合のメッセージ・フローは、図4bの中に示されている。メッセージ1は、レガシーIP−CANセッション修正メッセージと類似した情報を含んでいる。スモール・セルを経由したトラフィック・オフローディングのための決定が、外部ノードによって行われる場合、ベアラ終端情報(すなわち、ベアラは、スモール・セルの上で提供されるは、IP−CANセッション修正メッセージの中の新しいパラメータとして含められる可能性がある。
【0032】
PDN GWは、課金IDを生成する。オペレータが、他のトラフィックとは異なるようにオフロードされたトラフィックに課金したいと思う場合、異なる課金IDが、EPSベアラのために割り付けられる可能性がある。PDN GWが、オフローディング・トラフィック決定について知っている場合に、サービングGWは、生成ベアラ要求メッセージをMMEに対して送信する。しかしながら、サービングGWは、スモール・セルの中に、UEについてのダウンリンクS1−Uを有していないので、メッセージはまた、スモール・セルにおいてUEについてのS1−U確立のための必要性を示してもいる。これは、サービングGWが、確立されたベアラがオフローディング・ベアラであることについて知っている場合に、可能である。
【0033】
MMEは、EPSベアラ識別情報を選択し、このEPSベアラ識別情報は、まだUEに割り当てられてはいない。次いで、MMEは、PTIと、TFTと、EPSベアラQoSパラメータ(ARPを除外して)と、プロトコル構成オプションと、EPSベアラ識別情報と、リンクされたEPSベアラ識別情報(LBI:Linked EPS Bearer Identity)と、スモール・セルとスモール・セルIDとを経由したトラフィック・オフローディングについての表示とを含むセッション管理要求を構築する。
【0034】
トラフィック・オフローディング決定が、MMEによって行われる場合、MMEは、どのスモール・セルが、トラフィック・オフローディングのために使用されるかについての情報を有する。そうではなくて、トラフィック・オフローディング決定が、サービングGW、PDN−GWまたは外側のノードによって行われる場合に、対応するベアラについてのスモール・セルIDの情報は、生成ベアラ要求とともに、MMEに対して提供される。いずれの場合にも、MMEは、オフロードされたトラフィックについてのスモール・セルIDに関する情報を有する。次いで、MMEは、マクロeNBに対してスモール・セルeNBメッセージを対象としたベアラ・セットアップ要求(EPSベアラ識別情報、EPSベアラQoS、セッション管理要求、S1−TEIDを信号で伝える。
【0035】
受信された情報に基づいて、マクロeNBは、対応するベアラについてのトラフィック・オフローディング要求メッセージを生成する。メッセージは、スモール・セルeNBを対象としたEPSベアラ識別情報と、EPSベアラQoSと、S1−TEIDとを含む。スモール・セルeNBは、要求されたEPSベアラについての無線リソースを構成し、またさらに、サービングGWに向かってS1−U接続を確立している。スモール・セルは、マクロ・セルeNBに対してベアラ・セットアップに肯定応答し、またUEに対して送信されるべきベアラ構成情報を提供する。
【0036】
マクロ・セルeNBは、RRC接続再構成をUEに対して送信し、メッセージは、スモール・セルの上でのベアラ確立についてUEに通知している。UEは、対応するベアラをセットアップし、またRRC接続再確立メッセージと、直接転送メッセージとをマクロeNBに対して送信することにより、プロセスに肯定応答する。
【0037】
別の実施形態においては、このベアラは、このUEについてのスモール・セルの中の第1のベアラとすることができる。この場合には、ベアラ確立の時に、スモール・セルに対するモビリティのために使用されるプロシージャは、場合によってはUL同期化のためのRACHアクセスを含めて使用される。
【0038】
図5の中に示されるベアラ修正プロシージャは、図4a/bを参照して説明されるベアラ・セットアップ・プロシージャのメッセージ構造および信号フローと類似したメッセージ構造および信号伝達フローを有する。
【0039】
コア・ネットワーク(例えば、MME)が、スモール・セルを経由してトラフィック・オフローディングに対する決定を行うために、MMEは、UEが、マクロeNBと、スモール・セルeNBとのエリアの内部にあり、すなわち、UEと、マクロeNBとの間の無線状態と、UEと、スモール・セルeNBとの間の無線状態とは、オーバー無線構成(over radio configuration)の場合に良好であるべきであるという情報を有するべきである。一実施形態においては、情報は、新しいメッセージを使用して、マクロ・セルeNBからMMEに対して提供される可能性がある。別の実施形態においては、MMEは、UEについてのスモール・セルの中の既存のベアラからのこれについて知っている。さらに、マクロeNBと、スモール・セルとについての負荷情報は、UEに対して提供されることもある。トラフィック・オフローディング決定は、ベスト・エフォート・トラフィックが、スモール・セルの上で配信される間に、VoIPベアラが、マクロeNBの上で配信されるなど、あらかじめ構成されたポリシーに基づいて、行われる可能性がある。
【0040】
一実施形態においては、スモール・セル構成プロシージャは、ベアラ・セットアップ・プロシージャから独立している。可能性のあるスモール・セル構成が、図6の中に示されている。スモール・セル構成のための決定が、マクロeNBによって行われる。決定は、例えば、測定値(スモール・セルのチャネル品質)、スモール・セルおよびマクロ・セルの上のトラフィック負荷に基づいたものとすることができる。スモール・セルは、UEについてのスモール・セル構成について通知される。何らかのUEコンテキストが、UE到着の準備のためにスモール・セルに対して転送されることもある。スモール・セルは、アドミッション制御を実行した後に、スモール・セル構成に肯定応答する。マクロeNBは、スモール・セル構成と、さらにスモール・セルに対するUL同期化についての要件とについてUEに通知することもできる。しかしながら、スモール・セル構成と、UL同期化要件とについてUEに通知する態様は、本発明の中に対象として含まれてはいない。たとえスモール・セルが、UEのために構成されているとしても、ベアラは、スモール・セルから確立されてはいないことに注意すべきである。スモール・セル構成完了のすぐ後に、MMEは、スモール・セルIDを含むUEのためのスモール・セル構成について、マクロeNBによって通知される。MMEは、スモール・セルを経由して、トラフィック・オフローディングを実行することを決定する。これは、トラフィックが、スモール・セルを経由して配信されるなど、新しいEPSベアラ、または既に確立されているベアラ修正のためのものとすることができる。MMEは、ベアラ修正要求をマクロeNBに対して送信する。マクロeNBは、上記で考察されるようなトラフィック・オフローディング・プロシージャについてスモール・セルに対して通信する。プロシージャの完了のすぐ後に、UEは、新しい無線構成パラメータについて通知される。最後に、MMEは、スモール・セルと、サービングGWとの間のS1−Uベアラ・セットアップのために、サービングGWに対するベアラ修正をアップデートする。
【0041】
本発明は、他の特定の装置および/または方法の形で具現化される可能性がある。説明された実施形態は、あらゆる点で、例証的であり、また限定的ではないものとして考えられるべきである。とりわけ、本発明の範囲は、本明細書における説明および図面によってではなくて、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等物の意味および範囲の内部に含まれるすべての変更は、それらの範囲内に包含されるべきである。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6