【実施例】
【0129】
実施例(一般的事項)
特に指定がないかぎり、以下の実施例では次の定義が使用される。
NB:ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、BuDMMINB:1−(4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル)ブチル)−3,4−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジオン、NBTON:5−((2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、DecNB:5−デシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、MGENB:2−((ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメトキシ)メチル)オキシラン、IBU:2−メチルプロプ−1−エン、2M1P:2−メチルペント−1−エン、d−IBU:ジイソブチレン、V−TMS:トリメチル(ビニル)シラン、MA:無水マレイン酸、AIBN:アゾビスイソブチロニトリル、THF:テトラヒドロフラン、MEK:メチルエチルケトン、MAK:メチルn−アミルケトンまたは2−ヘプタノン、NMP:N−メチル−2−ピロリドン、DMSO:ジメチルスルホキシド、MEA:モノエタノールアミン、DMSO−d6:過ジュウテリウム化ジメチルスルホキシド、TMPTGE:トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、MA:無水マレイン酸繰返し単位、MI:マレイミド繰返し単位、COMA:無水マレイン酸と本明細書に記載の他のオレフィンとのコポリマー、ターポリマー、テトラポリマー、ROMA:無水マレイン酸と本明細書に記載の他のオレフィンとの開環型のコポリマー、ターポリマー、テトラポリマー、ROMI:無水マレイン酸と本明細書に記載の他のオレフィンとのアミン開環マレイミド含有型のコポリマー、ターポリマー、テトラポリマー、TS:全固体、HPLC:高速液体クロマトグラフィー、GPC:ゲル浸透クロマトグラフィー、M
w:重量平均分子量、M
n:数平均分子量、PDI:多分散性指数(M
w/M
n)、FT−IR:フーリエ変換赤外、NMR:核磁気共鳴、TGA:熱重量分析。
【0130】
本明細書に記載のオレフィンと無水マレイン酸との前駆体コポリマーのいくつかは市販されており、市販品を入手したままの状態で本発明に係るROMIポリマーの製造に使用される。たとえば、SMA1000(スチレン/MA、50/50、M
w=4,900、M
n=2,800)、SMA2000(スチレン/MA、66/33、M
w=7,100、M
n=3,550)、SMA3000(スチレン/MA、75/25、M
w=9,500、M
n=4,700)、SMA3024(スチレン/MA、75/25、M
w=23,300、M
n=11,400)、CVX50208(スチレン/MA、66/33、1−C
4H
9NH
2を用いて開環、M
w=8,500、M
n=3,800)は、Cray valley USA社から購入した。Isobam−600(IBU/MA、50/50、M
w=5,500〜6,500)は、株式会社クラレから購入した。V−TMS、d−IBUおよび2M1Pは、Sigma Aldrich社から購入した。
【0131】
以下の実施例1〜実施例19は、本発明に係る種々の前駆体MA含有ポリマーの調製例である。本明細書に記載されるように、示されているモノマー比は、特に指定がないかぎり、それぞれのポリマーを製造するための供給原料におけるモル比である。
【0132】
実施例1〔NB/MA(50/50)コポリマー〕
無水マレイン酸(MA、98.1g、1000mmol)、ノルボルネン(NB、94.2g、1000mmol)およびAIBN(3.3g、20mmol)を、トルエン(78.5g)およびTHF(31.2g)に溶解させ、適切なサイズの反応容器に仕込んだ。この溶液を窒素で10分間スパージして酸素を除去し、次いで、撹拌しながら60℃に加熱した。この混合物を60℃で3時間撹拌した後、その溶液は乳状懸濁液になった。この反応混合物にTHF(64.4g)を添加して60℃に5時間加熱した。この時点で、追加量のAIBN(3.28g、20mmol)およびTHF(39.5g)を加え、さらに8時間加熱を継続した。次いで、この反応混合物をTHF(358g)で希釈し、過剰のヘプタンに添加した。濾過後に得られた固体を50〜55℃の真空オーブン中で約12時間乾燥させて、174.4gの標記ポリマー(GPC(THF)M
w=12,750、M
n=4,900、収率=91%)を得た。
【0133】
また、実施例1A〜実施例1Cに記載の以下の手順に従って、3つの異なるバッチのNB/MAコポリマーを調製した。
【0134】
実施例1A〔NB/MA(50/50)コポリマー〕
無水マレイン酸(MA、98.1g、1mol)、ノルボルネン(NB、94.2g、1mol)およびジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(9.2g、40mmol)を、トルエン(62g)およびMEK(120g)に溶解させ、適切なサイズの反応容器に仕込んだ。この溶液を窒素で10分間スパージして酸素を除去し、次いで、撹拌しながら60℃に加熱した。この混合物を60℃で16時間撹拌した。この反応混合物をMEK(250g)で希釈し、過剰のメタノールに添加した。濾過後に得られた固体を50〜55℃の真空オーブン中で約12時間乾燥させて、170gの固体(GPC(THF)M
w=12,900、M
n=6,700、収率=90%)を得た。
【0135】
実施例1B〔NB/MA(50/50)コポリマー〕
無水マレイン酸(MA、98.1g、1mol)、ノルボルネン(NB、94.2g、1mol)およびジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(23g、100mmol)を、トルエン(40g)およびMEK(360g)に溶解させ、適切なサイズの反応槽に仕込んだ。この溶液を窒素で10分間スパージして酸素を除去し、次いで、撹拌しながら70℃に加熱した。この混合物を70℃で16時間撹拌した。この反応混合物をMEK(250g)で希釈し、過剰のメタノールに添加した。濾過後に得られた固体を50〜55℃の真空オーブン中で約12時間乾燥させて、150gの固体(GPC(THF)M
w=5,400、M
n=2,870、収率=78%)を得た。
【0136】
実施例1C〔NB/MA(50/50)コポリマー〕
無水マレイン酸(MA、98.1g、1mol)、ノルボルネン(NB、94.2g、1mol)およびジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(9.2g、40mmol)を、トルエン(37g)およびMEK(340g)に溶解させ、適切なサイズの反応容器に仕込んだ。この溶液を窒素で10分間スパージして酸素を除去し、次いで、撹拌しながら70℃に加熱した。この混合物を70℃で16時間撹拌した。この反応混合物をMEK(250g)で希釈し、過剰のメタノールに添加した。濾過後に得られた固体を50〜55℃の真空オーブン中で約12時間乾燥させて、163gの固体(GPC(THF)M
w=6,800、M
n=3,760、収率=85%)を得た。
【0137】
実施例2〔2M1P/MA(50/50)コポリマー〕
無水マレイン酸(MA、24.5g、250mmol)、2−メチル−1−ペンテン(2M1P、21g、250mmol)、およびAIBN(4.1g、25mmol)を、エチルアセテート(26.2g)に溶解させ、適切なサイズの反応容器に仕込んだ。この溶液を窒素で30分間スパージして酸素を除去し、次いで、撹拌しながら70℃に加熱した。この混合物を70℃で約5分間撹拌した後、固体が形成された。この反応混合物を室温まで冷却し、固体生成物をTHF(150mL)に溶解させて過剰のヘキサンに添加した。濾過後に得られた固体を70℃の真空オーブン中で15時間乾燥させて、22gの標記生成物(GPC(THF)M
w=44,400、M
n=9,750、単離収率=48%)を得た。
【0138】
実施例3〔2M1P/DecNB/MA(35/15/50)ターポリマー〕
無水マレイン酸(MA、24.5g、250mmol)、2−メチル−1−ペンテン(2M1P、14.7g、175mmol)、DecNB(17.6g、75mmol)およびAIBN(4.1g、25mmol)を、エチルアセテート(33.7g)に溶解させ、適切なサイズの反応容器に仕込んだ。この溶液を窒素で30分間スパージして酸素を除去し、次いで、撹拌しながら70℃に加熱した。この混合物を80℃で2時間撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、過剰のヘキサンに添加した。得られた固体をTHF(150g)に溶解させ、過剰のヘキサンに添加し、濾過後に80℃の真空オーブン中で15時間乾燥させて、26gの固体(GPC(THF)M
w=52,750、M
n=17,950、単離収率=46%)を得た。
【0139】
実施例4〔2M1P/NBTON/MA(35/15/50)ターポリマー〕
無水マレイン酸(MA、24.5g、250mmol)、2−メチル−1−ペンテン(2M1P、14.7g、175mmol)、NBTON(17g、75mmol)およびAIBN(4.1g、25mmol)を、エチルアセテート(33.3g)に溶解させ、適切なサイズの反応容器に仕込んだ。この溶液を窒素で30分間スパージして酸素を除去し、次いで、撹拌しながら80℃に加熱した。この混合物を80℃で40分間撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、THF(50mL)で希釈し、過剰のヘキサンに添加した。得られた固体をTHF(150g)に溶解させ、過剰のヘキサンに添加し、濾過後に70℃の真空オーブン中で15時間乾燥させて、36gの固体(GPC(THF)M
w=24,400、M
n=7,650、単離収率=64%)を得た。
【0140】
実施例5〔V−TMS/MA(50/50)コポリマー〕
無水マレイン酸(MA、9.81g、100mmol)、トリメチル(ビニル)シラン(V−TMS、10g、100mmol)およびAIBN(1.64g、10mmol)を、トルエン(9g)に溶解させ、適切なサイズの反応容器に仕込んだ。この溶液を窒素で30分間スパージして酸素を除去し、次いで、撹拌しながら65℃に加熱した。この混合物を65℃で15時間撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、THF(15g)で希釈し、過剰のヘキサンに添加した。得られた固体を60℃の真空オーブン中で15時間乾燥させて、14gの固体(GPC(THF)M
w=4,100、M
n=2,500、単離収率=71%)を得た。THF溶液中のポリマーについて得られたFT−IRスペクトルは、1781cm
−1および1851cm
−1に環状無水物に対応するピークを示した。DMSO−d6中で測定されたポリマーの
1H−NMRスペクトルは、0.06ppmにトリメチルシリルのピークの存在を示し、V−TMSモノマーがポリマー中に組み込まれたことが示された。
【0141】
実施例6〔V−TMS/MA(50/50)コポリマー〕
無水マレイン酸(MA、24.5g、250mmol)、トリメチル(ビニル)シラン(V−TMS、25g、250mmol)およびAIBN(4.1g、25.0mmol)を、エチルアセテート(22.6g)に溶解させ、適切なサイズの反応容器に仕込んだ。この溶液を窒素で30分間スパージして酸素を除去し、次いで、撹拌しながら70℃に加熱した。この混合物を70℃で30時間撹拌した(GPC(THF)M
w=3,550、M
n=2,100)。この反応混合物を室温まで冷却し、THF(25mL)で希釈し、過剰のヘキサンに添加した。得られた固体を70〜80℃の真空オーブン中で15時間乾燥させて、44gの固体(単離収率=89%)を得た。
【0142】
実施例7〔V−TMS/DecNB/MA(25/25/50)ターポリマー〕
無水マレイン酸(MA、9.8g、100mmol)、トリメチル(ビニル)シラン(V−TMS、5g、100mmol)、DecNB(11.7g、50mmol)およびAIBN(1.64g、10mmol)を、トルエン(12g)に溶解させ、適切なサイズの反応容器に仕込んだ。この溶液を窒素で30分間スパージして酸素を除去し、次いで、撹拌しながら65℃に加熱した。この混合物を65℃で15時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、THF(10g)で希釈し、過剰のメタノールに添加した。得られた固体を60℃の真空オーブン中で15時間乾燥させて、9gの固体(GPC(THF)M
w=8,800、M
n=4,850、単離収率=34%)を得た。THF溶液中のポリマーについて得られたFT−IRスペクトルは、1781cm
−1および1855cm
−1に環状無水物に対応するピークを示した。DMSO−d6中で測定されたポリマーの
1H−NMRスペクトルは、0.06ppmにトリメチルシリルのピークの存在を示し、V−TMSモノマーがポリマー中に組み込まれたことが示された。
【0143】
実施例8〔V−TMS/NBTON/MA(25/25/50)ターポリマー〕
無水マレイン酸(MA、9.8g、100mmol)、トリメチル(ビニル)シラン(V−TMS、5g、100mmol)、NBTON(11.3g、50mmol)およびAIBN(1.64g、10mmol)を、トルエン(12.4g)に溶解させ、適切なサイズの反応容器に仕込んだ。この溶液を窒素で30分間スパージして酸素を除去し、次いで、撹拌しながら65℃に加熱した。この混合物を65℃で15時間撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、THF(10g)で希釈し、過剰のヘキサンに添加した。得られた固体を60℃の真空オーブン中で15時間乾燥させて、21gの固体(GPC(THF)M
w=8,800、M
n=4,850、単離収率=79%)を得た。THF溶液中のポリマーについて得られたFT−IRスペクトルは、1777cm
−1および1850cm
−1に環状無水物に対応するピークを示した。DMSO−d6中で測定されたポリマーの
1H−NMRスペクトルは、0.06ppmにトリメチルシリルのピークの存在を示し、V−TMSモノマーがポリマー中に組み込まれたことが示された。
【0144】
実施例9〔V−TMS/NBTON/MA(40/10/50)ターポリマー〕
無水マレイン酸(MA、24.5g、250mmol)、トリメチル(ビニル)シラン(V−TMS、20g、200mmol)、NBTON(11.3g、50mmol)およびAIBN(4.1g、25mmol)を、エチルアセテート(26g)に溶解させ、適切なサイズの反応容器に仕込んだ。この溶液を窒素で30分間スパージして酸素を除去し、次いで、撹拌しながら70℃に加熱した。この混合物を70℃で30時間撹拌した(GPC(THF)M
w=5,350、M
n=2,500)。この反応混合物を室温まで冷却し、THF(25mL)で希釈し、過剰のヘキサンに添加した。得られた固体を70〜80℃の真空オーブン中で15時間乾燥させて、52gの固体(単離収率=93%)を得た。
【0145】
実施例10〔DecNB/NBTON/BuDMMINB/MA(20/20/10/50)テトラポリマー〕
無水マレイン酸(MA、14.7g、150mmol)、DecNB(14g、60mmol)、NBTON(13.6g、60mmol)、BuDMMINB(8.19g、30mmol)およびAIBN(1.64g、10mmol)を、エチルアセテート(25.6g)に溶解させ、適切なサイズの反応容器に仕込んだ。この溶液を窒素で30分間スパージして酸素を除去し、次いで、撹拌しながら65℃に加熱した。この混合物を65℃で15時間撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、THF(10g)で希釈し、過剰のヘキサンに添加した。得られた固体を室温の真空オーブン中で15時間乾燥させて、25gの標記テトラポリマー(GPC(THF)M
w=11,050、M
n=6,000、単離収率=50%)を得た。THF溶液中のポリマーについて得られたFT−IRスペクトルは、1775cm
−1および1850cm
−1に環状無水物(MA)に対応するピークを示し、1705cm
−1にマレイミド(MI)のピークを示した。これは、
1H−NMRスペクトル中のそれぞれの特性ピークによりさらに確認されるように、MAおよびBuDMMINBのモノマーがDecNBおよびNBTONと共に組み込まれたことを示している。
【0146】
実施例11〔DecNB/NBTON/MGENB/MA(20/20/10/50)テトラポリマー〕
無水マレイン酸(MA、14.7g、150mmol)、DecNB(14g、60mmol)、NBTON(13.6g、60mmol)、MGENB(5.4g、30mmol)およびAIBN(1.64g、10mmol)を、エチルアセテート(24.1g)に溶解させ、適切なサイズの反応容器に仕込んだ。この溶液を窒素で30分間スパージして酸素を除去し、次いで、撹拌しながら65℃に加熱した。この混合物を65℃で15時間撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、THF(10g)で希釈し、過剰のヘキサンに添加した。得られた固体を室温の真空オーブン中で15時間乾燥させて、29gの固体(GPC(THF)M
w=10,650、M
n=5,650、単離収率=61%)を得た。THF溶液中のポリマーについて得られたFT−IRスペクトルは、1775cm
−1および1851cm
−1に環状無水物(MA)に対応するピークを示した。
【0147】
実施例12〔d−IBU/NBTON/MA(35/15/50)ターポリマー〕
無水マレイン酸(MA、24.7g、925mmol)、ジイソブチレン(d−IBU、19.6g、175mmol)、NBTON(17g、75mmol)およびAIBN(4.1g、25mmol)を、エチルアセテート(50g)に溶解させ、適切なサイズの反応容器に仕込んだ。この溶液を窒素で30分間スパージして酸素を除去し、次いで、撹拌しながら80℃に加熱した。この混合物を80℃で5.5時間撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、THF(50g)で希釈し、過剰のヘキサンに添加した。得られた固体を70℃の真空オーブン中で24時間乾燥させて、50gの固体(GPC(THF)M
w=9,850、M
n=3,600、単離収率=82%)を得た。THF溶液中のポリマーについて得られたFT−IRスペクトルは、1775cm
−1および1850cm
−1に環状無水物(MA)に対応するピークを示した。最終ポリマーのDMSO中での
13C−NMR分析から、d−IBU/NBTON/MAの組成は22/19/59であった。
【0148】
実施例13〔d−IBU/NBTON/MA(30/20/50)ターポリマー〕
無水マレイン酸(MA、29.4g、300mmol)、ジイソブチレン(d−IBU、20.2g、180mmol)、NBTON(27.1g、120mmol)およびAIBN(4.92g、30mmol)を、エチルアセテート(36.4g)に溶解させ、適切なサイズの反応容器に仕込んだ。この溶液を窒素で30分間スパージして酸素を除去し、次いで、撹拌しながら70℃に加熱した。この混合物を70℃で15時間撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、THF(30g)で希釈し、過剰のヘキサンに添加した。得られた固体を70℃の真空オーブン中で15時間乾燥させて、56gの固体(GPC(THF)M
w=9,900、M
n=3,300、単離収率=73%)を得た。THF溶液中のポリマーについて得られたFT−IRスペクトルは、1776cm
−1および1850cm
−1に環状無水物(MA)に対応するピークを示した。最終ポリマーのDMSO−d6中での
13C−NMR分析から、d−IBU/NBTON/MAの組成は18/26/56であった。
【0149】
実施例14〔d−IBU/NBTON/MA(40/10/50)ターポリマー〕
無水マレイン酸(MA、29.4g、300mmol)、ジイソブチレン(d−IBU、26.9g、240mmol)、NBTON(13.6g、60mmol)およびAIBN(3.28g、20mmol)を、エチルアセテート(32.7g)に溶解させ、適切なサイズの反応容器に仕込んだ。この溶液を窒素で30分間スパージして酸素を除去し、次いで、撹拌しながら85℃に加熱した。この混合物を85℃で15時間撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、THF(60g)で希釈し、過剰のヘキサンに添加した。得られた固体を70℃の真空オーブン中で15時間乾燥させて、43gの固体(GPC(THF)M
w=14,700、M
n=5,700、単離収率=62%)を得た。THF溶液中のポリマーに対して得られたFT−IRスペクトルは、1776cm
−1および1850cm
−1に環状無水物(MA)に対応するピークを示した。最終ポリマーのDMSO−d6中での
13C−NMR分析から、d−IBU/NBTON/MAの組成は27/14/58であった。
【0150】
実施例15〔2,3,3−トリメチル−1−ペンテン/NBTON/MA(30/20/50)ターポリマー〕
無水マレイン酸(MA、39.2g、400mmol)、2,3,3−トリメチル−1−ペンテン(26.7g、240mmol)、NBTON(36.2g、160mmol)およびAIBN(4.37g、26.7mmol)を、エチルアセテート(63.8g)に溶解させ、適切なサイズの反応容器に仕込んだ。この溶液を窒素で30分間スパージして酸素を除去し、次いで、撹拌しながら80〜85℃に加熱した。この混合物を80〜85℃で4時間撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、THF(50g)で希釈し、過剰のヘキサンに添加した。得られた固体を70℃の真空オーブン中で15時間乾燥させて、83gの固体(GPC(THF)M
w=12,550、M
n=4,750、単離収率=81%)を得た。THF溶液中のポリマーについて得られたFT−IRスペクトルは、1776cm
−1および1850cm
−1に環状無水物(MA)に対応するピークを示した。最終ポリマーのDMSO−d6中での
13C−NMR分析から、d−IBU/NBTON/MAの組成は26/19/55であった。
【0151】
実施例16〔2,3,3−トリメチル−1−ペンテン/NBTON/MA(35/15/50)ターポリマー〕
無水マレイン酸(MA、73.5g、750mmol)、2,3,3−トリメチル−1−ペンテン(58.8g、525mmol)、NBTON(50.9g、225mmol)およびAIBN(8.2g、50mmol)を、エチルアセテート(114g)に溶解させ、適切なサイズの反応容器に仕込んだ。この溶液を窒素で30分間スパージして酸素を除去し、次いで、撹拌しながら90℃に加熱した。この混合物を90℃で4時間撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、THF(100g)で希釈し、過剰のヘキサンに添加した。得られた固体を80℃の真空オーブン中で24時間乾燥させて、170gの固体(GPC(THF)M
w=12,500、M
n=4,850、単離収率=93%)を得た。THF溶液中のポリマーに対して得られたFT−IRスペクトルは、1778cm
−1および1849cm
−1に環状無水物(MA)に対応するピークを示した。最終ポリマーのDMSO−d6中での
13C−NMR分析から、d−IBU/NBTON/MAの組成は29/16/55であった。
【0152】
実施例17〔DecNB/MGENB/MA(40/10/50)ターポリマー〕
無水マレイン酸(MA、4.9g、50mmol)、DecNB(9.36g、40mmol)、MGENB(1.8g、10mmol)、AIBN(0.55g、3.33mmol)およびトルエン(8.1g)を、適切なサイズの反応容器に仕込んだ。この溶液を窒素で30分間スパージして酸素を除去し、次いで、撹拌しながら70℃に加熱した。この混合物を70℃で15〜20時間撹拌した(GPC(THF)M
w=13,600、M
n=7,000)。
【0153】
実施例18〔NBTON/MGENB/MA(40/10/50)ターポリマー〕
無水マレイン酸(MA、4.9g、50mmol)、DecNB(9.05g、40mmol)、NBTON(1.8g、10mmol)、AIBN(0.55g、3.33mmol)およびトルエン(7.9g)を、適切なサイズの反応容器に仕込んだ。この溶液を窒素で30分間スパージして酸素を除去し、次いで、撹拌しながら70℃に加熱した。この混合物を70℃で15〜20時間撹拌した。(GPC(THF)M
w=12140、M
n=4800)。
【0154】
実施例19〔PENB/MA(50/50)コポリマー〕
無水マレイン酸(MA、24.5g、250mmol)、PENB(49.5g、250mmol)およびAIBN(2.73g、16.7mmol)を、トルエン(46.6g)に溶解させ、適切なサイズの反応容器に仕込んだ。この溶液を窒素で30分間スパージして酸素を除去し、次いで、撹拌しながら80℃に加熱した。この混合物を80℃で15時間撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、THF(75g)で希釈し、そして反応混合物の半分(約100g)を過剰のヘキサンに添加した。得られた固体を70℃の真空オーブン中で24時間乾燥させて、33gの固体(GPC(THF)M
w=6,800、M
n=3,500、単離収率=89%)を得た。THF溶液中のポリマーについて得られたFT−IRスペクトルは、1776cm
−1および1855cm
−1に環状無水物(MA)に対応するピークを示した。
【0155】
<アルキルアミンによるMA開環の例>
以下の実施例20〜30は、n−オクチルアミンと、市販のスチレン無水マレイン酸コポリマーであるSMA2000(スチレン/MA、66/33、M
w=7,100、M
n=3,550)との反応により形成される、本発明に係る種々のROMIポリマーの調製例である。
【0156】
実施例20〜30
スチレン/MAコポリマー(SMA2000)をPGMEAに溶解させて20%(w/w)溶液を得た。次いで、この溶液の適切なアリコート(5〜10g)をガラスバイアルに添加し、表1にまとめられている対応する量のn−オクチルアミン(1−C
8H
17NH
2)を添加し、密閉し、表1に挙げられている所望の温度および時間で加熱した。溶液中に存在するスチレン/MAコポリマーの重量およびCray Valley社により報告された組成(スチレン/MA=66/33)に基づいて、溶液中の無水マレイン酸繰返し単位の量を計算した。HPLCを用いて生成混合物の相対極性を決定した。これらの溶液について、Siウエハ上にスピン塗布された薄いフィルムが2.38%(w/w)TMAHに溶解する速度を測定した。これらのアミン処理溶液の一部を過剰のヘキサンに添加し、得られた固体をヘキサンで洗浄した。上記アミン処理固体ポリマーを、真空オーブン中で、室温で2日間または40℃で15時間乾燥させた。次いで、このポリマー溶液サンプルを、DMSO−d6を溶媒として
1H−NMRおよび
13C−NMRにより分析した。FT−IRによってもサンプルの特性を分析した。
【0157】
上記ポリマー溶液のサンプルを過剰のn−ヘプタンに添加して沈殿させてから固体を60℃の真空オーブン中で24時間乾燥させることにより得られた単離ポリマーサンプルを用いて、FT−IRおよび
13C−NMR分析を行った。FT−IRスペクトルは、式(IIIA)(3100〜3400cm
−1、1730cm
−1、および1600cm
−1)、式(IIIB)(1700cm
−1)、および式(IIIC)(1774cm
−1および1853cm
−1)で示される繰返し単位の存在を示した。ポリマーの
13C−NMRスペクトルを用い、1−C
8H
17NH
2に由来する生成物の−CH
3基を表す13〜15ppmのピークに基づいて、式(IIIA)および(IIIB)で示される繰返し単位のモル比を決定し、これに基づいて式(IIIC)で示される繰返し単位のパーセンテージを推定した。
13C−NMRにより計算された、ポリマー中の式(IIIA)、(IIIB)および(IIIC)で示される繰返し単位のモル比は、表1にまとめられている。
【0158】
【表1】
【0159】
以下の実施例31〜34および実施例35〜37は、それぞれ、n−ブチルアミンおよび他のアミンと、市販のスチレン無水マレイン酸コポリマーであるSMA2000(スチレン/MA、66/33、M
w=7,100、M
n=3,550)との反応により形成される、本発明に係る種々のROMIポリマーの調製例である。
【0160】
実施例31〜33
適切なガラス容器中でスチレン/MAコポリマー(SMA2000)をPGMEAに溶解させて30%(w/w)溶液を得、表2にまとめられている所望の量の1−C
4H
9NH
2を添加した。次いで、ガラス容器を密閉し、表2にまとめられている適切な温度および時間で加熱してアミノ化反応を行った。溶液中に存在するスチレン/MAコポリマーの重量およびCray Valley社により報告された組成(スチレン/MA=66/33)に基づいて、ポリマー中の無水マレイン酸繰返し単位の量を計算した。得られたポリマー生成物の分子量をGPCにより決定した。これらの溶液について、Siウエハ上にスピン塗布された薄いフィルムが2.38%(w/w)TMAHに溶解する速度を測定した。これらのアミン処理溶液の小量を過剰のヘキサンに添加し、得られた固体をヘキサンで洗浄した。上記アミン処理固体ポリマーを、真空オーブン中で、室温で2日間または40〜60℃で15時間乾燥させた。DMSO−d6に溶解させたこれらのポリマーの
1H−NMRおよび
13C−NMRを測定した。また、KBrペレットでもポリマーのFT−IRを測定した。また、実施例20〜30に記載したように、
13C−NMRにより、式(IIIA)、(IIIB)、および(IIIC)で示される繰返し単位のモル比を計算し、実施例31および33で得られたポリマーについて表2にまとめる。実施例32では、かかる測定を行うことができなかった。
【0161】
【表2】
【0162】
実施例34
スチレン/MAコポリマー(SMA2000)をPGMEAに溶解させて25%(w/w)溶液を得、この溶液の240gを機械的撹拌および加熱の機能を備えた適切なサイズの反応器に移した。ポリマー溶液を窒素で3回フラッシュし、窒素雰囲気(10psig)中で50℃に加熱した。n−ブチルアミン(14.8g、0.2mol)をPGMEA(14.8g)と混合してガラスシリンジに移し、シリンジポンプを用いて0.7mL/分の速度で上記ポリマー溶液に、撹拌しながらかつ温度を50℃に維持しながら添加した。ポリマー溶液へのアミン溶液の添加が終了したら、反応混合物の温度を100℃に上昇させ、撹拌しながらその温度を8時間維持し、次いで環境温度まで冷却した。このアミン処理ポリマーは、GPC(M
w=7,700、M
n=3,850、PDI=1.99)、粘度(248cps)、酸価(102mgKOH/g)、および残留含水率(3430ppm)により特徴付けられた。
【0163】
上記ポリマー溶液のサンプルを過剰のn−ヘプタンに添加して沈殿させてから固体を60℃の真空オーブン中で24時間乾燥させた後、実施例34のポリマーサンプルについてFT−IRおよび
13C−NMRの分析を行った。FT−IRスペクトルは、式(IIIA)(3100〜3400cm
−1、1730cm
−1および1600cm
−1)、式(IIIB)(1700cm
−1)、および式(IIIC)(1774cm
−1および1853cm
−1)で示される繰返し単位の存在を示した。ポリマーの
13C−NMRスペクトルを用い、1−C
4H
9NH
2に由来する生成物の−CH
3基を表す13〜15ppmのピークに基づいて式(IIIA)および(IIIB)で示される繰返し単位のモル比を決定し、これに基づいて、式(IIIC)で示される繰返し単位のパーセンテージを推定した。
13C−NMRにより計算されたポリマーの組成は、スチレン/IIIA/IIIB/IIIC=68/26/6/0であった。同一の反応を2回行って、65/26/8/1および74/17/9/0の組成を得た。
【0164】
実施例35〜37
適切なガラス容器中でスチレン/MAコポリマー(SMA2000)をPGMEAに溶解させて、25%(w/w)溶液を得た。表3にまとめられている所望の量の1−C
4H
9NH
2、1−C
6H
13NH
2または1−C
8H
17NH
2を添加し、次いでガラス容器を密閉して70℃で3時間加熱した。溶液中に存在するスチレン/MAコポリマーの重量およびCray Valley社により報告された組成(スチレン/MA=66/33)に基づいて、溶液中の無水マレイン酸繰返し単位の量を計算した。これらの溶液について、Siウエハ上にスピン塗布された薄いフィルムが2.38%(w/w)TMAHに溶解する速度を測定した。
【0165】
【表3】
【0166】
実施例20〜37および表1〜3にまとめられている結果から、アミン処理SMA2000の溶解速度が、アミン投入量、反応温度、反応時間のほか、アミンのアルキル鎖長によっても異なることは明らかである。RNH
2/MA比を0.5から1に増加させると(実施例20〜22と実施例23〜26との対比)、DRが増加する。反応温度を上昇させると、特に90℃超においてDRが減少し(実施例28〜30)、反応時間を長くしてもDRが減少する(実施例28と実施例30との対比)。また、実施例35〜37は、高級アルキルアミンがDRを減少させることを示している。
【0167】
以上の実施例でアミンと反応させたポリマーサンプルのいくつかをHPLCによっても分析し、SMA2000のHPLCと比較した。サンプルはすべて、PGMEAに溶解させた。実施例26、28、および29のポリマーサンプルについて得られたHPLCから、反応温度を実施例26(60℃)から実施例28(130℃)および29(160℃)に変化させると保持時間が増加することが判明した。このことは、反応温度を上昇させると反応生成物の疎水性が増加することと一致する。SMA2000の保持時間が最も短く、実施例29のポリマーサンプルの保持時間が最も長かった。
【0168】
実施例20〜37のポリマーサンプルのいくつかをFT−IRスペクトルによっても分析した。具体的には、23〜160℃の範囲内の種々の温度で得られた実施例20〜37のポリマー生成物のFT−IRスペクトルは、種の混合物が存在することを示唆する。一般に、無水マレイン酸のカルボニルの吸収に起因するピーク(1774cm
−1および1853cm
−1)の減少は、式(IIIC)で示される繰返し単位の減少を示す。これらのデータは、アミンの添加により、アミド酸(式(IIIA)で示される繰返し単位)およびそのアミン塩(式(IIIE)で示される繰返し単位)が形成されることを示している(1730cm
−1および1600cm
−1のブロードバンド)。温度を上昇させると(>約130〜160℃)、これらの種は、主に、式(IIIB)で示される繰返し単位、すなわちMI単位に変換される。このことは、1700cm
−1の鋭いバンドにより実証される。この変化は、160℃の反応温度において、3100〜3400cm
−1の領域の−COOHの−OHバンドおよび−CONH−の−NH−バンドの強度の低下を伴う。このことは、反応温度を上昇させるとFT−IR分析において約1700cm
−1のマレイミド(MI)のピークが増加するという事実によりさらに明らかにされる。このことから、より親水性の高いカルボン酸官能基を含有するアミド酸構造が閉環して、より親水性の低いマレイミド構造が形成されることが示唆される。実施例20〜37のいくつかでは、FT−IRスペクトルを用いて、式(IIIB)で示される繰返し単位の相対濃度の推定も行った。1700cm
−1のマレイミド(MI)のピーク高さおよび約3028cm
−1(芳香族C−H)のピーク高さを測定した。マレイミド(1700cm
−1)のピーク高さと3028cm
−1のピーク高さとの比は、これらのポリマーの実施例において式(IIIB)で示される繰返し単位の相対的形成の指標となる。反応温度および反応時間を増加させるとポリマー中の式(IIIB)で示される繰返し単位の量も増加することは、表4に示されたデータから明らかである。
【0169】
【表4】
【0170】
実施例38〔SMAとn−ブチルアミンとの生成物のFT−IRの検討〕
実施例32から得られたポリマー溶液を用いて、Siウエハ上にフィルムをスピン塗布し、100℃で3分間ソフトベークした。ウエハを4つのピースに切断し、3つのピースをオーブン中、窒素雰囲気下で、それぞれ(b)130℃/30分、(c)150℃/30分、(d)180℃/30分の条件でベークした。1つのピース(サンプル(a)という。)はベークなしで対照として使用した。4つすべての塗膜のFT−IRスペクトルを測定し、
図1に示す。
図1に示されるFT−IRスペクトルから明らかなように、生成混合物の組成はベーク温度と共に変化し、水を失うことで主にマレイミド(MI、1700cm
−1)が形成される。しかし、150℃/30分および180℃/30分のベーク条件では、おそらく1−C
4H
9NH
2を失うことにより、無水マレイン酸(MA、約1775cm
−1および1850cm
−1)も形成された(
図1参照)。
【0171】
実施例39〔SMA2000/n−オクチルアミン生成物の
13C−NMRによる特性分析〕
実施例20〜30でアミンと反応させたポリマーサンプルを、
13C−NMR分光法によりさらに分析した。この分析から、無水マレイン酸繰返し単位のカルボニル炭素(C=O)の構造が顕著に変化することが明らかになった。出発材料(スチレン/MA、SMA2000)は、ポリマー中の無水マレイン酸部分に対応して、170〜174ppmの領域にブロードピークを有する。23℃および60℃でそれぞれアミノ化を行った実施例22および23では、このシグナルに目立った変化はみられなかった(171〜176ppm)。アミノ化反応を90℃で行った実施例24では、176〜180ppmに追加のカルボニルピークが現れる。このピークの強度は、アミノ化反応を130℃で行った実施例27およびアミノ化反応を160℃で行った実施例29では増加し、これに伴い171〜176ppmで観測されたピークの強度は減少した。このことは、式(IIIA)および(IIIE)で示される繰返し単位(アミド酸およびアミド酸アルキルアミン塩)がマレイミド繰返し単位(IIIB)に変換されて、式(IIIB)で示されるマレイミド繰返し単位が形成されることを示している。
【0172】
HPLC、FT−IR、および
13C−NMRのデータは、反応温度が90℃を超えて上昇すると水性塩基現像液への溶解速度が減少することにより裏付けられる。そのような化学変換に関する一般的な理解と合わせて、HPLC、FT−IR、
13C−NMRおよびDRの証拠を全体的に見ると、アミン処理無水マレイン酸含有ポリマーは、上述したスキーム1に示される繰返し単位の混合物を含むと考えられる。
【0173】
実施例40〜43〔SMA3000のアミン処理〕
スチレン/MAコポリマー(SMA3000)を適切なガラス容器中でPGMEAまたはNMPに溶解させて25〜35%(w/w)の溶液を得、表5にまとめられている適切な量の1−C
8H
17NH
2または1−C
4H
9NH
2を添加し、次いで容器を密閉し、表5にまとめられている温度および時間で加熱した。溶液中に存在するスチレン/MAコポリマーの重量およびCray Valley社により報告された組成(スチレン/MA=75/25)に基づいて、ポリマーサンプル中の無水マレイン酸繰返し単位の量を計算した。GPCにより分子量を決定した。これらの溶液について、Siウエハ上にスピン塗布された薄いフィルムが2.38%(w/w)TMAHに溶解する速度を測定した。これらのアミン処理溶液の小量を過剰のヘキサンに添加し、得られた固体をヘキサンで洗浄した。上記アミン処理固体ポリマーを、真空オーブン中で、室温で2日間または40℃で15時間乾燥させた。DMSO−d6に溶解させたこれらのポリマーの
1H−NMRおよび
13C−NMRを測定した。また、THF溶液中でポリマーのFT−IRを測定した。
【0174】
【表5】
【0175】
実施例44〜47〔SMA3024のアミン処理〕
スチレン/MAコポリマー(SMA3024)を適切なガラス容器中でPGMEAまたはGBLに溶解させて20〜35%(w/w)溶液を得、表6にまとめられている適切な量の1−C
8H
17NH
2または1−C
4H
9NH
2を添加し、次いで容器を密閉し、表6にまとめられている温度および時間で加熱した。
【0176】
【表6】
【0177】
溶液中に存在するスチレン/MAコポリマーの重量およびCray Valley社により報告された組成(スチレン/MA=75/25)に基づいて、ポリマーサンプル中の無水マレイン酸繰返し単位の量を計算した。GPCを用いて分子量を決定した。これらの溶液について、Siウエハ上にスピン塗布された薄いフィルムが2.38%(w/w)TMAHに溶解する速度を測定した。これらのアミン処理溶液の小量を過剰のヘキサンに添加し、得られた固体をヘキサンで洗浄した。上記アミン処理固体ポリマーを、室温または50℃で15時間真空オーブン中で乾燥させた。DMSO−d6に溶解させたこれらのポリマーの
1H−NMRおよび
13C−NMRを測定した。また、THF溶液中でポリマーのFT−IRを測定した。
【0178】
実施例48
スチレン/MAコポリマー(SMA3024)をTHFに溶解させて31%(w/w)溶液を得、この溶液の200gを機械的撹拌および加熱の機能を備えた適切なサイズの反応器に移した。ポリマー溶液を窒素ストリームで3回フラッシュし、窒素雰囲気(10psig)中で50℃に加熱した。n−ブチルアミン(12.4g、0.17mol)THF(12.4g)と混合してガラスシリンジに移し、反応器を50℃に維持しかつ撹拌しながら、シリンジポンプを用いて上記混合物を0.5mL/分の速度で上記ポリマー溶液に添加した。アミン溶液の添加が終了したら、反応混合物の温度を65℃に上昇させ、撹拌しながらその温度を5時間維持し、次いで環境温度まで冷却した。撹拌しながら反応混合物を2Lのヘキサンに添加して、固体ポリマーを沈殿させた。液体層をデカントし、追加の1Lのヘキサン中で上記固体ポリマーを撹拌した。このポリマーを濾過し、60℃の真空オーブン中で24時間乾燥させて、63gの乾燥粉末を得た(単離収率91%)。上記アミン処理ポリマー溶液は、GPC(M
w=23,500、M
n=12,000、PDI=1.96)、粘度(781cps)、酸価(140mgKOH/g)、および残留含水率(2124ppm)により特徴付けられた。
【0179】
また、実施例20〜30において記載したように、ポリマーサンプルをFT−IRおよび
13C−NMRによっても分析した。FT−IRにより、式(IIIA)、(IIIB)および(IIIC)で示される繰返し単位の存在が示された。また、実施例20〜30において記載したように、ポリマー中のモノマー繰返し単位のモル比を
13C−NMRにより計算したところ、スチレン/(IIIA)/(IIIB)/(IIIC)=72/28/0/0であった。さらに2つのポリマーサンプルを、実質的に実施例48に記載の手順に従って調製した。
13C−NMRにより計算されたこれらの2つのポリマー中のモノマー繰返し単位のモル比(スチレン/(IIIA)/(IIIB)/(IIIC))は、それぞれ、73/26/0/1および81/18/0/1であった。
【0180】
実施例49〜77〔種々のポリマーのアミン処理〕
実施例1のNB/MAポリマーをNMPに溶解させて25%(w/w)溶液を得た。実施例2の2M1P/MAポリマーをPGMEAに溶解させて25%(w/w)溶液を得た。実施例3の2M1P/DecNB/MAポリマーをPGMEAに溶解させて25%溶液を得た。実施例4の2M1P/NBTON/MAポリマーをPGMEAに溶解させて25%溶液を得た。実施例6のV−TMS/MAポリマー、実施例7のV−TMS/DecNB/MAポリマー、および実施例9のV−TMS/NBTON/MAポリマーをPGMEAに溶解させて25%(w/w)溶液を得た。実施例10のDecNB/NBTON/BuDMMINB/MAポリマーをPGMEAおよびNMP(9:1)に溶解させて24%(w/w)溶液を得た。実施例11のDecNB/NBTON/MGENB/MAポリマーをPGMEAおよびNMP(9:1)に溶解させて24%(w/w)溶液を得た。これらのポリマー溶液を、表7にまとめられている量および条件に従って、1−C
8H
17NH
2で処理した。
【0181】
【表7】
【0182】
溶液中に存在するポリマーの重量およびこれらのポリマーの合成に使用された供給比に基づいて、ポリマーサンプル中の無水マレイン酸繰返し単位の量を計算した。いくつかの実施例では、溶解性を向上させるためにアミン処理時に少量のNMPを添加した。
【0183】
実施例78〜101〔d−IBUまたは2,3,3−トリメチル−1−ペンテン(TP)/NBTON/MAポリマーのアミン処理〕
実施例12〜14のd−IBU/NBTON/MAポリマーをPGMEAに溶解させて30%(w/w)溶液を得た(実施例78〜90)。実施例15〜16のTP/NBTON/MAポリマーをGBLに溶解させて30%(w/w)溶液を得た(実施例91〜101)。
【0184】
【表8】
【0185】
これらのポリマー溶液を、表8にまとめられている量および条件に従って、1−C
8H
17NH
2で処理した。溶液中に存在するポリマーの重量およびこれらのポリマーの合成に使用された供給比に基づいて、ポリマーサンプル中の無水マレイン酸繰返し単位の量を計算した。選択されたポリマーの小量のサンプルを過剰のヘキサン中で沈殿させ、40〜60℃の真空オーブン中で15〜24時間乾燥させて、FT−IRおよび
13C−NMRによる特性分析に供した。FT−IRおよび
13C−NMRの分析から、式(IIIA)、(IIIB)および(IIIC)で示される繰返し単位は、本明細書に記載されているように、採用する条件によって様々な比で形成されることが明確に示された。すなわち、表8にまとめられているように、反応温度および反応時間は、特に、ポリマーのDRに明確な影響を及ぼす式(IIIB)で示される繰返し単位の形成に顕著な影響を及ぼすことが示された。
【0186】
実施例102〔d−IBU/NBTON/MAとn−オクチルアミンとの生成物のFT−IRの検討〕
実施例97から得られたポリマー溶液を用いてSiウエハ上にフィルムをスピン塗布し、露光後ベークした。ウエハを2つのピースに切断し、(a)一方のピースはベークなしでFT−IRの検討などにおける対照として使用し、(b)他方のピースをオーブン中、窒素雰囲気下、200℃/30分でベークした。塗膜のFT−IRスペクトルを測定し、
図2に示す。生成混合物の組成が熱処理時に変化したことは、マレイミド繰返し単位(MI、1700cm
−1)および無水マレイン酸繰返し単位(MA、約1775cm
−1および1850cm
−1)の形成を実証するものである。
【0187】
実施例103〜107〔Isobam−600のアミン処理〕
Isobam−600の6つの異なるバッチをNMPに溶解させて20〜30%(w/w)溶液を作製した。これらの溶液に、表9にまとめられている所定量の1−C
7H
15NH
2を添加して、23℃で15時間撹拌した。溶液中に存在するポリマーの重量および株式会社クラレにより報告されたIsobam−600の組成(IBU/MA=50/50)に基づいて、ポリマーサンプル中の無水マレイン酸繰返し単位の量を計算した。これらの溶液について、Siウエハ上にフィルムをスピン塗布し、2.38%TMAHへの溶解速度を決定した。比較のため、比較例と表記された例もまた表9に示されている。この比較例は、アミンをポリマーに添加しないと、得られる溶液のDRはゼロであり、画像形成に適切でないことを明確に示している。
【0188】
【表9】
【0189】
実施例108〜116〔アルキルアミンによるNB/MAコポリマーのアミン処理〕
実施例1および実施例1A〜1Cに記載のNB/MAの種々のコポリマーをこの実施例108で用いて、本発明に係る種々のアミン処理ポリマーを形成することができる。
【0190】
NB/MAコポリマー(5g)をMEKに溶解させて20重量%溶液を得、表10に対応する量のアミンを反応容器に添加し、室温で2〜3時間撹拌した。所定の反応時間の後、過剰のギ酸を添加し、水で3回洗浄した。これらのアミン処理溶液の一部を過剰のヘキサンに添加し、得られた固体をヘキサンで洗浄した。上記アミン処理固体ポリマーを室温の真空オーブン中で一晩乾燥させた。これらの溶液について、Siウエハ上にスピン塗布された薄いフィルムが2.38%(w/w)TMAHに溶解する速度を測定した。このようにして調製された種々のアミン処理ポリマーおよびそれらについて得られた分子量を表10にまとめる。
【0191】
【表10】
【0192】
実施例117〔ROMIポリマーのポリマー組成物/配合物(以下「FP」という。)〕
以下のプロトコルの1つを用いて、実施例20〜116から選択したROMIポリマーを本発明に係る種々のポリマー組成物/配合物に配合した。
(A)ポリマーをPGMEAに溶解させて25〜35重量%溶液を形成し、そのまま使用した。この組成物は他の添加剤を含有しない。
(B)ポリマーをNMPに溶解させて25〜35重量%溶液を形成し、そのまま使用した。この組成物は他の添加剤を含有しない。
(C)ポリマーをGBLに溶解させて25〜35重量%溶液を形成し、そのまま使用した。この組成物は他の添加剤を含有しない。
(D)ポリマーをPGMEAまたはNMPに溶解させて25〜35重量%溶液を形成し、TrisP 3M6C−2−201(ポリマーの20重量%、すなわち、20部/100部ポリマー、20pphr)を添加した。
(E)ポリマーをPGMEAに溶解させて25〜35重量%溶液を形成し、TrisP 3M6C−2−201(ポリマーの25重量%、すなわちポリマー100部に対して25部、25pphr)を添加した。
(F)ポリマーをNMPに溶解させて25〜35重量%の溶液を形成し、TrisP 3M6C−2−201(ポリマーの25重量%、すなわちポリマー100部に対して25部、25pphr)を添加した。
(G)ポリマーをPGMEAに溶解させて25〜35重量%溶液を形成し、TrisP 3M6C−2−201(ポリマーの27.5重量%、すなわちポリマー100部に対して27.5部、27.5pphr)を添加した。
(H)ポリマーをPGMEAに溶解させて25〜35重量%溶液を形成し、TrisP 3M6C−2−201(ポリマーの30重量%、すなわちポリマー100部に対して30部、30pphr)を添加した。
(I)ポリマーをNMPに溶解させて25〜35重量%溶液を形成し、TrisP 3M6C−2−201(ポリマーの30重量%、すなわちポリマー100部に対して30部、30pphr)を添加した。
(J)ポリマーをPGMEAに溶解させて25〜35重量%溶液を形成し、TrisP 3M6C−2−201(ポリマーの25重量%、すなわちポリマー100部に対して25部、25pphr)およびSi−75(ポリマーの3重量%、すなわちポリマー100部に対して3部、3pphr)を添加した。
(K)ポリマーをGBLに溶解させて25〜35重量%溶液を形成し、TrisP 3M6C−2−201(ポリマーの25重量%、すなわちポリマー100部に対して25部、25pphr)およびSi−75(ポリマーの3重量%、すなわちポリマー100部に対して3部、3pphr)を添加した。
さらに、種々の量の架橋剤(TMPTGE、PEGDGE、PPGDGE、EPON−862、Heloxy−65、Heloxy−84、またはGE−36、およびBY16−115)を配合物に添加した。
【0193】
実施例118〔スピン塗布手順〕
実施例108に示されるプロトコルの1つに従って作製されたポリマー組成物を、以下のスピン塗布プロトコル(以下「SP」という。)の1つを用いて適切な基材上にスピン塗布した。
(A)実施例117の配合物を、シリコンウエハなどの適切な基材上に、200〜700rpmで30〜40秒間スピン塗布した。
(B)実施例117の配合物を、シリコンウエハなどの適切な基材上に、最初に500rpmで10秒間、次いで600〜2200rpmで30秒間スピン塗布した。
【0194】
実施例119〔塗布後ベーク(PAB)プロトコル〕
実施例118のスピン塗布サンプルを、以下の手順のいずれか1つを用いて、塗布後ベークした(以下「PAB」という。)。
(A)90℃で5分、(B)100℃で3分、(C)100℃で5分、(D)110℃で3分、(E)110℃で5分、(F)115℃で3分、(G)115℃で5分、(H)120℃で3分、(I)120℃で5分、(I)130℃で3分、(J)105℃で3分。
【0195】
実施例120〔硬化プロトコル〕
実施例109の1つに示される手順で形成されたスピン塗布フィルムサンプルを、所要により、空気中ホットプレート上または窒素雰囲気のオーブン中でベークして、残留溶媒をフィルムから除去し、または熱硬化フィルムを得、またはフィルムに熱応力を付与した。以下の硬化プロトコルのいずれか1つを使用した。
(A)130℃で30分、(B)150℃で30分、(C)150℃で60分、(D)180℃で30分、(E)180℃で60分、(F)180℃で120分、(G)200℃で30分、(H)200℃で60分、(I)200℃で120分、(J)220℃で60分。
【0196】
実施例121〔水性塩基現像〕
実施例109で得られたスピン塗布基材を、適切な化学線で、パターン化マスクを用いてまたはマスクを用いずに画像露光した後、次のように現像した。露光したスピン塗布基材を種々の時間にわたり現像液(2.38重量%TMAH)に浸漬した(浸漬現像)。ポジ型(PT)現像用に配合されたフィルムについて、このフィルムの未露光領域の現像前および現像後のフィルム厚さを測定することにより、未露光領域フィルム厚さ損失または暗領域損失(DFL)を決定し、未露光領領域におけるフィルム厚さの損失パーセントとして記載した。
【0197】
実施例122〔光現像の検討〕
実施例117に示す手順の1つにより、実施例20〜実施例116から選択したポリマーをポリマー組成物に配合した。そのようにして調製された配合物を、実施例118に示す手順の1つにより4インチ熱酸化シリコンウエハ上にスピン塗布し、実施例119に示す手順の1つにより塗布後ベーク(PAB)して約10ミクロンのポリマーフィルムを得た。マスクを介して露光した後、実施例121に示す手順により2.38重量%TMAH現像液を用いてウエハを現像した。露光線量(EXD)は、サンプルの露光(365nm、バンドパスフィルター使用)に用いた広帯域Hg蒸気光源のエネルギーおよび露光時間の両方を反映したものであり、mJ/cm
2単位で記載される。一般に、サンプルはすべて良好なフィルム特性を呈した。
【0198】
実施例123〔光現像の検討〕
この実施例123では、実施例48のポリマーを用いる他は、実質的に実施例122を繰り返した。実施例48のポリマー(50.3g)をGBL(97.3g)に溶解させ、さらに27.5重量%のTrisP、3重量%のSi−75、5重量%のAO−80酸化防止剤および5重量%のNauguard−445と混合した。次いで、この混合物に、表11に示す種々の量の架橋剤を添加した。そこに列挙されている数は、pphr、すなわち樹脂(すなわち実施例48のポリマー)100部に対する添加部数である。実施例118(B)に示す手順により、すべてのサンプルを4インチ熱酸化シリコンウエハ上にスピン塗布した。次いで、実施例121に示す手順により、サンプルを適切な露光線量(EXD)で露光し、2.38重量%TMAHで現像した。次いで、上記サンプルのフィルム厚さ(FT)、%暗領域損失(DFL)および画像解像度を分析した。光現像の結果を表11にまとめる。
【0199】
【表11】
【0200】
実施例124〔熱硬化後のパターン保持〕
実施例122で得たシリコンウエハ上の所定の画像化フィルムを選択し、実施例120に記載の1つ以上の硬化プロトコルに付した。顕微鏡を用いて撮影されたトップダウン強調写真またはフィーチャーの断面のSEM画像に基づいて、硬化前および硬化後における画像品質またはパターン完全性の良し悪しを評価した。
図3は、そのような実験の断面SEMプロファイルを示している。実施例31により形成されたポリマーを、実施例117の配合プロトコル(FP、J)に従い、架橋剤として35重量%TMPTGEを用いて配合した。実施例109に従って熱酸化シリコンウエハ上にフィルム(FT=10.11μm)をスピン塗布し(SP、B)、実施例119に従って115℃で3分間塗布後ベークした(PABプロトコル、F)。500mJ/cm
2でマスクを介して露光した後、実施例121に示す手順により2.38重量%TMAH現像液(90秒)を用いてウエハを現像してパターンを得た。現像後の暗領域損失(DFL)は8%であった。現像されたトレンチおよびコンタクトホールの断面SEM写真を撮影し、現像されたウエハを実施例120に示される硬化プロトコル「H」に付し、そして断面SEM写真を撮影した。
図3からわかるように、14.81μmのトレンチ幅を達成することができる。このフィーチャーは、硬化後において上記寸法のわずか約0.2%を失ったにすぎず、一方、トレンチ幅10.14μmのフィーチャーはこの寸法のわずか4%を失ったにすぎないことから、パターン完全性の良好な保持性が示唆される。
【0201】
実施例125〔透明度測定(%T)〕
実施例117に示す手順の1つ(FP、A)を用いて、実施例20〜実施例116から選択したポリマーをポリマー組成物に配合した。そのようにして製造された配合物を、実施例118に示す手順の1つ(SP、AまたはB)により4インチガラス基材上にスピン塗布し、実施例119に示す手順の1つ(PAB、I)により塗布後ベーク(PAB)して約3ミクロンのポリマーフィルムを得、次いで、広帯域Hg蒸気光源を用いて1J/cm
2(365nm)で露光した(g、h、およびiバンド、365nmバンドパスフィルター使用、フラッド露光)。露光後、フィルムが塗布されたガラス基材を空気中ホットプレート上で実施例120に示される硬化プロトコル「J」に付し、Cary 100 UV−可視分光光度計を用いて、400nmの波長でフィルムの透明度(%T)を測定した。測定されたフィルム厚さおよび観測された硬化前または硬化後のフィルムの透明度を表12にまとめる。表12に報告されている透明度(%T)は、3μmのフィルム厚さに規格化されている。
【0202】
【表12】
【0203】
実施例126〜129〔誘電率測定〕
SMA3000(スチレン/MA、75/25)のポリマーサンプルおよび実施例15(d−IBU/NBTON/MA、30/20/50)のポリマーを、それぞれPGMEAに溶解させて、20重量%の各ポリマー溶液を得た。これらの溶液を、実施例20に記載のように1−C
4H
9NH
2また1−C
8H
17NH
2で処理し、得られた溶液にTrisP 3M6C−2−201(ポリマー重量基準で25重量%)およびTMPTGE(ポリマー重量基準で20重量%)を添加した。同様に、CVX50208(スチレン/ROMI、66/33)の溶液をPGMEAに溶解させて20重量%溶液を形成し、この溶液にTrisP 3M6C−2−201(ポリマー重量基準で25重量%)およびTMPTGE(ポリマー重量基準で20重量%)を添加した。次いで、配合物をアルミニウムプレート(厚さ200μm、100mm×100mm)上に300rpmで23秒間スピン塗布し、110℃で100秒間ソフトベークして約3ミクロンのポリマーフィルムを得、次いで広帯域Hg蒸気光源(g、h、およびiバンド)を有するマスクアライナーを用いて500mJ/cm
2の露光を行った。露光後、窒素雰囲気下220℃で60分間にわたりウエハを露光後ベークして硬化フィルムを得た。日本工業規格JIS−K6911に従って、フィルムの誘電率を測定した。大日本スクリーン製造株式会社製のラムダエースVM−1020を用いてフィルム厚さを測定した。誘電率の測定結果を表13にまとめる。
【0204】
【表13】
【0205】
実施例130〔TGA重量損失による熱分解測定〕
実施例117に示す手順(FP、A〜J)の1つにより、実施例20〜実施例116から選択したポリマーをポリマー組成物に配合した。その配合物を、実施例118に示す手順の1つ(SP、B)により4インチ熱酸化シリコンウエハ上にスピン塗布し、実施例119に示す手順の1つ(PABプロトコル、120℃で3分、H)により塗布後ベーク(PAB)して、ポリマーフィルムを得た。実施例120の硬化プロトコル(200℃で60分、Hの硬化プロトコル)に従って、ウエハをオーブン中窒素雰囲気下でベークした。フィルムをウエハから除去し、10℃/分の昇温速度で室温から約500℃まで動的TGAを行った。5重量%損失(T
d5)および50重量%損失(Td
50)に対応する熱分解温度を決定し、表14にまとめた。
【0206】
【表14】
【0207】
実施例131〔ガラス転移温度測定〕
実施例117に示す手順(FP、A〜J)の1つにより、実施例20〜実施例116から選択したポリマーをポリマー組成物に配合した。その配合物を、実施例118に示す手順の1つ(SP、B)により4インチ熱酸化シリコンウエハ上にスピン塗布し、実施例119に示す手順の1つ(PABプロトコル、120℃で3分、H)により塗布後ベーク(PAB)して、ポリマーフィルムを得た。実施例120の硬化プロトコル(200℃で60分、Hの硬化プロトコル)に従って、ウエハをオーブン中窒素雰囲気下でベークした。フィルムをウエハから除去し、TMA、DSCおよびDMAによりガラス転移温度を測定した。T
gの測定結果を表15にまとめる。
【0208】
実施例132〔熱膨張係数(CTE)測定〕
実施例117に示す手順(FP、A〜J)の1つにより、実施例20〜実施例116から選択したポリマーをポリマー組成物に配合した。その配合物を、実施例118に示す手順の1つ(SP、B)により4インチ熱酸化シリコンウエハ上にスピン塗布し、実施例119に示す手順の1つ(PABプロトコル、120℃で3分、H)により塗布後ベーク(PAB)して、ポリマーフィルムを得た。実施例120の硬化プロトコル(200℃で60分、Hの硬化プロトコル)に従って、ウエハをオーブン中窒素雰囲気下でベークした。フィルムをウエハから除去し、TMAを用いて熱膨張係数(CTE)を測定した。CTEの測定結果を表15にまとめる。
【0209】
【表15】
【0210】
実施例133〔引張特性測定結果〕
実施例117に示す手順(FP、A〜J)の1つにより、実施例20〜実施例116から選択したポリマーをポリマー組成物に配合した。その配合物を、実施例118に示す手順の1つ(SP、B)により4インチ熱酸化シリコンウエハ上にスピン塗布し、実施例119に示す手順の1つ(PABプロトコル、120℃で3分、H)により塗布後ベーク(PAB)して、ポリマーフィルムを得た。実施例120の硬化プロトコル(200℃で60分、Hの硬化プロトコル)に従って、ウエハをオーブン中窒素雰囲気下でベークした。フィルムをウエハから除去し、Instronを用いて引張特性を測定した。引張特性の測定結果を表16にまとめる。
【0211】
【表16】
【0212】
実施例134〔破断伸び測定〕
実施例117に示す手順(FP、A〜J)の1つにより、実施例20〜実施例116から選択したポリマーをポリマー組成物に配合した。その配合物を、実施例118に示す手順の1つ(SP、B)により4インチ熱酸化シリコンウエハ上にスピン塗布し、実施例119に示す手順の1つ(PABプロトコル、120℃で3分、H)により塗布後ベーク(PAB)して、ポリマーフィルムを得た。実施例120の硬化プロトコル(200℃で60分、Gの硬化プロトコル)に従って、ウエハをオーブン中窒素雰囲気下でベークした。フィルムをウエハから除去し、Instronを用いて破断伸び(ETB)を測定した。ETB測定結果を表17にまとめる。
【0213】
実施例135〔ウエハ応力測定〕
実施例117に示す手順(FP、A〜J)の1つにより、実施例20〜実施例116から選択したポリマーをポリマー組成物に配合した。その配合物を、実施例118に示す手順の1つ(SP、B)により4インチ熱酸化シリコンウエハ上にスピン塗布し、実施例119に示す手順の1つ(PABプロトコル、120℃で3分、H)により塗布後ベーク(PAB)して、ポリマーフィルムを得た。実施例120の硬化プロトコル(硬化プロトコルA〜G)に従って、ウエハをオーブン中窒素雰囲気下でベークした。プロファイルメーターを用いてウエハ応力を測定した。ウエハ応力測定結果を表17にまとめる。
【0214】
【表17】
【0215】
実施例136〔表面粗さ測定〕
実施例117に示す手順(FP、A〜J)の1つにより、実施例20〜実施例116から選択したポリマーをポリマー組成物に配合した。その配合物を、実施例118に示す手順の1つ(SP、B)により4インチ熱酸化シリコンウエハ上にスピン塗布し、実施例119に示す手順の1つ(PABプロトコル、TMPTGEおよびheloxy−4を含有する実施例47のポリマーではG、他のものではH)により塗布後ベーク(PAB)して、ポリマーフィルムを得た。プロファイルメーターを用いてフィルムの表面粗さをR
a、R
qおよびR
tのパラメーターとして測定した。表面粗さ測定結果を表18にまとめる。
【0216】
【表18】
【0217】
実施例137〔熱サイクル評価〕
表19には、本発明の実施例に係るポリマー、配合物、光現像、硬化後におけるパターン完全性、熱サイクル(TCT)、表面粗さおよびウエハ応力の性質が挙げられている。
【0218】
【表19】
【0219】
実施例138〔フィルム膨潤試験〕
実施例117に記載の手順により、および以下の成分を用いて、実施例108〜116に記載の種々のポリマーを配合した。
MAK(240pphr)およびPGME(160pphr)中、PA−28(32.5pphr)、VG3101L(60pphr)、EHPE−3150(80pphr)、KBM−303(10pphr)、F557(0.7pphr)。
【0220】
上記で作製した配合物を用いて、ベアSi基材上にフィルム(厚さ3.0〜3.5μm)を塗布した。次いで、これらの塗膜を空気中230℃で60分間ベークした。光学フィルム厚さ計(大日本スクリーン製造株式会社製のラムダエースVM−1020)を用いて、上記ベークフィルムのフィルム厚さを測定した。上記ベークフィルムを、DMSO30重量%、モノエタノールアミン70重量%の混合溶媒に70℃で15分間浸漬した。このDMSO/MEA(30/70、wt/wt)混合溶媒への浸漬後、これらのフィルムのフィルム厚さ(FT)を測定した。これらの塗膜を230℃で15分間の「リカバーベーク」に付し、再びフィルム厚さ(FT)を測定した。これらの膨潤試験の結果を表20にまとめる。ベーク後、DMSO/MEAへの浸漬後、およびリカバーベーク後におけるフィルム厚さの増加%として計算されたフィルムの膨潤は、アミン処理ポリマーが、比較例3の1−BuOHで開環されたNB/MAのCOMAポリマーと比較して、最小限の膨潤(実施例4Aおよび5A2)、膨潤なし(実施例5A1)、または最小限のフィルム厚さ損失(実施例7A)を呈することを示している。このことから、本発明に係るポリマー、すなわちROMIポリマーは、一般に、ROMAポリマー(比較例3)との比較において、より優れた性質を呈することは明らかである。実施例108Aや実施例113Aなどのように文字付きで表記されたポリマーの実施例は、これらのポリマーが、本質的に各実施例の手順を用いて作製されたものであるが、異なるバッチに由来することを意味する。したがって、たとえば分子量などの特性はいくらか異なり得る。
【0221】
【表20】
【0222】
実施例139〔溶解の検討〕
膨潤性を測定するために実施例138で使用したのと類似の配合物を、この溶解挙動の検討にも使用した。ここでは異なる分子量を有する種々のROMIポリマーを使用した。配合物をSi基材上にスピン塗布した。それらが2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)に溶解する速度を目視で測定した。表21には、本検討に使用した種々のROMIポリマーが、それらの重量平均分子量(M
w)、溶解速度(DR)、さらにはDR測定時の観測結果(残渣発生が観測されたか否か)とともにまとめられている。これらのフィルムを2.38%TMAHで現像したときに残渣が発生しないことが望ましい。表21にまとめられているように、実施例111の配合物をスピン塗布して得られたフィルムは、現像時に残渣を発生しなかった。配合物に使用されたポリマーの実施例111および111Aによると、2.38%TMAHに対する所望の溶解性とともに、DMSO/MEAに対して望ましい膨潤特性が達成された。さらに、本発明に係るポリマーは、一般に、比較例3のROMAポリマーを用いて作製された配合物と比較して優れた性質を呈することが、表21に提示されるデータから明らかである。
【0223】
【表21】
【0224】
実施例140〔透明度測定(%T)〕
実施例108のポリマーをMAK(240pphr)およびPGME(160pphr)中でPA−28(32.5pphr)、TMPTGE(30pphr)、KBM−303(10pphr)、F−557(1pphr)と配合し、実施例111のポリマーをMAK(240pphr)およびPGME(160pphr)中でTrisP 3M6C−2−201(32.5pphr)、TMPTGE(30pphr)、KBM−303(10pphr)およびF−557(1pphr)と配合した。これらの配合物をガラスプレート上に300rpmで23秒間スピン塗布し、110℃で100秒間ソフトベークして約3ミクロンのポリマーフィルムを得、次いで、帯域Hg蒸気光源(g、h、およびiバンド)を有するマスクアライナーを用いて500mJ/cm
2で露光した。露光後、窒素雰囲気下230℃で60分間にわたりウエハを露光後ベークして硬化フィルムを得た。紫外可視分光器(日立製作所製U−2000)を用いて400nmの波長でフィルムの透明度を測定した。結果を表22にまとめる。
【0225】
実施例141〔誘電率(k)測定〕
実施例140の透明度測定において説明したポリマーの実施例108および111の配合物を、低抵抗の4インチSiベアウエハ上に300rpmで23秒間スピン塗布し、110℃で100秒間ソフトベークして約3ミクロンのポリマーフィルムを得、次いで広帯域Hg蒸気光源(g、h、およびiバンド)を有するマスクアライナーを用いて500mJ/cm
2で露光した。露光後、窒素雰囲気下230℃で60分間にわたりウエハを露光後ベークして硬化フィルムを得た。日本工業規格JIS−K6911に従って、フィルムの誘電率を測定した。大日本スクリーン製造株式会社製のラムダエースVM−1020を用いてフィルム厚さを測定した。結果を表22にまとめる。
【0226】
実施例142〔5%重量損失温度(T
d5)測定〕
実施例140の透明度測定において説明したポリマーの実施例108および111の配合物を、4インチ熱酸化シリコンウエハ上に300rpmで23秒間スピン塗布し、110℃で100秒間ソフトベークして約3ミクロンのポリマーフィルムを得、次いで広帯域Hg蒸気光源(g、h、およびiバンド)を有するマスクアライナーを用いて500mJ/cm
2で露光した。露光後、窒素雰囲気下220℃で60分間にわたりウエハを露光後ベークして硬化フィルムを得た。フィルムをウエハから除去し、フィルムの5%重量損失温度(T
d5)をTGDTAにより測定した。測定条件は窒素気流下10℃/分とした。
【0227】
配合フィルムに関し、実施例140の透明度データ、実施例141の誘電率、および実施例142の5%重量損失温度(T
d5)を表22にまとめる。
【0228】
【表22】
【0229】
実施例143
実施例26および27のポリマーを、TrisP−2(25重量%)、TMPTGE(35重量%)およびSi−75(3重量%)と配合した。これらの配合ポリマーを熱酸化シリコンウエハ上にスピン塗布し、それぞれ110℃で3分間ソフトベークした。これらのポリマー配合物の光現像能を、実質的に実施例122(光現像の検討)に記載の手順に従って試験した。これらの検討の結果を表23にまとめる。これらの配合フィルムの暗領域損失(DFL)から、式(IIIB)で示される繰返し単位のモル含有率が低いポリマー(すなわち実施例26のポリマー)(22%損失)を使用した場合、DFLは、式(IIIB)で示される繰返し単位のモル含有率が大きいポリマー(すなわち、DFL損失の低い(5%損失)実施例27のポリマー)よりも高いことが示される。
【0230】
【表23】
【0231】
以下の比較例1〜3は、上述した実施例1〜19のいずれかに記載された無水マレイン酸と他のオレフィンモノマーとのコポリマー(COMA)とアルコールとの反応による対応する開環無水マレイン酸コポリマー(ROMA)の比較特性を示すために提供される。
【0232】
比較例1〔1−C
4H
9OHによるPENB/MAのROMA変換〕
適切なサイズの反応容器にNaOH(5.5g、138mmol)、1−C
4H
9OH(52g、700mmol)およびTHF(40g)を仕込んだ。この混合物を60℃で約2時間撹拌した。次いで、実施例19で得られたポリマー溶液のアリコート(100g)を反応混合物に添加し、60〜70℃に維持した。60〜70℃で約20時間反応させた後、この混合物を室温まで冷却した。次いで、この反応混合物を水性濃塩酸(30g)でプロトン化し、30分間撹拌した。DI水(100mL)を添加し、10分間撹拌し、水性層を除去した。次いで、ポリマー溶液を7回洗浄し(各100mLで洗浄)、残留する塩および酸を除去した。各洗浄時には、適正量のTHF(約20g)を添加して相分離を促進した。有機相を分離し、ポリマーをヘキサン(約6倍過剰)中で沈殿させた。得られたスライムをTHF(100g)に再溶解させ、過剰のヘキサン中での沈殿を繰り返した。最後に、固体ポリマーを濾過により分離し、70℃の真空オーブン中で15時間乾燥させて29gの固体を得た。(GPC(THF)M
w=5,150、M
n=2,800、収率=63%)。KBrペレットで測定したFT−IRスペクトルにおいて、1776cm
−1および1855cm
−1の無水物カルボニル吸収ピークが消失し、かつ1732cm
−1のブロードピーク(エステルおよびカルボン酸の−C=O)および約3100cm
−1を中心とするブロードピーク(カルボン酸の−OH)が出現することから実証されるように、無水マレイン酸繰返し単位の開環が確認された。
【0233】
比較例2〔1−C
4H
9OHによるSMA1000のROMA変換〕
適切なサイズの反応容器にNaOH(11g、275mmol)、1−C
4H
9OH(102g、1200mmol)、トルエン(50g)およびTHF(50g)を仕込んだ。この混合物を60℃で約2時間撹拌した。この混合物に、THF(80g)に溶解させたSMA1000(50g)を添加し、反応混合物を60〜70℃に維持した。60〜70℃で約20時間反応させた後、この混合物を室温まで冷却した。次いで、この反応混合物を水性濃塩酸(57g)でプロトン化し、15分間撹拌した。DI水(200mL)を添加し、15分間撹拌し、水性層を除去した。次いで、ポリマー溶液を6回洗浄し(各200mLで洗浄)、残留する塩および酸を除去した。各洗浄時には、適正量のTHF(約25g)を添加して相分離を促進した。有機相(約400g)を分離し、ポリマーをヘキサン(約6倍過剰)中で沈殿させた。得られたスライムを60℃の真空オーブン中で15時間乾燥させて54gの固体を得た。(GPC(THF)M
w=4,800、M
n=3,050、収率=79%)。KBrペレットで測定したFT−IRスペクトルにおいて、1780cm
−1および1856cm
−1の無水物カルボニル吸収ピークが消失し、かつ1709cm
−1(エステルの−C=O)および1709cm
−1(カルボン酸の−C=O)のブロードピークならびに約3100cm
−1を中心とするブロードピーク(カルボン酸の−OH)が出現することから実証されるように、無水マレイン酸繰返し単位の開環が確認された。
【0234】
比較例3〔1−C
4H
9OHによるNB/MAコポリマーのROMA変換〕
無水マレイン酸(MA、98.1g、1mol)、ノルボルネン(NB、94.2g、1mol)、およびジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(9.2g、40mmol)をトルエン(37g)およびMEK(340g)に溶解させ、適切なサイズの反応槽に仕込んだ。この溶液を窒素で10分間スパージして酸素を除去し、次いで撹拌しながら70℃に加熱した。この混合物を70℃で16時間撹拌した。この反応混合物をMEK(250g)で希釈した。この反応混合物をNaOH(44.05g、1.1mol)とn−BuOH(370.91g、5mol)との懸濁液に添加し、65℃で3時間混合した。次いで、この混合物を40℃まで冷却し、プロトン化のために濃HClで処理し、次いで水で3回洗浄した。有機相を分離し、残留モノマーをヘキサンで抽出した。抽出後、反応混合物にn−BuOH(74.18g、1mol)を添加し、追加のエステル化のために120℃に加熱した。サンプルを取り出してポリマーの溶解速度をモニターし、所望の溶解速度が達成されたら反応混合物を冷却し、溶媒をPGMEAと交換した。651.4gの開環型追加エステル化ポリマーを、20重量%溶液として得た(GPC M
w=13,600)。
【0235】
比較例4
この比較例4では、無水マレイン酸のコポリマーがアミンで不適切に処理されると、本発明に係るポリマーおよびポリマー組成物が形成されないことを示すものである。
【0236】
CVX50208は、スチレン/MA(SMA2000)とn−ブチルアミンとの反応により形成されたコポリマーであり、Cray Valley社から購入したものである。このポリマーをPGMEA中に30%(w/w)を超える濃度で含む溶液を作製しようと試みたが、うまくいかなかった。本明細書に記載される実験の目的から、スピン塗布により10マイクロメートル以上の厚いフィルムを形成し得る配合物のためには、30%(w/w)を超える濃度のポリマー溶液が望ましい。このポリマーをPGMEA中に25%(w/w)の濃度で含む溶液を調製してSi基材上にスピン塗布し、その2.38%(w/w)TMAHへの溶解速度を測定した。このフィルムの溶解速度は531nm/sであった。このポリマーのPGMEAへの溶解度および2.38%(w/w)TMAHへの溶解速度は、配合および10マイクロメートルの厚さの光現像には適していなかった。このポリマーのFT−IR分析では、約1730cm
−1のピークの存在により実証されるカルボン酸官能基の存在ならびに1600cm
−1のアミドおよびカルボン酸アミン塩のピークの存在が示された。式(IIIB)で示される繰返し単位すなわちMI単位の存在は、典型的には1700cm
−1の鋭いバンドにより実証されるが、かかる証拠は見いだされなかった。このポリマーの
13C−NMRスペクトルは、実施例39に記載したような、構造(IIIB)の特有の176〜180ppmのピークを有していなかった。実施例20〜37のアミン処理プロトコルとしては、式(IIIA)で示されるアミド酸型構造が部分閉環して式(IIIB)で示されるMI単位になることにより、PGMEAおよび2.38%(w/w)TMAHへの所望の溶解性を有するポリマーが生成されるものを採用した。
【0237】
以上の実施例のいくつかにより本発明を例示してきたが、本発明はこれらの実施例により限定されるものと解釈すべきではなく、以上に開示されるように一般的領域(generic area)を包含する。本発明には、その趣旨および範囲から逸脱することなく、種々の変更や実施形態を適用することができる。
なお、この出願により開示される事項には、以下のものが含まれる。
〔1〕
式(IA)により表され、式(I)で示されるモノマーに由来する第1のタイプの繰返し単位
【化53】
(式中、
mは、整数0、1または2であり、
Xは、CH2、CH2−CH2、O、またはNRa(Raは直鎖状または分岐状の(C1〜C6)アルキルである)であり、
R1、R2、R3、およびR4は、独立して、水素、直鎖状または分岐状の(C1〜C16)アルキル、ヒドロキシ(C1〜C16)アルキル、パーフルオロ(C1〜C12)アルキル、(C3〜C12)シクロアルキル、(C6〜C12)ビシクロアルキル、(C7〜C14)トリシクロアルキル、(C6〜C10)アリール、(C6〜C10)アリール(C1〜C3)アルキル、パーフルオロ(C6〜C10)アリール、パーフルオロ(C6〜C10)アリール(C1〜C3)アルキル、ジ(C1〜C2)アルキルマレイミド(C3〜C6)アルキル、ジ(C1〜C2)アルキルマレイミド(C2〜C6)アルコキシ(C1〜C2)アルキル、ヒドロキシ、(C1〜C12)アルコキシ、(C3〜C12)シクロアルコキシ、(C6〜C12)ビシクロアルコキシ、(C7〜C14)トリシクロアルコキシ、(C6〜C10)アリールオキシ(C1〜C3)アルキル、(C5〜C10)ヘテロアリールオキシ(C1〜C3)アルキル、(C6〜C10)アリールオキシ、(C5〜C10)ヘテロアリールオキシ、(C1〜C6)アシルオキシ、オキシラニル(C0〜C8)アルキル、オキシラニル(CH2)aO(CH2)b−、ハロゲン、または式(A):
−(CH2)a−(OCH2−CH2)b−OR (A)
( aは、整数0、1、2、3または4であり、
bは、整数0、1、2、3または4であり、かつ
Rは、直鎖状または分岐状の(C1〜C6)アルキル、(C5〜C8)シクロアルキル、(C6〜C10)アリール、または(C7〜C12)アラルキルである)
で示される基を表す)ならびに/あるいは
式(IIA)により表され、式(II)で示されるモノマーに由来する第2のタイプの繰返し単位
【化54】
(式中、
R8、R9、R10、およびR11は、同一であるかまたは異なり、かつそれぞれ互いに独立して、水素、直鎖状または分岐状の(C1〜C6)アルキル、(C5〜C8)シクロアルキル、(C6〜C10)アリール、または(C7〜C12)アラルキル、または式(B):
−SiR5R6R7 (B)
( R5、R6、およびR7は、同一であるかまたは異なり、かつそれぞれ互いに独立して、直鎖状または分岐状の(C1〜C6)アルキル、(C5〜C8)シクロアルキル、(C6〜C10)アリール、または(C7〜C12)アラルキルから選択される)
で示される基から選択されるか、あるいはR8またはR9のうち1つは、R10またはR11のうち1つおよびそれらが結合されている炭素原子と一緒になって、(C5〜C8)シクロアルキル環を形成する)ならびに
式(IIIA)または(IIIB)により表され、式(III)で示されるモノマーに由来する第3のタイプの繰返し単位(IIIA)または(IIIB)
【化55】
(式中、
R12およびR13は、それぞれ互いに独立して、水素または直鎖状または分岐状の(C1〜C9)アルキルまたはフッ素化もしくは過フッ素化(C1〜C9)アルキルを表し、
R14は、水素、直鎖状または分岐状の(C1〜C20)アルキル、(C5〜C8)シクロアルキル、(C6〜C10)アリール、または(C7〜C12)アラルキルである)
を含むポリマーであって、
上述した基のそれぞれは、原子価により許容される場合、直鎖状または分岐状の(C1〜C6)アルキル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C1〜C6)パーフルオロアルキル、(C1〜C6)アルコキシ、(C3〜C7)シクロアルコキシ、(C1〜C6)パーフルオロアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、直鎖状または分岐状のヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、(C6〜C10)アリール、または(C7〜C12)アラルキルから選択される1つ以上の基で置換されていてもよい、ポリマー。
〔2〕
前記ポリマーが、式(III)で示されるモノマーに由来する式(IIIC)により表される第3のタイプの繰返し単位をさらに含む、
【化56】
(式中、R12およびR13は請求項1に定義されるとおりである)
上記〔1〕に記載のポリマー。
〔3〕
前記ポリマーが、式(III)で示されるモノマーに由来する式(IIID)により表される第3のタイプの繰返し単位をさらに含む、
【化57】
(式中、R12およびR13は請求項1に定義されるとおりである)
上記〔1〕または〔2〕に記載のポリマー。
〔4〕
前記ポリマーが、式(III)で示されるモノマーに由来する式(IIIE)により表される第3のタイプの繰返し単位をさらに含む、
【化58】
(式中、R12、R13、およびR14は請求項1に定義されるとおりである)
上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載のポリマー。
〔5〕
X=CH2、
m=0、
R1、R2、R3、およびR4が、独立して、水素、ヘキシル、デシル、オキシラニル−CH2OCH2−、ジ(C1〜C2)アルキルマレイミド(C3〜C6)アルキル、または式(A):
−(CH2)a−(OCH2−CH2)b−OR (A)
(式中、
aは1または2であり、
bは2または3であり、かつ
Rは、メチル、エチル、n−プロピル、またはn−ブチルである)
である、上記〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載のポリマー。
〔6〕
R8、R9、R10、およびR11が、同一であるかもしくは異なり、かつそれぞれ互いに独立して、水素、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、iso−ペンチル、neo−ペンチル、フェニル、トリメチルシリル、およびトリエチルシリルから選択されるか、または
R8およびR10が、同一であるかもしくは異なり、かつそれぞれ互いに独立して、水素、メチル、またはエチルから選択され、かつR9が、R11およびそれらが結合されている炭素原子と一緒になって、シクロヘキシル環、シクロヘプチル環、またはシクロオクチル環を形成する、
上記〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載のポリマー。
〔7〕
R12およびR13が、同一であるかもしくは異なり、かつそれぞれ互いに独立して、水素、メチル、またはエチルから選択され、かつ
R14が、(C4〜C18)アルキルである、
上記〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載のポリマー。
〔8〕
前記ポリマーが1つ以上の第1のタイプの繰返し単位を含む、上記〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載のポリマー。
〔9〕
前記ポリマーが1つ以上の第2のタイプの繰返し単位を含む、上記〔1〕〜〔8〕のいずれか一項に記載のポリマー。
〔10〕
前記ポリマーが、0〜75モル%の第1のタイプの繰返し単位と、0〜90モル%の第2のタイプの繰返し単位と、10〜60モル%の第3のタイプの繰返し単位とを含む、上記〔1〕〜〔9〕のいずれか一項に記載のポリマー。
〔11〕
第1のタイプの繰返し単位が、
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−オクチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−デシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−((2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
1−(4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル)ブチル)−3,4−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジオン、
2−((ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメトキシ)メチル)オキシラン、および
5−フェネチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
からなる群から選択されるモノマーに由来する、上記〔1〕〜〔10〕のいずれか一項に記載のポリマー。
〔12〕
第2のタイプの繰返し単位が、
2−メチルプロプ−1−エン、
2−メチルペント−1−エン、
2,4,4−トリメチルペント−1−エン、
2,4,4−トリメチルペント−2−エン、
トリメチル(ビニル)シラン、および
スチレン
からなる群から選択されるモノマーに由来する、上記〔1〕〜〔11〕のいずれか一項に記載のポリマー。
〔13〕
式(IA)により表され、式(I)で示されるモノマーに由来する第1のタイプの繰返し単位
【化59】
(式中、
mは、整数0、1または2であり、
Xは、CH2、CH2−CH2、O、またはNRa(Raは直鎖状または分岐状の(C1〜C6)アルキルである)であり、
R1、R2、R3、およびR4は、独立して、水素、直鎖状または分岐状の(C1〜C16)アルキル、ヒドロキシ(C1〜C16)アルキル、パーフルオロ(C1〜C12)アルキル、(C3〜C12)シクロアルキル、(C6〜C12)ビシクロアルキル、(C7〜C14)トリシクロアルキル、(C6〜C10)アリール、(C6〜C10)アリール(C1〜C3)アルキル、パーフルオロ(C6〜C10)アリール、パーフルオロ(C6〜C10)アリール(C1〜C3)アルキル、ジ(C1〜C2)アルキルマレイミド(C3〜C6)アルキル、ジ(C1〜C2)アルキルマレイミド(C2〜C6)アルコキシ(C1〜C2)アルキル、ヒドロキシ、(C1〜C12)アルコキシ、(C3〜C12)シクロアルコキシ、(C6〜C12)ビシクロアルコキシ、(C7〜C14)トリシクロアルコキシ、(C6〜C10)アリールオキシ(C1〜C3)アルキル、(C5〜C10)ヘテロアリールオキシ(C1〜C3)アルキル、(C6〜C10)アリールオキシ、(C5〜C10)ヘテロアリールオキシ、(C1〜C6)アシルオキシ、オキシラニル(C0〜C8)アルキル、オキシラニル(CH2)aO(CH2)b−、ハロゲン、または式(A):
−(CH2)a−(OCH2−CH2)b−OR (A)
( aは、整数0、1、2、3または4であり、
bは、整数0、1、2、3または4であり、かつ
Rは、直鎖状または分岐状の(C1〜C6)アルキル、(C5〜C8)シクロアルキル、(C6〜C10)アリール、または(C7〜C12)アラルキルである)
で示される基を表す)ならびに/あるいは
式(IIA)により表され、式(II)で示されるモノマーに由来する第2のタイプの繰返し単位
【化60】
(式中、
R8、R9、R10、およびR11は、同一であるかまたは異なり、かつそれぞれ互いに独立して、水素、直鎖状または分岐状の(C1〜C6)アルキル、(C5〜C8)シクロアルキル、(C6〜C10)アリール、または(C7〜C12)アラルキル、または式(B):
−SiR5R6R7 (B)
( R5、R6、およびR7は、同一であるかまたは異なり、かつそれぞれ互いに独立して、直鎖状または分岐状の(C1〜C6)アルキル、(C5〜C8)シクロアルキル、(C6〜C10)アリール、または(C7〜C12)アラルキルから選択される)
で示される基から選択されるか、あるいはR8またはR9のうち1つは、R10またはR11のうち1つおよびそれらが結合されている炭素原子と一緒になって、(C5〜C8)シクロアルキル環を形成する)ならびに
式(IIIA)または(IIIB)により表され、式(III)で示されるモノマーに由来する第3のタイプの繰返し単位(IIIA)または(IIIB)
【化61】
(式中、
R12およびR13は、それぞれ互いに独立して、水素または直鎖状または分岐状の(C1〜C9)アルキルまたはフッ素化もしくは過フッ素化(C1〜C9)アルキルを表し、
R14は、水素、直鎖状または分岐状の(C1〜C20)アルキル、(C5〜C8)シクロアルキル、(C6〜C10)アリール、または(C7〜C12)アラルキルである)
を含有するポリマーであって、
上述した基のそれぞれは、原子価により許容される場合、直鎖状または分岐状の(C1〜C6)アルキル、(C3〜C7)シクロアルキル、(C1〜C6)パーフルオロアルキル、(C1〜C6)アルコキシ、(C3〜C7)シクロアルコキシ、(C1〜C6)パーフルオロアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、直鎖状または分岐状のヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、(C6〜C10)アリール、または(C7〜C12)アラルキルから選択される1つ以上の基で置換されていてもよい、ポリマーと、
ジアゾ官能基部分を含有する光活性化合物と、
担体溶媒と、
を含む光現像性組成物。
〔14〕
前記ジアゾ官能基部分が、式(IV)、(V)、または(VI):
【化62】
で示される、上記〔13〕に記載の組成物。
〔15〕
前記光活性化合物が、
【化63】
(式中、少なくとも1つのDは式(IV)、(V)または(VI)で示されるジアゾ官能基部分であり、残りのDは水素である)
からなる群から選択される、上記〔13〕または〔14〕に記載の組成物。
〔16〕
第1のタイプの繰返し単位が、
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−オクチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−デシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−((2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
1−(4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イル)ブチル)−3,4−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジオン、
2−((ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメトキシ)メチル)オキシラン、および
5−フェネチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
からなる群から選択されるモノマーに由来する、上記〔13〕〜〔15〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔17〕
第2のタイプの繰返し単位が、
2−メチルプロプ−1−エン、
2−メチルペント−1−エン、
2,4,4−トリメチルペント−1−エン、
2,4,4−トリメチルペント−2−エン、
トリメチル(ビニル)シラン、および
スチレン
からなる群から選択されるモノマーに由来する、上記〔13〕〜〔16〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔18〕
前記担体溶媒が、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン(GBL)、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アニソール、アセトン、メチル3−メトキシプロピオネート、テトラヒドロフラン(THF)およびそれらの組合せ混合物からなる群から選択される、上記〔13〕〜〔17〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔19〕
前記担体溶媒が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン(GBL)およびそれらの組合せ混合物からなる群から選択される、上記〔13〕〜〔18〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔20〕
2,2’−(((2−エチル−2−((オキシラン−2−イルメトキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル)ビス(オキシ))−ビス(メチレン))ビス(オキシラン)(TMPTGE)、
ビス(4−(オキシラン−2−イルメトキシ)フェニル)メタン(EPON862)、
脂肪族トリオールのポリグリシジルエーテル(Heloxy84)、
パラ−第3級ブチルフェノールのグリシジルエーテル(Heloxy65)、
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(PEGDGE)、
ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(PPGDGE)、および
それらの組合せ混合物
からなる群から選択される1種以上の架橋剤をさらに含む、上記〔13〕〜〔19〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔21〕
前記架橋剤が、
2,2’−(((2−エチル−2−((オキシラン−2−イルメトキシ)メチル)プロパン−1,3−ジイル)ビス(オキシ))−ビス(メチレン))ビス(オキシラン)(TMPTGE)、
ビス(4−(オキシラン−2−イルメトキシ)フェニル)メタン(EPON862)、
脂肪族トリオールのポリグリシジルエーテル(Heloxy84)、および
それらの組合せ混合物
からなる群から選択される、上記〔13〕〜〔20〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔22〕
前記ポリマーが、
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンに由来する繰返し単位と、n−オクチルアミン、n−ドデシルアミン、n−ヘキサデシルアミンまたはn−オクタデシルアミンで開環した無水マレイン酸に由来する繰返し単位とを含有するコポリマー、および
スチレンに由来する繰返し単位と、n−オクチルアミン、n−ドデシルアミン、n−ヘキサデシルアミンまたはn−オクタデシルアミンで開環した無水マレイン酸に由来する繰返し単位とを含有するコポリマー
からなる群から選択される、上記〔13〕〜〔21〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔23〕
上記〔13〕〜〔22〕のいずれか一項に記載の組成物を適切な基材に塗布してフィルムを形成することと、
マスクを用いて適切な放射線で露光することにより前記フィルムをパターニングすることと、
露光後に前記フィルムを現像して光パターンを形成することと、
適切な温度に加熱することにより前記フィルムを硬化させることと
を含む、マイクロエレクトロニクスデバイスまたは光電子デバイスを作製するためのフィルムを形成する方法。
〔24〕
前記塗布がスピン塗布により行われる、上記〔23〕に記載の方法。
〔25〕
前記現像が水性現像液により行われる、上記〔23〕または〔24〕に記載の方法。
〔26〕
前記現像液が水性水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)である、上記〔25〕に記載の方法。
〔27〕
前記基材が、前記硬化の前に最初に約70℃〜約130℃の温度で2分間〜10分間ソフトベークされる、上記〔23〕〜〔26〕のいずれか一項に記載の方法。
〔28〕
前記硬化が、約120℃〜約250℃の温度で約20分間〜約180分間行われる、上記〔23〕〜〔27〕のいずれか一項に記載の方法。
〔29〕
上記〔13〕〜〔22〕のいずれか一項に記載の組成物を硬化させて得られた硬化物。
〔30〕
上記〔29〕に記載の硬化物を含む光電子デバイスまたはマイクロエレクトロニクスデバイス。
〔31〕
1MHzで3.2以下の誘電率を有する、上記〔29〕に記載の硬化物。
〔32〕
250℃で30分間の硬化後、400nmで85%を超える透明度を有する、上記〔29〕に記載の硬化物。