【課題を解決するための手段】
【0011】
本目的は、添付の請求項1によるパッケージングユニットおよび添付の請求項18による方法によって、完全にまたは部分的に実現される。実装形態は、添付の従属請求項、以下の説明および図面において規定される。
【0012】
その結果、長手方向(L)および短手方向(T)を有するシートの材料から作成される、衛生用品用のパッケージングユニットが提供される。シートは内面および外面を有し、その内面は、パッケージングユニットを閉じるための再密封可能な接着剤が設けられたエッジ部を含むエッジ帯を備える。シートは、長手方向中心線(L1)、および少なくとも1つの短手方向に延びる折り畳み軸を有する。折り畳み軸は、シートを第1の領域および第2の領域に分割する。シート状に形成されたタブは、第1の領域のエッジ部に中心線(L1)に少なくとも部分的に沿って配置される。タブは、パッケージングユニットを閉じるためのいかなる接着剤をも含まない2つの主要な表面を有する。シート状に形成されたタブは、タブ基部(B)からタブの外側エッジまでの中心線(L1)に沿うまたはそれと平行なタブ伸長(A)が0.5cm以上となるように、前記エッジ部から長手方向に延在する。タブ基部(B)は、パッケージングユニットを閉じるために、前記再密封可能な接着剤を含む第1の領域の一部から、接着剤のない面を有するタブを長手方向に分割する短手方向線(B)であり、どちらかの再密封可能な接着剤に対して、タブ基部(B)は接触点を有している。
【0013】
接触点は、最も短いタブ伸長(A)を提供する再密封可能な接着剤のエッジにある。
【0014】
パッケージングユニットはシートの形状をしており、その内部に未使用または使用済みの衛生用品を保持するとき、そのパッケージングユニットを閉じるための再密封可能な接着剤を有する個包装として使用することができる。
【0015】
本明細書で使用される場合、「内面」という用語は、パッケージングユニットの内側に配置された製品に面したパッケージングユニットの表面を指し、「外面」という用語は、内面に対向する面、すなわち周囲に面した表面を指す。
【0016】
「エッジ帯」という用語により、パッケージングユニットのエッジに隣接する、パッケージングユニットの部分を示す。エッジ帯の幅は可変でよい。エッジ帯は、内側エッジ帯および外側エッジ帯に分割するができる。次いで、「内側エッジ部」という用語は、パッケージングユニットの長手方向中心線および短手方向中心線に向くなど、パッケージングユニットの中心を向いて配置されたエッジ帯の部分を指す。「外側エッジ部」という用語は、パッケージングユニットのエッジを向いて配置されたエッジ帯の部分を指す。
【0017】
本明細書で使用する「再密封可能な接着剤」は、対象物が、こうした接着剤を使用して表面に貼付され、その後、表面から剥がされて対象物および表面を多少傷つけるか全く傷つけないことが可能な、接着剤を意味する。さらに、剥がされた対象物は再度表面に接着することができる。
【0018】
シート状に形成されたタブは、ユーザが包装をつまみその開閉を一層容易にする手段を提供するつまみタブを形成する。つまみタブは、包装を開けるためにエッジの位置を突き止め、見つけることが困難な既知の個包装およびポーチに比較して、容易につまみ、位置を突き止めることができる。
【0019】
WO2013/162430A1は、容易に開けるためにつまみタブが形成されるように、シートのコーナー部分のうちの少なくとも1つは接着剤を使用しない場合を開示している。
【0020】
現在では、閉じて畳まれたパッケージングを、こうしたコーナータブで開くことは困難であることが知られている。さらに、こうしたコーナータブを使用して開封することにより、開封中の負荷が不均等になるためシートの材料を傷つける恐れがある。加えて、コーナーの保持領域は、パッケージングユニットを再密封するための何ら適切な手段をもたらすことはない。ユーザは、本能的にパッケージングユニットの自由端エッジの中央部分でパッケージングを開くための何らかの手段を見つけようとするが、通常は、パッケージングを開くためのコーナーなど考えさえしない。
【0021】
現在のパッケージングユニットは、自由端エッジの中央部分に近接した部分または中央部分につまみ面を設けるように、パッケージングユニットから外側に突出した部分に接着剤のないタブを有している。
【0022】
再密封可能な接着剤はシートのエッジ部分に設けられ、それにより、シートを前記少なくとも1つの折り畳み軸を中心に折り畳んだとき、再密封可能な接着剤は、衛生用品が入ったパッケージングユニットを閉じる助けとなる。
【0023】
シート状に形成されたタブ伸長(A)は、タブ基部(B)のエッジ部から外側エッジまで長手方向に0.5cm以上であり、1cm以上または2cm以上でもよい。伸長(A)は、3cm、4cm、または5cmまでよい。したがって、伸長は、たとえば0.5〜5cm、1〜4cm、または2〜3cmとすることができる。短手方向(T)におけるタブの幅はタブの形状に依存しており、タブ基部(B)とパッケージングユニットの外側エッジとの間の2つの交差点間横方向距離までとすることができる。
【0024】
シートは、前記第1および第2の領域が重なり合った構成で、前記少なくとも1つの折り畳み軸に沿って折り畳むことができ、それにより、重なり合ったシート層のパッケージングユニットを提供することができる。
【0025】
シートの材料は、実質的に長方形とすることができ、長手方向エッジ部および短手方向エッジ部を含み、短手方向エッジ部のうちの1つにシート状に形成されたタブを配置することができる。
【0026】
上述したように、パッケージングユニットは少なくとも1つの第1の折り畳み軸を含む。折り畳み軸の数は、パッケージングユニットをどのように折り畳もうとするかに応じて変わり得る。パッケージングユニットが、1つから3つの間の折り畳み軸を含むのが好まれる。
【0027】
シートは、2つの折り畳み軸を持つことができ、前記シートを第1の領域、第2の領域、および第3の領域に分割することができる。シートは、前記第1、第2、および第3の領域が3層の重なり合った構成で折り畳み軸に沿って折り畳むことができる。次いで、第1の領域は、折り畳まれたパッケージングユニットの外側層を形成し、シート状に形成されたタブは、折り畳まれたパッケージングユニットの重なり合ったシート層によって画定されたエッジから外側に突出したタブ部分を含むことができる。
【0028】
折り畳まれたパッケージングユニットのエッジから延在するタブ部分は、自由端およびオーバーハング材料を提供し、それは接着剤を含んでおらず、既知の接着剤のない端部およびタブに比べて、ユーザの手でつかみやすい。こうしたシート状に形成されたタブ部分は、任意の他のパッケージングユニット領域に重なることはない。
【0029】
折り畳まれたパッケージングユニットの重なり合ったシート層によって画定された、エッジからタブの外側エッジへの、中心線(L1)に沿った、またはそれに平行な長手方向タブ伸長(オーバーハング)は、0.5〜5cm、1〜4cm、または2〜3cmとすることができる。
【0030】
当技術分野においては、本明細書に記載のタブのオーバーハングは、本種類のパッケージングユニットで使用され得る、また使用すると有益であるということは示されてこなかった。それとは反対に、当業者はこうしたオーバーハングを、傷がつくリスクが増大し、したがって、信頼性の低いパッケージングユニットを提供することになるため、考えてこなかったと思われる。現在では、こうしたオーバーハングは、本明細書に記載のパッケージングユニットを閉じるための再密封可能な接着剤と組み合わせて使用すると、実際には信頼できる製品を提供することが可能であると理解されている。
【0031】
第1の領域の内面は、タブ基部(B)が接触するパッケージングユニットを閉じるための再密封可能な接着剤を含む内面の短手方向のエッジ部分を含むことができる。
【0032】
これにより、再密封可能な接着手段、特に、パッケージングを閉じるために接着剤を有するタブを必要としない閉鎖手段によって、エッジの締め付けがなされる。エッジ帯部分における再密封可能な接着はまた、タブをパッケージングの開口部に正しい位置で固定させ続ける。それはタブと共に、閉じたパッケージが望ましくなく開くリスクを最小にしつつ、信頼できるとじ具を提供する。
【0033】
再密封可能な接着剤は、短手方向に、かつ再密封可能な接着剤が接触することができるタブ基部に平行に延在することができる。
【0034】
タブは、長方形、三角形、および舌状形など、本明細書で述べた大きさを有するつまみタブを提供するのに適した任意の形状を有してよい。
【0035】
タブの長手方向の伸長は、中心線(L1)から短手方向に減少してもよい。シート状に形成されたタブは舌状形とすることができ、舌の形の先端は中心線(L1)の近傍、または中心線(L1)に配置される。
【0036】
ここでは「近傍」という用語によって、シートの短手方向伸長の10%以内の中心線(L1)からの短手方向距離を示す。
【0037】
タブ基部Bからタブの伸長までのタブの最大伸長は、中心線(L1)に沿ってよい。
【0038】
シートはラミネート材とすることができる。「ラミネート」という用語によって、同一でも異なっていてもよい少なくとも2つの結合した分離可能なパイル材料を含む材料を表す。本発明との関連では、ラミネートは、たとえば、2つの分離可能なプラスチック膜のパイル、膜および不織布、不織布または同様な2つのパイルから構成されていてもよい。
【0039】
シートは一重の材料でもよい。
【0040】
「一重」という用語によって、一重の密着した材料を含むパッケージングユニットを示す。一重のパッケージングユニットの例としては、ポリエチレンフィルムなどのプラスチック膜、不織布材料、金属箔または同様なものが挙げられる。一重の材料は、統合された層を含むプラスチック膜材料、または材料の異なる部分に様々な繊維組成を有する不織布材料など、不均質材料でよい。本明細書で使用される一重の材料は、分離可能な層を有する材料を含まない。
【0041】
一重の材料は、ポリエチレンおよび/もしくはポリプロピレンを含む、または、ポリエチレンおよび/もしくはポリプロピレンである、ポリオレフィンとすることができる。ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンの材料は、14〜30g/m
2の基本重量を有してよい。
【0042】
タブはシートと一体的に形成することができる。
【0043】
再密封可能な接着剤と接着剤のない部分とのチェス盤模様は、折り畳まれたパッケージングユニットの再密封可能な接着剤と接着剤のない部分との間の相補的な接着のために、シートの材料の各エッジ帯に沿って形成され得る。
【0044】
様々なチェス盤模様の例は,以下本明細書でさらに考察する。WO2013/162430A1は、こうした模様のさらなる例を開示している。
【0045】
シートおよび/もしくはタブは、不透明であってよく、および/または、印刷および/もしくは触知できる指示を含んでいてもよい。
【0046】
したがって、タブはエンボス加工することができる。これにより、たとえば、触覚認識およびよりつかみやすい面のための手段が提供され、ユーザの手とタブの間の摩擦が増加する。
【0047】
印刷は、ユーザにパッケージングユニットおよび/または衛生用品の取扱いを案内する、使用説明書または指示書とすることができる。
【0048】
再密封可能な接着剤は、感圧ホットメルト接着剤とすることができる。このような接着剤は無限のオープン回数を提供する、その意味は、再密封可能な接着剤は、どんな時にも他の被着物に接着することができるということである。このような再密封可能な接着剤は「ポスト・イット(登録商標)」のような接着特性を提供することができる。したがって、パッケージングユニットは再び閉じることができる。
【0049】
したがって、パッケージングユニットで使用される感圧接着剤は、非常に高い接着性を有しているが、プラスチック材料や離型剤で処理された紙など、他の材料から容易に分離され、または離すことができる。本発明によるパッケージングユニットの主な利点は、新しい衛生用品を取り出そうとするときに、完全に広げることが可能なことである。これに比較して、接着剤をコーティングしたエッジ部分が相互に接触した状態の、接着によって密封されたエッジを有する従来技術のパッケージは、非常に強い接着強度の接着によって密封されたエッジを有し、パッケージを完全に広げようとするいかなる試みも、一般に、パッケージングユニットが破れたり破損したりして、使用済みの衛生用品を個別的にかつ衛生的に処分するのに使用できないこととなる。本発明のパッケージングユニットの接着剤をコーティングしたエッジ部分は、パッケージングユニットが折り畳まれたとき相互に接触していないので、パッケージングユニットは容易に開封し再密封することができ、しっかり密封した処分パッケージを作成することができる。同時に、本発明の接着パターンを使用したパッケージングユニットの接着によって密封されたエッジの引張強度は、新しい衛生用品と使用済みの衛生用品の両方のためのしっかり密封したパッケージを提供するのに十分であり、かつ、容易に開けられるパッケージを提供するのに十分低い。
【0050】
本発明で使用される再密封可能な接着剤は、H.B.Fullerから入手可能なLunatack(登録商標)D656 BD 19など、感圧ホットメルト接着剤とすることができる。
【0051】
各領域における再密封可能な、接着剤に覆われたエッジ部の長さは、各領域の長さまたは幅に等しいかまたは短くてもよい。接着剤に覆われたエッジ部分の幅は、所望の接着強度に応じて変化してもよい。接着剤に覆われたエッジ帯が広いほど、密封は強くなる。再密封可能な、接着剤に覆われたエッジ部分の幅は、異なる領域において同一でも、または異なっていてもよい。
【0052】
本発明によるパッケージングユニットを作成するシート材料は、臭気を抑制する物質または臭気を中和する物質を含むことができる。こうした物質は、たとえば、コーティング、活性化可能なマイクロカプセル(activatable microcapsules)、含浸パッチ(impregnated patches)など、当業者に知られた任意の適切な方法で塗布することができる。
【0053】
本発明によるパッケージングユニットを作成するシートは、伸ばすことまたは拡張することが可能であると考えられるが、これは、衛生用品が使用中に大きく変形し、その結果、パッケージングユニットを変形せずに包装するのが困難である場合に、好都合であろう。
【0054】
本発明によるパッケージングユニットが、処分のために使用されるとき、パッケージングユニットのエッジ帯における接着パターンにかかわらず、ユーザは、パッケージングユニットを折り畳む代わりに、巻き上げることを選択することが可能であることに留意されたい。この巻き上げ動作は、つまみタブを配置することによって容易となる。
【0055】
衛生用品用のパッケージングユニットを作成する方法もまた提供される。このユニットは、長手方向(L)および短手方向(T)を有するシートの材料から作成される。この方法は、a.内面および外面を有し、前記内面がエッジ帯を含む、シートの材料を提供するステップ、および、b.エッジ帯のエッジ部に再密封可能な接着剤を提供するステップを含む。
【0056】
シートは、長手方向中心線(L1)、および少なくとも1つの短手方向に延びる、シートを第1の領域および第2の領域に分割する折り畳み軸を有する。シート状に形成されたタブは、第1の領域のエッジ部に中心線(L1)に少なくとも部分的に沿って配置される。タブは、パッケージングユニットを閉じるためのいかなる接着剤をも含まない2つの主要な面を有する。シート状に形成されたタブは、タブ基部(B)からタブの外側エッジまでの中心線(L1)に沿うまたはそれと平行なタブ伸長(A)が0.5cm以上となるように、エッジ部から長手方向に延在する。タブ基部(B)は、パッケージングユニットを閉じるために、再密封可能な接着剤を含む第1の領域の一部から、接着剤のない面を有するタブを長手方向に分割する短手方向線(B)であり、どちらかの再密封可能な接着剤に対して、タブ基部(B)は接触点を有している。
【0057】
シート状に形成されたタブ伸長(A)は、タブ基部(B)のエッジ部分から外側エッジまで長手方向に0.5cm以上であり、1cm以上または2cm以上でもよい。伸長(A)は、3cm、4cm、または5cmまでよい。したがって、伸長は、たとえば0.5〜5cm、1〜4cm、または2〜3cmとすることができる。
【0058】
この方法は、第1および第2の領域が重なり合った構成で、少なくとも1つの折り畳み軸に沿ってシートを折り畳むステップをさらに含むことができ、それにより、重なり合ったシート層のパッケージングユニットを提供することができる。
【0059】
このような折り畳まれたパッケージングユニットにおいて、タブは、本明細書で先に説明したように、本明細書で先に論じた延長寸法を有するオーバーハングを作成することができる。
【0060】
衛生用品用に作成されたパッケージングユニットは、本明細書で先により詳細に説明し、詳細な記述で説明したパッケージングユニットとすることができる。
【0061】
次に、本発明を、諸実装形態および諸図面を参照しながらより詳細に説明する。