(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6321855
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】電子秤装置
(51)【国際特許分類】
G01G 19/414 20060101AFI20180423BHJP
【FI】
G01G19/414 B
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-93828(P2017-93828)
(22)【出願日】2017年5月10日
(62)【分割の表示】特願2014-4508(P2014-4508)の分割
【原出願日】2014年1月14日
(65)【公開番号】特開2017-134087(P2017-134087A)
(43)【公開日】2017年8月3日
【審査請求日】2017年5月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川邉 雄一朗
【審査官】
岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−357477(JP,A)
【文献】
実開昭52−15261(JP,U)
【文献】
特開昭63−249021(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 1/00−23/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の上面に設けられ、重量の測定対象となる物品が載置される載置面と、
前記載置面の下方位置に設けられ、前記載置面に載置された物品の重量を計量して計量値データを出力する計量部と、
前記筐体に設けられ、機器接続に用いる接続端子を配設した端子部と、
前記端子部の上部であって当該端子部を覆う位置に設けられ、前記計量値データに基づく情報を表示する第1の表示装置と、
前記筐体を挟んで前記第1の表示装置と反対側に設けられた第2の表示装置と、
を備えることを特徴とする電子秤装置。
【請求項2】
前記第1の表示装置および前記第2の表示装置は、前記筐体に軸支されて上下方向にチルト可能に設けられ、
前記端子部は、前記第1の表示装置のチルト軸よりも下方位置に設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載の電子秤装置。
【請求項3】
前記第1の表示装置は、操作者が操作する操作部を備えている、
ことを特徴とする請求項1または2記載の電子秤装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子秤装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器として、ある物品を計量した場合にその計量値に基づいて計量した物品の金額を算出するようにした電子秤装置がある。
【0003】
このような電子秤装置は、装置筐体の前面(操作者側)に設けられた表示装置と背面(客側)に設けられた表示装置とに情報をそれぞれ表示することができる。そのため、電子秤装置は、例えば、ショーケースを介して惣菜等を秤売りするような運用を行っている店舗において、ショーケースの上に載置されて使用される。
【0004】
上述したような電子秤装置において、プリンタなどの周辺機器を接続するための接続端子は、装置筐体の側面に配置されている。
【0005】
しかしながら、上述のように装置筐体の側面に接続端子を配置した場合、周辺機器との接続ケーブル等が装置筐体から外部に露出することになり、設置スペースの増加や見た目が悪くなる等の問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、周辺機器を接続した場合であっても、外観上の美観を損ねることはなく、かつ、設置スペースを削減することができる電子機器および電子秤装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の電子秤装置は、筐体と、前記筐体の上面に設けられ、重量の測定対象となる物品が載置される載置面と、前記載置面の下方位置に設けられ、前記載置面に載置された物品の重量を計量して計量値データを出力する計量部と、前記筐体に設けられ、機器接続に用いる接続端子を配設した端子部と、前記端子部の上部であって当該端子部を覆う位置に設けられ、前記計量値データに基づく情報を表示する第1の表示装置と、前記筐体を挟んで前記第1の表示装置と反対側に設けられた第2の表示装置と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態にかかる電子秤装置を操作者側から示す外観斜視図である。
【
図2】
図2は、電子秤装置を操作者側から示す外観斜視図である。
【
図3】
図3は、ディスプレイを秤皿に対して略平行な位置に位置付けた電子秤装置を操作者側から示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態は、惣菜や肉等を秤売りする惣菜店や精肉店のショーケースの上に載置して使用する対面用の電子秤装置を電子機器として適用した例を示すものである。
【0011】
ここで、
図1は実施形態にかかる電子秤装置1を操作者側から示す外観斜視図である。
図1に示すように、この電子秤装置1は、扁平状の筐体であるハウジング2の上面全体に重量が測定される商品が載置される載置面である秤皿3を有し、店員である操作者側の正面左側に操作者が操作する操作部であるタッチパネル4を備えた表示装置であるディスプレイ5(タッチパネル付き表示装置)を有している。
【0012】
ディスプレイ5は、薄型のLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)を表示部5aとして構成されている。また、ディスプレイ5には、操作者が操作する操作部であるキーボード部6も設けられている。なお、ハウジング2の内部であって秤皿3の下方位置には、物品の重量を電気的信号として出力する計量部として機能するロードセルユニット(図示せず)が設けられている。
【0013】
一方、電子秤装置1には、
図1に示すように、操作者側と同様に客側にもタッチパネル8を備えたディスプレイ9(タッチパネル付き表示装置)が設けられている。ディスプレイ9も、薄型のLCDや有機ELを表示部9aとして構成されている。したがって、計量部として機能するロードセルユニットを挟んだ装置両側にタッチパネル4を備えたディスプレイ5と、タッチパネル8を備えたディスプレイ9が設けられていることになる。
【0014】
また、ディスプレイ5およびディスプレイ9は、ハウジング2に対して上端部を軸(チルト軸)として上下方向に傾け可能(チルト可能)に設けられている。なお、ハウジング2に対するディスプレイ5およびディスプレイ9のチルト機構についての説明は、省略する。
【0015】
例えば、ディスプレイ5は、
図1に示す状態から、ディスプレイ5を下方に傾けてその下縁をハウジング2の下面よりも下方に延出させることが可能である。これは、ハウジング2の設置部7を例えば図示しないショーケースの上面に載置して電子秤装置1を設置し、ディスプレイ5をショーケースの上面よりも下方に位置付けるような使用態様を考慮しての構造である。
【0016】
また、ディスプレイ5は、
図2に示すように、
図1に示す状態から上方に傾けられることで、秤皿3に対して略平行な位置に位置付けられることが可能である。同様に、特に図示しないが、ディスプレイ9も、
図1に示す状態から上方に傾けられることで、秤皿3に対して略平行な位置に位置付けられることが可能である。これにより、操作者の腰位置ほどの低いショーケース等に電子秤装置1を置いた場合であっても、操作者および客は、ディスプレイ5およびディスプレイ9の表示内容(計量値データに基づく情報など)を確認することができる。
【0017】
なお、上述のようにディスプレイ5およびディスプレイ9を秤皿3に対して略平行な位置、すなわち略水平面に位置付けた場合、ディスプレイ5およびディスプレイ9は秤皿3に対して5mmほど下方に位置する。このように構成するのは、秤皿3からはみ出す大きさの物体を計量する場合、当該物体がディスプレイ5およびディスプレイ9上に乗り上げてしまうことで正確な計量ができなくなる事態を回避するためである。
【0018】
ここで、
図3はディスプレイ5を秤皿3に対して略平行な位置に位置付けた電子秤装置1を操作者側から示す正面図である。
図3に示すように、電子秤装置1は、操作者側のディスプレイ5のチルト軸となる上端部よりも下方に位置するハウジング2に、プリンタなどの周辺機器との接続に用いる複数の接続端子10を配設した端子部11を備えている。
【0019】
端子部11に配設される接続端子10は、プリンタなどの周辺機器から延びる各種通信ケーブル(例えば、USB(Universal Serial Bus)ケーブルやLANケーブルなど)12を接続するための端子や、USBメモリ等の小型情報機器13を接続するための端子である。
【0020】
そして、
図1に示すようにディスプレイ5を下方向に傾けた状態では、端子部11は、ディスプレイ5によって電子秤装置1を操作する操作者側から遮蔽されることになる。
【0021】
また、通信ケーブル12や小型情報機器13を挿抜する場合には、
図1に示す状態からディスプレイ5を上方向に傾けた状態(例えば、
図3に示す状態)にする。
図3に示すような端子部11が露出した状態にすることによって、通信ケーブル12や小型情報機器13の挿抜を容易に行なうことができる。
【0022】
さらに、ディスプレイ5がハウジング2に軸支されて上下方向にチルト可能に設けられ、端子部11が当該ディスプレイ5のチルト軸よりも下方位置に設けられていることにより、ディスプレイ5が端子部11のカバー代わりとなるので、端子部11に配設される接続端子10に対するホコリや水分などの浸入をある程度防止することができる。
【0023】
さらにまた、ディスプレイ5がハウジング2に軸支されて上下方向にチルト可能に設けられ、端子部11が当該ディスプレイ5のチルト軸よりも下方位置に設けられていることにより、端子部11に配設される接続端子10に対して挿入されてハウジング2から突出した小型情報機器13に当たらないように、ディスプレイ5のチルト角を変更することができる。
【0024】
このように本実施形態の電子秤装置1によれば、操作者側のディスプレイ5のチルト軸となる上端部よりも下方に位置するハウジング2に複数の接続端子10を配設した端子部11を設けた。これにより、接続端子10に接続した通信ケーブル12や小型情報機器13がハウジング2から露出したとしても操作者側のディスプレイ5によって遮られることになるので、外観上の美観を損ねることはない。
【0025】
また、本実施形態の電子秤装置1によれば、接続端子がハウジングの側面に設けられている従来の電子秤装置のように、周辺機器を接続するケーブル等が側面側に露出されることは無いので、ショーケースの上に載置して使用する場合の設置スペースを削減することができる。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0027】
1 電子機器、電子秤装置
2 筐体
3 載置面
4,6 操作部
5 表示装置
10 接続端子
11 端子部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0028】
【特許文献1】特開平11−142228号公報