(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、高い放熱性を維持しつつ、多くの電子部品を小さなスペースで載置できる電子部品ユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による電子部品ユニットは、
ヒートシンクと、
前記ヒートシンクに対して立設し、第1方向に延びた第一電子部品と、
前記第一電子部品から発生する熱を前記ヒートシンクに伝導するための熱伝導載置部材と、
を備え、
前記熱伝導載置部材は、前記ヒートシンクに当接する当接部と、前記当接部から前記第1方向に延びた第一延在部と、前記第一延在部に対向して配置され、前記当接部から前記第1方向に延びた第二延在部と、を有し、
前記第一電子部品は前記第一延在部と前記第二延在部との間で挟持される。
【0006】
本発明による電子部品ユニットにおいて、
前記第一延在部及び前記第二延在部の各々は板形状であり、
前記第一電子部品は板形状の本体部を有し、
前記本体部が前記第一延在部と前記第二延在部との間で挟持されてもよい。
【0007】
本発明による電子部品ユニットにおいて、
前記当接部上に前記第一電子部品の前記ヒートシンク側の面が載置されてもよい。
【0008】
本発明による電子部品ユニットにおいて、
複数の第一電子部品が設けられ、
各第一電子部品に対応して前記熱伝導載置部材が設けられ、
少なくとも2つの熱伝導載置部材の少なくとも一部が互いに平行に配置されてもよい。
【0009】
本発明による電子部品ユニットにおいて、
複数の第一電子部品が設けられ、
各第一電子部品に対応して前記熱伝導載置部材が設けられ、
少なくとも2つの熱伝導載置部材の少なくとも一部が互いに直交して配置されてもよい。
【0010】
本発明による電子部品ユニットにおいて、
前記第一延在部は第一導電材料からなり、前記第二延在部は前記第一導電材料と異なる材料であって前記第一導電材料よりも軽い材料からなる、又は、
前記第一延在部は第一導電材料からなり、前記第二延在部は前記第一導電材料と異なる材料であって前記第一導電材料よりも重い材料からなってもよい。
【0011】
本発明による電子部品ユニットにおいて、
前記第一電子部品は、前記第一延在部に対向する面に第一放熱部を有し、前記第二延在部に対向する面に第二放熱部を有しており、
前記第一延在部の導電性が前記第二延在部の導電性よりも高くなり、前記第二放熱部による放熱性が前記第一放熱部による放熱性よりも高くなっている、又は、前記第二延在部の導電性が前記第一延在部の導電性よりも高くなり、前記第一放熱部による放熱性が前記第二放熱部による放熱性よりも高くなってもよい。
【0012】
本発明による電子部品ユニットは、
第二電子部品をさらに備え、
前記第一電子部品は前記第二電子部品に接続される端子を有し、
前記端子は、前記第1方向に延びてもよい。
【0013】
本発明による電子部品ユニットは、
第二電子部品をさらに備え、
前記第一電子部品からの発熱量は前記第二電子部品からの発熱量よりも大きくてもよい。
【0014】
本発明による電子部品ユニットにおいて、
熱伝導載置部材は、前記第一延在部を含む第一熱伝導載置部材と、前記第二延在部を含む第二熱伝導載置部材とを有し、
前記第一熱伝導載置部材と前記第二熱伝導載置部材とは分離可能となっており、
前記第一熱伝導載置部材は、前記第一電子部品の一側方において前記第二熱伝導載置部材側に突出する第一突出部を有し、
前記第二熱伝導載置部材は、前記第一電子部品の他側方において前記第一熱伝導載置部材側に突出する第二突出部を有し、
前記第一熱伝導載置部材は、前記第二突出部と前記第1方向で重複する第一重複部を有し、
前記第二熱伝導載置部材は、前記第一突出部と前記第1方向で重複する第二重複部を有してもよい。
【0015】
本発明による電子部品ユニットにおいて、
前記第一突出部及び前記第二重複部の各々は、第一締結部材が挿入される固定穴を有し、
前記第二突出部及び前記第一重複部の各々は、第二締結部材が挿入される固定穴を有してもよい。
【0016】
本発明による電子部品ユニットにおいて、
熱伝導載置部材は、前記第一延在部を含む第一熱伝導載置部材と、前記第二延在部を含む第二熱伝導載置部材とを有し、
前記第一熱伝導載置部材と前記第二熱伝導載置部材とは分離可能となっており、
前記第一熱伝導載置部材及び前記第二熱伝導載置部材の一方は、前記第一熱伝導載置部材及び前記第二熱伝導載置部材の他方と対向する面内において他方側に突出した嵌合突出部を有し、
前記第一熱伝導載置部材及び前記第二熱伝導載置部材の他方は、前記嵌合突出部が挿入される嵌合凹部又は嵌合穴を有してもよい。
【0017】
本発明による熱伝導載置部材は、
第一電子部品から発生する熱をヒートシンクに伝導するための熱伝導載置部材であって、
前記ヒートシンクに当接する当接部と、
前記ヒートシンクに対して立設し、前記当接部から第1方向に延びた第一延在部と、
前記第一延在部に対向して配置され、前記当接部から前記第1方向に延びた第二延在部と、を備え、
前記第一電子部品が、ヒートシンクに対して立設して第1方向に延び、前記第一延在部と前記第二延在部との間で挟持される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、第一電子部品から発生する熱をヒートシンクに伝導するための熱伝導載置部材が設けられているので、高い放熱性を維持することができる。また、熱伝導載置部材は、ヒートシンクに当接する当接部と、当接部から第1方向に延びた第一延在部と、第一延在部に対向して配置され、当接部から前記第1方向に延びた第二延在部と、を有している。そして、ヒートシンクに対して立設した第一電子部品は、第一延在部と第二延在部との間で挟持される。このため、多くの電子部品を小さなスペースで載置できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施の形態による電子部品ユニットを示した斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1の実施の形態による熱伝導載置部材を示した斜視図である。
【
図3】
図3(a)は、本発明の第1の実施の形態による熱伝導載置部材を示した上方平面図であって当接部が設けられている態様を示した上方平面図であり、
図3(b)は、本発明の第1の実施の形態による熱伝導載置部材を示した上方平面図であって、第一延在部と第二延在部との間に当接部が設けられていない態様を示した上方平面図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1の実施の形態で用いられる第一電子部品を示した上方平面図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1の実施の形態で用いられる第一電子部品、端子及び第二電子部品の関係を示した側方図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施の形態において、複数の第一電子部品が設けられ、各第一電子部品に対応して熱伝導載置部材が設けられる態様を示した斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態において、複数の第一電子部品が設けられ、各第一電子部品に対応して熱伝導載置部材が設けられる態様を示した上方平面図である。
【
図8】
図8は、本発明の第1の実施の形態の変形例による電子部品ユニットを示した斜視図である。
【
図9】
図9は、本発明の第1の実施の形態の変形例による熱伝導載置部材を示した斜視図である。
【
図10】
図10は、本発明の第1の実施の形態の変形例による熱伝導載置部材を示した上方平面図である。
【
図11】
図11は、本発明の第2の実施の形態による電子部品ユニットを示した斜視図である。
【
図12】
図12は、本発明の第2の実施の形態による熱伝導載置部材を示した斜視図である。
【
図13】
図13は、本発明の第2の実施の形態による熱伝導載置部材を示した上方平面図である。
【
図14】
図14は、本発明の第3の実施の形態による熱伝導載置部材を示した斜視図である。
【
図15】
図15(a)は、本発明の第3の実施の形態による熱伝導載置部材の第1熱伝導載置部材及び第2熱伝導載置部材が分離した態様を示した上方平面図であり、
図15(b)は、本発明の第3の実施の形態による熱伝導載置部材の第1熱伝導載置部材及び第2熱伝導載置部材が嵌合した態様を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
第1の実施の形態
《構成》
図1に示すように、本実施の形態における電子部品ユニットは、ヒートシンク300と、ヒートシンク300に対して立設し、第1方向に延びた第一電子部品100と、第一電子部品100から発生する熱をヒートシンク300に伝導するための熱伝導載置部材10と、を備えている。本実施の形態では、ヒートシンク300の表面に直交する方向が「第1方向」となっているが、これに限られることはない。「第1方向」は、当接部20から後述する第二電子部品200に向かう方向を含めばよく、ヒートシンク300の表面の法線に対して傾斜する方向であってもよい。なお、
図1以降に示されるヒートシンク300は模式化した板形状で示されているが、本願の出願当時に知られているあらゆるヒートシンク300を用いることができる。
【0021】
図2に示すように、熱伝導載置部材10は、ヒートシンク300に当接する当接部20と、当接部20から第1方向に延びた第一延在部31と、第一延在部31に対向して配置され、当接部20から第1方向に延びた第二延在部32と、を有している。
【0022】
図1に示すように、第一電子部品100は第一延在部31と第二延在部32との間で挟持され、第1方向で延びている。
【0023】
本実施の形態の第一延在部31及び第二延在部32の各々は板形状となってもよい。第一電子部品100は板形状の本体部110を有している。本体部110は、第一延在部31と第二延在部32との間で挟持されてもよい。本体部110は、一つ以上の電子素子(図示せず)と、電子素子を封入する封止樹脂(図示せず)と、電子素子に電気的に接続され、封止樹脂から突出した一つ以上の端子120(本実施の形態では複数の端子120)と、を有してもよい。なお、板形状となった第一延在部31には、第一電子部品100が設けられる側の反対側に第一切欠部36が設けられている。板形状となった第二延在部32には、第一電子部品100が設けられる側と反対側に第二切欠部37が設けられている。第一切欠部36は、第1方向に直交する方向である第一延在部31の幅方向に沿って設けられ、第二切欠部37は第二延在部32の幅方向に沿って設けられている。本実施の形態では、第一延在部31の幅方向と第二延在部32の幅方向は平行になっており、
図1の第2方向となっている。
【0024】
図3(a)(b)に示すように、当接部20には、締結部材91,92が挿入される一対の固定穴25が設けられている。固定穴25は、第1方向と反対方向に沿って見たときに(
図3を紙面上方から見たときに)、第一延在部31及び第二延在部32の幅方向における両側に設けられており、第1方向及び第2方向に直交する第3方向においては当接部20の中心に設けられている。本実施の形態では、第一電子部品100が当接部20の中心に設けられることから、
図3を紙面上方から見たときに、第一電子部品100の両側方(当接部20の一部)に一対の固定穴25が設けられることになる。締結部材91,92は、一対の固定穴25のうちの一方に挿入されて、ヒートシンク300に対して熱伝導載置部材10を固定する第一締結部材91と、一対の固定穴25のうちの他方に挿入されて、ヒートシンク300に対して熱伝導載置部材10を固定する第二締結部材92と、を有している。
図3(a)(b)においては点線で、第一締結部材91及び第二締結部材92が示されている。
【0025】
図3を紙面上方から見たときに、第一延在部31と第二延在部32との間にも当接部20が設けられており(
図3(a)参照)、当接部20上に第一電子部品100のヒートシンク300側の面が載置されてもよい。また、この態様とは異なり、
図3を紙面上方から見たときに、第一延在部31と第二延在部32との間には当接部20が設けられておらず(
図3(b)参照)、第一電子部品100のヒートシンク300側の面がヒートシンク300の表面に接してもよい。
【0026】
第一延在部31は第一導電材料からなり、第二延在部32は第一導電材料と異なる材料(第二導電材料)からなってもよい。
【0027】
この場合には、第二延在部32は第一導電材料よりも軽い材料(単位体積当たりの重量が軽い材料)からなってもよい。逆に、第二延在部32は第一導電材料よりも重い材料(単位体積当たりの重量が重い材料)からなってもよい。軽い材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金等を挙げることができる。重い材料としては、銅、銅合金等を挙げることができる。
【0028】
図4に示すように、第一電子部品100は、第一延在部31に対向する面に放熱板等からなる第一放熱部131を有し、第二延在部32に対向する面に放熱板等からなる第二放熱部132を有してもよい。
【0029】
第一延在部31の導電性が第二延在部32の導電性よりも高くなっている場合には、第二放熱部132による放熱性が第一放熱部131による放熱性よりも高くなっていてもよい。逆に、第二延在部32の導電性が第一延在部31の導電性よりも高くなっている場合には、第一放熱部131による放熱性が第二放熱部132による放熱性よりも高くなっていてもよい。一例としては、第一延在部31が銅、銅合金等からなるとともに第二延在部32がアルミニウム、アルミニウム合金等からなる場合のように、第一延在部31の導電性が第二延在部32の導電性よりも高くなっている場合には、放熱板等からなる第二放熱部132の表面積が放熱板等からなる第一放熱部131の表面積よりも大きくなってもよい。逆に、第二延在部32が銅、銅合金等からなるとともに第一延在部31がアルミニウム、アルミニウム合金等からなる場合のように、第二延在部32の導電性が第一延在部31の導電性よりも高くなっている場合には、放熱板等からなる第一放熱部131の表面積が放熱板等からなる第二放熱部132の表面積よりも大きくなってもよい。
【0030】
図5に示すように、電子部品ユニットは第二電子部品200を備えてもよい。第一電子部品100の端子120は第二電子部品200に接続されてもよい。そして、この端子120は第1方向に延びてもよい。つまり、第一電子部品100の端子120の全部又は一部が第1方向に直線状に延び、この端子120が第二電子部品200に差し込まれて接続されてもよい。
【0031】
第一電子部品100はパワーデバイスからなってもよい。第一電子部品100が複数の端子120を有している場合には、各端子120が第1方向に沿って延在していてもよい。第二電子部品200は制御デバイス又は制御基板からなってもよい。そして、
図5に示すように、パワーデバイスである第一電子部品100の各端子120が、制御デバイス又は制御基板である第二電子部品200に電気的に接続されてもよい。この場合には、第二電子部品200によって第一電子部品100が制御されることになる。
【0032】
第一電子部品100からの発熱量(又は単位体積当たりの発熱量)は第二電子部品200からの発熱量(又は単位体積当たりの発熱量)よりも大きくなってもよい。第一電子部品100は例えばパワーデバイスであってもよい。パワーデバイスの一例としてはスイッチングデバイスを挙げることができる。より具体的には、第一電子部品100の一例として、MOSFET等のFET、バイポーラトランジスタ、IGBT等を挙げることができ、典型例を挙げるとするとMOSFETを挙げることができる。
【0033】
図6及び
図7に示すように、複数の第一電子部品100が設けられてもよい。この場合には、各第一電子部品100に対応して熱伝導載置部材10が設けられてもよい。少なくとも2つの熱伝導載置部材10の少なくとも一部が互いに平行に配置されてもよい。例えば、2つの熱伝導載置部材10の「延在部」が互いに平行に配置されてもよい(
図7の上下方向が幅方向となる2つの熱伝導載置部材10同士の関係、及び、
図7の左右方向が幅方向となる3つの熱伝導載置部材10同士の関係を参照)。本実施の形態における「延在部」とは、第一延在部31及び第二延在部32を総称した名称である。また、少なくとも2つの熱伝導載置部材10の少なくとも一部が互いに直交して配置されてもよい。例えば、2つの熱伝導載置部材10の「延在部」が互いに直交して配置されてもよい(
図7の上下方向が幅方向となる2つの熱伝導載置部材10の少なくとも1つと
図7の左右方向が幅方向となる3つの熱伝導載置部材10の少なくとも1つとの関係を参照)。
【0034】
なお、第一切欠部36及び/又は第二切欠部37を設けることで、端子120と熱伝導載置部材10との間の絶縁間距離を稼ぐことができる。複数の熱伝導載置部材10を設ける場合には、隣接する第一電子部品100の端子120と熱伝導載置部材10との間の距離が短くなってしまうことがある。この点、適宜、第一切欠部36及び/又は第二切欠部37を設けることで端子120と熱伝導載置部材10との間の絶縁間距離を広げることができ、その結果、必要な絶縁間距離を得ることができる。
【0035】
変形例
本実施の形態の熱伝導載置部材10は、一体形状となっている必要はない。熱伝導載置部材10は、例えば
図8乃至
図10に示すように、分離可能な第一熱伝導載置部材11と第二熱伝導載置部材12を有してもよい。
図10に示すように、第一熱伝導載置部材11は、ヒートシンク300に当接する第一当接部21と、第一当接部21から第1方向に延びた第一延在部31とを有してもよい。また、第二熱伝導載置部材12は、ヒートシンク300に当接する第二当接部22と、第二当接部22から第1方向に延びた第二延在部32とを有してもよい。第一当接部21には締結部材91,92が挿入される一対の固定穴26が設けられてもよい。同様に、第二当接部22には締結部材91,92が挿入される一対の固定穴27が設けられてもよい。なお、
図3以外の図面では締結部材91,92を省略している。分離可能な第一熱伝導載置部材11と第二熱伝導載置部材12を用いる場合には、第一熱伝導載置部材11と第二熱伝導載置部材12とを互いに締結するための締結部材が用いられてもよい。このような締結部材を用いる場合には、第一延在部31及び第二延在部32に設けられた締結用穴39内に図示しない締結部材が挿入されることになる。
【0036】
《作用・効果》
次に、上述した構成からなる本実施の形態による作用・効果について説明する。
【0037】
本実施の形態によれば、
図1に示すように、第一電子部品100から発生する熱をヒートシンク300に伝導するための熱伝導載置部材10が設けられているので、高い放熱性を維持することができる。特に、熱伝導載置部材10が、当接部20から第1方向に延びた第一延在部31と、第一延在部31に対向して配置され当接部20から第1方向に延びた第二延在部32とを有しており、第一電子部品100が第一延在部31と第二延在部32との間で挟持される。このため、第一電子部品100から発生する熱を効率よくヒートシンク300に伝導することができる。また、このような構成を採用することで、ヒートシンク300の表面の面内方向において、多くの電子部品を小さなスペースで載置できる。
【0038】
第一延在部31及び第二延在部32の各々が板形状であり、第一電子部品100が板形状の本体部110を有し、本体部110が第一延在部31と第二延在部32との間で挟持される態様を採用した場合には、第一電子部品100の広い面を板形状の第一延在部31及び第二延在部32で挟持することができる。このため、第一電子部品100から発生する熱を第一延在部31及び第二延在部32の各々により効率よくヒートシンク300に伝達することができる。
【0039】
図3(a)に示すように当接部20上に第一電子部品100のヒートシンク300側の面が載置される態様を採用した場合には、第一電子部品100から発生する熱を、当接部20を介してヒートシンク300に伝達することができる。また、当接部20の形状が第一電子部品100のヒートシンク300側の部分の形状と合致する態様を採用した場合、つまり、第一電子部品100のヒートシンク300側の面と当接部20の面とが密着する形状となる態様を採用した場合には、第一電子部品100から発生する熱をより効率よくヒートシンク300に伝達することができる。
【0040】
他方、
図3(b)に示すように第一電子部品100が直接ヒートシンク300に接触する態様を採用した場合には、第一電子部品100から発生する熱を、第一電子部品100からヒートシンク300に直接伝達することができる。第一電子部品100のうちヒートシンク300に接触する面がヒートシンク300の表面の形状と合致する場合には、このような態様によっても効率よくヒートシンク300に伝達することができる。
【0041】
図6及び
図7に示すように複数の第一電子部品100が設けられ、各第一電子部品100に対応して熱伝導載置部材10が設けられる場合には、様々な配置を採用することができる。
【0042】
例えば、少なくとも2つの熱伝導載置部材10の少なくとも一部が互いに平行に配置される態様を採用した場合には、2組以上の第一電子部品100及び熱伝導載置部材10を省スペースで配置することができる。特に、2つ以上の熱伝導載置部材10の「延在部」が互いに平行に配置される場合には、2組以上の第一電子部品100及び熱伝導載置部材10をより省スペースで配置することができる。
【0043】
別の例として、少なくとも2つの熱伝導載置部材10の少なくとも一部が互いに直交して配置される態様を採用した場合には、異なる方向に沿って2組以上の第一電子部品100及び熱伝導載置部材10を配置することができる。特に、2つ以上の熱伝導載置部材10の「延在部」が互いに直交して配置される場合には、2組以上の第一電子部品100及び熱伝導載置部材10をより実質的に異なる方向に沿って2組以上の第一電子部品100及び熱伝導載置部材10を配置することができる。
【0044】
さらに別の例として、少なくとも2つの熱伝導載置部材10の少なくとも一部が互いに傾斜して配置される態様を採用してもよい。この場合にも異なる方向に沿って2組以上の第一電子部品100及び熱伝導載置部材10を配置することができる。特に、2つ以上の熱伝導載置部材10の「延在部」が互いに傾斜して配置される場合には、2組以上の第一電子部品100及び熱伝導載置部材10をより実質的に異なる方向に沿って2組以上の第一電子部品100及び熱伝導載置部材10を配置することができる。
【0045】
これらの態様を適宜組み合わせてもよい。
図6及び
図7に示す態様では、3つの熱伝導載置部材10の延在部が互いに平行に配置されている。そして、この3つの熱伝導載置部材10の延在部に対して、2つの熱伝導載置部材10の延在部が直交して配置されている。このような態様を採用すると、略矩形上の領域内に効率よく第一電子部品100と熱伝導載置部材10の組合体を配置することができ、スペースを有効に利用することができる。但し、
図6及び
図7で用いられている熱伝導載置部材10は、後述する第3の実施の形態で用いられているものである。複数の熱伝導載置部材10を設ける場合には、いずれの実施の形態の熱伝導載置部材10も用いることができ、各実施の形態で用いられている熱伝導載置部材10を混在させることもできる。
【0046】
(1)第一延在部31が第一導電材料からなり、第二延在部32が第一導電材料と異なる材料であって第一導電材料よりも軽い材料からなる場合、(2)逆に、第一延在部31が第一導電材料からなり、第二延在部32が第一導電材料と異なる材料であって第一導電材料よりも重い材料からなる場合には、第一延在部31及び第二延在部32に関して互いに異なる機能を果たさせることができる。例えば、第一延在部31による重みと第二延在部32による重みを変えることができ、熱伝導載置部材10の重さのバランスを変えることができる。このように重さのバランスを変えることで、装置全体の重さのバランスを調整することができる。
【0047】
図4に示すように、第一電子部品100が、第一延在部31に対向する面に第一放熱部131を有し、第二延在部32に対向する面に第二放熱部132を有する態様を採用した場合には、第一電子部品100で発生する熱を効率よく放熱させることができる。
【0048】
(1)第一延在部31の導電性が第二延在部32の導電性よりも高くなり、第二放熱部132による放熱性が第一放熱部131による放熱性よりも高くなっている態様、(2)逆に、第二延在部32の導電性が第一延在部31の導電性よりも高くなり、第一放熱部131による放熱性が第二放熱部132による放熱性よりも高くなっている態様を採用した場合には、第一電子部品100の両面からの放熱を均等なものに近づけることができる。このため、第一電子部品100で発生する熱を効率よく逃がすことができる。
【0049】
第二電子部品200が設けられ、第一電子部品100が第二電子部品200に接続される端子120を有している場合であって、第二電子部品200が第一電子部品100の第1方向側に配置されているときには、第二電子部品200が第1方向と直交する面内には配置されないことから、第1方向と直交する面における装置全体の大きさを小さくすることができる。特に、第一電子部品100の端子120が第1方向に延びている態様を採用した場合には、設計が容易であるうえ、第一電子部品100に対して第二電子部品200を取り付けやすくなる点で有益である。この点に関しては、
図5に示すように、第一電子部品100の端子120全体が第1方向に延びている態様を採用した場合には、設計が容易であるうえ第1方向に直交する面内方向における強度も高めることができる点でより有益である。第一電子部品100が複数の端子120を有している場合には、各端子120が第1方向に延びていてもよく、各端子120の全体が第1方向に延びていてもよい。
【0050】
複数の第一電子部品100が設けられ、各第一電子部品100の各端子120が第1方向に延びている場合には、これらの端子120の各々によって第二電子部品200をしっかりと固定することができる。この点に関しては、端子120が複数である方がより確実に第二電子部品200を固定することができる。
【0051】
また、
図6及び
図7に示すように、2つ以上の熱伝導載置部材10の延在部が互いに平行に配置され、2つ以上の熱伝導載置部材10の延在部が互いに直交して配置される場合には、直交する2方向で第二電子部品200を固定することができる点で、より確実に第二電子部品200を固定することができる。また、第1方向に直交する面内方向における強度も高めることができる。
【0052】
本実施の形態では第一電子部品100に関する放熱性が考慮されているので、第一電子部品100からの発熱量が第二電子部品200からの発熱量よりも大きい場合に、特に有益な効果を果たすことができる。
【0053】
図8乃至
図10に示すような変形例のように、熱伝導載置部材10が、分離可能な第一熱伝導載置部材11と第二熱伝導載置部材12を有している場合には、第一熱伝導載置部材11及び第二熱伝導載置部材12の構造を単純なものにすることができる。このため、製造を容易にすることができ、コストも下げることができる。
【0054】
この変形例によれば、特に第一熱伝導載置部材11と第二熱伝導載置部材12を容易に異なる材料とすることができる。このため、容易に、第二熱伝導載置部材12を第一熱伝導載置部材11よりも軽い材料から形成したり、第二熱伝導載置部材12を第一熱伝導載置部材11よりも重い材料から形成したりできる。また、容易に、第二熱伝導載置部材12を第一熱伝導載置部材11よりも放熱性の高い材料から形成したり、第二熱伝導載置部材12を第一熱伝導載置部材11よりも放熱性の低い材料から形成したりできる。このように異なる材料で第一熱伝導載置部材11と第二熱伝導載置部材12を製造することで、第一延在部31と第二延在部32を異なる材料で製造した場合の効果として説明したものと同様の効果を得ることができる。
【0055】
第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0056】
第2の実施の形態では、熱伝導載置部材10の構造が第1の実施の形態(変形例を含む。以下同様である。)と異なっている。第2の実施の形態において、その他の構成は、第1の実施の形態と略同一の態様となっている。
【0057】
図13に示すように、本実施の形態の第一熱伝導載置部材11は、第一電子部品100の一側方に設けられた第一基端部41と、第一基端部41から第二熱伝導載置部材12側に突出する第一突出部42を有している。第二熱伝導載置部材12は、第一電子部品100の他側方に設けられた第二基端部46と、第二基端部46から第一熱伝導載置部材11側に突出する第二突出部47を有している。
【0058】
図11及び
図12に示すように、第一熱伝導載置部材11は、第二基端部46と第二熱伝導載置部材12側の面(
図11及び
図12の第1方向側の面)で当接するとともに、第二突出部47と第1方向で重複する第一重複部43を有している。第二熱伝導載置部材12は、第一基端部41と第一熱伝導載置部材11側の面(
図11及び
図12の第1方向側の面)で当接するとともに、第一突出部42と第1方向で重複する第二重複部48を有している。なお、第一当接部21が第一基端部41及び第一重複部43を有しており、第二当接部22が第二基端部46及び第二重複部48を有している。
【0059】
本実施の形態のような態様を採用することで、第一熱伝導載置部材11及び第二熱伝導載置部材12を互いに容易に位置決めすることができる。
【0060】
図13に示すように、第一突出部42及び第二重複部48の各々に第一締結部材91の挿入される固定穴25aが設けられる、及び/又は、第二突出部47及び第一重複部43の各々に第二締結部材92の挿入される固定穴25bが設けられる態様を採用することで、必要な締結部材91,92の数を減らすことができる。このため、製造を容易にするとともにコストを削減することができる。
【0061】
また、固定穴25a,25bの直径を第一締結部材91及び第二締結部材92の直径に対して1.5倍〜2倍程度とすることで、製品にばらつきがあったとしてとしても(例えば100〜500μm程のばらつきがあったとしても)、第一熱伝導載置部材11と第二熱伝導載置部材12の相対的位置を変えることができ、調整することができる。このため、このように第一熱伝導載置部材11と第二熱伝導載置部材12の相対的位置を調整できることで、より確実に、第一熱伝導載置部材11及び第二熱伝導載置部材12で第一電子部品100を挟持することができる。この結果、良好な放熱性を得ることができる。また、固定穴25a,25bを第3方向に延びた長穴形状としてもよい。この場合にも、第一熱伝導載置部材11及び第二熱伝導載置部材12の相対位置を調整できる点で優れている。
【0062】
その他、本実施の形態でも、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。この点については、第1の実施の形態で説明したことから説明を省略する。
【0063】
第3の実施の形態
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0064】
第3の実施の形態では、熱伝導載置部材10の構造が第1の実施の形態及び第2の実施の形態と異なっている。第4の実施の形態において、その他の構成は、第3の実施の形態と略同一の態様となっている。
【0065】
図15(a)(b)に示すように、本実施の形態の第一熱伝導載置部材11及び第二熱伝導載置部材12の一方は、第一熱伝導載置部材11及び第二熱伝導載置部材12の他方と対向する面内において他方側に突出した嵌合突出部52を有している。第一熱伝導載置部材11及び第二熱伝導載置部材12の他方は、嵌合突出部52が挿入される嵌合凹部又は嵌合穴51を有している。
図13乃至
図15に示す態様では、第二熱伝導載置部材12が一対の嵌合突出部52を有し、第一熱伝導載置部材11が一対の嵌合穴51を有している態様であるが、これに限られることはなく、第一熱伝導載置部材11が一つ以上の嵌合突出部を有し、第二熱伝導載置部材12が一つ以上の嵌合凹部又は嵌合穴を有していてもよい。
【0066】
本実施の形態によれば、嵌合突出部52を嵌合凹部又は嵌合穴51に挿入するだけで、第一熱伝導載置部材11と第二熱伝導載置部材12とを固定するためのネジ等の締結部材(図示せず)を用いることなく、第一熱伝導載置部材11と第二熱伝導載置部材12とを互いに固定することができる。このため、必要な締結部材の数を減らすことができ、製造を容易にするとともにコストを削減することができる。
【0067】
その他、本実施の形態でも、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。この点については、第1の実施の形態及び第2の実施の形態で説明したことから説明を省略する。
【0068】
最後になったが、上述した各実施の形態の記載、変形例の記載及び図面の開示は、請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎず、上述した実施の形態の記載又は図面の開示によって特許請求の範囲に記載された発明が限定されることはない。