特許第6321928号(P6321928)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6321928
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】伸縮性積層体およびそれを含む物品
(51)【国際特許分類】
   B32B 25/10 20060101AFI20180423BHJP
【FI】
   B32B25/10
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-149237(P2013-149237)
(22)【出願日】2013年7月18日
(65)【公開番号】特開2015-20317(P2015-20317A)
(43)【公開日】2015年2月2日
【審査請求日】2016年4月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122471
【弁理士】
【氏名又は名称】籾井 孝文
(74)【代理人】
【識別番号】100121636
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌靖
(72)【発明者】
【氏名】生島 伸祐
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 立也
(72)【発明者】
【氏名】小豆澤 誠
【審査官】 松岡 美和
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−514178(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0177735(US,A1)
【文献】 特表2011−514391(JP,A)
【文献】 特表2009−539423(JP,A)
【文献】 特開平07−252762(JP,A)
【文献】 特表平06−502355(JP,A)
【文献】 特開2012−187857(JP,A)
【文献】 特表2012−521239(JP,A)
【文献】 特開2011−021300(JP,A)
【文献】 特開平09−300504(JP,A)
【文献】 特表2001−501883(JP,A)
【文献】 特表2005−511345(JP,A)
【文献】 特開2000−080553(JP,A)
【文献】 特開平10−165439(JP,A)
【文献】 特開平11−048410(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
A61F 13/15−13/84
A61L 15/16−15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エラストマー層の少なくとも一方の側に不織布層を有する伸縮性積層体であって、
該エラストマー層がオレフィン系エラストマーを含み、
該エラストマー層中のオレフィン系エラストマーの含有割合が95重量%〜100重量%であり、
該オレフィン系エラストマーのMFRが5.0g/10分〜25.0g/10分であり、
該エラストマー層が、中間層に2種以上のオレフィン系エラストマーがブレンドされた層、両表面層に中間層に含まれる該2種以上のオレフィン系エラストマーから選ばれる少なくとも1種と同じオレフィン系エラストマーが使用された3層構造であり、
ヒステリシス試験を4回行った後の永久ひずみが10%以下である、
伸縮性積層体。
【請求項2】
前記エラストマー層中のオレフィン系エラストマーの含有割合が98重量%〜100重量%である、請求項に記載の伸縮性積層体。
【請求項3】
前記永久ひずみが7%以下である、請求項1または2に記載の伸縮性積層体。
【請求項4】
前記永久ひずみが6%以下である、請求項に記載の伸縮性積層体。
【請求項5】
前記オレフィン系エラストマーの密度が0.890g/cm〜0.830g/cmである、請求項1からまでいずれかに記載の伸縮性積層体。
【請求項6】
前記オレフィン系エラストマーがα−オレフィン系エラストマーである、請求項1からまでのいずれかに記載の伸縮性積層体。
【請求項7】
前記α−オレフィン系エラストマーが、エチレン系エラストマー、プロピレン系エラストマー、1−ブテン系エラストマーから選ばれるいずれかである、請求項に記載の伸縮性積層体。
【請求項8】
前記α−オレフィン系エラストマーがプロピレン系エラストマーである、請求項に記載の伸縮性積層体。
【請求項9】
前記α−オレフィン系エラストマーがメタロセン触媒を用いて製造されたものである、請求項からまでのいずれかに記載の伸縮性積層体。
【請求項10】
請求項1からまでのいずれかに記載の伸縮性積層体を含む物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伸縮性積層体およびそれを含む物品に関する。
【背景技術】
【0002】
おむつやマスクなどの衛生用品等の物品には、種々の伸縮性積層体が提案されている(例えば、特許文献1、2など参照)。このような伸縮性積層体においては、様々な使用者個々に対して快適に適合する優れたフィット性を有することが重要である。
【0003】
しかし、従来の伸縮性積層体は、このようなフィット感が十分でないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−187857号公報
【特許文献2】特許第3830818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、優れたフィット性を有する伸縮性積層体を提供することにある。また、そのような伸縮性積層体を含む物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の伸縮性積層体は、
エラストマー層の少なくとも一方の側に不織布層を有する伸縮性積層体であって、
ヒステリシス試験を4回行った後の永久ひずみが10%以下である。
【0007】
好ましい実施形態においては、上記エラストマー層がオレフィン系エラストマーを含む。
【0008】
好ましい実施形態においては、上記オレフィン系エラストマーの密度が0.890g/cm〜0.830g/cmである。
【0009】
好ましい実施形態においては、上記オレフィン系エラストマーのMFRが5.0g/10分〜25.0g/10分である。
【0010】
好ましい実施形態においては、上記オレフィン系エラストマーがα−オレフィン系エラストマーである。
【0011】
好ましい実施形態においては、上記α−オレフィン系エラストマーが、エチレン系エラストマー、プロピレン系エラストマー、1−ブテン系エラストマーから選ばれるいずれかである。
【0012】
好ましい実施形態においては、上記α−オレフィン系エラストマーがプロピレン系エラストマーである。
【0013】
好ましい実施形態においては、上記α−オレフィン系エラストマーがメタロセン触媒を用いて製造されたものである。
【0014】
好ましい実施形態においては、上記オレフィン系エラストマーが2種以上のブレンドである。
【0015】
本発明の物品は、本発明の伸縮性積層体を含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の好ましい実施形態による伸縮性積層体の概略断面図である。
図2】本発明の好ましい実施形態による別の伸縮性積層体を示す概略図である。
図3】不織布上にホットメルト粘着剤が製造ラインの流れ方向にストライプ状にコーティングされた状態を上面から見た概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
≪≪伸縮性積層体≫≫
本発明の伸縮性積層体は、エラストマー層の少なくとも一方の側に不織布層を有する伸縮性積層体である。本発明の伸縮性積層体は、エラストマー層の少なくとも一方の側に不織布層を有する伸縮性積層体であれば、本発明の効果を損なわない範囲で、他の任意の適切な層を含んでいても良い。このような他の任意の適切な層は、1層のみでも良いし、2層以上でも良い。
【0018】
図1は、本発明の好ましい実施形態による伸縮性積層体の概略断面図である。図1に示す伸縮性積層体100は、エラストマー層10と該エラストマー層10の一方の側のみに設けられた不織布層20とを有する。エラストマー層10と不織布層20との間には、これら両者を接着するための材料が存在していても良い。このような材料としては、例えば、接着剤、粘着剤、ホットメルト粘着剤などが挙げられる。
【0019】
図2は、本発明の好ましい実施形態による別の伸縮性積層体の概略断面図である。図2に示す伸縮性積層体100は、エラストマー層10と該エラストマー層10の一方の側に設けられた不織布層20aと、該エラストマー層10の該不織布層20aの反対側に設けられた不織布層20bとを有する。エラストマー層10と不織布層20aとの間、および/または、エラストマー層10と不織布層20bとの間には、これら両者を接着するための材料が存在していても良い。このような材料としては、例えば、接着剤、粘着剤、ホットメルト粘着剤などが挙げられる。
【0020】
本発明の伸縮性積層体は、ヒステリシス試験を4回行った後の永久ひずみが10%以下であり、好ましくは9%以下であり、より好ましくは8%以下であり、さらに好ましくは7%以下であり、特に好ましくは6%以下である。ヒステリシス試験を4回行った後の永久ひずみが上記範囲内に収まることにより、弾性回復性に優れ、使用者が伸張させた後に伸縮した場合のひずみが少なくなり、優れたフィット性を有する伸縮性積層体を提供することが可能となる。なお、ヒステリシス試験の詳細については後述する。
【0021】
本発明の伸縮性積層体の厚みは、エラストマー層の厚みや、不織布層の厚みによって左右されるが、好ましくは1.0mm〜0.1mmであり、より好ましくは0.8mm〜0.15mmであり、さらに好ましくは0.6mm〜0.15mmであり、特に好ましくは0.5mm〜0.2mmであり、最も好ましくは0.45mm〜0.2mmである。本発明の伸縮性積層体の厚みがこのような範囲に収まることにより、おむつやマスクなどの衛生用品等の物品に用いる部材として用いやすくなる。
【0022】
≪エラストマー層≫
エラストマー層としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なエラストマー層を採用し得る。このようなエラストマー層の主成分となるエラストマー樹脂としては、例えば、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、塩ビ系エラストマー、ウレタン系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー等が挙げられる。
【0023】
エラストマー層中の、主成分となるエラストマー樹脂の含有割合は、好ましくは50重量%〜100重量%であり、より好ましくは70重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは90重量%〜100重量%であり、特に好ましくは95重量%〜100重量%であり、最も好ましくは98重量%〜100重量%である。エラストマー層中の、主成分となるエラストマー樹脂の含有割合が上記範囲内に収まることによって、エラストマー層が十分なエラストマー特性を発現できる。
【0024】
エラストマー層は、1層であっても良いし、2層以上であっても良い。
【0025】
本発明においては、エラストマー層中の主成分となるエラストマー樹脂としては、好ましくは、オレフィン系エラストマーである。エラストマー樹脂としてオレフィン系エラストマーを採用することにより、他のエラストマー樹脂(例えば、スチレン系エラストマー)に比べて熱安定性が向上し、例えば、本発明の伸縮性積層体を製造する際の成膜時の熱劣化を抑制することが可能となる。また、エラストマー樹脂としてオレフィン系エラストマーを採用することにより、他のエラストマー樹脂(例えば、スチレン系エラストマー)に比べて保存安定性が向上し、本発明の伸縮性積層体を保存している間における物性値の変動を抑制することが可能となる。
【0026】
また、本発明において、エラストマー樹脂としてオレフィン系エラストマーを採用すると、エラストマー層の製造における工程が簡素化でき、加工費の抑制が可能となる。これは、例えば、エラストマー樹脂として他のエラストマー樹脂(例えば、スチレン系エラストマー)を採用する場合には、物性値をコントロールするために数種類のスチレン系エラストマーをブレンドする必要があり、このためにマスターバッチを作製する必要がある。エラストマー樹脂としてオレフィン系エラストマーを採用すると、エラストマー層の製造において用いる樹脂の種類を少なくして押出成形することが可能となり、マスターバッチを作製する必要がなくなり得る。
【0027】
本発明において、エラストマー樹脂としてオレフィン系エラストマーを採用する場合、該オレフィン系エラストマーは、1種のみであっても良いし、2種以上のブレンドであっても良い。
【0028】
オレフィン系エラストマーとしては、例えば、オレフィンブロックコポリマー、オレフィンランダムコポリマー、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマー、エチレンオレフィンブロックコポリマー、プロピレンオレフィンブロックコポリマー、エチレンオレフィンランダムコポリマー、プロピレンオレフィンランダムコポリマー、エチレンプロピレンランダムコポリマー、エチレン(1−ブテン)ランダムコポリマー、エチレン(1−ペンテン)オレフィンブロックコポリマー、エチレン(1−ヘキセン)ランダムコポリマー、エチレン(1−ヘプテン)オレフィンブロックコポリマー、エチレン(1−オクテン)オレフィンブロックコポリマー、エチレン(1−ノネン)オレフィンブロックコポリマー、エチレン(1−デセン)オレフィンブロックコポリマー、プロピレンエチレンオレフィンブロックコポリマー、エチレン(α−オレフィン)コポリマー、エチレン(α−オレフィン)ランダムコポリマー、エチレン(α−オレフィン)ブロックコポリマー、またはこれらの組み合わせ、などが挙げられる。
【0029】
本発明において、エラストマー樹脂として採用し得るオレフィン系エラストマーとしては、その密度が、好ましくは0.890g/cm〜0.830g/cmであり、より好ましくは0.888g/cm〜0.835g/cmであり、さらに好ましくは0.886g/cm〜0.835g/cmであり、特に好ましくは0.885g/cm〜0.840g/cmであり、最も好ましくは0.885g/cm〜0.845g/cmである。密度が上記範囲に収まるオレフィン系エラストマーを採用することにより、より優れたフィット性を有する伸縮性積層体を提供することが可能となるとともに、他のエラストマー樹脂(例えば、スチレン系エラストマー)に比べて熱安定性がより向上し、例えば、本発明の伸縮性積層体を製造する際の成膜時の熱劣化をより抑制することが可能となり、また、他のエラストマー樹脂(例えば、スチレン系エラストマー)に比べて保存安定性がより向上し、本発明の伸縮性積層体を保存している間における物性値の変動をより抑制することが可能となり、さらに、エラストマー層の製造における工程がより簡素化でき、加工費の一層の抑制が可能となる。
【0030】
本発明において、エラストマー樹脂として採用し得るオレフィン系エラストマーとしては、そのMFRが、好ましくは5.0g/10分〜25.0g/10分であり、より好ましくは5.0g/10分〜23.0g/10分であり、さらに好ましくは5.0g/10分〜21.0g/10分であり、特に好ましくは5.0g/10分〜20.0g/10分であり、最も好ましくは5.0g/10分〜19.0g/10分である。MFRが上記範囲に収まるオレフィン系エラストマーを採用することにより、より優れたフィット性を有する伸縮性積層体を提供することが可能となるとともに、他のエラストマー樹脂(例えば、スチレン系エラストマー)に比べて熱安定性がより向上し、例えば、本発明の伸縮性積層体を製造する際の成膜時の熱劣化をより抑制することが可能となり、また、他のエラストマー樹脂(例えば、スチレン系エラストマー)に比べて保存安定性がより向上し、本発明の伸縮性積層体を保存している間における物性値の変動をより抑制することが可能となり、さらに、エラストマー層の製造における工程がより簡素化でき、加工費の一層の抑制が可能となる。
【0031】
本発明において、エラストマー樹脂として採用し得るオレフィン系エラストマーとしては、具体的には、好ましくは、α−オレフィン系エラストマーである。すなわち、2種以上のα−オレフィンの共重合体であって、エラストマー特性を有するものである。このようなα−オレフィン系エラストマーの中でも、より好ましくは、エチレン系エラストマー、プロピレン系エラストマー、1−ブテン系エラストマーから選ばれるいずれかである。このようなα−オレフィン系エラストマーをオレフィン系エラストマーとして採用することにより、より優れたフィット性を有する伸縮性積層体を提供することが可能となるとともに、他のエラストマー樹脂(例えば、スチレン系エラストマー)に比べて熱安定性がより向上し、例えば、本発明の伸縮性積層体を製造する際の成膜時の熱劣化をより抑制することが可能となり、また、他のエラストマー樹脂(例えば、スチレン系エラストマー)に比べて保存安定性がより向上し、本発明の伸縮性積層体を保存している間における物性値の変動をより抑制することが可能となり、さらに、エラストマー層の製造における工程がより簡素化でき、加工費の一層の抑制が可能となる。
【0032】
本発明においては、エラストマー樹脂として採用し得るα−オレフィン系エラストマーの中でも、特に、プロピレン系エラストマーが好ましい。プロピレン系エラストマーをオレフィン系エラストマーとして採用することにより、非常に優れたフィット性を有する伸縮性積層体を提供することが可能となるとともに、他のエラストマー樹脂(例えば、スチレン系エラストマー)に比べて熱安定性がより一層向上し、例えば、本発明の伸縮性積層体を製造する際の成膜時の熱劣化をより一層抑制することが可能となり、また、他のエラストマー樹脂(例えば、スチレン系エラストマー)に比べて保存安定性がより一層向上し、本発明の伸縮性積層体を保存している間における物性値の変動をより一層抑制することが可能となり、さらに、エラストマー層の製造における工程がより一層簡素化でき、加工費のより一層の抑制が可能となる。
【0033】
上記のようなα−オレフィン系エラストマーとしては、市販品として入手することも可能である。このような市販品としては、例えば、三井化学株式会社製の「タフマー」(登録商標)シリーズの中のいくつか(例えば、タフマーPN−3560等)、エクソンモービル社製の「ビスタマックス(Vistamaxx)」(登録商標)シリーズの中のいくつか(例えば、ビスタマックス6202、ビスタマックス3980FL等)が挙げられる。
【0034】
本発明において、エラストマー樹脂として採用し得るα−オレフィン系エラストマーは、好ましくは、メタロセン触媒を用いて製造されたものである。メタロセン触媒を用いて製造されたα−オレフィン系エラストマーは、非常に優れたフィット性を有する伸縮性積層体を提供することが可能となるとともに、他のエラストマー樹脂(例えば、スチレン系エラストマー)に比べて熱安定性がより一層向上し、例えば、本発明の伸縮性積層体を製造する際の成膜時の熱劣化をより一層抑制することが可能となり、また、他のエラストマー樹脂(例えば、スチレン系エラストマー)に比べて保存安定性がより一層向上し、本発明の伸縮性積層体を保存している間における物性値の変動をより一層抑制することが可能となり、さらに、エラストマー層の製造における工程がより一層簡素化でき、加工費のより一層の抑制が可能となる。
【0035】
エラストマー層は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の成分を含んでよい。このような他の成分としては、例えば、他のポリマー、粘着付与剤、可塑剤、劣化防止剤、顔料、染料、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、発泡剤、熱安定化剤、光安定化剤、無機フィラー、有機フィラーなどが挙げられる。これらは、1種のみであっても、2種以上であっても良い。エラストマー層中の他の成分の含有割合は、好ましくは10重量%以下であり、より好ましくは7重量%以下であり、さらに好ましくは5重量%以下であり、特に好ましくは2重量%以下であり、最も好ましくは1重量%以下である。
【0036】
エラストマー層の厚みは、好ましくは200μm〜20μmであり、より好ましくは160μm〜30μmであり、さらに好ましくは140μm〜30μmであり、特に好ましくは120μm〜30μmであり、最も好ましくは100μm〜30μmである。エラストマー層の厚みがこのような範囲に収まることにより、より優れたフィット性を有する伸縮性積層体を提供することが可能となる。
【0037】
本発明において、エラストマー層は3層構造であることが好ましく、より具体的には、中間層に2種以上のオレフィン系エラストマーがブレンドされた層、両表面層に中間層に含まれるオレフィン系エラストマーと同じ種類のオレフィン系エラストマーの1種が使用された3層構造であることが好ましい。
【0038】
≪不織布層≫
不織布層としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な不織布層を採用し得る。不織布層を構成する不織布は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
【0039】
不織布層を構成する不織布としては、例えば、スパンボンド不織ウェブ、毛羽立ち不織布(例えば、サーマルボンド法、接着接合法、スパンレース法により得られる不織布)、メルトブロー不織ウェブ、スパンレース不織ウェブ、スパンボンドメルトブロースパンボンド不織ウェブ、スパンボンドメルトブローメルトブロースパンボンド不織ウェブ、非接合不織ウェブ、エレクトロスパン不織ウェブ、フラッシュスパン不織ウェブ(例えば、DuPont社のTYVEKTM)、カーデッド不織布などが挙げられる。
【0040】
不織布層を構成する不織布は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、エラストマー、レーヨン、セルロース、アクリル、それらのコポリマー、またはそれらのブレンド、またはそれらの混合物などのポリオレフィンの繊維を含んでいても良い。
【0041】
不織布層を構成する不織布は、均一な構造体である繊維を含んでもよく、シース/コア、サイドーバイーサイド、海島構造、および他の二成分構造などの、二成分構造体を含んでもよい。不織布の詳細な説明に関しては、例えば、「Nonwoven Fabric Primer and Reference Sampler」、E.A.Vaughn、Association of the Nonwoven Fabrics Industry、第3版(1992)を参照することができる。
【0042】
不織布層を構成する不織布の坪量は、好ましくは150gsm以下であり、より好ましくは100gsm以下であり、さらに好ましくは50gsm以下であり、特に好ましくは10gsm〜30gsmである。
【0043】
≪本発明の伸縮性積層体の製造≫
本発明の伸縮性積層体を製造するにあたっては、エラストマー層と不織布層とが直接積層されている場合(例えば、図1、2の場合)には、エラストマー層と不織布層とを貼り合わせることが必要となる。このような貼り合わせの方法としては、例えば、(1)押出機のTダイから押し出して形成したエラストマー層と、別途ロール体から引き出した不織布層とをラミネートする方法、(2)エラストマー層と不織布層とを同時押出ラミネートする方法、(3)それぞれ別途に準備したエラストマー層と不織布層とを接着剤によって接着する方法、(4)任意の適切な方法で形成させたエラストマー層上にメルトブロウン法などで不織布層を形成する方法、(5)エラストマー層と不織布層との熱ラミネート、超音波溶接などが挙げられる。
【0044】
エラストマー層と不織布層との貼り合わせには、ホットメルト粘着剤を用いても良い。ホットメルト粘着剤を用いると、エラストマー層の成分として粘着付与剤を添加する必要性が低くなり、例えば、押出安定性が向上し、粘着付与剤が成形ロールに付着する問題を抑制でき、粘着付与剤に起因する揮発分汚染などによる製造ライン汚染の問題を抑制できる。
【0045】
エラストマー層と不織布層との貼り合わせにホットメルト粘着剤を用いる場合、例えば、上記の(1)の方法を適用すると、別途ロール体から引き出した不織布層上に、エラストマー層とラミネートする前に、ホットメルト粘着剤をコーティングすれば良い。
【0046】
エラストマー層と不織布層との貼り合わせにホットメルト粘着剤を用いる場合、該ホットメルト粘着剤は、不織布層上の全面にコーティングされる必要はなく、例えば、図3に示すように、製造ラインの流れ方向に、不織布層20上にストライプ状にホットメルト粘着剤30をコーティングしたり、ドット状に塗布したりすれば良い。ストライプ状にホットメルト粘着剤をコーティングすることにより、ホットメルト粘着剤の存在する箇所と存在しない箇所とがストライプ状に形成されるため、特に該ストライプと直交する方向(図3の矢印の方向)において、伸縮性積層体の伸縮性がより向上し得る。
【0047】
本発明の伸縮積層体は、エラストマー層と不織布層とを積層後、予備延伸や活性化処理と称する処理を行うことができる。具体的には、伸縮積層体の幅方向に延伸処理を行ったり、不織布層の一部領域の繊維構造を機械的に破壊する処理を行ったりすることができる。かかる処理を行うことで、伸縮積層体をより小さい力で引き延ばすことができるようになる。
【0048】
≪本発明の伸縮性積層体の用途≫
本発明の伸縮性積層体は、本発明の効果を有効に利用できる任意の適切な物品に用いることができる。すなわち、本発明の物品は、本発明の伸縮性積層体を含む。このような物品としては、代表的には、例えば、衛生用品などが挙げられる。このような衛生用品としては、例えば、おむつ(特に、使い捨ておむつのイヤー部分)、サポーター、マスクなどが挙げられる。
【実施例】
【0049】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。なお、実施例等における、試験および評価方法は以下のとおりである。また、特に断りがない限り、部は重量部を意味し、%は重量%を意味する。
【0050】
(密度の測定)
樹脂の密度(g/cm)は、ASTM D1505に準拠して測定された値とした。
【0051】
(MFRの測定)
MFR(g/10min)は、ASTM D1238に準拠して測定された値とした。
【0052】
(ヒステリシス試験:永久ひずみの測定方法)
伸縮性積層体をフィルム流れ方向(MD)と垂直方向(CD)が長辺となるよう幅30mm、長さ10cmに切断した。
得られた伸縮性積層体をゴム板でチャック間距離50mmになるよう引張試験機(島津製作所製:AG−IS 50kN)にセットし、引張速度300mm/min、移動距離50mm(100%伸長)にて予備延伸工程を実施した(50mm移動後、直ぐにチェック間を50mm戻した。このとき、伸縮性積層体には永久ひずみ分のたるみが生じている状態となっている)。
次いで、同一測定条件にてチャック間を少しずつ広げ、ロードセルで応力を感知できる(0.1N/30mmに到達する点)点までチャックを移動させ永久ひずみ量分のたるみを調整した(このときの移動量を永久ひずみ:Xとする)。
0.1N/30mmの地点をゼロ点とし、再度50mmの移動距離で伸長試験を行い(50mm移動後、直ぐにチェック間を50mm戻した)1回目の測定を実施し、前記と同様にして1回目測定後の永久ひずみ(X)を測定した。この作業を計4回繰り返した。
前記と同様にして各回での永久ひずみ(X、X、X)を測定した。
上記にて得られたデータから、「ヒステリシス試験を4回行った後の永久ひずみ」を下記の計算式に基づき算出した。
〔(X+X+X+X)/50〕×100(%)
なお、伸縮積層体が、製造工程等で予備延伸工程(活性化工程)を経ている場合は、ヒステリシス試験における予備延伸工程は不要として測定する。
【0053】
(フィット感評価)
伸縮性積層体をフィルム流れ方向(MD)と垂直方向(CD)となるようにオムツサイド用伸縮体へ組み付け(オムツ本体側接着幅7cm、サイドテープ側幅4cmの台形型)、実際の使用環境に合わせ、繰り返し貼り付け性を評価した。4回連続で同位置への貼り直し作業を行い、フィルム伸長が発生して緩みを感じた場合を×、感じない場合を○とした。
【0054】
(耐熱性評価)
伸縮性積層体を、室温下ならびに40℃、相対湿度92%の環境下に1週間保存し、ヒステリシス試験と同一のサンプル形状・同一試験機・同一チャック間距離にて引張速度300mm/minにて破断まで測定した。200%伸長時の強度を測定し、室温保存品と比較し、強度が10%以上低下したものを×とした。
【0055】
(成形条件)
実施例および比較例において、2種3層(A層/B層/A層)押し出しTダイ成形機を用いてエラストマー層(以下、弾性フィルムとも称す)を押出成形した。その押出温度は以下の条件にて実施した。
A層:200℃
B層:200℃
ダイス温度:200℃
押出された弾性フィルムはロール上にてホットメルト粘着剤をストライプ状(粘着剤層の幅:1mm、間隔:1mm)に塗布された不織布と両面を貼り合わされ、伸縮性積層体を得た。
【0056】
(成形時耐熱性評価)
上記成形条件にて成形した際にTダイのダイスリップ部に目やにと呼ばれる樹脂劣化物が発生したものを×、発生していないものを○とした。
【0057】
〔実施例1〕
オレフィン系樹脂(エクソンモービル社製、商品名:ビスタマックス6202、密度=0.861g/cm、MFR=18.0g/10min)100重量%を押出機のA層に、オレフィン系樹脂(エクソンモービル社製、商品名:ビスタマックス6202、密度=0.861g/cm、MFR=18.0g/10min)67重量%、オレフィン系樹脂(三井化学株式会社製、商品名:タフマーPN−3560、密度=0.866g/cm、MFR=6.0g/10min)30重量%、白色顔料(酸化チタン、Dupont製、商品名:Ti−Pure R103)3重量%を配合したものを押出機のB層に投入し、A層/B層/A層=9μm/42μm/9μm、計60μmの弾性フィルムを押し出した。
次に、SIS系ホットメルト粘着剤(ベントバンチェリック製、商品名AC280)をストライプ状(粘着剤層の幅:1mm、間隔:1mm)に塗布(30g/m)した不織布(PPカーデッドタイプ、坪量24gsm)を、押し出された弾性フィルムの冷却ロール上で弾性フィルムの両面にラミネーションし、伸縮性積層体(1)を得た。
結果を表1に示した。
【0058】
〔実施例2〕
オレフィン系樹脂(エクソンモービル社製、商品名:ビスタマックス6202、密度=0.861g/cm、MFR=18.0g/10min)100重量%を押出機のA層に、オレフィン系樹脂(エクソンモービル社製、商品名:ビスタマックス6202、密度=0.861g/cm、MFR=18.0g/10min)67重量%、オレフィン系樹脂(三井化学株式会社製、商品名:タフマーPN−3560、密度=0.866g/cm、MFR=6.0g/10min)30重量%、白色顔料(酸化チタン、Dupont製、商品名:Ti−Pure R103)3重量%を配合したものを押出機のB層に投入し、A層/B層/A層=6.75μm/31.5μm/6.75μm、計45μmの弾性フィルムを押し出した。
次に、SIS系ホットメルト粘着剤(ベントバンチェリック製、商品名AC280)をストライプ状(粘着剤層の幅:1mm、間隔:1mm)に塗布(30g/m)した不織布(PPカーデッドタイプ、坪量24gsm)を、押し出された弾性フィルムの冷却ロール上で弾性フィルムの両面にラミネーションし、伸縮性積層体(2)を得た。
結果を表1に示した。
【0059】
〔実施例3〕
オレフィン系樹脂(エクソンモービル社製、商品名:ビスタマックス6202、密度=0.861g/cm、MFR=18.0g/10min)100重量%を押出機のA層に、オレフィン系樹脂(エクソンモービル社製、商品名:ビスタマックス6202、密度=0.861g/cm、MFR=18.0g/10min)47重量%、オレフィン系樹脂(三井化学株式会社製、商品名:タフマーPN−3560、密度=0.866g/cm、MFR=6.0g/10min)50重量%、白色顔料(酸化チタン、Dupont製、商品名:Ti−Pure R103)3重量%を配合したものを押出機のB層に投入し、A層/B層/A層=9μm/42μm/9μm、計60μmの弾性フィルムを押し出した。
次に、SIS系ホットメルト粘着剤(ベントバンチェリック製、商品名AC280)をストライプ状(粘着剤層の幅:1mm、間隔:1mm)に塗布(30g/m)塗布した不織布(PPカーデッドタイプ、坪量24gsm)を、押し出された弾性フィルムの冷却ロール上で弾性フィルムの両面にラミネーションし、伸縮性積層体(3)を得た。
結果を表1に示した。
【0060】
〔実施例4〕
オレフィン系樹脂(エクソンモービル社製、商品名:ビスタマックス6202、密度=0.861g/cm、MFR=18.0g/10min)100重量%を押出機のA層に、オレフィン系樹脂(エクソンモービル社製、商品名:ビスタマックス6202、密度=0.861g/cm、MFR=18.0g/10min)27重量%、オレフィン系樹脂(三井化学株式会社製、商品名:タフマーPN−3560、密度=0.866g/cm、MFR=6.0g/10min)70重量%、白色顔料(酸化チタン、Dupont製、商品名:Ti−Pure R103)3重量%を配合したものを押出機のB層に投入し、A層/B層/A層=9μm/42μm/9μm、計60μmの弾性フィルムを押し出した。
次に、SIS系ホットメルト粘着剤(ベントバンチェリック製、商品名AC280)をストライプ状(粘着剤層の幅:1mm、間隔:1mm)に塗布(30g/m)した不織布(PPカーデッドタイプ、坪量24gsm)を、押し出された弾性フィルムの冷却ロール上で弾性フィルムの両面にラミネーションし、伸縮性積層体(4)を得た。
結果を表1に示した。
【0061】
〔実施例5〕
オレフィン系樹脂(エクソンモービル社製、商品名:ビスタマックス6202、密度=0.861g/cm、MFR=18.0g/10min)67重量%、オレフィン系樹脂(三井化学株式会社製、商品名:タフマーPN−3560、密度=0.866g/cm、MFR=6.0g/10min)30重量%、白色顔料(酸化チタン、Dupont製、商品名:Ti−Pure R103)3重量%を配合したものを、押出機のA層、B層に投入し、A層/B層/A層=9μm/42μm/9μm、計60μmの弾性フィルムを押し出した。
次に、SIS系ホットメルト粘着剤(ベントバンチェリック製、商品名AC280)をストライプ状(粘着剤層の幅:1mm、間隔:1mm)に塗布(30g/m)した不織布(PPカーデッドタイプ、坪量24gsm)を、押し出された弾性フィルムの冷却ロール上で弾性フィルムの両面にラミネーションし、伸縮性積層体(5)を得た。
結果を表1に示した。
【0062】
〔実施例6〕
オレフィン系樹脂(エクソンモービル社製、商品名:ビスタマックス6202、密度=0.861g/cm、MFR=18.0g/10min、)27重量%、オレフィン系樹脂(三井化学株式会社製、商品名:タフマーPN−3560、密度=0.866g/cm、MFR=6.0g/10min、)70重量%、白色顔料(酸化チタン、Dupont製、商品名:Ti−Pure R103)3重量%を配合したものを、押出機のA層、B層に投入し、A層/B層/A層=9μm/42μm/9μm、計60μmの弾性フィルムを押し出した。
次に、SIS系ホットメルト粘着剤(ベントバンチェリック製、商品名AC280)をストライプ状(粘着剤層の幅:1mm、間隔:1mm)に塗布(30g/m)した不織布(PPカーデッドタイプ、坪量24gsm)を、押し出された弾性フィルムの冷却ロール上で弾性フィルムの両面にラミネーションし、伸縮性積層体(6)を得た。
結果を表1に示した。
【0063】
〔実施例7〕
オレフィン系樹脂(エクソンモービル社製、商品名:ビスタマックス6202、密度=0.861g/cm、MFR=18.0g/10min)100重量%を押出機のA層に、オレフィン系樹脂(エクソンモービル社製、商品名:ビスタマックス6202、密度=0.861g/cm、MFR=18.0g/10min)67重量%、オレフィン系樹脂(エクソンモービル社製、商品名:ビスタマックス3980FL、密度=0.879g/cm、MFR=8.3g/10min)30重量%、白色顔料(酸化チタン、Dupont製、商品名:Ti−Pure R103)3重量%を配合したものを押出機のB層に投入し、A層/B層/A層=9μm/42μm/9μm、計60μmの弾性フィルムを押し出した。
次に、SIS系ホットメルト粘着剤(ベントバンチェリック製、商品名AC280)をストライプ状(粘着剤層の幅:1mm、間隔:1mm)に塗布(30g/m)した不織布(PPカーデッドタイプ、坪量24gsm)を、押し出された弾性フィルムの冷却ロール上で弾性フィルムの両面にラミネーションし、伸縮性積層体(7)を得た。
結果を表1に示した。
【0064】
〔実施例8〕
オレフィン系樹脂(エクソンモービル社製、商品名:ビスタマックス6202、密度=0.861g/cm、MFR=18.0g/10min)100重量%を押出機のA層に、オレフィン系樹脂(エクソンモービル社製、商品名:ビスタマックス6202、密度=0.861g/cm、MFR=18.0g/10min)67重量%、オレフィン系樹脂(エクソンモービル社製、商品名:ビスタマックス3980FL、密度=0.879g/cm、MFR=8.3g/10min)30重量%、白色顔料(酸化チタン、Dupont製、商品名:Ti−Pure R103)3重量%を配合したものを押出機のB層に投入し、A層/B層/A層=6.75μm/31.5μm/6.75μm、計45μmの弾性フィルムを押し出した。
次に、SIS系ホットメルト粘着剤(ベントバンチェリック製、商品名AC280)をストライプ状(粘着剤層の幅:1mm、間隔:1mm)に塗布(30g/m)した不織布(PPカーデッドタイプ、坪量24gsm)を、押し出された弾性フィルムの冷却ロール上で弾性フィルムの両面にラミネーションし、伸縮性積層体(8)を得た。
結果を表1に示した。
【0065】
〔実施例9〕
SIS系樹脂(日本ゼオン株式会社製、商品名:クインタック3390、スチレン含有量=48%、MFR=15.0g/10min)97重量%、白色顔料(酸化チタン、Dupont製、商品名:Ti−Pure R103)3重量%を配合したものを、押出機のA層、B層に投入し、A層/B層/A層=9μm/42μm/9μm、計60μmの弾性フィルムを押し出した。
次に、SIS系ホットメルト粘着剤(ベントバンチェリック製、商品名AC280)をストライプ状(粘着剤層の幅:1mm、間隔:1mm)に塗布(30g/m)した不織布(PPカーデッドタイプ、坪量24gsm)を、押し出された弾性フィルムの冷却ロール上で弾性フィルムの両面にラミネーションし、伸縮性積層体(9)を得た。
結果を表2に示した。
【0066】
〔実施例10〕
SIS系樹脂(日本ゼオン株式会社製、商品名:クインタック3620、スチレン含有量=14%、MFR=9.0g/10min)97重量%、白色顔料(酸化チタン、Dupont製、商品名:Ti−Pure R103)3重量%を配合したものを、押出機のA層、B層に投入し、A層/B層/A層=9μm/42μm/9μm、計60μmの弾性フィルムを押し出した。
次に、SIS系ホットメルト粘着剤(ベントバンチェリック製、商品名AC280)をストライプ状(粘着剤層の幅:1mm、間隔:1mm)に塗布(30g/m)した不織布(PPカーデッドタイプ、坪量24gsm)を、押し出された弾性フィルムの冷却ロール上で弾性フィルムの両面にラミネーションし、伸縮性積層体(10)を得た。
結果を表2に示した。
【0067】
〔実施例11〕
SEBS系樹脂(旭化成ケミカルズ製、商品名:タフテックH1041、スチレン含有量=30%、MFR=5.0g/10min)97重量%、白色顔料(酸化チタン、Dupont製、商品名:Ti−Pure R103)3重量%を配合したものを、押出機のA層、B層に投入し、A層/B層/A層=9μm/42μm/9μm、計60μmの弾性フィルムを押し出した。
次に、SIS系ホットメルト粘着剤(ベントバンチェリック製、商品名AC280)をストライプ状(粘着剤層の幅:1mm、間隔:1mm)に塗布(30g/m)した不織布(PPカーデッドタイプ、坪量24gsm)を、押し出された弾性フィルムの冷却ロール上で弾性フィルムの両面にラミネーションし、伸縮性積層体(11)を得た。
結果を表2に示した。
【0068】
〔比較例1〕
SEBS系樹脂(JSR製、商品名:ダイナロン8600P、スチレン含有量=15%、MFR=30.0g/10min)97重量%、白色顔料(酸化チタン、Dupont製、商品名:Ti−Pure R103)3重量%を配合したものを、押出機のA層、B層に投入し、A層/B層/A層=9μm/42μm/9μm、計60μmの弾性フィルムを押し出した。
次に、SIS系ホットメルト粘着剤(ベントバンチェリック製、商品名AC280)をストライプ状(粘着剤層の幅:1mm、間隔:1mm)に塗布(30g/m)した不織布(PPカーデッドタイプ、坪量24gsm)を、押し出された弾性フィルムの冷却ロール上で弾性フィルムの両面にラミネーションし、伸縮性積層体(C1)を得た。
結果を表2に示した。
【0069】
〔比較例2〕
SEBS系樹脂(旭化成ケミカルズ製、商品名:タフテックH1051、スチレン含有量=67%、MFR=2.0g/10min)97重量%、白色顔料(酸化チタン、Dupont製、商品名:Ti−Pure R103)3重量%を配合したものを、押出機のA層、B層に投入し、A層/B層/A層=9μm/42μm/9μm、計60μmの弾性フィルムを押し出した。
次に、SIS系ホットメルト粘着剤(ベントバンチェリック製、商品名AC280)をストライプ状(粘着剤層の幅:1mm、間隔:1mm)に塗布(30g/m)した不織布(PPカーデッドタイプ、坪量24gsm)を、押し出された弾性フィルムの冷却ロール上で弾性フィルムの両面にラミネーションし、伸縮性積層体(C2)を得た。
結果を表2に示した。
【0070】
〔比較例3〕
オレフィン系樹脂(日本ポリプロ製、商品名:ウィンテックWFX4、密度=0.900g/cm、MFR=7.0g/10min)97重量%、白色顔料(酸化チタン、Dupont製、商品名:Ti−Pure R103)3重量%を配合したものを、押出機のA層、B層に投入し、A層/B層/A層=9μm/42μm/9μm、計60μmの弾性フィルムを押し出した。
次に、SIS系ホットメルト粘着剤(ベントバンチェリック製、商品名AC280)をストライプ状(粘着剤層の幅:1mm、間隔:1mm)に塗布(30g/m)した不織布(PPカーデッドタイプ、坪量24gsm)を、押し出された弾性フィルムの冷却ロール上で弾性フィルムの両面にラミネーションし、伸縮性積層体(C3)を得た。
結果を表2に示した。
【0071】
〔比較例4〕
オレフィン系樹脂(日本ポリプロ製、商品名:ウェルネックス RFGV4A、密度=0.890g/cm、MFR=6.0g/10min)97重量%、白色顔料(酸化チタン、Dupont製、商品名:Ti−Pure R103)3重量%を配合したものを、押出機のA層、B層に投入し、A層/B層/A層=9μm/42μm/9μm、計60μmの弾性フィルムを押し出した。
次に、SIS系ホットメルト粘着剤(ベントバンチェリック製、商品名AC280)をストライプ状(粘着剤層の幅:1mm、間隔:1mm)に塗布(30g/m)した不織布(PPカーデッドタイプ、坪量24gsm)を、押し出された弾性フィルムの冷却ロール上で弾性フィルムの両面にラミネーションし、伸縮性積層体(C4)を得た。
結果を表2に示した。
【0072】
〔比較例5〕
EVA系樹脂(三井デュポン製、商品名:エバフレックスP−1007、密度=930g/cm、MFR=9.0g/10min:JIS K7210−1999 190℃、2.16kg重)97重量%、白色顔料(酸化チタン、Dupont製、商品名:Ti−Pure R103)3重量%を配合したものを、押出機のA層、B層に投入し、A層/B層/A層=9μm/42μm/9μm、計60μmの弾性フィルムを押し出した。
次に、SIS系ホットメルト粘着剤(ベントバンチェリック製、商品名AC280)をストライプ状(粘着剤層の幅:1mm、間隔:1mm)に塗布(30g/m)した不織布(PPカーデッドタイプ、坪量24gsm)を、押し出された弾性フィルムの冷却ロール上で弾性フィルムの両面にラミネーションし、伸縮性積層体(C5)を得た。
結果を表2に示した。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の伸縮性積層体は、本発明の効果を有効に利用できる任意の適切な物品に用いることができる。すなわち、本発明の物品は、本発明の伸縮性積層体を含む。このような物品としては、代表的には、例えば、衛生用品などが挙げられる。このような衛生用品としては、例えば、おむつ(特に、使い捨ておむつのイヤー部分)、サポーター、マスクなどが挙げられる。
【符号の説明】
【0076】
100 伸縮性積層体
10 エラストマー層
20 不織布層
20a 不織布層
20b 不織布層
30 ホットメルト粘着剤
図1
図2
図3