(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6321931
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】両面印刷のための連結カード
(51)【国際特許分類】
B42D 15/02 20060101AFI20180423BHJP
B42D 15/04 20060101ALI20180423BHJP
B42D 15/00 20060101ALI20180423BHJP
B31D 1/00 20170101ALN20180423BHJP
【FI】
B42D15/02 521
B42D15/02 501A
B42D15/04 B
B42D15/00 341B
!B31D1/00
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-187510(P2013-187510)
(22)【出願日】2013年9月10日
(65)【公開番号】特開2015-54415(P2015-54415A)
(43)【公開日】2015年3月23日
【審査請求日】2016年8月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】390027203
【氏名又は名称】株式会社中川製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100119404
【弁理士】
【氏名又は名称】林 直生樹
(74)【代理人】
【識別番号】100072453
【弁理士】
【氏名又は名称】林 宏
(72)【発明者】
【氏名】一色 譲
【審査官】
谷垣 圭二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−017541(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 15/00−15/04
B31D 1/00− 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の両面印刷用の単位カードを切れ目線を介して連結してなる連結カードであって、
表裏2枚の印刷用シート基材の全面を接着糊を介して相互に接着することにより構成され、
上記接着糊を介して接着した2枚のシート基材には、その両表面側から中間の接着糊層に届くように、上記多数の単位カードに分離するための切れ目線を切設して、それらの単位カードが接着糊層において相互に連結されているものとし、
上記接着糊は、常温において硬化し、プリンターによる印刷時には上記切れ目線において折損しないが、常温における上記切れ目線での折曲により該切れ目線で切断されるホットメルト接着剤であって、全体として100重量部の上記接着糊を、ベース樹脂としての、30〜60重量部の非晶質ポリ−αオレフィン共重樹脂合体、上記ベース樹脂に粘着性を付与するための、5〜50重量部の粘着付与樹脂、上記ベース樹脂の耐熱性を向上させ、軟化温度を調整するための、5〜30重量部のポリプロピレン樹脂、樹脂凝集力や接着性の調整のための、5〜30重量部のエチレンビニルアセテート、固化速度を調整するための、1〜20重量部のパラフィンワックスが、上記重量部の範囲内で調整配合して用いられている、
ことを特徴とする両面印刷のための連結カード。
【請求項2】
上記接着糊が2枚のシート基材を接着した状態における該接着糊層の厚さが、30〜80μmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の両面印刷のための連結カード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、名刺、はがき、その他の単位カードの多数を連結してなる連結カードに、汎用のプリンター等で両面印刷するのに好適な、両面印刷のための連結カードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1,2に開示されているように、各種の汎用プリンターを用いて名刺などの印刷用カードの多数を作成するための、印刷用の単位カードの多数が連結されてなる両面印刷のための連結カードは既に知られている。この種のプリンター用連結カードは、表裏2枚の印刷用紙が中間に介在する熱可塑性樹脂フィルム接着層(ポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂との混合樹脂)により接着されて積層され、表裏の印刷用紙の対向位置に単位片を形成するスリットが形成されたもの、或いは、セロハン・プラスチック等からなる10〜30μmの薄いフィルムの両面に印刷用紙を貼り付け、両面の印刷用紙の同じ位置に縦・横の切り込み線を、また上記フィルムの要所に切り込み等を設けたものである。
【0003】
しかしながら、上記特許文献1の熱可塑性樹脂フィルム接着層や特許文献2のプラスチックの薄いフィルムは、比較的柔軟性を有していることから、印刷用紙への印刷後にそのスリット(特許文献1)や切り込み線(特許文献2)に沿って印刷用紙の単位片を分離するのが容易ではなく、しかも、該スリットや切り込み線に沿って手で破断した場合には、その切断線に沿って樹脂フィルムの千切れによる毛羽立ちが生じて見苦しくなり、このような問題を避けるためにスリットや切り込み線をより切れ易いものにすると、プリンターによる印刷の段階で切断してしまう可能性が高くなり、この切断は目的とする印刷物ができないだけでなく、場合によってはプリンターの補修の問題も生じることになる。
【0004】
また、特に、上記表裏2枚の印刷用紙の中間に、ポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂との混合樹脂等からなる熱可塑性樹脂フィルム接着層を介在させて接着することにより積層し、表裏の印刷用紙の対向位置に単位片を形成するスリットを形成したものでは、レーザープリンターのように、レーザー照射で加熱される印刷手段等に対応させると、接着層の耐熱性に問題が生じる可能性があり、上記スリットを通して直接的に接着層にレーザー照射が行われると、急速な接着層の軟化により容易にスリット部で破断に至ることが予測される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−17541号公報
【特許文献2】実開平4−83669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の技術的課題は、多数の両面印刷用の単位カードを切れ目線を介して連結してなる連結カードを、表裏2枚の印刷用シート基材の全面を接着糊を介して相互に接着したうえで上記切れ目線を切設して構成するに当たり、上記接着糊の適切な選定によって、該連結カードの製造やその連結カードへのプリンター等による印刷を容易にし、特にレーザープリンターによる印刷時の加熱に対する耐熱性を接着糊に付与しながら、その後の各単位カードへの分離を容易に行えるようにした両面印刷のための連結カードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明によれば、多数の両面印刷用の単位カードを切れ目線を介して連結してなる連結カードであって、表裏2枚の印刷用シート基材の全面を接着糊を介して相互に接着することにより構成され、上記接着糊を介して接着した2枚のシート基材には、その両表面側から中間の接着糊層に届くように、上記多数の単位カードに分離するための切れ目線を切設して、それらの単位カードが接着糊層において相互に連結されているものとし、上記接着糊は、常温において硬化し、プリンターによる印刷時には上記切れ目線において折損しないが、常温における上記切れ目線での折曲により該切れ目線で切断されるホットメルト接着剤
であって、全体として100重量部の上記接着糊を、ベース樹脂としての、30〜60重量部の非晶質ポリ−αオレフィン共重樹脂合体、上記ベース樹脂に粘着性を付与するための、5〜50重量部の粘着付与樹脂、上記ベース樹脂の耐熱性を向上させ、軟化温度を調整するための、5〜30重量部のポリプロピレン樹脂、樹脂凝集力や接着性の調整のための、5〜30重量部のエチレンビニルアセテート、固化速度を調整するための、1〜20重量部のパラフィンワックスが、上記重量部の範囲内で調整配合して用いられていることを特徴とする両面印刷のための連結カードが提供される。
【0009】
更に、一般的には、上記接着糊が2枚のシート基材を接着した状態における該接着糊層の厚さが、30〜80μmであることが望まれる。
【発明の効果】
【0010】
上述した本発明によれば、多数の両面印刷用の単位カードを切れ目線を介して連結してなる連結カードを、表裏2枚の印刷用シート基材の全面を接着糊を介して相互に接着することにより構成するに当たり、上記接着糊としてホットメルト接着剤を用いるという簡易な手段によって、該連結カードの製造やその連結カードへのプリンター等による印刷を容易にし、特にレーザープリンターによる印刷時の加熱に対する耐熱性を接着糊に付与しながら、その後の各単位カードへの分離を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係る両面印刷のための連結カードの実施例を示す平面図である。
【
図2】
図1の実施例におけるA−A位置での部分拡大断面図である。
【
図3】本発明に係る上記連結カードの製造装置の構成を模式的に示す構成である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1及び
図2は、本発明に係る両面印刷のための連結カードの代表的な実施例を示している。この両面印刷のための連結カード1は、
図3に示すような後述の装置により製造されるものであるが、その基本的な構成は、多数の両面印刷用の単位カード6を切れ目線4を介して連結してなるものであって、表裏2枚の印刷用シート基材2の全面を接着糊を介して相互に接着することにより構成され、接着した2枚のシート基材2には、その両表面側から中間の接着糊層3に届くように、上記多数の単位カード6に分離するための切れ目線4を切設して、それらの単位カード6が接着糊層3において相互に連結されているものとし、そして、上記接着糊としては、常温において硬化し、プリンターによる印刷時には上記切れ目線において折損しないが、常温において上記切れ目線4での折曲により該切れ目線4で切断されるホットメルト接着剤が用いられる。
【0013】
上記2枚の印刷用シート基材2を、その全面において接着糊で接着することにより構成される連結カード1は、その片面或いは両面に適宜プリンターで印刷を施し、それを切れ目線4で切断して単位カード6とし、名刺、はがき、或いは、その他の各種カードとして使用するものである。そのため、両面印刷を可能にする必要があることから、鮮明な印刷を望むのであれば、上記シート基材2として、上質紙またはそれに相当するものを用いるのが望ましいが、必ずしも紙である必要もなく、少なくともその一方に、合成樹脂シートや不織布等を用いることができる。また、趣のある名刺、はがき、或いはその他の各種カードの作成を望む利用者に対しては、各種印刷に利用できるシート状材料であれば、着色の有無に拘わらず、それらを使用することができる。
【0014】
上記2枚の印刷用シート基材2を接着する接着糊としては、常温において硬化するホットメルト接着剤を用い、印刷を施した連結カード1を常温においてその切れ目線4で折り曲げることにより切断して単位カード6とするため、該切れ目線4での切断の容易性について十分に配慮する必要があり、例えば、鋏やカッター等の切断用具での切断ではなく、手による切れ目線4に沿う折り曲げで容易に破断できるようにすることが必要である。上記接着糊が常温において硬化するものであることは、接着糊層自体が破断しやすくなるだけでなく、上記切れ目線4に沿う折り曲げで、該切れ目線4の部分においてシート基材2により補強されていないホットメルト接着剤が破断しやすくなるために有効である。
【0015】
上記ホットメルト接着剤としては、ポリオレフィン系のものが特に有効であるが、このポリオレフィン系のホットメルト接着剤を用いるにしても、本発明に基づいて製造された連結カード1に印刷する印刷機器が、例えば、汎用のレーザープリンターであるか、インクジェットプリンターであるか等のプリンターの種類、或いは、プリンターの各種性能に応じて相違する印刷用紙の送り速度やロールによる用紙の曲げ程度に対応させて、接着糊が常温において硬化して、印刷時には上記切れ目線において折損しないが、常温における上記切れ目線での折曲により該切れ目線で切断されるように調整する必要がある。
【0016】
このようなホットメルト接着剤としては、上述したプリンターの種類や各種性能等に対応させたものを準備する必要があり、特に、印刷対象の加熱を伴うレーザープリンターであるか、加熱を伴わないインクジェットプリンター等であるかによって、接着剤の耐熱性に大きな差を持たせる必要があり、また、プリンターの各種性能に応じて印刷対象のカードに対して作用する力が相違するので、それに耐える強度を持たせる必要がある。更に、この強度と上記プリンターの種類との複合に対応させることも考慮する必要がある。
これらに対応させる接着剤を個別的に用意することには困難性があり、そのため、本発明者は、調整配合する接着剤要素を選定したうえで、それらを配合する重量部に一定の範囲を設定し、その重量部範囲において、十分に満足できるとは言えないにしても、上記各種要求に適合する各種接着剤が得られることを確かめた。
【0017】
その接着剤要素及びそれらの重量部範囲としては、全体として100重量部の上記接着糊を得るために、ベース樹脂としての、30〜60重量部の非晶質ポリ−αオレフィン共重樹脂合体、上記ベース樹脂に粘着性を付与するための、5〜50重量部の粘着付与樹脂(ロジン、テルペン、石油系)、上記ベース樹脂の耐熱性を向上させ、軟化温度を調整するための、5〜30重量部のポリプロピレン樹脂、樹脂凝集力や接着性の調整のための、5〜30重量部のエチレンビニルアセテート、固化速度を調整するための、1〜20重量部のパラフィンワックス、その他、必要に応じて添加される相溶化剤としての、0.1〜5重量部のマレイン酸変性PPワックスや、酸化劣化や加熱劣化を軽減させるための、0.1〜2重量部の酸化防止剤を挙げることができ、これらの接着剤要素を、連結カードに印刷する印刷機器の種類や各種性能に対応させて、上記重量部の範囲内で調整配合して用いるのが望ましい。
なお、ここでは重要な接着剤要素を列挙したが、必要に応じてこれ以外のものを添加することは許容できることである。
【0018】
このような多成分系のホットメルト接着剤を用いると、任意の溶融粘度に調整したものを得ることができ、印刷用シート基材の貼り合わせの加工性が大幅に改善され、また、該接着剤を2枚の印刷用シート基材の間の接着に用いることにより、その接着糊層自体の強度の調整幅を大幅に拡げることが可能になるばかりでなく、該接着糊層の切断部の滑らかさを改善することが可能になり、更に、種々の印刷用シート基材についての接着性も大幅に改善することができる。
【0019】
また、いずれにしても、上記接着糊が2枚のシート基材2を接着した状態における接着糊層3の厚さは、30〜80μm、望ましくは40〜70μmの範囲であることが、切れ目線4での折曲による破断に適切であることを実験的、或いは経験的に確かめている。
【0020】
上述したように、2枚の印刷用シート基材2をホットメルト接着剤で接着した連結カード1を、必要な印刷を施したうえで、その切れ目線4で折り曲げることにより破断しやすくする必要があるのは勿論であるが、上記切れ目線4での破断が過度に行われることは避ける必要がある。特に、上記2枚の印刷用シート基材2を接着した連結カード1を、各種の汎用プリンターに印刷のために供給する場合には、プリンター内において該連結カード1が多数のロール間において複数回にわたり屈曲せしめられるので、その段階で上記切れ目線4において破断することがあってはならず、切れ目線4の部分にこの破断を避ける強度は必要である。
【0021】
また、上記印刷用シート基材2に印刷を行う場合、例えば、汎用のレーザープリンターのように印刷面を加熱して印刷するものがあるが、上記ホットメルト接着剤がこの加熱による軟化で接着部分に悪影響を受けたりしないものであり、しかも、その冷却後にもとの状態に硬化する場合には、このレーザープリンターの利用も可能とすることができるが、上記ホットメルト接着剤がこの加熱により悪影響を受ける場合には、その使用を避け、印刷面の格別の加熱を伴わない例えばインクジェットプリンター等を利用するべきである。
【0022】
上記接着糊を介して接着した2枚のシート基材2には、該2枚のシート基材2を接着した後において、少なくとも接着糊が一定の温度まで冷却した後に、
図2に示すように、その両表面側から中間の接着糊層3に届くように、上記多数の単位カード6に分離するための切れ目線4を切設して、それらの単位カード6が接着糊層3のみにおいて相互に連結されているものとし、これにより、両面印刷のための連結カード1を得ることができる。上記2枚のシート基材2の各表面側から中間の接着糊層3に届くように切設する切れ目線4は、少なくとも同一位置において接着糊層3内に部分的に切り込むところまで切設することが望まれる。
上記切れ目線4によって形成される接着糊層3の最も薄い連結部分における厚さは、接着糊層3の種類等の諸条件を考慮して定められるべきものである。
【0023】
この連結カード1は、切れ目線4によって形成される単位カード6が、名刺、はがき、その他のカード等として使用される場合においても、全体的な大きさは、汎用プリンターで印刷できるように、A4サイズ、B4サイズ等の大きさに形成することが望まれる。その場合に、全体的な連結カード1の大きさが名刺、はがき等の面積の整数倍になるとは限らず、余白が生じることが多々存在するが、当該余白は、単位カード6の相互の連結を補強する補強部5として、連結カード1の周辺等に配設するのが望ましく、この補強部5を構成する切れ目線4の深さも、上記単位カード6間のものと同一でよい。
【0024】
なお、
図2から分かるように、上記連結カード1は、2枚のシート基材2の間に接着糊層3が存在し、該接着糊層3に達する切れ目線4が形成されているが、この連結カード1を切れ目線4において折り曲げることにより単位カード6に分離する場合に、複数の連結カード1の切れ目線4が重なるようにして連結カード1を積層し、それらの切れ目線4を一挙に折り曲げると、各連結カード1の接着糊層3は、それぞれ2枚のシート基材2を挟んで重ねられているので、折り曲げの外層側に位置する連結カード1の切れ目線4の部分は、内層側の連結カード1の切れ目線4の部分よりも大きく引き延ばされながら折り曲げられることになり、そのため、折り曲げの外層側に位置する連結カード1は、その切れ目線4において簡単に破断され、その結果、折り曲げの方向を逆にしてその折曲げを繰り返せば、比較的簡単に、多数の連結カード1をその切れ目線4において切断することができる。
【0025】
図3は、上記両面印刷のための連結カードを製造するための装置の構成を模式的に示すものであり、以下においては、この装置による上記連結カード1の製造過程について説明する。
この装置においては、一連の製造ラインの始端側に、2本の印刷用シートロール10から連続的に2枚の印刷用シート基材2を供給する供給設備10A,10Bが並列的に設置される。これらのシート基材2は、適宜ガイドロール11を経たうえで、表裏2枚のシート基材2の全面を接着糊を介して相互に接着するため、接着糊の塗布装置12に供給され、そこでコーティングヘッド12aから供給される接着糊を全面に均一に塗着した後に、圧着装置13において相互に圧着される。上記2枚の印刷用シート基材2の素材については、前述した通りである。また、上記接着糊の種類についても上述した通りである。
【0026】
上記接着糊を塗着した2枚の印刷用シート基材2を圧着する圧着装置13は、該2枚のシート基材2を圧接すると同時に、塗着に適するように加熱したホットメルト接着剤を冷却して早期に硬化させるための冷却するチルロール13aと、それに上記2枚のシート基材2を圧接する押さえゴムロール13bとによって構成している。上記チルロール13aは、該チルロール13a側のシート基材2に塗着した上記接着糊の冷却のために、一般的には、10℃〜40℃に保たれるものであり、このチルロール13aにおいて上記接着糊を冷却しながら、上記ゴムロール13bにより他方のシート基材2を上記接着糊を塗着したシート基材2に圧着し、それらを全面的に均一に接着するように構成している。
【0027】
接着した2枚のシート基材2は、適宜ガイドロール14を経たうえで、その両表面側から中間の接着糊層3に届くように、多数の単位カードに分離するための
図1に示すような切れ目線4を切設する表面加工装置15に送給される。この表面加工装置15は、上述のように接着した2枚のシート基材2のうちの上位のシート基材2に対してカッターロール16Aの刃型を押し込んで、該シート基材2自体に
図1及び
図2の切れ目線4を付すると共に、その切れ目線4が、少なくとも他方のシート基材2との間に介在する接着糊層3にまで達するものとする三胴式表面加工ロール15Aと、該三胴式表面加工ロール15Aによる切れ目線4の付与に続いて、上記シート基材2の他方に対し、先に一方のシート基材2に付した切れ目線4と同一位置に、しかも、シート基材2自体を切断すると共に、同様に接着糊層3にまで達する深さの切れ目線4を付する刃型をもつカッターロール16Bを備えた表面加工ロール15Bとによって構成されるものである。
【0028】
このように、接着した2枚のシート基材2に対してその表裏両面から同一位置に同じ切れ目線4を付与すると、上記2枚のシート基材2は、単位カード6が接着糊層3の一部において相互に連結されたものとなり、前述したように、接着糊層3が常温に保持された状態においては、上記切れ目線4において容易に切断できる状態になる。次いで、連続的に連なっている2枚のシート基材2は、ロータリー・チョップカット装置17に送られ、A4サイズ、或いは、B4サイズ等の汎用プリンターに適した大きさに裁断される。
これにより、
図1及び
図2に示したように、多数の両面印刷用の単位カード6を切れ目線4を介して連結してなる連結カードを得ることができる。
【符号の説明】
【0029】
1 連結カード
2 シート基材
3 接着糊層
4 切れ目線
6 単位カード