特許第6321938号(P6321938)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社弘伸商事の特許一覧 ▶ 日本セイフティー株式会社の特許一覧

特許6321938工事用シートの設置方法とこの方法に用いる装置
<>
  • 特許6321938-工事用シートの設置方法とこの方法に用いる装置 図000002
  • 特許6321938-工事用シートの設置方法とこの方法に用いる装置 図000003
  • 特許6321938-工事用シートの設置方法とこの方法に用いる装置 図000004
  • 特許6321938-工事用シートの設置方法とこの方法に用いる装置 図000005
  • 特許6321938-工事用シートの設置方法とこの方法に用いる装置 図000006
  • 特許6321938-工事用シートの設置方法とこの方法に用いる装置 図000007
  • 特許6321938-工事用シートの設置方法とこの方法に用いる装置 図000008
  • 特許6321938-工事用シートの設置方法とこの方法に用いる装置 図000009
  • 特許6321938-工事用シートの設置方法とこの方法に用いる装置 図000010
  • 特許6321938-工事用シートの設置方法とこの方法に用いる装置 図000011
  • 特許6321938-工事用シートの設置方法とこの方法に用いる装置 図000012
  • 特許6321938-工事用シートの設置方法とこの方法に用いる装置 図000013
  • 特許6321938-工事用シートの設置方法とこの方法に用いる装置 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6321938
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】工事用シートの設置方法とこの方法に用いる装置
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/32 20060101AFI20180423BHJP
   E04G 5/00 20060101ALI20180423BHJP
【FI】
   E04G21/32 B
   E04G5/00 301E
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-217051(P2013-217051)
(22)【出願日】2013年10月18日
(65)【公開番号】特開2015-78556(P2015-78556A)
(43)【公開日】2015年4月23日
【審査請求日】2016年10月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】512256007
【氏名又は名称】株式会社弘伸商事
(73)【特許権者】
【識別番号】391046610
【氏名又は名称】日本セイフティー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092679
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 盛之助
(72)【発明者】
【氏名】大倉 龍一
(72)【発明者】
【氏名】桜井 康雄
【審査官】 五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−155852(JP,A)
【文献】 特開2013−108239(JP,A)
【文献】 特開2002−106175(JP,A)
【文献】 特開平11−280265(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/32
E04G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単管などで形成された足場に工事用シートを設置するに際して、高さ方向で接続した工事用シートを、そのシートの高さ方向に沿って折畳み状態で当該シートの最上辺をそのハトメにおいてシート搬送手段のショートレールが備えた吊車に支持させ、該搬送手段を前記足場の最上位に設けた昇降機構によって当該足場の最下階層から最上階層に引き上げ、引き上げた最上階層に設けられている水平方向のガイドレールに前記吊車に支持させた前記シートを当該吊車を走行させて移載し、当該ガイドレール上で前記シートの折畳み状態を吊車を走行させて拡開し足場に張設する一方、工事中、又は、用済み後に拡開していた前記シート吊下した吊車を前記ガイドレール上で走行させて当該シートを折畳むことができるようにしたことを特徴とする工事用シートの設置方法。
【請求項2】
ガイドレールにおいてシートを吊下した吊車を走行させて拡開状態から畳んだ工事用シートは、ガイドレールの側端部の接続用ソケットに接続されたシート搬送手段のショートレールに前記吊車を走行させて移載し昇降機構により足場の最下階層側へ降下させる請求項1の工事用シートの設置方法。
【請求項3】
(イ)単管等で構成した高階層足場の最上階層の上部に、下面が開口した断面大略逆U状をなすガイドレールであって、外側の一端部に接続用のソケットを備えた複数のガイドレールを前記ソケットにおいて接続し上記足場の正面等の左右幅全域に亘り設置する、
(ロ)前記足場における左右方向の側端部の最上階層に、工事用シート等の資材を引き上げ,引き下すための昇降機構を設ける、
(ハ)前記資材の一つは、工事用シートの吊下げ具を備えた吊車を有する前記ガイドレールと同断面のショートレールを備えたシート搬送手段であり、該搬送手段は、当該足場の最下階層から最上階層まで前記昇降機構で昇降させる、
(ニ)高さ方向で接続した工事用シートを(その高さ方向に沿った折畳み状態で、)足場の最下階層に降下させた前記搬送手段が備えたショートレールの吊車に前記シート最上辺のハトメを引掛けて支持させ、この状態で前記昇降機構を上昇させる、
(ホ)上昇させられた搬送手段のショートレールが前記最上階層の外側端部のガイドレールと同高に到達したらそのショートレールを、接続用ソケットにおいて当該ガイドレールに接続し、前記シートを吊下した吊車を当該ショートレールからガイドレール側に移載する、
(ヘ)上記のようにして搬送手段のショートレールから最上階層のガイドレールに順次移載した複数本の前記シートを当該ガイドレール上の所定位置に位置付けて折畳み状態を拡開する、
(ト)拡開した各シートは、その高さ方向に沿って並んでいるハトメにおいて足場の高さ方向の単管にシート結合具を介して結合すると共に、足場の最下階層に対応した位置のシートのハトメを、当該最下階層の水平な単管に結合するか、又は、その最下階層に前記ガイドレールとは上下逆向きにして設けたシート張設用ガイドレールが備える倒立姿勢の吊車に結合して前記シートを足場に張設することを特徴とする請求項1の工事用シートの設置方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかの工事用シートの設置方法に使用されるシート搬送手段であって、このシート搬送手段は、ガイドレールの接続用ソケットに嵌入できる断面外形を有するショートレールを備え、当該ショートレールが、その上面側に昇降手段に連結される吊下支持部を有すると共にこのショートレールの断面内に、その中を走行できる少なくとも2個の吊車を備えており、前記吊車が、吊下支持するシートのハトメが掛止されるハトメ係止具を有することを特徴とするシート搬送手段。
【請求項5】
ショートレールは、前記吊車の両外側の部位に、当該吊車をそのショートレールから脱落させない脱落阻止部材を備えた請求項4のシート搬送手段。
【請求項6】
ショートレールは、そのショートレールと前記ソケットの重複部に、挿抜自在のピン又は出没自在のボールによる接続保持手段を設けた請求項4又は5のシート搬送手段。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はビル等の建物の建設,補修,解体などの工事の際、当該建物の工事区域を囲むように設置される養生シートや防音シートなどの工事用シートの新規な設置方法とこの方法の使用において用いられる装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の工事用シート(養生シートなど)の設置において、高さのある足場では、高さ方向で接続したシートを、足場最上階層に配置したウィンチ等で引き上げ、引き上げたシートの最上端辺のハトメを足場最上階層の単管等のパイプ材(以下、本明細書では単に「単管」という)に掛止している。そして、このシートの引き上げと引き上げたシートの最上端辺のハトメでの単管への掛止という作業を、当該足場の正面,側面,背面の各面の全域において施工し、当該足場の各面の幅方向で互に隣合って張設されているシート列を、高さ方向に並んだハトメにおいて互にシート紐のような結合具で結束し、建物を囲むように設けた足場全体を工事用シートで覆うようにシートを張設している。
【0003】
上記の従来のシート設置方式は、低層足場での作業や、軽量なメッシュシートや塗装シートの作業では、足場が低いこと、或は、取扱うシート自体が比較的軽量なことによりシート掛けの作業/シートのばらし作業(以下、これらの作業を併せて「シート設置作業」という)とも容易に施工することができる。
【0004】
しかし、足場階層が高い場合の設置作業や重量のある防音シート等の設置作業では、資材の荷揚げやシートの引き上げ,そのシートのシート掛作業に複数作業員を動員しても時間を要するという問題がある。また、重量の大きなシートの高い階層での取扱いは危険度も高くなる。しかし乍ら、例えば先行特許文献1〜3においては、このような点に配慮した技術は開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3869852号公報
【特許文献2】特許第5285472号公報
【特許文献3】特開2010−159617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、特に、高層階足場において1枚当りの重量が大きな防音シート等であっても、省力的、かつ、迅速に、しかも、高い安全性の下で荷揚げやシート引き上げ、そのシートのシート掛け作業を実現できる工事用シートの新たな設置方法とこの方法で用いる装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明シート設置方法の具体的構成例は、
(イ)単管等で構成した高階層足場の最上階層の上部に、下面が開口した断面大略逆U状をなすガイドレールであって、外側の一端部に接続用のソケットを備えた複数のガイドレールを、前記ソケットにおいて接続し上記足場の正面等の左右幅全域に亘り設置する、
(ロ)前記足場における左右方向の側端部の最上階層に、工事用シート等の資材を引き上げ,引き下すための昇降機構を設ける、
(ハ)前記昇降機構に吊下する資材の一つは、前記ガイドレールと同断面のショートレールであって工事用シートの吊下げ具を備えた吊車を有するショートレールを備えたシート搬送手段であり、該搬送手段は、ショートレールの外側端において前記ガイドレールのソケットに接続でき、かつ、前記足場の最下階層から最上階層まで前記昇降機構で昇降させる、
(ニ)高さ方向で接続した工事用シートを(その高さ方向に沿った折畳み状態で、)足場の最下階層に降下させた前記搬送手段が備えたショートレールの吊車に前記シート最上辺のハトメを引掛けて支持させ、この状態で前記昇降機構を上昇させる、
(ホ)上昇させられた搬送手段のショートレールが前記最上階層の外側端部のガイドレールと同高に到達したらそのショートレールを、接続用ソケット部において当該ガイドレールに接続し、前記シートを吊下支持した吊車を当該ショートレールからガイドレール側に移動させる、
(ヘ)上記のようにして搬送手段のショートレールから最上階層のガイドレールに順次移動させた複数本の前記シートを当該ガイドレール上の所定位置に位置付けて折畳み状態を拡開する、
(ト)拡開した各シートは、その高さ方向に沿って並んでいるハトメにおいて足場の高さ方向の単管にシート結合具を介して結合すると共に、足場の最下階層に対応した位置のシートのハトメを、当該最下階層の水平な単管に結合するか、又は、その最下階層に逆U状の開口を上向きにして設けたシート張設用ガイドレールが備えた倒立姿勢の吊車に結合して当該シートを足場に張設する、
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
(a)高さ方向で連結した複数枚の工事用シートを、その高さ方向に沿った折畳み状態にまとめた姿で送手段で引き上げることができる。
(b)引き上げた前記シートは、搬送手段のショートレールから最上階層に設置されているガイドレールに当該シートを吊下した吊車を移動させて折畳んだ状態を拡開すれば、足場の高さ方向において接続した複数枚のシートを一気に張設できる。
(c)最上階層に設けたガイドレールは接続用ソケットを利用したシームレス接続方式ゆえに、吊車に吊下げた状態でガイドレールに移した前記シートの複数本は接続されたガイドレールの全長(左右方向の高さ)内で所定の位置に前記吊車を介して移動させることができ、夫々の位置で各シートの折畳み状態を展開することができる。
(d)ガイドレールの所定位置において吊車に吊下された複数本の工事用シートは、各列のシート単位で当該ガイドレール上で折畳みも展開も自在にできる。
(e)ガイドレールから吊車を介して吊下した展開された各シートは、各シートごとに高さ方向に沿って設けられている足場単管と結合するか、又は、隣合ったシート同士を結合しつつ前記単管に結合する。
(f)前記結合には、この明細書で提案した新規の「ハトメ結合ツール」3種類のうちいずれかの結合ツールを使用すれば、従来のシート紐による短管との結合に比べて格段にシート設置作業時間の短縮を図ることができ、しかも、確実,強固な結合を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明方法により足場に工事用シートを設置している状態を示す正面図。
図2図1の足場の左側面図。
図3】本発明方法に用いるシート搬送手段と昇降機構の要部の正面図。
図4図3のシート搬送手段の使用状態例を説明するための正面図。
図5】ガイドレール設置状態の一例を示す正面図。
図6図4のガイドレールに搬送手段のショートレールが接続した状態を拡大した縦断側面図。
図7】足場の最下階層に設けたガイドレールの例を示す正面図。
図8図3のシート搬送手段の斜視図。
図9図5のガイドレールの斜視図。
図10】本発明方法に用いるハトメ結合具の第一例の斜視図。
図11】本発明方法に用いるハトメ結合具の第二例の斜視図。
図12】本発明方法に用いるハトメ結合具の第三例の締結前の平面図。
図13図11のハトメ結合具の締結後の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1図7において、Wsは、多数の単管1を縦方向と横方向にクロスして組合わせ、クランプ金具(図示せず)で両方向の単管1を結合して形成した単管足場である。なお、本発明を適用できる足場Wsは、単管を主体に形成された単管足場と称されているもののほか、枠組足場、ブラケット一側足場など、単管以外のパイプ材等を用いて形成された種々の名称の足場がある。また、使用する足場材料(資材)も単管等のパイプ材のほかに丸太やその他の金属条材などがある。
【0011】
2は、上記足場Wsに張設された養生シートなどの工事用シート(以下、単に「シート2」という)であり、図1においては、並んだ単管1の2本を1対とする5対の縦地単管1,1の間に、図の例では縦方向(高さ方向)で2枚を連結したシート2が張設された状態が示されていると共に、図1の左側端部に折畳まれているためこれから横方向に展開するシート2が示されている。
【0012】
3は、上記足場Wsにおいて、この足場Wsの最上階層に設けたガイドレールで、最上階層の左右方向に沿って貫通した態様で設置するために、次の構成を備えている。
すなわち、この実施例のガイドレール3は、左右両端部がガイドレール本体よりも少し大径のプラグ状をなす接続部3a,3bに形成されている。
そして、一方の接続部3a(図5では左端)には、後述するシート搬送手段5たるショートレール51または隣接する別のガイドレール3の接続部3bを接続するための接続用ソケット31(以下、「ソケット31」ということもある。)が備えられている。なお、前記ソケット31には背面にクランプ4(図6に依って後述する)が設けられている。このクランプ4は、縦地単管1にガイドレール3の接続部3aに被嵌されたソケット31を固定するためのものである(図6参照)。また、このソケット31には、接続されたショートレール51をロックする接続保持手段の例として出没式のレールロック31aが設けられている。
【0013】
上記ガイドレール3の足場Wsへの設置の仕方について、図1を参照して説明する。
まず、図1の足場右側端の縦地単管1の最上部位に、単体のソケット31をその背面のクランプ4で取付ける。次に、右から2番目の単管に、ソケット31付きのガイドレール3を、このレール左端の接続部3aに被せたソケット31の背面にあるクランプ4において固着すると共に、このガイドレール3の右端の接続部3bを、前記単体のソケット31に挿入してこのガイドレール3を2本の単管1,1の間に架設する。以下、同様にして、次のガイドレール3をその左端接続部3aに被せたソケット31において3番目の単管1に固定すると共に、右端接続部3bを、先に架設したガイドレール3のソケット31に挿入して、2本の単管1,1に架設して行く。この操作を足場Wsの左側端の単管1まで繰返すことにより、図1の足場Wsの最上階層の左右方向に、ガイドレール3が貫通して設けたような態様で設けられる。ソケット31を介して接続される各ガイドレール3は、その継ぎ目に大きな段差などがない接続であるから、後述するショートレール51から移動されて来る吊車52は円滑に転動することができる。
【0014】
本発明において、接続したシート2を引き上げるシート搬送手段5の主要部をなすショートレール51は、図6図8に示すようにガイドレール3の接続用ソケット31に嵌入できる大きさで下面が長溝状に開いた大略逆U状をなす断面形状を有し、その断面形状の内側にシート2を吊下げて支持するためのダブル車輪の、ここでは2個の吊車52と、各吊車52の軸部から垂下された2つの吊り材52aと、この吊り材52a,52aに結合されたカラビナ状の鉤金具52b,52bと、前記吊車52,52の左右外側のショートレール51の立壁面に吊車の離脱阻止部材として挿抜自在に設けた2本のストッパピン52cを備えて形成されている。なお、51aはガイドレール3のソケット31に設けたレールロック31aのピンが挿入されるピン穴である。
【0015】
上記ショートレール51が備える吊車52と吊り材52a,鉤金具52bは、このショートレール51が、ガイドレール3のソケット31に接続されたとき、ショートレール51からのガイドレール3側へ吊車52が転動することによって移動する、つまり移載できるようになっている。ショートレール51は、ソケット31に挿入して接続されるので、このショートレール51の断面外形はガイドレール3の接続部3a,3bと同じ断面外形であり、また、吊車52がガイドレール3側へ転動することによりショートレール51の断面内形は、ガイドレール本体3cの断面内形と同じに形成されている。
【0016】
従って、上述したガイドレール3は、上記のようにショートレール51から吊り材52aと鉤金具52bを有する吊車52を移載できるから、当該ショートレール51の断面形状と同様に、下面が長い溝状をなすように開いた大略逆U状の断面を備えている。
【0017】
図3図4に示す6は、図1図2の足場において、最上階層に設けられた横向き単管1に吊下状態で設けた、例えばウィンチによる昇降機構であり、巻上げ,巻戻しされるワイヤや鎖等の柔軟な巻上条材61の先端に、前述のショートレール51を主体にした搬送手段5がその上部に形成した支持部53において、前記条材61が備えたフック62を介して当該昇降機構6に吊下げられている。なお、63はこの昇降機構6を、最上階層の横向き単管1に取付けるための昇降機構6の上部に設けた取付部である。
【0018】
本発明では、正面から見た図1の足場Wsの右側端の単管1の最上階層に位置した部位に接続用ソケット31を単体で取付け、次いで足場Wsの左方に向けて並んだ縦地単管1同士の間に、左側端にソケット31を備えたガイドレール3を、そのソケット31の背面のクランプ4により単管1に固定する一方、当該レール3の右側端の接続部3bにおいて対面したソケット31に嵌入させることにより、各ガイドレール3を横方向(水平方向)に接続しつつ架設している。この架設では、各ソケット31の背面にレール取付部41を介して設けたクランプ4で単管1にソケット31を固定し、ソケット31はレールロック31aでガイドレール3に固定している(図6参照)。
【0019】
一方、昇降機構6のフック62に支持部53が係止された搬送手段5は、この昇降機構6が条材61を巻戻すことにより、足場Wsの最下階層にまで引き下げられる。搬送手段5が、最下階層に引き下げられたところで、ショートレール51が備えた2個の吊車52が夫々に有するカナビラ状の鉤金具52bに、シート2の左右幅方向の両端部に存在する2つのハトメ2a,2aを引掛ける(図3参照)。前記両端のハトメ2a,2aの間に位置したシート2の中間部は、一例として平面から見てジグザグ状に折畳み、この状態を適宜の紐などの結束具により保持すれば、当該シート2は、図1の左側に位置している高さ方向に沿って折畳まれたシート2と同等形態になる。なお、図の例では、シート2は高さ方向(縦方向)で2枚が接続されており、接続部は、各シートの2の対向辺それらのハトメにおいてハトメ紐などの結合具により結合されているものとする。
【0020】
足場Wsの最下階層の位置において、縦方向で2枚が接続されたシート2は、そのシート2の最上辺のハトメ2aにおいて搬送手段5の鉤金具52bに係止される。最下階層まで引き降ろされている昇降機構6のフック62に支持部53において保持されている前記搬送手段5が、昇降機構6の上昇動作によって引き上げられると、図1の足場Wsの左側端に示された形態となる。つまり、接続されたシート2は、その縦方向(高さ方向)に沿ってほぼ折畳まれた態様で、足場Wsの最下階層から最上階層に引き上げられることとなる。この引き上げ高さは、搬送手段5のショートレール51が、ガイドレール3の高さと同じになるまでである。
【0021】
上記のようにして、搬送手段5により足場Wsの最上階層にシート2の最上端辺が引き上げられたら、当該シート2を吊下している搬送手段5のショートレール51を、すぐ傍にあるガイドレール3の接続用ソケット31に接続する(図4参照)。ショートレール51がガイドレール3にソケット31において接続されると、両レール51と3の断面形状は略同等であるから、シート2を鉤金具52bで吊下支持した吊車52を、ショートレール51からガイドレール3に移動させることができる。つまり、シート2は搬送手段5からガイドレール3に移載されるのである。
ガイドレール3は、足場Wsの最上階層において、水平方向に延びて設けられているから、ガイドレール3に移載したシート2は、足場Wsの左右方向における所望の位置に移動させることができる。
【0022】
上記のようにして、足場Wsの左右方向に関して所望の位置、例えば、2本を1対とする縦地単管1,1の間に位置付けられた各シート2は、それぞれ折畳み状態を拡開して広げ、各シート2の最上辺のハトメ2aにハトメ結合具の紐などを通し、その紐をガイドレール3に結束することにより、高さ方向で接続したシート2の足場Wsへの取付けの第一段階の工程を終える。なお、ガイドレール3に、吊り材52a鉤金具52bを有する吊車52が備わっている場合には、前記ハトメの紐によるガイドレール3への結束に代えて、鉤金具52bに各ハトメ2aを掛止することができる。
【0023】
次に、第二段階工程として、上記拡開した各シート2の最下端辺を、当該各シート2の下端辺のハトメ2aにハトメ結合具としての紐を通し、この紐を対応位置に存在する最下階層の横向き単管1に結束する。このとき、各列にシート2を下方へ引張り加減にした状態で、ハトメ結合具の紐により単管1に締結すると、各列のシート2を上下方向でピンと張ることができる。前記単管1に代えてガイドレール3を最下階層に設け、このレール3にハトメ結合具の紐で結束するようにしてもよい(図7参照)。なお、図7では、ハトメ結合具の紐の表示は省略している。
【0024】
上記のように各列のシート2の下端辺のハトメ2aを最下階層の単管1又はガイドレール3にハトメ結合具の紐により結合することに代えて次のような形態で結合することができる。
すなわち、最下階層に設けた横向き単管1の代わりに上記で使用したガイドレール3を、その溝の向きを上向き(略U状)にして各縦地単管1,1のペアの間に架設し、架設したガイドレール3の断面内部に、最上段のガイドレール3の吊車52とは逆向きで配設した吊車52の鉤金具52bに、前記シート2の最下辺のハトメ2aを支持させるのである。従って、この支持状態で、溝を上向きにした前記ガイドレール3を下方へ押下げて位置調節をするとシート2をピンと張ることができる。このようにしてシートを上下方向でピンと張った状態にしてからそのガイドレール3を左右の縦地単管1,1にクランプ金具で固定すると、シート2を足場Wsにピンと張った状態で整然と設置することができる。
【0025】
上記のようにして各列のシート2を足場Wsの上下端部の間に張設できることが理解できるので、本発明では、シートを上下方向でピンと張るための上記操作をする前に、第三段階工程として各列のシート2の左右のハトメ2aを、各ハトメ2aが対応して位置する縦地単管1に、ハトメ結合具の紐などにより結束する。上記の3段階の工程を経て本発明による工事用シートの引設工程は完了する。
本発明方法は以上の通りであるから、足場Wsの各面の全面に、工事用シート2を省力的、かつ、作業効率よくピンと張った状態で整然と設置することができる。
【0026】
上記のようにして足場Wsにおける最上階層の溝が下向きのガイドレール3と最下階層の溝が上向きのガイドレール3の間に、シート2が張設されていると、対をなす縦地単管1,1の間の各シート2は、最下階層のハトメ2aと単管1又はガイドレール3との結合を緩めてやることにより、上,下のガイドレール3,3の間で、高さ方向に沿ってカーテンを開くような態様で折畳むことができるから、工事の途中などにおいて空気の流通や採光を良くしたい場合などに、容易かつ迅速に対応することができる。
【0027】
以上のようにして本発明方法により足場Wsの全面に設置された工事用シート2のバラし作業は次の手順で行う。
まず、対をなす縦地単管1,1の間の各シート2を、搬送手段5のショートレール51を番外側にあるガイドレール3のソケット31に接続して、前記シート2の吊車52を、ショートレール51の側へ移動させ、この状態で搬送手段5を吊下げた昇降機構6のワイヤ等の条材61を巻戻すことにより、このシート2の最上辺を地上に降ろす。このようにして、各シート2を順次ガイドレール3から搬送手段5のショートレール51に移し、昇降機構6のワイヤ等の条材61を巻戻して最下階層側に降ろすことにより、各シート2を地上に降ろすことができる。
【0028】
以上のようにして、地上から足場Wsの最上階層に搬送手段5と昇降機構6によって引き上げ、引き上げたシート2の最上辺を最上部のガイドレール3に吊下支持させると共に、そのシート2の最下辺はその辺のハトメにおいて最下階層の横向き単管1に結束するか、又は、最下階層のガイドレール3に当該シート2の最下辺を支持させる。このようにしてシート2の上下端が足場Wsに張設される工事用シート2の列は、各列のシート2ともその左右側辺が、その左右側辺に設けられているハトメ2aにおいて、対をなす左右の縦地単管1にハトメ結合具Bの紐などによって結束されることにより、足場Wsに設置されることになる。
【0029】
本発明では、前記シート2における左右側辺の縦方向に並んだハトメ2aを単管1に結束するためのハトメ結合具Bを、図8図11のように構成すると、従来公知の単なる紐によるハトメ結合具に比べ、結束作業の効率を高めることができるのみならず、容易かつ迅速に確実,強固な結束を可能にすることを知得したので、以下、このハトメ結合具Bについて説明する。なお、以下に述べるハトメ結合具Bは、シート2の上下辺のハトメを横向き単管1やガイドレール3に結束する場合にも使用できる。
【0030】
従来、シート2の張設において、そのシートのハトメ2aを単管1に結束,結合するための手段として使用されていた最も一般的な手段は、ナイロン繊維の編紐によるシート結束紐のハトメ結合具Bであった。
しかし、この紐は腰がないやわらかい紐であるため、小径のハトメ2aに通すにはコツが必要であり、急いでハトメ2aに通そうとすると紐の先端側がハトメ2aの穴のまわりに当ったりして曲がってしまい、円滑な結束作業が行い難かった。特に、縦地単管1に結合されるシート2のハトメ2aは、1本の単管1に対し左右のシート2,2のハトメ2a,2aに紐を通した上で、当該単管1に紐を結束する作業であるため、作業に手間取りその効率の改善が要請されていた。
【0031】
そこで本発明では、図10に例示するように従来のシート結束紐10を束にした状態でポリエチレン樹脂液(PE液)などのプラスチック樹脂液を含浸させるか、或は、当該樹脂液を前記紐に噴霧,塗布などによりコートして乾燥することにより、当該紐10の少なくとも端部側を硬質化部10aに形成し、これによって紐10をハトメ2aに通し易くしたハトメ結合具Bを形成した。硬質化するのは紐10の全長に亘ってもよいこと勿論である。全長を硬質化すると結束(結び付け)も行い易くなる。
【0032】
図10の少なくとも両端側を含成樹脂の含浸やコートなどによって硬質化10aした紐10では、左右のシート2,2のハトメ2a,2aの通し難さは改善できるが、2つのハトメ2a,2aに通した紐10は依然として単管1に手で縛り付ける(又は、結び付ける)作業を不可欠とするため、作業効率の面ではいま一つである。
【0033】
そこで本発明では、図11に例示したように、ハトメ2aに紐11を通す手間も省力的に改善できる構造と、単管1に縛り付ける(結び付ける)手間を省くことができる構造を備えたシート結合具Bとしての結束紐11を提案する。
【0034】
図11のシート結束紐11の構成は、まず、2本の紐(従来のシート結束紐と同じ紐)11aと11bを、短い管状のスクイザー12に摩擦係数が大きい状態で(すべり難い状態で)通し、両紐11a,11bをスクイザー12の部分で一体化すると共に、当該スクイザー12を紐11a,11bの上でスライドできるようにする。次いで、2本の紐11a,11bの先端に、ハトメ2aに挿通できる短い棒状(又は短ロッド状)のトグル13a,13bを固定して設けることにより、本発明ハトメ結合具Bの第二例を構成する。
【0035】
図11のハトメ結合具Bは、次のようにして使用する。
すなわち、2本の紐11a,11bを、これらによって縦地単管1を抱く姿勢(態様)にし、両紐11a,11bの先端のトグル13aと13bを、当該単管1を挟んで対向している2列のシート2の左右側辺の各ハトメ2a,2aに夫々に通し、この状態でスクイザー12を、前記単管1を紐11a,11bによって絞り込むように移動させることにより、トグル13aと13bが係止されたハトメ2a,2aを単管1に結束したように結合することができる。図11のハトメ結合具Bの取外しは、スクイザー12を緩め側にスライドさせて、トグル13a,13bをハトメ2aから外せばよい。
【0036】
図10図11は、従来のハトメ結束紐にその機能を改善する構成を加えることにより、その紐のハトメへの通し易さや結束し易さに寄与するハトメ結合具Bの例であったが、本発明ではハトメ結合具Bを細帯状や細棒状の金属材で形成したものを使用することもある。以下に金属製のハトメ結合具Bの例について図12図13により説明する。
【0037】
図12図13の金属製のハトメ結合具14は、一例として次の構成を備えたものである。
すなわち、図12図13はこのハトメ結束金具14を平面から見た例であり、単管1を抱持する大略3/4円弧状の単管抱持部14aと、この抱持部14aの両端から一体に前方側へ延出形成された大略L字状の部位が対称的に対向した形態の左右のハトメ挿入係止部14b,14cと、ハトメ2aに通された2本の挿入係止部14b,14cのハトメ保持姿勢を拘束する拘束フック14dを備えて、このハトメ結合金具14が構成されている。なお、14eは抱持部14aの中間部に外向きに突出形成した取外し時にドライバのビットなどを差し込む工具挿込部である。
【0038】
図12図13のハトメ結束金具14は、開いている対向するL状のハトメ挿入係止部14b,14cの側から単管1に差込み、抱持部14aにこの単管1を抱持させた状態にし(図12参照)、この状態でハの字状に開いたハトメ挿入係止部14b,14cに、左右のシート2,2のハトメ2a,2aをそれぞれに挿入する(図12参照)。前記挿入係止部14b,14cにハトメ2aがそれぞれに嵌ったら、一方の係止部14bに連結されている拘束フック14dの先端部を他方の係止部14cに引掛けて、両係止部14b,14cを、図13の状態に保持して、2枚のシート2のハトメ2aの単管1への結束を終える。この金具14の取外しは、上記操作とは逆の順で操作し、最後に工具挿入部14eにドライバーのビットなどの棒工具を差入れてこじると、抱持部14aが抱持していた単管1から離脱する。
【0039】
本発明は以上の通りであって、特に高さ方向に接続された工事用シートを足場に設置するに際して高さ方向で接続した工事用シートを、そのシートの高さ方向に沿って折畳んだ状態で当該シートの最上辺をそのハトメにおいて搬送手段のショートレールに支持させ、該搬送手段を前記足場の最下階層から最上階層に引き上げ、引き上げた最上階層に設けられている水平方向のガイドレールに前記シートを搬送手段のショートレールから移載し、当該ガイドレール上で前記シートの折畳み状態を拡開して足場に張設するようにしたから、重量が大きな防音シートなどの工事用シートを効率よくかつ安全裏に足場に設置することができる。
また、足場を構成する単管と設置したシートの結束、特にシートの高さ方向に沿ったハトメと単管との結束に、従来のシート紐とは異なる新規なハトメ結合具を用いるようにしたから、ハトメ結束作業の大幅な合理化(省略化と効率化)を図ることができる。
【符号の説明】
【0040】
Ws 足場
1 単管
2 シート
2a ハトメ
3 ガイドレール
31 接続用ソケット
31a レールロック
4 取付用のクランプ金具
5 シート2の搬送手段
6 昇降機構
B ハトメ結合具
10,11 ハトメ結束紐
14 ハトメ結束金具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13