【実施例】
【0019】
以下に、ガスセンサ素子にかかる実施例について、図面を参照して説明する。
(実施例1)
本例のガスセンサ素子1は、
図1、
図2に示すように、固体電解質体2、被測定ガス空間101、基準ガス空間102、ヒータ6、ポンプセル41、センサセル43及び電子伝導検出セル44を備えている。
固体電解質体2は、酸素イオン伝導性を有する材料から構成されている。被測定ガス空間101は、固体電解質体2の一方の表面側に形成されており、拡散抵抗体3を通過した被測定ガスGが導入されるよう構成されている。基準ガス空間102は、固体電解質体2の他方の表面側に形成されており、基準ガスAが導入されるよう構成されている。固体電解質体2の基準ガス空間102側の表面202には、基準ガスAに曝される基準電極25が設けられている。
【0020】
図1、
図2に示すように、ヒータ6は、基準ガス空間102を介して固体電解質体2に積層されている。ポンプセル41は、固体電解質体2の被測定ガス空間101側の表面201に設けられ、被測定ガスGに曝されるポンプ電極21を有している。ポンプセル41は、ポンプ電極21と基準電極25との間に電圧を印加して、被測定ガス空間101における酸素濃度を調整するよう構成されている。本例の基準電極25は、ポンプ電極21の一方も兼ねている。センサセル43は、固体電解質体2の被測定ガス空間101側の表面201に設けられ、被測定ガスGに曝されるセンサ電極23を有している。センサセル43は、センサ電極23と基準電極25との間に流れる酸素イオン電流に基づいて、被測定ガス空間101における特定ガス成分濃度を検出するために用いられる。電子伝導検出セル44は、被測定ガスGに曝されないよう、固体電解質体2の被測定ガス空間101側の表面201に設けられた電子伝導電極24を有している。電子伝導検出セル44は、ヒータ6の電子伝導によって電子伝導電極24と基準電極25との間に流れる電流を検出するよう構成されている。
【0021】
以下に、本例のガスセンサ素子1について、
図1〜
図3を参照して詳説する。
本例のガスセンサ素子1は、カバー内に配置された状態で、自動車の排気管内に配置して使用される。また、被測定ガスGは排気管を通過する排気ガスであり、ガスセンサ素子1は、排気ガス中の特定ガス成分としてのNOx(窒素酸化物)の濃度を検出するために用いられる。
図1に示すように、固体電解質体2は、酸素イオン伝導性を有するジルコニアの基板である。ポンプ電極21、センサ電極23及び電子伝導電極24は、固体電解質体2における、被測定ガスGに曝される側の表面201に一定の厚みで設けられている。基準電極25は、固体電解質体2における、基準ガスAに曝される側の表面202に一定の厚みで設けられている。本例の基準電極25は、固体電解質体2においてポンプ電極21、センサ電極23及び電子伝導電極24が位置する領域の全体の裏側の位置に設けられている。基準電極25は、ポンプ電極21、センサ電極23及び電子伝導電極24の全体に対して1つ設ける以外にも、ポンプ電極21、センサ電極23及び電子伝導電極24のそれぞれの裏側の位置に分離させて、3つ設けることもできる。
【0022】
図1、
図2に示すごとく、固体電解質体2の被測定ガスG側の表面201には、拡散抵抗体3と、アルミナからなる平板状の基板である第1の絶縁体51とが積層されている。拡散抵抗体3及び第1の絶縁体51の表面には、アルミナからなる平板状の基板である第2の絶縁体52が積層されている。拡散抵抗体3は、ガスセンサ素子1の長手方向Lにおける、被測定ガスGを導入する側の一端部に配置されている。被測定ガスGは、拡散抵抗体3を通って被測定ガス空間101に導入され、被測定ガス空間101を長手方向Lに流れる。第1の絶縁体51は、固体電解質体2の被測定ガスG側の表面201において、ポンプ電極21及びセンサ電極23を三方から囲むように、長手方向Lの他端部及び幅方向Wの両側の端部に設けられている。
【0023】
被測定ガス空間101は、固体電解質体2と第2の絶縁体52との間において、拡散抵抗体3及び第1の絶縁体51によって、固体電解質体2の被測定ガスG側の表面201の四方が囲まれて形成されている。被測定ガス空間101は、ポンプ電極21及びセンサ電極23が設けられた位置において、長手方向L及び幅方向Wに直交する厚み方向Tにおける空間高さが一定になっている。
【0024】
図1、
図2に示すごとく、固体電解質体2の基準ガスA側の表面202には、アルミナからなる平板状の基板である第3の絶縁体53が積層されている。第3の絶縁体53は、固体電解質体2の基準ガスA側の表面202において、基準電極25を三方から囲むように、長手方向Lの一端部及び幅方向Wの両側の端部に設けられている。基準ガス空間102は、固体電解質体2と第4の絶縁体61との間において、第3の絶縁体53によって、固体電解質体2の基準ガスA側の表面202の、一端部及び幅方向Wの両側の端部の三方が囲まれて形成されている。
【0025】
また、第3の絶縁体53には、ポンプ電極21及びセンサ電極23を加熱するためのヒータ6が積層されている。ヒータ6は、第3の絶縁体53の表面に積層された絶縁層としての第4の絶縁体61と、第4の絶縁体61に設けられて通電が行われる導体層62とを有している。第4の絶縁体61は、2枚の絶縁プレート611によって導体層62を挟み込んでいる。導体層62は、外部の通電手段が接続される一対の電極部と、一対の電極部同士を繋ぎ、一対の電極部に印加される電圧によって通電されて発熱する発熱部とを有している。
また、ヒータ6の第4の絶縁体61及び導体層62は、固体電解質体2に対して平行に配置されており、導体層62は、ポンプ電極21、センサ電極23及び電子伝導電極24に対して平行に配置されている。
【0026】
図1、
図2に示すように、ポンプ電極21は、センサ電極23及び電子伝導電極24が設けられた固体電解質体2の被測定ガス空間101側の表面201の長手方向Lにおいて、センサ電極23の配置位置よりも被測定ガスGの流れの上流側位置に設けられている。ポンプセル41は、ポンプ電極21と基準電極25との間に電圧が印加されることにより、被測定ガス空間101内の酸素濃度を一定に調整する。なお、ポンプ電極21は、固体電解質体2に対して絶縁体を介して積層された別の固体電解質体に設けることもできる。
【0027】
センサ電極23は、被測定ガスG中の特定ガス成分としてのNOxの分解に活性な電極材料によって構成されている。そして、センサセル43は、NOxを分解する際にセンサ電極23と基準電極25との間に流れる酸素イオン電流値の大きさに応じて、被測定ガスG中のNOx濃度を検出する。
電子伝導電極24は、センサ電極23に対する長手方向Lの他端側に位置しており、被測定ガスG中の酸素成分を透過させない被覆層としての第1の絶縁体51によって覆われている。本例の電子伝導電極24は、第1の絶縁体51の中に埋設されている。
【0028】
次に、本例のガスセンサ素子1の作用効果について説明する。
本例のガスセンサ素子1は、ヒータ6によって生じる電子伝導の強さを検出する電子伝導検出セル44を有している。そのため、電子伝導検出セル44における、電子伝導による電流を検出することにより、ヒータ6による加熱量、さらにはガスセンサ素子1の作動温度を検知することができる。また、電子伝導検出セル44によれば、ガスセンサ素子1が経時変化したときに増加する、電子伝導による電流を検出することもできる。
これにより、センサセル43における検出電流から電子伝導検出セル44における電流を差し引くことにより、ガスセンサ素子1の作動温度の変化を反映して、センサセル43によって特定ガス成分濃度を検出することができる。なお、センサセル43における検出電流の値は、特定ガス成分濃度の検出を行うための酸素イオン電流に、電子伝導による電流が加わった値となる。
【0029】
それ故、本例のガスセンサ素子1によれば、ガスセンサ素子1の作動温度の変化を反映して、センサセル43による特定ガス成分濃度の検出精度を向上させることができる。
【0030】
図3には、横軸にガスセンサ素子1の作動温度をとり、縦軸にセンサセル43に流れる電流I1及び電子伝導検出セル44に流れる電流I3をとって、作動温度と電流値の関係を示す。また、この場合の特定ガス成分としてのNOxの濃度は0ppmとしている。同図に示すように、センサセル43及び電子伝導検出セル44の両方において、ガスセンサ素子1の作動温度が上昇するほど電流値I1,I3が大きくなることがわかる。この作動温度との相関関係を有する電流値I1,I3のほとんどは、ヒータ6による電子伝導に基づくものである。そのため、センサセル43における電流値I1から電子伝導検出セル44における電流値I3を差し引くことにより、センサセル43において、特定ガス成分としてのNOxを分解する際に生じる酸素イオン電流をできるだけ正確に検出することができる。
【0031】
また、ガスセンサ素子1の長手方向Lには、ヒータ6の加熱中心からの距離に応じた温度分布が存在する。そして、センサ電極23からヒータ6の加熱中心までの距離は、電子伝導電極24からヒータ6の加熱中心までの距離よりも短い。そのため、センサセル43における電流値I1から電子伝導検出セル44における電流値I3を差し引いた差分値はゼロにはならない。また、この差分値は、ガスセンサ素子1の作動温度が上昇するほど大きくなる傾向にある。そのため、ガスセンサ素子1を使用する際には、この差分値がゼロになるように校正しておく。
【0032】
(実施例2)
本例は、上記実施例1に示したガスセンサ素子1において、電子伝導検出セル44の配置箇所を変更した例である。
図4、
図5に示すように、本例の電子伝導検出セル44の電子伝導電極24Aは、固体電解質体2の被測定ガスG側の表面201の長手方向Lに直交する幅方向Wにおいて、センサセル43のセンサ電極23に隣接して形成されている。ポンプ電極21、センサ電極23及び電子伝導電極24Aは、被測定ガス空間101内に配置されている。センサ電極23及び電子伝導電極24Aは、固体電解質体2の被測定ガス空間101側の表面201の長手方向Lにおいて、ポンプ電極21の配置位置から互いに等しい距離に配置されている。電子伝導電極24Aは、被測定ガスG中の酸素分解に対して不活性である電極材料としての金材料から構成されている。なお、電子伝導電極24Aにおける、被測定ガスGに曝される表面に、金材料からなる表面層を設けてもよい。
【0033】
本例においては、ヒータ6における加熱中心から、センサ電極23及び電子伝導電極24Aまでの距離を同等にして、ヒータ6からの電子伝導によってセンサ電極23及び電子伝導電極24Aに流れる電流を同等にすることができる。そのため、センサセル43による特定ガス成分濃度の検出精度をさらに向上させることができる。
本例においても、その他の構成及び図中の符号は実施例1と同様であり、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0034】
図6には、上記実施例1の
図3の場合と同様にして、ガスセンサ素子1の作動温度と、センサセル43に流れる電流I1及び電子伝導検出セル44に流れる電流I3との関係を示す。
図6に示すように、センサセル43及び電子伝導検出セル44の両方において、ヒータ6による電子伝導に基づいて、ガスセンサ素子1の作動温度が上昇するほど電流値I1,I3が大きくなることがわかる。本例においては、ヒータ6における加熱中心から、センサ電極23及び電子伝導電極24Aまでの距離が同等であるために、センサセル43における電流値I1から電子伝導検出セル44における電流値I3を差し引いたときの差分は、ほとんどないことがわかる。このことより、センサセル43における酸素イオン電流を、さらに正確に検出できることがわかる。
【0035】
また、
図7に示すように、電子伝導電極24は、被測定ガスG中の酸素成分を透過させない被覆層55によって覆われていてもよい。電子伝導電極24は、センサセル43と幅方向Wに並んで被測定ガス空間101内に配置されており、被測定ガスGに曝されないように被覆層55によって覆われている。この場合には、電子伝導電極24に用いる電極材料は通常用いる白金材料等として、上記と同様の作用効果を得ることができる。なお、被覆層55の厚みは、被測定ガスG中の酸素成分を透過させない範囲において、できるだけ薄くすることができる。
【0036】
(実施例3)
本例は、ガスセンサ素子1が、センサセル43及び電子伝導検出セル44の他に、モニタセル42を備える例である。
図8に示すように、モニタセル42は、センサ電極23及び電子伝導電極24が設けられた固体電解質体2の被測定ガス空間101側の表面201に設けられたモニタ電極22を有している。モニタ電極22は、固体電解質体2の被測定ガスG側の表面201の長手方向Lに直交する幅方向Wにおいて、センサ電極23及び電子伝導検出セル44と並んで形成されている。センサ電極23、電子伝導電極24及びモニタ電極22は、被測定ガス空間101内に配置されている。センサ電極23、電子伝導電極24及びモニタ電極22は、固体電解質体2の被測定ガス空間101側の表面201の長手方向Lにおいて、ポンプ電極21の配置位置から互いに等しい距離に配置されている。電子伝導電極24は、上記実施例2の
図7で示した場合と同様に、被測定ガスG中の酸素成分を透過させない被覆層55によって覆われている。なお、
図8は、上記実施例2の
図4のII−II断面に相当する部位を示す。
【0037】
モニタセル42は、モニタ電極22と基準電極25との間に流れる酸素イオン電流に基づいて、被測定ガス空間101における酸素濃度を検出するよう構成されている。
また、センサ電極23は、被測定ガスG中の特定ガス成分としてのNOxの分解に活性な電極材料によって構成されており、モニタ電極22は、被測定ガスG中のNOxの分解に不活性な電極材料によって構成されている。センサセル43においては、酸素濃度及び特定ガス成分濃度に依存して酸素イオン電流が検出される一方、モニタセル42においては、酸素濃度に依存して酸素イオン電流が検出される。そして、ガスセンサ素子1においては、センサセル43によって検出される電流から、モニタセル42によって検出される電流が差し引かれることにより、被測定ガスG中の特定ガス成分の濃度が検出される。こうして、モニタセル42を用いることによって、ガスセンサ素子1が経時変化した際に、被測定ガスG中の残留酸素による酸素イオン電流が、センサセル43によるNOx濃度の検出に与える影響を補正することができる。
なお、センサセル43によって検出される電流の値、及びモニタセル42によって検出される電流の値のそれぞれは、特定ガス成分濃度の検出を行うための酸素イオン電流に、電子伝導による電流が加わった値となる。
【0038】
また、ヒータ6による電子伝導がセンサセル43及びモニタセル42に与える影響を、電子伝導検出セル44によって補正することができる。具体的には、ガスセンサ素子1が長期の使用によって経時変化した際には、ポンプセル41によって酸素量が調整された後の被測定ガスG中の残存酸素量が増加する傾向にある。これは、被測定ガスGと接触するポンプ電極21の劣化によって、ポンプセル41の酸素量調整能力が低下したことに起因する。
また、ガスセンサ素子1が長期の使用によって経時変化した際に、ポンプ電極21が劣化すると、ポンプ電極21と基準電極25との間の抵抗値が増加する。この抵抗値は、温度が上昇すると減少する傾向を有している。そのため、劣化によって抵抗値が増加すると、ガスセンサ素子1の温度を上昇させようとして、ヒータ6の加熱量が増加する。そして、各セル42,43,44においては、ヒータ6からの電子伝導による電流が増加する。
【0039】
図9は、センサセル43、モニタセル42及び電子伝導検出セル44に流れる電流I1,I2,I3の値の大きさを、(a)ガスセンサ素子1が劣化する前の初期状態、(b)ガスセンサ素子1が劣化した後の耐久状態について示す。また、この場合の特定ガス成分としてのNOxの濃度は0ppmとしている。
初期状態及び耐久状態のいずれにおいても、センサセル43及びモニタセル42においては、電子伝導による電流I3と、酸素イオン電流I1’,I2’とが流れ、電子伝導検出セル44においては、電子伝導による電流I3のみが流れる。電子伝導による電流I3は、初期状態及び耐久状態のいずれにおいても、ヒータ6の加熱中心からセンサ電極23、モニタ電極22及び電子伝導電極24までのそれぞれの距離が同等であるために、各セル42,43,44において同等である。また、センサ電極23に用いる材料は、モニタ電極22に用いる材料に比べて酸素分解を生じさせやすい。そのため、NOxの濃度が0ppmであっても、センサセル43に流れる酸素イオン電流I1’は、モニタセル42に流れる酸素イオン電流I2’よりも多くなる。
【0040】
また、耐久状態のセンサセル43及びモニタセル42においては、上記残存酸素量の増加による影響を受けて酸素イオン電流I1’,I2’が増加していることがわかる。この酸素イオン電流I1’,I2’の増加に対しては、センサセル43における電流I1’の値からモニタセル42における電流I2’の値を差し引くことによって対処することができる。
また、耐久状態においては、ポンプ電極21の劣化によってヒータ6の加熱量が増加したことに伴い、各セル42,43,44における電子伝導による電流I3が初期状態に比べて増加していることがわかる。この電子伝導による電流I3の増加は、電子伝導セルにおける電流値I3の増加量によって検出することができる。
【0041】
そして、耐久状態のセンサセル43及びモニタセル42においては、ポンプセル41の酸素量調整能力の低下に起因した酸素イオン電流I1’,I2’の変化と、ポンプ電極21の劣化によるヒータ6の加熱量の増加に起因した電子伝導による電流I3の変化とを、切り分けることができる。特に、電子伝導による電流I3の増加量を監視することにより、ガスセンサ素子1の作動温度の上昇の度合い、及びポンプ電極21の劣化の度合いを知ることができ、これらがセンサセル43及びモニタセル42によるNOx濃度の検出精度に及ぼす影響を検知することができる。そのため、本例のガスセンサ素子1によれば、その作動温度の変化を学習して、NOx濃度の検出を正確に行うことができる。
本例においても、その他の構成及び図中の符号は実施例1、2と同様であり、実施例1、2と同様の作用効果を得ることができる。
【0042】
また、電子伝導検出セル44における電流I3の変化量を監視することにより、ガスセンサ素子1の故障診断(温度異常、ポンプセル能力異常等)を行うこともできる。
なお、電子伝導検出セル44を用いず、センサセル43とモニタセル42とを用いることのみによっては、電子伝導による電流I3の量を知ることはできない。そのため、電子伝導による電流I3の量を知るためには、電子伝導検出セル44を用いることが必要である。
【0043】
(実施例4)
本例は、電子伝導検出セル44によって検出される電流値が一定になるよう、ヒータ6の導体層62に通電を行うよう構成した例である。
電子伝導によって電子伝導検出セル44に流れる電流値は、ガスセンサ素子1の作動温度と相関関係を有している。また、電子伝導検出セル44は、被測定ガスG中の酸素分解によって生じる酸素イオン電流を検出せず、電子伝導検出セル44の電子伝導電極24においては、被測定ガスG中の酸素成分を分解することによる経時劣化がほとんど生じない。そのため、電子伝導検出セル44によって検出される電流値が一定になるよう導体層62に通電を行うことにより、ガスセンサ素子1の作動温度を、精度よく制御することができる。
本例においても、その他の構成及び図中の符号は実施例1〜3と同様であり、実施例1〜3と同様の作用効果を得ることができる。