特許第6321997号(P6321997)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6321997除害装置、該除害装置で使用される掻き取り部及び軸受装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6321997
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】除害装置、該除害装置で使用される掻き取り部及び軸受装置
(51)【国際特許分類】
   F23J 1/04 20060101AFI20180423BHJP
   F23G 7/06 20060101ALI20180423BHJP
   F16C 17/10 20060101ALI20180423BHJP
【FI】
   F23J1/04ZAB
   F23G7/06 D
   F23G7/06 101Z
   F16C17/10 B
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-39119(P2014-39119)
(22)【出願日】2014年2月28日
(65)【公開番号】特開2015-161498(P2015-161498A)
(43)【公開日】2015年9月7日
【審査請求日】2017年1月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】508275939
【氏名又は名称】エドワーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105201
【弁理士】
【氏名又は名称】椎名 正利
(72)【発明者】
【氏名】小林 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 正宏
(72)【発明者】
【氏名】阿部 光智
【審査官】 渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭55−106024(JP,U)
【文献】 特開昭52−070261(JP,A)
【文献】 特開2002−022018(JP,A)
【文献】 特開昭49−135051(JP,A)
【文献】 特開2008−133904(JP,A)
【文献】 特開2001−164264(JP,A)
【文献】 特開2010−249509(JP,A)
【文献】 特開平05−261343(JP,A)
【文献】 特開2015−053319(JP,A)
【文献】 特開2007−218563(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23J 1/04
F16C 17/10
F23G 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転自在のシャフトと、
該シャフトを支持するシャフト軸受と、
外部よりパージガスを導入するパージガス導入手段と
前記シャフトに備えられた掻き取り部と、
該掻き取り部が配設された燃焼室と、
該燃焼室に排ガスを導入する排ガス導入手段と、
前記排ガスを燃焼させる燃焼手段とを備え、
前記パージガス導入手段で導入された前記パージガスが前記シャフト軸受の内部を流れ、前記排ガスの前記シャフト軸受の前記内部への侵入を防止することを特徴とする除害装置
【請求項2】
前記シャフト軸受の内壁に縮径部を備え、
前記シャフトは軸端部の径が段差部を有して細く形成され、
該段差部が前記縮径部に対して当接されたことを特徴とする請求項1記載の除害装置
【請求項3】
前記シャフト軸受の内壁に縮径部を備え、
前記シャフトは軸端部の径がテーパー部を有して細く形成され、
該テーパー部が前記縮径部に対して当接されたことを特徴とする請求項1記載の除害装置
【請求項4】
前記シャフト軸受の前記内部と外部間を連通する通気孔を備え、
該通気孔を通じて前記パージガスが前記シャフト軸受の前記内部より前記外部に向けて吐出されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の除害装置
【請求項5】
回転自在のシャフトと、
該シャフトを支持するシャフト軸受と、
外部よりパージガスを導入するパージガス導入手段と、
燃焼室に排ガスを導入する排ガス導入手段と、
該排ガスを燃焼させる燃焼手段とを備え、
前記パージガス導入手段で導入された前記パージガスが、前記シャフト軸受の内部を流れ、前記排ガスの前記シャフト軸受の前記内部への侵入を防止する除害装置で使用される掻き取り部であって、
該掻き取り部は前記燃焼室に配設され、該燃焼室に付着した生成物を除去することを特徴とする掻き取り部
【請求項6】
回転自在のシャフトと、
該シャフトを支持するシャフト軸受と、
外部よりパージガスを導入するパージガス導入手段と、
前記シャフトに備えられた掻き取り部と、
該掻き取り部が配設された燃焼室と、
該燃焼室に排ガスを導入する排ガス導入手段と、
前記排ガスを燃焼させる燃焼手段とを備え
前記パージガス導入手段で導入された前記パージガスが、前記シャフト軸受の内部を流れ、前記排ガスの前記シャフト軸受の前記内部への侵入を防止する除害装置で使用される軸受装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は除害装置、該除害装置で使用される掻き取り部及び軸受装置に係わり、特にスクレーパを駆動するシャフト回りの隙間を通じて燃焼室から排ガスが漏れるのを防止しシール効果を高めると共に、シャフト回りを冷却することでシャフトの焼きつきを防止可能な除害装置、該除害装置で使用される掻き取り部及び軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子、液晶パネル、太陽電池の製造工程では、化学気相反応を利用して成膜するCVD(Chemical Vapor Deposition)処理やエッチング処理等が行われ、プロセスチャンバにおいて各種のガスが使用されている。
【0003】
このガスとしては、例えば、半導体素子、液晶パネル、太陽電池の製膜材料ガスであるシラン(SiH4)、NH3、H2や、プラズマCVD装置等の密閉チャンバ内を例えばプラズマでクリーニングする際のクリーニングガスとして使用するNF3、CF4、C26、SF6、CHF3、CF6等のガス状フッ化物、窒素(N2)等の不活性ガスがある。
【0004】
そして、図8に示すように、プロセスチャンバ1には、この有害な排ガスを除去するべく真空引きのためにターボ分子ポンプ3及びドライポンプ5が直列に接続されている。そして、ドライポンプ5で運転開始時にある程度真空引きした後に、更にターボ分子ポンプ3で必要な低圧にまで真空引きするように構成されている。但し、CVD処理等の場合には、ターボ分子ポンプ3が省略された形で構成されるケースが一般的である。
【0005】
ドライポンプ5から出力された有害な排ガスは、燃焼式除害装置10で燃焼分解されるようになっている。このとき、排ガスは、セントラルスクラバー11により多少の減圧をされつつ燃焼式除害装置10内に誘導される。
そして、例えば、シランや3フッ化窒素を無害化する場合は、燃焼分解による生成物としてシリカ(SiO2)粉末やフッ酸(HF)が発生する。
また、CVD処理如何によってはW25(酸化タングステン)の発生することがある。
【0006】
このW25(酸化タングステン)やSiO2は微細な粉体であり、燃焼式除害装置10の燃焼室の内壁に付着し易い。そして、この付着した粉体を掻き取るため、燃焼式除害装置10の燃焼室には特許文献1に示すようなスクレーパの配設されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−249509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、このようにスクレーパを配設した場合、このスクレーパを支持するシャフト回りの隙間を通じて燃焼式除害装置10の燃焼室から排ガスが燃焼室外部に少しずつ漏れてしまう恐れがあった。
【0009】
そして、この場合には、漏れた高温の排ガスによりシャフトを支持するベアリングが腐食したり、シャフトとシャフト支持部間が焼きつきにより摩耗や溶解し、更には固着してしまう等の問題を生じる恐れがあった。
【0010】
本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたもので、スクレーパを駆動するシャフト回りの隙間を通じて燃焼室から排ガスが漏れるのを防止しシール効果を高めると共に、シャフト回りを冷却することでシャフトの焼きつきを防止可能な除害装置、該除害装置で使用される掻き取り部及び軸受装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このため本発明(請求項1)は除害装置の発明であって、回転自在のシャフトと、該シャフトを支持するシャフト軸受と、外部よりパージガスを導入するパージガス導入手段と、前記シャフトに備えられた掻き取り部と、該掻き取り部が配設された燃焼室と、該燃焼室に排ガスを導入する排ガス導入手段と、前記排ガスを燃焼させる燃焼手段とを備え、前記パージガス導入手段で導入された前記パージガスが前記シャフト軸受の内部を流れ、前記排ガスの前記シャフト軸受の前記内部への侵入を防止することを特徴とする。
【0012】
外部より導入されたパージガスは、シャフト軸受の内部を流れる。このため、シャフト軸受のシール効果が高くなる。そして、このパージガスの冷却効果によりシャフトがシャフト軸受に焼きつくことを低減できる。また、パージガスにより常に環境が清浄化されるためシャフト回りの部品が腐食するのを低減できる。
【0013】
また、本発明(請求項2)は除害装置の発明であって、前記シャフト軸受の内壁に縮径部を備え、前記シャフトは軸端部の径が段差部を有して細く形成され、該段差部が前記縮径部に対して当接されたことを特徴とする。
【0014】
縮径部は、シャフト軸受の内壁部分を突設させ、角部を有するように形成してもよいし、テーパーで形成してもよい。
シャフトの段差部が縮径部に対して当接されることで、シャフト回りに隙間は生じ難い。従って、ガス等の漏れにくい構造にできる。
【0015】
更に、本発明(請求項3)は除害装置の発明であって、前記シャフト軸受の内壁に縮径部を備え、前記シャフトは軸端部の径がテーパー部を有して細く形成され、該テーパー部が前記縮径部に対して当接されたことを特徴とする。
【0016】
シャフトのテーパー部が縮径部に対して当接されることで、シャフト回りに隙間は生じ難い。従って、ガス等の漏れにくい構造にできる。
【0017】
更に、本発明(請求項4)は除害装置の発明であって、前記シャフト軸受の前記内部と外部間を連通する通気孔を備え、該通気孔を通じて前記パージガスが前記シャフト軸受の前記内部より前記外部に向けて吐出されることを特徴とする。
【0018】
確実にパージガスの通り道を作ることでパージガスの流れが安定する。このため、シャフト軸受のシール作用が安定する。そして、このパージガスの冷却効果によりシャフトがシャフト軸受に焼きつくことを確実に防止できる。また、シャフト回りの部品が腐食するのを安定して防止できる。
【0019】
更に、本発明(請求項5)は掻き取り部の発明であって、回転自在のシャフトと、該シャフトを支持するシャフト軸受と、外部よりパージガスを導入するパージガス導入手段と、燃焼室に排ガスを導入する排ガス導入手段と、該排ガスを燃焼させる燃焼手段とを備え、前記パージガス導入手段で導入された前記パージガスが、前記シャフト軸受の内部を流れ、前記排ガスの前記シャフト軸受の前記内部への侵入を防止する除害装置で使用される掻き取り部であって、該掻き取り部は前記燃焼室に配設され、該燃焼室に付着した生成物を除去することを特徴とする。
【0020】
このことによりスクレーパの掻き取り部の動作は安定して円滑に行える。
【0021】
更に、本発明(請求項6)は軸受装置の発明であって、回転自在のシャフトと、該シャフトを支持するシャフト軸受と、外部よりパージガスを導入するパージガス導入手段と、前記シャフトに備えられた掻き取り部と、該掻き取り部が配設された燃焼室と、該燃焼室に排ガスを導入する排ガス導入手段と、前記排ガスを燃焼させる燃焼手段とを備え、前記パージガス導入手段で導入された前記パージガスが、前記シャフト軸受の内部を流れ、前記排ガスの前記シャフト軸受の前記内部への侵入を防止する除害装置で使用されることを特徴とする
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように本発明によれば、シャフトを支持するシャフト軸受と、外部よりパージガスを導入するパージガス導入手段を備え、パージガスがシャフト軸受の内部を流れるように構成したので、シャフト軸受のシール効果が高くなる。そして、このパージガスの冷却効果によりシャフトがシャフト軸受に焼きつくことを低減できる。また、パージガスにより常に環境が清浄化されるためシャフト回りの部品が腐食するのを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態である燃焼式除害装置の構成図(正面図)
図2】本発明の実施形態である燃焼式除害装置の構成図(側面図)
図3】シャフト軸受の構成図その1
図4】シャフトの外形図その1
図5】回転スクレーパ羽根回りの構造を示す図
図6】シャフト軸受の構成図その2
図7】シャフトの外形図その2
図8】排ガス処理のフロー図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態である燃焼式除害装置10の構成図を図1及び図2に示す。図1は正面断面図、図2は側面外形図である。図1及び図2において、排ガス導入管9A、9B、9C、9Dは、ドライポンプ5に接続されている。排ガス導入管9A、9B、9C、9Dは、それぞれ導入管ベース部21A、21B、21C、21Dに立設されている。
【0025】
導入管ベース部21A、21B、21C、21Dは下面にフランジ25を有する燃焼室上層部23に固着されている。このフランジ25には燃焼室30上端のフランジ31がボルトで固定されている。燃焼室30は略円筒形であり、側部には燃料・空気供給口33が配設されている。
【0026】
また、燃焼室30下端のフランジ35には排ガス導出路40上端のフランジ41がボルトで取り付けられている。排ガス導出路40は下方に向けて次第に径が狭くなるように構成されており、内壁には水噴霧口43が配設され内側に向けて水が噴霧されるようになっている。排ガス導出路40の下部には排ガス管路45が連設され、燃焼室30を通った排ガスが次工程のセントラルスクラバー11に送られるようになっている。
【0027】
燃焼室上層部23の底部には凹部27が形成され、この凹部27の中心には貫通穴29が設けられており、この貫通穴29にはシャフト軸受50が嵌装されている。このシャフト軸受50の拡大図を図3に示す。図3(a)はシャフト軸受50の正面図であり、中心線から左半分が外形、右半分が断面を示す。図3(b)はシャフト軸受50の底面図である。
【0028】
図3において、シャフト軸受50の外筒51は円筒状であり、上部外周にOリング溝53が形成され図示しないOリングが配設されるようになっている。外筒51の下部にはテーパー59(縮径部に相当する)が施されている。テーパー59の断面は線形であるが、その形状は線形には限らない。テーパー59の下端には小径の穴55が形成されている。穴55回りのテーパー59を貫通する4カ所には通気孔57が軸方向に均等配置されている。但し、通気孔57の数は4箇所に限らない。1カ所あるいは5箇所以上であってもよい。
【0029】
そして、この穴55には図4に示すようなシャフト60の軸下端部61が通されている。シャフト60のメインシャフト部63は軸下端部61より径が大きく形成され、このメインシャフト部63と軸下端部61の境には図4中の部分拡大図に示すようにテーパー69が形成されている。テーパー69はテーパー59の通気孔57よりも内側に配設されている。
【0030】
軸下端部61には板状の1枚の回転スクレーパ羽根71(掻き取り部に相当する)の端部が取り付けられている。この回転スクレーパ羽根71は回転されることでW25(酸化タングステン)やSiO2等の微細な粉体を掻き落とすようになっている。回転スクレーパ羽根71の一部には、図5に示すように切欠き溝72が形成され、凹部27より突出した温度計73に対し回転中に衝突しないようになっている。
【0031】
また、このメインシャフト部63の上部にはメインシャフト部63よりも径の小さい段差を有する軸上端部65が形成されている。軸下端部61、メインシャフト部63及び軸上端部65は共に円柱形状であり、軸下端部61及びメインシャフト部63の下部がシャフト軸受50内に収納されている。また、メインシャフト部63の上部及び軸上端部65とはハウジング75内に収納されている。このハウジング75はシャフト軸受50と連設されている。
【0032】
ハウジング75の中間部にはパージガス導入口77が配設され、外部より例えば窒素ガスが導入されるようになっている。メインシャフト部63の上部外周にはベアリング79が配設され、更にその上方にはシール81が施されている。軸上端部65は、フレキシブルシャフト83の下端部とカップリングされている。フレキシブルシャフト83の上端には手動ハンドル85が取り付けられている。
【0033】
次に、本発明の実施形態の動作を説明する。
燃焼式除害装置10の燃焼室30に配設された回転スクレーパ羽根71は定期的に手動ハンドル85により回転される。但し、手動ハンドル85に代えてモータにより自動駆動とされてもよい。
【0034】
シャフト軸受50の外筒51にテーパー59を配設し、シャフト60側にもテーパー69を形成し当接させる構造としたので、シャフト60回りに隙間が生じ難い。従って、隙間を通じて燃焼室30から高温の排ガスは漏れ難く、熱膨張等の原因により軸下端部61がシャフト軸受の円筒状の内壁と焼きつくという可能性は小さくなる。
【0035】
また、シャフト軸受については、図3の例に代えて図6に示すように軸受部分にテーパー59を設けずに穴55回りの外筒51の内壁54部分を厚く円筒状に突設させ、角部を有するように構成(縮径部に相当する)することも可能である。そして、この場合には、シャフト60側にはテーパー69に代えて、図7のように矢印Aで示す箇所で段差に伴う角部を有するようにしてもよい。この矢印Aで示すメインシャフト部63の角部は、通気孔57よりも内側に当接させる。
【0036】
このように段差面同士を当接させた場合であってもシャフト60回りに隙間が生じ難く、テーパー59とテーパー69とを当接させた場合と同様に軸下端部61がシャフト軸受の円筒状の内壁と焼きつくという可能性を小さくできる。
【0037】
更に、シャフト軸受については、テーパー59を配設し、シャフト60側には段差に伴う角部を有するようにしてもよいし、あるいは、シャフト軸受については外筒51の内壁54部分を厚く円筒状に突設させ、角部を有するように構成し、シャフト60側にはテーパー69を配設してもよい。
【0038】
パージガス導入口77を通じて外部よりパージガスとして導入された窒素ガスは、外筒51の内壁52に設けられた通気孔57を通じて燃焼室30に吐出される。このため、ベアリング79にまで排ガスが伝わることは無く、ベアリング79やシール81が高温にさらされたり腐食したりするおそれは無くなる。
【0039】
この窒素ガスは新鮮なものが図4の場合にテーパー69付近に流れ、一方、図7の場合に矢印Aで示すメインシャフト部63の角部付近に流れることになるため、このテーパー付近や角部付近は常に冷却され、また、排ガスがこのテーパー付近や角部付近から侵入することは無くなる。従って、シャフト軸受のシール効果が高く、軸下端部61がシャフト軸受の円筒状の内壁52と焼きつくということは無くなる。
実験によれば、窒素ガスを10リットル/min流したときに、窒素ガスを流さなかったときに比べ軸受温度を270℃から80℃位にまで下げることができた。
【符号の説明】
【0040】
10 燃焼式除害装置
23 燃焼室上層部
27 凹部
29 貫通穴
30 燃焼室
33 燃料・空気供給口
40 排ガス導出路
45 排ガス管路
50 シャフト軸受
51 外筒
52、54 内壁
55 穴
57 通気孔
59、69 テーパー
60 シャフト
61 軸下端部
63 メインシャフト部
65 軸上端部
71 回転スクレーパ羽根
75 ハウジング
77 パージガス導入口
79 ベアリング
81 シール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8