(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6322057
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】回転圧入鋼管杭の接続金具
(51)【国際特許分類】
E04G 21/16 20060101AFI20180423BHJP
【FI】
E04G21/16
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-118726(P2014-118726)
(22)【出願日】2014年6月9日
(65)【公開番号】特開2015-232210(P2015-232210A)
(43)【公開日】2015年12月24日
【審査請求日】2017年6月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】593139374
【氏名又は名称】株式会社エムオーテック
(74)【代理人】
【識別番号】100080698
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 治親
(74)【代理人】
【識別番号】100110722
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 誠一
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 正男
(72)【発明者】
【氏名】南 光敏
(72)【発明者】
【氏名】沼 仁
【審査官】
星野 聡志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−045342(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3081061(JP,U)
【文献】
特開2007−238189(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3111454(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0098502(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/16
E04G 21/14
B66C 23/16
E02D 27/00
E02D 27/32
B66C 23/32
B66C 23/62
E02D 27/42
E02D 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座を構成する桁材に、断面略円筒形状の回転圧入鋼管杭を連結固定するための回転圧入鋼管杭の接続金具において、
前記回転圧入鋼管杭の側面に取り付けるための取付部と、前記取付部から延伸するようにして形成された支持部を有する一対の保持部材と、
一対の前記保持部材の互いの支持部同士を下側から支持可能な長さに形成された一対の下部側固定部材と、
前記桁材の上部に配置される上部側固定部材と、
前記上部側固定部材と一対の前記下側固定部材のそれぞれとを連結固定することにより前記桁部材を介して前記保持部材を挟持して前記転回圧入鋼管杭を前記桁部材に固定する締め付けボルトと、
を備えて構成されたことを特徴とする回転圧入鋼管杭の接続金具。
【請求項2】
請求項1に記載の回転圧入鋼管杭の接続金具において、
前記保持部材は、
平板状の上部フランジと下部フランジを備え、
前記上部フランジと下部フランジの略中間位置には前記回転圧入鋼管杭の外側曲面に即した形状の凹型ウェブが配置され、前記凹型ウェブには固定ボルトを挿通するためのボルト孔が複数設けられると共に、前記凹型ウェブの左右には平板状の平型ウェブがそれぞれ配置され、さらに、所定箇所に補強のためのリブが設けられていることを特徴とする回転圧入鋼管杭の接続金具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の回転圧入鋼管杭の接続金具において、
前記上部側固定部材及び/又は前記下側固定部材は、断面が略四角形状の中空部を有する部材であることを特徴とする回転圧入鋼管杭の接続金具。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の回転圧入鋼管杭の接続金具において、
前記保持部材の前記凹型ウェブには、当該凹型ウェブの曲面に即した凹面形状を有する外側補強板が配置されると共に、前記外側補強板に対向する位置の前記回転圧入鋼管杭の内側には前記回転圧入鋼管杭の曲面に即した凹面形状を有する内側補強板が配置されたことを特徴とする回転圧入鋼管杭の接続金具。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の回転圧入鋼管杭の接続金具において、
前記桁材と前記保持部材との間に緩衝部材を配置したことを特徴とする回転圧入鋼管杭の接続金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転圧入鋼管杭の接続金具に関し、さらに詳しくは、建築資材を吊下げるタワークレーンを設置等するための仮設の架台である台座を地中に回転貫入される回転圧入鋼管杭に支持固定するための回転圧入鋼管杭の接続金具に関する。
【背景技術】
【0002】
建築現場などで資材運搬用のトラックの乗り入れや各種の建築資材を吊下げ搬送するタワークレーンを設置等するための台座を支持固定するために用いられる支持杭は、従来、H形鋼が用いられていた。例えば、特許文献1は支持杭と型枠を着脱容易に接続するための支持具を開示するものであるが、支持杭にはH形鋼が用いられている(特許文献1の
図5,6参照)。タワークレーンが設置されるような台座を固定する支持杭の場合、H形鋼を垂直に地中深く埋設し、その周囲にセメント系懸濁液を流し込んで固化することにより地中にしっかりと固定していた。
【0003】
一方、基礎杭の一つとして
図6に示すような回転圧入鋼管杭が知られている。図示された回転圧入鋼管杭100は、断面が円形状の鋼管101の先端側(下端側)
に羽根102を取り付けた鋼管杭であり、施工に当たっては全旋回機等を用いて回転圧入鋼管杭100を地中に回転圧入する。その際、先端羽根のくさび効果で推進力が発揮され、回転圧入鋼管杭100のスムーズな打設が可能となる。この回転圧入鋼管杭100は狭い場所での使用が可能であること、地中に静かに捻じ込むことが可能であること、先端の羽根によって硬い地盤へ確実に打設することが可能であること、残土が発生しないこと等の特徴を備えている。このような回転圧入鋼管杭100としては、例えば「NSエコパイル」(新日鉄住金エンジニアリング株式会社の登録商標)などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−197650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
H形鋼を使用した従来の支持杭の場合、建築物の建築が終了してもセメント系懸濁液で地中に固定していたので容易に引き抜くことができず、従来は建築が完了した後でも撤去することなくそのまま放置されていた。また、支持杭としてH形鋼を用いた場合、フランジ面をどのような向きで打設するかをいちいち確認する必要があった。
【0006】
一方、回転圧入鋼管杭を支持杭として使用すれば、作業が終了した後での引き抜きもH形鋼の場合に比べて容易であり、しかも引き抜いた後でも再び支持杭として再使用することもできるのでコストの低減に寄与することが推察される。また、セメント系懸濁液を使用
しないことで環境にも配慮した工法を提供することができる。
【0007】
しかしながら、回転打設が可能な断面円形状の回転圧入鋼管杭を支持杭として利用することは従来全く行われておらず、そのような発想もなかったことから、回転圧入鋼管杭と台座を構成する「覆工受桁」や「横継材」等の桁材に用いられるH形鋼とを接続するための接続金具は提供されていなかった。
【0008】
そこで、本発明者はこのような従来の問題の解決を図るべく鋭意検討を行った結果、新たな回転圧入鋼管杭の接続金具に係る本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の目的とするところは、作業終了後に撤去が容易な回転圧入鋼管杭を支持杭として利用するために台座を構成する桁材であるH形鋼と回転圧入鋼管杭とを着脱容易に固定可能とする回転圧入鋼管杭の接続金具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために請求項1に記載の本発明は、台座を構成する桁材に
、断面略円筒形状の回転圧入鋼管杭を連結固定するための回転圧入鋼管杭の接続金具において、前記回転圧入鋼管杭の側面に取り付けるための取付部と、前記取付部から延伸するようにして形成された支持部を有する一対の保持部材と、一対の前記保持部材の互いの支持部同士を下側から支持可能な長さに形成された一対の下部側固定部材と、前記桁材の上部に配置される上部側固定部材と、前記上部側固定部材と一対の前記下側固定部材のそれぞれとを連結固定することにより前記桁部材を介して前記保持部材を挟持して前記転回圧入鋼管杭を前記桁部材に固定する締め付けボルトとを備えて構成されたことを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するために請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の回転圧入鋼管杭の接続金具において、前記保持部材は、平板状の上部フランジと下部フランジを備え、前記上部フランジと下部フランジの略中間位置には前記回転圧入鋼管杭の外側曲面に即した形状の凹型ウェブが配置され、前記凹型ウェブには固定ボルトを挿通するためのボルト孔が複数設けられると共に、前記凹型ウェブの左右には平板状の平型ウェブがそれぞれ配置され、さらに、所定箇所に補強のためのリブが設けられていることを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するために請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の回転圧入鋼管杭の接続金具において、前記上部側固定部材及び/又は前記下側固定部材は、断面が略四角形状の中空部を有する部材であることを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決するために請求項4に記載の本発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の回転圧入鋼管杭の接続金具において、前記保持部材の前記凹型ウェブには、当該凹型ウェブの曲面に即した凹面形状を有する外側補強板が配置されると共に、前記外側補強板に対向する位置の前記回転圧入鋼管杭の内側には前記回転圧入鋼管杭の曲面に即した凹面形状を有する内側補強板が配置されたことを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決するために請求項5に記載の本発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の回転圧入鋼管杭の接続金具において、前記桁材と前記保持部材との間に緩衝部材を配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る回転圧入鋼管杭の接続金具によれば、台座を支持固定する支持杭として回転圧入鋼管杭を使用することができるので作業が終了した後に回転圧入鋼管杭を撤去することが可能となる。そのため、従来のように支持杭を放置することなく、回転圧入鋼管杭を再使用することができるので、台座設置に関するコストの削減を図ることができるという効果がある。また、支持杭に回転圧入鋼管杭を使用することで従来のH形鋼の場合のように、打設時におけるH形鋼の向きを気にすることも無くなる。さらに、支持杭をセメント系懸濁液で地中に固定することがなくなるので環境にも配慮した施工が可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係る回転圧入鋼管杭の接続金具の好ましい一実施形態を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す回転圧入鋼管杭の接続金具の正面図である。
【
図3】回転圧入鋼管杭の接続金具の詳細を示す斜視図である。
【
図4】回転圧入鋼管杭と保持部材との取り付け状態を示す平面図である。
【
図5】回転圧入鋼管杭の杭打ち工程を示す説明図である。
【
図6】回転圧入鋼管杭の主要部の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[回転圧入鋼管杭の接続金具の構成]
本発明に係る回転圧入鋼管杭の接続金具の好ましい一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明に係る回転圧入鋼管杭の接続金具の好ましい一実施形態を示す斜視図、
図2は
図1に示す回転圧入鋼管杭の接続金具の正面図、
図3は回転圧入鋼管杭の接続金具の詳細を示す斜視図である。初めに、
図1〜
図3に示すように、図示しない台座を構成する桁材は、H形鋼10A,10Bを十文字に交差させるようにして形成されており、このH形鋼10A,10Bの交点に図示しないタワークレーンを支持する柱材であるマスト30が立設される。そして、マスト30は保持具40によってしっかりとH形鋼10A,10Bに固定されている。
【0017】
さて、
図1に示すように、回転圧入鋼管杭の接続金具1は、桁材を構成する十文字状のH形鋼10A,10Bの4つの端部近傍のそれぞれ4箇所に取り付けられている。そして、回転圧入鋼管杭の接続金具1は、
図2に示すように、概略として、H形鋼10A,10Bの下側に配置されて回転圧入鋼管杭20を側面方向の両側から着脱可能に挟持する、例えば鋼鉄等の金属製の一対の保持部材32,32と、回転圧入鋼管杭20の側面に向かい合うようにして取り付けられた互いの保持部材32,32の下部側に配置される一対の下側固定部材31,31と、H形鋼10A,10Bの上側に配置される上部側固定部材6と、上部側固定部材6と下側固定部材31,31のそれぞれとを連結固定することによりH形鋼10A,10Bを介して保持部材32を挟持して回転圧入鋼管杭20をH形鋼10A,10Bに固定する締め付けボルト4a,4bを備えて構成されている。
【0018】
保持部材32は、平板状の上部フランジ32aと下部フランジ32bを備え、
図2に示すように、上部フランジ32aと下部フランジ32bの略中間位置に回転圧入鋼管杭20の外側曲面形状に即した半円状の凹型ウェブ32cが配置されている。また、凹型ウェブ32cには回転圧入鋼管杭20の側面に固定するための固定ボルト2a〜2cを挿通するためのボルト孔が2段にわたって複数設けられている。この凹型ウェブ32cが保持部材32を回転圧入鋼管杭20へ取り付けるための取付部となる。尚、回転圧入鋼管杭20の上部側の所定の位置には固定ボルト2a〜2cを挿通するための孔部が穿設されている。また、凹型ウェブ32cの左右は外側へ延伸するようにして形成されており、平板状の平型ウェブ32d,32dがそれぞれ配置されている。この部分が後述する下部側固定部材31,31によって支持固定される支持部となる。さらに、上部フランジ32aと下部フランジ32bの間には補強のためのリブ32e,32eが複数の箇所に設けられている。そして、保持部材32,32は、
図3に示すように、二個一対として回転圧入鋼管杭20の側面に対向するようにして取り付けられる。
【0019】
保持部材32の凹型ウェブ32cには、凹型ウェブ32cの曲面に即した凹面形状を有する外側補強板36が配置されると共に、外側補強板36に対向する位置の回転圧入鋼管杭20の内側には回転圧入鋼管杭20の曲面に即した凹面形状を有する内側補強板35が配置される。そして、保持部材32,32は、内側補強板35及び外側補強板36を介在させた状態で回転圧入鋼管杭20の側面に上下2段に配置された3本の固定ボルト2a〜2cによってしっかりと取り付けられる。また、H形鋼10A,10Bの下面と保持部材32,32の上面との間にはガタつきなく固定するために緩衝部材34が配設されている。
【0020】
下部側固定部材31,31は、一対の保持部材32,32の互いの支持部同士を下側から支持するための部材であり、回転圧入鋼管杭20の側面に対向するようにして取り付けられた一対の保持部材32,32の互いの支持部同士を下側から支持可能な長さに形成された断面が略四角形状の中空部を有する部材、例えば角筒部材によって形成されている。下部側固定部材31の略中央には後述する長尺の締め付けボルト4a,4bを挿通するための孔部が穿設されている。尚、本実施形態では下部側固定部材31は、強度を確保するために角筒部材を用いることとしたが、これに限るものではなく、平板状の金属製プレートを用いることもできる。
【0021】
上部側固定部材6は、下部側固定部材31と同様に、断面が略四角形状の中空部を有する部材、例えば角筒部材によって形成され、左右の端部近傍の所定箇所には後述する長尺の締め付けボルト4a,4bを挿通するための孔部が穿設されている。尚、本実施形態では上部側固定部材6は、下部側固定部材31と同様に、強度を確保するために角筒部材を用いることとしたが、これに限るものではなく、平板状の金属製プレートを用いることもできる。上部側固定部材6は、H形鋼10A,10Bに対して直交するようにしてその上部側に配置される。
【0022】
締め付けボルト4a,4bは、上部側固定部材6と下部側固定部材31とを連結固定するための長尺のボルト材である。締め付けボルト4a,4bによって上部側固定部材6と下部側固定部材31をH形鋼10A,10Bに押圧固定することにより桁材であるH形鋼10A,10Bは回転圧入鋼管杭20にしっかりと固定される。尚、締め付けボルト4a,4bを固定するナット5a〜5dは緩みが生じないように2つのナットによって固定するようにしている。
【0023】
[回転圧入鋼管杭の接続金具の使用方法]
次に、上述した回転圧入鋼管杭の接続金具の使用方法について説明する。初めに、回転圧入鋼管杭20を打設するための杭打機50の構成について説明する。
図5は杭打機50の構成及び杭打ち工程を示す説明図である。杭打機50は、
図5に示すように、運転室を有する車体51と、この車体51より立設可能なリーダ52と、このリーダ52を支えるステー53と、リーダ52の頂部より下降しながら1本目の回転圧入鋼管杭20aを地中に貫入する
モータ54と、回転圧入鋼管杭20aの下端を保持して回転圧入鋼管杭20が振れるのを防止する振れ止め55とを備えて構成されている。
【0024】
次に、杭打機50による回転圧入鋼管杭20の打設について説明する。初めに、図示しないタワークレーンの建設予定地に杭打機50を搬入する。そして、
図5(a)に示すように、1本目の回転圧入鋼管杭20aの上端を杭打機50の
モータ54に取り付け、回転圧入鋼管杭20aの下端を振れ止め55の内部に挿通する。次に、
モータ54を駆動して回転圧入鋼管杭20aを回転させながら下降させ、その過程で羽根102を地中にねじ込ませながら回転圧入鋼管杭20aを徐々に下降させていく。
図5(b)に示すように、
モータ54が地表近くまで下降した時点で
モータ54の駆動を停止する。そして、必要があれば2本目の回転圧入鋼管杭20bの上端を
モータ54に取り付けて溶接によって回転圧入鋼管杭20bの下端を1本目の回転圧入鋼管杭20aの上端に連結する。その後、圧入鋼回転管杭20aの場合と同様にして回転圧入鋼管杭20bの圧入を実施する。この状態が
図5(c)である。以下、同様にして回転圧入鋼管杭20を桁材であるH形鋼10A,10Bに対応する所定位置に打設する。
【0025】
次に、
図1を参照しつつ、回転圧入鋼管杭の接続金具1の取り付け手順について説明する。図示しない台座の桁材であるH形鋼10A,10Bに対応する所定位置(本実施形態では4箇所)に打設された4本の回転圧入鋼管杭20,20に対し、
図1〜
図4に示すように回転圧入鋼管杭20の上端に回転圧入鋼管杭の接続金具1を取り付ける。具体的には、回転圧入鋼管杭20の上端側の側面に保持部材32,32の凹型ウェブ32cを当接させて固定ボルト2a〜2cによって固定する。そして、同様にしてもう一方の保持部材32も対向する位置に取り付ける。これをH形鋼10A,10Bの4箇所について実行する。このとき、保持部材32,32とH形鋼10A(または10B)の下面の間に緩衝部材34を介在させておく。
【0026】
次に、H形鋼10A(または10B)の上面の所定位置に上部側固定部材6を配置し、保持部材32,32の下の所定位置に一対の下部側固定部材31,31を配置し、上部側固定部材6と下部側固定部材31,31に設けられた締め付けボルト4a,4bを挿通するための孔部をそれぞれ合致させ、この孔部に締め付けボルト4a,4bを貫通させる。このとき、締め付けボルト4a,4bの上端に予めナット5c,5dを取り付けておくとよい。そして、締め付けボルト4a,4bを上部側固定部材6と下部側固定部材31,31の孔部に挿通した後、締め付けボルト4a,4bの下側にナット5a,5bをねじ込み、上部側固定部材6と下部側固定部材31,31が水平になり、且つ、下面全域がH形鋼10A(または10B)の上面に密着するようにナット5a,5bを締着して上部側固定部材3及び一対の下部側固定部材31,31によってH形鋼10A,10Bにしっかりと固定する。これを4箇所について実行することにより回転圧入鋼管杭の接続金具1の取り付けが完了する。最後に、図示しないタワークレーンを支持するマスト30の下端をH形鋼10A,10Bの保持具40に挿入して固定する。
【0027】
建築作業が終了し、図示しないタワークレーン及びマスト30を撤去した後、ナット5a〜5dを緩めてH形鋼10A,10Bから上部側固定部材3及び一対の下部側固定部材31,31を取り外す。次いで、固定ボルト2a〜2cを緩めて保持部材32,32を回転圧入鋼管杭20から取り外す。回転圧入鋼管杭の接続金具1が取り外されたら杭打機50によって打ち込み方向とは反対方向に回転圧入鋼管杭20を回転させて回転圧入鋼管杭20を引き抜く。そして、引き抜かれた回転圧入鋼管杭20及び回転圧入鋼管杭の接続金具1を他の施工現場へ搬送し、上述した打設工程及び回収工程を繰り返す。
【0028】
また、上述の手順とは異なる回転圧入鋼管杭の接続金具1の別の取付方法として以下に示す手順を用いることもできる。4本の回転圧入鋼管杭20を所定の箇所に打設し、一対の保持部材32,32を取り付け
る。そして、締め付けボルト4a,4bの下端側に下部側固定部材31,31を
配置すると共に、上端側に上部側固定部材6
を配置し、ナット5a〜5dによってそれぞれ仮止め状態とする。そして、上部側固定部材6をH形鋼10A(または10B)の上面に配置すると共に、一対の下部側固定部材31,31を保持部材32,32の下側に配置する。そして、ナット5a〜5dを締着することにより、上部側固定部材3及び一対の下部側固定部材31,31によってH形鋼10A,10Bにしっかりと固定する。これを4箇所について実行することにより回転圧入鋼管杭の接続金具1の取り付けが完了する。最後に、図示しないタワークレーンを支持するマスト30の下端をH形鋼10A,10Bの保持具40に挿入して固定する。
【0029】
以上のように、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0030】
1 回転圧入鋼管杭
の接続金具
2a〜2f 固定ボルト
4a,4b 締め付けボルト
5a〜5d ナット
6 上部側固定部材
10A,10B H形鋼
20,20a,20b 回転圧入鋼管杭
30 マスト
31 下部側固定部材
32 保持部材
32a 上部フランジ
32b 下部フランジ
32c 凹型ウェブ
32d 平型ウェブ
32e リブ
34 緩衝部材
35 内側補強板
36 外側補強板
40 保持具
50 杭打機
102 羽根