(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1に記載の技術においては、携帯電話機の所有者以外の者に対しては、撮影機能の利用を制限できるが、暗証コードを知っている所有者による撮影機能の利用は制限できない。
【0008】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、警備員による実環境の画像または音声の記録機能の実行を警備業務に必要な程度に極力制限することが可能な携帯端末、当該携帯端末を含む情報処理システム、当該携帯端末における情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る携帯端末は、記録部と、記憶部と、制御部とを有する。上記記録部は、実環境の画像または音声を記録する。上記記憶部は、警備業務情報の入出力のための業務アプリケーションと、上記記録部を用いた上記画像または上記音声の記録のための記録アプリケーションとを記憶する。上記制御部は、上記業務アプリケーションと上記記録アプリケーションとが同時に実行されないように上記業務アプリケーション及び上記記録アプリケーションを制御する。
【0010】
これにより携帯端末は、記録アプリケーションの実行中は、業務アプリケーションの実行を不可能とすることで、業務アプリケーションによる警備業務情報の入力を行う必要がある警備員に、記録アプリケーションの実行に対して抑制心を生じさせ、警備員による記録アプリケーションの実行を警備業務に必要な程度に極力制限することができる。
【0011】
上記携帯端末は、所定の警備業務の開始及び終了を検出する検出部と、上記警備業務の開始が検出されてから所定時間が経過するまでに上記警備業務の終了が検出されない場合に警報を出力する出力部とをさらに有してもよい。この場合上記検出部は、前記業務アプリケーションへの前記警備業務情報の入力を条件に前記警備業務の終了を検出してもよい。
【0012】
これにより携帯端末は、所定の警備業務をタイマで管理することで、警備員に所定時間内に警備業務を終了させるように促すことができ、それにより警備員に記録アプリケーションの実行を必要最低限に留めさせることができる。
【0013】
上記携帯端末は、上記警備業務の開始及び終了を示す情報を、ネットワークを介してサーバ装置へ送信する通信部をさらに有してもよい。この場合上記出力部は、上記通信部により上記サーバ装置から受信した警報情報に基づいて上記警報を出力してもよい。
【0014】
これにより携帯端末は、警備業務がサーバ装置によりタイマ管理されていることを以って、警備員に所定時間内に警備業務を終了させようとする強い動機を与えることができる。
【0015】
上記携帯端末は、ネットワークを介してサーバ装置と通信する通信部と、ユーザの操作を受け付ける操作受付部とをさらに有してもよい。この場合上記制御部は、上記操作受付部により上記記録アプリケーションの実行を要求する操作が受け付けられた場合に、上記記録アプリケーションの実行を要求する実行要求信号を上記サーバ装置へ送信し、上記サーバ装置から上記記録アプリケーションの実行を許可する実行許可信号を受信するように上記通信部を制御してもよい。さらに制御部は、上記実行許可信号が受信された場合に、上記記録アプリケーションを実行可能としてもよい。
【0016】
これにより携帯端末は、記録アプリケーションの実行の際にはサーバ装置からの許可を必要とすることで、警備員に記録アプリケーションの実行に対する抑制心を生じさせることができる。
【0017】
上記制御部は、上記記録アプリケーションの実行中に、上記通信部により、上記記録アプリケーションの実行を制限する制限信号が受信された場合に、上記記録アプリケーションを終了させてもよい。
【0018】
これにより携帯端末は、サーバからの制限信号によって強制的に記録アプリケーションを終了させることで、警備員の意思に関わらず記録アプリケーションの実行を制限することができる。
【0019】
上記制御部は、上記記録アプリケーションが実行が開始されてから所定時間経過した場合に、当該記録アプリケーションを終了させてもよい。
【0020】
これにより携帯端末は、記録アプリケーションの実行時間に制限を設けることで、警備員の意思に関わらず記録アプリケーションの実行を制限することができる。
【0021】
上記制御部は、上記記録アプリケーションが実行が開始されてから上記画像または上記音声が所定回数記録された場合に、当該記録アプリケーションを終了させてもよい。
【0022】
これにより携帯端末は、記録アプリケーションによる記録回数に制限を設けることで、警備員の意思に関わらず記録アプリケーションの実行を制限することができる。
【0023】
上記業務アプリケーションは、所定の警備対象施設の巡回点検業務に用いられてもよい。この場合上記携帯端末は、上記巡回点検業務の開始にあたり点検エリアに設けられた機器から巡回点検業務に関する情報を読み取る読取部をさらに有してもよい。この場合上記制御部は、上記記録アプリケーションの実行中は上記情報の読み取りを不可能とするように上記読取部を制御してもよい。
【0024】
これにより携帯端末は、記録アプリケーションの実行中は警備員が巡回点検業務を開始できなくすることで、警備員に記録アプリケーションの実行に対する抑制心を生じさせることができる。
【0025】
あるいは、上記携帯端末は、上記ユーザの操作を受け付ける操作受付部とをさらに有してもよく、この場合上記制御部は、上記読取部により上記情報が読み取られた後に、上記操作受付部により上記記録アプリケーションの実行を要求する操作が受け付けられた場合に、上記記録アプリケーションを実行可能としてもよい。
【0026】
これにより携帯端末は、巡回点検業務に関する情報の読み取りにより、警備員が点検エリアに存在することが確認された場合に記録アプリケーションを実行可能とすることで、記録アプリケーションが警備業務以外の用途に使用されるのを防ぐことができる。
【0027】
当該携帯端末の位置を測定する測位部をさらに有してもよい。この場合上記制御部は、上記測位部で測定された現在の位置が、上記記録アプリケーションの実行が開始されたときに上記測位部で測定された位置から所定の位置範囲を逸脱した場合に、上記記録アプリケーションを終了させてもよい。
【0028】
これにより携帯端末は、警備員が、記録の必要性に乏しい、警備業務エリアから離れた位置で記録アプリケーションを実行している場合には、警備員の意思に関わらず記録アプリケーションの実行を制限することで、記録アプリケーションが警備業務以外の用途に使用されるのを防ぐことができる。
【0029】
あるいは、上記携帯端末は、ネットワークを介してサーバ装置と通信する通信部をさらに有してもよく、この場合上記制御部は、上記記録アプリケーションの実行中に上記測位部で測定された当該携帯端末の位置に関する情報を、上記サーバ装置へ送信するように上記通信部を制御してもよい。
【0030】
これにより携帯端末は、記録アプリケーションの実行中の携帯端末(警備員)の位置をサーバ装置へ送信することで、警備員が警備業務エリアから離れて記録アプリケーションを実行している場合に、サーバ装置の管理者に、例えば警報を送信したり、確認の電話をしたり、遠隔的に記録アプリケーションを終了させたり等の、記録アプリケーションの実行を制限するための適宜の手段を講じさせることができる。
【0031】
本発明の他の形態に係る情報処理システム、携帯端末と、サーバ装置とを有する。
上記携帯端末は、第1の通信部と、記録部と、記憶部と、操作受付部と、第1の制御部とを有する。
上記第1の通信部は、ネットワークを介してサーバ装置と通信する。上記記録部は、実環境の画像または音声を記録する。上記記憶部は、警備業務情報の入出力のための業務アプリケーションと、上記記録部を用いた上記画像または上記音声の記録のための記録アプリケーションとを記憶する。上記操作受付部は、ユーザの操作を受け付ける。上記第1の制御部は、上記操作受付部により上記記録アプリケーションの実行を要求する操作が受け付けられた場合に、上記記録アプリケーションの実行を要求する実行要求信号を上記サーバ装置へ送信し、上記サーバ装置から上記記録アプリケーションの実行を許可する実行許可信号を受信するように上記第1の通信部を制御する。また制御部は、上記実行許可信号が受信された場合に、上記記録アプリケーションを実行可能とし、前記記録アプリケーションの実行中は上記業務アプリケーションを実行不可能とする。
上記サーバ装置は、第2の通信部と、第2の制御部とを有する。
上記第2の通信部は、ネットワークを介して上記携帯端末と通信する。上記第2の制御部は、上記第2の通信部により上記実行要求信号が受信された場合に、上記実行許可信号を送信するように上記第2の通信部を制御する。
【0032】
本発明の他の形態に係る情報処理方法は、
警備業務情報の入出力のための業務アプリケーションを実行すること、
実環境の画像または音声の記録のための記録アプリケーションの実行を要求するユーザの操作を受け付けること、及び、
上記操作が受け付けられたときに、上記記録アプリケーションを実行させるとともに、上記業務アプリケーションを実行不可能にすることを含む。
【0033】
本発明のまた別の形態に係るプログラムは、携帯端末に、
警備業務情報の入出力のための業務アプリケーションを実行するステップと、
実環境の画像または音声の記録のための記録アプリケーションの実行を要求するユーザの操作を受け付けるステップと、
上記操作が受け付けられたときに、上記記録アプリケーションを実行させるとともに、上記業務アプリケーションを実行不可能にするステップと
を実行させる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、警備員による実環境の画像または音声の記録機能の実行を警備業務に必要な程度に極力制限することができる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0037】
<第1の実施形態>
まず、本技術の第1の実施形態について説明する。
【0038】
[システムの概要]
図1は、本発明の一実施形態に係る警備システムの概要を示した図である。
【0039】
同図に示すように、警備システムは、警備対象施設Bに常駐する警備員Gが携帯する携帯端末100と、当該携帯端末100とネットワーク50を介して通信可能な警備会社のコントロールセンタのサーバ200(以下、センタサーバ200)とを有する。
【0040】
ネットワーク50はインターネット等のオープンな広域ネットワークでもよいし、携帯端末100とセンタサーバ200とのクローズドな専用ネットワークであってもよい。
【0041】
警備対象施設Bは、例えば企業等の事務所、個人の住宅、興行場、駐車場、遊園地、空港等である。当該警備対象施設Bに常駐する警備員Gは、携帯する携帯端末100を用いながら、巡回点検業務を実行する。
【0042】
センタサーバ200は、コントロールセンタ内の管制員C等のオペレータによって操作される。センタサーバ200は、携帯端末100から巡回典型業務の記録情報を受信し、それを蓄積することで、警備対象施設Bにおける異常の有無及び警備員Gの業務状況を把握する。またセンタサーバ200は、例えば警備対象施設Bの異常事態等、必要な場合に、携帯端末100へ各種指示等のための情報を送信する。
【0043】
[警備対象施設の概要]
図2は、上記システムにおける警備対象施設Bを示した図である。同図の例では、当該警備対象施設Bは例えば企業等の事務所である。
【0044】
同図に示すように、警備対象施設Bにおいては、複数の点検エリアA(A1〜A6)が設定されている。警備員Gは、携帯端末100を携帯しながら、当該複数の点検エリアAを順に(例えば同図の破線矢印の順路で)巡回する。
【0045】
各点検エリアAには、少なくとも1つの点検ポイントP(P1〜P17)が設定されている。点検ポイントPは、例えば窓(P1,P3,P5,P9,P11,P13,P16)、照明(P2,P6,P10,P12,P15)、ドア(P7,P14)、コピー機(P4)、金庫(P8)、灰皿(P17)等である。
【0046】
警備員Gは、それぞれの点検ポイントPにおいて、窓、ドア、金庫が施錠されているか、照明が消灯されているか、コピー機の電源はオフか、灰皿に火のついたタバコは無いか等の項目を点検する。
【0047】
また各点検エリアAには、例えば壁面やドア等に、それぞれ対応するICタグT(T1〜T6)が設置されている。当該ICタグTは、例えばNFC(Near field communication)タグであり、各点検エリアAの識別情報等を記憶している。
【0048】
警備員Gは、各点検エリアAの点検を開始する際に、携帯する携帯端末100によって当該ICタグTから識別情報を読み取る。これにより携帯端末100においては、当該ICタグTの識別情報に対応する点検エリアAの点検記録の入力が可能となる。
【0049】
また、警備員Gは、例えば犯行現場や盗難現場等の非常事態に遭遇した場合等、必要に応じて、携帯端末100により現場を撮影する。
【0050】
また詳細は後述するが、上記ICタグTの読み取りにより、それに対応する点検エリアAの点検業務が開始された旨の通知(点検開始信号)が、携帯端末100からセンタサーバ200に送信され、センタサーバ200は当該点検業務を監視可能となる。
【0051】
[携帯端末のハードウェア構成]
図3は、上記携帯端末100のハードウェア構成を示した図である。同図に示すように、携帯端末100は、CPU(Central Processing Unit)10、ROM(Read Only Memory)11、RAM(Random Access Memory)12、入出力インタフェース14、及び、これらを互いに接続するバス13を備える。
【0052】
CPU10は、必要に応じてRAM12等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながら携帯端末100の各ブロック全体を統括的に制御する。ROM11は、CPU10に実行させるOS、プログラムや各種パラメータなどのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM12は、CPU10の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0053】
入出力インタフェース14には、表示部15、操作受付部16、記憶部17、通信部18、カメラ19、タグリーダ20等が接続される。
【0054】
表示部15は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic ElectroLuminescence Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイスである。
【0055】
操作受付部16は、例えばタッチパネルやボタン等の入力装置であり、タッチパネルは表示部15と一体化されている。
【0056】
記憶部17は、例えばフラッシュメモリ(SSD;Solid State Drive)、その他の固体メモリ等の不揮発性メモリである。当該記憶部17には、OSの他、本実施形態における巡回点検業務における点検業務情報の入出力のためのアプリケーション(以下、業務アプリケーション)や、記録アプリケーションとして、上記カメラ19を用いた撮影機能を実行する撮影アプリケーションが記憶される。また記憶部17には、上記センタサーバ200からダウンロードされた、警備対象施設内の点検エリアに関する情報等も記憶される。
【0057】
通信部18は、3GやLTEといったモバイルネットワークに接続するためのモジュールであり、当該ネットワークを介して上記センタサーバ200との間の通信処理を担う。
【0058】
カメラ19は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Devices)センサ等の撮像素子により、静止画(写真)及び動画を撮像する。
【0059】
タグリーダ20は、例えば上記NFCに準拠しており、警備対象施設B内の各点検エリアAに設置されるICタグTから、点検エリアAの識別情報等を読み取る。
【0060】
[センタサーバのハードウェア構成]
図4は、上記センタサーバ200のハードウェア構成を示した図である。同図に示すように、センタサーバ200のハードウェア構成も、上記携帯端末100のハードウェア構成と基本的に同様である。すなわち、センタサーバ200は、CPU21、ROM22、RAM23、入出力インタフェース25、及び、これらを互いに接続するバス24、表示部26、操作受付部27、記憶部28、通信部29を備える。ここで表示部26は、センタサーバ200に外部接続されていてもよい。また記憶部28としては、HDD(Hard Disk Drive)が用いられてもよい。
【0061】
CPU21は、記憶部28や通信部29等の各ブロックを制御して、携帯端末100との通信処理や、各種データ処理を実行する。
【0062】
記憶部28には、警備対象施設Bの点検エリアAの位置、点検ポイントP、点検項目、後述する点検基準時間等に関する情報や、携帯端末100から受信した点検エリアの点検結果記録情報等が記憶される。
【0063】
通信部29は、例えばEthernet(登録商標)用のNIC(Network Interface Card)であり、上記携帯端末100との間の通信処理を担う。
【0064】
[ICタグと業務アプリケーション]
次に、上記ICタグTと業務アプリケーションとの関係について説明する。
図5は、上記携帯端末100においてICタグから点検エリアAの識別情報が読み取られて業務アプリケーション上で点検記録が入力される様子を説明した図である。
【0065】
同図に示すように、各点検エリアAにおいて、携帯端末100によってICタグTから点検エリアAの識別情報が読み取られると、携帯端末100の表示部15には、業務アプリケーションにより、そのICタグTに対応する点検エリアAの点検ポイントP及び点検項目の一覧が表示される。
【0066】
それと同時に、当該点検エリアAの識別情報を含む点検開始信号が携帯端末100からセンタサーバ200へ送信される。
【0067】
警備員Gは、当該一覧表示された点検ポイントPについて、対応する点検項目を順に点検し、例えばチェックボックス51等のインタフェースにより、点検結果(点検完了/未完了)を漏れの無いように入力する。
【0068】
また上記一覧表示画面では、各点検ポイントP毎にコメントが入力可能とされている。例えば警備員Gが点検ポイントPを点検できなかった等、問題があった場合には、コメントボタン52をタッチすると、画面が遷移し、例えば未点検の理由をチェックボックス53によって複数項目から選んで入力したり、その他コメントを入力ボックス54に自由に入力したりすることができる。
【0069】
これらの入力された点検結果の記録情報は、例えば画面上で終了ボタン55が押される等の終了操作があった場合に、点検の終了を通知する点検終了信号とともに、センタサーバ200へ送信され、蓄積される。
【0070】
また警備員Gが、上記点検中に何らかの異常を発見し、上記カメラ19及び撮影アプリケーションによって現場を撮影した場合には、その画像も上記点検結果の記録情報とともに送信される。
【0071】
後述するが、上記撮影アプリケーションによる撮影に際しては、携帯端末100は、撮影要求信号をセンタサーバ200へ送信し、センタサーバ200から撮影許可信号を受信する必要がある。
【0072】
上記画面に表示される点検情報は、予め携帯端末100にセンタサーバ200等からダウンロードされて、上記ICタグTからの識別情報の読み取りをトリガとして表示されてもよいし、上記読み取りにより点検開始信号がセンタサーバ200へ送信されたことをトリガとしてセンタサーバ200からダウンロードされ表示されてもよい。
【0073】
[点検エリアと基準点検時間]
次に、上記点検エリアAと基準点検時間について説明する。
図6は、上記警備対象施設Bにおける点検エリアAと基準点検時間との関係を示した図である。
【0074】
同図に示すように、各点検エリアAには、その点検作業の基準点検時間が設定されている。
【0075】
上述のように、警備員Gが各点検エリアAで携帯端末100によりICタグTから識別情報を読み取ると、点検情報が携帯端末100に表示され、携帯端末100に点検結果が入力される。この点検作業はそれぞれ基準点検時間T(Ta,Tb,Tc,Td…)内に実施される必要がある。
【0076】
各基準点検時間Tは、各点検エリアA毎に、例えばその点検ポイントPの多少や点検エリアAの巡回ルートの長さ等によって異なり得る。したがって、各基準点検時間Tは、各点検エリアA毎に、点検作業を行うために必要十分な時間として、センタサーバ200において予め設定される。
【0077】
上記ICタグTの読み取り(点検業務開始)から基準点検時間T内に点検が終了しなかった場合(終了がセンタサーバ200へ通知されなかった場合)には、センタサーバ200のオペレータは、何らかの異常が発生したと認識し、例えば携帯端末100に警報を発報したり、電話したりする。
【0078】
[警備システムの動作]
次に、以上のように構成された警備システムの動作について説明する。以降の説明においては、携帯端末100のCPU10及びセンタサーバ200のCPU21を主な動作主体として説明するが、この動作はそれらCPU10,21の制御下において実行されるプログラム(特に業務アプリケーション及び撮影アプリケーション)とも協働して行われる。
【0079】
(センタサーバの動作)
まず、上記センタサーバ200の動作について説明する。
図7は、各点検エリアAの点検業務における上記センタサーバ200の動作の流れを示したフローチャートである。
【0080】
同図に示すように、まず、センタサーバ200のCPU21は、携帯端末100から、点検開始信号を受信したか否かを判断する(ステップ71)。
【0081】
点検開始信号を受信したと判断した場合(Yes)、CPU21は、当該点検開始信号に含まれる識別情報によって識別される点検エリアAに対応する上記点検基準時間のタイマをスタートする(ステップ72)。
【0082】
続いてCPU21は、携帯端末100から、点検終了信号を受信したか否かを判断する(ステップ73)。
【0083】
点検終了信号を受信したと判断した場合(Yes)、CPU21は、監視対象の点検エリアAに関する処理を終了し、次の点検エリアAに関する点検開始信号を待機する。
【0084】
点検終了信号を受信していないと判断した場合(No)、CPU21は、携帯端末100から、撮影アプリケーションによる現場撮影を要求する撮影要求信号を受信したか否かを判断する(ステップ74)。
【0085】
上記撮影要求信号を受信したと判断した場合(Yes)、CPU21は、撮影許可信号を携帯端末100へ送信する(ステップ75)。
【0086】
続いてCPU21は、上記タイマがタイムアップしたか、すなわち、点検開始信号が受信されてから点検基準時間Tが経過したか否かを判断する(ステップ76)。
【0087】
タイマがタイムアップしたと判断した場合(Yes)、CPU21は、異常警報をセンタサーバ200の表示部26に出力して管制員Cに異常報知するとともに、携帯端末100に異常報知信号を送信する(ステップ77)。
【0088】
センタサーバ200は、以上の処理を、点検エリアA毎に実行する。
【0089】
(携帯端末100の動作)
次に、携帯端末100の動作について説明する。
図8は、各点検エリアAの点検業務における携帯端末100の撮影アプリケーションの制御動作の流れを示したフローチャートである。業務アプリケーションにおいて点検エリアAの点検が開始されると、
図8に示す撮影アプリケーションの制御動作が開始され、業務アプリケーションにて点検終了の入力がなされると、かかる動作が終了される。
【0090】
当該動作の前提として、上記撮影アプリケーションは、センタサーバ200からの許可を受けない限り、その実行が禁止された(起動していない)状態であるものとする。また上記業務アプリケーションは、常に実行中であってもよいし、上記ICタグTの読み取り及び点検終了ボタンの押下をトリガとして実行開始/終了されてもよい。
【0091】
同図に示すように、携帯端末100のCPU10は、点検エリアAの点検開始が入力されたか、すなわち、上記ICタグTによる識別情報等の読み取り操作があったか否かを判断する(ステップ81)。
【0092】
点検開始が入力された場合(Yes)、CPU10は、上記点検エリアAの識別情報とともに、点検開始信号をセンタサーバ200へ送信する(ステップ82)。携帯端末100では、業務アプリケーションにより点検情報が表示部15上に表示され、警備員Gは表示部15上で点検結果を入力しながら点検エリアAの点検を行う。
【0093】
続いてCPU10は、警備員Gから、現場の撮影要求操作が入力されたか否かを判断する(ステップ83)。撮影要求操作は、例えば上記業務アプリケーションによるユーザインタフェース上のボタンの押下やカメラ19の撮影ボタンの押下等により入力される。
【0094】
撮影要求操作が入力されたと判断した場合(Yes)、CPU10は、撮影要求信号をセンタサーバ200へ送信する(ステップ84)。
【0095】
続いてCPU10は、センタサーバ200から撮影許可信号を受信したか否かを判断する(ステップ85)。
【0096】
撮影許可信号を受信したと判断した場合(Yes)、CPU10は、撮影アプリケーションの実行の禁止を解除する(ステップ86)。これにより撮影アプリケーションが起動可能となる。
【0097】
本実施形態では、この禁止解除処理は、上記ICタグTの読み取り処理が実行された後に上記撮影許可要求が入力されたことが条件とされてもよい。具体的には、撮影許可信号を受信した時点で携帯端末100が上記読み取り処理が実行済みであることを確認してもよいし、センタサーバ200が、撮影要求信号の受信が点検開始信号の受信後であることを確認しない限り撮影許可信号を送信しないようにしてもよい。
【0098】
続いてCPU10は、警備員Gにより撮影機能の使用が開始されたか否か、すなわち、撮影アプリケーションが実行されたか否かを判断し(ステップ87)、撮影アプリケーションが実行された(起動した)と判断した場合(Yes)、上記業務アプリケーション(への入力操作)を実行不可能とする(ステップ88)。この実行不可能とする処理は、業務アプリケーションを終了する処理、あるいは、業務アプリケーションへの入力を受付禁止とする処理として行われる。
【0099】
またCPU10は、上記撮影アプリケーションが実行されている間は、上記タグリーダ20によるICタグTの読み取り処理も実行不可能としてもよい。
【0100】
続いてCPU10は、実行禁止を解除された撮影アプリケーションの強制禁止条件に合致したか否かを判断する(ステップ89)。
【0101】
ここで強制禁止条件とは、例えば、上記撮影機能の使用開始から所定時間が経過したこと、撮影機能の使用開始から所定回数以上撮影が実行されたこと、携帯端末100が撮影機能の使用を開始した位置から所定範囲の距離を逸脱したこと等が挙げられる。
【0102】
上記所定時間の経過は、携帯端末100が上記撮影アプリケーションの実行禁止解除(ステップ86)あるいは撮影機能の使用開始(ステップ87のYes)からタイマをスタートすることで検出可能である。上記撮影回数の超過は、携帯端末100が上記撮影アプリケーションの実行禁止解除(ステップ86)あるいは撮影機能の使用開始(ステップ87のYes)から撮影回数をカウントすることで検出可能である。また上記撮影機能の仕様を開始した位置から所定範囲の距離の逸脱は、例えば携帯端末100がGPS(Global Positioning System)センサ等の測位用のセンサを具備することにより検出可能である。すなわち、携帯端末100は、当該測位センサにより、上記撮影アプリケーションの実行禁止解除(ステップ86)あるいは撮影機能の使用開始(ステップ87のYes)の時点の位置を取得して記憶しておき、携帯端末100の現在位置が、記憶時の位置から所定範囲の距離だけ離れたことを以って逸脱が検出される。
【0103】
上記各条件における所定時間及び所定回数は、警備員Gが、点検業務において撮影に必要とされると想定される時間及び回数に予め設定される。また上記所定範囲の距離は、点検エリアAの面積、縦横長等に応じて、例えば点検エリアA内で警備員Gが移動しうる最長距離等を基準に予め設定される。上記強制禁止条件となる所定時間、所定回数、所定範囲の情報は、センタサーバ200の記憶部28に記憶され、撮影許可信号とともに携帯端末100に送信されてもよいし、携帯端末100に予め記憶されていてもよい。
【0104】
上記強制禁止条件に合致したと判断した場合、CPU10は、撮影アプリケーションを強制終了させるとともに(ステップ91)、業務アプリケーションの実行禁止を解除する(ステップ92)。
【0105】
またCPU10は、警備員Gから、例えば画面またはボタンを介して、撮影アプリケーションの終了操作が入力されたか否かを判断し(ステップ90)、終了操作が入力されたと判断した場合には(Yes)、撮影アプリケーションを強制終了させるとともに(ステップ91)、業務アプリケーションの実行禁止を解除する(ステップ92)。
【0106】
図9は、以上説明したセンタサーバ200及び携帯端末100の動作を含む、各点検エリアAの点検業務における警備システムの動作の流れを模式的に示した図である。
【0107】
同図に示すように、まず点検エリアA1において、ICタグT1が読み取られることで点検情報が表示されて点検業務が開始され、点検結果が入力される。当該点検エリアA1における点検業務は基準点検時間Ta内に終了し、次の点検エリアA2において、ICタグT2が読み取られて同様に点検業務が開始される。
【0108】
ここで、警備員Gが、撮影すべき状況に遭遇したとする。そうすると携帯端末100は、警備員Gの撮影要求操作に応じて、撮影要求信号をセンタサーバ200へ送信する(同図(1))。
【0109】
これに対してセンタサーバ200は、撮影許可信号を携帯端末100へ送信する(同図(2))。
【0110】
当該撮影許可信号を受けて、携帯端末100は、撮影アプリケーションの実行禁止を解除し、撮影アプリケーションが実行されると、業務アプリケーションの実行を禁止する(同図(3))。
【0111】
そして携帯端末100において撮影が完了し、撮影アプリケーションが終了された場合には、業務アプリケーションの実行禁止が解除される(同図(4))。
【0112】
その後は、警備員Gは業務アプリケーションを用いた点検業務に戻る。警備員Gは、この点検エリアBにおける業務アプリケーションによる点検業務と撮影アプリケーションによる撮影を、基準点検時間Tb内に実行し、次の点検エリアA3に向かう必要がある。したがって警備員Gは、撮影すべき状況にあっても、業務アプリケーションによる点検業務に要する時間にも配慮する必要があるため、警備員Gには、撮影アプリケーションの実行を最小限に留めようという抑制心が働く。これにより撮影アプリケーションによる撮影が業務に必要な程度以上に行われるのが防止される。
【0113】
<第2の実施形態>
次に、本技術の第2の実施形態について説明する。
【0114】
上記第1の実施形態においては、警備員Gが警備対象施設Bにおいて予め決められた巡回エリアを点検する際に、本発明が適用された例が示された。本実施形態では、警備対象施設Bに設置された警備装置からセンタサーバ200へ送信される異常信号に基づいて、警備員Gが現場に急行して現場を点検する際に、本発明が適用される。
【0115】
図10は、本実施形態に係る警備システムの概要を示した図である。
【0116】
同図に示すように、事務所や住宅等の警備対象施設Bに設置された警備装置300から異常信号がセンタサーバ200へ送信されると、例えばコントロールセンタの管制員Cからの電話で、またはセンタサーバ200からの通信により、所定の緊急発進拠点に待機している警備員Gに緊急発進命令が伝わる。
【0117】
そうすると、警備員Gは、携帯端末100を携帯して、例えば車両等で現場となる警備対象施設Bへ急行する。当該現場へ向かう時点で、警備員Gは、携帯端末100を介して、現場へ急行する旨を伝える急行信号をセンタサーバ200へ送信する。
【0118】
急行信号の受信から現場への到着までの移動時間、及び、現場での点検時間には、それぞれ基準移動時間Tg、基準点検時間Ttが設定されている。
【0119】
センタサーバ200は、上記急行信号の受信をトリガとして、上記基準移動時間Tgのタイマをスタートさせる。
【0120】
警備員Gは、現場へ到着すると、現場の点検を開始する点検開始信号を携帯端末100からセンタサーバ200へ送信する。これにより、センタサーバ200で基準移動時間Tgのタイマが終了し、基準点検時間Ttのタイマがスタートする。当該点検も、上記業務アプリケーションの実行により点検結果が入力されることで行われる。そして警備員Gは、現場の点検が終了すると、点検終了信号を携帯端末100からセンタサーバ200へ送信する。これにより、センタサーバ200において基準点検時間Ttのタイマが終了する。
【0121】
この現場の点検業務中に撮影アプリケーションによる撮影が必要になった場合には、上記第1の実施形態と同様に、携帯端末100から、撮影要求信号がセンタサーバ200へ送信され、センタサーバ200から撮影許可信号が受信された場合に、撮影アプリケーションの実行禁止が解除される。
基準移動時間Tgのタイマまたは基準点検時間Ttのタイマがタイムアップした場合には、センタサーバ200は、異常ありと判断して、異常警報を発報する。
【0122】
以上の処理において、センタサーバ200及び携帯端末100の動作は、上記第1の実施形態における
図7及び
図8のフローチャートと比較して、巡回対象の点検エリアが、急行対象の警備対象施設Bに置き換わった以外は同様である。
【0123】
<変形例>
本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0124】
上述の各実施形態では、携帯端末100において撮影要求操作があった場合には、撮影要求信号がセンタサーバ200へ送信され、センタサーバ200から撮影許可信号が受信された場合に撮影アプリケーションが実行可能とされた。しかし、この撮影許可は、センタサーバ200ではなく携帯端末100により行われてもよい。すなわち、例えば業務アプリケーションが撮影アプリケーションの実行を管理し、通常は撮影アプリケーションを実行禁止(無効化)状態にしておき、上記撮影要求操作があった場合に撮影アプリケーションを実行可能な状態に遷移させてもよい。この場合も、撮影アプリケーションの禁止解除とともに、業務アプリケーションの実行が禁止される。すなわち、携帯端末100が、業務アプリケーションと撮影アプリケーションが同時に実行されないように両アプリケーションを制御できる形態であれば、どのような手段が実行されてもよい。特に上記第2の実施形態では、上記第1の実施形態と比較して、異常事態が発生している可能性が高いと言え、警備員Gが現場に到着してから撮影要求信号を送信し撮影許可信号を受信する時間的または物理的余裕が無いことも想定されるため、上記処理が有効である。
【0125】
上述の各実施形態では、点検業務開始からのタイマ計測をセンタサーバ200が実行していたが、この処理は携帯端末100において実行されてもよい。この場合、点検開始から基準点検時間T内に点検業務が終了しなかった(終了ボタンが押されなかった)場合に携帯端末100がタイムアップをセンタサーバ200へ送信すればよい。もちろん、タイマ計測を携帯端末100が実行する場合でも、点検開始信号がセンタサーバ200へ送信されてもよい。
【0126】
また上述の実施形態では、点検業務の開始は、ICタグTの読み取りをトリガとして検出されたが、業務アプリケーションによって表示される開始ボタン等、その他の検出手段によって検出されてもよい。また上述の実施形態では、点検業務の終了は、業務アプリケーションによって表示される終了ボタンによって検出されたが、点検エリアAの最終の点検ポイントP付近にICタグTが設置され、そのICタグTの読み取りによって点検業務の終了が検出されてもよい。
【0127】
上述の各実施形態において、センタサーバ200は、例えば撮影許可信号を送信した後に、強制終了信号を携帯端末100へ送信し、強制的に撮影アプリケーションを終了させてもよい。この場合、センタサーバ200は、例えば撮影許可信号を送信してから所定時間が経過したときに強制終了信号を送信してもよい。また携帯端末100は、撮影アプリケーション実行中に、携帯端末100の測位センサで測定された位置情報を逐次センタサーバ200へ送信してもよく、センタサーバ200は、点検開始信号の受信時に受信した位置情報を基準に、その位置から所定範囲の距離(例えば点検エリアA内で警備員Gが移動する可能性のある距離以上の距離)の移動が確認された場合に、強制終了信号を送信してもよい。
【0128】
上述の各実施形態においては、撮影アプリケーションにより撮影される画像として静止画像(写真)が想定されていたが、撮影されるのは動画像であってもよい。また撮影アプリケーションに代わって、現場の音声を記録する録音アプリケーションが本発明の実行禁止及び実行禁止解除の対象とされてもよい。すなわち、本発明は、警備員Gの警備中における実環境の画像または音声を記録するための記録アプリケーション全般に適用可能である。