(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6322445
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】空間模擬臭組成物およびそれを用いた評価方法
(51)【国際特許分類】
G01N 33/497 20060101AFI20180423BHJP
G01N 1/00 20060101ALI20180423BHJP
A61L 9/00 20060101ALN20180423BHJP
【FI】
G01N33/497 D
G01N1/00 102D
!A61L9/00 Z
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-39558(P2014-39558)
(22)【出願日】2014年2月28日
(65)【公開番号】特開2015-163852(P2015-163852A)
(43)【公開日】2015年9月10日
【審査請求日】2016年7月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】302045705
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(73)【特許権者】
【識別番号】391002487
【氏名又は名称】学校法人大同学園
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】川合 秀治
(72)【発明者】
【氏名】山本 圭介
(72)【発明者】
【氏名】河村 優希
(72)【発明者】
【氏名】光田 恵
(72)【発明者】
【氏名】棚村 壽三
【審査官】
赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−252543(JP,A)
【文献】
特開2009−207811(JP,A)
【文献】
特開2006−077367(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0092571(US,A1)
【文献】
田中廣通,芳香消臭脱臭剤協議会の新効力試験法について,J. Japan Association on Odor Environment,2006年,Vol. 37 No. 5,339-353
【文献】
光触媒とタバコのニオイ,光触媒最新情報,株式会社カタライズ,2012年 7月31日,検索日:平成29年8月31日,URL,http://www.cata-rise.co.jp/cata-info/%e5%85%89%e8%a7%a6%e5%aa%92%e3%81%a8%e3%82%bf%e3%83%90%e3%82%b3%e3%81%ae%e3%83%8b%e3%82%aa%e3%82%a4/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/497
G01N 1/00
A61L 9/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主成分であるアセトアルデヒドと、
前記アセトアルデヒドと異なる臭成分と、
を含有し、
前記アセトアルデヒドの濃度が、前記アセトアルデヒド以外の他の臭成分の濃度よりも高く、
前記臭成分は、トリメチルアミン、硫化水素、メチルメルカプタン、イソ吉草酸およびn−吉草酸と、を含有し、
前記アセトアルデヒドを3±0.15ppb、
前記トリメチルアミンを0.84±0.042ppb、
前記硫化水素を0.63±0.0315ppb、
前記メチルメルカプタンを0.08±0.004ppb、
前記イソ吉草酸を1.1±0.055ppb、
前記n−吉草酸を0.09±0.0045ppb、
含むことを特徴とする空間模擬臭組成物。
【請求項2】
主成分であるアセトアルデヒドと、
前記アセトアルデヒドと異なる臭成分と、
を含有し、
前記アセトアルデヒドの濃度が、前記アセトアルデヒド以外の他の臭成分の濃度よりも高く、
前記臭成分は、酢酸、イソ吉草酸およびn−吉草酸を含有し、
前記アセトアルデヒドを35±1.75ppb、
前記酢酸を7.4±0.37ppb、
前記イソ吉草酸を0.2±0.01ppb、
前記n−吉草酸を0.2±0.01ppb、
含むことを特徴とする空間模擬臭組成物。
【請求項3】
主成分であるアセトアルデヒドと、
前記アセトアルデヒドと異なる臭成分と、
を含有し、
前記アセトアルデヒドの濃度が、前記アセトアルデヒド以外の他の臭成分の濃度よりも高く、
前記臭成分は、硫化水素、メチルメルカプタン、イソ吉草酸およびn−吉草酸を含有し、
前記アセトアルデヒドを25.3±1.265ppb、
前記硫化水素を1.32±0.066ppb、
前記メチルメルカプタンを0.32±0.016ppb、
前記イソ吉草酸を0.344±0.0172ppb、
前記n−吉草酸を0.698±0.0349ppb、
含むことを特徴とする空間模擬臭組成物。
【請求項4】
主成分であるアセトアルデヒドと、
前記アセトアルデヒドと異なる臭成分と、
を含有し、
前記アセトアルデヒドの濃度が、前記アセトアルデヒド以外の他の臭成分の濃度よりも高く、
前記臭成分は、ヘキサナール、オクタナール、ノナナールおよびノネナールを含有し、 前記アセトアルデヒドを85±4.25ppb、
ヘキサナールを1±0.05ppb、
オクタナールを1.8±0.09ppb、
ノナナールを3.4±0.17ppb、
ノネナールを3.8±0.19ppb、
含むことを特徴とする空間模擬臭組成物。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の空間模擬臭組成物を用いて、製品の脱臭性能を評価する評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間模擬臭組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、炭素数7〜9の飽和脂肪酸から選ばれる少なくとも1種を含有する高齢者居室染み付き臭指標物質と、それを用いた消臭効果の評価方法が考案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−42293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の臭指標物質は、臭気発生源に由来する成分を想定したものである。しかしながら、実際に生活空間において脱臭を行う対象は、臭気発生源に起因する臭気だけでなく、臭気発生源が存在する空間内の物に起因する臭気が混合した複合臭気となる。つまり、臭気発生源の臭気以外に、生活空間の建材、家具、生活用品等から拡散する臭気も考慮しないと、生活空間臭気として正確ではない。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、より生活空間臭気に類似した物質を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の空間模擬臭組成物は、主成分であるアセトアルデヒドと、アセトアルデヒドと異なる臭成分と、を含有する。
【0007】
この態様によると、空間模擬臭組成物は、例えば、生活空間の建材、家具、生活用品等から拡散するアセトアルデヒドを主成分として含んでいる。そのため、この空間模擬臭組成物を用いることで、生活空間における消臭・脱臭効果の検証をより正確に行える。
【0008】
臭成分は、トリメチルアミン、硫化水素、メチルメルカプタン、イソ吉草酸およびn−吉草酸と、を含有してもよい。また、アセトアルデヒドを3±0.15ppb、トリメチルアミンを0.84±0.042ppb、硫化水素を0.63±0.0315ppb、メチルメルカプタンを0.08±0.004ppb、イソ吉草酸を1.1±0.055ppb、n−吉草酸を0.09±0.0045ppb含んでもよい。これにより、ペット臭と空間臭との混合臭気に類似した空間模擬臭組成物を容易に再現でき、この空間模擬臭組成物を用いることでペット臭がある生活空間における消臭・脱臭効果の検証をより正確に行える。
【0009】
臭成分は、酢酸、イソ吉草酸およびn−吉草酸を含有してもよい。また、アセトアルデヒドを35±1.75ppb、酢酸を7.4±0.37ppb、イソ吉草酸を0.2±0.01ppb、n−吉草酸を0.2±0.01ppb含んでもよい。これにより、玄関臭と空間臭との混合臭気に類似した空間模擬臭組成物を容易に再現でき、この空間模擬臭組成物を用いることで玄関臭がある生活空間における消臭・脱臭効果の検証をより正確に行える。
【0010】
臭成分は、硫化水素、メチルメルカプタン、イソ吉草酸およびn−吉草酸を含有してもよい。アセトアルデヒドを25.3±1.265ppb、硫化水素を1.32±0.066ppb、メチルメルカプタンを0.32±0.016ppb、イソ吉草酸を0.344±0.0172ppb、n−吉草酸を0.698±0.0349ppb含んでもよい。これにより、介護臭と空間臭との混合臭気に類似した空間模擬臭組成物を容易に再現でき、この空間模擬臭組成物を用いることで介護臭がある生活空間における消臭・脱臭効果の検証をより正確に行える。
【0011】
臭成分は、ヘキサナール、オクタナール、ノナナールおよびノネナールを含有してもよい。アセトアルデヒドを85±4.25ppb、ヘキサナールを1±0.05ppb、オクタナールを1.8±0.09ppb、ノナナールを3.4±0.17ppb、ノネナールを3.8±0.19ppb含んでもよい。これにより、体臭と空間臭との混合臭気に類似した空間模擬臭組成物を容易に再現でき、この空間模擬臭組成物を用いることで体臭がある生活空間における消臭・脱臭効果の検証をより正確に行える。
【0012】
臭成分は、アミン、硫化物、脂肪酸および飽和アルデヒドからなる群から選択される少なくとも一つの化合物を含有してもよい。
【0013】
臭成分は、トリメチルアミン、硫化水素、メチルメルカプタン、酢酸、イソ吉草酸、n−吉草酸、ヘキサナール、オクタナール、ノナナールおよびノネナールからなる群から選択される少なくとも一つの化合物を含有してもよい。
【0014】
本発明の他の態様は、評価方法である。この方法は、上述の空間模擬臭組成物を用いて、製品の脱臭性能を評価する。これにより、生活空間における消臭・脱臭効果のより正確な検証が再現性よく簡便に行える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、より生活空間臭気に類似した物質を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】嗅覚臭気質評価に用いるアンケートを説明するための図である。
【
図2】臭気強度を求める際に利用した被験者アンケートの項目と尺度を示した図である。
【
図3】試験体がないにおい袋、試験体1を入れたにおい袋、試験体2を入れたにおい袋に、各種不快臭を模した空間模擬臭組成物を封入した場合の脱臭効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
調湿建材は、室内湿度の調節機能を有する他、その吸着特性により揮発性有機化合物(VOC)や臭気の低減効果が認められるものが存在する。調湿建材としては、例えば、多孔質セラミックを用いたものが挙げられる。また、脱臭低減効果のある空気清浄機も存在する。このような調湿建材や空気清浄機の臭気低減(脱臭)性能を評価するためには、臭気低減対象となる臭気が発生する実際の環境で、性能評価対象となる建材や空気清浄機を用いて行うことが通常である。
【0018】
しかしながら、実際の環境は様々であり、同一の環境を再現することは容易ではないため、より簡便な方法が求められている。そこで、本発明者らは、実際の臭気に似せて調合した模擬臭を用いて建材や空気清浄機の性能を評価する方法について種々検討している。その過程で、臭気低減性能の評価は、一般的に不快と感じる臭気発生源からの臭気(例えば、トイレ臭、玄関臭等)成分のみを考慮した模擬臭を用いるだけでは十分でない点に想到した。
【0019】
特に、調湿建材や空気清浄機のような室内空間に配設される製品では、臭気発生源が発する不快臭(悪臭)そのものに対する低減性能に加えて、生活(室内)空間にある様々な物が発する臭と不快臭との複合臭に対する低減性能が重要である。そこで、本発明者らはこのような複合臭に類似する模擬臭の調合について鋭意検討し、以下に説明する空間模擬臭組成物の調合に想到した。
【0020】
本実施の形態に係る空間模擬臭組成物は、アセトアルデヒドを主成分としている。一般的な不快臭に含まれないアセトアルデヒドを主成分としたのは、生活空間の建材、家具、生活用品からアセトアルデヒドが放出されることを考慮したからである。そして、アセトアルデヒドと、アセトアルデヒドと異なる臭成分とを含有した空間模擬臭組成物を調合した。
【0021】
アセトアルデヒドと異なる臭成分としては、玄関臭、介護臭、ペット臭、体臭等の不快臭を分析し、各成分を調合したものが用いられる。具体的には、実現場で採取した各種不快臭の臭気成分を分析した。分析にはガスクロマトグラフ(GC−14B (株)島津製作所)を用いた。そして、この分析結果に基づいて模擬臭を調合した。
【0022】
例えば、玄関臭を想定した下駄箱から捕集した臭気の成分分析では、アセトアルデヒドと酢酸が閾希釈倍数が1以上で検出された。そこで、アセトアルデヒドや酢酸に加え、イソ吉草酸やn−吉草酸を調合して空間模擬臭組成物を作製した。この空間模擬臭組成物は玄関臭を想定している。調合における各成分の濃度を表1に示す。同様に、介護臭、ペット臭、体臭についても実現場で採取し、採取した臭気の成分分析の結果に基づいて空間模擬臭組成物を調合した。なお、表1に示す閾値とは、人がにおいを感知できる最小濃度を示す臭覚閾値をいう。
【0023】
このような模擬臭の作製は、作業による誤差等を考慮して、先に模擬臭の1000倍の濃度の混合臭気を作製し、この段階で各成分の濃度を個別に検知管で確認し基準模擬臭を得た。その後、基準模擬臭を無臭空気にて1000倍に希釈し、所望の空間模擬臭組成物を得た。
【0025】
表1に示す玄関臭を含む空間模擬臭組成物は、臭成分として、アセトアルデヒドを35ppb、酢酸を7.4ppb、イソ吉草酸を0.2ppb、n−吉草酸を0.2ppb含んでいる。これにより、玄関臭と空間臭との混合臭気に類似した空間模擬臭組成物を容易に再現でき、この空間模擬臭組成物を用いることで玄関臭がある生活空間における消臭・脱臭効果の検証をより正確に行える。
【0026】
また、表1に示す介護臭を含む空間模擬臭組成物は、臭成分として、アセトアルデヒドを25.3ppb、硫化水素を1.32ppb、メチルメルカプタンを0.32ppb、イソ吉草酸を0.344ppb、n−吉草酸を0.698ppb含んでいる。これにより、介護臭と空間臭との混合臭気に類似した空間模擬臭組成物を容易に再現でき、この空間模擬臭組成物を用いることで介護臭がある生活空間における消臭・脱臭効果の検証をより正確に行える。
【0027】
また、表1に示すペット臭を含む空間模擬臭組成物は、臭成分として、アセトアルデヒドを3ppb、トリメチルアミンを0.84ppb、硫化水素を0.63ppb、メチルメルカプタンを0.08ppb、イソ吉草酸を1.1ppb、n−吉草酸を0.09ppb含んでいる。これにより、ペット臭と空間臭との混合臭気に類似した空間模擬臭組成物を容易に再現でき、この空間模擬臭組成物を用いることでペット臭がある生活空間における消臭・脱臭効果の検証をより正確に行える。
【0028】
また、表1に示す体臭を含む空間模擬臭組成物は、臭成分として、アセトアルデヒドを85ppb、ヘキサナールを1ppb、オクタナールを1.8ppb、ノナナールを3.4ppb、ノネナールを3.8ppb含んでいる。これにより、体臭と空間臭との混合臭気に類似した空間模擬臭組成物を容易に再現でき、この空間模擬臭組成物を用いることで体臭がある生活空間における消臭・脱臭効果の検証をより正確に行える。
【0029】
(空間模擬臭組成物の類似性)
次に、この空間模擬臭組成物が実現場で捕集した不快臭に対してどの程度類似しているかを評価した。評価方法としては、18項目、7段階評価のアンケートに基づく嗅覚臭気質評価により、対比する臭気の類似性を定量化した。
【0030】
図1は、嗅覚臭気質評価に用いるアンケートを説明するための図である。
図1に示すように、比較対象となる臭気について、18の感覚的臭気質の項目ごとに7段階のいずれに該当するか選択し、その結果から下記式(1)に基づいて類似性を算出する。
【0032】
式(1)に示すS(A,B)は、現場で捕集した臭気Aと、臭気Aの成分分析に基づいて作製した空間模擬臭組成物Bとの類似性を示すものであり、1に近いほど類似性が高いことを示している。例えば、臭気Aについて表1に示す項目1が4、項目2が5、項目3が4、項目4が7、項目5が2、・・・、項目nがm(mは1〜7の整数)、・・・項目18が5であるとし、空間模擬臭組成物Bは、項目1が5、項目2が5、項目3が5、項目4が7、項目5が3、・・・、項目nがm’(m’は1〜7の整数)、・・・項目18が5であるとすると、下記式(2)と表せる。
【0034】
そして、このような評価を、表1に示した玄関臭、介護臭、ペット臭、体臭を模した空間模擬臭組成物のそれぞれについて行った。その際、空間模擬臭組成物にアセトアルデヒドを含ませた場合と除いた場合とで比較した。
【0036】
表2に示すように、いずれの複合臭においても、空間模擬臭組成物にアセトアルデヒドを含ませると、含ませない場合と比較して類似率が1に近付くことがわかる。つまり、生活空間に含まれるアセトアルデヒドを主成分とする本実施の形態に係る空間模擬臭組成物は、生活(室内)空間にある様々な物が発する臭と不快臭との複合臭に非常に類似した模擬臭として十分実用的なものであることが明らかとなった。そのため、後述する建材や空気清浄機の臭気低減性能の評価の際に、この空間模擬臭組成物を用いることで、生活空間における消臭・脱臭効果の検証をより正確に行える。
【0037】
(空間模擬臭組成物を用いた建材の脱臭評価)
次に、本実施の形態に係る空間模擬臭組成物を用いて、脱臭用建材の臭気低減効果の評価を行った。脱臭用建材として用いられる多孔質セラミックからなる試験体1、試験体2を用意した。試験体1および試験体2は、90×90mmの正方形であり、いずれも1〜10nmの細孔を多く有している。また、試験体1の比表面積は約43(m
2/g)、試験体2の比表面積は約55(m
2/g)である。
【0038】
試験体を、容積27Lのにおい袋に入れヒートシールを施した後、前述の空間模擬臭組成物を封入し、室温下で2時間放置する。なお、試験体は予め湿度65%で恒量化脱臭しておく。また、臭気を三点比較式臭袋法による臭覚測定にて臭気指数を測定する。臭気強度は、予め求めた臭気指数との相関値で表示する。
図2は、臭気強度を求める際に利用した被験者アンケートの項目と尺度を示した図である。
【0039】
図3は、試験体がないにおい袋、試験体1を入れたにおい袋、試験体2を入れたにおい袋に、各種不快臭を模した空間模擬臭組成物を封入した場合の脱臭効果を示す図である。各場合の臭気指数を表3に示す。
【0041】
図3、表3に示すように、多孔質セラミックからなる試験体1や試験体2は、いずれの不快臭(玄関臭、介護臭、ペット臭、体臭)を模した空間模擬臭組成物に対しても、臭気指数および臭気強度の低下が認められた。これは、実現場で採取した臭気を用いた脱臭効果の評価と同様の傾向である。このように、上述の空間模擬臭組成物を用いて、製品の脱臭性能を評価することで、生活空間における消臭・脱臭効果のより正確な検証が再現性よく簡便に行える。
【0042】
なお、空間模擬臭組成物の各臭成分に含まれる化合物の濃度は、表1に例示される所望の値±5%程度の範囲であればよい。好ましくは、表1に例示される所望の値±3%程度の範囲であり、より好ましくは、表1に例示される所望の値±1%程度である。
【0043】
また、臭成分としてのアミンは、上述のトリメチルアミン以外に、ピリジン、アンモニア等が挙げられる。また、臭成分としての硫化物は、上述の硫化水素やメチルメルカプタン以外に、硫化メチル、二硫化メチル、プロパンチオール等が挙げられる。また、臭成分としての脂肪酸は、上述の酢酸、イソ吉草酸、n−吉草酸以外に、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、カプロン酸等が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
建材や空気清浄機・脱臭剤・消臭剤などの臭気を低減する製品の性能評価方法に利用できる。