特許第6322449号(P6322449)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6322449
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】充填包装機のプレッシャフランジ
(51)【国際特許分類】
   B65B 3/06 20060101AFI20180423BHJP
   B65B 9/20 20120101ALN20180423BHJP
【FI】
   B65B3/06
   !B65B9/20
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-50075(P2014-50075)
(22)【出願日】2014年3月13日
(65)【公開番号】特開2015-174665(P2015-174665A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2017年1月26日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000180298
【氏名又は名称】四国化工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助
(72)【発明者】
【氏名】曽良 弘
(72)【発明者】
【氏名】盛川 康弘
(72)【発明者】
【氏名】谷口 義仁
【審査官】 田中 佑果
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−168111(JP,A)
【文献】 特開平10−167207(JP,A)
【文献】 特開2000−146077(JP,A)
【文献】 特開2004−225881(JP,A)
【文献】 特開2008−213910(JP,A)
【文献】 特開2002−179009(JP,A)
【文献】 米国特許第04640083(US,A)
【文献】 特開2010−120699(JP,A)
【文献】 特開平10−059307(JP,A)
【文献】 特開2010−168112(JP,A)
【文献】 特開2001−233307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 3/06
B65B 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を充填する充填管が上方から挿入された垂直なチューブ状包材内において内容物充填レベルよりも下方に位置するように充填管の外周に取り付けられ、その外周面とチューブ状包材の内周面との間に、チューブ状包材から内容物充填容器が成形される際に生じる内容物の流体圧の一部を上方に逃がす環状通路が形成されるように構成されている充填包装機のプレッシャフランジであって、
外周面に、内容物の流れを撹乱することによりプレッシャフランジの上方に逃げた内容物の垂直方向の力を分散させうる帯環状凸部および帯環状凹部が、上下に交互に並んで複数個ずつ、かつプレッシャフランジの中心軸線と直交するように水平状にまたはプレッシャフランジの中心軸線に対して所定の角度をなすように傾斜状に形成されていることを特徴とする、充填包装機のプレッシャフランジ。
【請求項2】
外周面の最下部にチューブ状包材の内周面との間隔が0.3〜1mmとなる帯環状凸部が形成されており、残りの帯環状凸部とチューブ状包材の内周面との間隔が、外周面の最下部に形成された帯環状凸部とチューブ状包材の内周面との間隔よりも大きくなされていることを特徴とする、請求項記載の充填包装機のプレッシャフランジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、流動性食品や飲料等の内容物を、紙等のウェブ状包材から成形された容器に充填して包装する充填包装機に関し、より詳細には、充填包装機において、容器成形時の包材の内部圧力を調整して成形を良好に行うために用いられるプレッシャフランジに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば流動性食品等の内容物を充填した紙成形容器を製造するための充填包装機として、図10および図11に示すものが一般に知られている。
この充填包装機(10)は、ロール状に巻かれたウェブ状包材(W)を支持しているリワインダ(11)と、リワインダ(11)からウェブ状包材(W)を順次巻き戻す巻戻し装置(12)と、巻き戻されたウェブ状包材(W)の両縁部どうしを重ね合わせて縦シールすることによりチューブ状包材(T)に成形するチューブ成形装置(13)と、チューブ状包材(T)内に上方から挿入された充填管(14)によってチューブ状包材(T)内に一定レベルまで内容物を充填する内容物供給装置(15)と、内容物が充填されたチューブ状包材(T)を、側方から挟圧して予備成形し、かつ容器1つ分に相当する長さ毎に横シールして横シール部の幅中間で切断することにより、中間形態である枕状の内容物充填容器(C1)を成形する容器成形装置(16)と、上記容器(C1)を完成形態である直方体状の内容物充填容器(C2)に成形する容器完成装置(17)とを備えている。
容器成形装置(16)は、チューブ状包材(T)を挟んで開閉しうるように配されてチューブ状包材(T)を横シールする2対のシールジョー(161)を備えている。シールジョー(161)は、容器(C1)1つ分の長さに相当するストロークで1対ずつ交互に昇降させられる。また、図11に示すように、各対のシールジョー(161)には、チューブ状包材(T)をその両側から挟み付けることにより所定の容器形状(例えば横断面正方形)に予備成形する成形フラップ(162)が備えられている。
【0003】
上記充填包装機(10)において、中間形態の枕状内容物充填容器(C1)を成形する際、内容物が充填されたチューブ状包材(T)に対して、各対のシールジョー(161)および成形フラップ(162)による加圧力が作用すると、チューブ状包材(T)の下端側は横シール部によって閉鎖されているため、内容物の一部が上方へ逃げようとする。しかしながら、内容物が上方に逃げてしまうと、チューブ状包材(T)の内部圧力が不足して成形フラップ(162)による予備成形が成形不良となったり、内容物の充填量が不足したりするおそれがある。
そのため、充填管(14)における内容物充填レベルよりも下方に位置する部分の周囲に、プレッシャフランジ(18)が取り付けられている。このプレッシャフランジ(18)により、上方へ逃げようとする内容物、換言すれば、内容物の流体圧が受け止められ、容器(C1)の成形に必要な内部圧力が確保されるようになっている。
但し、内部圧力が高くなりすぎると、チューブ状包材(T)が縦シール部の箇所で破れるおそれがあるため、プレッシャフランジ(18)の外周面(18a)は、チューブ状包材(T)の内周面との間に、内容物の流体圧の一部を上方に逃がす環状通路(S)が形成されるような略円柱面によって構成されている(例えば、下記特許文献1および2参照)。
【0004】
ここで、環状通路(S)を通じてプレッシャフランジ(18)の上方に逃げる内容物の流体圧は、かなりの高圧となる場合があり、その垂直方向の力によって内容物の液面から飛沫が跳ね上がることがあった。そして、跳ね上がった内容物の飛沫が、ウェブ状包材(W)の両縁部どうしの縦シールを行う縦シールローラまで達すると、飛沫の付着により縦シールローラが固着して回転不良が生じ、縦シール不良を招くことがあった。また、内容物の飛沫が、縦シール前のウェブ状包材(W)の両縁部のシール面に付着して、縦シール不良が生じる場合もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−167207号公報
【特許文献2】特開2010−95314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の目的は、充填包装機において、チューブ状包材から内容物充填容器を成形する際に内容物の液面から飛沫が跳ね上がるのを抑制しうるプレッシャフランジを提供し、その前工程であるウェブ状包材からチューブ状包材への成形工程において、内容物の飛沫の付着による縦シール不良が起こらないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、内容物を充填する充填管が上方から挿入された垂直なチューブ状包材内において内容物充填レベルよりも下方に位置するように充填管の外周に取り付けられ、その外周面とチューブ状包材の内周面との間に、チューブ状包材から内容物充填容器が成形される際に生じる内容物の流体圧の一部を上方に逃がす環状通路が形成されるように構成されている充填包装機のプレッシャフランジであって、外周面に、凸部および凹部のうち少なくともいずれか一方が形成されているものである(請求項1)。
【0008】
この発明による充填包装機のプレッシャフランジによれば、環状通路を通って上方に逃げようとする内容物の流体圧、すなわち、環状通路を上向きに流れる内容物が、プレッシャフランジの外周面に形成された凸部および/または凹部によって撹乱されることで、乱流が生じる。以上のような内容物撹乱凸部や内容部撹乱凹部の作用により、環状通路を通ってプレッシャフランジの上方に逃げた内容物の流体圧は、垂直方向の力が分散されるため、それによって内容物の液面からの飛沫の跳ね上がりが抑制される。
従って、この発明のプレッシャフランジによれば、充填包装機において、チューブ状包材から内容物充填容器への成形工程が良好に行われる上、容器成形工程時に内容物の液面から飛沫が跳ね上がるのが抑制され、ひいては、その前工程であるウェブ状包材からチューブ状包材への成形工程において、内容物の飛沫の付着による縦シール不良が起こらないようにすることが可能である。
【0009】
この発明による充填包装機のプレッシャフランジの好適な態様として、充填管の外周に嵌め付けられる内周壁部と、内周壁部と同心状に配置された外周壁部と、内周壁部および外周壁部の上端どうしを連結している上壁部とを備えており、内周壁部、外周壁部および上壁部によってプレッシャフランジの下面に開口した環状凹所が形成されており、外周壁部の上部に、環状凹所と環状通路とを連通させる貫通孔が形成されている場合がある(請求項2)。
【0010】
上記態様のプレッシャフランジによれば、容器成形時に上方へ逃げようとする内容物の一部が環状凹所を通って貫通孔から環状通路の上部出口付近に高圧で噴出し、この噴出流が、環状通路を通って上向きに流れる内容物とぶつかることにより、内容物の流れの垂直方向の力が分散されるため、内容物の液面からの飛沫の跳ね上がりが、より一層確実に抑制される。
【0011】
この発明による充填包装機のプレッシャフランジにおいて、外周面に、凸部および凹部のうち少なくともいずれか一方が、合計で複数個形成されているのが好ましい(請求項3)。
【0012】
プレッシャフランジの外周面に形成される凸部および/または凹部は、少なくとも1個あれば内容物を撹乱させ効果が奏されるが、これらを合計で複数個設けることにより、上記効果がより一層多く得られ、内容物の液面からの飛沫の跳ね上がりが確実に抑制される。
【0013】
この発明による充填包装機のプレッシャフランジの一態様として、外周面に、帯環状凸部および帯環状凹部のうち少なくとも一方が、合計で複数個形成されている場合がある(請求項4)。
【0014】
プレッシャフランジの外周面に形成される凸部や凹部を帯環状のものとすれば、環状通路に流入してくる内容物のほぼ全量を撹乱させることができる上、これらの凸部および/または凹部を合計で複数個設けることによって、内容物の撹乱による乱流形成効果が高められ、ひいては内容物の飛沫の跳ね上げを抑制する効果が高められる。
より好適な態様では、プレッシャフランジの外周面に、帯環状凸部および帯環状凹部が上下に交互に並んで複数個ずつ形成され、それによって乱流形成効果は更に高められる。
また、上記態様において、外周面に形成される複数個の帯環状凸部や帯環状凹部について、それぞれの幅および/または深さが異なるものとしてもよく、それによっても乱流形成効果は高くなると考えられる。
さらに、帯環状凸部および帯環状凹部は、プレッシャフランジの中心軸線と直交する水平状のものとする他、中心軸線に対して角度をつけた傾斜状のものとすることも可能である。
なお、プレッシャフランジの外周面に形成される凸部や凹部の形状は、上述した帯環状のものに限定されず、その他、例えば、複数個の突起状凸部、複数個のディンプル状凹部、またはこれらを組み合わせたものを外周面に形成してもよい。
【0015】
この発明による充填包装機のプレッシャフランジにおいて、外周面の最下部に、チューブ状包材の内周面との間隔が0.3〜1mmとなる帯環状凸部が形成されている場合がある(請求項5)。
【0016】
外周面の最下部に上記のような帯環状凸部を設けて環状通路の入口を狭くすることにより、内容物の流れが乱流となり易くなって、垂直方向の力が分散され、内容物の液面からの飛沫の跳ね上がりを抑制する効果が顕著に表れた。
【0017】
また、この発明による充填包装機のプレッシャフランジにおいて、外周面の高さが20mm以上であるのが好ましい(請求項6)。
【0018】
外周面の高さが20mm以上である場合に、内容物の液面からの飛沫の跳ね上がりを抑制する効果が顕著に表れた。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】この発明の実施形態に係る充填包装機の一部を示す正面図である。
図2】同充填包装機のプレッシャフランジを示す斜視図である。
図3】同プレッシャフランジの正面図である。
図4】同プレッシャフランジの平面図である。
図5図4のV-V線に沿う断面図である。
図6】プレッシャフランジにおける外周面の凹凸部の変形例を示す正面図である。
図7】プレッシャフランジにおける外周面の凹凸部の変形例を示す正面図である。
図8】プレッシャフランジにおける外周面の凹凸部の変形例を示す正面図である。
図9】プレッシャフランジにおける外周面の凹凸部の変形例を示す正面図である。
図10】従来の充填包装機の概略を示す斜視図である。
図11】従来の充填包装機の一部を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
この発明の実施形態を、図1図9を参照して以下に説明する。
図1は、この発明の実施形態に係る充填包装機の一部を示したものである。なお、充填包装機の構造は、後述するプレッシャフランジを除けば、図10および図11を参照して先に説明した従来技術と実質的に同じであるので、ここでの詳しい説明は省略する。
【0021】
図1に示すように、充填管(14)における内容物充填レベルよりも下方に位置する部分、より具体的には、充填管(14)先端よりもやや上方部分の周囲に、プレッシャフランジ(2)が取り付けられている。
【0022】
図2図5に詳しく示すように、プレッシャフランジ(2)は、充填管(14)の外周に嵌め付けられる内周壁部(21)と、内周壁部(21)と同心状に配置された外周壁部(22)と、内周壁部(21)および外周壁部(22)の上端どうしを連結している上壁部(23)とを備えており、これらの壁部(21)(22)(23)によって、プレッシャフランジ(2)の下面(2b)に開口した環状凹所(24)が形成されている。
内周壁部(21)の下端は、外周壁部(22)の下端と比べて、やや下方に長くのびている。
また、上壁部(23)の上面には、平面より見て上壁部(23)の内外周縁と同心状の短い円弧形をした4つの上方凸部(25)が、周方向に等間隔おきに形成されている。
【0023】
プレッシャフランジ(2)の外周面(2a)、すなわち、外周壁部(22)の外周面は、チューブ状包材(T)の内周面との間に、所定寸法の環状空隙部が形成されるような外径を有する略円柱面よりなる。この環状空隙部が、充填管(14)の下方において、容器成形装置(16)のシールジョー(161)および成形フラップ(162)によって枕状内容物充填容器(C1)が成形される際に上方へ逃げようとする内容物、すなわち内容物の流体圧の一部を、プレッシャフランジ(2)の上方に逃がすための環状通路(S)を形成している。環状通路(S)の径方向の幅は、通常、0.3〜1mm程度となされる。
外周面(2a)の高さは20mm以上であるのが好ましく、例えば70mm程度となされる。
【0024】
プレッシャフランジ(2)の外周面(2a)には、5個の帯環状凸部(31)および4個の帯環状凹部(32)が、上下に交互に並んで形成されている。これらの帯環状凸部(31)および帯環状凹部(32)は、プレッシャフランジ(2)の中心軸線と直交する水平状のものとなされている。
外周面(2a)の最下部に形成されている帯環状凸部(31)は、チューブ状包材(T)の内周面との間隔が0.3〜1mmとなるようなものであるのが好ましく、上記間隔は例えば0.5mm程度となされる。また、残りの4個の帯環状凸部(31)とチューブ状包材(T)の内周面との間隔は、例えば1.5mm程度となされる。最下部以外の4個の帯環状凸部(31)はいずれも同じ幅であって7mm程度であるのに対して、最下部の帯環状凸部(31)の幅は例えば9mm程度とやや広くなっている。
4個の帯環状凹部(32)は、同形同大であって、例えば幅8mm程度、深さ2mm程度である。各帯環状凹部(32)の上下側面は、開口縁に向かって次第に広がるテーパ状となされている。
【0025】
プレッシャフランジ(2)の外周壁部(22)の上部には、環状凹所(24)と環状通路(S)とを連通させる貫通孔(4)が形成されている。貫通孔(4)は、プレッシャフランジ(2)の外周面(2a)における最上部の帯環状凸部(31)に周方向等間隔おきに開口するように、計6つ設けられている。各貫通孔(4)は、断面円形の短いストレート孔よりなる。
【0026】
図6は、プレッシャフランジの外周面に形成される凹凸部の変形例を示すものである。図6に示すプレッシャフランジ(2)の場合、その外周面(2a)に上下に交互に形成されている各複数の帯環状凸部(31X)および帯環状凹部(32X)が、プレッシャフランジ(2)の中心軸線に対して所定の角度をなすように傾斜させられているものである。
【0027】
図7は、凹凸部の別の変形例を示すものである。図7に示すプレッシャフランジ(2)の場合、その外周面(2a)に上下に交互に形成されている各複数の帯環状凸部(31)および帯環状凹部(32)は、それぞれ幅および/または深さが異なるものとなされている。
【0028】
図8は、凹凸部の別の変形例を示すものである。図8に示すプレッシャフランジ(2)の外周面(2a)には、略半球形をした小突起状凸部(33)が周方向および上下方向に並んで多数個形成されている。また、外周面(2a)の最上部および最下部に、帯環状凸部(31)が形成されている。
【0029】
図9は、凹凸部のさらに別の変形例を示すものである。図9に示すプレッシャフランジ(2)では、その外周面(2a)に、ディンプル状凹部(34)が周方向および上下方向に並んで多数個形成されている。また、外周面(2a)の最下部に、帯環状凸部(31)が形成されている。
【0030】
上記プレッシャフランジ(2)を備えた充填包装機(10)において、内容物が充填されたチューブ状包材(T)から枕状内容物充填容器(C1)を成形する際、チューブ状包材(T)に対してシールジョー(161)および成形フラップ(162)による側方からの加圧力が作用すると、それに伴って内容物の流体圧が発生する。そして、発生した流体圧の一部が環状通路(S)を通じてプレッシャフランジ(2)の上方に逃がされ、残りの流体圧がプレッシャフランジ(2)のフランジ下面(2a)および環状凹所(24)の内面で受け止められることにより、チューブ状包材(T)の破損や、成形不良、充填量不足等を生じることなく、容器(C1)の成形が良好に行われる。
この際、環状通路(S)を上向きに流れる内容物は、プレッシャフランジ(2)の外周面(2a)に形成された凸部(31)(31X)(33)および/または凹部(32)(32X)(34)によって撹乱されることにより、乱流が生じる。また、環状凹所(24)の内面で受け止められた内容物の流体圧の一部が貫通孔(4)から環状通路(S)の上部出口付近に向かって噴出し、この噴出流が環状通路(S)を上向きに流れる内容物の一部とぶつかる。
これらの凸部(31)(31X)(33)、凹部(32)(32X)(34)および貫通孔(4)による相乗的な作用によって、内容物の流れの垂直方向の力が分散されるため、内容物の液面から飛沫が跳ね上がるのが効果的に抑制され、ひいては、内容物の飛沫の付着に起因するチューブ状包材(T)成形時の縦シール不良の発生が抑止される。
【符号の説明】
【0031】
(10):充填包装機
(14):充填管
(T):チューブ状包材
(C1):枕状内容物充填容器
(2):プレッシャフランジ
(2a):(プレッシャフランジの)外周面
(2b):(プレッシャフランジの)下面
(S):環状通路
(21):内周壁部
(22):外周壁部
(23):上壁部
(24):環状凹所
(31)(31X):帯環状凸部
(32)(32X):帯環状凹部
(33):突起状凸部
(34):ディンプル状凹部
(4):貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11