(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
固形燃料を燃焼装置の燃焼室に供給するように、該燃焼室の側面に設けられた連通口に傾斜して接続され、固形燃料を斜め上方から前記連通口を介して前記燃焼室へ投入できると共に固形燃料を一時的に保持できる保持空間を有する傾斜投入路と、前記保持空間と前記燃焼室の燃焼空間を仕切るように該傾斜投入路を開閉する仕切開閉蓋とを備える固形燃料の供給装置であって、
固形燃料が貯留される空間を有する収納槽状に設けられて下部開口が固形燃料の出口となっているホッパーと、
該ホッパーの前記下部開口から排出される固形燃料を導入して前記傾斜投入路の側へ送るように、固形燃料を移送するために案内する移送用筒体、及び該移送用筒体に挿入されて配されているスクリュウとを備えるスクリュウコンベア装置と、
前記移送用筒体と前記傾斜投入路とが外部に対して閉じた状態に連続するように接続する接続カバー部とを具備し、
前記傾斜投入路を開閉する仕切開閉蓋が、該傾斜投入路内で回動可能に配され、該傾斜投入路を閉じている際には固形燃料を受けて一時的に保持でき、該傾斜投入路を開く際には固形燃料を斜め上方から前記燃焼室へ投入できるように、先端側が下方に回動して固形燃料の投入を案内する傾斜面となるように設けられ、
前記スクリュウコンベア装置の前記移送用筒体の端部であって前記接続カバー部に臨むように配された筒体端の出口を開閉するように配され、一定値以上に加熱されたことを温度センサーによって検出した際には、前記筒体端の出口を閉塞する非常蓋が設けられていることを特徴とする固形燃料の供給装置。
固形燃料を燃焼装置の燃焼室に供給するように、該燃焼室の側面に設けられた連通口に傾斜して接続され、固形燃料を斜め上方から前記連通口を介して前記燃焼室へ投入できると共に固形燃料を一時的に保持できる保持空間を有する傾斜投入路と、前記保持空間と前記燃焼室の燃焼空間を仕切るように該傾斜投入路を開閉する仕切開閉蓋とを備える固形燃料の供給装置であって、
固形燃料が貯留される空間を有する収納槽状に設けられて下部開口が固形燃料の出口となっているホッパーと、
該ホッパーの前記下部開口から排出される固形燃料を導入して前記傾斜投入路の側へ送るように、固形燃料を移送するために案内する移送用筒体、及び該移送用筒体に挿入されて配されているスクリュウとを備えるスクリュウコンベア装置と、
前記移送用筒体と前記傾斜投入路とが外部に対して閉じた状態に連続するように接続する接続カバー部とを具備し、
前記傾斜投入路を開閉する仕切開閉蓋が、該傾斜投入路内で回動可能に配され、該傾斜投入路を閉じている際には固形燃料を受けて一時的に保持でき、該傾斜投入路を開く際には固形燃料を斜め上方から前記燃焼室へ投入できるように、先端側が下方に回動して固形燃料の投入を案内する傾斜面となるように設けられ、
前記ホッパーの内部であって、前記スクリュウコンベア装置の前記移送用筒体における固形燃料の導入口の上方に、固形燃料の詰まりを防止して通過させるように格子状に設けられて振動する振動格子材が配されていることを特徴とする固形燃料の供給装置。
固形燃料を燃焼装置の燃焼室に供給するように、該燃焼室の側面に設けられた連通口に傾斜して接続され、固形燃料を斜め上方から前記連通口を介して前記燃焼室へ投入できると共に固形燃料を一時的に保持できる保持空間を有する傾斜投入路と、前記保持空間と前記燃焼室の燃焼空間を仕切るように該傾斜投入路を開閉する仕切開閉蓋とを備える固形燃料の供給装置であって、
固形燃料が貯留される空間を有する収納槽状に設けられて下部開口が固形燃料の出口となっているホッパーと、
該ホッパーの前記下部開口から排出される固形燃料を導入して前記傾斜投入路の側へ送るように、固形燃料を移送するために案内する移送用筒体、及び該移送用筒体に挿入されて配されているスクリュウとを備えるスクリュウコンベア装置と、
前記移送用筒体と前記傾斜投入路とが外部に対して閉じた状態に連続するように接続する接続カバー部とを具備し、
前記傾斜投入路を開閉する仕切開閉蓋が、該傾斜投入路内で回動可能に配され、該傾斜投入路を閉じている際には固形燃料を受けて一時的に保持でき、該傾斜投入路を開く際には固形燃料を斜め上方から前記燃焼室へ投入できるように、先端側が下方に回動して固形燃料の投入を案内する傾斜面となるように設けられ、
前記ホッパーと、前記スクリュウコンベア装置との間が分離されており、前記移送用筒体の固形燃料の導入口の上部に、該固形燃料の導入口が拡大された形態であって固形燃料を受けることができるように設けられた燃料受け口を備えていることを特徴とする固形燃料の供給装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
木質チップ等の固形燃料の供給装置に関して解決しようとする問題点は、形が不揃いで通常のペレットに比較して大きな木質チップ等の固形燃料を、ボイラー等の燃焼装置へ継続して自動的に且つ固形燃料の破片粒子などの塵挨が飛散することを防止できるなど適切に供給する装置が提案されていないことである。
そこで、本発明の目的は、形が不揃いで比較的大きな木質チップ等の固形燃料を、燃焼装置へ自動的に且つ合理的に投入できる固形燃料の供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明にかかる固形燃料の供給装置の一形態によれば、固形燃料を燃焼装置の燃焼室に供給するように、該燃焼室の側面に設けられた連通口に傾斜して接続され、固形燃料を斜め上方から前記連通口を介して前記燃焼室へ投入できると共に固形燃料を一時的に保持できる保持空間を有する傾斜投入路と、前記保持空間と前記燃焼室の燃焼空間を仕切るように該傾斜投入路を開閉する仕切開閉蓋とを備える固形燃料の供給装置であって、固形燃料が貯留される空間を有する収納槽状に設けられて下部開口が固形燃料の出口となっているホッパーと、該ホッパーの前記下部開口から排出される固形燃料を導入して前記傾斜投入路の側へ送るように、固形燃料を移送するために案内する移送用筒体、及び該移送用筒体に挿入されて配されているスクリュウとを備えるスクリュウコンベア装置と、前記移送用筒体と前記傾斜投入路とが外部に対して閉じた状態に連続するように接続する接続カバー部とを具備し、前記傾斜投入路を開閉する仕切開閉蓋が、該傾斜投入路内で回動可能に配され、該傾斜投入路を閉じている際には固形燃料を受けて一時的に保持でき、該傾斜投入路を開く際には固形燃料を斜め上方から前記燃焼室へ投入できるように、先端側が下方に回動して固形燃料の投入を案内する傾斜面となるように設けられている。
【0007】
また、本発明にかかる固形燃料の供給装置の一形態によれば、前記スクリュウコンベア装置において、前記スクリュウが、前記移送用筒体に遊嵌状態に挿入されていることを特徴とすることができる。
【0008】
また、本発明にかかる固形燃料の供給装置の一形態によれば、前記仕切開閉蓋の上方における前記傾斜投入路の内部で該傾斜投入路を開閉するように回動可能に配され、該傾斜投入路を閉じている際には固形燃料を受けて一時的に保持し、該固形燃料を一定量以上保持したことを燃料感知センサーによって検出した際には、固形燃料を下方へ導くように該傾斜投入路を開く計量開閉蓋が設けられていることを特徴とすることができる。
【0009】
また、本発明にかかる固形燃料の供給装置の一形態によれば、前記スクリュウコンベア装置の前記移送用筒体の端部であって前記接続カバー部に臨むように配された筒体端の出口を開閉するように配され、一定値以上に加熱されたことを温度センサーによって検出した際には、前記筒体端の出口を閉塞する非常蓋が設けられていることを特徴とすることができる。
【0010】
また、本発明にかかる固形燃料の供給装置の一形態によれば、前記ホッパーの内部であって、前記スクリュウコンベア装置の前記移送用筒体における固形燃料の導入口の上方に、固形燃料の詰まりを防止して通過させるように格子状に設けられて振動する振動格子材が配されていることを特徴とすることができる。
【0011】
また、本発明にかかる固形燃料の供給装置の一形態によれば、前記ホッパーと、前記スクリュウコンベア装置との間が分離されており、前記移送用筒体の固形燃料の導入口の上部に、該固形燃料の導入口が拡大された形態であって固形燃料を受けることができるように設けられた燃料受け口を備えることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明にかかる固形燃料の供給装置によれば、形が不揃いで通常のペレットに比較して大きな木質チップ等の固形燃料を燃焼装置へ継続して自動的且つ固形燃料の破片粒子などの塵挨が飛散することを防止できるなど適切に投入することができるという特別有利な効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明にかかる固形燃料の供給装置の形態例を添付図面(
図1〜3)に基づいて詳細に説明する。
この固形燃料の供給装置は、固形燃料Wを燃焼装置10の燃焼室11に供給するように、その燃焼室11の側面に設けられた連通口12に傾斜して接続され、固形燃料Wを斜め上方から連通口12を介して燃焼室11へ投入できると共に固形燃料Wを一時的に保持できる保持空間22を有する傾斜投入路20と、保持空間22と燃焼室11の燃焼空間を仕切るように傾斜投入路20を開閉する仕切開閉蓋25とを基本的に備えている。
【0015】
ここで、固形燃料Wとしては、例えば木材を粗く破砕したチップ状のもの(木質チップ)を利用できる。すなわち、その固形燃料Wのチップ状の形状は、例えば長さが10cm程度で太さが2cm程度のものを平均的な大きさとするもので、例えば廃材や間伐材を粗く破砕したものであって不揃いなものを利用できる。このような固形燃料Wは、通常の木質ペレットに比較して大きなもので、単に粗く破砕したものであるため加工コストが低廉で、安価に供給できる。これに対して、切削によって木材をチップ状にする場合は、そのチップの大きさが揃うが、切削刃の保守に労力を要するなど、コスト高になり易い。
【0016】
30はホッパーであり、固形燃料Wが貯留される空間を有する収納槽状に設けられて下部開口31が固形燃料の出口となっている。本形態例のホッパー30によれば、収納された固形燃料Wが順次連続的に排出されるように斜面を備え、下部開口31に向けてすぼまる漏斗状に形成されている。
【0017】
35はスクリュウコンベア装置であり、ホッパー30の下部開口31から排出される固形燃料Wを導入して傾斜投入路20の側へ送るように、固形燃料Wを移送するために案内する移送用筒体36、及びその移送用筒体36に挿入されて配されているスクリュウ37とを備えている。また、本形態例のスクリュウコンベア装置35においては、スクリュウ37が、移送用筒体36に遊嵌状態に挿入されている。
【0018】
また、本形態例のスクリュウコンベア装置35は、ホッパー30の下部開口31から排出される固形燃料Wを、導入口36aを介して導入して傾斜投入路20の側へ送るように設けられていると共に進行方向に向かって上るように傾斜されて配されているコンベア装置の一例になっている。このスクリュウコンベア装置35は、移送用筒体36にスクリュウ37が緩く挿入された状態あることで、チップ状の固形燃料Wが移送用筒体36内に詰まることを防止できる。
【0019】
このスクリュウコンベア装置35としては、例えば、移送用筒体36を柔軟性のある板厚が薄いスチールパイプなどを用いて構成することができ、スクリュウ37をステンレススチールなどの金属材によって構成することができる。これによれば、延焼を防止でき、装置の安全性を向上できる。このスクリュウコンベア装置35の寸法サイズとしては、例えば、移送用筒体36の内径が200mmであって、スクリュウ37の外径が125mmとするように、移送用筒体36の内径とスクリュウ37の外径との寸法比を3:2とすることができる。このように、スクリュウ37が、移送用筒体36に遊嵌状態に挿入されて回転するように配されていることで、チップ状の固形燃料Wが詰まることを好適に防止できる。また、スクリュウコンベア35は、ホッパー30の斜面に沿うように固定されており、コンパクトに構成されている。さらに、ホッパー30を燃焼装置が配置された室内に対して外置きとすることで、固形燃料Wの供給作業を容易化できる。
【0020】
なお、このスクリュウコンベア装置35によれば、移送用筒体36にスクリュウ37が緩く挿入された状態であるため、移送用筒体36の内面とスクリュウ37の間に偏心した大きな隙間が生じやすく、一定時間に一定量の固形燃料Wを連続的且つ確実に送ることは難しい。しかしながら、所望量の固形燃料Wを燃焼装置10に投入するための作動時間の長さ、頻度やタイミングなどの制御を、その燃焼装置10に装着された温度センサー80(
図1参照)などのセンサーの検知結果を確認することで行うことで、固形燃料Wを適正に燃焼装置10の燃焼室11へ供給することができる。例えば、燃焼温度が低下した際には、より頻繁に固形燃料Wを投入し、燃焼温度を高めるように制御すればよい。また、38は電動モータ装置であり、スクリュウ37を回転駆動させる動力源になっており、例えば、チェーンによって動力が伝達される構成とすることができる。なお、本発明はそのようなチェーン駆動に限定されるものではなく、既知の他の動力源及び動力伝達手段を用いることができるのは勿論である。
【0021】
40は接続カバー部であり、移送用筒体36と傾斜投入路20とが外部に対して閉じた状態に連続するように接続する部位になっている。
この接続カバー部によれば、固形燃料Wの移送経路が外部に露出しないため、固形燃料Wの破片粒子などの塵挨が飛散することを防止でき、固形燃料Wを、傾斜投入路20を介して燃焼室11へ適切に投入することができる。すなわち、スクリュウコンベア装置35と、これに接続された接続カバー部40及び傾斜投入路20とによって、固形燃料Wを散乱させないで次工程の部位へ向って横方向(水平方向)へ適切に移送することができる。なお、コンベア装置としてのスクリュウコンベア装置35の設置角度は特に限定されるものではなく、例えば、水平に配したスクリュウコンベア装置35によっても固形燃料Wを適宜に送ることが可能である。
【0022】
そして、傾斜投入路20を開閉する仕切開閉蓋25が、その傾斜投入路20内で回動可能に配され、傾斜投入路20を閉じている際には固形燃料Wを受けて一時的に保持でき、傾斜投入路20を開く際には固形燃料Wを斜め上方から燃焼室11へ投入できるように、先端側25aが下方に回動して固形燃料Wの投入を案内する傾斜面となるように設けられている。この仕切開閉蓋25の回動動作によれば、その下方への回動動作の停止時によって生じる衝撃によって固形燃料Wを揺すり落とす振動が発生し、固形燃料Wが、傾斜投入路20内に引っ掛かって留まることを防止して、その傾斜投入路20を介して燃焼室11へ好適に投入される。27は回動駆動機構であり、仕切開閉蓋25を、傾斜投入路20の下側に配された回動軸26を中心にして回動運動を行う駆動機構として構成されている。この回動駆動機構27としては、例えば、チェーン27a、スプロケット27b、及び電動モータ装置27cによって構成することができる。これによれば、回動駆動機構27を簡易且つ低コストで構成できる。なお、その回動駆動機構27としては、これに限らず、例えばシリンダ装置とリンクによって構成されたリンク機構など、既知の他の駆動機構を利用できるのは勿論である。
【0023】
ホッパー30の内部であって、スクリュウコンベア装置35の移送用筒体36における固形燃料Wの導入口36aの上方に、固形燃料Wの詰まりを防止して通過させるように格子状に設けられて振動する振動格子材45が配されている。この振動格子材45は、例えば、ホッパー30の内部に設けられた棚状の枠の上に載置された状態に配され、振動を発生する振動モータ装置46によって振動可能に設けることができる。振動格子材45は、その格子の目である開口を適度に設定すればよく、例えば13cm角程度とすることができ、強度及び剛性が高い金属棒を格子状に溶接などで形成したものを用いることができる。これによれば、固形燃料Wがホッパー30内で目詰まりすることを振動によって防止して格子の開口を通過させて落下させることができ、固形燃料Wをホッパー30からスクリュウコンベア装置35へ適切に送ることができる。
【0024】
次に、
図2の形態例について、
図1の形態例にない構成を中心に詳細に説明する。
50は燃料計量台であり、コンベア装置40の送り先端の前方側であって接続カバー部40に相当する部位に設けられ、送られた固形燃料Wを受けてその固形燃料Wの重量を計測するために保持する部位であると共に、傾斜投入路20の側に回動して重量を計測した固形燃料Wを傾斜投入路20の側へ送ることができるように設けられている。これによれば、適正な量の固形燃料Wを燃焼室11へ投入して適切な連続燃焼をさせることができ、その燃焼による発熱量を適切にコントロールすることができる。
【0025】
60は重量センサー装置であり、燃料計量台50に載った固形燃料Wの重量を計測し、設定された所要の重量の固形燃料Wが燃焼室11に供給されるように信号を発するように設けられている。これによれば、固形燃料Wの連続燃焼及びその発熱量のコントロールをするため、駆動装置を自動的且つ適切に制御できるようになる。
【0026】
なお、本形態例では、燃料計量台50で固形燃料Wの重量を量って傾斜投入路20内へ投入する構成になっているため、間欠的な投入となるが、トータル的には所望の量の固形燃料Wを好適に送ることができる。すなわち、本形態例では、燃料計量台50に設定された所要の重量の固形燃料Wが載った際に発せられる重量センサー装置60の信号を受け、コンベア装置(スクリュウコンベア装置35)を停止させた後、固形燃料Wを傾斜投入路20内へ投入するように仕切開閉蓋25を回動させて開くと共に燃料計量台50を回動させる回動駆動機構52と、その回動駆動機構52を制御する駆動制御装置(図示せず)とを備える。本形態例の仕切開閉蓋25では、その回動軸26が傾斜投入路20の下側にあり、その仕切開閉蓋25の先端側が下方に回動する形態となっている。また、燃料計量台50の回動軸51は傾斜投入路20の入口21の近傍にあって、その回動軸51を中心に燃料計量台50が回動することで固形燃料Wを接続カバー部40から傾斜投入路20内へ投入できる形態になっている。これによれば、簡易な構成でありながら、逆火による延焼を防止して安全性を向上しつつ、所要量の固形燃料Wを好適に燃焼装置10の燃焼室11へ送ることができ、燃料供給の自動化を適切に行うことができる。
【0027】
また、本形態例の駆動制御装置(図示せず)では、スクリュウコンベア装置35にかかる運転方法について、例えば、スクリュウ37を所定の時間(例えば5秒間)ごとに正回転させて所定の時間(例えば1秒間)ごとに逆回転させることをルーティン(繰り返し運転)として作動させることができる。これによれば、スクリュウコンベア装置35の作動中(スクリュウ37の回転中)に、移送用筒体36内にチップ状の固形燃料Wが詰まることを防止できる。
【0028】
さらに、その駆動制御装置によっては、ホッパー30内でチップ状の固形燃料Wが詰まることを防止するように、ホッパー30に装着される振動装置などの目詰まり防止装置を制御するように構成することもできる。これによれば、例えば、振動装置を所定の時間(例えば30秒間)ごとに所要の時間(例えば10秒間)の振動をホッパー30に与えるように制御するように構成することができる。
【0029】
なお、重量センサー装置60としては、例えば、固形燃料Wを受ける状態の燃料計量台50を重量変化に応じて所要の範囲で下方へ回動可能に受ける弾性部材と、その弾性部材の弾性力に抗して所要の位置以上に下方へ回動した際に作動するリミットスイッチとによって構成することができる。これによれば、重量センサー装置60を簡易且つ低コストで構成できる。なお、弾性部材としては、例えば
図2に示すように、コイルスプリングを用いることができる。また、センサー機能を作動する構成としては、リミットスイッチ62に限定されず、他の既知のセンサー装置を利用できるのは勿論である。
【0030】
また、本形態例では、燃焼室11からホッパー30の側を隔離するように防火用の隔壁70が設けられ、その防火用の隔壁70にコンベア装置(スクリュウコンベア装置35)が固形燃料Wを送るために挿通されている連通開口部71が設けられている。これによれば、逆火による延焼を防止して安全性を向上することができる。
【0031】
また、本形態例の燃焼装置10の燃焼室11には、投入された固形燃料Wを通気性に富む状態で保持して燃焼させる目が粗く設けられた粗い目のロストル部13と、その粗い目のロストル部13から落下した熾き火を通気性に富む状態で保持する目の細かい熾き火用のロストル部14とを備える。これによれば、固形燃料Wの燃焼性を向上させて黒煙の発生を防止できるなど、効率のよい燃焼装置の運転を実現できる。なお、12aはガイド部材であり、複数本の棒状材によって構成され、連通口12から出た固形燃料Wを案内して燃焼室11の中央近傍へ好適に落とすことができる。
【0032】
すなわち、本発明では、固形燃料W(チップ燃料)を例えば平均的な長さが10cm程度で太さが2cm程度の細長い形態であって不揃いな場合が想定されている。そのようにチップ燃料が比較的大きなものである場合、その粗い目のロストル部13の形態は、粗い目の格子状又は網状に設けることができる。そのような粗い目のロストル部13を用いることによれば、燃焼用空気の通気性を高めることで燃焼効率を向上できると共に、重厚な構造とすることができることで耐久性を向上できる。
【0033】
また、90は灰箱であり、灰を貯留して取り出すために、燃焼室11の熾き火用のロストル部14の下側に配されている。なお、燃焼室11に所望時に振動を与える機構を設けることで、灰を灰箱90に効果的に落とす構成とすることもできる。
【0034】
また、本形態例の燃焼装置の構成としては、吸気口15、吸気開口16、熱交換煙道部17及び煙突19が接続される排気口18が設けられている。燃焼室11の下方に設けられた吸気口15及び吸気開口16によれば、新鮮な空気を適切に燃焼室11内へ導入することができ、固形燃料Wの燃焼性を向上させることができる。熱交換煙道部17は排気通路を延長するもので排気がなされるまでに熱量を効率良く外部へ伝達することができる。
【0035】
以下に、本実施例の燃焼装置10に係る動作について
図1の形態例について説明する。
先ず、スクリュウコンベア装置35によって、固形燃料Wが傾斜投入路20の側へ移送される。この際には仕切開閉蓋25が傾斜投入路20を閉じた状態になっており、その仕切開閉蓋25の上面に固形燃料Wが保持される。
そして、仕切開閉蓋25が回動されて傾斜投入路20を開いた状態になることで、固形燃料Wが傾斜投入路20を介して燃焼室11内へ投入される。これによって固形燃料Wは、粗い目のロストル部13に保持、堆積された状態になる。このように固形燃料Wが投下された後、仕切開閉蓋25は傾斜投入路20を閉じた状態の位置に戻る。この際に、接続カバー部40によって覆われているため、煙や炎を含む燃焼空気が洩れ出ない。
【0036】
また、
図2の形態例では、固形燃料Wがコンベア装置40にて燃料計量台50に落とされる。そして、予め設定された重量となったことを台秤状の重量センサー装置60によって計測できた段階で、重量センサー装置50からの信号によってスクリュウコンベア装置35の作動が停止される。そして、燃料計量台50が蹴り上げられるように回動することに連係し、仕切開閉蓋25が回動されて開くことで、固形燃料Wが傾斜投入路20を介して燃焼室11内へ投入される。
【0037】
次に、本発明にかかる燃焼装置10の発熱量を制御する手段について説明する。
80は温度センサーであり、本形態例では
図1に示すように、煙道熱交換部17内の排気の温度を測定できるように設けられている。なお、この温度センサー80の取付位置は
図1に示した状態に限らず、種々選択的に設定できると共に複数を配置してもよいのは勿論である。また、温度センサー80としては、例えば熱電対によるものを利用できる。
【0038】
この温度センサー80によって得られる情報に基づき、設定された温度よりも低い場合は、以上に説明した固形燃料の供給装置の機構及び駆動制御装置によって、固形燃料Wの一回の投入量(重量)を増やしたり、投入間隔を短くして投入回数を増やすように制御することによって、所望の発熱量を発生させることができる。また、設定された温度よりも低い場合は、固形燃料Wの一回の投入量(重量)を減らしたり、投入間隔を長くして投入回数を減らすように制御すればよい。そして、設定された温度に到達した場合は、その温度を維持するように固形燃料Wの投入量を制御すればよい。制御方法はファジー制御など既知の制御方法を適宜選択的に利用できるのは勿論である。
【0039】
また、光センサーなどで燃焼状態を検知して、その検知情報に基づいて固形燃料Wの投入量や投入のタイミングを判断するなど、各種のセンサーによって得られる検知情報によるフィードバック制御などによって燃焼をコントロールできるのは勿論である。
【0040】
次に、本発明の他の形態例について、
図3に基づいて詳細に説明する。なお、以上に説明した構成と同等の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
55は計量開閉蓋であり、仕切開閉蓋25の上方における傾斜投入路20の内部でその傾斜投入路20を開閉するように回動可能に配され、傾斜投入路20を閉じている際には固形燃料Wを受けて一時的に保持し、その固形燃料Wを一定量以上保持したことを燃料感知センサー56によって検出した際には、固形燃料Wを下方へ導くように傾斜投入路20を開くように設けられている。なお、55aは計量開閉蓋の回動駆動機構であり、例えば前述した回動駆動機構27と同様に電動モータやチェーンなどによって構成されている。
【0041】
本形態例の燃料感知センサー56は、傾斜投入路20の内部に臨んで計量開閉蓋55の上流側に配され、その計量開閉蓋55によってせき止められた固形燃料Wの容積量を検出して信号を出力する。この燃料感知センサー56としては、光の透過の有無を判断する光センサーを用いることができる。
【0042】
これによれば、固形燃料Wを一定量以上保持したことを燃料感知センサー56によって検出した際には、スクリュウコンベア装置35による固体燃料の供給が一旦停止されるように制御され、燃焼室11の燃焼温度などを検知することで固形燃料Wの燃焼室11への投入が必要であると判断された際には、計量開閉蓋55が開くように制御される。そして、固形燃料Wが仕切開閉蓋25によって受け止められた後で計量開閉蓋55が閉じ、その後で仕切開閉蓋25が開いて固形燃料Wが燃焼室11へ投入される。また、そのように燃焼室11に投入された後は、可及的速やかに仕切開閉蓋25が閉じるように制御される。以上の動作は制御装置(図示せず)によって制御されて適宜に繰り返され、所要量の固形燃料Wを燃焼室11へ断続的に投入できるようになっている。なお、制御装置としては、前述した構成など、既存の制御機構を適宜選択的に用いることができる。
【0043】
この計量開閉蓋55及び燃料感知センサー56などの構成によれば、所要量の固形燃料Wを断続的に供給できると共に、仕切開閉蓋25と共に傾斜投入路20を二重に開閉できる。これによれば、傾斜投入路20は、少なくとも計量開閉蓋55又は仕切開閉蓋25のどちらかの開閉蓋によって閉じられていることになるため、逆火による火災を効果的に防止でき、装置の安全性を高めることができる。
【0044】
65は非常蓋であり、スクリュウコンベア装置35の移送用筒体36の端部であって接続カバー部40に臨むように配された筒体端の出口36bを開閉するように配され、一定値以上に傾斜投入路20が加熱されたことを温度センサー66によって検出した際には、筒体端の出口36bを閉塞するように設けられている。本形態例の温度センサー66は、筒体端の出口36bの近傍で下側に、傾斜投入路20の内部に臨んで配されている。
【0045】
65aは非常蓋のストッパ機構であり、温度センサー66が異常高温を感知した際に出力される信号を受けてストッパ機能が開放され、非常蓋65が筒体端の出口36bを閉じるように設けられている。本形態例では、常時は磁気によって非常蓋のストッパ機構65aが非常蓋65を上方に吊った状態に保持し、非常時には非常蓋のストッパ機構65aの磁気が切れて非常蓋65が下方に回動することで、筒体端の出口36bに蓋をして閉じる機構となっている。この非常蓋65及び温度センサー66などの構成によれば、非常時に、逆火による火災を効果的に防止でき、装置の安全性を高めることができる。
【0046】
さらに、本形態例の非常蓋65が下方に回動して筒体端の出口36bを閉じた際には、スクリュウ37が逆回転して、移送用筒体36に充填されていた固体燃料Wを下方へ吐き出して送るように作動制御される。これによれば、固体燃料Wがスクリュウコンベア装置35を介して連続して存在することを阻止するように分断でき、逆火による火災を効果的に防止でき、装置の安全性を高めることができる。
【0047】
また、本形態例では、ホッパー30Aと、スクリュウコンベア装置35との間が分離されており、移送用筒体36の固形燃料Wの導入口36aの上部に、その固形燃料Wの導入口36aが拡大された形態であって固形燃料Wを受けることができるように設けられた燃料受け口33を備える。
【0048】
この燃料受け口33によれば、分離された燃料の貯留槽であるホッパー30Aから落下した固形燃料Wを受けると共に、スクリュウ37を逆転させて逆流された固形燃料Wを受けることができる。すなわち、燃料受け口33は、固形燃料Wがスクリュウコンベア装置35から溢れて周囲に飛散することを防止できると共に、固形燃料Wの逆流を許容できる空間を構成している。また、ホッパー30Aと、スクリュウコンベア装置35との間が分離されていることで、火が伝わりにくく、逆火による火災の拡大を効果的に防止でき、装置の安全性を高めることができる。
【0049】
なお、11aは耐火ガラス窓であり、燃焼状況を監視できるように、燃焼室11の壁部に設置されている。
また、ホッパー30Aやスクリュウコンベア装置35を含めて各構造体について、鋼材などの耐火性のある金属材料を用いることで、逆火による火災を効果的に防止でき、装置の安全性を高めることができる。
【0050】
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得る。