特許第6322461号(P6322461)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6322461
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】シート包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/72 20060101AFI20180423BHJP
【FI】
   B65D5/72 A
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-78714(P2014-78714)
(22)【出願日】2014年4月7日
(65)【公開番号】特開2015-199507(P2015-199507A)
(43)【公開日】2015年11月12日
【審査請求日】2017年2月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000162113
【氏名又は名称】共同印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096828
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 敬介
(74)【代理人】
【識別番号】100110870
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 芳広
(72)【発明者】
【氏名】島津 忠秀
(72)【発明者】
【氏名】多賀谷 慧
(72)【発明者】
【氏名】新井 亜清
(72)【発明者】
【氏名】加藤 圭
【審査官】 田中 佑果
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−292535(JP,A)
【文献】 実開昭49−089129(JP,U)
【文献】 特開平08−183528(JP,A)
【文献】 米国特許第06612473(US,B1)
【文献】 米国特許第02507404(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0072826(US,A1)
【文献】 特開平08−268426(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/72
B65D 83/08
B65D 25/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面板と、前記底面板の四方にそれぞれ折り部を介して連なると共に前記折り部を介して折り曲げて前記底面板より立ち上げられた前面板と左右の側面板と背面板と、を有し、前記前面板の上縁が、前記側面板の上縁の前記前面板側の端部と同じ位置又は前記端部よりも低い位置にある箱形の本体と、
前記背面板の上縁に折り部を介して連なると共に前記折り部を介して折り曲げることにより前記両側面板の上縁に接触して前記本体の上面開口を覆う上面板であって、前記折り部に直交する方向の幅W2が前記側面板前記底面板とが連なる折り部に平行な方向の前記側面板の幅W1と等しい上面板と、前記上面板の前縁に折り部を介して連なると共に前記折り部を介して90°折り曲げて固定することにより前記前面板の外側に重なる懸垂板とを有する蓋体と、
前記懸垂板の先端縁に設けられた切断刃と、を備え、長尺シートの捲回ロールを前記本体内に収納するシート包装箱において、
前記側面板の上縁が全体にわたって、前記背面板側から前記前面板側に向かって下方に傾斜していることを特徴とするシート包装箱。
【請求項2】
前記側面板前記底面板とが連なる折り部に平行な方向の前記側面板の幅W1に対する、前記側面板の上縁の前後の高さの差h1の割合(h1/W1)が0.022〜0.067であることを特徴とする請求項1に記載のシート包装箱。
【請求項3】
前記懸垂板の先端にミシン目を介して連なる開封板を備え、前記開封板を前記前面板に固定することにより、直方体形状をなすことを特徴とする請求項1又は2に記載のシート包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺シートの捲回ロールを収納し、所望の長さのシートを引き出して切断するシート包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ラップフィルムやクッキングシート、アルミホイルなどのシートの包装箱としては、箱形の本体内に収納した捲回ロールから引き出した長尺シートを、本体の前面板と、蓋体の懸垂板との間に挟み、懸垂板の先端縁に設けられた切断刃で切断する包装箱が知られている。例えば、特許文献1には、収納したシートの両側に縦皺を発生させることなく円滑に引き出し、所望の位置で切断することができるよう、本体の前面板の上端縁を両側端部にいくに従って漸次低となる弧状とした包装箱が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5−22326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているようなシート包装箱において、シートを切断した際に該シートが長尺方向に裂けてしまう縦裂きや切り残しが発生する場合があった。特に、クッキングシートはラップフィルムやアルミホイルなどよりも厚いために切りづらく、切り残しが生じやすい。また、ラップフィルムは縦裂きを起こした際に捲回ロールに巻き付いて引き出しにくくなるという二次的な問題もあった。このような縦裂きや切り残しが発生する原因の一つとして、引き出したシートを本体の前面板と蓋体の懸垂板との間に挟んだ際に、シートが切断刃に十分に密着していないことが考えられる。
【0005】
本発明の課題は、引き出したシートが切断刃に十分に密着することにより、良好に該シートの切断が可能なシート包装箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のシート包装箱は、底面板と、前記底面板の四方にそれぞれ折り部を介して連なると共に前記折り部を介して折り曲げて前記底面板より立ち上げられた前面板と左右の側面板と背面板と、を有し、前記前面板の上縁が、前記側面板の上縁の前記前面板側の端部と同じ位置又は前記端部よりも低い位置にある箱形の本体と、
前記背面板の上縁に折り部を介して連なると共に前記折り部を介して折り曲げることにより前記両側面板の上縁に接触して前記本体の上面開口を覆う上面板であって、前記折り部に直交する方向の幅W2が前記側面板前記底面板とが連なる折り部に平行な方向の前記側面板の幅W1と等しい上面板と、前記上面板の前縁に折り部を介して連なると共に前記折り部を介して90°折り曲げて固定することにより前記前面板の外側に重なる懸垂板とを有する蓋体と、
前記懸垂板の先端縁に設けられた切断刃と、を備え、長尺シートの捲回ロールを前記本体内に収納するシート包装箱において、
前記側面板の上縁が全体にわたって、前記背面板側から前面板側に向かって下方に傾斜していることを特徴とする。
【0007】
本発明のシート包装箱においては、下記の構成を好ましい態様として含む。
前記側面板前記底面板とが連なる折り部に平行な方向の前記側面板の幅W1に対する、前記側面板の上縁の前後の高さの差h1の割合(h1/W1)が0.022〜0.067である。
前記懸垂板にミシン目を介して連なる開封板を備え、前記開封板を前記前面板に固定することにより、直方体形状をなす。
【発明の効果】
【0008】
本発明のシート包装箱においては、本体の側面板の上縁を背面板から前面板に向かって下方に傾斜させたことにより、シート切断時に切断刃の先端が本体方向に向いてシートと強く密着する。よって、縦裂きや切り残しを発生することなく、所望の位置で容易にシートを切断することができる。また、本発明のシート包装箱は、捲回ロールを収納して封止した状態では直方体形状とすることができるため、陳列、輸送の際に従来の包装体と同様に取り扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明のシート包装箱の一実施形態の展開図である。
図2】本発明のシート包装箱の一実施形態の開封後の蓋体を開けた状態を示す斜視図である。
図3図2のシート包装箱の一実施形態の側面図である。
図4図2のシート包装箱の一方の側面板近傍の拡大図である。
図5】本発明のシート包装箱の一実施形態の開封する様子を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明するが、本発明は下記実施形態に限定されない。また、以下に参照する図面において、同じ符号は同様の構成要素を示す。尚、図中の一点鎖線は折り部を示す。また、下記の記載において「左右方向」とは、収納したシートの幅方向であり、図1における紙面上下方向を指す。
【0011】
本発明に係るシート包装箱を図1図5を用いて詳細に説明する。
【0012】
本発明のシート包装箱は、本体100と、蓋体200と、切断刃300とを備えており、本体100内にシート401の捲回ロール400を収納して包装体とする。
【0013】
本発明のシート包装箱は、図1に示すように、切断刃300以外は1枚のシート材から切り出し、折り曲げて所定の箇所を接着剤等により固定することにより成形することができる。本発明の包装箱に用いられるシート材としては、通常、弾性、柔軟性を有する紙であり、表面に適宜樹脂層をコーティングしたものなども好ましく用いられる。また、切断刃300は金属、樹脂、紙から別途形成され、蓋体200の所定の位置に取り付けられる。
【0014】
また、本発明のシート包装箱に収納されるシート401としては、主に食品、調理用のラップフィルムやアルミホイル、クッキングシートであるが、同様のシートであれば特に用途は限定されない。これらシート401は長尺シートの形態で提供され、円筒形の芯材に巻き取って、或いは芯材を用いずに円筒形に巻き取って捲回ロール400とし、本発明のシート包装体の本体100内に収納される。
【0015】
図1図2に示すように、本体100は底面板10と、該底面板10の四方にそれぞれ折り部を介して連なる前面板20と左右(図1においては紙面上下方向)の側面板30a,30bと背面板40とを有している。そして、前面板20と側面板30a,30bと背面板40とを、それぞれ折り部を介して90°に折り曲げて底面板10より立ち上げることにより、箱形の本体100が形成されている。本実施形態においては、前面板20の左右に折り部を介して補助片21a,21bを、背面板40の左右に折り部を介して補助片41a,41bを、それぞれ備えている。よって、前面板20、側面板30a,30b、背面板40をそれぞれ底面板10から立ち上げた際には、係る補助片21aと41aとをそれぞれ前面板20と背面板40とから折り部を介して90°に折り曲げて側面板30aの内面に、補助片21bと41bとをそれぞれ前面板20と背面板40とから折り部を介して90°に折り曲げて側面板30bの内面に、それぞれ、接着剤を介して貼り付けて固定することができる。
【0016】
本発明においては、前面板20の上縁22が、側面板30a,30bの上縁32a,32bの前面板20側の端部と同じ位置又は該端部よりも低い位置にある。図4に示す実施形態では、前面板20の上縁22が、側面板30a,30bの上縁32a,32bの前面板20側の端部よりも低い位置にあり、側面板30a,30bの前面板20側の高さH1が、前面板20の高さH3よりもh2だけ高くなっている。
【0017】
蓋体200は、本体100の背面板40の上縁に折り部を介して連なる上面板50と、該上面板50の前縁に折り部を介して連なる懸垂板60と、を有している。よって、上面板50を背面板40から折り部を介して折り曲げ、さらに懸垂板60を上面板50から折り部を介して90°折り曲げて固定することにより、懸垂板60と上面板50との境界の折り部の角度が90°に固定された蓋体200が成形される。本実施形態では上面板50の左右に折り部を介して補助片51a,51bを、懸垂板60の左右に補助片61a,61bを、それぞれ備えている。よって補助片51a,51bを上面板50から折り部を介して90°に折り曲げ、同様に補助片61a,61bを懸垂板60から折り部を介して90°に折り曲げ、補助片51aと61a、51bと61bをそれぞれ貼り合わせることで容易に上記蓋体200を成形することができる。
【0018】
尚、蓋体200には、図2図3に示すようにシート401を切断するための切断刃300が取り付けられており、該切断刃300は、懸垂板60の先端から切断刃300の先端が突出するように懸垂板60の内側に取り付けられる。
【0019】
本実施形態においては、図1に示すように、懸垂板60の先端にミシン目80を介して該懸垂板60に連なる開封板70が配置されており、該開封板70を本体100の前面板20に接着剤等によって貼付することで蓋体200を本体100に固定する。この時、懸垂板60の内側に取り付けられた切断刃300の先端は開封板70によって覆われ、開封時には図5に示すように、ミシン目80において開封板70を切り離すことによって蓋体200は開放可能となり、切断刃300の先端が露出してシート401の切断が可能となる。
【0020】
本発明の特徴は、図1図3に示すように、本体100の側面板30a,30bの上縁32a,32bが、背面板40側から前面板20側に向かって下方に傾斜していることにある。即ち、側面板30a,30bの背面板40側の高さH2よりも前面板20側の高さH1の方がh1だけ低くなっている。
【0021】
本発明においては、前面板20の上縁22が、側面板30の上縁32a,32bの前面板20側の端部と同じ位置又は該端部よりも低い位置にあるため、図3に示すように、シート401を引き出し、蓋体200を閉じて上面板50が側面板30a,30bの上縁32a,32bに接触するように押さえた際には、該上面板50も上縁32a,32bに沿って背面板40側から前面板20側に向かって傾斜する。側面板30a,30bの、上縁32a,32bと前面板20側の端辺とがなす角部の角度は90°を超える鈍角となっているのに対し、懸垂板60は上面板50から折り部を介して90°の角度で折り曲げられている。そのため、側面板30a,30bの前面板20側の端辺に接する懸垂板60は、上面板50側よりも先端側においてより強く前面板20の端辺に押しつけられることになる。
【0022】
さらに、本発明において、上面板50の幅W2は側面板30a,30bの幅W1と等しく形成されている。側面板30a,30bの上縁32a,32bは傾斜した分、W1,W2よりも若干長くなっているため、該上縁32a,32bに上面板50が接触して蓋体200が閉じられた際、上面板50は幅方向に引っ張られることになり、懸垂板60が強く前面板20の端辺に押しつけられることになる。
【0023】
懸垂板60の左右が強く側面板30a,30bの端辺に押しつけられることにより、懸垂板60全体は隙間なく強く前面板20に押しつけられることになり、該懸垂板60の先端縁の内側に取り付けられた切断刃300は、先端が本体100の内側に向かって前面板20に強く押しつけられることになる。よって、シート401を切断する際には、前面板20とシート401と切断刃300の先端とが互いに強く密着し、良好にシート401を切断することができる。特に、切断刃300の先端を前面板20に押しつける力は、前面板20の端辺において最も強く、係る位置での密着性が最も高くなるため、切り残しなくシート401を切断することができる。
【0024】
本発明において、側面板30a,30bの傾斜の程度、即ち側面板30a,30b底面板10とが連なる折り部に平行な方向の側面板30a,30bの幅W1に対する、上縁32a,32bの前後の高さの差h1の割合(h1/W1)は、小さすぎると切断刃300の先端をシート401に押しつける力が十分に得られず、また、大きすぎると上面板50が側面板30a,30bの上縁32a,32bに接触しづらくなり、逆にシート401を切断しにくくなる。シート401の種類や包装体の材質、収納する捲回ロール400の外径に応じたW1の値にもよるが、好ましくはh1/W1=0.022〜0.067である。例えば、広く販売されているアルミホイルやラップフィルムの包装箱でW1=45mmの場合、h1は1.0〜3.0mm程度が好ましい。
【0025】
また、本実施形態においては、側面板30a,30bの上縁32a,32bには折り部を介して連なる補助片31a,31bを備えていることから、該上縁32a,32bは該補助片31a,31bがない場合よりも強度が向上している。
【0026】
本発明において、図4に示すように、側面板30a,30bの前面板20側の高さH1が、前面板20の高さH3よりもh2だけ高くなっている場合、上面板50と前面板20の上縁22とが接触せず、h2分の隙間が確保され、シート401を無理なく引き出すことができる。h2の高さは1〜3mm程度が好ましい。
【0027】
さらに、前記したように、本実施形態においては、開封板70を用いることで開封直前まで切断刃300を露出させずにおき、開封板70を切り離すことで容易に包装体を開封することができる。ここで、懸垂板60と開封板70との幅の合計H5を背面板40の幅H4と等しくしておくことで、包装箱を組み立てる際に、開封板70の先端を前面板20の下端に合わせて貼付すれば、側面板30a,30bの上縁32a,32bが傾斜していても、上面板50は前後で傾斜しない。また、H5とH4とが等しくなくても、H5<H4であれば、開封板70を前面板20に貼付する際に、開封板70の先端を前面板20の下端からずらすことで上面板50を底面板10と平行にすることができる。
【0028】
このように、上面板50を底面板10と平行になるように組み立てることで包装体の形状を直方体とすることができる。その結果、従来の包装体と同様に、垂直方向に積み上げても滑り落ちる恐れがなく、従来と同様に輸送、陳列を行うことができる。
【0029】
本発明のシート包装箱は、上記したように、切断刃300の先端が前面板20に強く密着するため、捲回ロール400から引き出したシート401を所望の位置で切り始めから最後まで直線状に良好に切断することができる。また、包装体としては直方体であるため、輸送や陳列に際して従来の包装体と同様に取り扱うことができる。
【符号の説明】
【0030】
10:底面板、20:前面板、21a,21b:補助片、22:前面板の上縁、30a,30b:側面板、31a,31b:補助片、32a,32b:側面板の上縁、40:背面板、41a,41b:補助片、50:上面板、51a,51b:補助片、60:懸垂板、61a,61b:補助片、70:開封板、80:ミシン目、100:本体、200:蓋体、300:切断刃、400:捲回ロール、401:シート
図1
図2
図3
図4
図5