(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遮蔽材に取付けられたループリングに嵌入される嵌入リング部と、昇降コードが遊挿される遊挿リング部と、前記遊挿リング部を前記嵌入リング部に離脱可能に係合させる係合部とを備えた遮蔽材の昇降コード用ガイドリングにおいて、
前記係合部が、前記遊挿リング部又は前記嵌入リング部と一体的に設けられた円柱体と、前記嵌入リング部又は前記遊挿リング部と一体的に設けられ前記円柱体を収容可能な円柱状の凹部が形成された凹状体と、前記凹状体の周壁にこの凹状体の軸線を中心として90度間隔に形成された4つの被係止孔と、前記円柱体の外周面に突設され前記4つの被係止孔に選択的にかつ離脱可能に係止する一対の係止突起とを有し、
前記係合部は、前記遊挿リング部を含む平面が、前記嵌入リング部を含む平面に対して、前記嵌入リング部及び前記遊挿リング部の各リング孔の中央を通る直線を中心に回転し、両平面が一致する第1係合状態と、両平面が直交する第2係合状態とに切換え可能に構成された
ことを特徴とする遮蔽材の昇降コード用ガイドリング。
前記円柱体を半月状の一対のブロックに分割して前記一対の係止突起を前記一対のブロックの円弧面中央にそれぞれ位置させる切欠き部が前記円柱体に形成され、前記切欠き部に前記一対の係止突起の合計高さ以上の幅を有する隙間が形成された請求項1記載の遮蔽材の昇降コード用ガイドリング。
【背景技術】
【0002】
従来、ヘッドボックスから垂下される遮蔽材(生地)の下端部に昇降コードが取付けられ、この昇降コードをヘッドボックス内の巻取軸により操作することにより遮蔽材を昇降可能とした日射遮蔽装置において、昇降コードの下端がコードキャッチ(連結部材)を介して遮蔽材の下端部に取付けられた遮蔽材昇降装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この日射遮蔽装置の遮蔽材昇降装置では、コードキャッチが遮蔽材の下端部に取付けられるフック部(第一の連結部材)と昇降コードの下端に取付けられるコード受け部(第二の連結部材)とにより構成され、フック部とコード受け部はフック部に作用する遮蔽材の質量を超える引っ張り力で外れる保持手段で保持される。また遮蔽材にガイド部材が取付けられ、昇降コードがガイド部材に挿通されて遮蔽材に沿って移動可能に構成される。上記ガイド部材は、遮蔽材に取付けられるベース部材と、昇降コードが挿通されるコード保持部材とにより構成され、コード保持部材がベース部材に弾性的に着脱可能に構成される。更にベース部材とコード保持部材が合成樹脂で成形され、ベース部材又はコード保持部材のいずれか一方に丸軸部が設けられ、他方に丸軸部に嵌合される嵌合部が設けられる。なお、ベース部材の基端部には長円状の透孔が形成され、ベース部材の基端部が透孔を使用して遮蔽材に縫着される。また、コード保持部材の基端部にはベース部材の基端部と同様の透孔が形成され、この透孔に昇降コードが挿通される。
【0003】
このように構成された日射遮蔽装置の遮蔽材昇降蔵置では、巻取軸を昇降コードの巻き戻し方向に回転させると、昇降コードが巻取軸から巻き戻され、昇降コードがガイド部材に案内されながら下方へ移動して、コードキャッチが下降する。この結果、遮蔽材(生地)の下端部が下降して、遮蔽材がヘッドボックスから吊下げられた状態で支持される。また遮蔽材が下限近傍まで下降している状態で、居住者が遮蔽材の背面側を移動するような場合、昇降コードが居住者に引っ掛かると、昇降コードに作用する引っ張り力により、コードキャッチのコード受け部とフック部の嵌合が外れ、同時にガイド部材のベース部材とコード保持部材との嵌合が外れる。この結果、居住者が昇降コードに引っ掛かっても、その挙動が妨げられないようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
日射遮蔽装置の遮蔽材、具体的にはローマンシェードの遮蔽材(生地)には、昇降コードを上昇させると、フラットな遮蔽材の面がほぼ一定の横ヒダを作りながら遮蔽材がたたみ上げられるプレーンスタイルの遮蔽材や、昇降コードを上昇させると、鉛直方向に所定の間隔をあけかつ水平方向に延びて縫い付けられたテープにより、同一形状に整列した横ヒダを作りながら遮蔽材がたたみ上げられるシャープスタイルの遮蔽材等がある。また、ガイド部材のベース部材を遮蔽材に取付ける方法としては、上述のようにベース部材の基端部に形成された透孔を使用して遮蔽材に縫着する方法と、予め遮蔽材にループリングを設けておき、このループリングにガイド部材のベース部材を嵌入する方法がある。後者の場合、プレーンスタイルの遮蔽材では、ループリングが鉛直面内に位置するように形成されるのに対し、シャープスタイルの遮蔽材では、ループリングが水平面内に位置するように形成される。
【0006】
しかし、上記従来の特許文献1に示された日射遮蔽装置の遮蔽材昇降装置では、予め遮蔽材にループリングを設けた場合、ガイド部材のベース部材の透孔を含む面とコード保持部材の透孔を含む面が同一平面上に位置するため、このガイド部材を、ループリングが鉛直面内に位置するプレーンスタイルの遮蔽材に用いることができるけれども、ループリングが水平面内に位置するシャープスタイルの遮蔽材には用いることができない不具合があった。このため、プレーンスタイルの遮蔽材に用いるガイド部材と、シャープスタイルの遮蔽材に用いるガイド部材の2種類用意しなければならず、部品点数が増大し、部品管理が煩わしくなる問題点があった。
【0007】
本発明の第1の目的は、部品の種類を増やさずに、ループリングが鉛直面内に位置するプレーンスタイルの遮蔽材とループリングが水平面内に位置するシャープスタイルの遮蔽材の両方に兼用できる、遮蔽材の昇降コード用ガイドリングを提供することにある。本発明の第2の目的は、昇降コードの通常の昇降動作時に、遊挿リング部が嵌入リング部から容易に離脱せず、昇降コードを遮蔽材から離す方向の所定値以上の荷重が昇降コードに作用したときに、遊挿リング部が嵌入リング部から速やかに離脱できる、遮蔽材の昇降コード用ガイドリングを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の観点は、
図1、図2及び
図6に示すように、遮蔽材11,21に取付けられたループリング11b,21bに嵌入される嵌入リング部31と、昇降コード13が遊挿される遊挿リング部32と、遊挿リング部32を嵌入リング部31に離脱可能に係合させる係合部33とを備えた遮蔽材の昇降コード用ガイドリングにおいて、
係合部33が、遊挿リング部32又は嵌入リング部31と一体的に設けられた円柱体34と、嵌入リング部31又は遊挿リング部32と一体的に設けられ円柱体34を収容可能な円柱状の凹部35aが形成された凹状体35と、凹状体35の周壁にこの凹状体35の軸線を中心として90度間隔に形成された4つの被係止孔35bと、円柱体34の外周面に突設され4つの被係止孔35bに選択的にかつ離脱可能に係止する一対の係止突起34a,34aとを有し、係合部33は、遊挿リング部32を含む平面が、嵌入リング部31を含む平面に対して、嵌入リング部31及び遊挿リング部32の各リング孔の中央を通る直線を中心に回転し、両平面が一致する第1係合状態と、両平面が直交する第2係合状態とに切換え可能に構成されたことを特徴とする。
【0010】
本発明の
第2の観点は、
第1の観点に基づく発明であって、更に
図1及び
図2に示すように、円柱体34を半月状の一対のブロックに分割して一対の係止突起34a,34aを一対のブロックの円弧面中央にそれぞれ位置させる切欠き部34bが円柱体34に形成され、この切欠き部34bに一対の係止突起34a,34aの合計高さ以上の幅を有する隙間34cが形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1の観点のガイドリングでは、係合部を、遊挿リング部を含む平面が、嵌入リング部を含む平面に対して、嵌入リング部及び遊挿リング部の各リング孔の中央を通る直線を中心に回転し、両平面が一致する第1係合状態と、両平面が直交する第2係合状態とに切換え可能に構成したので、ループリングが鉛直面内に位置するプレーンスタイルの遮蔽材に本発明のガイドリングを用いる場合には、遊挿リング部を嵌入リング部に第1係合状態で係合させ、ループリングが水平面内に位置するシャープスタイルの遮蔽材に本発明のガイドリングを用いる場合には、遊挿リング部を嵌入リング部に第2係合状態で係合させる。これにより嵌入リング部をループリングに嵌入した状態で、遊挿リング部に昇降コードをスムーズに遊挿できる。この結果、本発明のガイドリングを、部品を増やさずに、ループリングが鉛直面内に位置するプレーンスタイルの遮蔽材とループリングが水平面内に位置するシャープスタイルの遮蔽材の両方に兼用できる。一方、上記のように遮蔽材に沿うようにガイドリングにて案内された昇降コードの通常の昇降動作時に、遊挿リング部が嵌入リング部から容易に離脱しない。また、上記昇降コードを遮蔽材から離す方向の所定値以上の荷重が昇降コードに作用したときに、遊挿リング部が嵌入リング部から速やかに離脱する。この結果、ローマンシェードの構成部品の損傷を防止できるとともに、昇降コードに接触した子供や老人等を速やかに解放できる。
【0012】
また、本発明の
第1の観点のガイドリングでは、凹状体の周壁に90度間隔に形成された4つの被係止孔に、円柱体の一対の係止突起を選択的に係止させることにより、係合部を、遊挿リング部を含む平面が、嵌入リング部を含む平面に対して、嵌入リング部及び遊挿リング部の各リング孔の中央を通る直線を中心に回転し、両平面が一致する第1係合状態と、両平面が直交する第2係合状態とに切換えることができる。この結果、上記と同様に、本発明のガイドリングを、部品を増やさずに、ループリングが鉛直面内に位置するプレーンスタイルの遮蔽材とループリングが水平面内に位置するシャープスタイルの遮蔽材の両方に兼用できるとともに、遮蔽材に沿うようにガイドリングにて案内された昇降コードの通常の昇降動作時に、遊挿リング部が嵌入リング部から容易に離脱しないけれども、昇降コードを遮蔽材から離す方向の所定値以上の荷重が昇降コードに作用したときに、遊挿リング部が嵌入リング部から速やかに離脱する。
【0013】
本発明の
第2の観点のガイドリングでは、円柱体を半月状の一対のブロックに分割する切欠き部を形成し、この切欠き部に一対の係止突起の合計高さ以上の幅を有する隙間を形成したので、4つの被係止孔に選択的に係止した一対の係止突起がこれらの被係止孔から離脱するときに、一対の係止突起が凹状体の周壁内面に押されて、切欠き部の隙間が狭くなる方向に遊挿リング部が弾性変形する。このとき切欠き部の隙間が一対の係止突起の凹状体の周壁内面に押される変形量を全て吸収するので、一対の係止突起が被係止孔から速やかに離脱する。この結果、昇降コードを遮蔽材から離す方向の所定値以上の荷重が昇降コードに作用したときに、遊挿リング部が嵌入リング部から速やかに離脱する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】ループリングが鉛直面内に位置するプレーンスタイルの遮蔽材に本発明実施形態のガイドリングを用いたときに、このガイドリングの遊挿リング部に遊挿された昇降コードを遮蔽材から離す方向の所定値以上の荷重が昇降コードに作用して遊挿リング部が嵌入リング部から離脱する前後の状態を示す
図5のA−A線断面図である。
【
図3】プレーンスタイルの遮蔽材にガイドリングを用いるために、遊挿リング部を嵌入リング部に第1係合状態で係合させたガイドリングの斜視図である。
【
図4】遊挿リング部が嵌入リング部から離脱した状態を示すガイドリングの斜視図である。
【
図5】プレーンスタイルの遮蔽材にガイドリングを用いたローマンシェードの斜視図である。
【
図6】ループリングが水平面内に位置するシャープスタイルの遮蔽材に本発明実施形態のガイドリングを用いたときに、このガイドリングの遊挿リング部に遊挿された昇降コードを遮蔽材から離す方向の所定値以上の荷重が昇降コードに作用して遊挿リング部が嵌入リング部から離脱する前後の状態を示す
図9のC−C線断面図である。
【
図8】シャープスタイルの遮蔽材にガイドリングを用いるために、遊挿リング部を嵌入リング部に第2係合状態で係合させたガイドリングの斜視図である。
【
図9】シャープスタイルの遮蔽材にガイドリングを用いたローマンシェードの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図5及び
図9に示すように、ローマンシェード10,50は、図示しない固定用ブラケットを介して部屋の壁面や天井に取付けられたヘッドレール12と、このヘッドレール12に上端が取付けられヘッドレール12の長さと略同一の幅を有し遮蔽材11,21と、ヘッドレール12から昇降可能に垂下されてその下端が遮蔽材11の下部に連結された昇降コード13とを備える。上記遮蔽材11,21は、生地やスクリーン等により形成される。
【0016】
図5に示すローマンシェード10は、プレーンスタイルの遮蔽材11を備える。このプレーンスタイルの遮蔽材11の背面には、水平方向に所定の間隔をあけかつ鉛直方向に延びる複数のテープ11aが縫い付けられ、これらのテープ11aに鉛直方向に所定の間隔をあけてループリング11b(
図1)がそれぞれ設けられる。上記複数のテープ11aはヘッドレール12内の後述するコード挿通部材14から垂下された昇降コード13に対向するように遮蔽材11の背面に縫い付けられる。また上記ループリング11bは鉛直面内に位置するように形成される、即ち鉛直面内で湾曲する輪が形成される。一方、
図9に示すローマンシェード21は、シャープスタイルの遮蔽材21を備える。このシャープスタイルの遮蔽材21の背面には、鉛直方向に所定の間隔をあけかつ水平方向に延びる複数のテープ21aが縫い付けられ、これらのテープ21aのうち昇降コード13と立体交差する部分にループリング21b(
図6)がそれぞれ設けられる。これらのループリング21bは、水平面内に位置するように形成される、即ち水平面内で湾曲する輪が形成される。
【0017】
ヘッドレール12はアルミニウム合金等の金属の押出し成形又は引抜き成形により作られたレール本体12aと、レール本体12aの両端部に設けられた蓋体12bを有する(
図5及び
図9)。ヘッドレール12の内部空間には、複数のコード挿通部材14がヘッドレール12の長手方向の任意の位置に収容される。また、ヘッドレール12の内部空間には、コード挿通部材14の数に相応する本数の昇降コード13が挿通され、これらの昇降コード13の一端部は、対応する所定のコード挿通部材14から遮蔽材11の背面に沿って垂下される。なお、
図5及び
図9中の符号16は、遮蔽材11の下縁に設けられたウエイトバーである。
【0018】
一方、テープ11aに沿って又はテープ21a毎に鉛直方向に所定の間隔をあけて設けられた複数のループリング11b,21b(
図1及び
図6)のうち最下端のループリングを除く複数のループリングには、昇降コード13を案内するガイドリング30が取付けられ、最下端のループリングにはコード係止具40が取付けられる(
図5及び
図9)。上記ガイドリング30は、ループリング11b,21bに嵌入される嵌入リング部31と、昇降コード13が遊挿される遊挿リング部32と、遊挿リング部32を嵌入リング部31に離脱可能に係合させる係合部33とを備える。
【0019】
係合部33は、遊挿リング部32と一体的に設けられた円柱体34と、嵌入リング部31と一体的に設けられた凹状体35とを有する。この凹状体35には、円柱体34を収容可能な円柱状の凹部35aが形成され、凹状体35の周壁外面には、この凹状体35の軸線を中心として90度間隔に4つの被係止孔35bがそれぞれ形成される。また円柱体34の外周面には、4つの被係止孔35bに選択的にかつ離脱可能に係止する一対の係止突起34a,34aが形成される。上記被係止孔35bは円形に形成され、上記係止突起34aは略半球状に形成される。これにより係合部33は、遊挿リング部32を含む平面が、嵌入リング部31を含む平面に対して、嵌入リング部31及び遊挿リング部32の各リング孔の中央を通る直線を中心に回転し、両平面が一致する第1係合状態(
図1〜
図3)と、両平面が直交する第2係合状態(
図6〜
図8)とに切換え可能に構成される。
【0020】
また円柱体34には、この円柱体34を半月状の一対のブロックに分割する切欠き部34bが形成される。この切欠き部34bは、一対の係止突起34a,34aが一対のブロックの円弧面中央にそれぞれ位置し、かつ円柱体34に接続された遊挿リング部32の基端が切り離されるように、円柱体34に形成される。更に切欠き部34bには、一対の係止突起34a,34aの合計高さ以上の幅を有する隙間34cが形成される。具体的には、
図2及び
図7に示すように、一対の係止突起34a,34aの高さをそれぞれHとし、切欠き部34bの隙間34cの幅をWとするとき、W≧2Hという関係を満たすように、切欠き部34bの隙間34cの幅が設定される。なお、
図1、
図3、
図4、
図6及び
図8中の符号31aは、嵌入リング部31をループリング11bに嵌入するために嵌入リング部31の一部を切欠いて形成された差込口である。この差込口31aは、嵌入リング部31をループリング11bに容易に嵌入できるけれども、一旦ループリング11bに嵌入された嵌入リング部31はループリング11bから容易に離脱できないようになっている。また、上記嵌入リング部31及び円柱体34は、ポリカーボネート等のプラスチックにより一体的に形成され、上記遊挿リング部32及び凹状体35は、ポリカーボネート等のプラスチックにより一体的に形成される。
【0021】
最下端のループリングに取付けられたコード係止具40(
図5及び
図9)は、図示しないが最下端のループリングに取付けられた第1部材と、昇降コード13の一端を係止させる第2部材と、第1部材及び第2部材を離脱可能に結合する結合部材とを有する。そして昇降コード13に所定値以上の荷重が作用したときに、第1部材が第2部材から離脱して昇降コード13の一端部を遮蔽体11,21から離脱させるように構成される。
【0022】
一方、ヘッドレール12の内部空間に挿通された複数の昇降コード13の他端部は、ヘッドレール12の内部空間を一方(
図5及び
図9では左方向)に導かれて、ヘッドレール12の端部に設けられた停止手段であるストッパ(図示せず)に挿通された後、ヘッドレール12の端部から垂下されて操作つまみ41に連結される。このストッパは、操作つまみ41が設けられた側(操作つまみ41側)の昇降コード13の上昇をそれぞれ禁止又は許容するように構成される。具体的には、ストッパは、操作つまみ41側の昇降コード13を下降させた後に上昇させるとその操作つまみ41側の昇降コード13の上昇を禁止し、この上昇が禁止された操作つまみ41側の昇降コード13を一旦下降させると再びその昇降コード13の上昇を許容するように構成される。ここで、
図5及び
図9中の符号41aは操作つまみ41を遮蔽材11,21の下端に連結する連結紐である。
【0023】
ヘッドレール12に内蔵されたコード挿通部材14から垂下された昇降コード13の一端側は、遮蔽材11の背面にループリング11b,21bを介して取付けられた複数のガイドリング30の遊挿リング部32に挿通されて鉛直下方に配索された後、遮蔽材11,21の下端にループリングを介して取付けられたコード係止具40に連結される(
図5及び
図9)。これにより操作つまみ41側の昇降コード13を上昇させると、ヘッドレール12のコード挿通部材14から垂下されて遮蔽材11,21に連結された側(遮蔽材11,21側)の昇降コード13が下降し、逆に操作つまみ41側の昇降コード13を下降させると、遮蔽材11,21側の昇降コード13が上昇して遮蔽材11,21をたくし上げ折畳むことができるようになっている。
【0024】
このように構成された遮蔽材11,21の昇降コード13用ガイドリング30の使用方法を説明する。ガイドリング30をプレーンスタイルの遮蔽材11(
図5)に取付ける場合、遊挿リング部32を含む平面が、嵌入リング部31を含む平面に対して、嵌入リング部31及び遊挿リング部32の各リング孔の中央を通る直線を中心に回転し、両平面が一致する第1係合状態(
図1〜
図3)で係合するように、遊挿リング部32の向きを嵌入リング部31の向きに合せた状態で(
図4)、ガイドリング30の凹状体35の凹部35aに円柱体34を挿入して、4つの被係止孔35bに一対の係止突起34a,34aを選択的に係止する(
図2)。なお、凹状体35の凹部35aに円柱体34を挿入するとき、一対の係合突起34a,34aが凹状体35の凹部35a内周面に押されて円柱体34の切欠き部34bの隙間34cが小さくなる方向に遊挿リング部32が弾性変形するので、円柱体34を凹状体35の凹部35aにスムーズに挿入できるとともに、係止突起34aを被係止孔35bにスムーズに係止できる。このように組立てられたガイドリング30の嵌入リング部31を、プレーンスタイルの遮蔽材11の背面に設けられた複数のループリング11bのうち最下端のループリングを除く複数のループリング11bに、嵌入リング部31の差込口31aからそれぞれ嵌入する。このときループリング11bが鉛直面内に位置するため、ガイドリング30の嵌入リング部31及び遊挿リング部32は水平面内に位置する(
図1)。これにより鉛直方向に延びる昇降コード13を、遮蔽材11の背面に鉛直方向に所定の間隔をあけて取付けられた複数のガイドリング30の遊挿リング部32にスムーズに遊挿できる。そして昇降コード13の一端部を、最下端のループリングに取付けられたコード係止具40に係止させる。
【0025】
一方、ガイドリング30をシャープスタイルの遮蔽材21(
図9)に取付ける場合、遊挿リング部32を含む平面が、嵌入リング部31を含む平面に対して、嵌入リング部31及び遊挿リング部32の各リング孔の中央を通る直線を中心に回転し、両平面が直交する第2係合状態(
図6〜
図8)で係合するように、遊挿リング部32の向きを嵌入リング部31の向きに対して直交させた状態で、ガイドリング30の凹状体35の凹部35aに円柱体34を挿入して、4つの被係止孔35bに一対の係止突起34a,34aを選択的に係止する(
図7)。なお、凹状体35の凹部35aに円柱体34を挿入するとき、一対の係合突起34a,34aが凹状体35の凹部35a内周面に押されて円柱体34の切欠き部34bの隙間が小さくなる方向に遊挿リング部32が弾性変形するので、円柱体34を凹状体35の凹部35aにスムーズに挿入できるとともに、係止突起34aを被係止孔35bにスムーズに係止できる。このように組立てられたガイドリング30の嵌入リング部31を、シャープスタイルの遮蔽材21の背面に設けられた複数のループリング21bのうち最下端のループリングを除く複数のループリング21bに、嵌入リング部31の差込口31aからそれぞれ嵌入する。このときループリング21bが水平面内に位置するため、ガイドリング30の嵌入リング部31は鉛直面内に位置し遊挿リング部32は水平面内に位置する(
図1)。これにより鉛直方向に延びる昇降コード13を、遮蔽材21の背面に鉛直方向に所定の間隔をあけて取付けられた複数のガイドリング30の遊挿リング部32にスムーズに遊挿できる。そして昇降コード13の一端部を、最下端のループリング21bに取付けられたコード係止具40に係止させる。
【0026】
このようにガイドリング30の係合部33を、遊挿リング部32を含む平面が、嵌入リング部31を含む平面に対して、嵌入リング部31及び遊挿リング部32の各リング孔の中央を通る直線を中心に回転し、両平面が一致する第1係合状態と、両平面が直交する第2係合状態とに切換えることができるので、ガイドリング30を、部品を増やさずに、ループリング11bが鉛直面内に位置するプレーンスタイルの遮蔽材11と、ループリング21bが水平面内に位置するシャープスタイルの遮蔽材21の両方に兼用できる。
【0027】
一方、遮蔽材11,21の背面に沿うようにガイドリング30にて案内された昇降コード13の通常の昇降動作時には、遊挿リング部32が嵌入リング部31から容易に離脱しない。また、上記昇降コード13を遮蔽材11,21から離す方向の所定値以上の荷重が昇降コード13に作用したときには、遊挿リング部32が嵌入リング部31から速やかに離脱する。即ち、4つの被係止孔35bに選択的に係止した一対の係止突起34a,34aがこれらの被係止孔35bから離脱するとき、一対の係止突起34a,34aが凹状体35の周壁内面に押されて、切欠き部34bの隙間34cが狭くなる方向に遊挿リング部32が弾性変形する。このとき
図2及び
図7に示すように、一対の係止突起34a,34aの高さHと切欠き部34bの隙間34cの幅Wが、W≧2Hという関係を満たすので、切欠き部34bの隙間34cが一対の係止突起34a,34aの凹状体35の周壁内面に押される変形量を全て吸収し、一対の係止突起34a,34aが被係止孔35bから速やかに離脱する。この結果、遊挿リング部32が嵌入リング部31から速やかに離脱する。従って、ローマンシェード10,21の構成部品の損傷を防止できるとともに、昇降コード13に接触した子供や老人等を速やかに解放できる。
【0028】
なお、上記実施の形態では、係合部の円柱体を遊挿リング部と一体的に設け、凹状体を嵌入リング部と一体的に設けたが、円柱体を嵌入リング部と一体的に設け、凹状体を遊挿リング部と一体的に設けてもよい。