(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記受付手段は、前記受信手段で信号を受信している間、表示デバイスの画面にショートカットボタンを配置し、このショートカットボタンが入力されるのを待機する手段であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいいずれか1項に記載の携帯情報端末。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発信源から発信される信号を受信することにより活性化され、所定のWebサイトに自動アクセスする携帯情報端末の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
なお、以下で説明する実施形態は、いずれもショッピングセンターに設置されるデジタルサイネージ装置(以下、サイネージ装置と略称する)とユーザ(客)が携帯する携帯情報端末とが連携し、サイネージ装置の表示デバイスに表示される広告に関連するサービス情報(クーポン、商品画像等)を、その広告を閲覧しているユーザの携帯情報端末で享受できる位置連動サービスに関する。
【0011】
[第1の実施形態]
図1は、位置連動サービスを実現するシステムの全体構成図である。このシステムは、複数のサイネージ装置1(
図1では2つのサイネージ装置1a,1bを示す)と、ユーザU(
図1では3人のユーザU1,U2,U3を示す)が携帯する携帯情報端末2と、サイネージサーバ3と、Webサーバ4とを含む。
【0012】
各サイネージ装置1は、ショッピングセンターSの任意の場所、例えば買物客が行き来する通路等に設置され、商品の広告情報等を示すコンテンツを表示する。各サイネージ装置1は、それぞれビーコン信号を発信する発信源として機能するWiFiルータ5(
図1では2つのWiFiルータ5a,5bを示す)を備える。WiFiルータ5は、サイネージ装置1に搭載されていてもよいし、サイネージ装置1と通信ケーブルで接続されていてもよい。各サイネージ装置1は、互いのWiFiルータ5の通信領域6(
図1では2つのWiFiルータ5a,5bの通信領域6a,6bを示す)が重ならないように、所定の間隔を開けてショッピングセンターS内に設置される。
【0013】
各サイネージ装置1は、有線または無線の専用ネットワーク7を介してサイネージサーバ3に接続される。サイネージサーバ3は、各サイネージ装置1で表示するコンテンツを管理する。サイネージサーバ3は、予め設定されたスケジュールに従い、各サイネージ装置1にコンテンツを配信する。各サイネージ装置1は、サイネージサーバ3から専用ネットワーク7を介して配信されるコンテンツを表示する。コンテンツは、各サイネージ装置1で共通であってもよいし、サイネージ装置1毎に異なってもよい。
【0014】
サイネージサーバ3は、有線または無線の専用ネットワーク8を介してWebサーバ4に接続される。Webサーバ4は、Webブラウザで閲覧可能なWebコンテンツ(Webページ)を管理する。
【0015】
携帯情報端末2は、Webブラウザを実装しており、このWebブラウザを利用してインターネット9経由でWebサーバ4にアクセスできる。また携帯情報端末2は、WiFi(無線LAN)方式を採用した近距離無線通信機能を有する。携帯情報端末2とWiFiルータ5との間でWiFi方式による通信プロトコルで回線接続が確立された場合、携帯情報端末2は、専用ネットワーク7及び専用ネットワーク8を介してWebサーバ4にアクセスできる。
【0016】
Webサーバ4にアクセスした携帯情報端末2は、Webブラウザ上でWebコンテンツを閲覧したり、所望のデータファイルをダウンロードしたりできる。この種の携帯情報端末2としては、スマートフォン、タブレットPC、携帯電話、ノート型パソコン等が用いられる。
【0017】
図2は、携帯情報端末2の要部構成を示すブロック図である。携帯情報端末2は、プロセッサ21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、フラッシュメモリ24、広域無線通信インターフェース25A、近距離無線通信インターフェース25B、入力デバイス26、表示デバイス27及びユーザインターフェース28を備える。そして携帯情報端末2は、プロセッサ21と、ROM22、RAM23、フラッシュメモリ24、広域無線通信インターフェース25A、近距離無線通信インターフェース25B及びユーザインターフェース28とを、アドレスバス,データバス等のバスライン29で接続する。
【0018】
プロセッサ21は、コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ21は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、携帯情報端末2としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0019】
ROM22は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM22は、上記のオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。ROM22は、プロセッサ21が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを記憶する場合もある。
【0020】
RAM23は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM23は、プロセッサ21が処理を実行する上で必要なデータを記憶する。またRAM23は、プロセッサ21によって情報が適宜書き換えられるワークエリアとしても利用される。
【0021】
フラッシュメモリ24は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。フラッシュメモリ24は、プロセッサ21が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ21での処理によって生成されたデータを保存する。フラッシュメモリ24がROM22及びRAM23としての機能をさらに有し、ROM22及びRAM23を省略する場合もある。
【0022】
広域無線通信インターフェース25Aは、広域無線通信網であるインターネット9を経由して、Webサーバ4を含む外部装置に無線でアクセスする。近距離無線通信インターフェース25Bは、近距離無線通信方式であるWiFi方式を利用して、WIFIルータ5を含む近距離無線通信機器に無線でアクセスする。
【0023】
ユーザインターフェース28は、入力デバイス26を介して入力されるデータ信号を取り込む機能と、表示デバイス27に表示データを出力する機能とを有する。携帯情報端末2がスマートフォンやタブレットPCの場合、一般的に、入力デバイス26はタッチパネルセンサであり、表示デバイス27は液晶ディスプレイである。携帯情報端末2がノート型パソコンの場合、キーボードやポインティングデバイス等が入力デバイス26となる場合がある。
【0024】
このような構成の携帯情報端末2は、所定のアプリケーションプログラム(以下、位置連動プログラムと称する)をインストールすることにより、サイネージ装置1と連携する位置連動サービスに対応可能となる。例えば携帯情報端末2は、サイネージ装置1の表示デバイスに表示される広告に関連するサービス情報(クーポン、商品画像等)をダウンロードできる。また、例えば携帯情報端末2がサイネージ装置1のコントローラとして機能して、ユーザが、サイネージ装置1の表示デバイスに表示されるゲーム等を操作することができる。
【0025】
位置連動プログラムがインストールされると、フラッシュメモリ24に、リストテーブル31としきい値ファイル32とが形成される。
リストテーブル31は、ビーコンID、リンク先URL(Uniform Resource Locator)、自動アクセスフラグAAF及びタイマカウンタTの各項目値からなるデータレコードを複数記憶可能である(記憶手段)。
【0026】
ビーコンIDは、WiFiルータ5等のビーコン発信機から周期的に発信されるビーコン信号に含まれる固有のコードである。ビーコン発信機から発信されるビーコン信号には、それぞれ異なる固有のビーコンIDが含まれる。
【0027】
リンク先URLは、対応するビーコンIDを含むビーコン信号を受信したときにアクセスするWebサイトを指定するWeb上のアドレス情報である。携帯情報端末2は、Webブラウザを利用してリンク先URLで特定されるWebサイトにアクセスし、このWebサイトのWebコンテンツを表示デバイス27に表示する。
【0028】
自動アクセスフラグAAFは、対応するリンク先URLで特定されるWebサイトへの自動アクセスを許可するか否かを識別する情報である。本実施形態では、自動アクセスフラグAAFが“1”のとき自動アクセスを許可し、“0”のとき自動アクセスを許可しない。自動アクセスフラグAAFは、デフォルト値を“1”とする。
【0029】
タイマカウンタTは、自動アクセスフラグAAFが“0”、すなわち自動アクセスを許可しない状態のとき、対応するビーコンIDを含むビーコン信号を受信する毎にカウントアップする。そして、自動アクセスフラグAAFが“1”になると、タイマカウンタTは“0”にリセットされる。ビーコン発信機は、一定の周期でビーコン信号を発信する。したがって、タイマカウンタTの値は、自動アクセスを許可しない状態になってからの経過時間に相当する。
【0030】
しきい値ファイル32は、タイマカウンタTに対するしきい値thを格納する。携帯情報端末2は、受信したビーコン信号のビーコンIDに対応したリンク先URLで特定されるWebサイトに一度アクセスした後は、一定時間が経過するまでは同じWebサイトにアクセスしない。この機能を実現するために、しきい値thが使用される。上述したように、タイマカウンタTの値は、自動アクセスを許可しない状態になってからの経過時間に相当する。したがって、しきい値thを、上記一定時間に相当するタイマカウンタTの値と一致させる。そしてプロセッサ21は、タイマカウンタTがしきい値thに達するまでは自動アクセスフラグAAFを“0”とし、しきい値thを超えたならば自動アクセスフラグAAFを“1”とする。このような制御により、携帯情報端末2は、Webサイトにアクセスした後、一定時間が経過するまでは、同じWeBサイトにアクセスせず、一定時間が経過するとアクセス可能となる。
【0031】
しきい値ファイル32には、所定のしきい値th(例えば10分相当の値)が予め設定されている。このしきい値thは、固定でもよいし、携帯情報端末2のユーザが任意に変更できてもよい。
【0032】
位置連動プログラムがインストールされた携帯情報端末2は、リスト作成モードとしての機能と、位置連動モードとしての機能とを備える。リスト作成モードは、ユーザUがリストテーブル31にデータレコードを登録するためのモードである。位置連動モードは、ユーザUが携帯情報端末2を用いて位置連動サービスを受けるためのモードである。これらのモードは、プロセッサ21が位置連動プログラムにしたがって動作することにより実現される。
【0033】
すなわちユーザが、位置連動プログラムを起動させると、表示デバイス27にリスト作成モードと位置連動モードとの選択画面が表示される。ここで、リストテーブル31にデータレコードを登録したいユーザは、入力デバイス26を操作して、リスト作成モードを選択する。
【0034】
リスト作成モードが選択された場合、プロセッサ21は、
図4の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。先ずプロセッサ21は、Act1として、広域無線通信インターフェース25Aを介してWebサーバ4にリスト要求コマンドを送信する。
【0035】
リスト要求コマンドは、インターネット9経由でWebサーバ4に送信される。リスト要求コマンドを受信したWebサーバ4は、ビーコンIDとリンク先URLとが対となったリストデータを、コマンド送信元の携帯情報端末2にダウンロードする。
【0036】
リストデータは、サイネージサーバ3によって生成される。すなわちサイネージサーバ3は、管理下にあるサイネージ装置1に設けられたWiFiルータ5から発信されるビーコン信号のビーコンIDに関連付けて、そのサイネージ装置1から提供される位置連動サービスを受けられるWebサイトのURLを設定したリストデータを作成する。リストデータは、サイネージサーバ3が所持し、Webサーバ4からの要求に応じてWebサーバ4に送信してもよいし、適時サイネージサーバ3がWebサーバ4に送信して、Webサーバ4が所持していてもよい。
【0037】
リスト要求コマンドを送信したプロセッサ21は、Act2として、リストデータがダウンロードされるのを待機する。ここで、所定時間内にリストデータがダウンロードされなかった場合(Act2にてNO)、プロセッサ21は、コマンド送信をエラーとして処理する。
【0038】
これに対し、リストデータがダウンロードされた場合には(Act2にてYES)、プロセッサ21は、Act3として、そのリストデータに含まれるビーコンIDとリンク先URLとの対データに、自動アクセスフラグAAFとタイマカウンタTとを付加する。このとき、自動アクセスフラグAAFは“1”である。タイマカウンタTは“0”である。プロセッサ21は、Act4として、自動アクセスフラグAAFとタイマカウンタTとを付加したリストデータを、リストテーブル31に保存する(登録手段)。
【0039】
以上で、リスト作成モード選択時の情報処理が終了する。この情報処理により、ユーザUが携帯する携帯情報端末2には、ショッピングセンターSで位置連動サービスを受けるためのデータレコードがリストテーブル31に登録される。
【0040】
なお、上記説明では、Webサーバ4がダウンロードするリストデータをビーコンIDとリンク先URLとの一対のデータとしたが、リストデータは、この形態に限定されるものではない。例えば、ビーコンIDとリンク先URLとに自動アクセスフラグAAF(AFF=1)とタイマカウンタT(T=0)とを付加したデータをリストデータとして、Webサーバ4が携帯情報端末2にダウンロードしてもよい。この形態では、プロセッサ21は、Webサーバ4からダウンロードされたリストデータをそのままリストテーブル31に保存する。したがって、
図4のAct3の処理が省略される。
【0041】
また、WIFiルータ5等のビーコン発信機から発信されるビーコン信号にリンク先URLを含めることは可能である。そこで、ビーコンIDだけをリストデータとして、Webサーバ4が携帯情報端末2にダウンロードしてもよい。この形態であれば、リストテーブル31からリンク先URLの格納エリアを省略できる。
【0042】
リストテーブル31にデータレコードを登録したユーザは、ショッピングセンターSに出向いた際にも、位置連動プログラムを起動させる。そうすると、リスト作成モードと位置連動モードとの選択画面が表示されるので、ユーザは、入力デバイス26を操作して位置連動モードを選択する。
【0043】
位置連動モードが選択された場合、プロセッサ21は、
図5の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。先ずプロセッサ21は、Act11として、リストテーブル31に登録されているすべてのデータレコードの自動アクセスフラグAAFを、自動アクセス可能な“1”に設定する。またプロセッサ21は、すべてのデータレコードのタイマカウンタTを“0”にリセットする。
【0044】
またプロセッサ21は、Act12として、表示中フラグDFを“0”に初期化する。表示中フラグDFは、後述するアクセスボタン40のイメージを表示デバイス27に表示しているか否かを識別する情報であり、RAM23で記憶する。本実施形態では、表示中を“1”とし、非表示中を“0”とする。
【0045】
Act11とAct12との処理手順は、上記説明に限定されるものではない。先に、表示中フラグDFを“0”に初期化し、続いて、リストテーブル31の自動アクセスフラグAAFとタイマカウンタTとを“1”と“0”とにしてもよい。
【0046】
Act11及びAct12の処理を終えると、プロセッサ21は、Act13として、ビーコン信号を受信しているか否かを確認する。ビーコン信号は、WiFiルータ5を含むビーコン発信機から一定間隔で周期的に発信される。したがってプロセッサ21は、このビーコン信号の発信周期よりも十分長い時間に亙り近距離無線通信インターフェース25Bを監視して、ビーコン信号の受信有無を確認する(受信手段)。
【0047】
ビーコン信号を受信していない場合(Act13にてNO)、プロセッサ21は、Act14として、表示中フラグDFを調べる。表示中フラグDFが“0”の場合(Act14にてNO)、プロセッサ21は、Act29の処理に進む。
【0048】
Act14にて、表示中フラグDFが“1”の場合には(Act14にてYES)、表示デバイス27にアクセスボタン40が表示されている。この場合、プロセッサ21は、Act15として、このアクセスボタン40を消去する。またプロセッサ21は、Act16として、表示中フラグDFを“0”にリセットする。
【0049】
Act15とAct16との処理手順は、上記説明に限定されるものではない。先に、表示中フラグDFを“0”にリセットし、続いて、アクセスボタン40を消去してもよい。
Act15及びAct16の処理を終えると、プロセッサ21は、Act29の処理に進む。
【0050】
Act13にて、ビーコン信号を受信している場合(Act13にてYES)、プロセッサ21は、Act17として、そのビーコン信号からビーコンIDを検出する、そしてプロセッサ21は、Act18として、検出されたビーコンIDがリストテーブル31に登録されているか否かを確認する。登録されていない場合(Act18にてNO)、プロセッサ21は、Act29の処理に進む。
【0051】
検出されたビーコンIDがリストテーブル31に登録されている場合には(Act18にてYES)、プロセッサ21は、Act19として、当該ビーコンIDに関連付けられてリストテーブル31に登録されている自動アクセスフラグAAFを調べる(判断手段)。自動アクセスフラグAAFが“1”の場合(Act19にてYES)、プロセッサ21は、Act20として、この自動アクセスフラグAAFを“0”に変更する。またプロセッサ21は、Act21として、当該ビーコンIDに関連付けられてリストテーブル31に登録されているリンク先URLを取得する。そしてプロセッサ21は、近距離無線通信インターフェース25Bを介して、当該リンク先URLで特定されるWebサイトにアクセスする(自動アクセス手段)。
【0052】
Act20とAct21との処理の順序は、上記説明に限定されるものではない。先に、リンク先URLで特定されるWebサイトにアクセスし、続いて、自動アクセスフラグAAFを“0”に変更してもよい。
【0053】
Act20及びAct21の処理を終えると、プロセッサ21は、Act22として、Webサイトとの回線断が指令されるのを待機する。入力デバイス26の操作入力により回線断が指令されると(Act22にてYES)、プロセッサ21は、Act29の処理に進む。
【0054】
Act19にて、自動アクセスフラグAAFが“0”であった場合(Act19にてNO)、プロセッサ21は、Act23として、表示中フラグDFを調べる。表示中フラグDFが“0”の場合(Act23にてYES)、プロセッサ21は、Act24として、表示デバイス27に、リンク先へのショートカットボタンであるアクセスボタン40を表示させる(受付手段)。またプロセッサ21は、Act25として、表示中フラグDFを“1”にセットする。
【0055】
Act24とAct25との処理手順は、上記説明に限定されるものではない。先に、表示中フラグDFを“1”にセットし、続いて、アクセスボタン40を表示してもよい。
【0056】
図7は、表示デバイス27にアクセスボタン40を表示させた画面例である。この例は、表示デバイス27の画面41を、Webコンテンツの表示領域42と非表示領域43とに分ける。そしてアクセスボタン40を非表示領域43に配置した例である。このように、アクセスボタン40を非表示領域43に表示させることで、表示領域42にWebコンテンツが表示されているか否かに関わらず、ユーザは、アクセスボタン40を視認できる。
【0057】
Act23にて、表示中フラグDFが既に“1”にセットされているか、Act24及びAct25の処理を終えると、プロセッサ21は、Act26として、当該ビーコンIDに関連付けられてリストテーブル31に登録されているタイマカウンタTが、しきい値ファイル32のしきい値thを超えているか否かを確認する。タイマカウンタTがしきい値thを超えていない場合(Act26にてNO)、プロセッサ21は、Act27として、このタイマカウンタTを“1”だけカウントアップする。
【0058】
これに対し、タイマカウンタTがしきい値thを超えている場合には(Act26にてYES)、プロセッサ21は、Act28として、当該ビーコンIDに関連付けられてリストテーブル31に登録されている自動アクセスフラグAAFを“1”に戻すとともに、当該タイマカウンタTを“0”にリセットする(制御手段)。Act27またはAct28の処理が終了すると、プロセッサ21は、Act29の処理に進む。
【0059】
Act29では、プロセッサ21は、位置連動プログラムの終了が宣言されたか否かを確認する。宣言されていない場合(Act29にてNO)、プロセッサ21は、Act13の処理に戻る。そしてプロセッサ21は、Act13以降の処理を再度実行する。
【0060】
位置連動プログラムの終了が宣言された場合には(Act29にてYES)、プロセッサ21は、
図5の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0061】
また、位置連動モードが選択されている間、プロセッサ21は、
図6の流れ図に示す手順の割込み処理を繰り返し実行する。先ずプロセッサ21は、Act31として、表示フラグDFを調べる。表示フラグDFが“0”にリセットされている場合(Act31にてNO)、プロセッサ21は、表示フラグDFが“1”にセットされるのを待機する。
【0062】
表示フラグDFが“1”にセットされたならば(Act31にてYES)、プロセッサ21は、Act32として、アクセスボタン40が入力されるのを待機する。アクセスボタン40が入力されない場合(Act32にてNO)、プロセッサ21は、Act31の処理に戻る。したがって、表示フラグDFが“1”にセットされた場合には、プロセッサ21は、アクセスボタン40が入力されるのを待機し、表示フラグDFが“0”にリセットされている場合には、プロセッサ21は、表示フラグDFが“1”にセットされるのを待機する。
【0063】
表示フラグDFが“1”にセットされた状態で、アクセスボタン40が入力された場合(Act32にてYES)、プロセッサ21は、Act33として、ビーコン信号を受信したか否かを確認する。ビーコン信号を受信していない場合(Act33にてNO)、プロセッサ21は、Act31の処理に戻る。したがって、アクセスボタン40が入力されてもビーコン信号を受信していない場合には、プロセッサ21は、アクセスボタン40が再度入力されるのを待機する。そして、この待機期間中に、表示フラグDFが“0”にリセットされたならば、プロセッサ21は、表示フラグDFが“1”にセットされるのを待機する。
【0064】
アクセスボタン40が入力されたときにビーコン信号を受信した場合(Act33にてYES)、プロセッサ21は、Act34として、そのビーコン信号からビーコンIDを検出する。そしてプロセッサ21は、Act35として、検出されたビーコンIDがリストテーブル31に登録されているか否かを確認する。登録されていない場合(Act35にてNO)、プロセッサ21は、Act31の処理に戻る。したがって、ビーコン信号を受信してもそのビーコン信号に含まれるビーコンIDがリストテーブル31に登録されていない場合、プロセッサ21は、アクセスボタン40が再度入力されるのを待機する。そして、この待機期間中に、表示フラグDFが“0”にリセットされたならば、プロセッサ21は、表示フラグDFが“1”にセットされるのを待機する。
【0065】
ビーコンIDがリストテーブル31に登録されている場合(Act35にてYES)、プロセッサ21は、Act36として、当該ビーコンIDに関連付けられてリストテーブル31に登録されているリンク先URLを取得する。そしてプロセッサ21は、近距離無線通信インターフェース25Bを介して、当該リンク先URLで特定されるWebサイトにアクセスする(手動アクセス手段)。またプロセッサ21は、Act37として、アクセスボタン40を消去する。さらにプロセッサ21は、Act38として、表示中フラグDFを“0”にリセットする。
【0066】
Act36,Act37及びAct38の処理手順は、上記説明に限定されるものではない。例えば先にアクセスボタン40を消去し、表示中フラグDFを“0”にリセットしてから、リンク先URLで特定されるWebサイトにアクセスしてもよい。あるいは、例えばアクセスボタン40を消去し、リンク先URLで特定されるWebサイトにアクセスしてから、表示中フラグDFを“0”にリセットしてもよい。
【0067】
Act36,Act37及びAct38の処理を終えると、プロセッサ21は、Act31の処理に戻る。したがってプロセッサ21は、表示フラグDFが“1”にセットされるのを待機する。
【0068】
以上のように、位置連動モードが選択された携帯情報端末2においては、リストテーブル31に登録されているビーコンIDを含むビーコン信号を受信すると、自動的にそのビーコンIDに関連付けられたリンク先URLで特定されるWebサイトにアクセスする(Act13,17,18,19,21)。このとき、当該ビーコンIDに関連付けられた自動アクセスフラグAAFが“0”に変更される(Act20)。
【0069】
例えば
図1において、ユーザU3が携帯する携帯情報端末2は、サイネージ装置1bに接続されたWiFiルータ5bから発信されるビーコン信号を受信する。したがって、この携帯情報端末2のリストテーブル31に当該ビーコン信号のビーコンIDが登録されていたならば、この携帯情報端末2は、当該ビーコンIDに関連付けられたリンク先URLで特定されるWebサイトにアクセスする。その結果、ユーザU3は、WebサイトのWebコンテンツによって提供される位置連動サービスを享受することができる。
【0070】
これに対し、ユーザU2が携帯する携帯情報端末2は、サイネージ装置1bに接続されたWiFiルータ5bから発信されるビーコン信号だけでなく、サイネージ装置1aに接続されたWiFiルータ5aから発信されるビーコン信号も受信しない。したがって、この携帯情報端末2が、ビーコンIDに関連付けられたリンク先URLで特定されるWebサイトにアクセスすることはない。
【0071】
ところでユーザU3が、意図的にWebサイトへのアクセスを切断した場合、当該ビーコンIDに関連付けられた自動アクセスフラグAAFが“0”に変更されているので、WiFiルータ5bから発信されるビーコン信号としても当該ビーコンIDに関連付けられたリンク先URLで特定されるWebサイトにアクセスすることはない(Act22,13,17,18,19,26,27)。このとき、表示デバイス27にアクセスボタン40が表示される(Act23,24,25)。
【0072】
その後、ユーザU3がWiFiルータ5bの通信領域6b内に留まっていたとしても、タイマカウンタTのカウント値がしきい値thに達するまでは、Webサイトにアクセスすることはない。タイマカウンタTのカウント値がしきい値thに達すると、再度Webサイトに自動アクセスする(Act26,29,13,17,18,19,20,21)。
【0073】
このように、意図的にWebサイトへのアクセスを切断したにも係らず直ぐにまたアクセスしてしまうという煩わしさを回避することができる。一方、ユーザU3が誤ってWebサイトへのアクセスを切断した場合にも、自動アクセスフラグAAFが“0”に変更されているので、タイマカウンタTのカウント値がしきい値thに達するまではWebサイトへの自動アクセスが行われない。
【0074】
そのような場合、ユーザU3は、アクセスボタン40を入力操作する。そうすると、携帯情報端末2は、
図6に示した割込み処理のAct31〜Act38の処理手順により、当該ビーコンIDに関連付けられたリンク先URLで特定されるWebサイトにアクセスする。したがって、ユーザが意図した場合には、簡単な操作で直ちにWebサイトに再アクセスすることができる。
【0075】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、位置連動モード選択時において、リンク先URLで特定されるWebサイトにアクセスした後は、そのWebサイトとの回線断が指令されるのを待機した(Act22)。第2の実施形態は、Webサイトとの回線断が指令されるのを待機せずとも、第1の実施形態と同様の作用効果を得られるようにしたものである。この第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、リストテーブル31のデータ構造と、位置連動モードが選択されたときにプロセッサ21が実行する情報処理手順の一部である。その他の部分については第1の実施形態と同様なので、同一部分には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0076】
図8は、第2の実施形態におけるリストテーブル31のデータ構造を示す模式図である。図示するように、リストテーブル31は、ビーコンID、リンク先URL、自動アクセスフラグAAF、アクセス中フラグACF及びタイマカウンタTの各項目値からなるデータレコードを複数記憶可能である。
【0077】
アクセス中フラグACFは、対応するリンク先URLで特定されるWebサイトにアクセス中か否かを識別する情報である。本実施形態では、アクセス中のとき“1”となり、非アクセス中のとき“0”となる。
【0078】
図9は、第2の実施形態において、位置連動モードが選択されたときにプロセッサ21が実行する情報処理手順を示す流れ図である。位置連動モードが選択された場合、プロセッサ21は、
図9の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。先ずプロセッサ21は、Act41として、リストテーブル31に登録されているすべてのデータレコードの自動アクセスフラグAAFを、自動アクセス可能な“1”に設定する。またプロセッサ21は、すべてのデータレコードのタイマカウンタTを“0”にリセットする。さらにプロセッサ21は、すべてのデータレコードのアクセス中フラグACFを“0”に設定する。また、プロセッサ21は、Act12として、表示中フラグDFを“0”に初期化する。
【0079】
Act41とAct12との処理手順は、上記説明に限定されるものではない。先に、表示中フラグDFを“0”に初期化し、続いて、リストテーブル31の自動アクセスフラグAAFとタイマカウンタTとアクセス中フラグACFとを、それぞれ“1”、“0”、“0”にしてもよい。
【0080】
その後,Act13〜Act21までの処理手順は、第1の実施形態と同様である。Act21にて、リンク先URLで特定されるWebサイトにアクセスした後の処理が、第1の実施形態とは異なる。すなわち第2の実施形態では、プロセッサ21は、Webサイトとの回線断が指令されるのを待機しない。プロセッサ21は、Act42として、当該ビーコンIDに関連付けられてリストテーブル31に登録されているアクセス中フラグACFを“1”に変更する。そしてプロセッサ21は、Act29の処理に進む。
【0081】
また、Act19にて自動アクセスフラグAAFを調べた結果、“0”に変更されていた場合(Act19にてNO)、プロセッサ21は、Act43として、当該ビーコンIDに関連付けられてリストテーブル31に登録されているアクセス中フラグACFを調べる。アクセス中フラグACFが“1”に変更されていた場合、携帯情報端末2は、当該アクセス中フラグACFに対応するリンク先URLで特定されるWebサイトにアクセス中である。この場合(Act43にてYES)、プロセッサ21は、Act29の処理に進む。
【0082】
これに対し、アクセス中フラグACFが“1”に変更されていた場合には、携帯情報端末2は、Webサイトとの回線を切断した。この場合(Act43にてNO)、プロセッサ21は、Act23〜Act29の処理を実行する。
【0083】
また、位置連動モードが選択されている間、プロセッサ21は、
図6の流れ図に示した手順の割込み処理とは別に、
図10の流れ図に示す手順の割込み処理を実行する。先ず、プロセッサ21は、Act51として、リストテーブル31を検索し、いずれかのデータレコードのアクセス中フラグACFが“1”に変更されているか否かを確認する。全てのデータレコードのアクセス中フラグACFが“0”の場合(Act51にてNO)、プロセッサ21は、いずれかのデータレコードのアクセス中フラグACFが“1”に変更されるのを待機する。
【0084】
いずれかのデータレコードのアクセス中フラグACFが“1”に変更された場合(Act51にてYES)、プロセッサ21は、Act52として、Webサイトとの回線断が指令されるのを待機する。回線断が指令された場合(Act52にてYES)、プロセッサ21は、Act53として、“1”に変更されたアクセス中フラグACFを“0”に戻す。その後、プロセッサ21は、いずれかのデータレコードのアクセス中フラグACFが“1”に変更されるのを待機する。
【0085】
このように第2の実施形態においても、位置連動モードが選択された携帯情報端末2においては、リストテーブル31に登録されているビーコンIDを含むビーコン信号を受信すると、自動的にそのビーコンIDに関連付けられたリンク先URLで特定されるWebサイトにアクセスする(Act13,17,18,19,21)。このとき、当該ビーコンIDに関連付けられた自動アクセスフラグAAFが“0”に変更される(Act20)。また、当該ビーコンIDに関連付けられたアクセス中フラグACFが“1”に変更される(Act42)。
【0086】
したがって携帯情報端末2は、その後も周期的に同一ビーコンIDのビーコン信号を受信するが、Webサイトにアクセス中はアクセス中フラグACFが“1”に維持されるので、Act43の判断処理において“NO”となり、アクセスボタン40が表示されることは無い。
【0087】
一方、Webサイトとの回線が切断されると、アクセス中フラグACFが“0”に戻る。その結果、Act43の判断処理において“YES”となり、表示デバイス27にアクセスボタン40が表示される。そして、このアクセスボタン40が入力された場合には、Webサイトへのアクセスが再度行われる。
【0088】
このように、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0089】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。
例えば前記実施形態では、
図7に示したように、表示デバイス27の画面41を、Webコンテンツの表示領域42と非表示領域43とに分け、アクセスボタン40を非表示領域43に配置した。アクセスボタン40の表示箇所は、非表示領域43に限定されるものではない。例えば
図11に示すように、表示デバイス27の画面41のほぼ全域をWebコンテンツの表示領域42とし、Webコンテンツの画像の背面側にアクセスボタン40を表示させてもよい。アクセスボタン40をリンク先へのショートカットボタンとして活用するのは、Webサイトとの回線を切断した後、つまりWebコンテンツの画像が消去された後なので、
図11に示すようにアクセスボタン40を配置しても、ユーザは即座にアクセスボタン40を入力して、Webサイトに再アクセスできる。
【0090】
また、前記実施形態では、リスト作成モードをユーザが選択する場合を示したが、携帯情報端末2が自動でリスト作成モードを選択するようにしてもよい。例えば、位置連動プログラムを起動させた際に、先ず、リスト作成モードが起動し、
図4の流れ図に示す手順の情報処理を実行してもよい。あるいは、ショッピングセンターSの入り口等に設置されたチェックイン用のビーコン発信機から発信されるビーコン信号を受信したならば、リスト作成モードが起動し、
図4の流れ図に示す手順の情報処理を実行してもよい。
【0091】
また、前記実施形態では、サイネージ装置1と携帯情報端末2との間の無線通信方式をWiFi方式としたが、無線通信方式はWiFi方式に限定されるものではない。例えばNFC(Near Field Communication)やブルートゥース(登録商標)等の無線通信方式も、ビーコン信号を周期的に発生するので、採用できる。
【0092】
また、位置連動サービスに使用する信号は、ビーコン信号に限定されるものではない。例えば、GPS(Global Positioning System)システムの発信源(人工衛星)から発信されるGPS信号を使用することも可能である。具体的には、携帯情報端末2にGPS信号の受信モジュールを搭載する。また、リストテーブル31には、ビーコンIDの代わりにGPS信号から特定される位置情報を登録する。こうすることにより、GPS信号を受信した携帯情報端末2は、そのGPS信号から位置を特定し、その特定した位置情報がリストテーブル31に登録されている場合、当該位置情報に関連付けられたリンク先URLのWebサイトに自動でアクセスしたり、アクセスボタン40入力に応じて手動でアクセスしたりすることが可能となる。
【0093】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。