特許第6322473号(P6322473)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6322473バルク材料を加工するためのスクリュー機械及び方法並びに加工装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6322473
(24)【登録日】2018年4月13日
(45)【発行日】2018年5月9日
(54)【発明の名称】バルク材料を加工するためのスクリュー機械及び方法並びに加工装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 47/68 20060101AFI20180423BHJP
   B29B 7/84 20060101ALI20180423BHJP
   B29C 47/76 20060101ALI20180423BHJP
【FI】
   B29C47/68
   B29B7/84
   B29C47/76
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-96695(P2014-96695)
(22)【出願日】2014年5月8日
(65)【公開番号】特開2014-223804(P2014-223804A)
(43)【公開日】2014年12月4日
【審査請求日】2016年12月21日
(31)【優先権主張番号】10 2013 208 993.7
(32)【優先日】2013年5月15日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501164665
【氏名又は名称】コペリオン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091867
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 アキラ
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】トルステン シュティルナー
【審査官】 中山 基志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−210805(JP,A)
【文献】 特開2010−184297(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B7/00−9/16
B29C47/00−47/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング(5)と、前記ケーシング(5)に形成された少なくとも1つのケーシング孔(6、7)と、付属の回転軸線(10、11)を中心とする回転のために駆動可能であり、かつ付属の前記ケーシング孔(6、7)に配置される少なくとも1つの軸(8、9)と、加工されるべきバルク材料(2、3)を処理するための、前記少なくとも1つの軸(8、9)に回転しないように配置される少なくとも1つの処理要素(13〜15)と、前記バルク材料(2、3)を前記少なくとも1つのケーシング孔(6、7)内に供給するための供給開口部(19)と、供給された前記バルク材料(2、3)をガス抜きするための真空フィルターインサート(32)とを備えて構成されるスクリュー機械であって、
前記真空フィルターインサート(32)が、搬送方向(12)で見たときに前記供給開口部(19)の下流側で前記ケーシング(5)に配置され、少なくとも1つのフィルター要素(50)を設け、前記少なくとも1つのケーシング孔(6、7)を画定するガス透過性の壁部(76)を形成する、スクリュー機械において、
複数の貫通開口部(74)を備える保護要素(63)が、ガス抜き方向(75)で見たときに前記少なくとも1つのフィルター要素(50)の上流側に配置されること、
前記保護要素(63)が、複数の貫通開口部(74)を備える少なくとも2つの別個の保護領域(70〜73)を有すること、及び、
各々の保護領域(70〜73)が中央通路(59〜62)に割り当てられることを特徴とするスクリュー機械。
【請求項2】
前記貫通開口部(74)は、細長い穴の形状で構成されるように、長さL、幅Bを有し、前記長さLが前記幅Bよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のスクリュー機械。
【請求項3】
前記貫通開口部(74)が長さL、幅Bを有し、2≦L/B≦100、特に5≦L/B≦80、特に10≦L/B≦40が当て嵌まることを特徴とする請求項1又は2に記載のスクリュー機械。
【請求項4】
前記貫通開口部(74)が列をなして、特に前記貫通開口部(74)のそれぞれの中心縦軸線(M)が列を形成するように互いに整列して配置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のスクリュー機械。
【請求項5】
隣接する列の前記貫通開口部(74)が互い違いのパターンで配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のスクリュー機械。
【請求項6】
各々、2つの隣接する貫通開口部(74)が互いに距離Aを有し、前記貫通開口部(74)の幅Bに対する前記距離Aの比率が、0.1≦A/B≦2、特に0.2≦A/B≦1.5、特に0.4≦A/B≦1であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のスクリュー機械。
【請求項7】
前記真空フィルターインサート(32)が、各々の保護領域(70〜73)用にフィルター要素(50)を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のスクリュー機械。
【請求項8】
各々の中央通路(59〜62)が付属の配分通路(54〜58)に接続されることを特徴とする請求項7に記載のスクリュー機械。
【請求項9】
前記スクリュー機械が、互いに平行であるように構成される少なくとも2つの貫通ケーシング孔(6、7)と、近接して互いに噛み合う複数の処理要素(13〜15)を備える付属の軸(8、9)とを有すること、及び
前記保護要素(63)が、前記少なくとも2つのケーシング孔(6、7)に適合されるように、部分的に2つの隣接する円弧切片の形状である横断面を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のスクリュー機械。
【請求項10】
バルク材料を加工するための方法であって、
− ケーシング(5)と、前記ケーシング(5)に形成された少なくとも1つのケーシング孔(6、7)と、付属の回転軸線(10、11)を中心とする回転のために駆動可能であり、かつ付属の前記ケーシング孔(6、7)に配置される少なくとも1つの軸(8、9)と、加工されるべきバルク材料(2、3)を処理するための、前記少なくとも1つの軸(8、9)に回転しないように配置される少なくとも1つの処理要素(13〜15)と、前記バルク材料(2、3)を前記少なくとも1つのケーシング孔(6、7)内に供給するための供給開口部(19)と、供給された前記バルク材料(2、3)をガス抜きするための真空フィルターインサート(32)とを備えて構成されるスクリュー機械(4)であって、前記真空フィルターインサート(32)が、搬送方向(12)で見たときに前記供給開口部(19)の下流側で前記ケーシング(5)に配置され、少なくとも1つのフィルター要素(50)を設け、前記少なくとも1つのケーシング孔(6、7)を画定するガス透過性の壁部(76)を形成する、スクリュー機械を提供するステップと、
− バルク材料、特に顆粒状及び/又は粉末状バルク材料(2、3)を、前記供給開口部(19)を介して前記少なくとも1つのケーシング孔(6、7)に供給するステップと、
− 前記真空フィルターインサート(32)を介して前記バルク材料(2、3)をガス抜きするステップであって、前記スクリュー機械(4)の停止時に圧縮ガス、特に圧縮空気で前記真空フィルターインサート(32)をフラッシングし、及び、前記少なくとも1つの軸(8、9)が予め規定された速度下限(n)に到達したときにフラッシングが作動されるステップと、
− 前記バルク材料(2、3)を加工するステップと、
を有する、方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの軸(8、9)が予め規定された速度上限(n)に到達したときにフラッシングが非作動にされることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ケーシング(5)が予め規定された温度下限(T)に到達したときにフラッシングが非作動にされることを特徴とする請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
洗浄のために、前記真空フィルターインサート(32)が圧縮ガス、特に圧縮空気によって領域毎にフラッシングされることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
複数の貫通開口部(74)を備える保護要素(63)が、ガス抜き方向(75)で見たときに前記少なくとも1つのフィルター要素(50)の上流側に配置され、前記保護要素(63)が、ガス抜き中に前記バルク材料(3)によって引き起こされる損傷から前記少なくとも1つのフィルター要素(47〜50)を保護することを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
バルク材料を加工するための加工装置であって、
− ケーシング(5)と、前記ケーシング(5)に形成された少なくとも1つのケーシング孔(6、7)と、付属の回転軸線(10、11)を中心とする回転のために駆動可能であり、かつ付属の前記ケーシング孔(6、7)に配置される少なくとも1つの軸(8、9)と、加工されるべきバルク材料(2、3)を処理するための、前記少なくとも1つの軸(8、9)に回転しないように配置される少なくとも1つの処理要素(13〜15)と、前記バルク材料(2、3)を前記少なくとも1つのケーシング孔(6、7)内に供給するための供給開口部(19)と、供給された前記バルク材料(2、3)をガス抜きするための真空フィルターインサート(32)とを備えて構成されるスクリュー機械(4)であって、前記真空フィルターインサート(32)が、搬送方向(12)で見たときに前記供給開口部(19)の下流側で前記ケーシング(5)に配置され、少なくとも1つのフィルター要素(50)を設け、前記少なくとも1つのケーシング孔(6、7)を画定するガス透過性の壁部(76)を形成する、スクリュー機械と、
− 前記スクリュー機械(4)を回転可能に駆動するための駆動装置(24)と、
− 前記真空フィルターインサート(32)を介して前記バルク材料(2、3)をガス抜きするための真空発生装置(81)と、
− 前記真空フィルターインサート(32)を洗浄するためのフラッシング装置(85)と、
− 制御装置(83)と、
を備える加工装置において、
複数の貫通開口部(74)を備える保護要素(63)が、ガス抜き方向(75)で見たときに前記少なくとも1つのフィルター要素(50)の上流側に配置され、前記保護要素(63)が、複数の貫通開口部(74)を備える少なくとも2つの別個の保護領域(70〜73)を有し、各々の保護領域(70〜73)が中央通路(59〜62)に割り当てられること、及び/又は
前記スクリュー機械(4)の停止時に前記真空フィルターインサート(32)が圧縮ガス、特に圧縮空気でフラッシングされるように前記制御装置(83)が構成され、前記少なくとも1つの軸(8、9)が予め規定された速度下限(n)に到達したときにフラッシングが作動されることを特徴とする加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部(プリアンブル部分、所謂おいて書き部分)に記載のスクリュー機械に関する。さらに、本発明は、バルク材料を加工するための方法、及び請求項15の前提部に記載のバルク材料を加工するための加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特許文献2に対応する)から、バルク材料を供給かつ処理するための真空フィルターインサートを有し、このフィルターにより、真空がバルク材料に加えられるときにバルク材料のガス抜きが可能であるスクリュー機械が公知である。このフィルターにより、粉末状バルク材料をスクリュー機械に容易に供給することが可能である。真空フィルターインサートを介してスクリュー機械からバルク材料が放出されることを防止するために、真空フィルターインサートに、金属不織布の形態のフィルター要素が設けられる。欠点は、フィルター要素が限定された寿命のみを有し、寿命が終了するとすぐに交換する必要があり、スクリュー機械に望ましくない停止時間がもたらされることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2218568 A1号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2010/202243 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、バルクを供給しかつ加工するためのスクリュー機械であって比較的長い寿命を有する真空フィルターインサートが設けられるスクリュー機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1に示した特徴を有するスクリュー機械によって達成される。本発明に従って、少なくとも1つのフィルター要素が損傷を受け、また顆粒状及び/又は粉末状のバルク材料によって徐々に破壊されることが確認された。特に、顆粒状バルク材料の比較的大きなバルク材料粒子は、スクリュー機械に供給されたときに高い運動エネルギーを有し、このエネルギーは、前記フィルター要素にぶつかるときに少なくとも1つのフィルター要素に少なくとも部分的に伝達される。少なくとも1つのフィルター要素を保護するために、保護要素がガス抜き方向にその上流に配置され、付随するバルク材料粒子から少なくとも1つのフィルター要素を保護するが、通常の方法でバルク材料のガス抜きを可能にする複数の貫通開口部を有する。保護要素は、ガス抜き方向に0.5mm〜8mm、特に0.8mm〜6mm、特に1mm〜4mmの範囲の壁厚を有する。したがって、保護要素は、特に顆粒の保護器として機能する。保護要素は、金属から製造されることが好ましい。
【0006】
貫通開口部は、予め規定された以上の粒子サイズを有するバルク材料、特に顆粒状バルク材料が貫通開口部を通過して、少なくとも1つのフィルター要素に到達することを防止するように構成される。好ましくは、貫通開口部は、2mm以下、特に1.5mm以下、特に0.5mm以下の最小サイズを有する。
【0007】
少なくとも1つのフィルター要素を支持するために、真空フィルターインサートに、ガス抜き方向に少なくとも1つのフィルター要素の下流に配置される支持織物及び/又はドレン織物を設けることが好ましい。支持織物は、100μm〜400μmの範囲のメッシュ幅を有し、一方、ドレン織物は、500μm〜1000μmの範囲のメッシュ幅を有する。一般的に言って、したがって、支持織物は、ドレン織物よりも細かいメッシュ幅を有する。対照的に、少なくとも1つのフィルター要素は、ISO16889による1μm〜10μmのフィルター微細度を有する。
【0008】
顆粒状バルク材料は、顆粒状プラスチック材料であることが好ましい。顆粒状バルク材料は、粉末状バルク材料と混合される。粉末状バルク材料は、特に充填剤及び/又は添加剤の形態である。
【0009】
本発明によるスクリュー機械は、バルク材料の供給及び/又は加工のために使用される。スクリュー機械は、例えば、バルク材料を処理するための他のスクリュー機械にバルク材料を供給するために使用される側方装填機械(side loading machine)として構成される。したがって、側方装填機械は、バルク材料の取り入れ及び計量のために必要である。さらに、本発明によるスクリュー機械は、例えば、バルク材料を加工するために構成され、特に、加工されるべきバルク材料を処理するためのスクリュー及び/又は混練要素のようないくつかの処理要素が設けられ、これらは、それぞれの回転軸線の方向に少なくとも1つの軸に沿って互いに前後に回転しないように配置される。
【0010】
保護要素は、少なくとも1つのケーシング孔に適合されるように部分的に円弧の切片の形状の断面を有する。これにより、真空フィルターインサートの長い寿命が保証される。保護要素の断面形状は、少なくとも1つのケーシング孔に適合され、この形状は、バルク材料がスクリュー機械の運転時に処理要素によって保護要素から容易にかつ確実に拭き取られることを可能にする。保護要素に付着するバルク材料粒子は、したがって、処理要素によって連続的に運び出され、その結果、保護要素が連続的に洗浄される。
【0011】
請求項2に記載のスクリュー機械は、真空フィルターインサートの高いフィルター性能と組み合わせて当該インサートの長い寿命を保証する。貫通開口部は、細長い穴の形状であり、したがって、一方で、最小サイズを超えるバルク材料粒子が貫通開口部を通して少なくとも1つのフィルター要素に通過することを防止する比較的小さな最小サイズ又は幅を有する。他方で、貫通開口部の細長い形状は、大きな自由フィルター領域を可能にし、これにより、フィルター性能が事実上損なわれないことが保証され、したがって、バルク材料の有効なガス抜きが可能になる。細長い貫通開口部は、2mm以下、特に1.5mm以下、特に1mm以下の幅、及び5mm〜100mm、特に10mm〜80mm、特に15mm〜50mmの長さを有することが好ましい。
【0012】
請求項3に記載のスクリュー機械は、真空フィルターインサートの高いフィルター性能と組み合わせて当該インサートの長い寿命を保証する。貫通開口部の長さ対幅比は、比較的大きな自由フィルター領域にもかかわらず、保護要素が、それ自体に対する損傷を防止しつつ、高い運動エネルギーで保護要素にぶつかるバルク材料粒子を、少なくとも1つのフィルター要素から遠ざけるために十分な固有の安定性を有することを保証する。この点に関して、貫通開口部の最小幅は、予め規定された以上の粒子サイズを有するバルク材料が貫通開口部を通過できないように選択される。
【0013】
請求項4に記載のスクリュー機械は、真空フィルターインサートの高いフィルター性能と組み合わせて当該インサートの長い寿命を保証する。貫通開口部は、列で配置され、したがって、大きな自由フィルター領域にもかかわらず保護要素の高い機械的な固有の安定性を保証する。それぞれの中心縦軸線Mは、少なくとも1つの回転軸線に対して平行であることが好ましい。
【0014】
請求項5に記載のスクリュー機械は、真空フィルターインサートの高い信頼性を保証する。貫通開口部の互い違いの配置により、保護要素の大きな自由フィルター領域と組み合わせて保護要素の高い機械的な固有の安定性がもたらされる。隣接する列の貫通開口部は、半分互い違いのパターンで配置されることが好ましい。
【0015】
請求項6に記載のスクリュー機械は、真空フィルターインサートの高い信頼性を保証する。隣接する貫通開口部の距離対幅の比率により、保護要素の十分な機械的な固有の安定性を保証するために、十分に広いウェブが隣接する貫通開口部の間に留まることが保証される。好ましくは、ウェブは、0.5mm〜4mm、特に0.5mm〜2mm、特に0.5mm〜1mmの壁厚を有する。
【0016】
請求項7に記載のスクリュー機械は、真空フィルターインサートの長い寿命を保証する。保護要素は、付属の貫通開口部を有する少なくとも2つ、特に少なくとも4つの別個の保護領域を有し、したがって、各々の保護領域並びに付属のフィルター領域が圧縮ガス又は圧縮空気によって他の保護の領域とは無関係に洗浄されることを可能にする。別個の保護領域は、特に、付属のガス不透過性の分離領域によって互いに分離される。保護要素及び少なくとも1つのフィルター要素が領域毎に、言い換えれば連続して洗浄されるという事実によって、したがって、スクリュー機械の動作中にスクリュー機械を連続して洗浄することができるので、スクリュー機械の動作を中断する必要がないことが保証される。さらに、ガス不透過性の分離領域は、保護要素の機械的な固有の安定性を高める。
【0017】
好ましくは別個のフィルター要素は、必要に応じて交換する及び/又は別個に洗浄することができる。付属の保護領域と共に、フィルター要素は、圧縮ガス又は圧縮空気によって互いに別個に洗浄することができ、スクリュー機械の動作を停止する必要なしに、付着するバルク材料粒子をそれぞれのフィルター要素から規則的な時間間隔で除去することが可能である。
【0018】
請求項8に記載のスクリュー機械は、真空フィルターインサートの長い寿命を保証する。各々の保護領域は、ガス又は圧縮空気を供給するための対応する中央通路に関連付けられ、保護領域並びに付属のフィルター領域又はフィルター要素を個々にかつ共に選択することを可能にし、したがって、例えば、真空フィルターインサートを連続して洗浄し、またスクリュー機械が停止している間に予防措置として真空フィルターインサート全体をフラッシングすることを可能にする。この結果、保護要素及び少なくとも1つのフィルター要素が不純物から保護される。配分通路は、一方で一定の真空発生及び他方でガス又は圧縮空気の一定の供給を保証する。
【0019】
請求項9に記載のスクリュー機械は、その高い処理量と組み合わせて真空フィルターインサートの長い寿命を保証する。スクリュー機械は、少なくとも2つの平行の貫通ケーシング孔を有し、付属の軸及び処理要素がケーシング孔に配置され、したがって、スクリュー機械の高い処理量を可能にする。バルク材料の、相応して高い処理量を達成するために、真空フィルターインサートは、保護要素がケーシング孔の断面形状に適合されるように、2つの隣接する円弧の切片の形状の断面を有する。軸に配置された処理要素は、それぞれの円弧の切片の領域の保護要素を拭き取り、保護要素が連続的に洗浄されるように、保護要素に付着するバルク材料粒子が連続的に運び出されるようにする。この結果、高いフィルター性能が達成され、保護要素は、同時に、少なくとも1つのフィルター要素がバルク材料粒子によって損傷を与えられることから保護する。
【0020】
本発明の他の目的は、バルク材料を加工するための確実かつ効率的な方法を提供することである。
【0021】
この目的は、請求項10に提示した特徴を有する方法によって達成される。真空フィルターインサートは、スクリュー機械の停止中にフラッシングされ、したがって、少なくとも1つのフィルター要素の損傷及び/又は詰まりを有効に防止する。少なくとも1つのフィルター要素は、スクリュー機械の停止中に予防的に、特にそのフィルター領域全体にわたってフラッシングされる。スクリュー機械の停止時、圧縮空気又は圧縮ガスそれぞれは、ガス抜き方向と反対方向に少なくとも1つのフィルター要素を通して流れ、高温ガスがスクリュー機械から少なくとも1つのフィルター要素の表面に洩出することを防止し、この表面では、高温ガスにより、少なくとも1つのフィルター要素に付着するバルク材料粒子の溶融が引き起こされ、バルク材料粒子が少なくとも1つのフィルター要素を詰まらせるか又は不可逆に詰まらせ、次にフィルターが永続的に損傷を受けるであろう。スクリュー機械の停止中の真空フィルターインサートの永続的又は予防的なフラッシングにより、少なくとも1つのフィルター要素の詰まり及び/又は損傷が防止され、したがって、真空フィルターインサートの寿命の延長をもたらす。本発明による方法は、したがって、確実かつ効率的である。フラッシング中、体積流量を必要に応じて調整してもよい。
【0022】
特に、フラッシングは、スクリュー機械の非常停止中に又はスクリュー機械の定期的に計画された停止の過程で実施される。スクリュー機械は、例えば、さらなる加工のためにスクリュー機械にバルク材料を供給する側方装填機械として構成される。代わりに、スクリュー機械は、バルク材料の供給及び加工のために構成される。
【0023】
さらに、真空フィルターインサートは、スクリュー機械の動作時に水冷却システム及び/又は空気冷却システムによって冷却し得る。空気冷却のために、真空フィルターインサートは、例えば、そのフィルター領域全体にわたってフラッシングされる。空気冷却システムの作動は、例えば、水冷却システムと連結することが可能であり、同時に又は連続してトリガーし得る。
【0024】
本発明による方法は、特に、請求項2〜9に指定した特徴を有するようにさらに発展させることもできる。
【0025】
請求項10に記載の方法は、フラッシング手順が必要なときに及び/又はバルク材料に応じて作動されるように、少なくとも1つのフィルター要素が詰まりから有効に防止されるので高い信頼性を保証する。予め規定された速度下限nが到達されるか、速度値が前記速度下限n未満に低下すると、フラッシングが即座に又は遅延を伴って作動される。遅延は、バルク材料又は製品及び/又はプロセスに応じて設定し得る。
【0026】
請求項11に記載の方法は高い効率を保証する。少なくとも1つのフィルター要素のフラッシングは、上方速度制限nに到達するか又はそれを超えると非作動にされ、したがって、意図する方法で及び目的のために真空フィルターインサートを再び操作することを可能にする。言い換えれば、バルク材料の加工を次に再開し得る。
【0027】
請求項12に記載の方法は、長い機械停止の場合に高い信頼性を保証する。永続的な機械停止の場合に、ケーシングが温度下限Tに到達すると、あるいはその温度が前記温度下限T未満に低下すると、フラッシングが非作動にされる。温度下限Tは、例えば100℃、特に80℃、及び特に40℃である。温度下限は、例えば、それぞれのバルク材料又は製品に応じて設定される。この結果、真空フィルターインサート及び少なくとも1つのフィルター要素が詰まり又は損傷の危険性にさらされなくなると、永続的なフラッシングが非作動にされる。フラッシング用に使用されるフラッシング装置は、このように保護される。ケーシング温度が温度上限Tに到達するか又は超えたとき、フラッシングを再作動し得る。温度上限Tは、再び、それぞれのバルク材料又は製品に応じて設定し得る。温度上限Tは、例えば40℃、特に80℃である。
【0028】
請求項13に記載の方法は、バルク材料を加工するときに高い信頼性及び効率を保証する。真空フィルターインサートは、ガス又は圧縮空気を使用して連続してフラッシングされ、したがって、スクリュー機械を停止する必要なしに真空フィルターインサートを連続して洗浄すること可能にする。真空フィルターインサートの領域は、動作中に連続して及び/又は規則的な間隔で洗浄することが好ましい。連続した洗浄は、スクリュー機械の動作時に一定の処理量で作動することが好ましい。連続した洗浄を作動するために、真空フィルターインサートに加えられる真空は、例えば圧力センサによって監視され、この圧力センサにより、予め規定された閾値に到達すると洗浄が作動される。例えば、各々のフィルター領域に、それ自体の圧力測定装置を設けてもよく、この装置により、測定値が閾値値未満に低下すると圧力パルスによってそれぞれのフィルター領域をフラッシングするか又は洗浄することが可能である。したがって、フィルターは必要なときに洗浄し得る。1つの圧力測定装置によってすべてのフィルター領域を監視することが同様に考えられる。予め規定された閾値に到達すると、個々のフィルター領域の連続した洗浄が、予め規定された順序に従って作動される。例えば、フィルター領域は、30秒の時間間隔で連続して洗浄される。
【0029】
好ましくは、連続した洗浄又は予防的なフラッシングの間にガス又は圧縮空気の体積を測定する少なくとも1つの流量計が設けられる。これにより、洗浄又は予防的なフラッシングプロセスの最適化が可能になる。
【0030】
さらに、連続した洗浄は、圧力測定装置を必要することなく、予め規定された時間間隔で実施し得る。個々のフィルター領域は、例えば、10分の時間間隔で連続して洗浄し得る。例えば4つのフィルター領域が設けられる場合、各々のフィルター領域は、動作中に40分の規則的な時間間隔で洗浄される。時間間隔は、バルク材料又は製品及び/又はプロセスに応じて設定し得る。
【0031】
洗浄のために、それぞれの圧力パルスの持続時間は、可能な限り小さな量のガス又は圧縮空気を使用して、少なくとも1つのフィルター要素からフィルターケークが取り外されるように選択される。洗浄のために発生される圧縮空気パルスは、好ましくは、2秒以下、特に1秒以下、特に0.5秒以下の持続時間を有する。連続した洗浄及び/又は予防的なフラッシング中のガス又は圧縮空気の圧力は、周囲圧力を4.5バール以下、特に3.0バール以下、特に1.5バール以下、特に1.0バール以下、特に0.5バール以下だけ上回ることが好ましい。圧力は、プロセスに干渉するガス又は圧縮空気の量を最低限に維持することを保証しつつ、少なくとも1つのフィルター要素の吹上げ及び処理要素との接触を防止するように選択されることが好ましい。他方、圧力量は、確実な洗浄又はフラッシングを保証するように選択される。真空フィルターインサートに保護要素が設けられる場合、連続した洗浄又は予防的なフラッシングのために必要な圧力を比較的より高い値に設定し得る。
【0032】
請求項14に記載の方法は、高い信頼性を保証する。圧力要素は、少なくとも1つのフィルター要素に対する損傷を防止する。
【0033】
本発明の他の目的は、停止時間を短縮して高い信頼性を保証するバルク材料を加工するための加工装置を提供することである。
【0034】
この目的は、請求項15に提示した特徴を有する加工装置によって達成される。本発明による加工装置の利点は、本発明によるスクリュー機械及び/又は上に既述した本発明による方法の利点に対応する。本発明による加工装置は、特に、請求項1〜14に指定した特徴を有するようにさらに発展させることが可能である。
【0035】
真空発生装置は、通常の方法でバルク材料をガス抜きするために使用される。保護要素のため、少なくとも1つのフィルター要素が、バルク材料によって引き起こされる損傷から有効に保護されるので、真空フィルターインサートは長い寿命を有する。フラッシング装置は、圧縮ガス又は圧縮空気を使用して真空フィルターインサートを洗浄することを可能にする。制御装置の設計のため、フラッシング装置は、特に、スクリュー機械の停止時に真空フィルターインサートの予防的なフラッシングの実施を可能にする。
【0036】
本発明のさらなる特徴、利点及び詳細は、いくつか例示的な実施形態の後続の説明から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】第1の例示的な実施形態によるバルク材料を加工するための加工装置の図面であり、そのスクリュー機械は縦断面図で示されている。
図2】請求項1に記載のスクリュー機械の水平縦断面図である。
図3図1によるスクリュー機械の真空フィルターインサートの斜視図である。
図4図3による真空フィルターインサートの垂直横断面図である。
図5】保護要素の領域Vの図4の真空フィルターインサートの拡大図である。
図6】保護要素なしの真空フィルターインサートの斜視図である。
図7】フィルター要素なしの図6の真空フィルターインサートの平面図である。
図8図3の保護要素の斜視図である。
図9】貫通開口部の領域の図8の保護要素の拡大平面図である。
図10】側方の装着用に構成されたスクリュー機械を備える第2の例示的な実施形態によるバルク材料を加工するための加工装置の図面である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下の説明は、図1図9を参照して本発明の第1の例示的な実施形態について言及する。図1に示した加工装置1は、粉末状バルク材料2と顆粒状バルク材料3との混合物を加工するために使用される。加工装置1は、押出機の形態のスクリュー機械4を有し、そのケーシング5は、より詳細に図示しないいくつかのケーシング部分から組み立てられる。ケーシング5において、互いに平行である2つの貫通ケーシング孔6、7が形成される。ケーシング孔6、7において、2つの軸8、9が、対応する回転軸線10、11を中心とする回転のために同心円的に配置される。軸8、9に、いくつかの処理要素13、14、15が設けられ、これらは、各々、搬送方向12に互いに前後に配置される。軸8、9に互いに隣接して配置された処理要素13、14、15は、近接相互噛合対を形成するように構成される。
【0039】
スクリュー機械4は、入口区間16、溶融及び加工区間17、及び圧力増大区間18を有し、これらは、搬送方向12に互いに前後に配置される。入口区間16では、スクリュー機械4は、バルク材料2、3を供給するための付属の供給ホッパー20を備える供給開口部19を有する。供給開口部19は、入口区間16内に開口し、この区間において、第1の搬送スクリュー要素13の形態の処理要素が軸8、9に配置される。入口区間16の領域において、冷却通路21がケーシング5に形成される。
【0040】
入口区間16の下流に配置された溶融及び加工区間17において、混練ディスク14の形態の処理要素が軸8、9に配置される。下流の圧力増大区間18は、第2の搬送スクリュー要素15の形態の処理要素によって画定される。ケーシング5の端部は、出口ノズル23を備えるノズルプレート22によってシールされる。
【0041】
軸8、9を駆動するための駆動装置24が設けられる。駆動装置24は、クラッチ26を介して減速及び配分ギヤ27に連結される電気駆動モータ25を備える。駆動装置24は、同一方向の回転のために軸8、9の駆動を可能にする。軸8、9は、通常の方法でギヤ27に連結される。
【0042】
バルク材料2、3をスクリュー機械4に供給するために、計量装置28が設けられ、計量装置28には、駆動モータ30によってケーシング29内の回転のために駆動可能である重力計量スクリュー31が設けられる。
【0043】
バルク材料2、3の供給及びガス抜きのために、スクリュー機械4に真空フィルターインサート32が設けられ、このインサートは、入口区間16において、搬送方向12で見たときに供給開口部19の下流に配置される。このために、ケーシング5は、ケーシング孔6、7に到達する受容開口部33を有する。受容開口部33において、真空フィルターインサート32は、ねじ34によって取り外し可能に配置される。
【0044】
真空フィルターインサート32は、ブロック状の基体35を有し、この基体には、ケーシング孔6、7から離れた側面に周縁フランジ36が設けられる。フランジ36に複数の孔37が配置され、これらの孔を通してねじ34をケーシング5にねじ留め可能である。フランジ36から離れた側面において、基体35に、部分的に円筒状の2つの接触面38、39が設けられ、これらの接触面は、ケーシング孔6、7の内壁40、41の曲率に略対応し、内壁の侵入点においてガセット42を形成する。搬送方向12で見て、接触面38、39は、各々、互いに前後に配置される2つのフィルター領域43、44と45、46を形成する。フィルター領域43〜46は、各々、各々のフィルター領域43〜46が、対応するドレン織物48及びその上に配置された支持織物49用のそれぞれの容器47を形成するように、それぞれの接触面38、39に対して後退させられる。フィルター領域43〜46は、搬送方向で見たときに隆起した分離領域51、52によって、かつ搬送方向12に対して横方向の方向で見たときにガセット42によって互いに分離され、また分離領域は、隆起した縁部領域53によって取り囲まれる。支持織物49は、少なくとも1つのフィルター要素50を支承する。例えば、すべてのフィルター領域43〜46を覆う単一のフィルター要素50を設けてもよい。代わりに、各々、2つのフィルター領域43、44と45、46又は43、45と44、46用に2つのフィルター要素を設けてもよい。代わりに、各々、フィルター領域43〜46の1つのために4つのフィルター要素50を設けてもよい。
【0045】
フィルター領域43〜46の各々には、搬送方向12に互いに平行に延びる3つの縦通路54〜56が設けられ、これらの縦通路は、2つの交差通路57、58によって互いに接続され、かつそれぞれの中央通路59〜62に接続される。通路54〜58は、配分通路を形成する。中央通路59〜62は基体35を突破し、フィルター領域43〜46が対応する縦通路及び交差通路54〜58に接続されるように、フィルター領域43〜46の各々のそれぞれの受容空間内に開口する。
【0046】
フィルター領域43〜46の各々の対応するドレン織物48及び支持織物49は、少なくとも1つのフィルター要素50によって覆われる。顆粒状バルク材料3による損傷から少なくとも1つのフィルター要素50を保護するために、真空フィルターインサート32に保護要素63が設けられる。少なくとも1つのフィルター要素50に面する基体35の端部領域64は、凹部を形成するように構成される。アタッチメントとして構成され、保護要素63は、基体35の端部領域64に取り付けられ、締結ねじ65によって基体35に締結される。このために、保護要素63に、ワンピースを形成するようにフレーム66に配置された部分的に円筒状の2つの保護壁部67、68を備えるフレーム66が設けられる。保護壁部67、68は、円弧の切片の形状の断面を有し、かつ内壁40、41及び保護壁部67、68が互いに面一であるように、内壁40、41に対応するように曲げられる。侵入領域において、保護壁部67、68は、ケーシング孔6、7によって形成されたガセットと面一でありかつ一列であるガセット69を形成する。少なくとも1つのフィルター要素50が、ガセット42、分離領域51、52及び縁部領域53の領域で、基体35と、取り付けられた保護要素63との間に締め付けられる。
【0047】
フィルター領域43〜46に対応して、保護壁部67、68は、各々、2つの保護領域70、73を形成し、これらの保護領域は、搬送方向12に互いに前後に配置され、かつフィルター領域43〜46に対応するように保護壁部67、68に配置される。保護領域70〜73の各々は、複数の貫通開口部74を有する。保護要素63は、ガス抜き方向75で見たときに少なくとも1つのフィルター要素50の上流に配置され、したがって、顆粒状バルク材料3によって引き起こされる損傷から保護される。貫通開口部74、少なくとも1つのガス透過性のフィルター要素50、縦通路及び交差通路54〜58、並びに中央通路59〜62のため、真空フィルターインサート32は、ケーシング孔6、7を画定するガス透過性の壁部76を形成する。保護領域70〜73は、搬送方向12にガス不透過性の分離領域77、78によって、また搬送方向12に対して横方向の方向にガセット69によって境界付けられる。さらに、保護領域70〜73は、フレーム66によって境界付けられる。分離領域77、78並びに保護要素63のガセット69は、基体35の分離領域51、52及びガセット42に対応するように配置され、したがって、ドレン織物48及び支持織物49がそれぞれの受容空間47にしっかりと保持され、かつ少なくとも1つのフィルター要素がしっかりと締結されることを保証する。
【0048】
以下の説明は、図9を参照して詳細に記載される保護領域70の貫通開口部74について言及する。保護領域71〜73の貫通開口部74は同一である。
【0049】
貫通開口部74は、細長い穴の形状であり、搬送方向12に長さLを有し、搬送方向12に対して横方向の方向に幅Bを有する。長さ対幅比L/Bは、2≦L/B≦100、特に5≦L/B≦80、特に10≦L/B≦40である。好ましくは、貫通開口部74は、2mm以下、特に1.5mm以下、特に1mm以下の最小幅を有する。さらに、貫通開口部74は、5mm〜100mmの範囲、特に10mm〜80mmの範囲、特に15mm〜50mmの範囲の長さLを有することが好ましい。
【0050】
貫通開口部74の各々のそれぞれの中心縦軸線Mは、貫通開口部74が複数の隣接列を形成するように互いに整列される。中心縦軸線Mは、搬送方向12に対して平行に延びる。隣接する列の貫通開口部74は、互いに互い違いに配置される。隣接する列の貫通開口部74は、第1の列の貫通開口部74が、隣接する第2の列の2つの貫通開口部74に対して各々、中央に置かれるように、半分互い違いのパターンで特に配置される。保護領域70〜73の縁部の近くにおいて、各々の第2の列の端部の貫通開口部74は、半分互い違いの配置の結果、短縮された長さLを有する。
【0051】
貫通開口部74の隣接列の互い違いの配置により、各々、2つの隣接する貫通開口部74は、長さLを有する重なり領域で重なるようにされる。長さLは、2mm〜50mm、特に5mm〜40mm、特に7mm〜25mmの範囲にある。
【0052】
貫通開口部74のため、保護壁部67、68は、縦ウェブ79並びに対応する交差ウェブ80を形成する。縦ウェブ79は、搬送方向12に対して横方向の方向に、2つの隣接する列の貫通開口部74を互いに分離するように、搬送方向12に対して平行に延び、一方、交差ウェブ80は、各々、2つの隣接する貫通開口部74を搬送方向12に互いに分離するように、搬送方向12に対して横方向に延びる。搬送方向12で見て、縦ウェブ79は、保護領域70〜73の長さに対応する長さLを有する。さらに、縦ウェブ79は、搬送方向12に対して横方向の方向に幅Bを有する。他方、交差ウェブ80は、搬送方向12に長さLを有すると同時に、交差ウェブ80は、搬送方向12に対して横方向の方向に、幅Bに対応する幅Bを有する。縦ウェブ79の幅B及び/又は交差ウェブ80の長さLは、0.5mm〜4mm、特に0.5mm〜2mm、特に0.5mm〜1mmの範囲にある。縦ウェブ79の幅Bは、交差ウェブ80の長さLに等しいことが好ましい。
【0053】
縦ウェブ79の幅B及び/又は交差ウェブ80の長さLは、各々、2つの隣接する貫通開口部74の間の最小距離Aの画定を可能にし、ここで、距離対幅比A/Bは、0.1≦A/B≦2、特に0.2≦A/B≦1.5、特に0.4≦A/B≦1である。
【0054】
ガス抜き方向75において、保護壁部67、68は壁厚Dを有し、ここで、壁厚Dは、1mm〜8mm、特に1mm〜6mm、特に1mm〜4mmの範囲にある。保護要素63は金属から製造される。
【0055】
少なくとも1つのフィルター要素50は、ISO16889による1μm〜10μmのフィルター微細度を有する。少なくとも1つのフィルター要素50は、さらに、0.1mm〜0.2mmの範囲、特に0.2mm〜1.2mmの範囲、特に0.3mm〜0.7mmの範囲にある厚さDを有する。少なくとも1つのフィルター要素50は、例えば、金属不織布、プラスチック不織布及び/又は燒結金属として構成される。金属不織布又はプラスチック不織布として構成される場合、前記不織布は、織物によって直接補強してもよい。
【0056】
真空源82を備える真空発生装置81は、バルク材料2、3をガス抜きするために使用される。真空源82は、例えば、ウォータリングポンプとして構成される。真空源82は、それぞれの真空ラインL〜Lを介して中央通路59〜62に接続される。このことは、図1にのみ暗示されている。各々の真空ラインL〜Lには、それぞれの真空制御弁V〜Vが設けられる。真空源82とそれぞれの真空制御弁V〜Vとの間に、各々の真空ラインL〜Lには、それぞれの圧力測定装置M〜Mが設けられる。圧力測定装置M〜Mは、それぞれの信号ラインを介して中央制御装置83に接続され、圧力測定装置M〜Mによって真空ラインL〜Lで測定された圧力の測定信号を制御装置83に伝送することが可能である。真空源82は、駆動モータ84によって駆動され、駆動モータは、圧力測定装置M〜Mによって提供される測定信号に応じて制御装置83によって操作可能である。
【0057】
真空フィルターインサート32を洗浄するために、加工装置1に、圧縮ガス源86を備えるフラッシング装置85が設けられる。圧縮ガス源86は、それぞれのフラッシングラインD〜Dを介して中央通路59〜62に接続される。このことは、図1にのみ暗示されている。フラッシングラインD〜Dにおいて、フラッシング弁S〜Sが配置される。
【0058】
真空制御弁V〜V及びフラッシング弁S〜Sは、個別にかつ互いに独立して制御装置83によって操作可能であり、したがって、フィルター領域43〜46及び保護領域70〜73の各々における真空フィルターインサート32に、真空あるいは圧縮ガス又は圧縮空気によって作用することが可能である。
【0059】
駆動モータ25、30は、制御装置83によって操作可能である。駆動装置24は、軸8、9及び駆動モータ25の速度nを制御装置83に伝送する。
【0060】
ケーシング5の温度を監視するために、制御装置83と信号通信する温度センサ87が設けられる。
【0061】
加工装置の動作は次の通りである。
【0062】
計量装置28によって、粉末状バルク材料2と顆粒状バルク材料3との混合物が、供給開口部19を介してスクリュー機械4に供給される。顆粒状バルク材料3は、例えばポリマー顆粒であり、一方、粉末状バルク材料2は、例えば、充填剤及び/又は添加剤を含み得る。スクリュー機械4の取り入れ挙動を改良するために、バルク材料2、3が真空フィルターインサート32を使用してガス抜きされる。このために、真空が真空発生装置81によって発生され、次に中央通路59〜62に加えられる。真空フィルターインサート32は、ケーシング孔6、7のガス透過性の壁部76を形成し、したがって、空気及び/又はガスをバルク材料2、3から抜き取ることを可能にし、その結果、スクリュー機械の取り入れ挙動が改良される。
【0063】
ガス抜き中、顆粒状バルク材料3は、保護要素63によって拘留され、したがって、顆粒状バルク材料3が少なくとも1つのフィルター要素50にぶつかって、損傷を与えることを防止する。この結果、顆粒状バルク材料3は、フィルターに損傷を引き起こし得る運動エネルギーを少なくとも1つのフィルター要素50に付与できない。粉末状バルク材料2は、それが拘留される少なくとも1つのフィルター要素50に貫通開口部74を通して通過し得る。粉末状バルク材料2のバルク材料粒子は小さく、比較的低い質量を有するので、バルク材料粒子は、それらの運動エネルギーのため少なくとも1つのフィルター要素50に損傷を与えることができない。
【0064】
第1の搬送スクリュー要素13は、バルク材料2、3を運び、バルク材料2、3が溶融及び加工区間17に搬送されるように、特に真空フィルターインサート32からバルク材料を拭き取る。溶融及び加工区間17において、バルク材料2、3が溶融されて、混練ディスク14によって均質化される。溶融及び均質化によって生成されたポリマー融成物は、圧力増大区間18に搬送され、ここで、ポリマー融成物が圧力下で出口ノズル23を介して放出される。
【0065】
保護要素63は、一方で顆粒保護として機能し、十分な機械的な固有の安定性を有し、顆粒状バルク材料3のバルク材料粒子を保持できるようにそれに応じて寸法決めされる貫通開口部74を有する。他方で、細長い貫通開口部74は、比較的大きな自由フィルター領域を提供し、これにより、真空フィルターインサート32のフィルター性能が事実上損なわれないことが保証される。
【0066】
各々の保護領域70〜73は、貫通開口部74によって形成された自由フィルター領域を提供し、この領域は、保護要素63なしの自由フィルター領域の少なくとも60%、特に少なくとも65%、特に少なくとも70%に対応する。
【0067】
加工装置1の動作時、少なくとも1つのフィルター要素50は、ある期間後に詰まるようになり、その結果、真空フィルターインサート32のフィルター性能が著しく低下する。フィルター要素50が詰まったとき、フィルターケークがフィルター要素50に堆積し、時間の経過につれてますます高密度になる。中央通路59〜62を介して圧縮ガス又は圧縮空気をフィルター領域43〜46の各々に個々に加えることができるという事実のため、加工装置1の動作中に少なくとも1つのフィルター要素50が連続して、言い換えれば領域毎に洗浄される。例えば、真空が上述の方法でフィルター領域44〜46に加えられ、一方、真空制御弁Vを閉鎖して、フラッシング弁Sを開放することによって圧縮空気がフィルター領域43に加えられる。これにより、動作中にフィルター領域43に堆積したフィルターケークが吹き飛ばされ、フィルター43が再び清浄になる。フィルター領域43〜46の吹き飛ばしは、混合物の組成物がフィルターケークの破片によって損なわれることを防止するために、連続してかつ短い間隔で実行される。それぞれの真空ラインL〜L内の低圧は、それぞれのフィルター領域43〜46の少なくとも1つのフィルター要素50が、予め規定された許容可能な目詰まり値を超えたことを示し、少なくとも1つのフィルター要素50のために、制御装置83が連続洗浄動作をトリガーするようにさせる。少なくとも1つのフィルター要素50は、次に、例えば、フィルター43、フィルター領域45、フィルター領域44及びフィルター領域46で洗浄される。真空フィルターインサート32は、いくつかのフィルター領域43〜46に分割され、したがって、フィルターケークによって引き起こされる望ましくないトルク変化にスクリュー機械4がさらされることを防止しつつ、加工されるべきポリマー融成物の品質が損なわれないように、フィルター領域43〜46のフィルターケークを早い段階で吹き飛ばすことを可能にする。真空フィルターインサート32の連続洗浄は、真空フィルターインサート32の寿命を延ばし、したがって、遮断なしに加工装置1の長い寿命を可能にする。
【0068】
スクリュー機械の停止時、例えば非常停止又は定期的に計画された動作遮断の結果、圧縮ガス又は圧縮空気がフラッシング装置85によってフィルター領域43〜46のすべてに永続的に加えられる。このようにして、真空フィルターインサート32のすべての領域が永続的にフラッシングされ、したがって、少なくとも1つのフィルター要素50の詰まりが防止される。この理由は、スクリュー機械4の停止時、高温でありかつ粒子を帯び得るガスが少なくとも1つのフィルター要素50に流れることが不可能であるという事実のためであり、フィルター要素では、それに堆積したバルク材料粒子の溶融が引き起こされ得る。言い換えれば、低温圧縮空気又は低温圧縮ガスを使用する永続的な全領域のフラッシングは、粒子、特に粉末状バルク材料粒子2の溶融を防止する。フラッシング中の体積流量は、フラッシング弁S〜Sを介して個々に調整可能である。
【0069】
真空フィルターインサート32の永続的又は予防的なフラッシングは、速度nが速度下限nに到達するか又はそれ未満に低下すると作動される。フラッシングは、動作が再開された後に速度nが速度上限nに到達するか又はそれを超えると、あるいは永続的な動作遮断の場合、ケーシング温度Tが温度下限Tに到達するか又はそれ未満に低下したときに、再び非作動にされる。フラッシングは、ケーシング温度Tが温度上限Tに到達するか又はそれを超えたときに再開し得る。
【0070】
以下の説明は、図10を参照して本発明の第2の例示的な実施形態について言及する。加工装置1は、バルク材料2、3が加工される他のスクリュー機械88の側方装着のために使用されるスクリュー機械4を備える。スクリュー機械4は、バルク材料2、3を混合して、スクリュー機械88に計量供給するために使用される。第1の例示的な実施形態に対応して、真空フィルターインサート32は、スクリュー機械4の入口区間16に配置される。スクリュー機械4には、バルク材料2、3を搬送するために必要なスクリュー要素13の形態の処理要素のみが設けられる。加工装置1の構造及び機能に関するさらなる詳細は、前述の例示的な実施形態の説明に確認することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 加工装置
2 粉末状バルク材料
3 顆粒状バルク材料
4 スクリュー機械
5 ケーシング
6、7 貫通ケーシング孔
8、9 軸
10、11 回転軸線
12 搬送方向
13 第1の搬送スクリュー要素
14 混練ディスク
15 第2の搬送スクリュー要素
16 入口区間
17 溶融及び加工区間
18 圧力増大区間
19 供給開口部
20 供給ホッパー
21 冷却通路
22 ノズルプレート
23 出口ノズル
24 駆動装置
25 電気駆動モータ
26 クラッチ
27 減速及び配分ギヤ
28 計量装置
29 ケーシング
30 駆動モータ
31 重力計量スクリュー
32 真空フィルターインサート
33 受容開口部
34 ねじ
35 ブロック状の基体
36 周縁フランジ
37 孔
38、39 接触面
40、41 内壁
42 ガセット
43、44、45、46 フィルター領域
47 容器
48 ドレン織物
49 支持織物
50 フィルター要素
51、52 分離領域
53 縁部領域
54〜58 通路
59、60、61、62 中央通路
63 保護要素
64 端部領域
65 締結ねじ
66 フレーム
67、68 保護壁部
69 ガセット
70、71、72、73 保護領域
74 貫通開口部
75 ガス抜き方向
76 壁部
77、78 分離領域
79 縦ウェブ
80 交差ウェブ
81 真空発生装置
82 真空源
83 中央制御装置
84 駆動モータ
85 フラッシング装置
86 圧縮ガス源
87 温度センサ
88 スクリュー機械
A 最小距離


〜D フラッシングライン
壁厚
厚さ
L 長さ
長さ
長さ
長さ
〜L 真空ライン
M 中心縦軸線
〜M 圧力測定装置
n 速度
速度上限
速度下限
〜S フラッシング弁
ケーシング温度
温度上限
温度下限
〜V 真空制御弁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10