(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも絶縁基材上に形成された厚導体配線パターンと、当該厚導体配線パターンの非形成部に位置する絶縁基材上であって、当該厚導体配線パターンの側面を覆うように形成された、内部に補強基材を有する絶縁樹脂層と、を備えたプリント配線板において、当該厚導体配線パターンの表層面と、当該絶縁樹脂層から露出し、かつ当該厚導体配線パターンに最近接した位置にある当該補強基材との間に、溝が形成されていることを特徴とするプリント配線板。
請求項1記載のプリント配線板上に、内部に補強基材を有する絶縁樹脂層及び薄導体配線パターンが形成されていると共に、当該プリント配線板の溝に、当該絶縁樹脂層の絶縁樹脂が充填されていることを特徴とするプリント配線板。
当該厚導体配線パターンの表層面に金属膜が形成されており、当該絶縁樹脂層上には、当該厚導体配線パターンの表層面の金属膜と同時に形成された金属膜からなる薄導体配線パターンが形成されていることを特徴とする請求項3記載のプリント配線板。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車分野においては、急速に電子化が進んでおり、これに伴い、搭載されるプリント配線板も増加している。なかでも、普及が著しいハイブリッドカーや電気自動車においては、制御系だけでなく、モーターなど駆動系にも多くの電装部品が使用されている。このような駆動系で使用される電装部品には、大電流が流れるため、これに対応した特性が必要となる。
【0003】
プリント配線板においては、配線パターンの電流容量は断面積に依存するため、これを大きくすることで対応することになる。この場合、一般的に使用されている導体厚(例えば18μm)で大電流対応配線パターンを形成しようとすると、パターン幅を大きくする必要があり、プリント配線板は大型化してしまう。
【0004】
そこで、特許文献1のような配線パターンの導体厚をより厚くすることで、大電流に対応した配線パターンを有するプリント配線板の小型化が提案されている。この製造方法を
図16及び、17を用いて説明する。
【0005】
まず、厚導体配線パターン16が形成された絶縁基材15を用意し、この上に、プリプレグ等の絶縁接着シート17を複数枚と、金属箔18を順次配置し、これらの上下に離型材19を配置する(
図16(a)参照)。ここで使用される絶縁接着シート17は、安価で絶縁性の高いエポキシ樹脂等の絶縁樹脂17bに、ガラス織布等の補強基材17aが含浸された所謂プリプレグが使用される(特に、車載対応品では、高剛性、高信頼性を要求されるため、必須な材料構成である)。
【0006】
次に、これを熱板HPで挟み積層プレス加工することで、一体化させる(
図16(b)、(c)参照)。その後、回路形成により薄導体配線パターン21の作製等を行うことで、内層に大電流に対応した厚導体配線パターン16を含んだプリント配線板Q1が得られる(
図17(d)参照)。
【0007】
このプリント配線板Q1の絶縁樹脂層20は、積層時に離型材19のみを使用しているため、表面は平滑であり、内部は厚導体配線パターン間を絶縁樹脂17bで満たされ、この上に補強基材17aが存在した形となっている。
【0008】
この状態を形成するには、積層プレス加工時に、絶縁接着シート17を構成している絶縁樹脂17bを多くフローさせなければならない。このため、絶縁接着シート17を複数枚重ねて、さらに、樹脂がフローしやすいように、加工条件も厳しく設定する必要がある(加工条件については、昇温速度を速くして樹脂粘度を下げ、圧力を高めに設定して、絶縁樹脂をパターン間に押し込んでいく)。
【0009】
その結果、プリント配線板Q1の板厚は、厚くなり(絶縁接着シートを複数枚重ねるため)、また、このような加工条件では、絶縁樹脂層20に含まれる補強基材17aが、厚導体配線パターン16のコーナー部PCへ接触するケースが発生する(
図18(a)参照)。
【0010】
このように補強基材(例えばガラス織布)が、配線パターンに接触すると、この補強基材に沿ってCAF22等のイオンマイグレーションが発生しやすくなり、絶縁性は低下してしまう。特に、大電流が流れる厚導体配線パターン16であれば、より発生しやすい状態となる。
【0011】
さらに、厚導体配線パターン上の絶縁樹脂層20においても、樹脂分の多くは厚導体配線パターン16間にフローしてしまうため、この上に形成される薄導体配線パターン21と、補強基材17aが密接した状態となる。このため、ここでもCAF22等のイオンマイグレーションが発生しやすくなり、絶縁性は低下してしまう。その結果、配線パターンを高密度に配置することは難しくなる(
図18(b)参照)。
【0012】
また、配線パターンの厚みが厚くなると、回路形成時にサイドエッチングされる、所謂アンダーカットが発生しやすくなる。特に、200μmを超えるような厚い配線パターンの場合、パターン上層位置よりも、中層位置にあたるパターン幅の方が小さくなり、コーナー部がより鋭角な状態となりやすい。
【0013】
このため、上記配線パターン上に離型材を介して絶縁接着シートを複数枚重ねて、積層プレス加工を行っても、絶縁樹脂が配線パターン間に浸透しにくく、ボイドが発生しやすくなる。また、鋭角なコーナー部では、補強基材との間に絶縁樹脂が介在しにくくなり、補強基材が配線パターンに、より接触しやすい状態となる。
【0014】
そこで、上記の課題を解決する方法として、
図19に示した製造方法が提案されている。これは厚導体配線パターン16の形状に沿って、予め抜き加工した絶縁接着シート23を積層する工法である。この方法であれば、多くの絶縁接着シートを用いなくても、配線パターン間を絶縁樹脂で充填することができ、板厚を薄くできる。また、積層時のボイドも発生しにくい。
【0015】
しかし、この方法は、予め絶縁接着シート23を加工する必要がある上、シート状にしておくためには、設計上の制約が出てくる。さらに、積層プレス加工時には、位置合わせが必要となるため、ピンラミ積層が必須となり、作業性は低下してしまう。もし、積層プレス加工時に、少しでも位置ずれを起こした状態で加工された場合、抜き加工された絶縁接着シートの端面は、補強基材23aが露出しているため、これが厚導体配線パターン16に接触して、絶縁性は低下しやすくなる(
図20参照)。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0027】
本発明の第一の実施形態に係るプリント配線板の製造方法の概略断面工程図を
図1から
図3に示す。
【0028】
まず、
図1(a)に示したように、コアとなる絶縁基材1の少なくとも片面に、金属板2を熱圧着により貼り合わせる。
【0029】
絶縁基材1としては、絶縁性を有する樹脂であれば特に制限はないが、耐熱性・電気特性に優れたエポキシ系樹脂を使用することが好ましい。また、ガラス織布やガラス不織布等の補強基材の有無についても問わないが、大電流が流れる厚導体配線パターンを安定して形成するには、電気的・機械的に向上するため、これらが含まれている方が好ましいといえる。
【0030】
金属板2は、エッチングにより回路形成できる金属であれば、特に制限はないが、導電性、熱伝導性および、コストメリットを考慮すると、銅板を使用することが好ましい。また、銅板の種類としては、電解銅板、圧延銅板どちらでも良く、厚みによってコストメリットが出せるものを使用すれば良い。ちなみに、200μm以上の厚みであれば、製造上の点から、圧延銅板の方がコスト的に有利になりやすい。
【0031】
金属板2の厚みについては、特に制限はないが、大電流が流れることを考慮すると、70μm以上であることが好ましい。また、上限については、特に制限はないが、エッチング性を考慮すると、2000μm以下であることが好ましい。
【0032】
よって、金属板に銅板を使用した場合、70μm以上200μm未満であれば電解銅板、200μm以上、2000μm以下であれば圧延銅板を、それぞれ使用することが、生産性および、コストメリットが出せるので好ましいと言える。
【0033】
次に、
図1(b)に示したように、金属板2上に、厚導体配線パターン形成用レジストR1(以降はレジストR1と表記する)を形成する。レジストR1としては、特に制限はなく、回路形成で使用される感光性ドライフィルムを使用すればよい。
【0034】
次に、これをエッチングすることにより、厚導体配線パターン3を形成する(
図1(c)、(d)参照)。
【0035】
エッチングは通常のエッチング装置を使用しても良いが、本発明構成のように、金属板が比較的厚いときは、バキュームエッチング装置等を使用することで、厚導体配線パターンのアンダーカットを抑えた配線パターンが形成できるので、より好ましい。
【0036】
次に、
図1(e)に示したように、厚導体配線パターン3が形成された絶縁基材1上に、絶縁接着シート4と、クッション材5を順次配置する。
【0037】
ここで使用される絶縁接着シート4は、補強基材4aと、絶縁樹脂4bからなる。補強基材4aとしては、特に制限はないが、ガラス織布であれば、安価で優れた強度も示すので、好ましい。また、この他にもシリカ系フィラーやアルミナ等を含むことで、機械特性、電気特性が向上するだけでなく、大電流から発生する熱を効率よく放熱することができるため、より好ましい。絶縁樹脂4bとしては、絶縁性を有する樹脂であれば特に制限はないが、加工性や耐熱性・電気特性に優れたエポキシ系樹脂を使用することが好ましい。
【0038】
クッション材5としては、ボイドなく、配線パターン間に絶縁樹脂を埋め込むことができれば、単層構造でも、複数層構造でも、特に制限はないが、
図1(e)のような3層構造(離型材5a+クッション部材5b+離型材5a)のものであれば、配線パターンの厚みに応じて、クッション部材5bを調整(例えば、厚みを変える等)して容易に対応することができる。
【0039】
この時、離型材5aとしては、使用後に製品への付着なく、引き剥がすことができれば特に制限はないが、樹脂系のものを選択すれば、配線パターンへの追従性および、自身も変形して埋め込みに有利となるので好ましい。厚みについては薄すぎると破れてしまい、厚すぎると追従しにくので、20から100μmが好ましい。
【0040】
クッション部材5bとしては、積層プレス加工時に、溶融して配線パターンに追従できるものであれば、特に制限はないが、安価なポリエチレン系の樹脂を選択すれば、コストメリットが出せるので好ましい。
【0041】
厚みについては、ボイドなく、配線パターン間に絶縁樹脂を埋め込むためには、内層の厚導体配線パターン3の厚みから、絶縁接着シート4の厚みを差し引いた厚み以上であることが必要であり、更に、これより30μm以上厚いものを選択することがより好ましい。これは、厚導体配線パターンと、絶縁接着シートの段差と同じ、もしくは、それ以下のものを選択すると、積層時にクッション部材5bが溶融しても、内層パターンに追従できなくなり、ボイドが発生しやすくなるためである。このため、これらの厚み差よりも、厚いものを選択することでボイド発生のリスクを回避する必要がある。
【0042】
但し、クッション部材5bが厚すぎると、製品外への樹脂フロー量が過剰になり、これらが熱板等の積層部材へ付着して、作業性へ悪影響を及ぼしてしまう。更に、これらが付着した状態で次製品の積層加工を行うと、打痕等の不良原因となってしまう。よって、クッション部材の厚み上限は、厚導体配線パターンと絶縁接着シートの厚み差よりも100μm以下のものを選択することが好ましい。
【0043】
上記より、例えば厚導体配線パターンの厚みが200μmで、絶縁接着シートが180μmであった場合、クッション部材5bの厚みは、50μm以上で120μm以下のものを選択すれば良いことになる。
【0044】
また、絶縁接着シート4との密着性を向上させるため、厚導体配線パターン3の表面を粗化処理してもよい。
【0045】
粗化処理には、ブラスト処理や研磨等の物理的エッチングもあるが、立体的な配線パターンにおいては、酸やアルカリを用いた化学的エッチングの方が、効率的に処理できるので、より好ましい。
【0046】
このうち、厚導体配線パターン3に電解銅板を使用したケースでは、化学的エッチングとして、蟻酸やアミン系錯化剤を主成分とするソフトエッチング等で行えばよい。
【0047】
但し、圧延銅板で形成したケースでは、電解銅板よりも粗化されにくいため、上記のソフトエッチングでは十分な粗化がされず、密着性を確保できない可能性がある。このため、圧延銅板を使用したケースでは、前処理として黒化処理等で行うことが好ましい。もちろん、電解銅板を黒化処理等で粗化処理してもよい。
【0048】
次に、
図1(e)の構成材料を、熱板HPの間に挟みこみ、加熱しながら積層プレス加工を行うことで、クッション材5が変形し、絶縁接着シート4を厚導体配線パターン間に押し込むため、ボイドなく、絶縁樹脂層6を形成することができる。このとき、厚導体配線パターン3上では、絶縁樹脂層が隆起した状態(隆起部6a)となる(
図2(f)、(g)参照)。
【0049】
このとき、次の二つのポイントに注意して積層プレス加工することで、本発明において、より好ましい形状とすることができる。それは、絶縁接着シート4よりも、軟化点が低いクッション部材5bを使用することと、加圧タイミングを一般的な条件よりも早めることである。
【0050】
通常、一般的なエポキシ系樹脂からなる絶縁接着シート4を積層するには、樹脂が軟らかくなる100℃から130℃の間で加圧することが推奨されている。これは、絶縁接着シートの粘度が低くなったタイミングで、加圧することにより、配線パターン間に樹脂を充填しやすくするためである。この場合、樹脂は加圧と同時に多くフローするため、絶縁樹脂層の隆起部6aは緩やかな傾斜となる。しかし、その後、この隆起部6aは研磨工程で除去することになるが、隆起部の傾斜が緩やかであると、研磨ロールのロール面が撫でるように当たるため、除去に多くの時間を要することになる。そこで、上記の二つのポイントを踏まえて加工することで、この隆起部6aの傾斜を急峻な状態にし、効率良く隆起部を除去することが可能となる。次にそのメカニズムを示す。
【0051】
まず、クッション部材についてだが、上記のクッション部材5bが軟らかくなる温度では、絶縁接着シート4の絶縁樹脂4bは軟化点に達していないため、まだフローしにくい状態にある。このタイミングで加圧すると、クッション部材5bは内層の厚導体配線パターン3の形状に合わせて変形するが、絶縁接着シート4は、変形することなく、厚導体配線パターン3に追従するように形成される。その後、この状態で絶縁接着シートの軟化点まで加熱しても、クッション部材5により絶縁接着シート4(実際は絶縁樹脂4b)のフロー量は、絶縁接着シートの推奨条件で加工した時よりも抑制される。その結果、絶縁樹脂層の隆起部6aの傾斜は、より急峻な状態にできる。
具体的には、絶縁接着シートとして一般的に使用されるエポキシ系樹脂を適用した場合、110℃から130℃の間で加圧することが推奨されている。このため、例えば、クッション部材に軟化点が80℃から100℃であるポリエチレン系の熱可塑性樹脂を使用すれば、この温度範囲のタイミングで加圧することで、本発明において、より好ましい構成が得られることになる。
【0052】
このように加工された絶縁樹脂層6の内部状態は、厚導体配線パターン非形成部において、少なくとも補強基材4aの一部が、厚導体配線パターン3の高さより、低い位置に存在するように形成される。よって、絶縁樹脂層の厚みが比較的薄くても、補強基材4aが含まれているので、強度の高い絶縁樹脂層6を形成することができる。
【0053】
また、厚導体配線パターン3上の隆起部6a周辺の内部状態は、上記の加工条件により、絶縁樹脂4bのフロー量は比較的抑制されている。しかし、完全にフロー量を抑制することはできない。これは、大電流を流す厚導体配線パターンが、一般的な配線パターンと比較して、厚みや幅が大きいことに起因している。本発明における厚導体配線パターンは、厚みが70μm以上、幅が400μm以上のものを指すが、この配線パターン表層面積は一般的な配線パターンよりも、かなり大きい。このような配線パターンに対して、先に示したポイントを踏まえて積層を行うが、配線パターン上に掛かる圧力が大きいため、クッション材の押さえ込みを逃れて、絶縁樹脂4bが多少フローしてしまう。また、配線パターンのコーナー部PCにおいては、クッション材5との間で他の箇所よりも多くの圧力が掛かるため、配線パターン上よりも、絶縁樹脂4bがフローしやすい。その結果、厚導体配線パターン3の側面付近では、絶縁樹脂を介して補強基材がこの側面に沿うように存在しているが、配線パターン上では、補強基材4aが近接し、コーナー部PCでは接触した状態となる(
図2(g)拡大図参照)。
【0054】
因みに、これが
図6に示したような、厚み50μm、直径φ100μm程度の層間接続用バンプBPに対しての積層加工であれば、クッション材が絶縁樹脂のフローを押さえ込めるため、バンプコーナー部BPCと補強基材4aとの間には、絶縁樹脂4bが多く介在した状態で、絶縁接着層6が形成することができる。
【0055】
このように僅かな補強基材4aの接触があると、厚導体配線パターン3には、数A以上の電流が流れるため、一般的なプリント配線板よりもCAF等のイオンマイグレーションが発生しやすい状態となり、短時間で絶縁性は低下してしまう。
【0056】
そこで、本発明では、これらの厚導体配線パターンに近接又は、接触している補強基材4aを、絶縁樹脂層の隆起部6aを研磨により除去することで、上記の課題を解決する(
図2(h)参照)。これにより、絶縁樹脂層の隆起部6aに含まれる厚導体配線パターン上の補強基材4aは勿論、その周囲の補強基材4aも同時に除去することができる。
【0057】
研磨処理する程度としては、厚導体配線パターンの表層面3aが完全に露出する程度でよいが、さらに1μm以上配線パターンの表層を除去することでより好ましい状態となる。それは、厚導体配線パターンと、その周辺の絶縁樹脂層表層付近にある補強基材4aとの距離を、より大きく確保できるため、CAF等のイオンマイグレーションの発生リスクを低減できるためである。
【0058】
研磨処理方法としては、特に制限はないが、補強基材と金属、樹脂をほぼ同じように研磨できるバフ研磨やベルト研磨等の物理研磨により行うことが好ましい。
【0059】
このうち、バフ研磨では、多軸研磨機を使用することが好ましい。それは、両面を同時に処理することができる上、複数の研磨ホイールにて研磨されるため、効率よく短時間で処理できるためである。この際、使用する研磨ホイールを、全て同一のものでなく、セラミックホイールと、不織布バフホイールを併用することが好ましい。それは、最初にセラミックホイールで、絶縁樹脂に含まれる補強基材4aを除去し、次に、不織布バフホイールで、補強基材が除去された面に生じた細かな凹凸を除去するためである。これにより、短時間で、より平滑な研磨面を形成することができる。
【0060】
しかし、配線パターンの表層部を物理研磨することで、この配線パターンを形成している金属が、厚導体配線パターンの表層面3aと同一高さ(ここでは0〜3μm以内の差を指す)にある絶縁樹脂層の研磨面6b上へ伸ばされて、所謂研磨ダレ部3bが発生してしまう。特に、配線パターンが銅で形成されている場合、研磨ダレ部3bは顕著に発生する。
【0061】
このとき、研磨ダレ部3bが、絶縁樹脂層の研磨面6bから露出した補強基材4a上に被ってしまうと、今度はここを起点にCAF等のイオンマイグレーションが発生しやすくなる(
図2(h)拡大図参照)。そこで、次にこの研磨ダレ部3bの除去を行う。
【0062】
この方法としては、全面をソフトエッチングする方法も考えられるが、本発明構成のように、大電流が流れる配線パターンの表層面3aと、同一面の連続した位置に、補強基材4aが露出した絶縁樹脂層の研磨面6bがある場合、僅かな金属残渣であったとしても、絶縁性低下を引き起こしやすくなるため好ましくない。そこで、ソフトエッチングする量を多くすることで、厚導体配線パターンの表層面3aと、絶縁樹脂層の研磨面6bとの間に、段差を設けることが考えられる。しかし、この方法だと、厚導体配線パターン3の断面積が小さくなり、大電流対応には不利な形状となってしまう可能性がある。そこで、次に示すような方法で、研磨ダレを除去する。
【0063】
まず、研磨により露出した厚導体配線パターンの表層面3a上に、パターントップ幅TWに収まるようなレジスト幅RWで、面取り用レジストR2を設ける(
図3(i)参照)。
【0064】
このレジスト幅RWは、厚導体配線パターン3のトップ幅TWよりも、狭く形成できていれば良いが、狭すぎると過剰エッチングにより、配線パターンの断面積が小さくなってしまう。また、厚導体配線パターンのトップ幅TWと同程度にしてしまうと、位置合わせでパターンコーナー部PCよりも外側にずれた場合、研磨ダレ部3bを除去できないケースがでてくる。よって、レジスト幅RWは、厚導体配線パターンのトップ幅TWに合わせて、これよりも50μmから300μm小さく設定し、設けることが好ましい。
【0065】
ここで使用する面取り用レジストR2には、感光性のドライフィルムレジストを適用すればよいが、本発明ではポジ型の感光性ドライフィルムレジストを使用することが、より好ましい。
その理由は、例えばサブトラクティブ法で多く使用されているネガ型の感光性ドライフィルムNRを使用すると、露光時にアンダーカットが生じることで、逆テーパー形状となる(
図7(a)−1参照)。このため、その後の面取りエッチングの際のエッチング液ETの流れは、厚導体配線パターンの内部を抉るような流れになる(
図7(a)−2参照)。その結果、厚導体配線パターン3の断面積が小さくなりやすく、大電流対応には不利な構成となってしまう。これに対し、ポジ型の感光性ドライフィルムPRであれば、順テーパー形状となる(
図7(b)−1参照)。その結果、エッチング液ETの流れはネガ型の感光性ドライフィルムの時とは逆となり、厚導体配線パターン3のエッチング量をより少なく、研磨ダレ3bを除去することが可能な構成ができる(
図7(b)−2参照)。以上より、面取り用レジストR2には、ポジ型の感光性レジストPRを使用することが望ましい。
【0066】
その後、
図3(j)に示したように、これをエッチング処理することで、厚導体配線パターンのコーナー部PCは面取りされて、面取り部PMを形成することになる。これにより、絶縁樹脂層の研磨面6b上にあった研磨ダレ部3bは除去される。これと同時に、厚導体配線パターンの表層面3aと、絶縁樹脂層の研磨面6bとの間に、溝D1が形成される。この溝D1が形成されたことで、厚導体配線パターン3aと、研磨面に露出した補強基材4aとの接触の可能性を、更に低くすることができるため、CAF等のイオンマイグレーション発生の可能性はより低減される。
【0067】
この時のエッチング液ETとしては、金属をエッチングできるものであれば、特に制限はないが、金属に銅を使用した場合、塩化第二鉄溶液や塩化第二銅溶液等の拡散律速タイプのエッチング液を使用すれば、先に示したポジ型感光性レジストPRにより、順テーパー形状となった面取り用レジストR2の形状との組合せで、溝D1が過剰に深くなり難い、つまり厚導体配線パターン3の断面積が大きい状態で形成できるので、より好ましい。
【0068】
そして、最後に、面取り用レジストR2を剥離することで、厚導体配線パターン3を有し、かつ、当該厚導体配線パターン3に絶縁樹脂層中の補強基材4aが接触していないプリント配線板Pb1が得られる(
図3(k)参照)。本発明のポイントは、厚導体配線パターン3の表層面3aと、絶縁樹脂層6の研磨面6bから露出し、かつ当該厚導体配線パターン3に最近接した位置にある補強基材4aとの間に、これらを断絶するように溝D1が形成されたことにある。
【0069】
このプリント配線板Pb1をベースとして、従来例と同様の構成を形成するのであれば、この上に、絶縁接着シート7と金属箔8、離型材9を順次配置して積層一体化し(
図4(l)(m)参照)、その後、各工程を経ることで、厚導体配線パターン3上に、薄導体配線パターン11が形成されたプリント配線板Pb2が得られる(
図4(n)参照)。
【0070】
このプリント配線板Pb2においては、内層の厚導体配線パターン3は、既に絶縁性に優れた特性を有しており、さらに、研磨処理により、ほぼ平滑な面となっている。このため、この上に設ける絶縁接着シート7は、厚導体配線パターン3間を埋める必要がないため、薄いものが適用でき、クッション材が不要で、離型材のみで加工できる。
【0071】
つまり、樹脂フロー量を多くさせる必要がないため、絶縁接着シート7に含まれる補強基材7aと、金属箔8との間に、絶縁樹脂7bが十分に存在した状態で加工できる。
【0072】
上記のことから、形成される絶縁樹脂層10の厚みは抑えられるため、全体の板厚の増加は抑制される。しかも、金属箔8の表面は平滑性が高いため、薄導体配線パターン11は細線化することができる。
【0073】
そして、厚導体配線パターンの表層面3aと、絶縁樹脂層の研磨面6bとの間に設けられた溝D1には、この上に形成された絶縁樹脂7bが充填されるため、絶縁性が向上する。さらに、溝D1の分だけ接触面積が拡大することで絶縁樹脂層間の密着性も向上させることができる(
図5参照)。
【0074】
また、上記の構成では、プリント配線板Pb1上に、そのまま絶縁接着シート7等を積層してプリント配線板Pb2を形成したが、
図8に示したように、積層前に、フラッシュエッチングすることで、配線パターンの面取り部PMの尖った部分を曲線状3cにすることができる。
【0075】
このように、配線パターンの面取り部を曲線状3cにすることで、例えば、熱サイクルが繰り返される環境で使用されても、配線パターンコーナー部に掛かる応力が分散されるため、その周辺の絶縁樹脂層10(実際には絶縁樹脂7b)にクラックが発生する可能性を低減できる。
【0076】
続いて本発明のプリント配線板の第二の実施形態を
図9から
図11により説明する。
【0077】
この構成のポイントは、大電流が流れる厚導体配線パターンと、制御系の信号が流れる薄導体配線パターンが、同一層に混成していることにある。
【0078】
第一の実施形態では、薄導体配線パターンを形成する場合、厚導体配線パターンの上に、新たに絶縁接着シートと、金属箔を積層し、この金属箔を回路形成することで形成していた。つまり、厚導体配線パターンと、薄導体配線パターンを形成するには、それぞれの配線パターンが形成される少なくとも2層以上の導体層を設けていた。
【0079】
これに対し、第二の実施形態では、厚導体配線パターンと、薄導体配線パターンが、同一層に形成することができる。これにより、製造工程の短縮及び、プリント配線板の薄型化、高密度配線化が可能となる。
【0080】
この製造方法は、第一の実施形態で示したように、研磨処理により厚導体配線パターンの表層面3aが露出したものに対し、導電化処理を行うことで、全面に金属膜12を形成する(
図9(a)、(b)参照)。
【0081】
導電化処理の方法としては、金属膜が形成できれば、乾式法でも、湿式法でも、特に制限はないが、めっき法であれば、容易に全面に金属膜を形成できるので好ましい。但し、絶縁樹脂層表面に、金属膜を形成する必要があるため、化学めっきにより薄膜の金属膜を形成後、電解めっきすることで、導体厚を確保することが好ましい。
【0082】
この時、化学めっきの密着性を向上させるため、絶縁樹脂層表面を粗化処理することで、アンカー効果により密着性を向上させることが望ましい。粗化処理の方法としては、物理的な処理でも、化学的な処理でも、特に制限はないが、アルカリ性過マンガン酸溶液で湿式処理することで、短時間に均一に処理できるので好ましい。
【0083】
また、金属膜としては、エッチングにより回路形成できる金属であれば、特に制限はないが、導電性、熱伝導性および、コストメリットを考慮すると、銅を選択することが好ましい。
【0084】
次に、厚導体配線パターン3上にある金属膜12に、第一の実施形態と同様に、面取り用レジストR2を形成する。それと同時に、厚導体配線パターン非形成部にある絶縁樹脂層6上の金属膜12には、薄導体配線パターン形成用レジストR3(以降レジストR3と表記する)を形成する(
図9(c)参照)。
【0085】
これをエッチングし、それぞれのレジストを剥離することで、第一の実施形態と同様に、コーナー部が面取りエッチングされた表層に金属膜12aを有した厚導体配線パターン3と、絶縁樹脂層6上に、金属膜12bからなる薄導体配線パターン11aを同時に形成することができ、これらが同一層に混成したプリント配線板Pb3が得られる(
図10(d)(e)参照)。
【0086】
このプリント配線板は、厚導体配線パターンの絶縁性が高いのは勿論、厚導体配線パターンと、薄導体配線パターンの間に、溝D2が形成されているため、これら配線パターン間の絶縁性は高い。また、この上に、厚導体配線パターン3の金属膜12aに開口部Wを有するソルダーレジストSR層を形成することで、この溝D2にソルダーレジストSRが充填されるため、ソルダーレジストSRの密着性及び、絶縁性が向上する(
図10(f)
図11参照)。
【0087】
さらに、この構成は、厚導体配線パターン3上に、金属膜12aが形成されているため、断面積も大きくすることができ、大電流を流すには、より有利な構造となる。
【0088】
次に、第三の実施形態について説明する。上記に示した第二の実施形態の構造は、絶縁樹脂層に導電化処理より、直接金属膜を形成する構造であったが、この場合密着性を上げるため、絶縁樹脂層を粗化処理する工程が必要となる。そこで、絶縁接着シートを積層する際に、金属箔13を同時に積層することで、絶縁樹脂層6との密着性を確保したプリント配線板Pb4としても良い。この場合、薄導体配線パターン11bは、金属箔13と金属膜12bで構成されることになる(
図12参照)。ちなみに、厚導体配線パターン3上の金属箔は、研磨の際に、絶縁樹脂と共に除去されている。
【0089】
続いて本発明のプリント配線板の第四の実施形態を
図13及び、
図14により説明する。これまで示した第一及び、第二、三の実施形態では、厚導体配線パターンの表層面と、絶縁樹脂層の研磨面との間に溝を形成するため、研磨後の厚導体配線パターンの表層面上に、面取り用レジストを形成し、エッチングしていた。この場合、厚導体配線パターン上への合わせ精度が必要となるが、この時のズレ量を見込んで面取り用レジストを設定する必要があった。よって、当初の状態よりも大電流パターンの断面積が小さくなってしまう。そこで、第四の実施形態では、この面取り用レジストを新たに設けることなく、厚導体配線パターンの表層面と、絶縁樹脂層の研磨面との間に溝を形成する。
【0090】
まず、厚導体配線パターンを形成する際に使用された厚導体配線パターン形成用レジストR4(以降レジストR4と表記)を剥離せずに、絶縁接着シート4とクッション材5を順次配置し、これを熱板HPに挟んで積層一体化する(
図13(a)(b)参照)。これにより、厚導体配線パターン表層面3aと、パターンコーナー部PC及び、その周辺が、レジストR4で覆われた構成となる(
図14(c)参照)。このレジストR4が存在することで、厚導体配線パターンのコーナー部PCと、絶縁樹脂層に含まれる補強基材4aが直接接触することを防止できる(実際のレジスト厚は積層により薄くなるが、図では構成を理解し易くするため、厚めに表記している)。よって、この時点でCAFの発生リスクを低減した構成が得られる。
【0091】
但し、ここで使用したレジストR4が、回路形成で使用される一般的な感光性レジストの場合、絶縁性を考慮して樹脂設計をされていないため、より絶縁性が低下してしまうことも考えられる。また、表層面も絶縁樹脂層が隆起した状態6cとなっているため、更に多層化する際に、不具合が生じやすい。そこで、次に、このレジストR4と、絶縁樹脂層の隆起部6cを除去する。
【0092】
まず、絶縁樹脂層の隆起部6cは、これまでの第一の実施形態等と同様に研磨により除去する。この研磨により、厚導体配線パターンの表層面3aと絶縁樹脂層の研磨面6bとの間に存在するレジストR4が露出される(
図14(d)参照)。よって、次にこのレジストR4を除去する処理を行うが、その前に、研磨により発生した研磨ダレ部を除去するためのフラッシュエッチングを行う。このエッチングはレジストR4上にある研磨ダレを除去するためである。よって、完全に除去されなかったとしても、後工程でレジストR4と共に除去されるので、短時間処理のフラッシュエッチングにより行えばよい。
【0093】
レジストR4の除去には、通常のドライフィルムの剥離処理により行うこともレジストの種類によっては可能と考えられるが、一般的な感光性レジストを使用した場合は、積層プレス時の加熱処理により、絶縁樹脂層6と密着して、剥離処理だけでは完全に除去できないケースが多い。そこで、これをアルカリ性過マンガン酸溶液による湿式処理にて除去することで、より短時間で容易に除去することが可能となるので好ましい(
図14(e)参照)。
【0094】
これより、面取り用レジストを形成せずに、厚導体配線パターンの表層面3aと、絶縁樹脂層の研磨面6bとの間の溝D3を容易に形成することができる。
【0095】
また、溝D3を形成した後、フラッシュエッチング処理を行うことで、厚導体配線パターン3のコーナー部PCを、曲線状3dとすることができ、これはこの上に絶縁樹脂層を形成する構成とした場合、コーナー部を起点とした絶縁樹脂層のクラック発生を防止することができる。
【0096】
上記では、レジストR4として、回路形成用の感光性ドライフィルムを適用しているが、フレキ基板用のソルダーレジストのようなレジストを採用することで、これらを剥離する必要がない構成とすることもできる。
【0097】
続いて本発明のプリント配線板の第五の実施形態を
図15により説明する。
【0098】
この構成のポイントは、厚導体配線パターンを埋める絶縁樹脂層を、絶縁接着シートのほかに、ワニス状の絶縁インクにより形成している点である。
【0099】
これまで示した第一から第四の実施形態では、絶縁樹脂層を、絶縁接着シートのみで形成していたが、これは厚導体配線パターンが厚くなればなるほど難しくなる。また、これをクッション材で強引に埋め込もうとすると、クッション材が破れて、製品にクッション部材が付着してしまうこともある。
【0100】
そこで、絶縁接着シートを積層する前に、予め絶縁インクで厚導体配線パターンを、適度に埋め込み、嵩上げすることで、上記の課題を解消することができる。
【0101】
この製造方法としては、絶縁基材1上に形成された厚導体配線パターン3上に、絶縁インク14を全面又は、厚導体配線パターン非形成部に塗布する(
図15(a)参照)。
【0102】
塗布量としては、少なくとも厚導体配線パターン非形成部において、厚導体配線パターンの高さよりも、表層面が低い位置になるように形成する。これは、この上に積層される絶縁接着シートに含まれる補強基材が、後工程の研磨処理後にも、絶縁樹脂層中に含まれるようにするためである(強度維持のため)。
【0103】
例えば、厚導体配線パターンが200μm厚であった場合、100μm厚程度の高さまで、絶縁インクで埋め込んだ後、100μm厚程度の絶縁接着シートを積層すれば、形成される絶縁樹脂層には補強基材が含まれた構成が形成できる。
【0104】
つまり、この上に積層する絶縁接着シートの厚みと、絶縁インクで形成される厚みが、厚導体配線パターンの厚みと、同等となることを目安に塗布すればよい。塗布回数としては、特に制限はなく、1回でも複数回でも構わない。
【0105】
ちなみに、今回は表記はしてないが、全面に塗布した場合、厚導体配線パターン上の絶縁インクの大半は、厚導体配線パターン非形成部に流れて、厚導体配線パターン上には、数μm(2〜5μm厚)の絶縁樹脂膜が形成される。これは厚導体配線パターンの絶縁性を、さらに向上できるため、より好ましい構造となる。
【0106】
この絶縁インクとしては、配線パターン間の絶縁性を確保できれば、特に制限はないが、本構成では大電流が流れることで発熱することを考えると、耐熱性に優れたエポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂を使用することが好ましい。より好ましくは、この上に設ける絶縁接着シートと同系統の樹脂を使用することで、絶縁樹脂間の密着性も向上させることができる。
【0107】
また、絶縁インク中には、シリカ系フィラー、アルミナ等を含むことで、機械特性・電気特性が向上するだけでなく、放熱性も向上するので、より好ましい。
【0108】
形成方法としては、スクリーン印刷法、カーテンコート法、ロールコータ法等により行うことができるが、塗布する対象が、両面であれば、ロールコータ法が両面を効率よく塗布できるので、より好ましい。
【0109】
絶縁インクの硬化状態としては、完全硬化した状態でも構わないが、半硬化の状態(樹脂の反応率が30〜50%程度)、いわゆるBステージの状態の方が、この上に積層形成する絶縁接着シートとの密着性は向上するため、この状態で硬化することが好ましい。
【0110】
次に、絶縁インク14が塗布された面に対し、絶縁接着シート4と、クッション材5を順次配置して、これを熱板HPの間に挟み積層プレス加工することで、厚導体配線パターン上が隆起部6dとなる絶縁樹脂層6が形成される(
図15(b)(c)参照)。
【0111】
先にも記載したが、ここで使用される絶縁接着シート4の厚みは、絶縁インク14により埋め込まれた厚導体配線パターンの残りの厚みを目安に、選定することができる。よって、埋め込み量を多くすることで、この上に配置する絶縁接着シートの厚みを薄くできるため、コストメリットが出せるようになる。また、配線パターンとの段差も小さくなるため、積層プレス加工時のボイド発生リスクをより低減することができる。
【0112】
本発明を説明するに当たって、主に片面構成のプリント配線板を例にして説明したが、本発明の構成から逸脱しない範囲であれば、他の構成を利用することはもちろん可能である。